(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態に係る成形装置について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る成形装置は、隙間を開けて配置された2つの金型により形成されるキャビティを固形の樹脂材料で充填した後、キャビティ内に充填された樹脂材料をマイクロ波により加熱して溶融する。そして、成形装置は、2つの金型を温度調節しつつ突き合わせて、溶融した樹脂材料を固化することにより、成形品を生成する。
図1に示すように、本実施の形態に係る成形装置1は、可動プラテン10と金型組11とマイクロ波照射部15と温度調節部17と吸引部19と固定プラテン21と型締部22と金型昇降部(金型保持部)25とホッパー26とシールド(遮蔽部)27とを備える。
ホッパー26は、金型組11へ供給する固形の樹脂材料を収納する。固形の樹脂材料としては、例えばペレット材やフレーク材を採用できる。ペレット材の場合、その平均粒径は、例えば数μm乃至数mm程度である。また、樹脂材料の種類は、例えば熱可塑性樹脂であるPP、PS、ABS、PE、PA、PBT、PET、POM、PPS等を採用できる。
金型組11は、金属製の、可動金型(第1金型)12と固定金型(第2金型)13とから構成される。可動金型12と固定金型13とには、製造しようとする成形品の形状に対応して凸凹構造が形成されている。図1に示す例では、可動金型12に凸部121が形成され、固定金型13に凹部131が形成されている。そして、可動金型12と固定金型13とを突き合わせた状態において、可動金型12と固定金型13との間に1つのキャビティ111が形成される。キャビティ111は、互いに対向して配置された可動金型12と固定金型13との間の樹脂材料を充填する空間に相当する。可動金型12には、キャビティ111に連通し、キャビティ111内に存在する気体を吸引するための吸引口122と、吸引口122に連通する排気路123と、が設けられている。固定金型13には、固定金型13の上壁面からキャビティ111に貫通する複数の貫通孔132が設けられている。そして、貫通孔132の最小径の部分の直径は、樹脂材料(例えばペレット材やフレーク材)が通過可能な大きさに設定されている。この貫通孔132の最小径の部分の直径は、例えば数mm程度に設定される。なお、本実施の形態では、固定金型13に複数の貫通孔132が設けられている例について説明しているが、固定金型13に貫通孔132が1つだけ設けられている構成であってもよい。また、固定金型13は、貫通孔132の下端部に設けられた金属製の蓋体134と、蓋体134を駆動する駆動機構(図示せず)と、を有する。蓋体134は、駆動機構により貫通孔132の内壁から固定金型13に没入されることにより貫通孔132を開放状態にする。一方、蓋体134は、駆動機構により貫通孔132の内壁から突出されることにより貫通孔132を閉塞する。更に、固定金型13における可動金型12に対向する側とは反対側の端部には、側方に張り出したフランジ部133が設けられている。
マイクロ波照射部15は、高周波発生器151と導波管152とを有する。高周波発生器151は、いわゆるマグネトロンであり、マイクロ波を発生する。高周波発生器151で発生する高周波の周波数は、例えば0.902乃至24.25GHz帯に設定される。高周波の周波数は、使用する樹脂の種類に応じて適宜選択される。導波管152は、導電体である金属から形成され、高周波発生器151で発生したマイクロ波を導く。マイクロ波照射部15は、金型組11の上方からマイクロ波を照射可能な位置に配置されている。マイクロ波照射部15は、固定金型13に設けられた貫通孔132を通じて、キャビティ111内へマイクロ波を照射する。なお、貫通孔132の形状は、離形時に固定金型13からの抜きやすさ、成形品の形状、使用する樹脂材料、使用するマイクロ波等を総合的に考慮して決定される。
温度調節部17は、温度調節部本体171と熱媒管172とを有する。温度調節部本体171は、圧縮機(図示せず)と熱交換器(図示せず)とを有し、加圧成形後に樹脂材料を冷却するために熱媒管172を流れる熱媒を介して金型組11を温度調節する。ここで、温度調節部17は、例えば樹脂材料の融点よりも低く常温よりも高い規定温度(例えば80℃)となるように金型組11の温度を調節する。なお、温度調節部17は、常温以下の温度で温度調節する構成であってもよい。また、金型組11を温度調節するために、熱媒に換えて、カートリッジヒータ等の加熱ヒータを金型組11に設置してもよい。
吸引部19は、真空ポンプ191と排気管192とを有する。吸引部19は、排気管192が可動金型12に形成された排気路123に接続された状態で、真空ポンプ191を駆動することにより、金型組11のキャビティ111内の気体を吸引する。また、吸引口122は、内側に例えば多孔質金属から形成された部材(図示せず)が設けられ、排気路123とキャビティ111の間に位置する。これにより、樹脂材料の排気路123への侵入を防止している。
固定プラテン21は、金型組11の固定金型13に当接する。可動プラテン10には、可動金型12が取り付けられる。
型締部22は、型締部本体221と、型締部本体221と金型組11とを固定プラテン21に向けて押圧する押圧機構222と、タイバー223と、を有する。型締部本体221は、押圧機構222を駆動する電動式または油圧式の駆動機構を内蔵する。押圧機構222は、型締部本体221に対して突出する方向と没入する方向へ移動可能となっている(図1の矢印AR10参照)。タイバー223は、型締部本体221の押圧機構222が没突する側に立設されている。タイバー223には、型締部本体221から離間して固定プラテン21が固定されている。
金型昇降部25は、固定金型13のフランジ部133を保持して固定金型13を昇降させる。また、金型昇降部25は、可動金型12が固定金型13から予め設定された距離だけ離間した状態で、可動金型12を保持することも可能である。
シールド27は、例えば金属製の箱体から構成され、マイクロ波照射部15から照射されるマイクロ波を遮蔽する。シールド27は、可動金型12、固定金型13およびマイクロ波照射部15を覆っている。
可動プラテン10、金型組11および金型昇降部25は、投入位置と、加熱位置と、加圧位置と、の間で移動可能(図1の矢印AR0参照)な可動ユニットU1を構成している。ここで、投入位置は、ホッパー26から固形の樹脂材料を金型組11のキャビティ111へ投入する位置である。加熱位置は、マイクロ波照射部15により金型組11のキャビティ111に充填された樹脂材料を加熱する位置である。加圧位置は、型締部22により、固定金型13に当接させた固定プラテン21に可動金型12が取り付けられた可動プラテン10を近づける方向に押圧することにより、金型組11のキャビティ111に充填された樹脂材料を加圧する位置である。
次に、本実施の形態に係る成形装置1を用いた成形方法について、図2乃至図6を参照しながら説明する。この成形方法では、図2に示すように、材料投入工程、加熱工程、加圧・固化工程、離型工程が順に実行される。まず、可動金型12と固定金型13との間に固形の樹脂材料を投入する材料投入工程(第1工程)が実行される(ステップS101)。具体的には、可動金型12と固定金型13とを隙間G1だけ離間して配置する。ここで、金型昇降部25は、可動金型12および固定金型13における、加圧・固化工程において互いに当接される当接面12a、13aに隙間G1が生じた状態で、固定金型13を保持する。隙間G1の距離W1は、製造しようとする成形品の種類に応じて適宜設定される。そして、この状態で、可動ユニットU1を投入位置へ移動させ、図3に示すように、ホッパー26から固定金型13に設けられた貫通孔132を通じて、固形の樹脂材料M1を、キャビティ111に投入する(図3の矢印AR1参照)。このとき、成形装置1は、吸引部19により、吸引口122および排気路123を通じて、キャビティ111に投入される樹脂材料M1を吸引する(図3の矢印AR2参照)。これにより、固形の樹脂材料M1をキャビティ111の隅々にまで斑無く行き渡らせることができる。
図2に戻って、次に、可動金型12と固定金型13との間に投入された樹脂材料、即ち、キャビティ111に充填された樹脂材料にマイクロ波を照射することにより樹脂材料を加熱溶融する加熱工程(第2工程)が実行される(ステップS102)。この工程において、成形装置1は、可動ユニットU1を加熱位置へ移動させた後、図4に示すように、マイクロ波照射部15により、固定金型13に設けられた貫通孔132を通じて、樹脂材料M2にマイクロ波を照射する(図4の矢印AR3参照)。これにより、キャビティ111内の樹脂材料M2は、樹脂材料M2を構成する分子とマイクロ波との相互作用により加熱され溶融する。この工程において、例えば、キャビティ111に投入された樹脂材料M2の種類やキャビティ111のサイズ、キャビティ111に投入された樹脂材料M2全体(重さ)等に基づいて、予め定められた時間だけ、マイクロ波を照射する。このとき、固定金型13の貫通孔132からは、樹脂材料が溶融する際に発生する気体が金型組11の外部へ放出される(図4の矢印AR4参照)。また、成形装置1は、吸引部19により、吸引口122および排気路123を通じて、キャビティ111内で溶融される樹脂材料M2から発生する気体を吸引する(図4の矢印AR5参照)。これにより、成形品内のボイドの発生が抑制される。
図2に戻って、続いて、可動金型12を固定金型13に近づけて可動金型12と固定金型13とを突き合わせることにより、溶融した樹脂材料を加圧しながら温度調節する加圧・固化工程(第3工程)が実行される(ステップS103)。この工程において、成形装置1は、図5に示すように、固定金型13の貫通孔132を蓋体134により閉塞した後、可動ユニットU1を加圧位置へ移動させる。そして、成形装置1は、図5に示すように、型締部22の押圧機構222により、金型組11を固定プラテン21に予め設定された圧力で押し付ける(図5の矢印AR6参照)。ここで、成形装置1は、キャビティ111内の樹脂材料M3を加圧しながら、可動金型12および固定金型13の当接面12a、13aを当接させる。また、成形装置1は、温度調節部17により金型組11を樹脂材料の固化温度よりも低い予め設定された温度に温度調節する。これにより、キャビティ111内の樹脂材料M3は、加圧されるとともに固化する。また、成形装置1は、吸引部19により、固定金型13の貫通孔132を通じて樹脂材料M3を加圧する際に発生する気体を吸引する(図5の矢印AR7参照)。これにより、樹脂材料M3の固化に伴う収縮に起因した成形品の成形不良や成形品内のボイドの発生が抑制される。
図2に戻って、樹脂材料M3の固化後、可動金型12と固定金型13とを離間させることにより、樹脂材料から形成された成形品を取り出す離型工程(第4工程)が実行される(ステップS104)。この工程において、成形装置1は、可動ユニットU1を加圧位置の外へ移動させた後、図6に示すように、金型昇降部25により、固定金型13と可動金型12とを離間させる(図6の矢印AR8参照)。そして、可動金型12に載置された状態の成形品P1を取り出す(図6の矢印AR9参照)。
ところで、従来の樹脂射出成形方法では、溶融樹脂の粘度が高く、金型のキャビティ内を入っていく流動抵抗が高いために細部へは行き渡りづらかった。これに対して、本実施の形態に係る成形方法によれば、可動金型12と固定金型13との間に固形の樹脂材料を投入してから可動金型12と固定金型13との間で樹脂材料を加熱溶融する。これにより、キャビティ111内の細部への樹脂材料の充填が格段にやり易くなった。従って、成形品の形状が溶融樹脂材料の流動抵抗を考慮した形状に制限されることがないので、成形品の形状設計の自由度が拡げられるという利点がある。また、樹脂材料の節減も図れる。
更に、従来の樹脂射出成形では、キャビティの射出部から離れた部分に微細な形状を有する微細形状部分が存在すると、その微細形状部分に樹脂材料が十分に行き渡らず成形不良が発生してしまう懸念があった。これに対して、本実施の形態に係る成形方法によれば、キャビティ111に予め樹脂材料を入れてから加熱溶融するため、従来の樹脂射出成形に比べ樹脂材料の流動抵抗によるキャビティ111の細部への入り込み不足の懸念が少なく、成形不良の発生が抑制される。
また、従来の樹脂射出成形では、ガラス繊維や炭素繊維等、特に長い繊維を含む樹脂材料を用いる場合、金型のキャビティ細部に樹脂が入っていく際に、これらの繊維の折損が発生し、成形品の強度または剛性に影響があった。これに対して、本実施の形態に係る成形方法によれば、これらの繊維の折損を防止することができるので、成形品の強度と剛性の少なくとも一方の性質を向上させることができる。
更に、本実施の形態に係る成形装置1によれば、キャビティ111に充填された樹脂材料を、マイクロ波を用いた誘電加熱により溶融させる。これにより、成形装置1は、例えば熱伝導、熱伝達、熱輻射等の間接加熱により樹脂材料を溶融させる構成に比べて、熱エネルギの損失が低減され加熱効率が良い。従って、成形装置1は、同一量の樹脂材料を加熱溶融する場合、前述の熱伝導、熱伝達、熱輻射等の間接加熱により樹脂材料を溶融させる構成に比べて、小型化できるという利点がある。
また、更に、本実施の形態に係る成形方法は、高価な射出成形機を必要としない成形方法であり、設備コスト、省スペース化が格段に図れるという利点がある。
更に、本実施の形態に係る加熱工程では、可動金型12と固定金型13とを対向させることにより、可動金型12と固定金型13との間に樹脂材料を充填する空間であるキャビティ111が形成された状態で、固定金型13に設けられた貫通孔132を通じて、樹脂材料M2にマイクロ波を照射する。また、材料投入工程では、固定金型13に設けられた貫通孔132を通じて、樹脂材料を、キャビティ111に投入する。即ち、貫通孔132を樹脂材料M1の投入と樹脂材料M2へのマイクロ波の照射の両方に兼用する。これにより、固定金型13に設ける貫通孔132の数を低減できるので、固定金型13の強度を高めることができる。
更に、本実施の形態に係る成形装置1は、排気管192が可動金型12に形成された排気路123に接続された状態で、金型組11のキャビティ111内の気体を吸引する吸引部19を備える。そして、材料投入工程において、吸引部19は、吸引口122および排気路123を通じて、キャビティ111に投入される固形の樹脂材料M1を吸引する。これにより、キャビティ111全体に固形の樹脂材料M1を行き渡らせ易くなるので、その分、成形不良の発生が低減される。また、加熱工程において、吸引部19は、吸引口122および排気路123を通じて、キャビティ111内で溶融される樹脂材料M2から発生する気体を吸入する。これにより、キャビティ111に充填される樹脂材料M2に巻き込まれる気体の量が低減されるので、成形品におけるボイドの発生を抑制でき、成形品の品質を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る材料投入工程では、金型昇降部25が、可動金型12および固定金型13における加圧・固化工程において互いに当接される当接面12a、13aの間に隙間G1が生じた状態で、固定金型13を保持する。この状態で、固形の樹脂材料M1がキャビティ111に投入される。一方、加圧・固化工程において、型締部22が、可動金型12および固定金型13の当接面12a、13a同士を当接させてキャビティ111内の樹脂材料M3を加圧する。これにより、製造しようとする成形品の種類や大きさに応じて隙間G1の距離を適宜設定することにより、加圧・固化工程における樹脂材料の収縮に起因した成形不良の発生を抑制できる。
更に、本実施の形態に係る成形装置1は、可動金型12、固定金型13およびマイクロ波照射部15を覆うシールド27を備える。これにより、マイクロ波照射部15から放射されるマイクロ波による、成形装置1の周囲に配置された外部機器への影響が低減される。
(実施の形態2)
実施の形態1では、固定金型13の貫通孔132を通じて固形の樹脂材料M1を供給する例について説明した。これに対して、本実施の形態に係る成形方法は、可動金型の鉛直下方に固定金型を配置し、固定金型に固形の樹脂材料を載置する。そして、固定金型と可動金型とを離間させた状態で樹脂材料をマイクロ波により加熱して溶融してから固定金型と可動金型とを突き合わせて固化することにより、成形品を生成する。
図7に示すように、本実施の形態に係る成形装置2は、可動プラテン10と金型組2011とマイクロ波照射部15と温度調節部17と固定プラテン21と型締部22とシールド27と、を備える。なお、図7において、実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。
金型組2011は、金属製の、可動金型(第2金型)2012と固定金型(第1金型)2013とから構成される。固定金型2013は、可動金型2012の鉛直下方に配置されている。可動金型2012には、凹部2121が形成され、固定金型2013には、凸部2131が形成されている。そして、可動金型2012と固定金型2013とを突き合わせた状態において、可動金型2012と固定金型2013との間に1つのキャビティ2111が形成される。可動金型2012は、可動プラテン10に固定され、固定金型2013は、固定プラテン21に固定されている。マイクロ波照射部15は、金型組2011の側方からマイクロ波を照射可能な位置に配置されている。
次に、本実施の形態に係る成形装置2を用いた成形方法について、図8乃至図11を参照しながら説明する。本実施の形態に係る成形方法は、実施の形態1において図2を用いて説明した成形方法と同様に、材料投入工程、加熱工程、加圧・固化工程および離型工程の順に実行される。
まず、材料投入工程において、図8に示すように、成形装置2は、型締部22の押圧機構222を型締部本体221へ没入させることにより(図8の矢印AR201参照)、可動金型2012と固定金型2013とを離間させる。そして、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、固形の樹脂材料M201が、固定金型2013の所定の位置に載置される(図8の矢印AR202参照)。また、固定金型2013への固形の樹脂材料M201の載置は、例えば固形の樹脂材料を搬送する搬送装置(図示せず)により搬送されてもよい。
次に、加熱工程において、成形装置2は、図9に示すように、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、マイクロ波照射部15により、可動金型2012および固定金型2013の側方の離間した隙間から樹脂材料M202にマイクロ波を照射する(図9の矢印AR203参照)。これにより、固定金型2013に載置された樹脂材料M202が加熱されて溶融する。このとき、樹脂材料が溶融する際に発生する気体は、可動金型2012および固定金型2013の側方へ放出される。
続いて、加圧・固化工程において、成形装置2は、図10に示すように、型締部22の押圧機構222を型締部本体221から突出させることにより、可動プラテン10を固定プラテン21へ近づける。そして、成形装置2は、可動金型2012と固定金型2013とにより、樹脂材料M203を加圧して押し潰す(図10の矢印AR204参照)。このとき、樹脂材料M203は、押し潰されて金型組2011のキャビティ2111内の隅々まで行き渡る。また、成形装置2は、温度調節部17により金型組2011を予め設定された温度に温度調節する。これにより、キャビティ2111内の樹脂材料M203が固化する。これにより、樹脂材料M203の固化に伴う収縮に起因した成形品の成形不良が抑制される。
その後、離型工程において、成形装置2は、図11に示すように、型締部22の押圧機構222を型締部本体221へ没入させることにより(図11の矢印AR205参照)、可動金型2012と固定金型2013とを離間させる。そして、固定金型2013に載置された状態の成形品P2を取り出す(図11の矢印AR206参照)。
以上説明したように、本実施の形態に係る成形装置2によれば、材料投入工程において、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、固形の樹脂材料を、固定金型2013の所定の位置に載置する。そして、加熱工程において、マイクロ波照射部15が、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、離間した隙間から樹脂材料にマイクロ波を照射する。これにより、材料投入工程、加熱工程および加圧・固化工程それぞれに応じて、金型組2011を移動させる必要がない。これにより、成形装置2は、実施の形態1に係る成形装置1に比べて構造を簡素化することができるので、装置全体の小型化を図ることができる。
ところで、従来の成形方法の場合、例えば、特公平3−33492号公報にて、金型面に溶融熱可塑性樹脂と同類のシートまたはフィルムを前もって設置しておく熱可塑性樹脂のプレス成形方法が提供されている。但し、この種の成形方法では、金型上で材料を溶融させられないため、予め溶けかかった材料を金型上に載置する必要があった。しかしながら、金型上に載置する際の位置精度が出ないため、成形精度が良くなかった。これに対して、本実施の形態に係る成形方法の場合、固定金型2013上で固形の樹脂材料を所定の位置に載置してから溶融させることができるため、成形精度の良い成形品を製作できる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、投入位置と、加熱位置と、加圧位置と、の間で移動可能な可動ユニットU1を有する成形装置1の例について説明した。これに対して、本実施の形態に係る成形装置は、可動プラテンおよび型締部が固定プラテンの鉛直上方に配置されている。そして、本実施の形態に係る成形方法では、金型組を固定プラテンと可動プラテンとの間に配置した状態で、樹脂材料の投入および樹脂材料へのマイクロ波照射が行われる。
図12に示すように、本実施の形態に係る成形装置3は、可動プラテン3010と金型組3011とマイクロ波照射部15と温度調節部17と固定プラテン21と型締部3022とホッパー26とシールド27とを備える。なお、図12において、実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。
金型組3011は、金属製の、可動金型(第2金型)3012と固定金型(第1金型)3013とから構成される。固定金型3013は、可動金型3012の鉛直下方に配置されている。可動金型3012には、凹部3121が形成され、固定金型3013には、凸部3131が形成されている。そして、可動金型3012と固定金型3013とを突き合わせた状態において、可動金型3012と固定金型3013との間にキャビティ3111が形成される。可動金型3012には、可動金型3012の上壁面からキャビティ3111に貫通する複数の貫通孔3122が設けられている。貫通孔3122の下端部には、金属製の蓋体3124が設けられている。固定金型3013には、実施の形態1に係る可動金型12と同様に吸引口122と排気路123とが形成されている。可動金型3012は、可動プラテン3010に固定され、固定金型3013は、固定プラテン21に固定されている。
可動プラテン3010には、可動プラテン3010に固定された可動金型3012の貫通孔3122に連通する貫通孔3101が設けられている。
型締部3022は、型締部本体3221と、可動プラテン3010を固定プラテン21に向けて押圧する押圧機構3222と、タイバー223と、を有する。押圧機構3222は、型締部本体3221に対して突出する方向と没入する方向へ移動可能となっている(図12の矢印AR30参照)。型締部本体3221および押圧機構3222には、型締部3221の鉛直上方から押圧機構3222の先端部に固定された可動プラテン3010の貫通孔3101に連通する貫通経路3224が設けられている。
ホッパー26は、型締部3022の鉛直上方の樹脂材料を投入する投入位置と、退避位置との間で移動可能となっている(図12の矢印AR311参照)。また、マイクロ波照射部15も、型締部3022の鉛直上方のマイクロ波を樹脂材料に照射する照射位置と、退避位置との間で移動可能となっている(図12の矢印AR312参照)。
次に、本実施の形態に係る成形装置3を用いた成形方法について、図13乃至図16を参照しながら説明する。なお、図13乃至図16において、実施の形態1と同様の構成については、図3乃至図6と同一の符号を付している。本実施の形態に係る成形方法は、実施の形態1において図2を用いて説明した成形方法と同様に、材料投入工程、加熱工程、加圧・固化工程および離型工程の順に実行される。
まず、材料投入工程において、成形装置3は、可動金型3012および固定金型3013における当接面12a、13aに隙間G1が生じた状態で、可動金型3012と固定金型3013とを隙間G1だけ離間して配置する。また、成形装置3は、ホッパー26を型締部3022の鉛直上方へ移動させる。そして、図13に示すように、ホッパー26から、互いに連通する貫通経路3224と貫通孔3101、3122とを通じて、固形の樹脂材料M1を、キャビティ3111に投入する(図13の矢印AR301参照)。
次に、加熱工程において、成形装置3は、マイクロ波照射部15を型締部3022の鉛直上方へ移動させる。そして、成形装置3は、図14に示すように、マイクロ波照射部15により、貫通孔3224、3101、3012を通じて、樹脂材料M2にマイクロ波を照射し(図14の矢印AR303参照)、樹脂材料M2を溶融させる。ここで、樹脂材料が溶融する際に発生する気体は、互いに連通する貫通経路3224と貫通孔3101、3012とを通じて、金型組3011の外部へ放出される(図14の矢印AR304参照)。
続いて、加圧・固化工程において、成形装置3は、図15に示すように、可動金型3012の貫通孔3122を蓋体3124で閉塞する。そして、成形装置3は、型締部3022の押圧機構3222により、可動プラテン3010に固定された可動金型3012を固定金型3013に予め設定された圧力で押し付ける(図15の矢印AR306参照)。ここで、成形装置3は、キャビティ3111内の樹脂材料M3を加圧しながら、可動金型3012および固定金型3013の当接面12a、13aを当接させる。
その後、離型工程において、成形装置3は、図16に示すように、可動金型3012を上昇させることにより(図16の矢印AR307)、固定金型13と可動金型12とを離間させる。そして、固定金型3013に載置された状態の成形品P1を取り出す。
以上説明したように、本実施の形態に係る成形装置3によれば、可動プラテン3010に貫通孔3101が設けられるとともに型締部本体3221および押圧機構3222に貫通経路3224が設けられている。また、可動プラテン3010に固定される可動金型3012にも貫通孔3122が設けられており、貫通経路3224と貫通孔3101、3122は互いに連通している。そして、本実施の形態に係る成形方法では、金型組3011のキャビティ3111への樹脂材料の投入並びにキャビティ3111に投入された樹脂材料へのマイクロ波の照射が、互いに連通する貫通経路3224と貫通孔3101、3122とを通じて行われる。これにより、実施の形態1に係る成形装置1のように、金型昇降部25や可動ユニットU1を移動させる機構が不要となるので、実施の形態1に係る成形装置1に比べて簡素な構成とすることができる。
(変形例)
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、実施の形態1に係る成形方法の加圧・固化工程において、部分的に他の部分と独立した金型を動かすことにより部分的に厚さが異なる成形品を製造する成形方法であってもよい。
図17に示すように、本変形例に係る成形方法に使用される成形装置4は、可動プラテン4010と金型組4011とマイクロ波照射部15と温度調節部17と吸引部19と固定プラテン21と型締部4022と金型昇降部25とホッパー26とシールド27とを備える。なお、図17において、実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。
金型組4011は、金属製の、第1サブ可動金型4012と、第2サブ可動金型4014と、固定金型13と、から構成される。第1サブ可動金型4012には、成形品の形状に応じた凸部4121と、第1サブ可動金型4012を上下方向に貫通し第2サブ可動金型4014が挿通される貫通孔4012aと、が形成されている。そして、第1サブ可動金型4012および第2サブ可動金型4014と、固定金型13と、を対向させた状態において、第1サブ可動金型4012、第2サブ可動金型4014および固定金型13との間にキャビティ4111が形成される。第1サブ可動金型4012には、実施の形態1に係る可動金型12と同様に吸引口122と排気路123とが形成されている。第2サブ可動金型4014は、第1サブ可動金型4012の貫通孔4012aに挿通され、第1サブ可動金型4012に対して上下方向(図17の矢印AR401参照)に移動可能である。
可動プラテン4010には、可動プラテン4010の上下方向に貫通し第2サブ可動金型4014が挿通される貫通孔4010aが形成されている。
型締部4022は、型締部本体4221と、型締部本体4221と金型組4011とを固定プラテン21に向けて押圧する第1押圧機構4222および第2押圧機構4224と、タイバー223と、を有する。第1押圧機構4222と第2押圧機構4224とは、それぞれ独立に、型締部本体4221に対して突出する方向と没入する方向へ移動可能となっている(図17の矢印AR4010、AR4011参照)。
可動プラテン4010、金型組4011および金型昇降部25とは、前述の投入位置と、加熱位置と、加圧位置と、の間で移動可能(図17の矢印AR400参照)な可動ユニットU4を構成している。
次に、本変形例に係る成形装置3を用いた成形方法について、図17および図18を参照しながら説明する。本変形例に係る成形方法は、実施の形態1において図2を用いて説明した成形方法と同様に、材料投入工程、加熱工程、加圧・固化工程、離型工程の順に実行される。まず、材料投入工程において、成形装置4は、可動ユニットU4を投入位置へ移動させた後、ホッパー26から固定金型13の貫通孔132を通じてキャビティ4111へ固形の樹脂材料を投入する。次に、加熱工程において、成形装置3は、可動ユニットU3を加熱位置へ移動させた後、マイクロ波照射部15により、固定金型13の貫通孔132の一部を通じてキャビティ4111内の樹脂材料へマイクロ波を照射して樹脂材料M403を溶融する。
続いて、加圧・固化工程において、成形装置3は、図18に示すように、固定金型13の貫通孔132を蓋体134により閉塞した後、可動ユニットU4を加圧位置へ移動させる。そして、成形装置4は、型締部4022の第1押圧機構4222および第2押圧機構4224により、金型組4011を固定プラテン21に予め設定された圧力で押し付ける(図18の矢印AR402、AR403参照)。ここで、第1押圧機構4222と第2押圧機構4224とは、互いに独立して動作し、第2サブ可動金型4014を第1サブ可動金型4012よりも固定金型13に近づける。これにより、樹脂材料M403のうち、第2サブ可動金型4014により押圧された部分は、第1サブ可動金型4012により押圧された部分よりも薄肉になる。
その後、離型工程において、成形装置4は、可動ユニットU4を加圧位置の外へ移動させた後、金型昇降部25により、固定金型13と第1サブ可動金型4012および第2サブ可動金型4014とを離間させる。
ところで、薄肉部分のある成形品の金型は、図1のような部分的に加圧する構造をもたない金型組11だと一般的に薄肉部分に対応するキャビティの寸法が薄肉部分の厚さに応じて狭くなっている。そうすると、この薄肉部分に対応するキャビティへは樹脂が侵入しにくく、その結果、薄肉部分の成形不良が生じる虞がある。これに対して、本構成によれば、まず、金型組4011のキャビティ4111の形状をその全体に樹脂材料が行き渡りやすい形状にしてキャビティ4111全体に樹脂材料を行き渡らせる。その後、第2サブ可動金型4014を第1サブ可動金型4012と独立して動かすことにより、成形品の薄肉部分を形成する。これにより、成形品の薄肉部分の成形不良が抑制されるので、部分的に厚さが異なる高品質の成形品を製造することが可能となる。
実施の形態1に係る成形方法では、材料投入工程において、金型組11のキャビティ111へ固形の樹脂材料M1のみを投入して充填される例について説明した。但し、これに限らず、樹脂材料以外の材料から形成された基材を樹脂でモールドする成形方法であってもよい。基材としては、例えば、ガラス繊維材料や炭素繊維材料等から形成された基材が採用される。なお、基材は、上述の材料以外にもフィルム等の固形のシートであってもよい。また、基材は、裁断された、ガラス繊維や炭素繊維の繊維材料であってもよい。更に、基材は、例えばボルトを挿入するためのボルトインサートナットのような、成形品に組立機能を追加する部材であってもよい。或いは、基材が、例えば金属端子または金属バスバーのような、成形品に他の電気回路に電気的に接続する機能を追加する部材であってもよい。更に、基材は、表示盤のような、成形品に視認者に情報を表示する表示機能を追加する部材であってもよい。また、基材は、例えばエンブレムのような成形品の意匠性、装飾性を向上させる部材であってもよい。
次に、本変形例に係る基材を樹脂でモールドする成形方法について図19(A)および(B)を参照しながら説明する。なお、図19(A)および(B)において、実施の形態1と同様の構成については図3と同一の符号を付している。また、図19(A)および(B)において、温度調節部、吸引部、吸引口および排気路については図示を省略している。ここでは、図19(A)に示すような、金属製の、可動金型5012と固定金型5013とから構成される金型組5011を使用し、可動金型5012が固定金型5013の鉛直下方に配置される場合について説明する。まず、材料投入工程において、可動金型5012と固定金型5013とが離間した状態で、成形品を補強する部材である基材F1を、可動金型5012の凹部5121に載置する。
次に、図19(B)に示すように、可動金型5012の凹部5121に固定金型5013の凸部5131を嵌入させて、可動金型5012と固定金型5013とを対向させる。このようにして、可動金型5012と固定金型5013との間に、基材F1が内側に配置されたキャビティ5111が形成された状態とする。そして、この状態で、固定金型5013の貫通孔5132を通じて固形の樹脂材料M501をキャビティ5111に投入することにより(図19(B)中の矢印AR501参照)、キャビティ5111内に樹脂材料M501を充填する。その後、加熱工程において、キャビティ5111に充填された樹脂材料にマイクロ波を照射する。そして、実施の形態1に係る成形方法と同様に、加圧・固化工程と離型工程とが行われる。
なお、本変形例に係る基材を樹脂でモールドする成形方法は、図19(A)および(B)を用いて説明した前述の成形方法に限定されない。本変形例に係る他の成形方法について、図20(A)および(B)並びに図21を参照しながら説明する。なお、図20(A)および(B)並びに図21において、実施の形態1と同様の構成については図3と同一の符号を付している。また、図20(A)および(B)並びに図21において、温度調節部、吸引部、吸引口および排気路については図示を省略している。まず、材料投入工程において、図20(A)に示すように、可動金型5012と固定金型5013とを対向させた状態で、樹脂材料M601をキャビティ5111に投入し(図20(A)中の矢印AR601参照)、キャビティ5111に樹脂材料M601を充填する。
次に、可動金型5012と固定金型5013とを離間させてから、図20(B)に示すように、可動金型5012の凹部5121に溜まっている樹脂材料M601上に基材F2を載置する。続いて、図21に示すように、再び可動金型5012と固定金型5013とを互いに近づけて可動金型5012の当接面12aと固定金型5013の当接面13aとの間に隙間G1が形成された状態で、可動金型5012と固定金型5013とを対向させる。その後、加熱工程において、キャビティ5111に充填された樹脂材料にマイクロ波を照射する。そして、実施の形態1に係る成形方法と同様に、加圧・固化工程と離型工程とが行われる。
これらの成形方法の場合、表面の一部に基材F1、F2が露出した成形品を作製することができる。
また、本変形例に係る更に他の成形方法について、図22(A)および(B)並びに図23を参照しながら説明する。なお、図22(A)および(B)並びに図23において、実施の形態1と同様の構成については図3と同一の符号を付している。また、図22(A)および(B)並びに図23において、温度調節部、吸引部、吸引口および排気路については図示を省略している。まず、図22(A)に示すように、可動金型5012と固定金型5013とを対向させた状態で、樹脂材料M601をキャビティ5111に投入し(図22(A)中の矢印AR701参照)、キャビティ5111の一部に樹脂材料M701が溜まった状態にする。
次に、可動金型12と固定金型13とを離間させてから、図22(B)に示すように、可動金型5012の凹部5121に溜まっている樹脂材料M701上に基材F3を載置する。続いて、図23に示すように、再び可動金型5012と固定金型5013とを互いに近づけて可動金型5012の当接面12aと固定金型5013の当接面13aとの間に隙間G1が形成された状態で、可動金型5012と固定金型5013とを対向させる。この状態で、可動金型12と固定金型13とを再び突き合わせてから固形の樹脂材料をキャビティ5111に投入し(図23中の矢印AR702参照)、キャビティ5111における樹脂材料M701が溜まっていない領域に樹脂材料M702を充填する。その後、加熱工程において、キャビティ5111に充填された樹脂材料M701、M702にマイクロ波を照射する。
この成形方法の場合、内部に基材F3が埋め込まれた成形品を作製することができる。
また、実施の形態2に係る成形方法でも、樹脂材料以外の材料から形成された基材を樹脂でモールドする成形方法であってもよい。この場合、材料投入工程において、図24に示すように、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、成形品を補強する部材である基材F4を、固定金型2013の所定の位置に載置する。そして、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、固形の樹脂材料M201を、可動金型2012の所定の位置において基材F4の上に載置する。その後、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、マイクロ波を照射する。
また、本変形例に係る材料投入工程では、例えば図25(A)に示すように、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、固形の樹脂材料M201を、可動金型2012の所定の位置に載置してから、樹脂材料M201の上に基材F5を載置してもよい。
或いは、図25(B)に示すように、材料投入工程において、まず、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、固形の樹脂材料M801を、可動金型2012の所定の位置に載置してから、樹脂材料M801の上に基材F6を載置する。その後、可動金型2012と固定金型2013とが離間した状態で、基材F6の上に樹脂材料802を載置してもよい。即ち、基材F6を2つの樹脂材料M801、M802で挟んだ状態としてもよい。なお、図25(A)および(B)において、温度調節部17は図示を省略している。
ところで、射出成形により前述のいわゆる一体成形品を製造する場合、予め樹脂材料と繊維材料とを溶融混練し、溶融混練された材料を金型のキャビティに射出することにより一体成形品を作製するのが一般的である。しかしながら、この成形方法の場合、樹脂材料と繊維材料との溶融混練時または金型のキャビティへの射出時に繊維材料に加わる比較的大きな剪断応力により繊維材料が微細化してしまう。そうすると、この成形方法により作製された一体成形品に含まれる繊維材料が過度に微細化され、一体成形品の強度の向上が困難になる虞がある。これに対して、本構成によれば、ガラス繊維材料や炭素繊維材料等の繊維材料と、樹脂材料と、が混錬された固形の樹脂材料を予めキャビティ111内に投入しておくことにより、繊維材料に加わる剪断応力を低減できるため、成形品の強度または剛性を向上させることができる。また、ガラス繊維材料や炭素繊維材料等から形成され成形品を補強する部材である基材を予めキャビティ111内に投入しておくことより、基材に加わる剪断応力を低減できるため、成形品の強度と剛性の少なくとも一方の性質を向上させることができる。
実施の形態1では、貫通孔132が固定金型13にのみ設けられている構成について説明したが、これに限らず、貫通孔が可動金型12にのみ設けられている構成、或いは、貫通孔が可動金型12および固定金型13の両方に設けられている構成であってもよい。
実施の形態1では、金型組11のキャビティ111内に存在する気体を吸入するための吸引口122および排気路123が、可動金型12のみに設けられている例について説明した。但し、これに限らず、吸引口および排気路が、固定金型13のみに設けられている構成、或いは、吸引口および排気路が、可動金型12および固定金型13の両方に設けられている構成であってもよい。
実施の形態1に係る加熱工程において、例えば樹脂材料M2の温度を測定する温度測定部を設け、温度測定部により測定される樹脂材料M2の温度が予め設定された基準温度に達するまでマイクロ波を照射するようにしてもよい。
実施の形態1では、固定金型13の貫通孔132を、材料投入工程における固形の樹脂材料M1の投入と、加熱工程における樹脂材料M2へのマイクロ波の照射と、に兼用する例について説明した。但し、加熱工程における樹脂材料M2へのマイクロ波の照射は、必ずしも貫通孔132を通じて行う構成に限定されるものではなく、例えば可動金型12または固定金型13にマイクロ波照射専用の貫通孔(図示せず)を設け、この貫通孔を通じて樹脂材料M2にマイクロ波を照射する構成であってもよい。
実施の形態1において、凹部を有する固定金型と、棒状または楔状の可動金型と、を備え、固定金型の凹部への可動金型の侵入量を調整することにより、樹脂材料M2に加える圧力を調整する構成であってもよい。
実施の形態1において、固形の樹脂材料M1を金型組11のキャビティ111全体に行き渡らせるために、例えば金型組11全体を振動させる構成であってもよい。具体的には、金型組11全体に超音波を印加する構成であってもよい。
実施の形態1に係る成形装置1において、固形の樹脂材料M1に生じる静電気を除去する静電気除去部を備える構成であってもよい。
実施の形態2に係る材料投入工程において、固定金型2013上に載置する樹脂材料は、塊状(ブロック状)のものに限定されるものではなく、例えばペレット状やフレーク状、粉末状の樹脂材料であってもよい。
実施の形態2では、可動プラテン10、金型組2011、マイクロ波照射部15、固定プラテン21および型締部22全体を覆うシールド27を備える構成について説明した。但し、これに限らず、例えば、電磁波遮蔽機能を有し、固定金型2013上に載置される樹脂材料M202を覆う位置と、樹脂材料M202を覆わない位置と、の間で移動可能なカバー(図示せず)を備える構成であってもよい。この場合、加熱工程において、カバーを、樹脂材料M202を覆う第1位置へ移動させるとともにマイクロ波照射部15をカバーの内側に配置し、可動金型2012および固定金型2013の側方の離間した隙間から樹脂材料M202にマイクロ波を照射するようにすればよい。そして、加熱工程完了後に、カバーを、樹脂材料M202を覆わない位置へ移動させるようにすればよい。
各実施の形態では、可動金型12、2012と固定金型13、2013とを使用し、加圧・固化工程において、可動金型12、2012を固定金型13、2013に近づける例について説明した。但し、これに限らず、例えば2つの可動金型を使用し、加圧・固化工程において、2つの可動金型を互いに近づける構成であってもよい。
各実施の形態では、温度調節部17により金型組11、2011を強制的に冷却する構成について説明したが、これに限らず、例えば、金型組11を自然冷却する構成であってもよい。
各実施の形態に係る成形方法は、例えば金型組11、2011を減圧雰囲気の真空チャンバ内に配置した状態で実施されてもよい。本構成によれば、成形品におけるボイドの発生を低減することができる。
各実施の形態で使用する樹脂材料について、実施の形態1では一例として熱可塑性材料について説明したが、例えばEP等の熱硬化性材料であってもよい。
実施の形態2に係る材料投入工程において、固形の樹脂材料M201は、可動金型2012に載置される前に、予め加熱してもよい。この場合、マイクロ波での加熱時間を減少させることができる。この固形の樹脂材料M201の予熱工程は、例えば赤外線ヒータを用いて行われてもよい。
各実施の形態および各変形例では、金属製の金型組を使用する例について説明したが、これに限らず、金属とは異なる材料から形成された金型組を使用してもよい。この場合、金型組に付属し、固定金型または可動金型に設けられた貫通孔を閉塞するための蓋体は、金型組の材料の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する材料から形成されればよい。また、固定金型または可動金型に設けられる吸引口の内側に、多孔質金属に代えて、金型組の材料の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する多孔質材料が配置されてもよい。
以上、本発明の実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。