JP6847082B2 - 原位置不溶化方法 - Google Patents
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Description
一方、焼却灰に添加する有機キレート剤は、埋立基準を確実に満たすために、多めに添加される傾向にある。そのため、埋立処分された焼却灰には、未反応のままの有機キレート剤が含まれている場合がある。未反応の有機キレート剤は、難分解性のため、長期間にわたって地中に残存してしまう。地中に存在する有機キレート剤は、浸出水に徐々に溶出し、浸出水中の有機物(COD成分)を高めてしまう。CODが高い浸出水は、水処理施設により無害化処理をする必要がある。また、浸出水中のCODが高いと、埋立地の廃止基準を満たすことができず、浸出水中のCODが基準値を満たす値に低下するまでの間、長期間にわたって水処理施設を稼働させる必要がある。
かかる原位置不溶化方法によれば、埋立地に薬剤を含有する水溶液を散水することで、薬剤が廃棄物中に浸透して、未反応有機キレート剤を原位置で不溶化させることができる。そのため、浸出水への未反応有機キレート剤の溶出を抑制し、浸出水のCOD濃度を低下させることができる。その結果、浸出水の無害化に必要な水処理施設を早期に撤去することが可能となり、ひいては水処理施設の稼働や維持管理等に要する費用や手間を低減することができる。
また、前記トレーサーを含む前記浸出水中のCOD濃度や前記薬剤の濃度を測定することにより、前記埋立地内の各領域における反応状況を推測することのが望ましい。
また、前記浸出水の分析結果に応じて、前記水溶液の散水箇所および当該散水箇所における前記水溶液の散水量を決定すれば、より効果的に未反応有機キレート剤を不溶化できる。
また、前記水溶液を前記埋立地の地表から散水すれば、配管、配線、ポンプや電源等の特殊な設備を地中に設置する必要がない。
また、前記水溶液を生成する際に、薬剤の希釈水として前記埋立処分場の浸出水を使用すれば、浸出水の排水に要する手間や費用を削減することができる。
なお、前記薬剤には、塩化第二鉄または硫酸アルミニウムを使用すればよい。また、水溶液は、希釈率が100〜10000倍であるのが望ましい。
最終処分場1では、地盤に形成された凹部に遮水シート等からなる遮水工11を敷設することなどで浸出水の流出が防止されている。凹部の下流側には堰堤12が形成されていて、廃棄物の流出が防止されている。焼却灰2は、最終処分場1内において複数段の層(廃棄物層3)に分けて、焼却灰2の投入および締め固めを繰り返すことにより埋め立てる。なお、遮水工11および堰堤12は、必要に応じて設ければよい。
本実施形態の原位置不溶化方法は、準備工程と、散水工程とを備えている。
水溶液は、浸出水の水質に応じて設定した濃度、散水量、散水頻度に対応するように生成する。そのため、準備工程では、最終処分場1の浸出水の水質を分析する作業と、浸出水の水質に応じた薬剤の濃度、水溶液の散水量及び散水頻度を設定する作業とを備えている。最終処分場1には、浸出水集水管4が埋設されている。浸出水集水管4により最終処分場1内の浸出水を集水可能である。浸出水集水管4は、水処理施設5に接続されている。水処理施設5では、集水された浸出水の水質調査や水量等を分析するとともに、必要に応じて無害化処理を行う。
本実施形態では、未反応有機キレート剤の不溶化用の薬剤として、塩化第二鉄または硫酸アルミニウムを使用するものとする。なお、薬剤は、キレート剤を不溶化できるものであれば塩化第二鉄または硫酸アルミニウムに限定されるものではない。水溶液は、最終処分場1から流出した浸出水(希釈水)と薬剤とを混合して所定の濃度(希釈率)に生成する。本実施形態では、希釈率1000倍の水溶液を生成する。なお、水溶液の希釈率は限定されるものではないが、薬剤に対して100〜10000倍の水により希釈するのが pH変化等を抑制するために望ましい。
本実施形態では、埋立地の表面を走行する散水車6を利用して、水溶液を埋立地の地表から散水する。なお、水溶液の散水方法は限定されるものではなく、例えば、埋立地の表面や廃棄物層3内に配管した散水設備7により散水してもよい。
水溶液が廃棄物(焼却灰2)に浸透すると、廃棄物層3内で薬剤と未反応キレート剤とが反応することで未反応キレート剤が不溶化・固定化される。これにより、未反応キレート剤が浸出水に溶出することが抑制されるため、浸出水中のCODが低減する。
散水工程では、水溶液の散水とともに浸出水の分析も行い、浸出水の分析結果に応じて、水溶液の散水箇所および当該散水箇所における水溶液の散水量を決定する。
本実施形態では、散水箇所(領域)に応じて異なる種類(色等)のトレーサーを水溶液に混入しておくことで、浸出水の浸出元(位置)を特定する。トレーサーを含む浸出水中のCOD濃度や薬剤の濃度を測定することにより、埋立地内の各領域における反応状況(水溶液散水による効果)を推測可能になる。反応状況の推測により未反応キレート剤がなくなったと判定された領域、あるいはCOD濃度が所定の濃度にまで低下したと判定された領域における水溶液の散水は終了する。また、水溶液を散水することによる効果が高い場所に対して水溶液の投入量を増加させ、当該効果が低い場所に対しては水溶液の投入量を減少させることで、より効果的かつ経済的に未反応有機キレート剤の不溶化を図ることができる。
また、埋立終了後の最終処分場1の浸出水のCOD濃度を最終処分場の廃止基準を下回る濃度にまで低減できれば、早期に最終処分場1を廃止させることが可能となる。なお、廃止基準におけるCOD濃度は、原水(浸出水)の水質で決定するため、水処理施設5で速やかに処理したとしても最終処分場1の廃止には至らない。一方、本実施形態の原位置不溶化方法によれば、原位置(埋立地内)で不溶化を行い、原水(浸出水)の水質を元から改善することができる。そのため、埋立終了後の最終処分場1の維持管理等に要する手間や費用を低減することができる。
また、浸出水の分析結果に応じて、水溶液の散水箇所および散水箇所における水溶液の散水量を決定するため、より効果的に未反応有機キレート剤の不溶化が可能となる。
また、埋立地における砂埃等の飛散を抑制するための散水車6を利用して水溶液を埋立地の地表から散水すれば、水溶液を散水するための設備を別途設置する必要がない。そのため、散水設備7の設置に要する手間や費用を削減できる。
また、水溶液を生成する際に、薬剤の希釈水として浸出水を使用しているため、浸出水の排水に要する手間や費用を削減することができる。加えて浸出水処理施設において処理水量を増加させなくても済む。
例えば、埋立地への水溶液の散水開始のタイミングは限定されるものではなく、埋立開始直後(各層が形成された段階)に行ってもよいし、埋立終了後(全ての層の埋め立てが終了した段階)に行ってもよい。
また、水溶液へのトレーサーの添加は必要に応じて行えばよい。例えば、浸出水集水管4の配管により、集積した浸出水の位置を特定することができる場合には、トレーサーは使用しなくてもよい。また、場所を変えて散水し、浸出水中のCODや未反応キレート剤の濃度の変化、浸出水中の固定化薬剤の濃度等を分析する方法で埋立地内の各領域における反応状況を推測可能な場合もトレーサーは使用しなくてもよい。
また、前記実施形態では、希釈水として浸出水を使用したが、希釈水は必ずしも浸出水である必要はなく、例えば、水道水等を使用してもよい。また、希釈水の一部に浸出水が含まれていてもよい。
また、浸出水の分析結果に応じて、散水箇所毎に水溶液の薬剤の濃度を変えてもよい。
2 焼却灰(廃棄物)
3 廃棄物層
4 浸出水集水管
5 水処理施設
6 散水車
7 散水設備
Claims (4)
- 埋立処分場の地中に残存している未反応有機キレート剤の原位置不溶化方法であって、
前記未反応有機キレート剤を不溶化する薬剤の水溶液を準備する準備工程と、
前記水溶液を埋立地に散水するとともに浸出水の分析を行う散水工程と、を備える原位置不溶化方法であって、
前記準備工程では、埋立処分場の浸出水の水質を分析する作業と、
前記浸出水の水質に応じて、前記薬剤の濃度、前記水溶液の散水量及び散水頻度を設定する作業と、を行い、
前記散水工程では、前記水溶液に散水箇所に応じて異なる種類のトレーサーを混入しておくことで、前記浸出水の浸出元を特定することを特徴とする、原位置不溶化方法。 - 前記トレーサーを含む前記浸出水中のCOD濃度または前記薬剤の濃度を測定することにより、前記埋立地内の各領域における反応状況を推測することを特徴とする、請求項1に記載の原位置不溶化方法。
- 前記浸出水の分析結果に応じて、前記水溶液の散水箇所および当該散水箇所における前記水溶液の散水量を決定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の原位置不溶化方法。
- 前記薬剤が、塩化第二鉄または硫酸アルミニウムであり、
前記水溶液の希釈率が100〜10000倍であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原位置不溶化方法。
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