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JP6848815B2 - ハイブリッド自動車 - Google Patents
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Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンとモータと蓄電装置とを備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、エンジンからの排気ガスを浄化する触媒と、電動機と、電動機と電力をやりとりする蓄電器とを備え、アクセル操作量に基づく触媒暖機条件が成立したときには、触媒暖機用作動を行なうようにエンジンを制御すると共に要求駆動力を満たすように電動機を制御し、要求駆動力が触媒暖機のためのエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和を超過したときには、触媒暖機用作動を中断して走行用作動に切り換えてエンジンの出力と蓄電器の出力との和によって要求駆動力を満たすようにエンジンおよびモータを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−61908号公報
上述のハイブリッド自動車において、要求駆動力が触媒暖機のためのエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和を超過するときとしては、運転者が高負荷(高加速)を意図してアクセル操作量を増加させたときだけでなく、路面の凹凸による車両の振動などにより運転者が高負荷を意図せずにアクセル操作量を増加させたときも考えられる。このため、どのようにして運転者の意図を反映する制御を行なうかが課題となる。
本発明のハイブリッド自動車は、触媒の暖機が要求されているときに走行要求出力が閾値よりも大きくなったときに、運転者の意図を反映する制御を行なうことを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた走行用のエンジンと、
走行用のモータと、
前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
前記エンジンおよび前記モータを制御する制御装置と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記触媒の暖機が要求されているときにおいて、前記触媒の暖機が行なわれながらアクセル操作量に基づく走行要求出力により走行するように前記エンジンおよび前記モータを制御する第1制御の実行中に、前記走行要求出力が第1出力よりも大きくなったときには、前記走行要求出力に基づくエンジン要求出力が前記エンジンから出力されながら前記走行要求出力により走行するように前記エンジンおよび前記モータを制御する第2制御に移行し、前記第2制御の実行中に前記走行要求出力が前記第1出力よりも小さい第2出力以下になったときには、前記第1制御に移行し、
更に、前記制御装置は、前記第1制御の実行中に前記走行要求出力が前記第1出力よりも大きくなったときに、そのときの前記走行要求出力の単位時間当たりの変化量である超過時変化率が所定変化率未満のときには、前記超過時変化率が前記所定変化率以上のときに比して、前記エンジン要求出力を変化させる際のレート値を小さくする、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、エンジンの排気系に取り付けられた浄化装置の触媒の暖機が要求されているときにおいて、触媒の暖機が行なわれながらアクセル操作量に基づく走行要求出力により走行するようにエンジンおよびモータを制御する第1制御の実行中に、走行要求出力が第1出力よりも大きくなったときには、走行要求出力に基づくエンジン要求出力がエンジンから出力されながら走行要求出力により走行するようにエンジンおよびモータを制御する第2制御に移行し、第2制御の実行中に走行要求出力が第1出力よりも小さい第2出力以下になったときには、第1制御に移行する。そして、第1制御の実行中に走行要求出力が第1出力よりも大きくなったときに、そのときの走行要求出力の単位時間当たりの変化量である超過時変化率が所定変化率未満のときには、超過時変化率が所定変化率以上のときに比して、エンジン要求出力を変化させる際のレート値を小さくする。これにより、超過時変化率が所定変化率以上のとき(運転者よる高負荷(高加速)を意図するアクセル操作により第1制御から第2制御に移行したと想定されるとき)には、エンジン出力を迅速に増加させ、運転者のアクセル操作に対する走行用の出力応答性(加速性)を良好なものとすることができる。また、超過時変化率が所定変化率未満のとき(運転者による高負荷を意図しないアクセル操作量の変化により第1制御から第2制御に移行したと想定されるとき)には、エンジン出力の増加を緩やかにし、エミッションの悪化を抑制することができる。これらの結果、運転者の意図を反映する制御を行なうことができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記超過時変化率が前記所定変化率未満のときには、前記超過時変化率が前記所定変化率以上のときに比して、前記第2出力を大きくするものとしてもよい。こうすれば、超過時変化率が所定変化率未満のとき(運転者による高負荷を意図しないアクセル操作量の変化により第1制御から第2制御に移行したと想定されるとき)には、第1制御に再移行しやすくすることができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 走行要求トルクTd*や走行要求パワーPd*、エンジン要求パワーPe*の時間変化の様子の一例を示す説明図である。 走行要求トルクTd*や走行要求パワーPd*、エンジン要求パワーPe*の時間変化の様子の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、蓄電装置としてのバッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されており、ダンパ28を介してプラネタリギヤ30のキャリヤに接続されている。このエンジン22は、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気を吸気管125に設けられたスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128aを介して燃焼室129に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室129から排気バルブ128bを介して排気管133に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)134aを有する浄化装置134を介して外気に排出される。
このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により運転制御されている。エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。また、吸気バルブ128aを開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ128bを開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θcoも挙げることができる。さらに、スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度THや、吸気管125に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa、吸気管125に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Taも挙げることができる。加えて、排気管133における浄化装置134の上流側に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AFや、浄化装置134の下流側に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号O2も挙げることができる。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動制御信号や、燃料噴射弁126への駆動制御信号、点火プラグ130への駆動制御信号、吸気バルブ128aの開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150への駆動制御信号を挙げることができる。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに対する、カムポジションセンサ144からのインテークカムシャフトのカム角θciの角度(θci−θcr)に基づいて、吸気バルブ128aの開閉タイミングVTを演算している。さらに、エンジンECU24は、水温センサ142からの冷却水温Twに基づいて浄化装置134の触媒134aの温度Tcを推定している。
図1に示すように、プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、上述したように、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサ45u,45v,46u,46vからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や角速度ωm1,ωm2,回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52により管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に取り付けられた電圧センサ51aからのバッテリ50の電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算したり、蓄電割合SOCと温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbとに基づいてバッテリ50の出力制限Woutを演算したりしている。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。出力制限Woutは、バッテリ50から放電してもよい最大許容電力(最大許容出力)である。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行(HV走行)モードや、エンジン22の運転を伴わずに走行する電動走行(EV走行)モードで走行する。
また、ハイブリッド自動車20では、HV走行モードでの走行時に、浄化装置134の触媒134aの暖機が要求されているときには、触媒134aの暖機を行ないながら走行する第1制御と、触媒134aの暖機をキャンセルして(エンジン22からある程度のパワーを出力しながら)走行する第2制御モードと、のうちの何れかを実行する。なお、触媒134aの暖機の要求は、触媒134aの温度Tcが触媒134aの活性温度(例えば、400℃や420℃、450℃など)未満のときに行なわれる。
第1制御の実行時には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に要求される走行要求トルクTd*を設定し、設定した走行要求トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(例えば、モータMG2の回転数Nm2)を乗じて駆動軸36に要求される走行要求パワーPd*を計算する。続いて、触媒134aの暖機に適したエンジン22の回転数NecwおよびトルクTecwをエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に設定する。ここで、回転数NecwおよびトルクTecwは、触媒134aの浄化能力に基づいて定められる。回転数Necwとしては、例えば、エンジン22を運転する際の下限回転数(例えば、1000rpmや1100rpm、1200rpmなど)やそれよりも若干大きい回転数などが用いられる。トルクTecwとしては、例えば、値0やそれよりも若干大きい値などが用いられる。
そして、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算し、モータMG1の目標回転数Nm1*および回転数Nm1とエンジン22の目標トルクTe*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する。ここで、式(1)は、プラネタリギヤ30の回転要素に対する力学的な関係式である。式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1・(Nm1*-Nm1)+k2・∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
次に、式(3)に示すように、モータMG1のトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除した値に値(−1)を乗じたものを走行要求トルクTd*から減じて、モータMG2のトルク指令Tm2*の仮の値としての仮トルクTm2tmpを設定する。続いて、式(4)に示すように、モータMG1のトルク指令Tm1*に回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)をバッテリ50の出力制限Woutから減じたものをモータMG2の回転数Nm2で除して、モータMG2から出力してもよい上限トルクとしてのトルク制限Tm2maxを設定する。そして、式(5)に示すように、モータMG2の仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2maxで制限(上限ガード)して、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。
Tm2tmp=Td*+Tm1*/ρ (3)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2*=min(Tm2tmp,Tm2max) (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*についてはエンジンECU24に送信し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御、開閉バルブタイミング制御を行なう。エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*が値Necwおよび値Tecwのときには、エンジン22の点火時期を、エンジン22を効率よく運転するための効率点火時期よりも遅く且つ触媒134aの暖機に適した触媒暖機点火時期とするものとした。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。この場合、触媒134aを暖機しながら、走行要求トルクTd*(走行要求パワーPd*)を駆動軸36に出力して走行することができる。
こうした第1制御の実行時には、走行要求パワーPd*が閾値Pdcn(触媒134aの暖機をキャンセルするか否かを判断するために用いられる閾値)よりも大きくなると、第2制御に移行する。ここで、閾値Pdcnとしては、例えば、バッテリ50の出力制限Woutや、バッテリ50の出力制限Woutとエンジン22の触媒暖機パワーPecwとの和などが用いられる。エンジン22の触媒暖機パワーPecwは、触媒134aの暖機を行なう(エンジン22を回転数NecwおよびトルクTecwに基づいて運転する)ときのエンジン22のパワーである。
第2制御の実行時には、HVECU70は、第1制御の実行時と同様に走行要求トルクTd*および走行要求パワーPd*を計算し、式(6)に示すように、走行要求パワーPd*を前回のエンジン要求パワー(前回Pe*)にレート値Rupを加えた値(前回Pe*+Rup)で制限(上限ガード)してエンジン要求パワーPe*を設定する。ここで、レート値Rupは、エンジン要求パワーPe*を増加させる際に用いられるレート値(エンジン要求パワーPe*の更新間隔当たりの許容増加量)である。なお、式(6)から分かるように、エンジン要求パワーPe*を減少させる際には、走行要求パワーPd*をそのままエンジン要求パワーPe*に設定するものとした。
Pe*=min(Pd*,前回Pe*+Rup) (6)
こうしてエンジン要求パワーPe*を設定すると、エンジン要求パワーPe*と、エンジン22を効率よく運転するための動作ライン(例えば燃費動作ライン)と、に応じた回転数およびトルクをエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に設定する。次に、第1制御の実行時と同様に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*についてはエンジンECU24に送信し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*が値Necwおよび値Tecwよりも大きいときには、エンジン22の点火時期を効率点火時期とするものとした。この場合、エンジン22を効率よく運転しながら、走行要求トルクTd*(走行要求パワーPd*)を駆動軸36に出力して走行することができる。
こうした第2制御の実行時には、走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも小さい閾値Pdcw(触媒134aの暖機を再開(復帰)させるか否かを判断するために用いられる閾値)以下になると、第1制御に移行する。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、上述のレート値Rupや閾値Pdcnを設定する際の動作について説明する。図3は、HVECU70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも大きくなった(閾値Pdcnを跨いだ)直後に実行される。
図3の処理ルーチンが実行されると、HVECU70は、走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも大きくなったとき(タイミング)の走行要求パワーPd*の単位時間当たりの変化量としての超過時変化率ΔPdを入力する(ステップS100)。ここで、超過時変化率ΔPdは、最新の走行要求パワーPd*(>Pdcn)からその直前の走行要求パワー(直前Pd*(≦Pdcn))を減じたものを両者の時間間隔Δtで除した値を入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した超過時変化率ΔPdを閾値ΔPdrefと比較する(ステップS110)。ここで、閾値ΔPderefは、運転者による高負荷(高加速)を意図するアクセルペダル83の操作(アクセル開度Accの増加)により第1制御から第2制御に移行したと想定されるか否かを判定するために用いられる閾値である。ステップS110の処理は、走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも大きくなるときとしては、運転者が高負荷(高加速)を意図してアクセルペダル83を踏み込んだ(アクセル開度Accが増加した)ときだけでなく、路面の凹凸による車両の振動などにより運転者が高負荷を意図せずにアクセルペダル83を踏み込んだときも考えられることを踏まえたものである。
ステップS110で超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref以上のときには、運転者が高負荷(高加速)を意図してアクセルペダル83を踏み込んだと判断し、レート値Rupに比較的大きい値Rup1を設定すると共に(ステップS120)、閾値Pdcwに比較的小さい値Pdcw1を設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。この場合、第2制御の実行時に、エンジン要求パワーPe*が走行要求パワーPd*に迅速に近づくから、エンジン22からのパワーが迅速に増加し、運転者のアクセル操作に対する走行用の出力応答性(加速性)を良好なものとすることができる。
ステップS110で超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref未満のときには、運転者が高負荷(高加速)を意図せずにアクセルペダル83を踏み込んだと判断し、レート値Rupに値Rup1よりも小さい値Rup2を設定すると共に(ステップS140)、閾値Pdcwに値Pdcw1よりも大きい値Pdcw2(<Pdcn)を設定して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。このようにレート値Rupに比較的小さい値Rupを設定することにより、第2制御の実行時に、エンジン要求パワーPe*が走行要求パワーPd*に緩やかに近づくから、エンジン22からのパワーが緩やかに増加し、エミッションの悪化を抑制することができる。また、閾値Pdcwに比較的大きい値Pdcw2を設定することにより、第1制御に再移行しやすくする(触媒134aの暖機を再開(復帰)しやすくする)ことができる。
図4および図5は、走行要求トルクTd*や走行要求パワーPd*、エンジン要求パワーPe*の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図4は、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref以上のときの様子を示し、図5は、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref未満のときの様子を示す。図4に示すように、時刻t11に走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも大きくなったときに、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref以上のときには、エンジン要求パワーPe*が走行要求パワーPd*に迅速に近づく。これにより、エンジン22からのパワーが迅速に増加し、運転者のアクセル操作に対する走行用の出力応答性(加速性)を良好なものとすることができる。図5に示すように、時刻t21に走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも大きくなったときに、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref未満のときには、エンジン要求パワーPe*が走行要求パワーPd*に緩やかに近づく。これにより、エンジン22からのパワーが緩やかに増加し、エミッションの悪化を抑制することができる。また、時刻t21に、閾値Pdcwを値Pdcw1から値Pdcw2に切り替える。これにより、第1制御に再移行しやすくする(触媒134aの暖機を再開(復帰)しやすくする)ことができる。そして、走行要求パワーPd*が閾値Pdcw以下になると、第1制御に再移行する。これらの結果、運転者の意図を反映する制御を行なうことができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、触媒134aの暖機が要求されているときにおいて、触媒134aの暖機を行ないながら走行する第1制御の実行中に走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも大きくなったときには、触媒134aの暖機をキャンセルして(エンジン22からある程度のパワーを出力しながら)走行する第2制御に移行し、第2制御の実行中に走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも小さい閾値Pdcw以下になったときには、第1制御に移行する。そして、第1制御の実行中に走行要求パワーPd*が閾値Pdcnよりも大きくなったときに、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref以上のときには、エンジン要求パワーPe*を増加させる際のレート値Rupに値Rup1を設定し、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref未満のときには、レート値Rupに値Rup1よりも小さい値Rup2を設定する。これにより、前者の場合(運転者が高負荷(高加速)を意図してアクセルペダル83を踏み込んだと想定される場合)には、エンジン22からのパワーが迅速に増加し、運転者のアクセル操作に対する走行用の出力応答性(加速性)を良好なものとすることができる。また、後者の場合(運転者が高負荷を意図せずにアクセルペダル83を踏み込んだと想定される場合)には、エンジン22からのパワーが緩やかに増加し、エミッションの悪化を抑制することができる。これらの結果、運転者の意図を反映する制御を行なうことができる。
しかも、実施例のハイブリッド自動車20では、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref以上のときには、閾値Pdcwに値Pdcw1を設定し、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref未満のときには、閾値Pdcwに値Pdcw1よりも大きい値Pdcw2を設定する。これにより、第1制御に再移行しやすくする(触媒134aの暖機を再開(復帰)しやすくする)ことができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref未満のときには、超過時変化率ΔPdが閾値ΔPdref以上のときに比して、レート値Rupを小さくすると共に閾値Pdcwを大きくするものとした。しかし、レート値Rupを小さくするものの、閾値Pdcwは変更しないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、第1制御の実行中において、走行要求パワーPd*が閾値Pdrefよりも大きくなったときに、第2制御に移行するものとした。しかし、これに代えて、走行要求トルクTd*が閾値Tdrefよりも大きくなったときに、第2制御に移行するものとしてもよいし、走行要求パワーPd*が閾値Pdrefよりも大きくなるか走行要求トルクTd*が閾値Tdrefよりも大きくなったときに、第2制御に移行するものとしてもよい。閾値Tdrefは、閾値Pdcnと同様に触媒134aの暖機をキャンセルするか否かを判断するために用いられる閾値である。
実施例のハイブリッド自動車20では、浄化装置134の触媒134aの温度Tcは、エンジン22の冷却水温Twに基づいて推定した値を用いるものとしたが、触媒134aの温度Tcを検出する温度センサを排気浄化装置134に設けて、この温度センサにより検出された値を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、蓄電装置として、バッテリ50を用いるものとしたが、蓄電可能な装置であれば、キャパシタなどを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とHVECU70とを備えるものとしたが、これらのうちの少なくとも2つを単一の電子制御ユニットとして構成するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36にプラネタリギヤ30を介してエンジン22およびモータMG1を接続すると共に駆動軸36にモータMG2を接続する構成とした。しかし、駆動輪に連結された駆動軸に変速機を介してモータを接続すると共にそのモータにクラッチを介してエンジンを接続するいわゆる1モータハイブリッド自動車の構成としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とが「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、125 吸気管、126 燃料噴射弁、128a 吸気バルブ、128b 排気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、132 ピストン、133 排気管、134 浄化装置、134a 触媒、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. 排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた走行用のエンジンと、
    走行用のモータと、
    前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
    前記エンジンおよび前記モータを制御する制御装置と、
    を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記制御装置は、前記触媒の暖機が要求されているときにおいて、前記触媒の暖機が行なわれながらアクセル操作量に基づく走行要求出力により走行するように前記エンジンおよび前記モータを制御する第1制御の実行中に、前記走行要求出力が第1出力よりも大きくなったときには、前記走行要求出力に基づくエンジン要求出力が前記エンジンから出力されながら前記走行要求出力により走行するように前記エンジンおよび前記モータを制御する第2制御に移行し、前記第2制御の実行中に前記走行要求出力が前記第1出力よりも小さい第2出力以下になったときには、前記第1制御に移行し、
    更に、前記制御装置は、前記第1制御の実行中に前記走行要求出力が前記第1出力よりも大きくなったときに、そのときの前記走行要求出力の単位時間当たりの変化量である超過時変化率が所定変化率未満のときには、前記超過時変化率が前記所定変化率以上のときに比して、前記エンジン要求出力を変化させる際のレート値を小さくする、
    ハイブリッド自動車。
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