(第1の実施形態)
本実施形態に係る振動型アクチュエータ1について、図1を参照して説明する。図1(a)は、振動型アクチュエータ1の構成を説明する模式図である。振動型アクチュエータ1は、振動体2と、振動体2と加圧接触する被駆動体3とを有する。
[振動体]
図1(b)は、振動体2の構成を説明する模式図である。振動体2は、電気−機械エネルギー変換素子2aと、電気−機械エネルギー変換素子2aと接合されている弾性体2bと、を有する。振動体2は、支持部材4に圧電素子2aが接合されることによって、支持部材4に保持されている。電気−機械エネルギー変換素子2aは、電気量を機械量に変換する素子であり、帆実施形態では平板状の圧電素子を用いる。以降の説明では、電気−機械エネルギー変換素子2aを圧電素子2aと呼ぶ。
以降の説明では、図1(a)に示すように、振動体2と被駆動体3との相対的な移動方向(相対移動方向)をX方向(第1の方向)、圧電素子2aの厚み方向をZ方向(第2の方向)、X方向及びZ方向と直交する方向をY方向(第3の方向)とする。
弾性体2bは、基部2cと、基部2cのY方向の端部から延出するように設けられた複数の接触部2dと、を有する。接触部2dは、弾性体2bのX方向における略中央に設けられている。複数の接触部2dのそれぞれの被駆動体3側に設けられた接触面2eが、被駆動体3と当接して被駆動体3を摩擦駆動する。弾性体2bは、磁性を有する金属製の弾性部材であり、例えば、マルテンサイト系のステンレス鋼等を材料として用いる。また、弾性体2bには、耐久性を高めるための硬化処理として、例えば焼入処理が施されている。
図1(c)は、弾性体2bの曲げ加工前の状態を示す略十字型の金属板の斜視図である。略十字型の金属板は、ステンレス鋼等の板材を、切削加工やレーザー加工、エッチング加工、打ち抜き加工等のいずれか1つ又は幾つかの組み合わせにより、基部2cと接触部2dとが略十文字の形状となるように加工することにより製造される。
この略十字型の金属板を、図1(c)に示す破線部2fにおいて基部2cと接触部2dとの角度が鋭角となるように曲げ加工を施すことにより、図1(b)に示すように、Y方向で対向する一対の接触部2dを形成することができる。接触部2dは、被駆動体3に対して安定して接触させることが可能となるように、ばね性を有する角度で形成されている。本実施形態では、基部2cと接触部2dとがなす角度は、略70度に設定されている。接触部2dに設けられた被駆動体3との接触面2eは、被駆動体3の摺動面と平滑に接触することができるように、曲げ加工後ラップ加工等によって面形状が整えられている。
このように、弾性体2bは、被駆動体3と摩擦摺動する接触部2dが曲げ加工により基部2cと一体的に形成されており、加工(製造)が容易である。また、振動体2では、弾性体2bの基部2cと圧電素子2aとの間に非接合領域が生じることはないため、弾性体2bと圧電素子2aとの接合強度を高めることができる。
支持部材4は、ベースフィルムがポリイミド等を含むフレキシブル配線基板を有し、給電部4a、薄板部4b、固定部4c、取付穴部4d及びコネクタ接続部4eを有する。
給電部4aは、接着剤等で圧電素子2aに接合され、圧電素子2aに駆動電圧を印加する。固定部4cは、フレキシブル配線基板の裏打ち材によって形成されており、不図示の基台に取り付けられている。固定部4cを基台に取り付ける方法は特に限定されるものではないが、例えば、穴部4dを位置決めに利用して、固定部4cの底面(振動体2が配置される面と対向する面)を接着剤又は粘着剤等で接合する方法を用いることができる。また、穴部4dに通して、ねじ又はビスを基台に設けたねじ穴又は孔部に締結することも望ましい。
接続部4eは、コネクタ等に差し込むことができる形状に形成されており、振動型アクチュエータ1を駆動するための不図示の駆動回路と接続されている。
給電部4aと固定部4cとの間に介在する薄板部4bは、薄いフレキシブル配線基板であり、圧電素子2aとは接合されてない。そのため、固定部4cよりも低剛性である。よって、薄板部4bは、振動体2に励起された駆動振動が固定部4cへの伝搬を低減する振動絶縁部として機能する。支持部材4は、薄板部4bを有することによって振動体2を柔軟に支持することができるため、振動体2の振動を阻害せずに振動体2を保持することができる。
被駆動体3は、直方体状のネオジム磁石である永久磁石5と、磁性を有する金属製の弾性部材からなるスライダ部材6と、を有する。永久磁石5は、スライダ部材6と振動体2との間に配置されている。永久磁石5とスライダ部材6とは、接着剤等により接合されている。本実施形態では、スライダ部材6は、マルテンサイト系のステンレス鋼が用いられている。
スライダ部材6は、本体部6a、振動体2の接触部2dと摩擦接触する摺動面を有する摺動部6b、及び振動型アクチュエータ1の不図示の駆動対象となる装置とスライダ部材6とを連結するための連結穴部6c、を有する。
本体部6aは、摺動部6bが永久磁石5を接合している面よりも振動体2に近接する形状となるように、曲げ加工等によって形成されている。
摺動部6bの振動体2の接触部2dと摩擦接触する摺動面には、耐久性(耐摩耗性)を高めるための硬化処理として、例えば、窒化処理(硬化処理)が施されている。なお、これに限らず、焼入処理や表面にニッケルメッキ処理をして形成してもよい。つまり、スライダ部材6は、磁性を有する部位を有し、かつ、摩擦摺動面が耐摩耗性を有していればよい。
連結穴部6cを駆動対象となる装置に取り付ける方法は特に限定されるものではないが、例えば、穴部6cを位置決めに利用して、穴部6cの上面を接着剤又は粘着剤等で接合する方法を用いることができる。また、穴部6cにねじ穴を形成し、ねじ等で駆動対象となる装置に締結してもよい。
永久磁石5は、Y方向において振動体2の一対の接触部2dの中間付近に配置されている。永久磁石5は、略Z方向に着磁されており、永久磁石5の磁気作用によって、振動体2と被駆動体3とは、略Z方向で互いに引き寄せられる。これによって、振動体2と被駆動体3との間に略Z方向に加圧力が与えられる。このとき、振動型アクチュエータ1は、振動体2の中心を通るX方向の直線を軸に実質的に線対称となる。よって、振動体2と被駆動体3との間に生じる加圧力は、振動体2の2つの接触部2dで略同一となるため、それぞれの接触部2dが被駆動体3に与える摩擦駆動力の大きさを等しくすることができる。これにより、2つの接触部2dが被駆動体3に与える摩擦駆動力の合力をX方向に効率的に発生させることができるため、振動型アクチュエータ1では駆動効率を高めることができる。
図2は、振動型アクチュエータ1において、永久磁石5によって形成される磁気回路を説明するY−Z断面図である。図2(a)は、接触部2dを含む断面を示しており、図2(b)は、接触部2dを含まない断面を示している。図2(a)、(b)のそれぞれに、振動体2及び被駆動体3とその周辺空間に生じる磁力線Iが模式的に示されている。
図2(a)に示すように、接触部2dを含む部位において、磁力線Iは永久磁石5のスライダ部材6側の面(以降、「永久磁石5の上面」と呼ぶ)から生じて、永久磁石5に当接するスライダ部材6の内部を通る。磁力線Iは、スライダ部材6から摺動部6bと接触する弾性体2bの接触部2d及び永久磁石5の下方に位置する基部2cを通り、空中を介して永久磁石5の基部2c側の面(以降、「永久磁石5の底面」と呼ぶ)に戻る。永久磁石5によって弾性体2bの内部に生じる磁力線Iの作用により、弾性体2bには永久磁石5及びスライダ部材6への吸引作用が生じる。永久磁石5により生じる磁力線Iはほぼ全てがスライダ部材6及び弾性体2bを通っているため、永久磁石5の磁力を効果的に吸引作用に利用することができる。
また、図2(b)に示すように、接触部2dを含まず基部2cのみ含む部位では、磁力線Iは、永久磁石5の上面から生じて、永久磁石5の上側に当接するスライダ部材6の内部を通る。磁力線Iは、スライダ部材6から空中を介して永久磁石5の下方に位置する基部2cを通り、再度、空中を介して永久磁石5の底面に戻る。よって、図2(a)と同様に、永久磁石5によって弾性体2b内部に生じる磁力線Iの作用により、弾性体2bには永久磁石5及びスライダ部材6への吸引作用が生じる。このように、永久磁石5を挟むようにスライダ部材6及び弾性体2bを配置することにより、永久磁石5の磁力を効果的に吸引作用に利用することができる。
こうして永久磁石5によって生じるスライダ部材6と弾性体2bとの間の吸引作用により、互いに接触している摺動部6bと接触部2dとの間に所望の加圧力を生じさせることができる。このとき、振動体2及び被駆動体3の周辺空間への磁束の漏れがほとんど生じていないことから、永久磁石5の磁力を効率的に加圧力として作用させることができる。よって、永久磁石5の小型化が可能となり、被駆動体3の軽量化及びコスト軽減が期待できる。
なお、本明細書における「線対称」とは、完全な線対処でなくてもよく、実質的に線対称であればよい。具体的には、本明細書の「線対称」とは、永久磁石5がY方向において、振動体2の重心を通るZ方向の直線と交わる位置に配置されていればよい。これにより、振動体2の基部2cのY方向において、振動体2の重心を通るZ方向の直線で分割される両面に吸引力が作用し、振動体2の2つの接触部2dで略同一の加圧力を生じさせることができる。
次に、図3及び図4を参照して、振動体2に励起される2つの振動モードについて説明する。以下、振動体2に励起される2つの振動モードを、第1の振動モードと第2の振動モードとする。振動体2に励起さる駆動振動は、第1の振動モードの振動と第2の振動モードの振動とが合成された振動となる。
図3(a)、(b)は、振動体2に励起される第1の振動モードによる振動体2の変形を説明する斜視図である。なお、図3(a)、(b)では、振動体2の形状の変化を分かりやすくするために、振動体2の形状に比べて変位量を拡大(誇張)して表している。
第1の振動モードによって、X方向及びZ方向の両方向と直交するY方向における1次の屈曲振動が振動体2の基部2cに励起される。一対の接触部2dは、第1の振動モードの振動により、Z方向において往復運動を行う。
図4(a)、(b)は、振動体2に励起される第2の振動モードによる振動体2の変形を説明する斜視図である。なお、図4(a)、(b)でも、振動体2の形状の変化を分かりやすくするために、振動体2の形状に比べて変位量を拡大して表している。
第2の振動モードによって、被駆動体3の移動方向であるX方向における2次の屈曲振動が振動体2の基部2cに励起される。この2次の屈曲振動は、Y方向と略平行な3本の節線を有する。一対の接触部2dは、第2の振動モードの振動によりX方向において往復運動を行う。ここで、第2の振動モードの振動で節となる位置の近傍に接触部2dを配置することにより、接触部2dをX方向で最も大きく変位させることができる。
弾性体2bの基部2cのX方向寸法とY方向寸法、接触部2dのZ方向寸法や角度等は、第1の振動モードの固有振動数と第2の振動モードの固有振動数とが略一致するように設計されている。
図5は、圧電素子2aにおける支持部材4の給電部4aとの接合面の電極構成を示す平面図である。圧電素子2aは、電気−機械エネルギー変換素子の一例である板状の圧電セラミックスの表裏面に電極が設けられた構造を有する。
圧電素子2aにおいて支持部材4の給電部4aと接合される面には、A相とB相との2つの電極が設けられている。図5中に示す「+」は、圧電セラミックスの分極方向を示しており、A相とB相の各電極領域での圧電セラミックスの分極方向が同じであることを示している。なお、圧電素子2aにおいて弾性体2bと接合される面には、面全体を覆う1つの全面電極(不図示)が設けられており、この全面電極はグランド電極(アース)として用いられる。
第1の振動モード及び第2の振動モードの固有振動数付近で、同一周波数、且つ、同一の位相の交流電圧をA相及びB相に印加すると、第1の振動モードの振動が励起される。また、第1の振動モード及び第2の振動モードの固有振動数付近で、同一周波数、且つ、逆位相の交流電圧をA相及びB相に印加すると、第2の振動モードの振動が励起される。そこで、固有振動数付近で、同一周波数、且つ、同相でも逆相でもない位相差の交流電圧をA相及びB相に印加することにより、振動体2に第1の振動モードの振動と第2の振動モードの振動とを同時に励起させる。
第1の振動モードの振動と第2の振動モードの振動とが合成されることにより、一対の接触部2dの接触面2eに略XZ面内での楕円運動が発生する。接触面2eの楕円運動によって被駆動体3はX方向の略一致する向きに摩擦駆動され、被駆動体3を振動体2に対して相対的にリニア駆動することができる。A相に対してB相に90度遅れた交流電圧を印加することにより、X方向の一方の向きへ被駆動体3を移動させることができ、A相に対してB相に90度進んだ交流電圧を印加することにより、X方向の他方の向きへ被駆動体3が移動する。
図6は、被駆動体3の移動範囲を示す斜視図である。図6(a)は、被駆動体3の移動範囲においてX方向のプラス側の端部まで被駆動体3を駆動した状態を示している。図6(b)は、被駆動体3の移動範囲の中央まで被駆動体3を駆動した状態を示しており、図6(c)は被駆動体3の移動範囲においてX方向のマイナス側の端部まで被駆動体3を駆動した状態を示している。なお、本明細書では、X方向におけるプラス側が図6(a)における紙面右側であり、マイナス側が図6(a)における紙面左側である。以降の説明では、プラス側を右側、マイナス側を左側、と呼ぶことがある。また、以降の説明では、被駆動体3の移動範囲及び永久磁石5等のプラス側の端部を右端部、マイナス側の端部を左端部と呼ぶことがある。
図6(a)に示すように、被駆動体3が右方向に駆動して所定の移動範囲の右端部に位置するとき、被駆動体3の永久磁石5の左端部5−1は、振動体2の弾性体2bの左端部2b−1よりも右側に位置する。
この状態から、A相に対してB相に90度遅れた交流電圧を印加することにより、被駆動体3の駆動方向は、X方向におけるマイナス側(左側)へ変化する。そして、被駆動体3が左側に駆動して、図6(b)に示すように移動範囲の中央付近まで移動する。このとき、被駆動体3の永久磁石5の左端部5−1は、振動体2の左端部2b−1よりも左側に位置し、永久磁石5の右端部5−2は、振動体2の右端部2b−2よりも右側に位置している。つまり、振動体2のX方向の両端部は永久磁石5のX方向の両端部の間に位置している。この状態から被駆動体3がさらに左方向に移動し、図6(c)に示すように被駆動体3が移動範囲の左端部まで進むと、永久磁石5の右端部5−2は振動体2の右端部2b−2よりも左側に位置する。
ここで、A相に対してB相に90度進んだ交流電圧を印加することにより、駆動方向を反転させ、被駆動体3は中央を通って右端部へと移動し、これにより所定の移動範囲を往復駆動することができる。
なお、所定の移動範囲の端部の検出は、不図示の光学式のエンコーダやホール素子等の位置センサを用いたり、両端部にフォトセンサを用いて端部を検出したりすることで実現可能である。また、被駆動体3が接触部2dからX方向において移動範囲の端部を超えないように、ストッパー等の位置を規制する部材を両端部に設けてもよい。
図7は、被駆動体3の位置と吸引力との関係を示す図である。なお、図7における中心線Lは、Z方向と平行且つX方向に垂直な、弾性体2bのX方向における中心を通る直線である。
図7(a)は、所定の移動範囲内の中央付近に被駆動体3が位置している場合の吸引力を示している。この場合、永久磁石5の右端部は弾性体2bの右端部より右側に配置されており、永久磁石5の左端部は弾性体2bの左端部より左側に配置されている。
また、所定の移動範囲内の中央付近に被駆動体3が位置している場合、弾性体2bは、永久磁石5とX方向における全領域で対向している。すなわち、中心線LよりX方向右側において弾性体2bと永久磁石5とが対向している面積と、中心線LよりX方向左側において弾性体2bと永久磁石5とが対向している面積と、は略等しい。よって、弾性体2bのX方向における中心線Lからみて、弾性体2bの左側に発生する吸引力FLと弾性体2bの右側に発生する吸引力FRとは略等しい大きさとなり、振動体2にY軸まわりのモーメントは発生しない。
図7(b)は、被駆動体3が所定の移動範囲内において右端部に位置している場合の吸引力を示している。この場合、永久磁石5の右端部は弾性体2bの右端部より右側に配置されており、永久磁石5の左端部は弾性体2bの左端部より右側に配置されている。
また、被駆動体3が所定の移動範囲内において右端部に位置している場合、振動体2の弾性体2bは、弾性体2bの中心線LよりX方向の右側では永久磁石5と全領域で対向しているのに対し、左側では一部でしか対向していない。すなわち、中心線LよりX方向右側における弾性体2bと永久磁石5とが対向している面積が、中新世LよりX方向左側における弾性体2bと永久磁石5とが対向している面積より大きい。よって、中心線Lからみて、弾性体2bの左側に発生する吸引力FLよりも弾性体2bの右側に発生する吸引力FRが大きくなる。
そのため、振動体2にY軸まわりのモーメントMが左回りの方向で発生する。支持部材4の薄板部4bはフレキシブル配線基板でできており、Z方向のばね定数は振動体2の接触部2dのZ方向のばね定数よりも低くなっている。その結果、振動体2はモーメントMによる薄板部4bの弾性変形により姿勢が傾き、接触部2dの接触面2eは中心線Lの右側が左側よりも強圧になる。
図7(c)は、被駆動体3が所定の移動範囲内において左端部に位置している場合の吸引力を示している。この場合、永久磁石5の右端部は弾性体2bの右端部より左側に配置されており、永久磁石5の左端部は弾性体2bの左端部より左側に配置されている。
また、被駆動体3が所定の移動範囲内において左端部に位置している場合、振動体2の弾性体2bは、中心線Lより左側では永久磁石5とX方向において全領域で対向しているのに対し、右側では一部でしか対向していない。すなわち、中心線LよりX方向左側における弾性体2bと永久磁石5とが対向している面積が、中新世LよりX方向右側における弾性体2bと永久磁石5とが対向している面積より大きい。よって、中心線Lからみて、弾性体2bの右側に発生する吸引力FRよりも弾性体2bの左側に発生する吸引力FLが大きくなる。
そのため、振動体2にY軸まわりのモーメントMが右回りの方向で発生する。その結果、振動体2はモーメントMによる薄板部4bの弾性変形により姿勢が傾き、接触部2dの接触面2eは中心線Lの左側が右側よりも強圧になる。
図8は、XZ平面で見たときの接触部2dの接触面2eに生じる楕円運動の軌跡を示す図である。図8に示すように、接触部2eの中央部に生じる楕円軌跡ECは、楕円の長軸がZ方向に略平行となっている。また、接触部2eの中央部から端部へ離れるにつれて楕円軌跡はX方向に傾いていき、右端部の楕円軌跡ERと左端部の楕円軌跡ELは長軸が中心線Lに向かう方向に傾いている。
ここで、図7(b)に示したように、被駆動体3が右端部に位置している場合、接触面2eの右側が強圧になる。そのため、中心線LよりX方向の右側で生じる長軸が中心線Lに向かう方向に傾いている楕円運動が、中心線LよりX方向の左側で生じる楕円運動及び中心部の楕円軌跡ECの楕円運動よりも被駆動体3の駆動に寄与するようになる。よって、Z方向からX方向のマイナス側に傾いた楕円軌跡の楕円運動が、被駆動体3の駆動により寄与することになり、被駆動体3をX方向のマイナス側へ駆動する駆動力が増加する。
反対に、図7(c)に示したように、被駆動体3が左端部に位置している場合、接触面2eの左側が強圧になる。そのため、中心線LよりX方向の左側で生じる長軸が中心線Lに向かう方向に傾いている楕円運動が、中心線LよりX方向の右側で生じる楕円運動及び中心部の楕円軌跡ECの楕円運動よりも被駆動体3の駆動に寄与するようになる。よって、Z方向からX方向のプラス側に傾いた楕円軌跡の楕円運動が、被駆動体3の駆動により寄与することになり、被駆動体3をX方向のプラス側へ駆動する駆動力が増加する。
このような構成により、被駆動体3が所定の移動範囲の端部へ移動し、駆動方向を反転させた時の起動性が向上する。
よって、本実施形態の振動型アクチュエータによれば、被駆動体の移動範囲の両端部において駆動力が増加しているため、摩耗が発生しても、従来の振動型アクチュエータよりも振動型アクチュエータの起動性の低下を低減することが可能となる。
また、被駆動体3が移動範囲の端部に位置すると、永久磁石5と弾性体2bの位置関係から生じる吸引力の左右のバランスの変化から、振動体2が自動的に起動しやすい姿勢に変化する構成となっている。そのため、被駆動体3が移動範囲の端部に到達して駆動方向を反転するときに、印加電圧を高めたりする等の特別な制御による起動を用いることなく起動性の向上を実現できる。よって、起動時の特別な制御を行うことにより生じる振動型アクチュエータのモータ損失の増大や、駆動回路の複雑化を低減することができる。
ここで、本実施形態において、被駆動体3がX方向において移動範囲の一方側の端部に位置するときに、永久磁石5の他方側の端部が弾性体2bの他方側の端部よりも一方側に位置するようにした効果について説明する。なお、ここでは、被駆動体3がX方向の右側に移動するときを例にとって説明するが、被駆動体3がX方向の左側に移動する場合は、X方向における向きが異なる以外は同様の効果を有する。
図9(a)は、被駆動体3が右側に移動するときの位置の変化に対する弾性体2bの右側に発生する吸引力FRと弾性体2bの左側に発生する吸引力FLの差の変化を示す図である。なお、左右の吸引力差を右側の吸引力FRで除した割合で図示している。図9(b)は、図9(a)に示した被駆動体3の位置A、位置B、位置Cの状態を示す模式図である。位置Aは、被駆動体3が移動範囲の中央に位置している。位置Bは、被駆動体3の永久磁石5の左端部5−1と、振動体2の弾性体2bの左端部2b−1とが、X方向において同じ位置に位置している。位置Cは、永久磁石5の左端部5−1が、弾性体2bの左端部2b−1よりもX方向の右側に位置している。
図9(a)、(b)に示すように、被駆動体3が位置Aから位置Bまで移動する間は吸引力FR、FLの差は小さく、振動体2に生じるY軸まわりのモーメントもほとんど発生しない。一方、被駆動体3が位置Bから位置Cまで移動する間は、吸引力FRと吸引力FLとの差が大きくなり、振動体2に生じるY軸まわりのモーメントも大きくなる。そのため、たとえ永久磁石5の左右の厚みむら等の製作誤差があっても、十分な吸引力差が発生する。その吸引力差が大きくなり始める位置Bよりも駆動方向側に被駆動体3の所定の移動範囲の端部を設定すれば、端部での起動性が向上できるようになる。
本実施形態では、移動範囲の右端部は、永久磁石5の左端部5−1が弾性体2bの左端部2b−1よりも右側に位置し、移動範囲の左端部は、永久磁石5の右端部5−2が、弾性体2bの右端部2b−2よりも左側に位置するように移動範囲を規定している。そのため、被駆動体3が所定の移動範囲の一方側の端部に位置している場合は、弾性体2bの左右に発生する吸引力差が大きくなり、振動体2に生じるY軸まわりのモーメントにより振動体2の姿勢が変化し、起動性を向上することが可能となっている。
なお、本実施形態において、接触部2dと基部2cとがなす角度は略70度であるとした。しかし、接触部2dと基部2cとがなす角度は、これに限られず、被駆動体3と安定して接触できるばね性を有し、且つ、第1の振動モードと第2の振動モードのそれぞれの共振周波数を略一致させることが可能である角度であればよい。
また、上述の説明では、被駆動体3の駆動方向を制御する方法として、圧電素子2aのA相及びB相に印加する交流電圧の位相差を+90度と−90度とで切り替える方法を用いていた。しかし、圧電素子2aのA相及びB相に印加する交流電圧の位相差はこれに限られず、被駆動体3と振動体2との相対的な移動速度に応じて0度から±180度の範囲で変化させることができる。
また、上述の説明では、図5に示すように、圧電素子2aの電極構成としてX方向に2分割された構成を用いた。しかし、圧電素子2aの電極構成はこれに限られず、第1の振動モードと第2の振動モードのそれぞれの振動を同時に励起することが可能な構成であればよい。さらに、上述の説明では、弾性体2bの接触部2dは略十字型の金属板の曲げ加工によって形成している。しかし、接触部2dを形成する方法はこれに限られず、所望の形状が得られる限りにおいて切削加工等の他の方法を用いることもできる。
また、上術の説明では、フレキシブル配線基板を支持部材4として用い、振動体2を支持している。しかし、振動体2を支持する支持部材の構成はこれに限られず、給電用のフレキシブル配線基板とは別に薄い金属材料製で振動体2の一部に溶接等で接合して支持部材を構成してもよい。その場合、支持部材のZ方向のばね定数が振動体2の接触部2dのZ方向のばね定数よりも低くなるように構成することで、吸引力差により生じるモーメントによって振動体2の姿勢を傾けることができる。
次に、本実施形態の振動型アクチュエータ1の変形例について図10を参照して説明する。図10(a)は、変形例に係る振動型アクチュエータ11の構成を説明する示す斜視模式図である。
振動型アクチュエータ11は、振動体12と、振動体12と加圧接触する被駆動体13とを有する。なお、振動体12は不図示の支持部により保持されている。図10(b)は、振動体12の構造を説明する斜視模式図である。振動体12は、弾性体12b、弾性体12bのX方向において略中央に1つの接触部12d、及び弾性体12bにおいて接触部12dが設けられている面と対向する面に設けられた圧電素子12a、を有する。
接触部12dは、ばね性を有する厚さ(高さ)で形成されており、例えば、弾性体12bを構成する板材のプレス加工等によって弾性体12bと一体的に形成されている。ただし、接触部12dは、これに限らず、溶接等によって弾性体12bに固定されていてもよい。
被駆動体13は、永久磁石15と、振動体12との摩擦摺動面となる摺動板16bとを有する。摺動板16bには、耐摩耗性を高めるために窒化処理等の硬化処理が施されており、永久磁石15に対して接着剤を用いて接合されている。永久磁石15と振動体22を構成する弾性体12bとの間に作用する吸引力によって、振動体12と被駆動体は所定の加圧力で接触している。
本変形例に係る振動型アクチュエータ11においても、被駆動体13が移動範囲の一方側の端部に位置している場合、永久磁石15の他方側の端部は弾性体12bの他方側の端部よりも一方側に配置されている。
すなわち、被駆動体13が移動範囲のX方向プラス側の端部に位置している場合は、永久磁石15の端部15−1が弾性体12bの端部12b−1よりもX方向プラス側に配置される。また、被駆動体13が移動範囲のX方向マイナス側の端部に位置している場合は、永久磁石15の端部15−2が弾性体12bの右端部12b−2よりもX方向マイナス側に配置されるように移動範囲を規定している。そのため、被駆動体13が移動範囲の一方側の端部に位置する場合は、弾性体12bのX方向のプラス側とマイナス側に発生する吸引力差が大きくなり、振動体12に生じるY軸まわりのモーメントにより振動体12の姿勢が変化する。これにより、起動性を向上することが可能となり、摩耗が発生しても、振動型アクチュエータの起動性の低下を低減することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態に係る振動型アクチュエータ21の構成について、図11を参照して説明する。図11(a)は、振動型アクチュエータ21の構成を説明する模式図である。図11(b)は、振動型アクチュエータ21の被駆動体23の中心を通り、YZ平面で見た時の振動型アクチュエータ21の断面の模式図である。図11(c)は、振動型アクチュエータ21の被駆動体23を振動体2側からみた模式図である。
振動型アクチュエータ21は、第1の実施形態に係る振動型アクチュエータ1の被駆動体3に代えて、被駆動体23を用いる。振動型アクチュエータ21は、この被駆動体23を回転駆動する振動型アクチュエータである。なお、振動型アクチュエータ21において、第1の実施形態に係る振動型アクチュエータ1の構成要素と同じ構成要素については、第1の実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
被駆動体23は、円環状のネオジム磁石である永久磁石25と、磁性を有する円環状の金属製の弾性部材からなるロータ部材26と、を接着剤等により接合して構成されている。本実施形態では、ロータ部材26の材料として、マルテンサイト系のステンレス鋼が用いられている。
ロータ部材26は、本体部26aと、振動体2の接触部2dと摩擦接触する摺動面を有する摺動部26bと、を有する。摺動部26bの振動体2の接触部2dと摩擦接触する摺動面には、窒化処理(硬化処理)が施されている。本体部26aは不図示の駆動対象となる装置と接続され、駆動対象に回転力を伝達する。
永久磁石25は、略Z方向に着磁されており、永久磁石25の磁気作用によって、振動体2と被駆動体23とが略Z方向で互いに引き合う。これにより、振動体2と被駆動体23との間に略Z方向において加圧力が与えられる。永久磁石25は、円環状だが一部が開放されている形状をしており、第1の端部25−1と、第2の端部25−2と、を有している。
図12は、被駆動体23の移動範囲を示す斜視図である。なお、図12では、支持部材4を不図示としている。図12(a)は、被駆動体23の移動範囲において、CW方向の端部まで被駆動体23を駆動した状態を示し、図12(b)は、CCW方向の端部まで被駆動体23を駆動した状態を示している。
図12(a)に示すように、被駆動体23が移動範囲のCW方向側の端部に位置する場合、永久磁石25のCW方向とは反対側の第1の端部25−1は、弾性体2bのCW方向とは反対側の端部2b−1よりも駆動方向側、すなわちCW方向側に位置している。この場合、振動体22の弾性体22bの永久磁石25とは、CW方向側では永久磁石25と駆動方向において全領域で対向しているのに対して、CCW側では弾性体22bはその一部が永久磁石と対向していない。すなわち、CCW側では振動体22は永久磁石25の開放部分と対向している。
この場合、弾性体2bの不図示の中心線よりも一方側(CW側)において弾性体2bと永久磁石25とが対向している面積が、他方側(CCW側)において弾性体2bと永久磁石25とが対向している面積よりも大きくなる。そのため、弾性体2bのCCW方向側に発生する吸引力よりもCW側に発生する吸引力が大きくなり、振動体2にY軸まわりのモーメントが右回りの方向で発生する。よって、振動体2は姿勢が傾き、接触部2dの接触面2eはCW側がCCW側よりも強圧になり、被駆動体23をCCW方向へ駆動する駆動力が増加する。
この状態から、B相の位相差を変更し回転方向を反転させCCW方向の端部まで被駆動体23を駆動すると、図12(b)に示すように、永久磁石25の第2の端部25−2は、振動体2の弾性体2bの端部2b−2よりも駆動方向側に位置している。この場合、振動体22の弾性体22bの永久磁石25とは、CW方向側では永久磁石25と駆動方向において全領域で対向しているのに対して、CCW側では弾性体22bはその一部が永久磁石と対向していない。すなわち、CCW側では振動体22はCW側では永久磁石25の開放部分と対向している。
この場合、弾性体2bの不図示の中心線よりも一方側(CCW側)において弾性体2bと永久磁石25とが対向している面積が、他方側(CW側)において弾性体2bと永久磁石25とが対向している面積よりも大きくなる。そのため、弾性体2bのCW方向側に発生する吸引力よりもCCW側に発生する吸引力が大きくなり、振動体2にY軸まわりのモーメントが左回りの方向で発生する。よって、振動体2は姿勢が傾き、接触部2dの接触面2eはCCW側がCW側よりも強圧になり、被駆動体23をCW方向へ駆動する駆動力が増加する。
以上より、被駆動体23が所定の移動範囲の端部まで移動した場合に、駆動方向を反転させる時の起動性が向上する。
その結果、本実施形態のように所定の移動範囲を回転駆動する場合においても、被駆動体23の摩耗が発生していても、従来の振動型アクチュエータと比較して、起動性の低下を低減することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、上記の実施形態に係る振動型アクチュエータを備える装置(機械)の一例としての撮像装置の構成について、図13を参照して説明する。図13(a)は、撮像装置700の構成を説明する上面模式図である。
撮像装置700は、撮像素子710及び電源ボタン720を搭載したカメラ本体730を備える。また、撮像装置700は、第1レンズ群(不図示)、第2レンズ群320、第3レンズ群(不図示)、第4レンズ群340、振動型駆動装置620、640を有するレンズ鏡筒740を備える。レンズ鏡筒740は、交換レンズとして取り換え可能であり、撮影対象に合わせて適したレンズ鏡筒740をカメラ本体730に取り付けることができる。撮像装置700では、2つの振動型駆動装置620、640によってそれぞれ、第2レンズ群320、第4レンズ群340の駆動が行われる。
振動型駆動装置620は、例えば、第1実施形態で説明した振動体2と円環状の被駆動体とを含む振動型アクチュエータ、及び振動体2の圧電素子2aに駆動電圧を印加する駆動回路を有する。被駆動体は、ラジアル方向が光軸と略直交するように、レンズ鏡筒740内に配置される。被駆動体は、レンズ鏡筒740内に配置された状態で、光軸と略直交し、且つ、光軸方向で対向する平行な面を有する。例えば、3つの振動体2は、被駆動体において光軸方向で対向する平行な面を一対の接触部2dで挟み込み、光軸を中心とする円の接線方向に被駆動体に対して推力を与えるように、光軸を中心とする円周上に略等間隔に配置される。
このような構成により、振動型駆動装置620は、被駆動体を光軸回りに回転し、ギア等を介して被駆動体の回転出力を光軸方向での直進運動に変換することによって、第2レンズ群320を光軸方向に移動させることができる。振動型駆動装置640は、振動型駆動装置620と同様の構成を有することにより、第4レンズ群340を光軸方向に移動する。
図13(b)は、撮像装置700の概略構造を示すブロック図である。第1レンズ群310、第2レンズ群320、第3レンズ群330、第4レンズ群340及び光量調節ユニット350が、レンズ鏡筒740内部の光軸上の所定位置に配置されている。第1レンズ群310〜第4レンズ群340と光量調節ユニット350とを通過した光は、撮像素子710に結像する。撮像素子710は、光学像を電気信号に変換して出力し、その出力は、カメラ処理回路750へ送られる。
カメラ処理回路750は、撮像素子710からの出力信号に対して増幅やガンマ補正等を施す。カメラ処理回路750は、AEゲート755を介してCPU790に接続されると共に、AFゲート760とAF信号処理回路765とを介してCPU790に接続されている。カメラ処理回路750において所定の処理が施された映像信号は、AEゲート755と、AFゲート760及びAF信号処理回路765を通じてCPU790へ送られる。なお、AF信号処理回路765は、映像信号の高周波成分を抽出して、オートフォーカス(AF)のための評価値信号を生成し、生成した評価値をCPU790へ供給する。
CPU790は、撮像装置700の全体的な動作を制御する制御回路であり、取得した映像信号から、露出決定やピント合わせのための制御信号を生成する。CPU790は、決定した露出と適切なフォーカス状態が得られるように、振動型駆動装置620、640及びメータ630の駆動を制御することによって、第2レンズ群320、第4レンズ群340及び光量調節ユニット350の光軸方向位置を調整する。CPU790による制御下において、振動型駆動装置620は第2レンズ群320を光軸方向に移動させ、振動型駆動装置640は第4レンズ群340を光軸方向に移動させ、光量調節ユニット350はメータ630により駆動制御される。
振動型駆動装置620により駆動される第2レンズ群320の光軸方向位置は第1リニアエンコーダ770により検出され、検出結果がCPU790に通知されることで、振動型駆動装置620の駆動にフィードバックされる。同様に、振動型駆動装置640により駆動される第4レンズ群340の光軸方向位置は第2リニアエンコーダ775により検出され、検出結果がCPU790に通知されることで、振動型駆動装置640の駆動にフィードバックされる。光量調節ユニット350の光軸方向位置は、絞りエンコーダ780により検出され、検出結果がCPU790へ通知されることで、メータ630の駆動にフィードバックされる。
撮像装置700の所定のレンズ群を光軸方向に移動させる用途に振動型アクチュエータ1等を用いた場合、レンズ群を停止させた状態でも大きな保持力が維持される。これにより、レンズ鏡筒や撮像装置本体に外力が作用しても、レンズ群にズレが生じることを抑制することができる。
ここでは、円環状の被駆動体を有する振動型駆動装置620、640を用いてレンズ群を光軸方向に移動させる例について説明したが、振動型アクチュエータ1を用いてレンズ群を光軸方向に移動させる構成は、これに限られない。例えば、振動体2は、第1実施形態で説明したように、被駆動体をX方向にリニア駆動することができる。よって、レンズを保持した保持部材を被駆動体3に取り付け、レンズの光軸方向と被駆動体3の駆動方向とが略平行となる構成とすることによって、レンズ群を光軸方向に移動させることができる。
なお、レンズ鏡筒に手ぶれ補正用レンズが内蔵される場合に、手ぶれ補正用レンズを光軸と略直交する面内の任意の方向に移動させる手ぶれ補正ユニットに、振動体2を用いることができる。その場合、光軸方向と略直交する面内において直交する2方向にレンズ保持部材を移動させることができるように、各方向にレンズ保持部材を駆動する1又は複数の振動体2を配置する。手ぶれ補正ユニットは、手ぶれ補正用レンズを駆動する構成に代えて、撮像装置の本体に内蔵される撮像素子710を光軸と直交する面内の任意の方向に移動させる構成としてもよい。
振動型アクチュエータ1等は、隅部を有する装置内に配置する場合において、接触部対が鋭角に形成されているため、隅部のスペースを効率よく使うことができ、装置全体の小型化を実現することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、上述の実施形態の振動型アクチュエータ1、10、20のいずれかを少なくとも2つ以上備える装置の一例として、X−Yステージを備える顕微鏡の構成について、図14を参照して説明する。図14は、顕微鏡400の外観斜視図である。
顕微鏡400は、撮像素子と光学系を内蔵する撮像部410と、基台上に設けられ、ステージ420を有する自動ステージ430と、を有する。
自動ステージ430は、ステージ420を有し、上述の実施形態の振動型アクチュエータ1、10、20のいずれかにより、ステージ420をX−Y面内で移動するステージ装置である。なお、本実施形態は、ステージ装置の構成を限定するものではなく、ステージ装置の構成は適宜変更できる。
自動ステージ430の振動型アクチュエータの少なくとも1つは、X方向駆動に用いられ、振動体2のX方向がステージ420のX方向と一致するように配置される。また、自動ステージ430の振動型アクチュエータの別の1つは、Y方向駆動に用いられ、振動体2のX方向がステージ420のY方向と一致するように配置される。
被観察物をステージ420の上面に置いて、拡大画像を撮像部410で撮影する。観察範囲が広範囲にある場合には、自動ステージ430を駆動してステージ420を面内でX方向やY方向に移動させて被観察物を移動させることにより、多数の撮影画像を取得する。撮影された画像を不図示のコンピュータで画像処理により結合させることで、観察範囲が広範囲で、高精細な1枚の画像を取得することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。