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JP6849752B2 - 異物分離用治具と、それを備える粉体流動装置 - Google Patents
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JP6849752B2 - 異物分離用治具と、それを備える粉体流動装置 - Google Patents

異物分離用治具と、それを備える粉体流動装置 Download PDF

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Description

本発明は、流動槽内を流動する粉体から異物を分離する異物分離用治具と、それを備える粉体流動装置に関する。
流動槽内で流動する粉体にワークの塗装対象部を浸漬し、前記塗装対象部に粉体を融着することで塗膜を形成する塗装処理が知られている。ここで、粉体に異物が混入していると、塗膜がこの異物を含んだものとなる可能性がある。このような事態が発生した場合、例えば、塗膜の、異物を含んだ箇所が膨出するので、厚みを略均等とすることが困難となる。また、異物が塗膜から脱落したときには、塗膜に脱落痕が形成されてしまう。
特許文献1には、このような不具合を招来することを回避するべく、流動槽内にフィルタを設けることが提案されている。すなわち、傾斜したフィルタの下端から上端に向かって粉体を流動させると、この流動の間に、フィルタ上に異物が捕捉される一方、フィルタの目よりも粒径が小さな粉体がフィルタを通過する。このようにして異物が分離された粉体が、流動槽内を上昇して塗装に供される。
なお、特許文献1の記載によれば、捕捉された異物は、オーバーフローによって流動槽外に排出される、とのことである。
特開2018−23957号公報(特に、段落[0021]〜[0026]及び図1〜図3参照)
特許文献1に記載の技術では、フィルタ上に異物や大径粉体が堆積すると、その上に、塗装に適切な小径粉体が堆積することになる。上記したように、フィルタ上の異物等はオーバーフローによって排出されるので、異物や大径粉体とともに、小径粉体が排出されてしまう。この分、粉体の損失となる。
また、フィルタを流動槽の底部に配設するようにしているので、異物等がオーバーフローによって搬送されている最中には、粉体の流動が円滑でなくなる等、粉体の流動状況に影響が及ぶ。
さらに、フィルタは、流動槽の全周にわたって周回する構造ではない。フィルタが存在しない部分では異物を捕捉できないので、粉体全体から異物を除去するには、粉体を、フィルタを順次通過するように流動させる必要がある。このため、異物の除去に長時間を要する。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、異物を効率よく除去することが可能であり、しかも、粉体を損失することを回避し得る異物分離用治具と、それを備える粉体流動装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、略円筒形状をなし且つ高さ方向上端が開口端である流動槽に設けられ、前記流動槽内を流動する粉体から異物を分離する異物分離用治具であって、
前記異物及び前記粉体が通過可能な粉体通路が内周側に形成され、
前記粉体が通過可能である一方で前記異物を捕捉するとともに、前記粉体通路を囲繞するように周回する捕捉部が外周側に設けられ、
且つ前記流動槽に保持される被保持部を備える異物分離用治具が提供される。
本発明の別の一実施形態によれば、上記した異物分離用治具が設けられた流動槽を備える粉体流動装置が提供される。
本発明によれば、内周側に粉体通路を形成するとともに、該粉体通路の外周側に、該粉体通路を囲繞するように周回する捕捉部を設けるようにしている。従って、流動槽内で、例えば、内周側の下方から前記開口端側に向かって上昇し、さらに外周側に向かうように粉体を流動させることにより、粉体通路を通過した粉体及び異物を、外周側の捕捉部に容易に流動(移動)させることができる。
そして、捕捉部によって異物が捕捉されるので、粉体と異物が分離される。すなわち、粉体をオーバーフローさせることなく、該粉体から異物を除去することができる。捕捉部が周回するように設けられているので、異物分離用治具の略全体にわたって異物の除去が同時になされる。このため、粉体の損失を回避することができるとともに、異物を効率よく除去することができる。
塗膜を形成するワークであるステータの概略斜視図である。 塗膜としての絶縁樹脂層が形成されたステータの要部正面図である。 本発明の実施の形態に係る粉体流動装置の概略縦断面図である。 粉体流動装置を構成する異物分離用治具の概略側面断面図である。 異物分離用治具の概略平面図である。 粉体の流動方向を示す流動槽の概略水平断面図である。 異物分離用治具における粉体の流動方向を模式的に示す概略側面図である。 流動槽内の粉体にステータの一部を浸漬した状態を示した概略縦断面図である。
以下、本発明に係る異物分離用治具につき、該異物分離用治具が設けられた流動槽を備える粉体流動装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、ワーク及び塗装対象部につき説明する。本実施の形態では、塗装を施す(換言すれば、塗膜を形成する)ワークとして、図1に概略斜視図を示すステータ10が選定される。該ステータ10は、図示しないロータとともに、電動機や発電機として用いられる回転電機を構成する。
ステータ10は、円筒状のコア12と、コイル14とを有する。この中のコア12は、例えば、複数個の環状の電磁鋼板が高さ方向に積層されて構成される。また、コア12には、該コア12を高さ方向に沿って貫通するスロット16が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。コイル14の一部は、スロット16に挿入される。
具体的には、コイル14は、コア12の周方向に沿って環状に配置された複数のセグメント20が電気的に接続されることで構成される。各セグメント20は、一対の脚部22と、これら脚部22同士を繋ぐ湾曲部24とを有する。一対の脚部22は、互いに異なるスロット16に対し、コア12の、図1における上端面側からそれぞれ挿通され、下端面側から突出する。
1個のスロット16から突出する脚部22の先端部分は、別のスロット16から突出する他の脚部22の先端部分に対し、例えば、溶接によって接合される。このようにして形成された接合部26を介して複数のセグメント20同士が互いに電気的に接続されることで、コイル14が構成されている。
接合部26が他の接合部26等に接触すると、短絡が起こる懸念がある。これを回避するべく、図2に示すように、接合部26が、塗膜としての絶縁樹脂層28で被覆される。
次に、絶縁樹脂層28を形成するための粉体流動装置につき、図3〜図5を参照して説明する。
図3に示すように、粉体流動装置30は、振動付与機構32と、上端が開口した開口端であり有底円筒形状をなす流動槽34とを備える。この中の振動付与機構32は、振動モータ36と、該振動モータ36で発生させた振動を流動槽34に伝達する伝達ロッド38とを有する。振動モータ36は、流動槽34を支持する支持板40よりもさらに下方に配置される。また、伝達ロッド38は、振動モータ36から上方に向かって延在するとともに、支持板40に形成された通過孔41を通って、流動槽34の径方向略中心に対して当接又は離間する。この当接又は離間の繰り返しにより、流動槽34が高さ方向(軸方向)、径方向、周方向に振動する。
支持板40と流動槽34の間には、ゴム製のダンパ42が介挿される。このダンパ42は、流動槽34の振動を吸収する。従って、支持板40が流動槽34とともに振動することが回避される。なお、ダンパ42は、伝達ロッド38を囲繞するように設けられる。
流動槽34の軸方向の途中には、分散板44及び多孔板46が径方向に沿って挿入される。これら分散板44及び多孔板46は、圧縮エアが通過することが可能な一方で樹脂粉体50(粉体)の通過を抑制し得る多孔質材料からなる。分散板44及び多孔板46は、外嵌リング51が外嵌されることで、互いに所定間隔で離間した状態で流動槽34に位置決め固定されている。なお、分散板44を設ける必要は特になく、これを省くようにしてもよい。
分散板44及び多孔板46により、流動槽34が3個の内室52、54、56に区画される。すなわち、流動槽34内に、エア導入室52、エア分散室54、流動室56が下方からこの順序で画成される。最下のエア導入室52には、供給管58を介して図示しない圧縮エア供給源(例えば、エアポンプ)が接続される。すなわち、圧縮エア供給源から供給された圧縮エアは、エア導入室52内で拡散した後、該エア導入室52にさらに供給された圧縮エアに押圧されることで上昇する。上昇した圧縮エアは、分散板44の孔部、エア分散室54を通過することで分散した状態で多孔板46に向かい、多孔板46の孔部を通過することで、流動室56の下方から該流動室56内へと流通する。
流動槽34内には、粉体としての樹脂粉体50が収容される。樹脂粉体50は、前記絶縁樹脂層28の出発材である。
流動槽34の上部開口近傍には、異物分離用治具60が流動槽34に対して着脱可能に設けられる。この異物分離用治具60は、樹脂粉体50中の異物UP(図7参照)を除去するためのものであり、図4及び図5に詳細を示すように、略円板形状をなす治具本体62と、該治具本体62に設けられたスリーブ64と、該スリーブ64を囲繞するように周回するメッシュフィルタ66(捕捉部)とを備える。なお、図4は、図5中のIV−IV線矢視断面図に相当する。
治具本体62は、底壁部68と、該底壁部68の外周縁部から略垂直に立ち上がって周回する被保持部70と、被保持部70から径方向外方に折曲された環状タブ部72とを有する。底壁部68の径方向中心には、スリーブ64を挿入するための挿入孔74が形成される。また、挿入孔74の近傍には、該挿入孔74を囲繞するようにして円弧形状の通過口76が複数個(この場合、4個)開口する。
スリーブ64には、高さ方向に沿って粉体通路78が形成される。粉体通路78は、流動室56の底部に臨む下方開口78aと、開口端である上端に臨む上方開口78bとを含み且つ断面が円形となる貫通路である。図4に示すように、粉体通路78の内径は、下方開口78aから上方開口78bに向かうに従ってテーパー状に拡径する。すなわち、下方開口78aの内径(換言すれば、開口幅)は、上方開口78bに比して小さく設定されている。
スリーブ64の上端には、大径なフランジ80が設けられる。該フランジ80の外径は挿入孔74に比して大きく、このため、フランジ80は治具本体62に堰き止められる。すなわち、フランジ80は、スリーブ64の挿入孔74からの抜け止めとしての役割を果たす。また、フランジ80にはボルト挿通孔82aが形成されており、このボルト挿通孔82aに通されたボルト84にナット86が螺合される。これにより、スリーブ64が治具本体62に位置決め固定される。
メッシュフィルタ66は円環形状をなし、その内周側は、治具本体62とフランジ80に挟まれる。すなわち、メッシュフィルタ66は、フランジ80よりも下方において、粉体通路78を囲繞するように周回する。また、メッシュフィルタ66の、流動槽34の開口した上端からの設置深さD(図3参照)は、好ましくは10〜20mmに設定される。
メッシュフィルタ66は、底壁部68の、通過口76同士の間に位置して挿入孔74から放射状に延在する部位に支持される。さらに、メッシュフィルタ66には、内側円環部90と、4本の直線形状部92と、外側円環部94とを有する押さえ枠体96が被せられる(図5参照)。なお、内側円環部90はスリーブ64とメッシュフィルタ66で挟持されるので、平面視では視認されない。
直線形状部92は、挿入孔74から放射状に延在するとともに、1個の通過口76を略等分割する位置でメッシュフィルタ66の上方に重なる。直線形状部92と外側円環部94にはボルト挿通孔82bが形成されており、メッシュフィルタ66の、ボルト挿通孔82bの位置に対応する位置には、ボルト挿通孔82cが形成される。これらボルト挿通孔82b、82cと、底壁部68に形成されたボルト挿通孔82dとに通された各ボルト84に、底壁部68の下面側でナット86が螺合されることにより、メッシュフィルタ66が底壁部68と押さえ枠体96で挟持される。
図4に示すように、環状タブ部72には、ボルト挿通孔82eが設けられるとともに、該ボルト挿通孔82eに通されたボルト84により、ブロック部材100が環状タブ部72の下面に保持される。このブロック部材100には、底壁部68の直径と同一軸線となるように螺回孔102が貫通形成される。該螺回孔102には、挟持体としてのスタッドボルト104が摺動可能に挿入される。作業者がスタッドボルト104を螺回させることにより、該スタッドボルト104が前進又は後退する。すなわち、スタッドボルト104が被保持部70に対して接近又は離間する。
本実施の形態に係る異物分離用治具60及び粉体流動装置30は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
ステータ10のセグメント20同士の接合部26を絶縁樹脂層28で被覆する(塗装を行う)には、はじめに、流動槽34の流動室56に樹脂粉体50を収容する。その後、図3に示すように、流動槽34の開口した上端に異物分離用治具60を取り付ける。この際、被保持部70とスタッドボルト104の間に流動槽34の上端を挿入する。具体的には、被保持部70を流動槽34の内周壁に添わせるとともに、スタッドボルト104を、流動槽34の外周壁に対向させる。
この状態でスタッドボルト104を螺回し、該スタッドボルト104を流動槽34側に向かって前進させる。その結果、流動槽34の上端がスタッドボルト104と被保持部70に堅牢に挟持される。このように、本実施の形態では、スタッドボルト104を流動槽34に対して接近又は離間可能としている。従って、異物分離用治具60を流動槽34の上端に単に掛止する場合に比して、異物分離用治具60を安定して流動槽34に位置決め固定することができる。
また、スタッドボルト104の位置を調整することにより、厚みが様々な流動槽34に異物分離用治具60を取り付けることが可能となる。すなわち、異物分離用治具60が汎用性に優れたものとなる。
このようにして異物分離用治具60を流動槽34に取り付けた状態で、次に、振動モータ36を付勢する。これに伴い、伝達ロッド38が流動槽34の径方向略中心に対して当接と離間を繰り返すようになる。これにより、流動槽34が軸方向、径方向、周方向に振動する。この際、支持板40と流動槽34の間に介挿されたダンパ42により、振動が支持板40に伝達されることが抑制される。その結果、支持板40が流動槽34とともに振動することが回避される。
振動モータ36の付勢と略同時に、圧縮エア供給源から圧縮エアを供給する。圧縮エアは、供給管58を流通してエア導入室52に導入される。供給管58に比してエア導入室52が大面積且つ大容積であるので、圧縮エアの流速が低下する。このように、エア導入室52は圧縮エアの流速を調節するためのバッファ部である。エア導入室52内の圧縮エアは、分散板44の孔部、エア分散室54、及び多孔板46の孔部を通過することで分散され、流動室56内に供給される。なお、圧縮エアの供給量は、樹脂粉体50に含まれる異物UPや大径粉体を上昇させることが可能な程度に大きく設定される。
本発明者の鋭意検討によれば、上記のようにして流動槽34を振動させた場合、径方向及び周方向の振動の振幅や加速度は、径方向中心側と外周側との間で略同等である一方、軸方向(高さ方向)では、振動の振幅や加速度は、流動槽34の径方向中心側から外周側に向かうに連れて大きくなる、との知見が得られた。このような状況下では、外周底部側の樹脂粉体50の嵩密度が、径方向中心側に比して大きくなり易い。すなわち、流動室56の外周側と内周側とで樹脂粉体50の嵩密度に相対的な大小が生じる。
従って、多孔板46を介した流動室56への圧縮エアの供給量が略均等である場合、流動室56の外周側では、径方向中心側よりも樹脂粉体50が流動し難くなる。上記したように、外周側では、樹脂粉体50の嵩密度が径方向中心側に比して大きいからである。換言すれば、径方向中心側では、樹脂粉体50が比較的容易に流動する。このため、流動室56内の樹脂粉体50は、図3及び図6に矢印P1で示すように、径方向中心側(内周側)の下方から開口した上端部に向かって上昇し、その後に放射状に外周側に向かうように流動する。樹脂粉体50は、その後、外周側で下方に向かって沈降する(図3参照)。
ここで、樹脂粉体50は、径方向中心側(内周側)の下方から開口した上端部に向かって上昇する過程で、異物分離用治具60を構成するスリーブ64に形成された粉体通路78を通過する。径方向中心側では、樹脂粉体50が上昇しているので、粉体通路78の下方開口78aが樹脂粉体50の入口、上方開口78bが出口となる。すなわち、下方開口78aは樹脂粉体50の流動方向上流側の開口であり、一方、上方開口78bは流動方向下流側の開口である。なお、樹脂粉体50に異物UPが含まれている場合、異物UPも樹脂粉体50とともに粉体通路78を通過する。
上記したように、下方開口78aの内径は上方開口78bに比して小である。すなわち、樹脂粉体50の流動方向下流側となる出口の開口幅が、流動方向上流側となる入口に比して大きい。このため、粉体通路78内では、樹脂粉体50の流速が、下方開口78a(上流側)から上方開口78b(下流側)に向かうにつれて小さくなる。すなわち、粉体通路78内の樹脂粉体50は、流速が大きな樹脂粉体50によって下方から押圧される。これにより、粉体通路78内の樹脂粉体50及び異物UPが逆流する(下降する)ことが防止される。
図7に模式的に示すように、粉体通路78を通過した樹脂粉体50及び異物UPは、スリーブ64のフランジ80に乗り上げた後、メッシュフィルタ66の上面に流下する。ここで、フランジ80はメッシュフィルタ66の上方に位置する。メッシュフィルタ66上に流動した樹脂粉体50及び異物UPが、フランジ80との段差を乗り越えることは困難である。このため、メッシュフィルタ66上の樹脂粉体50及び異物UPが粉体通路78に戻ることや、さらには粉体通路78から下降することが防止される。
異物分離用治具60が流動槽34に保持されているので、該異物分離用治具60は、流動槽34と一体的に振動する。流動槽34の振動の度合いは、ダンパ42から離間するほど大きい。このため、流動槽34の、ダンパ42から離間した上端の外縁と、該上端の外縁に取り付けられた異物分離用治具60は、大きく振動する。そして、この振動に伴ってメッシュフィルタ66上の樹脂粉体50が揺動する。
この際、小粒径の小径粉体はメッシュフィルタ66の目や通過口76を通過し、流動槽34に戻る。これに対し、粒径がメッシュフィルタ66の目よりも大きな大径粉体や異物UPは、メッシュフィルタ66上に留まる。すなわち、メッシュフィルタ66は篩となり、絶縁樹脂層28の形成に適切な小径粉体から、大径粉体及び異物UPを除去する。小径粉体は、その全量が流動室56に戻るので、小径粉体に損失が生じることが回避される。
また、異物分離用治具60が大きく振動するので小径粉体がメッシュフィルタ66の目を比較的容易に通過する。また、メッシュフィルタ66が流動槽34の全周にわたって周回しているので、多量の樹脂粉体50を同時に処理することが可能である。以上のような理由により、小径粉体からの大径粉体及び異物UPの分離が効率よく進行する。
このように、内周側に粉体通路78を形成するとともに、該粉体通路78の外周側に、該粉体通路78を囲繞するように周回するメッシュフィルタ66(捕捉部)を設けるようにしたことにより、径方向中心側(内周側)の下方から上部(開口端)側に向かって上昇し、さらに外周側に向かうように流動する樹脂粉体50に混入した異物UPや、大径粉体を容易に除去することができる。
さらに、メッシュフィルタ66の設置深さDが10〜20mmであると、粉体通路78を通過してメッシュフィルタ66上に流動する樹脂粉体50の量と、メッシュフィルタ66を通過する樹脂粉体50の量とが略均衡する。このため、樹脂粉体50がメッシュフィルタ66上に堆積したり、堆積した樹脂粉体50が流動室56から溢れ出たりすることが回避される。
所定の時間(例えば、数分程度)が経過した後、振動モータ36を一旦滅勢するとともに圧縮エアの供給を停止する。すなわち、流動槽34及び異物分離用治具60の振動と、圧縮エアによる樹脂粉体50の流動を停止させる。この状態で、スタッドボルト104を流動槽34の外周壁から後退する方向に螺回させ、流動槽34をスタッドボルト104と被保持部70の挟持から解放して異物分離用治具60を流動槽34から取り外す。
この取り外しにより、大径粉体や異物UPが流動槽34内から排出される。このように、本実施の形態によれば、樹脂粉体50を篩にかけている最中に異物UPをメッシュフィルタ66上から移送することはない。従って、樹脂粉体50の円滑な流動が阻害されることが回避される。
以上のようにして異物UPを除去する最中、ステータ10を図示しない予熱器にて予熱しておく。また、予熱が終了した際、振動モータ36を再付勢するとともに圧縮エアの供給を再開する。これにより、流動室56内の樹脂粉体50が再流動し始める。
流動室56内の樹脂粉体50は、異物UPや大径粉体が除去された小径粉体である。従って、異物UPや大径粉体を上昇させる程度の量で圧縮エアを供給する必要は特にない。すなわち、この際の圧縮エアの供給量を、異物UPを除去する際の圧縮エアの供給量に比して小さく設定するようにしてもよい。
次に、懸吊治具や搬送装置を用いて予熱済のステータ10を搬送し、図8に示すように、流動する樹脂粉体50内に該ステータ10を浸漬する。勿論、この際には接合部26を下方とし、樹脂粉体50内にコア12の下端面が埋没するまでステータ10を下降する。この際、ステータ10に接触した樹脂粉体50や、その近傍の樹脂粉体50は、ステータ10の熱が伝達されることで溶融する。溶融物は、接合部26とともにコア12の下端面を覆う。
次に、前記懸吊治具ないし前記搬送装置の作用下にステータ10を上昇させ、該ステータ10を樹脂粉体50から引き上げる。その後、溶融物が冷却硬化することにより、図2に示す絶縁樹脂層28が形成される。
異物UPが、例えば、金属片である場合、上記の異物除去処理により、金属片を含まない絶縁樹脂層28を形成することが可能となる。すなわち、金属片を介する短絡が生じる懸念が払拭された絶縁樹脂層28を得ることができる。また、絶縁樹脂層28は、異物UPが含まれることに起因する膨出が回避されるために厚みが略均等となる。さらに、異物UPが脱落することに起因する脱落痕が形成される懸念も払拭される。
流動室56内に残留した樹脂粉体50は、上記の異物除去処理によって異物UPや大径粉体が既に除去されたものである。従って、以降は、異物除去処理を行うことなく、流動室56内の樹脂粉体50を用いて絶縁樹脂層28の形成作業を繰り返し行うことができる。すなわち、異物除去処理は、一定期間ごとに実施すればよい。
しかも、1回の異物除去処理に要する時間は数分〜十数分程度である。さらに、異物分離用治具60の流動槽34から取り外す際は、スタッドボルト104を螺回するという簡素な作業を行う程度であり、これに要する時間は極僅かである。このため、異物除去処理を行うことによって、絶縁樹脂層28の形成作業に要する時間が長くなることはない。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、スリーブ64に粉体通路78を形成することに代替し、治具本体62の内周側(典型的には径方向中心)に通路用孔を形成するとともに、該通路用孔を介して樹脂粉体50をメッシュフィルタ66側に流動させるようにしてもよい。
また、粉体通路78や通路用孔の直径(開口幅)がコア12の直径に比して大きい場合には、異物分離用治具60を流動槽34から取り外すことなく、コア12を粉体通路78や通路用孔に通した後、流動室56内の樹脂粉体50に浸漬すればよい。
さらに、異物UPを流動槽34から排出するに際しては、ボルト84を弛緩してメッシュフィルタ66から押さえ枠体96を取り外し、さらに、治具本体62からメッシュフィルタ66を取り外すようにしてもよい。取り外したメッシュフィルタ66を流動槽34から搬出することにより、異物UPが流動槽34から排出される。
10…ステータ 12…コア
14…コイル 20…セグメント
22…脚部 26…接合部
28…絶縁樹脂層 30…粉体流動装置
32…振動付与機構 34…流動槽
36…振動モータ 38…伝達ロッド
42…ダンパ 50…樹脂粉体
52…エア導入室 54…エア分散室
56…流動室 60…異物分離用治具
62…治具本体 64…スリーブ
66…メッシュフィルタ(捕捉部) 70…被保持部
76…通過口 78…粉体通路
78a…下方開口 78b…上方開口
80…フランジ 96…押さえ枠体
100…ブロック部材 102…螺回孔
104…スタッドボルト UP…異物

Claims (8)

  1. 略円筒形状をなし且つ高さ方向上端が開口端である流動槽に設けられ、前記流動槽内を流動する粉体から異物を分離する異物分離用治具であって、
    前記異物及び前記粉体が通過可能な粉体通路が内周側に形成され、
    前記粉体が通過可能である一方で前記異物を捕捉するとともに、前記粉体通路を囲繞するように周回する捕捉部が外周側に設けられ、
    且つ前記流動槽に保持される被保持部を備える異物分離用治具。
  2. 請求項1記載の治具において、前記粉体通路は、前記粉体の流動方向上流側である入口の開口幅よりも、流動方向下流側である出口の開口幅が大である異物分離用治具。
  3. 請求項2記載の治具において、前記粉体通路が形成され且つ前記出口側の端部にフランジを有するスリーブを備えるとともに、前記捕捉部が前記フランジに比して下方に位置する異物分離用治具。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の治具において、前記被保持部が前記開口端の側壁部に取り付けられる異物分離用治具。
  5. 請求項4記載の治具において、前記被保持部に対して接近又は離間することが可能であり、且つ前記被保持部に接近して該被保持部とともに前記側壁部を挟持する挟持体を備える異物分離用治具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の治具において、前記捕捉部が、前記開口端からの深さが10〜20mmの位置に配設される異物分離用治具。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された異物分離用治具が設けられた流動槽を備える粉体流動装置。
  8. 請求項7記載の装置において、前記異物分離用治具を前記流動槽ごと振動させる振動付与機構を備える粉体流動装置。
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