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JP6852012B2 - 車両用変速機の制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は車両用変速機の制御装置に関する。
機能安全に関する国際標準としてIEC61508やISO26262等が制定され、自動車の安全性能へのニーズが高まっている。
安全性能へのニーズに対応すべく、車両用変速機に搭載されているマイクロプロセッサでは、ROM(Read Only Memory)故障検出機能の高性能化等、安全状態を常時監視できる機能が備わってきている。一方で、マイクロプロセッサの技術向上によりROM記憶容量が急増しており、ROM故障率は高くなる傾向がある。
ROM故障を含む車両用変速機の制御装置の故障が発生した場合、フェールセーフ状態へ移行する技術が公開されている。
特許文献1の要約欄には、「構成部品の故障状態を判定するn個の故障判定手段と、故障部位から想定される周辺・関連部位の故障発生であっても、暴走・エンスト・急減速が発生せず、また2重故障へ起因しない運転状態を確保することが可能な予め統合化,グループ化されたn個の故障判定手段よりも少ないm個のフェールセーフモード実行手段を備え、故障発生が検出・判定されたときに、m個のフェールセーフモードのうち、故障部位に対応するフェールセーフモードを選択する。」と開示されている。
特開2009−41602号公報
特許文献1では、ROM故障時に車両の安全状態を確保するため、車両用変速機の機能を制限し、ドライバビリティが低下してしまうことがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ROM故障が複数個所発生しても、代替制御を行うことにより、車両用変速機の制御を制限する必要はなく、ドライバビリティ低下を避けることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、アドレスデータを記憶する記憶部と、前記記憶部が格納している前記アドレスデータを用いて処理を実施する制御部と、前記制御部内の故障を検出する故障検出器と、を備えた車両用変速機の制御装置において、前記記憶部は、前記アドレスデータに、制御用アドレスと、制御複写用アドレスとを有し、前記制御部は、ソレノイドリレー回路を制御するための制御用のアドレスとして第1のソレノイドリレー制御部のアドレスを前記記憶部の前記制御用アドレスに格納し、前記第1のソレノイドリレー制御部を前記制御部の未使用領域に複写した第2のソレノイドリレー制御部のアドレスを前記記憶部の前記制御複写用アドレスに格納し、前記制御部は、前記制御部で異常が発生した部位を検出する故障部位検出制御部と、前記故障部位検出制御部が前記制御用アドレスで異常を検出した場合に、前記制御複写用アドレスに切り替える故障部位回避制御部と、前記制御部の未使用領域に前記第2のソレノイドリレー制御部を複写する領域が不足した場合に、所定の条件で前記ソレノイドリレー回路を制御する前記ROM故障時制御部と、を有し、前記故障部位回避制御部は、前記第1のソレノイドリレー制御部で異常が検出された場合には、前記第2のソレノイドリレー制御部を前記制御部の未使用領域に複写して第3のソレノイドリレー制御部とし、前記アドレスデータに設定しておいた前記制御用アドレスを前記制御複写用アドレスに書き換えて、前記制御複写用アドレスを前記第3のソレノイドリレー制御部のアドレスに書き換えてから、前記制御用アドレスで前記ソレノイドリレー回路を制御し、前記第2のソレノイドリレー制御部を複写する未使用領域が不足した場合にはROM故障時制御部に切り替えて前記ソレノイドリレー回路を制御する
本発明によれば、ROM故障が複数個所発生しても、代替制御を行うことにより、車両用変速機の制御を制限する必要はなく、ドライバビリティ低下を避けることができる。
車両用変速機の制御装置に関するシステム概要の一例 ソレノイドリレー制御に関する一例。 ソレノイドリレー制御に関するROM故障部位を検出する制御のフローチャート ソレノイドリレー制御に関するROM故障部位を回避する制御のフローチャート
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1を用いて、車両用変速機の制御装置に関するシステム概要の一例について説明する。
車両用変速機には、エンジン008からの駆動力を受けるプライマリプーリー002、ファイナルギア009へ駆動力を出力するセカンダリプーリー004、プライマリプーリー002とセカンダリプーリー004を接続するベルト003を備える。プライマリプーリー002とセカンダリプーリー004は、油圧により溝幅を変化させ、変速比を変えることができる。
また、プライマリプーリー002とセカンダリプーリー004へ油を供給するオイルポンプ005、油の供給量を調整するプライマリソレノイドバルブ006、セカンダリソレノイドバルブ007を備える。
車両用変速機の制御装置であるATCU(Automatic Transmission Control Unit)001では、プライマリソレノイドバルブ006、セカンダリソレノイドバルブ007を開閉することで、プライマリプーリー002とセカンダリプーリー004の油圧を制御し、結果として車両用変速機の変速比を制御している。
図2は、ソレノイドリレー制御に関する例を示す。ATCU101内には、マイクロプロセッサ102、マイクロプロセッサ102からの目標電流値を受けソレノイドバルブ116を制御するソレノイド制御IC114、バッテリ115からソレノイド制御IC114への電源供給を制御するソレノイドリレー回路113を備える。
マイクロプロセッサ102内には、データを記憶するROMデータ記憶部(記憶部)105、ソフトウェアプログラムを記憶するROM制御部(制御部)104、ROM故障アドレスを検出できるROM故障検出器103を備える。
ROM故障検出器103内には、ROM故障が発生有無の情報を格納するROM故障通知レジスタ117、ROM故障発生したアドレスn個を格納するROM故障アドレス格納レジスタ118を備える。ROM故障検出器103はマイクロプロセッサ102に搭載されている機能であり、マイクロプロセッサが起動してから停止するまでの間、ROM故障を監視する。
ROM制御部104内には、ROM故障検出器103から取得したROM故障通知レジスタ117とROM故障アドレス格納レジスタ118の情報により、制御部の故障部位を特定するソフトウェアプログラムであるROM故障部位検出制御106を有する。
ROM故障部位回避制御107は、ROM故障部位検出制御106により制御部の故障部位を回避するためのソフトウェアプログラムである。
ソレノイドリレー制御108は、ソレノイドリレー回路113のON/OFFを制御するソフトウェアプログラムである。
ソレノイド制御111は、ソレノイド制御IC114へ目標指示電流を与えるソフトウェアプログラムである。
ソレノイドリレー制御複写n面109は、ROM故障時に行う制御代替処理であり、ソレノイドリレー制御108と同じ内容のソフトウェアプログラムである。
ソレノイドリレー制御複写n+1面119は、ソレノイドリレー制御複写n面109がROM故障となった時の制御代替処理であり、ソレノイドリレー制御108がROM故障となった時に、ソレノイドリレー制御複写n面109と同じ内容のソフトウェアプログラムをROM未使用領域へ複写したものである。
ソレノイドリレー制御複写n+1面119は、ROM未使用領域がある限り複写を続ける。ROM故障時制御110は、ROM未使用領域が無くなり、ソレノイドリレー制御複写n+1面119でもROM故障となった場合に行われる。
ROMデータ記憶部内105は不揮発性メモリであり、ROM故障部位を回避するための制御実行用データテーブル112を備える。制御実行用データテーブル112には、ソレノイドリレー制御108、およびソレノイドリレー制御複写n面109の先頭アドレスと終了アドレスを備える。
図3、図4は、ソレノイドリレー制御に関する本実施例のソフトウェア処理の一例を示す。マイクロプロセッサ102が起動してから終了するまでの間、一定周期で図3、図4の順に繰返しソフトウェア処理を行う。
図3は、ソレノイドリレー制御108に関するROM故障部位を検出する制御のフローチャートである。ROM故障検出器103のROM故障通知レジスタ117により、ROM故障の発生有無を判定する(201)。ROM故障と判定した場合、ROM故障検出器103のROM故障アドレス格納レジスタ118よりROM故障アドレス情報を取得する(202)。故障アドレス情報(202)と、制御実行用データテーブル112に備えられているソレノイドリレー制御108の先頭アドレスまたは終了アドレスとを比較する(203)。この時、故障アドレス情報(202)が、ソレノイドリレー制御の先頭アドレスから終了アドレス内にある場合は、ソレノイドリレー制御のROM故障と判定し、制御用データテーブルのソレノイドリレー制御複写n面アドレスをソレノイドリレー制御へ上書きする(204、209、210)。
次に、故障アドレス情報(202)と、制御実行用データテーブル112に備えられているソレノイドリレー制御複写n面109の先頭アドレスまたは終了アドレスとを比較する(205)。この時、故障アドレス情報(202)が、ソレノイドリレー制御複写の先頭アドレスから終了アドレス内にある場合は、ソレノイドリレー制御領域のROM故障と判定する(206)。故障アドレス情報(202)が、ソレノイドリレー制御複写の先頭アドレスから終了アドレス内にない場合は、ソレノイドリレー制御複写n面109を、ROM未使用領域へ複写しソレノイドリレー制御n+1面119を生成する(207)。このとき、制御用データテーブルのソレノイドリレー制御複写n+1面アドレスをソレノイドリレー制御複写のアドレスへ上書きする(208、209、210)。
制御用データテーブルのソレノイドリレー制御108のアドレス情報は、ROM故障部位回避制御107にて参照され、ROM故障部位の回避制御が行われる。
図4は、ソレノイドリレー制御108に関するROM故障部位を回避する制御のフローチャートである。ROM故障部位検出制御106のソレノイドリレー制御ROM故障判定(206)により、ソレノイドリレー制御を回避するか否かを判定する(301)。ソレノイドリレー制御のROM故障と判定されていない場合は、制御実行用データテーブルからソレノイドリレー制御のアドレスを取得する(302)。取得したアドレスへプログラムジャンプすることで、ソレノイドリレー制御を実行する(303)。ソレノイドリレー制御領域のROM故障と判定した場合(206)、ROM故障時制御110(304)を行う。
例えば、ROM故障時制御110を実施した場合、ソフトウェアでは車両用変速機の各アクチュエータの制御を止める。この場合、車両用変速機のハードウェア的な制御により変速比を固定とし安全を確保しているが、ドライバビリティを著しく低下させる。
従来の車両用変速機の制御装置では、ソレノイドリレー制御でROM故障と判定された場合、ROM故障時制御110を実施していたが、本実施例によれば、ソレノイドリレー代替制御を行うことで、ROM故障時制御110を回避することができ、結果としてドライバビリティの低下を回避できる。
以上に説明したように本実施例の車両用変速機の制御装置は、データを記憶するROMデータ記憶部105と、ROMデータ記憶部105が格納しているデータを用いて処理を実施するROM制御部104と、を備える。そして、ROM制御部104には車両用変速機の複数の制御処理が記憶され、複数の制御処理のうち、その制御処理を行えなくなった場合に車両用変速機の制御不能を招く制御処理について二重化して記憶されるものである。
ここでいう車両用変速機の制御不能を招く制御処理とは、ソレノイドコイルのリレー制御処理などが考えられる。これらはROM故障時にATCU101として最低限制御しなければならないアクチュエータに関する。逆に、ROM故障時に制御しなくても良いアクチュエータであればソフトウェアプログラムを二重化しなくても問題はないが、これに限らない。
すなわち、ROM制御部104に記憶される全ての制御処理について二重化すれば、ある制御処理についての記憶領域に故障が生じた場合に、二重化された制御処理で代替制御が可能となる。しかしながら、全ての制御処理について二重化するのは、ROM制御部104の記憶容量の問題から現実的でない。
そこで、本実施例においては、特定の制御処理に絞ってROM制御部104に二重化するようにしたものである。上記したソレノイドコイルのリレー制御処理を記憶した記憶領域において故障が生じた場合、仮に二重化していなかったとすると、制御装置としては、変速機の制御をすることができないと判断する。しかしながら、この場合、車両用変速機の変速比を固定とすることで安全を確保することになるため、ドライバビリティを著しく低下させることになる。
これに対して本実施例においては、たとえば、ソレノイドコイルのリレー制御処理等の車両用変速機の制御不能を招く制御処理について、ROM制御部104に二重化して記憶するようにしている。これによりソレノイドコイルのリレー制御処理の記憶領域に複数個所の故障が生じた場合であっても、ROM制御部104は、二重化して記憶した制御内容により代替制御を行うことができ、通常の制御を継続して行うことが可能となる。
したがって、ROM制御部104の容量を極めて大きくする必要がなく、コストの増加を抑制しつつ、かつ、車両用変速機の変速比を固定とすることでドライバビリティの著しい低下を抑制することが可能となる。
また、マイクロプロセッサに搭載されているROMを、データを記憶する記憶部と、データを用いてソフトウェアプログラムを実施する制御部と、ソフトウェアプログラムで使用されていない未使用領域と、で構成する。
制御部は車両用変速機に取り付けられたセンサ情報や他のECUから取得した情報を基に、車両用変速機のアクチュエータを制御するソフトウェアプログラム群で構成し、制御単位でROMに配置する。
制御単位かつ同一の内容で二重化する。二重化する制御の選定はROM容量に依存し、ドライバビリティ低下を回避できる機能を優先的に二重化する。以下、二重化したソフトウェアプログラムを制御複写面と称する。
マイクロプロセッサ機能によりROM故障を監視し、ROM故障が発生時は故障部位のアドレス情報を取得する。
ROM故障部位のアドレス情報と、制御実行用データテーブルにより故障部位にある制御を特定する。
ROM故障部位にある制御の制御複写面にて、通常の運転と同じ制御を行う。
ROM故障発生時にROM未使用領域へ制御を複写し、複数個所でROM故障が発生した場合でも、通常の運転と同じ制御を継続する。
ROM未使用領域が無くなった場合は、従来技術のフェールセーフ状態とし、車両用変速機の機能に制限を与え、安全を確保する。
以上より、データを記憶する記憶部と、前記記憶部が格納している前記データを用いて処理を実施する制御部と、を備えた車両用変速機の制御装置において、前記記憶部は、前記車両用変速機の複数の制御処理が記憶され、前記複数の制御処理のうち、少なくともソレノイドリレー制御の処理を二重化して、前記記憶部の未使用領域に前記ソレノイドリレー制御を複写する。
また、前記二重化した前記ソレノイドリレー制御の何れかが処理を行えなくなった場合に、前記記憶部の前記未使用領域に前記ソレノイドリレー制御を複写する。
また、前記制御部は、前記ソレノイドリレー制御に対応する前記記憶部の異常アドレスを検出した場合に、前記記憶部に二重化した前記ソレノイドリレー制御を、前記記憶部の前記未使用領域へ複写し、再度異常アドレスを検出した場合に、前記未使用領域へ複写した前記ソレノイドリレー制御により処理を行う。
104 ROM制御部(制御部)、105 ROMデータ記憶部(記憶部)、108 ソレノイドリレー制御

Claims (1)

  1. アドレスデータを記憶する記憶部と、
    前記記憶部が格納している前記アドレスデータを用いて処理を実施する制御部と、
    前記制御部内の故障を検出する故障検出器と、
    を備えた車両用変速機の制御装置において、
    前記記憶部は、
    前記アドレスデータに、制御用アドレスと、制御複写用アドレスとを有し、
    前記制御部は、
    ソレノイドリレー回路を制御するための制御用のアドレスとして第1のソレノイドリレー制御部のアドレスを前記記憶部の前記制御用アドレスに格納し、前記第1のソレノイドリレー制御部を前記制御部の未使用領域に複写した第2のソレノイドリレー制御部のアドレスを前記記憶部の前記制御複写用アドレスに格納し、
    前記制御部は、
    前記制御部で異常が発生した部位を検出する故障部位検出制御部と、
    前記故障部位検出制御部が前記制御用のドレスで異常を検出した場合に、前記制御複写用アドレスに切り替える故障部位回避制御部と、
    前記制御部の未使用領域に前記第2のソレノイドリレー制御部を複写する領域が不足した場合に、所定の条件で前記ソレノイドリレー回路を制御するROM故障時制御部と、を有し、
    前記故障部位回避制御部は、
    前記第1のソレノイドリレー制御部で異常が検出された場合には、前記第2のソレノイドリレー制御部を前記制御部の未使用領域に複写して第3のソレノイドリレー制御部とし、前記アドレスデータに設定しておいた前記制御用アドレスを前記制御複写用アドレスに書き換えて、前記制御複写用アドレスを前記第3のソレノイドリレー制御部のアドレスに書き換えてから、前記制御用アドレスで前記ソレノイドリレー回路を制御し、
    前記第2のソレノイドリレー制御部を複写する未使用領域が不足した場合には前記ROM故障時制御部に切り替えて前記ソレノイドリレー回路を制御することを特徴とする車両用変速機の制御装置。
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