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JP6853771B2 - 盛土構造体及び盛土構築方法 - Google Patents
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Description

本開示は、盛土構造体及び盛土構築方法に関するものである。
従来、鉄道の線路、すなわち、軌道を地面よりも高い所に通すために、地盤の上に土砂を盛り上げて構築した盛土が広く使用されているが、地盤自体が軟弱な場合には、地盤上にセメント改良礫土スラブを敷設し、該セメント改良礫土スラブ上に盛土を構築する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図3は従来の盛土構造体の模式断面図である。
図において、91は、軟弱地盤等の地盤であり、92は、前記地盤91の表面に敷設されたセメント改良礫土スラブである。該セメント改良礫土スラブ92は、土砂に粒度を調整した砕石及びセメントを混入して得られたセメント改良土の一種であるセメント改良礫土92aと、該セメント改良礫土92a内に埋め込まれたジオグリッド92bとを備える。図に示される例においては、該ジオグリッド92bが2つの層を形成するように配設されている。そして、セメント改良礫土スラブ92の上に、良質な土砂から成る盛土93が構築されている。なお、軌道は、通常、前記盛土93の上面に更にアスファルト路盤等の路盤を構築し、該路盤上にバラストを敷き、該バラストの上に並べられたまくらぎの上に敷設される。
特開2011−220108号公報
しかしながら、前記従来の技術は、盛土を新設する場合に極めて有効であるものの、大雨や地震によって被災して崩落した盛土を再構築する場合には、長い時間、膨大な労力及び多額の経費が必要となってしまい、鉄道の早期復旧に支障がある。
通常、被災した鉄道盛土等の盛土は、早期に復旧する必要があるため、トンパックと称される大型の土のうを複数個積み上げることによって構築される。しかし、土のうの中に充填される土は、一般的に強度や剛性が低い現地発生土を用いることが多いので、軌道の直下や盛土の上部のように鉄道荷重が直接作用する部分においては、供用再開後の変形や軌道沈下が発生する可能性がある。そのため、盛土における鉄道荷重が直接作用する部分は、土のうを使用せず、従来のように構築されるので、長い時間と膨大な労力が必要になる。さらに、従来の盛土は良質な土砂から構築されるようになっているが、被災現場の周辺で良質な土砂を入手することは困難であり、入手することができたとしても、被災現場にまで搬入することは困難である。
ここでは、前記従来の技術の問題点を解決して、構築した盛土の上にセメント改良礫土スラブを敷設することによって、高い強度を備えるとともに、短時間で容易に構築することができる盛土構造体及び盛土構築方法を提供することを目的とする。
そのために、盛土構造体においては、地盤上に構築された盛土と、該盛土の上に敷設されたセメント改良礫土スラブであって、セメント改良礫土とジオグリッドとを含むセメント改良礫土スラブとを備える。
他の盛土構造体においては、さらに、前記ジオグリッドは、高分子材料から成る平面的な格子状の補強材であり、前記セメント改良礫土内に埋め込まれている。
更に他の盛土構造体においては、さらに、前記盛土は、複数の土のうを含む。
更に他の盛土構造体においては、さらに、前記土のうは、崩落した盛土を構成していた崩落土や、崩落した盛土周辺の土砂である現地発生土を含む。
更に他の盛土構造体においては、さらに、前記盛土は、土砂を盛り上げて構築したものである
更に他の盛土構造体においては、さらに、前記盛土は、崩落した盛土を構成していた崩落土や、崩落した盛土周辺の土砂である現地発生土を含む。
更に他の盛土構造体においては、さらに、前記セメント改良礫土スラブの上面上に道床が直接敷設される。
盛土構築方法においては、地盤上に盛土を構築し、該盛土の上に、セメント改良礫土とジオグリッドとを含むセメント改良礫土スラブを敷設する。
本開示によれば、構築した盛土の上にセメント改良礫土スラブが敷設される。これにより、高い強度を備える盛土構造体を、短時間で容易に構築することができる。
第1の実施の形態における盛土構造体の模式断面図である。 第2の実施の形態における盛土構造体の模式断面図である。 従来の盛土構造体の模式断面図である。
以下、本実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態における盛土構造体の模式断面図である。
図において、31は、本実施の形態における盛土構造体を支持する地盤としての支持地盤であり、例えば、軟弱地盤であるが、必ずしもそれに限定されるものでなく、強固な地盤であってもよい。ここでは、説明の都合上、前記支持地盤31は、大雨や地震による影響を受けた軟弱地盤であるものとする。
また、21は、前記支持地盤31の上に構築された盛土である。該盛土21は、図の画面に対して垂直な方向に延在し、例えば、道路を支持するために使用されるものであってもよいし、河川の堤防として使用されるものであってもよいし、いかなる用途に使用されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、鉄道の線路、すなわち、軌道を支持するために使用されるものであるとする。さらに、前記盛土21は、新規に構築されたものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、大雨や地震によって被災して崩落した盛土を早期に復旧したものであるとする。そのため、前記盛土21は、トンパックと称される大型の土のう22を複数個積み上げることによって構築されている。具体的には、盛土21の全部が土のう22を積み上げることによって構築されている。
該土のう22は、例えば、1〔m〕×1〔m〕×1〔m〕程度の大型の角形、円筒形等の形状をした袋状の包材の中に、約1000〔kg〕の土砂を詰め込んだものである。また、前記袋状の包材は、フレキシブルコンテナバッグと称されるものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の丈夫な化学繊維で織られたシートとベルトとから成るものである。なお、前記土のう22は、必ずしもトンパックである必要はなく、より小型のもの、例えば、小型の袋状の包材の中に、15〜20〔kg〕程度の土砂を詰め込んだものであってもよい。
また、前記土のう22内の土砂は、良質の土砂、例えば、国土交通省令で規定する第1種建設発生土又は第2種建設発生土に該当する土砂や、平板載荷試験(JIS A 1215)から得られるK30値が70〜110〔MN/m3 〕以上に該当する土砂、であることが望ましいが、必ずしも良質の土砂である必要はなく、いかなる種類のものであってもよく、例えば、崩落した盛土を構成していた崩落土や、崩落した盛土周辺の土砂である現地土であってもよい。
なお、図に示される例においては、盛土21の全体が積み上げられた土のう22によって構成されているが、盛土21の一部のみ(例えば、両側の部分のみ)が土のう22によって構成され、他の部分は土砂、砕石等によって構成されていてもよい。
さらに、10は、前記盛土21の上に敷設されたセメント改良礫土スラブである。該セメント改良礫土スラブ10は、土砂に粒度を調整した砕石及びセメントを混入して得られたセメント改良土の一種であるセメント改良礫土12と、該セメント改良礫土12内に埋め込まれたジオグリッド11とを備え、図の画面に対して垂直な方向に延在する平面的な厚板状の複合材である。前記セメント改良礫土12は、粒度調整砕石(通常は、M−40粒調砕石)に少量のセメント(通常は、50〜80〔kg/m3 〕)を添加して安定化処理したものであり、十分に攪拌して締固めを行うことによって、通常の礫材と比較して高い強度や変形特性を有するものである(例えば、非特許文献1参照。)。また、前記ジオグリッド11は、補強土構造物に広く使用されている高分子材料から成る平面的な格子状の補強材であり、高い引っ張り強度を有する補強材である。なお、図に示される例においては、ジオグリッド11が2つの層を形成するように配設されているが、ジオグリッド11は、1つの層を形成するように配設されていてもよいし、3つ以上の層を形成するように配設されていてもよい。このような構造のセメント改良礫土スラブ10は、部材内部に発生する引っ張り力をジオグリッド11が負担し、圧縮力をセメント改良礫土12が負担するので、高い曲げ剛性及び靱性を備える。
渡辺健治、「セメント改良礫土を用いた軟弱地盤上への盛土構築方法」、土木施工、Vol.50、No.7、pp.17−21、2009年7月
そして、前記セメント改良礫土スラブ10は、優れた遮水効果も備えている。セメントを添加しない、すなわち、セメント改良をしていない礫土の透水係数が10-2〔m/s〕程度であるのに対し、セメント改良をした礫土、すなわち、セメント改良礫土の透水係数は10-6〜10-9〔m/s〕程度であることが確認されている。つまり、セメント改良によって礫土の透水係数が大幅に低下し、遮水効果が大幅に向上することが確認されている。したがって、降雨等によってセメント改良礫土スラブ10の上面に供給された水分は前記セメント改良礫土スラブ10をほとんど透過しないので、その下に位置する盛土21が水分を吸収してしまうことがない。これにより、前記盛土21の変形、崩落等を確実に防止することができる。
また、前記セメント改良礫土スラブ10の上面は平坦面であることが望ましい。これにより、セメント改良礫土スラブ10の上面上に、路盤を構築することなく、スラブ軌道の道床コンクリートやバラスト軌道の道床バラストのような道床を直接敷設することができる。したがって、スラブ軌道用のコンクリート路盤やバラスト軌道用のアスファルト路盤のような路盤を構築する必要がないので、軌道の施工性が向上する。
さらに、前記セメント改良礫土スラブ10は、剛性が高く、変形しにくいので、その下にある部材に振動が伝わりにくいこと、すなわち、免震効果を有する(例えば、非特許文献1参照。)。したがって、セメント改良礫土スラブ10上に敷設された軌道を通過する列車の荷重、すなわち、鉄道荷重がセメント改良礫土スラブ10の下に位置する盛土21に伝達されにくいので、盛土21が土のう22を複数個積み上げることによって構築されたものであっても、また、土のう22内の土砂が良質のものでなくても、盛土21の変形、崩落等が生じることがない。
なお、本実施の形態において、セメント改良礫土スラブ10、盛土21及び支持地盤31の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記セメント改良礫土スラブ10、盛土21及び支持地盤31の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
このように、本実施の形態における盛土構造体は、支持地盤31上に構築された盛土21と、盛土21の上に敷設されたセメント改良礫土スラブ10であって、セメント改良礫土12とジオグリッド11とを含むセメント改良礫土スラブ10とを備える。また、盛土構築方法は、支持地盤31上に盛土21を構築し、盛土21の上に、セメント改良礫土12とジオグリッド11とを含むセメント改良礫土スラブ10を敷設する工程を含んでいる。これにより、簡素な構成でありながら、高い強度を発揮することができるとともに、短時間で容易に構築することができる。さらに、上方から盛土構造体に供給された水分がセメント改良礫土スラブ10を透過しないので、盛土21が水分を吸収してしまうことがなく、また、上方から盛土構造体に加えられた振動、衝撃等の荷重が盛土21に直接伝達されることもないので、盛土21の変形、崩落等が生じることがない。
また、本実施の形態において、ジオグリッド11は、高分子材料から成る平面的な格子状の補強材であり、セメント改良礫土12内に埋め込まれている。したがって、セメント改良礫土スラブ10は、高い剛性を備え、大きな荷重を受けても変形することがない。
さらに、本実施の形態において、盛土21は、複数の土のう22を含んでいる。したがって、土のう22を積み上げることによって盛土21を構築することができ、短時間で容易に盛土構造体を構築することができる。
さらに、本実施の形態において、土のう22は、良質でない土砂を含んでいる。したがって、例えば、被災した盛土構造体を復旧するような場合であっても、土砂を容易に入手して盛土21を構築することができるので、短時間で容易に盛土構造体を構築することができる。また、上方から盛土構造体に供給された水分がセメント改良礫土スラブ10を透過せず、上方から盛土構造体に加えられた荷重が盛土21に直接伝達されないので、盛土21を構成する土のう22が良質でない土砂を含んでいても、盛土21の変形、崩落等が生じることがない。
さらに、本実施の形態においては、セメント改良礫土スラブ10の上面上に道床が直接敷設される。したがって、路盤を構築する必要がないので、短時間で容易に道床を敷設することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図2は第2の実施の形態における盛土構造体の模式断面図である。
本実施の形態において、盛土21は、前記第1の実施の形態のように土のう22を複数個積み上げることによって構築されたものでなく、土砂を盛り上げて構築されたものであり、土のう22を含んでいないものである。なお、前記盛土21を構築する土砂は、前記第1の実施の形態において土のう22に詰め込まれた土砂と同様に、良質の土砂であることが望ましいが、必ずしも良質の土砂である必要はなく、通常よりも品質の低い土であってもよい。
また、前記セメント改良礫土スラブ10の上面は、前記第1の実施の形態と同様に、平坦面であることが望ましい。これにより、セメント改良礫土スラブ10の上面上に、路盤を構築することなく、道床を直接敷設することができる。したがって、路盤を構築する必要がないので、軌道の施工性が向上する。
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。また、その他の点の作用及び効果についても、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態において、盛土21は、土のう22を含んでいない。また、盛土21は、良質でない土砂を含んでいる。したがって、例えば、被災した盛土構造体を復旧するような場合であっても、土砂を容易に入手して盛土21を構築することができるので、短時間で容易に盛土構造体を構築することができる。また、上方から盛土構造体に供給された水分がセメント改良礫土スラブ10を透過せず、上方から盛土構造体に加えられた荷重が盛土21に直接伝達されないので、盛土21を構成する土砂が良質でなくても、盛土21の変形、崩落等が生じることがない。
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
本開示は、盛土構造体及び盛土構築方法に適用することができる。
10 セメント改良礫土スラブ
11 ジオグリッド
12 セメント改良礫土
21 盛土
22 土のう
31 支持地盤

Claims (8)

  1. 地盤上に構築された盛土と、
    該盛土の上に敷設されたセメント改良礫土スラブであって、セメント改良礫土とジオグリッドとを含むセメント改良礫土スラブとを備えることを特徴とする盛土構造体。
  2. 前記ジオグリッドは、高分子材料から成る平面的な格子状の補強材であり、前記セメント改良礫土内に埋め込まれている請求項1に記載の盛土構造体。
  3. 前記盛土は、複数の土のうを含む請求項1又は2に記載の盛土構造体。
  4. 前記土のうは、崩落した盛土を構成していた崩落土や、崩落した盛土周辺の土砂である現地発生土を含む請求項3に記載の盛土構造体。
  5. 前記盛土は、土砂を盛り上げて構築したものである請求項1又は2に記載の盛土構造体。
  6. 前記盛土は、崩落した盛土を構成していた崩落土や、崩落した盛土周辺の土砂である現地発生土を含む請求項5に記載の盛土構造体。
  7. 前記セメント改良礫土スラブの上面上に道床が直接敷設される請求項1〜6のいずれか1項に記載の盛土構造体。
  8. 地盤上に盛土を構築し、
    該盛土の上に、セメント改良礫土とジオグリッドとを含むセメント改良礫土スラブを敷設することを特徴とする盛土構築方法。
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