JP6854977B2 - ノイズフィルタ及び電気電子機器 - Google Patents
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Description
第1の回路と第2の回路を繋ぐ電源パターンと、第1の回路と第2の回路を繋ぐグラウンドパターンとを備える電気電子機器では、ノイズフィルタとして、電源パターンとグラウンドパターンとの間にコンデンサを接続する構成が知られている。
しかし、コンデンサは、インダクタンス成分を含んでいる。また、コンデンサと電源パターンを接続する引き出し線及びコンデンサとグラウンドパターンを接続する引き出し線のそれぞれも、インダクタンス成分を含んでいる。
コンデンサ等が含んでいるインダクタンス成分は、電磁ノイズに含まれる高周波成分に対するバイパス性能を低下させてしまうため、電磁ノイズの高周波成分の伝搬を抑制することができないことがある。
特許文献1に開示されているノイズフィルタは、以下の(1)〜(3)の構成要素を備えている。
(1)一端が第2の回路と接続されているループ状の導体配線
ループ状の導体配線は、プリント基板の第1の導体層に配線されている第1のリアクトルに相当する。
(2)一端が第1の回路と接続され、他端が第1のリアクトルの他端と接続されているループ状の導体配線
ループ状の導体配線は、プリント基板の第2の導体層に配線されている第2のリアクトルに相当する。
(3)一端が第1のリアクトルの他端と接続され、他端がプリント基板の第3の導体層であるグラウンド層と接続されているコンデンサ
相互インダクタンスMは、コンデンサ等が含んでいるインダクタンス成分を低減するように作用するため、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果が向上する。
第1のリアクトル及び第2のリアクトルとしては、プリント基板の設計時に、コンデンサ等が含んでいるインダクタンス成分を打ち消すことが可能なインダクタンスを有するリアクトルが選定される。
しかし、基板製造時の寸法公差又はバラツキなどの影響で、選定した第1のリアクトル及び第2のリアクトルでは、コンデンサ等が含んでいるインダクタンス成分を打ち消すことができないことがある。
選定した第1のリアクトル及び第2のリアクトルでは、コンデンサ等が含んでいるインダクタンス成分を打ち消すことができない場合、プリント基板の再設計と再製造が必要になることがあるという課題があった。
図1は、実施の形態1によるノイズフィルタを含む電気電子機器を示す斜視図である。
図2は、図1に示す電気電子機器のプリント基板1における第1の導体層1aを示す平面図である。
図3は、図1に示す電気電子機器のプリント基板1における第2の導体層1bを示す平面図である。
図4は、磁性体コア11が第1の導体層1aのループ部6aから離れている状態での図2及び図3のA−A’断面を示す断面図である。
図5は、磁性体コア11が第1の導体層1aのループ部6aに近づいている状態での図2及び図3のA−A’断面を示す断面図である。
プリント基板1は、第1の導体層1a及び第2の導体層1bを有する多層の基板である。
1cは、プリント基板1の絶縁層であり、図1から図3では、記載を省略している。
第1の回路2は、プリント基板1における第1の導体層1aに実装されている回路である。
第2の回路3は、プリント基板1における第1の導体層1aに実装されている回路である。
グラウンド線4は、一端が第1の回路2と接続され、他端が第2の回路3と接続されている。
コンデンサ5は、一端がグラウンド線4と接続され、他端が第1の導体配線6の一端及び接続導体10の他端のそれぞれと接続されている。
引き出し線5aは、グラウンド線4に対するコンデンサ5の引き出し線である。
引き出し線5bは、第1の導体配線6と接続導体10との接続点に対するコンデンサ5の引き出し線である。
第1の導体配線6は、第1の導体層1aに配線されている。第1の導体配線6の一部は、ループ状に配線されており、第1の導体配線6のループ状に配線されている部分であるループ部6aは、第1のリアクトルとして作用する。
導体配線7は、一端が第1の回路2の入出力端子2aと接続され、他端が接続導体8の一端と接続されている。
接続導体8は、一端が導体配線7の他端と接続され、他端が第2の導体配線9の一端と接続されているビアである。
第2の導体配線9は、第2の導体層1bに配線されている。第2の導体配線9の一部は、ループ状に配線されており、第2の導体配線9のループ状に配線されている部分であるループ部9aは、第2のリアクトルとして作用する。
ループ部6a及びループ部9aは、導体配線が同一方向に周回されており、同軸上に配置されている。
第1のリアクトルと第2のリアクトルは、相互インダクタンスMで磁界結合する。
接続導体10は、一端が第2の導体配線9の他端と接続され、他端がコンデンサ5の他端及び第1の導体配線6の一端のそれぞれと接続されているビアである。
導体配線7、接続導体8、第2の導体配線9、接続導体10及び第1の導体配線6は、第1の回路2と第2の回路3を繋ぐ電源パターンを構成している。
図1に示す電気電子機器は、ループ部6aと磁性体コア11との間の距離の調整を受け付ける距離調整部材を備えており、距離調整部材は、スリット12及びコア支持部材13を備えている。
スリット12は、磁性体コア11における+z方向側の端部に施されている。
スリット12の形状は、マイナスドライバなどに合わせた形状であり、スリット12は、マイナスドライバなどが挿入される。
コア支持部材13は、第1の導体層1aにおける+z方向側の平面のうち、ループ部6aの内側の領域に設けられている非磁性体の部材である。
コア支持部材13は、磁性体コア11を挿入するための貫通穴13aが施されており、貫通穴13aに挿入された磁性体コア11を支持する。
図1に示す電気電子機器は、コア支持部材13が第1の導体層1aにおける+z方向側の平面に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、コア支持部材13は、第2の導体層1bにおける−z方向側の平面のうち、ループ部9aの内側の領域に設けられていてもよい。
磁性体コア11の側面には、雄ネジ11aが施されており、コア支持部材13の貫通穴13aには、雄ネジ11aと噛み合う雌ネジ13bが施されている。
ユーザが、スリット12に挿入されたマイナスドライバなどを回転させることで、磁性体コア11を回転させると、磁性体コア11は、ネジの作用でz方向に移動する。
磁性体コア11の+z方向の移動は、磁性体コア11がループ部6aから離れる方向の移動であり、磁性体コア11の−z方向の移動は、磁性体コア11がループ部6aに近づく方向の移動である。
固定ピン14は、コア支持部材13をプリント基板1に固定するためのピンである。
次に、図6を参照しながら、図1に示す電気電子機器に含まれるノイズフィルタの動作について説明する。
ノイズフィルタは、第1の回路2から発生した電磁ノイズの第2の回路3への伝搬と、第2の回路3から発生した電磁ノイズの第1の回路2への伝搬とを防止するために、プリント基板1に設けられている。
コンデンサ5は、図6に示すように、静電容量Cのほかに、インダクタンスLcを有している。
引き出し線5a及び引き出し線5bも、インダクタンスを有している。図6では、引き出し線5aのインダクタンスと、引き出し線5bのインダクタンスとの総和をL_lineで表している。
インダクタンスLcとインダクタンスL_lineとは、直列に接続されているため、以下、インダクタンスLcとインダクタンスL_lineとの合計は、ESLであるとして説明する。
第1のリアクトルと第2のリアクトルは、相互インダクタンスMで磁界結合している。
相互インダクタンスMの値は、ループ部6a及びループ部9aにおけるそれぞれのループサイズのほか、ループ部6aとループ部9aの間の距離、即ち、プリント基板1の絶縁層1cの厚みなどの構造パラメータによって決まる。
また、相互インダクタンスMの値は、ループ部6a又はループ部9a付近の磁性体の有無によって決まる。
また、相互インダクタンスMの値は、第1のリアクトルと第2のリアクトルの共有磁束が多いほど大きくなる。
したがって、相互インダクタンスMの値は、磁束を集める性質がある磁性体を含む磁性体コア11が、図5のようにループ部6aに近づいている場合、図4のようにループ部6aから離れている場合よりも大きくなる。
図7は、第1のリアクトル及び第2のリアクトルを含む部分20が等価回路変換された回路図である。
入出力端子2aと入出力端子3a間の回路は、図7に示すように、−Mの値を有する等価的な負のインダクタンスが、静電容量CとインダクタンスESLに直列に挿入された回路となる。
したがって、静電容量Cと直列なインダクタンスは、ESL−Mになり、相互インダクタンスMの分だけインダクタンスESLを打ち消すことができる。
しかし、図1に示す電気電子機器では、−Mの値を有する等価的な負のインダクタンスによって、インダクタンスESLが打ち消されることから、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果の劣化が生じ難くなる。
ESL−M=0となるように、構造パラメータを設計すれば、インダクタンスESLの影響が無くなり、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果が高くなる。インダクタンスESLは、設計時に、近似式又は電磁界解析を利用することで見積ることができるため、ESL−M=0となるように、構造パラメータを設計することが可能である。
しかし、基板製造時の寸法公差又はバラツキなどの影響で、実際のインダクタンスESLが、設計時に見積もったインダクタンスESLと異なることがあり、また、実際の構造パラメータが、設計時に見積もった構造パラメータと異なることがある。
図1に示す電気電子機器は、ループ部6aと磁性体コア11との間の距離の調整を受け付ける距離調整部材を備えている。距離調整部材は、−Mの値を有する等価的な負のインダクタンスによるインダクタンスESLの打ち消し量を調整して、ESL−M=0とすることが可能である。
図8Aは、磁性体コア11の位置と相互インダクタンスMとの関係を示す説明図である。
図8Bは、相互インダクタンスMとノイズ抑制効果の周波数特性を示す説明図である。
図8Cは、磁性体コア11の位置と高周波成分のノイズ抑制効果との関係を示す説明図である。
以下、図8を参照して、磁性体コア11の位置とノイズ抑制効果との関係を説明する。
相互インダクタンスMは、図8Aに示すように、磁性体コア11の位置が“0”であるときが最も大きく、磁性体コア11が第1の導体層1aから離れるに従って小さくなっている。
図8Bは、相互インダクタンスMとインダクタンスESLが等しくない場合、電磁ノイズのうち、共振周波数以上の高周波成分の抑制効果が劣化していることを示している。
ここでの共振は、図7に示す静電容量Cと(ESL−M)との組み合わせによるLC共振であるため、M=ESLの場合は共振が発生しない。したがって、M=ESLの場合は、周波数がFである高周波成分の抑制効果が劣化していない。
図8Cは、M=ESLであるとき、周波数がFである高周波成分のノイズ抑制効果が最も良好になることを示している。
しかし、これに限るものではなく、z方向から電気電子機器を見たときに、ループ部6aとループ部9aの一部のみが重なるように配置されていてもよい。ただし、ループ部6aとループ部9aの一部のみが重なる部分では、第1のリアクトルから発生する磁束と第2のリアクトルから発生する磁束とが同じ方向になっている必要がある。
しかし、導体配線7の一端が、第1の回路2と接続され、第1の導体配線6の他端が、第2の回路3と接続されていればよい。
したがって、第1の回路2は、入出力端子2aを備えていなくてもよく、第2の回路3は、入出力端子3aを備えていなくてもよい。
磁性体コア11は、磁性体を含む部材であればよく、鉄、フェライト又はステンレスなどの磁性体と、樹脂などの非磁性体とを含んでいる部材であってもよい。
磁性体コア11は、コア支持部材13に沿って移動できれば、ネジの作用で移動するものに限るものではない。
したがって、磁性体コア11とコア支持部材13には、互いに噛み合うネジが施されていなくてもよく、コア支持部材13は、磁性体コア11に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア11の移動を受け付ける構造であってもよい。
コア支持部材13は、磁性体コア11に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア11の移動を受け付ける構造である場合、距離調整部材は、コア支持部材13を備えていればよく、スリット12を備えていなくてもよい。
しかし、これに限るものではなく、距離調整部材による距離の調整後には、磁性体コア11とコア支持部材13が、接着剤又は熱可塑性樹脂などを用いて固定されるようにしてもよい。
しかし、これは一例に過ぎず、磁性体コア11の形状が、図9に示すように、磁性体コア11の−z方向側の端部に凹部11bがある形状であってもよい。
また、磁性体コア11の形状が、図10に示すように、磁性体コア11の−z方向側の端部に凸部11cがある形状であってもよい。
図9及び図10は、図2及び図3のA−A’断面を示す断面図である。
コア支持部材13は、磁性体コア11を支持することができればよく、磁性体コア11のx−y面でのサイズが、ループ部6aのx−y面でのサイズよりも大きくてもよい。
しかし、これに限るものではなく、磁性体コア11を第1の導体層1aのループ部6aに最も近づけても、磁性体コア11が第1の導体層1aと接触しない構造であってもよい。
しかし、これに限るものではなく、磁性体コア11の一部のみがループ部6aの内側の領域に配置されているものであってもよい。
しかし、これに限るものではなく、コア支持部材13は、非磁性体と磁性体を含む複合材料の部材であってもよいし、磁性体の部材であってもよい。
コア支持部材13が、樹脂で形成されている部材であれば、熱などを用いて、コア支持部材13を変形させることによって、コア支持部材13がプリント基板1に固定されているものであってもよい。
しかし、これに限るものではなく、プリント基板1における導体層が3層以上であってもよいし、1層であってもよい。
ただし、プリント基板1における導体層が1層である場合、プリント基板1における+z方向側の平面を第1の導体層1aとみなし、プリント基板1における−z方向側の平面を第2の導体層1bとみなすようにする。
第1の導体配線6の代わりに、バスバーのような金属配線を用いて、第1のリアクトルを形成し、また、第2の導体配線9の代わりに、バスバーのような金属配線を用いて、第2のリアクトルを形成するようにしてもよい。
また、接続導体8及び接続導体10として、バスバーのような金属配線を用いてもよい。
第1の回路2及び第2の回路3のそれぞれは、電気電子機器を構成する部品であればよく、スイッチング電源回路、インバータ回路又はコネクタなどが該当する。
しかし、導体配線7、接続導体8、第2の導体配線9、接続導体10及び第1の導体配線6は、電源パターンに限るものではなく、例えば、信号を伝達する導体配線であってもよい。
実施の形態2では、距離調整部材が、第1の導体層1aの水平方向又は第2の導体層1bの水平方向への磁性体コア11の移動を受け付ける電気電子機器について説明する。
図11は、実施の形態2による電気電子機器のプリント基板1における第1の導体層1aを示す平面図である。
図12は、実施の形態2による電気電子機器のプリント基板1における第2の導体層1bを示す平面図である。
図13は、z方向から電気電子機器を見たときに、磁性体コア31がループ部6aの内側に配置されていない状態での図11及び図12のB−B’断面を示す断面図である。
図14は、z方向から電気電子機器を見たときに、磁性体コア31がループ部6aの内側に配置されている状態での図11及び図12のB−B’断面を示す断面図である。
磁性体コア31は、第1の導体配線6と第2の導体配線9との間の磁界結合の大きさに影響を及ぼす磁性体を含んでいる部材である。
実施の形態2の電気電子機器は、ループ部6aと磁性体コア31との間の距離の調整を受け付ける距離調整部材を備えており、距離調整部材は、スリット32及びコア支持部材33を備えている。
スリット32は、磁性体コア31における+x方向側の端部に施されている。
スリット32の形状は、マイナスドライバなどに合わせた形状であり、スリット32は、マイナスドライバなどが挿入される。
コア支持部材33は、磁性体コア31を挿入するための貫通穴33aが施されており、貫通穴33aに挿入された磁性体コア31を支持する。
実施の形態2の電気電子機器は、コア支持部材33が第1の導体層1aにおける+z方向側の平面に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、コア支持部材33は、第2の導体層1bにおける−z方向側の平面のうち、ループ部9aを包含する領域に設けられていてもよい。
磁性体コア31の側面には、雄ネジ31aが施されており、コア支持部材33の貫通穴33aには、磁性体コア31の雄ネジ31aと噛み合う雌ネジ33bが施されている。
ユーザが、スリット32に挿入されたマイナスドライバなどを回転させることで、磁性体コア31を回転させると、磁性体コア31は、ネジの作用でx方向に移動する。
磁性体コア11の移動方向と、磁性体コア31の移動方向とが異なる点以外は、実施の形態1の電気電子機器と実施の形態2の電気電子機器は、同様である。
したがって、実施の形態2の電気電子機器において、第1の回路2の入出力端子2aから第2の回路3の入出力端子3aに至る部分の回路図は、実施の形態1の電気電子機器と同様に、図6及び図7と同様である。
磁性体コア31がループ部6aの内側に配置されていない状態は、ループ部6aと磁性体コア31との間の距離が離れている状態に相当する。
したがって、磁性体コア31がループ部6aの内側に配置されていない状態での磁性体コア31は、第1の導体配線6と第2の導体配線9との間の磁界結合の大きさへの影響が小さい。
磁性体コア31がループ部6aの内側に配置されている状態は、ループ部6aと磁性体コア31との間の距離が近づいている状態に相当する。
したがって、磁性体コア31がループ部6aの内側に配置されている状態での磁性体コア31は、第1の導体配線6と第2の導体配線9との間の磁界結合の大きさへの影響が大きい。
相互インダクタンスMの値は、磁性体コア31の影響度によって変化するため、磁性体コア31が図14のようにループ部6aの内側に配置されている場合、図13のようにループ部6aの内側に配置されていない場合よりも大きくなる。
また、相互インダクタンスMの値は、磁性体コア31の一部だけが、ループ部6aの内側に配置されている場合、磁性体コア31の全部が、ループ部6aの内側に配置されていない場合よりも大きくなる。
また、磁性体コア31の全部が、ループ部6aの内側に配置されている場合でも、磁性体コア31の位置が、ループ部6aの内側の中心の位置に近いほど、相互インダクタンスMの値が大きくなる。
具体的には、ユーザが、スリット32に挿入されたマイナスドライバなどを回転させることで、磁性体コア31を回転させて、M=ESLとなるように、磁性体コア31の位置を調整することで、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果を高めることができる。
しかし、距離調整部材は、第1の導体層1aの水平方向又は第2の導体層1bの水平方向への磁性体コア31の移動を受け付けるものであればよく、距離調整部材は、例えば、y方向への磁性体コア31の移動を受け付けるものであってもよい。また、距離調整部材は、第1の導体層1a又は第2の導体層1bにおいて、x−y面内の任意の方向への磁性体コア31の移動を受け付けるものであってもよい。
磁性体コア31は、コア支持部材33に沿って移動できれば、ネジの作用で移動するものに限るものではない。
したがって、磁性体コア31とコア支持部材33には、互いに噛み合うネジが施されていなくてもよく、コア支持部材33は、磁性体コア31に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア31の移動を受け付ける構造であってもよい。
コア支持部材33は、磁性体コア31に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア31の移動を受け付ける構造である場合、距離調整部材は、コア支持部材33を備えていればよく、スリット32を備えていなくてもよい。
しかし、これに限るものではなく、距離調整部材による距離の調整後には、磁性体コア31とコア支持部材33が、接着剤又は熱可塑性樹脂などを用いて固定されるようにしてもよい。
実施の形態1の電気電子機器は、磁性体コア11がコア支持部材13の貫通穴13aに挿入されている。
実施の形態3では、磁性体コア11がプリント基板1に施されている貫通穴40に挿入される電気電子機器について説明する。
図15は、実施の形態3による電気電子機器の磁性体コア11が第2の導体層1bのループ部9aから離れている状態での断面図である。
図16は、実施の形態3による電気電子機器の磁性体コア11が第2の導体層1bのループ部9aに近づいている状態での断面図である。
図15及び図16において、図1から図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
ループ部6aの内側の領域及びループ部9aの内側の領域のそれぞれには、磁性体コア11を挿入するための貫通穴40が施されている。
貫通穴40の内壁には、磁性体コア11の雄ネジ11aと噛み合う雌ネジ40aが施されている。
実施の形態3の電気電子機器は、ループ部6a及びループ部9aと磁性体コア11との間の距離の調整を受け付ける距離調整部材を備えており、距離調整部材は、スリット12、貫通穴40及び雌ネジ40aを備えている。
図16は、磁性体コア11の大部分が貫通穴40に挿入されている状態を示している。
磁性体コア11の大部分が貫通穴40に挿入されている状態での磁性体コア11は、磁性体コア11の一部が貫通穴40に挿入されている状態での磁性体コア11よりも、磁界結合の大きさへの影響が大きい。
相互インダクタンスMの値は、磁性体コア11の影響度によって変化するため、図16のように磁性体コア11の大部分が貫通穴40に挿入されている場合、図15のように磁性体コア11の一部が貫通穴40に挿入されている場合よりも大きくなる。
具体的には、ユーザが、スリット12に挿入されたマイナスドライバなどを回転させることで、磁性体コア11を回転させて、M=ESLとなるように、磁性体コア11の位置を調整することで、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果を高めることができる。
以上より、実施の形態3の電気電子機器についても、実施の形態1の電気電子機器と同様に、プリント基板の再設計と再製造を行うことなく、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果を高めることができる。
実施の形態3の電気電子機器では、コア支持部材13が不要であるため、実施の形態1の電気電子機器よりもコストを低減することができる。
磁性体コア11は、貫通穴40に沿って移動できれば、ネジの作用で移動するものに限るものではない。
したがって、磁性体コア11と貫通穴40には、互いに噛み合うネジが施されていなくてもよく、貫通穴40は、磁性体コア11に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア11の移動を受け付ける構造であってもよい。
貫通穴40は、磁性体コア11に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア11の移動を受け付ける構造である場合、距離調整部材は、貫通穴40を備えていればよい。
なお、貫通穴40には、導体によるメッキ処理が施されていてもよい。
実施の形態1の電気電子機器では、コア支持部材13が第1の導体層1aにおける+z方向側の平面に設けられている。
実施の形態4では、プリント基板1を収納する筐体53が、コア支持部材としての役割を担っている電気電子機器について説明する。
図18は、実施の形態4による電気電子機器の磁性体コア51が第1の導体層1aのループ部6aに近づいている状態での断面図である。
図17及び図18において、図1から図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
磁性体コア51は、第1の導体配線6と第2の導体配線9との間の磁界結合の大きさに影響を及ぼす磁性体を含んでいる部材である。
スリット52は、磁性体コア51における+z方向側の端部に施されている。
スリット52の形状は、マイナスドライバなどに合わせた形状であり、スリット52は、マイナスドライバなどが挿入される。
筐体53のうち、ループ部6aの内側の領域の+z方向の領域には、磁性体コア51を挿入するための貫通穴54が施されており、筐体53は、貫通穴54に挿入された磁性体コア51を支持する。
磁性体コア51の側面には、雄ネジ51aが施されており、貫通穴54の内壁には、雄ネジ51aと噛み合う雌ネジ54aが施されている。
ユーザが、スリット52に挿入されたマイナスドライバなどを回転させることで、磁性体コア51を回転させると、磁性体コア51は、ネジの作用でz方向に移動する。
磁性体コア51の+z方向の移動は、磁性体コア51がループ部6aから離れる方向の移動であり、磁性体コア51の−z方向の移動は、磁性体コア51がループ部6aに近づく方向の移動である。
図17及び図18に示す電気電子機器は、貫通穴54が、筐体53のうち、ループ部6aの内側の領域の+z方向の領域に施されている。しかし、これは一例に過ぎず、貫通穴54は、筐体53のうち、ループ部9aの内側の領域の−z方向の領域に施されていてもよい。
図18は、磁性体コア51が第1の導体層1aのループ部6aに近づいている状態を示している。
磁性体コア51がループ部6aに近づいている状態での磁性体コア51は、磁性体コア51がループ部6aから離れている状態での磁性体コア51よりも、磁界結合の大きさへの影響が大きい。
相互インダクタンスMの値は、磁性体コア51の影響度によって変化するため、図18のように磁性体コア51がループ部6aに近づいている場合、図17のように磁性体コア51がループ部6aから離れている場合よりも大きくなる。
具体的には、ユーザが、スリット52に挿入されたマイナスドライバなどを回転させることで、磁性体コア51を回転させて、M=ESLとなるように、磁性体コア51の位置を調整することで、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果を高めることができる。
以上より、実施の形態4の電気電子機器についても、実施の形態1の電気電子機器と同様に、プリント基板の再設計と再製造を行うことなく、電磁ノイズの高周波成分の抑制効果を高めることができる。
実施の形態4の電気電子機器では、筐体53が磁性体コア51を支持しており、筐体53の外側から磁性体コア51を回転させることができる。したがって、ユーザが、磁性体コア51の位置を調整する際に、プリント基板1を収納しているケース等を取り外す手間を省くことができる。
磁性体コア51は、磁性体を含む部材であればよく、鉄、フェライト又はステンレスなどの磁性体と、樹脂などの非磁性体とを含んでいる部材であってもよい。
磁性体コア51は、貫通穴54に沿って移動できれば、ネジの作用で移動するものに限るものではない。
したがって、磁性体コア51と貫通穴54には、互いに噛み合うネジが施されていなくてもよく、筐体53は、磁性体コア51に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア51の移動を受け付ける構造であってもよい。
筐体53は、磁性体コア51に圧力又は衝撃が加えられることで、磁性体コア51の移動を受け付ける構造である場合、距離調整部材は、筐体53を備えていればよく、スリット52を備えていなくてもよい。
しかし、これに限るものではなく、距離調整部材による距離の調整後には、磁性体コア51と筐体53が、接着剤又は熱可塑性樹脂などを用いて固定されるようにしてもよい。
また、この発明は、ノイズフィルタを備える電気電子機器に適している。
Claims (6)
- 基板における第1の導体層に実装されている第1の回路と前記第1の導体層に実装されている第2の回路との間に接続されているグラウンド線と、
一端が前記グラウンド線と接続されているコンデンサと、
前記コンデンサの他端と前記第2の回路との間に接続され、前記第1の導体層にループ状に配線されている第1の導体配線と、
前記第1の回路と前記コンデンサの他端との間に接続されて、前記基板における第2の導体層にループ状に配線されており、前記第1の導体配線と磁界結合する第2の導体配線と、
磁性体を含む磁性体コアと、
前記第1の導体配線及び前記第2の導体配線のうち、1つ以上の導体配線におけるループ状に配線されている部分であるループ部と前記磁性体コアとの間の距離の調整を受け付ける距離調整部材と
を備え、
前記距離調整部材は、前記第1の導体層の水平方向又は前記第2の導体層の水平方向への前記磁性体コアの移動を受け付けることを特徴とするノイズフィルタ。 - 前記第1の導体配線のループ部及び前記第2の導体配線のループ部は、同一方向に周回されていることを特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
- 前記第1の導体配線のループ部及び前記第2の導体配線のループ部は、同軸上に配置されていることを特徴とする請求項2記載のノイズフィルタ。
- 前記第1の導体層及び前記第2の導体層のそれぞれと直交する方向から前記基板を見たときに、前記距離調整部材によって、前記磁性体コアの一部又は全部が、前記1つ以上の導体配線のループ部の内側に配置される位置に調整されることを特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
- 前記磁性体コアと前記距離調整部材は、互いに噛み合うネジが施されていることを特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
- 基板における第1の導体層に実装されている第1の回路と、
前記第1の導体層に実装されている第2の回路と、
前記第1の回路と前記第2の回路との間の電磁ノイズの伝搬を抑制するノイズフィルタとを備え、
前記ノイズフィルタは、
前記第1の回路と前記第2の回路との間に接続されているグラウンド線と、
一端が前記グラウンド線と接続されているコンデンサと、
前記コンデンサの他端と前記第2の回路との間に接続され、前記第1の導体層にループ状に配線されている第1の導体配線と、
前記第1の回路と前記コンデンサの他端との間に接続されて、前記基板における第2の導体層にループ状に配線されており、前記第1の導体配線と磁界結合する第2の導体配線と、
磁性体を含む磁性体コアと、
前記第1の導体配線及び前記第2の導体配線のうち、1つ以上の導体配線におけるループ状に配線されている部分であるループ部と前記磁性体コアとの間の距離の調整を受け付ける距離調整部材とを備え、
前記距離調整部材は、前記第1の導体層の水平方向又は前記第2の導体層の水平方向への前記磁性体コアの移動を受け付けることを特徴とする電気電子機器。
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