JP6855288B2 - 熱可塑性エラストマー組成物、その成形体及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)を90モル%以上100モル%以下含有し、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位(以下「構成単位(AQ)」と称する場合がある)の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下である重合体(A)30〜90質量部と、
前記構成単位(P)を65モル%以上90モル%未満及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位(以下「構成単位(BQ)」と称する場合がある)を10モル%以上35モル%以下含有する、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン系共重合体(B)10〜70質量部と(但し、(A)と(B)の合計を100質量部とする)、
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)1〜250質量部と、
フェノール樹脂系架橋剤(D)1〜20質量部とを含む熱可塑性エラストマー組成物。
(2)前記重合体(A)50〜90質量部と、前記共重合体(B)10〜50質量部と(但し、(A)と(B)の合計を100質量部とする)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)1〜200質量部と、フェノール樹脂系架橋剤(D)1〜20質量部とを含む前記(1)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(3)前記重合体(A)60〜90質量部と、前記共重合体(B)10〜40質量部と(但し、(A)と(B)の合計を100質量部とする)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)1〜200質量部と、フェノール樹脂系架橋剤(D)1〜20質量部とを含む前記(1)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(4)動的に熱処理されている前記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(5)前記重合体(A)と、前記共重合体(B)と、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)と、フェノール樹脂系架橋剤(D)とを、動的に熱処理することを含む、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
(6)押出し成形用である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(7)前記(6)に記載の熱可塑性エラストマー組成物を押出し成形して得られる成形体。
(8)ホース成形用マンドレルである前記(7)に記載の成形体。
(9)前記(6)に記載の熱可塑性エラストマー組成物を押出し成形することを含む、前記(7)又は(8)に記載の成形体の製造方法。
本発明で用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、又は4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体である。好ましい共重合成分は、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン又は1−エイコセン等の炭素数10〜20のα−オレフィンである。4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンは二種類以上の混合物であってもよい。
本発明で用いられる4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン系共重合体(B)は、4−メチル−1−ペンテンと、他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体である。好ましい共重合成分は、プロピレン、1−ブテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン又は1−エイコセン等の炭素数3〜20のα−オレフィンである。4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンは二種類以上の混合物であってもよい。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)は、エチレンと、エチレン以外のα−オレフィン、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリエン、好ましくは非共役ジエンとからなる共重合体である。
バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)等の遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)とからなる公知のチーグラー触媒;
元素の周期律表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物又はイオン化イオン性化合物とからなる公知のメタロセン触媒、例えば特開平9−40586号公報に記載されているメタロセン触媒;
特定の遷移金属化合物と、ホウ素化合物等の共触媒とからなる公知のメタロセン触媒、例えばWO2009/072553号パンフレットに記載されているメタロセン触媒;
特定の遷移金属化合物と、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物又は該遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物とからなる遷移金属化合物触媒、例えば特開2011−52231号公報に記載されている遷移金属化合物触媒;
が挙げられる。特にメタロセン触媒を用いると、ジエンの分布が均一となってジエンの導入が少なくても高い架橋効率を得ることができ、また触媒活性が高いため触媒由来の塩素含量を低減できるため特に好ましい。
架橋剤として用いられるフェノール樹脂系架橋剤は、フェノール系加硫剤(phenolic curative)とも呼ばれるものであり、フェノール系硬化性樹脂(phenolic curing resin)を含む加硫剤をいい、好ましくは、米国特許第4311628号明細書に開示されているフェノール系硬化性樹脂(phenolic curing resin)及び加硫活性剤(cure activator)からなるフェノール系加硫剤系(phenolic curative system)が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)の配合量は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)及び4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン系共重合体(B)の合計量100質量部に対して、30〜90質量部、好ましくは35〜90質量部、更に好ましくは40〜90質量部である。4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)の前記配合量が30質量部未満であると、耐熱性が低下し、一方、90質量部を超えると、柔軟性が低下する。
重合体における各構成単位の含有率(モル%)は、下記の方法(13C−NMRによる測定法)により測定した。
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒 積算回数:1万回以上
溶媒:o−ジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6ml
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
JIS K7127(1999)に準拠し、フィルムについて弾性率を測定した。
ウベローデ粘度計を用い、下記の方法により測定した。
20mgの重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、前記と同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求めた(下記の式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式
重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、下記のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出される値である。
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0ml/分
ASTM D1238に準拠して230℃、10kg荷重にて測定されるメルトフローレート(MFR)を求めた。
JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して密度を求めた。
JIS K7121に準拠して示差走査熱量計(DSC:Differential scanning calorimetry)を用い、下記の方法により測定した。
約5mgの重合体を、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC220C型)の測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱した。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/分で−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、10℃/分で200℃まで2度目の加熱を行い、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とした。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用した。
JIS K6253に準拠して、厚さ2mmのプレスシートを2枚重ねにし、ショアーA硬度計により測定した。
軟化温度は以下の装置と測定条件により求めた。
装置:熱機械分析装置TMA Q400(TAインスツルメンツ社製)
測定方法:針入法
測定条件:1mmφのプローブ使用
昇温速度:5℃/分
実施例にて作成した2mmtシートを積層し、JIS K6262に準拠して圧縮永久ひずみ試験を行った。試験条件は、厚み12mm(厚み2mm片の6枚重ね)の積層シートを用いて25%圧縮で、70℃22時間圧縮を行い、歪み除去(圧縮)後、30分経過後に測定した。
50tプレス機を用いて、熱可塑性エラストマー組成物から調製した(調製条件:予熱230℃、8分間、加圧、6分間)シートサンプル(2mm厚)を被験試料とし、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、引張破断強度(TB)及び引張破断伸び(EB)を測定した。
ISO34−1にて測定を行った。試験片は切り込みなしアングル形を使用し、引裂速度500±50mm/分にて切断に至る最大応力を測定した。
JIS K6258の条件で測定を行った。温度条件は、125℃×72hで油浸漬前後での体積変化率を測定した。
JIS K6258の条件で測定を行った。温度条件は、80℃×24hで油浸漬前後での重量変化率を測定した。
ISO 527−1に基づいて測定を行った。伸びが0.25%での引張応力と歪の比によりヤング率を算出した。
得られた熱可塑性エラストマーのナイロンからの離型性評価は、以下の構成の試料を用いて行った。
得られた熱可塑性エラストマーの厚さ2mmのシートと、UBEナイロン(登録商標)1030B(宇部興産社製、PA6,M,27−030)製の厚さ100μmフィルムを重ね合わせた後、予熱温度180℃、圧力50kg/cm2、時間10分、冷却2分の条件でプレスして重ね合わせフィルムを作成し、離型性を評価した。
・引張速度500mm/分
・試験片は50mm×5mmの重ね合わせフィルムを作成して実施した。
幅2mmの口金を取り付けた50mm単軸押出機を使用し、前記の熱可塑性エラストマーを下記条件で押し出した。
押出時間:10分間
バレル回転数:20rpm
バレル温度:C1/C2/C3/C4/C5=160℃/170℃/180℃/190℃/200℃
WO2006/054613の比較例9に記載の方法で重合体A−1を合成した。物性を以下に示す。
[組成]
構成単位(P)の含有率:96.0モル%
構成単位(AQ)を形成するモノマーの種類:1−ヘキサデセン/1−オクタデセン
構成単位(AQ)の含有率:4.0モル%
[引張弾性率(23℃)]1200MPa
[極限粘度[η]]2.2dl/g
[重量平均分子量(Mw)]876000
[分子量分布(Mw/Mn)]7.2
[メルトフローレート(MFR)]21g/10分
[密度]833kg/m3
[融点(Tm)]224℃
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
構成単位(P)の含有率:72.5モル%
構成単位(BQ)を形成するモノマーの種類:プロピレン
構成単位(BQ)の含有率:27.5モル%
[引張弾性率(23℃)]500MPa
[極限粘度[η]]1.5dl/g
[重量平均分子量(Mw)]337000
[分子量分布(Mw/Mn)]2.1
[メルトフローレート(MFR)]11g/10分
[密度]839kg/m3
[融点(Tm)]観察されず
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体として三井EPT(商標)3072EPM(三井化学社製エチレン・プロピレン・ENB共重合体)(カタログ値:エチレン含量64質量%、ENB含量5.4質量%、モル換算値(エチレンとプロピレンの合計を100モル%とする):エチレン含量75.8モル%、プロピレン含量24.2モル%、油展量40質量部、ヨウ素価11.5)を140質量部、重合体A−1を130質量部、重合体B−1を100質量部、更にフェノール樹脂系架橋剤として臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(商品名:SP−1055F、Schenectady社製)8.0質量部、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010、BASFジャパン(株)製)0.20質量部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(商品名:Tinuvin 326FL、BASFジャパン(株)社製)0.20質量部、ヒンダードアミン(HALS)系耐候安定剤(商品名:サノールLS−770、三共ライフテック社製)0.10質量部、酸化亜鉛(酸化亜鉛2種、ハクスイテック社製)0.80質量部、カーボンブラックマスターバッチ(PE4993、Cabot社製)4.0質量部と、軟化剤(ダイアナプロセスPW−100、パラフィンオイル)60質量部とを、押出機(品番 KTX−30、神戸製鋼(株)製、シリンダー温度:C1:50℃、C2:90℃、C3:100℃、C4:120℃、C5:180℃、C6:200℃、C7〜C14:200℃、ダイス温度:200℃、スクリュー回転数:500rpm、押出量:40kg/h)を用いて、混練後、動的架橋させ、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
実施例1において、各成分の配合比率を表1に記載のように変えた以外は、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて物性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1においてフェノール樹脂系架橋剤の代わりに有機過酸化物(パーヘキシン25B、日本油脂(株)製)0.2質量部と架橋助剤としてジビニルベンゼン(DVB810、新日鉄住金化学(株)製)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて物性評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)を90モル%以上100モル%以下含有し、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下である重合体(A)30〜90質量部と、
前記構成単位(P)を65モル%以上90モル%未満及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%以上35モル%以下含有する、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン系共重合体(B)10〜70質量部と(但し、(A)と(B)の合計を100質量部とする)、
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)1〜250質量部と、
フェノール樹脂系架橋剤(D)1〜20質量部とを含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、前記重合体(A)と、前記共重合体(B)と、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)と、フェノール樹脂系架橋剤(D)とを、動的に熱処理することを含む、前記熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 - 前記熱可塑性エラストマー組成物が、前記重合体(A)50〜90質量部と、前記共重合体(B)10〜50質量部と(但し、(A)と(B)の合計を100質量部とする)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)1〜200質量部と、フェノール樹脂系架橋剤(D)1〜20質量部とを含む請求項1記載の製造方法。
- 前記熱可塑性エラストマー組成物が、前記重合体(A)60〜90質量部と、前記共重合体(B)10〜40質量部と(但し、(A)と(B)の合計を100質量部とする)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(C)1〜200質量部と、フェノール樹脂系架橋剤(D)1〜20質量部とを含む請求項1記載の製造方法。
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