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JP6858060B2 - 鉄道車両用駆動システムおよび鉄道車両用蓄電装置の制御方法 - Google Patents
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JP6858060B2 - 鉄道車両用駆動システムおよび鉄道車両用蓄電装置の制御方法 - Google Patents

鉄道車両用駆動システムおよび鉄道車両用蓄電装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両用駆動システムに関し、特に蓄電装置を備える鉄道車両用駆動システムに適用して好適なものに関する。
近年、鉄道車両においては、制動時に主電動機を発電機として作用させて電力を発生することにより制動力を得る回生ブレーキが使用されている。回生ブレーキは、主電動機で発電した電力を消費することにより制動力を得ることから、使用するためには負荷が必要となる。
一般的な鉄道車両では、その鉄道車両と同じき電区間を走行する他の力行中の鉄道車両を負荷としている。すなわち回生ブレーキで発電した電力を架線に戻し、他の鉄道車両が力行電力として再利用するため、鉄道の省エネルギー化に貢献している。
ここで、同じき電区間を走行する鉄道車両数が多い場合は、回生中の鉄道車両と力行中の鉄道車両とのバランスが均等である確率は高いが、同じき電区間を走行する鉄道車両数が少ない場合は、回生中の鉄道車両と力行中の鉄道車両とのバランスが均等にならず、回生中の鉄道車両の方が多くなり回生負荷が不足する場合がある。この場合、回生電力によりインバータ装置の直流電圧が高くなり、インバータ装置の許容電圧を上回る。
そこで、力行中の鉄道車両が少ない軽負荷時は、許容電圧を上回る前に回生電力を絞り込む軽負荷回生制御を行っており、不足するブレーキ力は空気ブレーキで補うようにしている。また、負荷となる力行中の鉄道車両が存在しない場合は、架線に電力を戻せなくなる回生ブレーキ失効が発生し、失効中は回生ブレーキが動作せずに空気ブレーキだけで停車することになる。
何れの場合においても、エネルギーの再利用が不可能な空気ブレーキを使用することになるため、回生ブレーキによる省エネルギー効果が減少してしまう。
このように、回生ブレーキ電力を架線に戻すためには、その電力を消費する負荷が存在している必要がある。そこで、回生ブレーキ電力を蓄電することのできる蓄電装置を車上側のインバータ装置に併設することにより、他の力行中の鉄道車両が存在しているか否かに関わらず、回生ブレーキによる省エネルギー効果が得られる方法がある。
ここで、蓄電装置は一般に、電流の充放電や発熱により、内部抵抗(以下、「抵抗」と略すことがある)が上昇する傾向があることが知られている。また、このような抵抗上昇を抑制するため、電流二乗値の平均値(以下、「電流二乗平均値」と略すことがある)により出力を制限し、発熱量を低減する制御方法がある。
特許文献1には、電流二乗平均値が上限値を超えた際に、充電電力を小さくする制御方法が開示されている。
このような抵抗上昇は、通常不可逆な抵抗上昇であるが、蓄電装置の容量に対して大電流の充放電が継続した場合に限り、通常の抵抗上昇とは異なる、可逆的な抵抗上昇(以下、「可逆抵抗上昇」と略すことがある)が発生することがある。
特許文献2には、電気化学反応の簡易モデル式や電極間の電解液濃度差を基に可逆抵抗上昇を検出し、可逆抵抗上昇の度合いが設定値を超えた場合に充放電電流量などを制限する制御方法が開示されている。
特開2007−288906号公報 特開2010−60406号公報
特許文献1に開示された従来技術の制御方法は、発熱量の低減が目的のため、電流二乗平均値の上限値を、蓄電装置の蓄電池セルやバスバーの発熱量制限値より一意的に規定する。一方、特許文献1に開示された従来技術の制御方法を、特許文献2に記載の可逆抵抗上昇を抑制する目的で使用する場合、可逆抵抗上昇は電極間の電解液濃度分布に影響されるため、直近の充放電の実施状況により異なり、一意的に規定することが難しい。また、電流二乗平均値の上限値を一意的に規定する場合、直近の充放電電流量が大きく、電極間の電解液濃度差が大きいワーストケースを基に規定しなくてはならないため、電流二乗平均値の上限値が小さくなり、度々出力制限されることが懸念される。
本発明の目的は、蓄電装置の可逆抵抗上昇を抑制しつつ、出力制限の頻度を低減できる蓄電装置を備えた鉄道車両用駆動システムを提供することに関する。
本発明は、複数の蓄電池から構成される鉄道車両用蓄電装置に充放電される電流の二乗関連値が、ある期間毎に変更された電流の二乗関連値の上限値以下となるように制御することに関する。
電流の二乗関連値とは、電流の二乗平均値、電流の二乗積算値、または電流の二乗平均平方根などの電流の二乗に基づく値である。可逆抵抗上昇は、電流が大きいほど電極間の電解液濃度差が大きくなり、発生しやすい傾向がある。特に、非常に大きな電流が印加された際は、電極付近にリチウムイオンが滞留しやすく、副反応が生じる可能性が高いため、可逆抵抗上昇の発生確率が非常に高くなる。このため、出力制限の指標に、電流値ではなく、電流の二乗関連値を用いることにより、大電流に対する感度が大きくなるように制御できる。
本発明によれば、蓄電装置の電流の二乗関連値の上限値を期間毎に変更するため、可逆抵抗上昇を抑制しつつ、出力制限の頻度を低減できる。
実施例1にかかる鉄道車両用駆動システムのシステム構成を示す図 実施例1にかかる制御装置の機能構成を示す図 実施例1にかかる制御装置に格納されている運転指令−インバータ指令値対応表を示す図 実施例1にかかるバッテリ電流の時系列変化の一例を示す図 実施例1にかかる制御装置のチョッパ指令演算部の制御処理の流れを示すフローチャート 実施例1にかかる電流二乗平均値に基づく出力制限レベル判定の一例を示す図 実施例1にかかる充放電モードの判定の一例を示す図 実施例1にかかるチョッパ指令値への出力制限レベルの反映方法の一例を示す図 実施例1にかかる鉄道車両の運用方法の一例を示す図 実施例1にかかる各運用での制御指標と電流二乗平均値の上限値の相関の一例を示す図 実施例1にかかる運転台の表示器の表示の一例を示す図 実施例2にかかる制御装置の機能構成を示す図 実施例2にかかる稼働時間算出の一例を示す図 実施例2にかかる稼働時間と電流二乗平均値の上限値との相関の一例を示す図 実施例3にかかる制御装置の機能構成を示す図 実施例3にかかる電流印加時間算出の一例を示す図 実施例3にかかる電流印加時間と電流二乗平均値の上限値との相関の一例を示す図 実施例4にかかる制御装置の機能構成を示す図 実施例4にかかる充放電電流量算出の一例を示す図 実施例4にかかる充放電電流量と電流二乗平均値の上限値との相関の一例を示す図 実施例5にかかる制御装置の機能構成を示す図 実施例6にかかる制御装置の機能構成を示す図
実施例では、複数の蓄電池から構成される蓄電装置と、蓄電装置から供給された電力を基に鉄道車両を駆動させる駆動装置と、蓄電装置の充放電電力を制御する制御装置と、を備えた鉄道車両用駆動システムにおいて、制御装置は、蓄電装置に充放電される電流の二乗関連値が、ある期間毎に変更された電流の二乗関連値の上限値以下となるように制御するものを開示する。
また、実施例では、複数の蓄電池から構成される鉄道車両用蓄電装置の制御方法において、鉄道車両用逐電装置の制御装置が、鉄道車両用蓄電装置に充放電される電流の二乗関連値が、ある期間毎に変更された電流の二乗関連値の上限値以下となるように制御するものを開示する。
また、実施例では、電流の二乗関連値が、電流の二乗平均値、電流の二乗積算値、または電流の二乗平均平方根であることを開示する。
また、実施例では、電流の二乗関連値の上限値を、鉄道車両の運用毎に設定することを開示する。また、電流の二乗関連値の上限値を、前回運用時の稼働時間を基に設定すること、前回運用時の蓄電装置の電流印加時間を基に設定すること、または前回運用時の蓄電装置の充放電電流量を基に設定すること開示する。
また、実施例では、電流の二乗関連値の上限値を、常時演算した値を基に設定することを開示する。また、電流の二乗関連値の上限値を、過去の稼働時間を基に設定すること、過去の蓄電装置の電流印加時間を基に設定すること、または、過去の蓄電装置の充放電電流量を基に設定することを開示する。
また、実施例では、稼働時間、蓄電装置の電流印加時間、または蓄電装置の充放電電流量の値が大きいほど、電流の二乗関連値の上限値を小さく設定することを開示する。
また、実施例では、電流の二乗関連値による出力制限状態を表示器に表示することを開示する。
以下、上記およびその他の本発明の特徴と効果について図面を参酌して説明する。
尚、以下に説明する実施例では、蓄電装置を電車に搭載し、力行中の鉄道車両が少ない軽負荷時に回生電力を蓄電装置に蓄電する軽負荷回生システムを搭載した鉄道車両に対して適用した場合を例に挙げて説明する。しかし、本発明は、エンジンと蓄電装置を搭載したハイブリッド気動車、非電化区間を蓄電装置の放電電力で走行する蓄電池電車、および停電などの非常時に蓄電装置の放電電力で走行する非常走行システムを搭載した鉄道車両にも同様に適用できる。
また以下に説明する実施例は、蓄電装置を構成する蓄電素子にリチウムイオン電池を適用した場合を例に挙げて説明するが、キャパシタやニッケル水素電池など、その他の蓄電素子にも、同様に適用できる。
尚、本発明は、各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることができる。
図1は、本実施例にかかる鉄道車両用駆動システムのシステム構成を示す図である。初めに、鉄道車両用駆動システム1の各機器の構成について説明する。
給電装置2は、パンタグラフ2A、架線用遮断器2B、電圧センサ2Cおよびフィルタリアクトル2Dで構成される。鉄道車両用駆動システム1は、力行時はパンタグラフ2Aを介して直流電力を受電する。一方、回生時に電圧センサ2Cで計測した架線電圧が十分に低く、鉄道車両用駆動システム1内に回生電力を入力する負荷がない場合は、パンタグラフ2Aを介して直流電力を架線に返す。停電など架線側に異常が生じた場合は、架線用遮断器2Bで回路を遮断し、架線と主回路を切り離す。また、架線から流れてくる電流にはリップル成分が含まれているため、フィルタリアクトル2Dとフィルタコンデンサ3によりリップル成分を除去する。
尚、本実施例では、軽負荷回生システムを搭載した鉄道車両を例に挙げて説明したが、給電装置2をエンジン、発電機およびコンバータとしてハイブリッド気動車に適用してもよい。
インバータ4は、架線からパンタグラフ2Aを介して供給される直流電力を三相交流電力に変換して電動機5を駆動する。電動機5は、インバータ4が出力する三相交流電力を入力として、これを軸トルクに変換して出力する。減速機6は、電動機5の回転速度を、異なる歯数の歯車の組合せ等で減速し、それにより増幅した軸トルクにより輪軸7を駆動して車両を加減速する。
昇降圧チョッパ8は、スイッチング素子を備えたDC−DCコンバータであり、主平滑リアクトル9に流れる電流を制御することにより、蓄電装置11の充電動作および放電動作を制御する。また、蓄電装置11に異常が生じた場合は、蓄電装置用遮断器10で回路を遮断し、蓄電装置11を主回路から切り離す。蓄電装置11は、電流センサ11Aおよびリチウムイオン電池11Bで構成される。電流センサ11Aは、蓄電装置用遮断器10とリチウムイオン電池11Bとの間に接続され、リチウムイオン電池11Bの電流を計測し、制御装置13へ出力する。リチウムイオン電池11Bは、リチウムイオン電池の蓄電池セルを直並列に接続することにより構成されている。
運転台12は、運転士のノッチ操作に応じた運転指令を制御装置13へ出力する。また、駆動システムの出力制限状態を確認できる表示器(図示せず)を備える。
制御装置13は、一般に、マイコン、アナログ回路およびIC素子により構成される電子回路である。制御装置13は、電圧センサ2Cで計測した架線電圧や、電流センサ11Aで計測したバッテリ電流、ならびに運転台12から入力した運転指令などを基に、インバータ4および昇降圧チョッパ8へ制御信号を出力し、鉄道車両用駆動システム1全体の電力フローを制御する。
図2は、本実施例にかかる制御装置の機能構成を示す図である。制御装置13の機能は、記憶部13A、インバータ指令演算部13B、電流二乗平均値演算部13C、SOC推定部13Dおよびチョッパ指令演算部13Eで構成されている。
記憶部13Aは、後述の運転指令−インバータ指令値対応表、基準電圧1、および基準電圧2などのデータが予め格納されている。また、記憶部13Aは、制御装置13の停止シーケンスにより、SOC推定部13Dで推定したバッテリ充電率SOC(以下、「SOC」と略すことがある)をSOC初期値として記憶し、制御装置13の次回起動シーケンスで、SOC推定部13DへSOC初期値を出力する機能を有する。更に記憶部13Aは、年月日と時刻を把握できるリアルタイムクロックを保有しており、年月日と時刻情報を必要に応じて記録できる。
インバータ指令演算部13Bは、記憶部13Aから運転指令−インバータ指令値対応表、運転台12から運転指令をそれぞれ入力し、運転指令を基に運転指令−インバータ指令値対応表を参照し、インバータ4へインバータ指令値を出力する。
図3は、本実施例にかかる制御装置に格納されている運転指令−インバータ指令値対応表を示す図である。運転指令は、運転士のノッチ操作により変更される運転状態の指令であり、加速(弱)、加速(強)、ブレーキ(弱)、ブレーキ(中)、ブレーキ(強)、およびオフなどに区分される。インバータ指令値は、運転指令ごとに割り当てられたインバータ4の出力指令値であり、運転指令に基づき、一意的に定まっている。
電流二乗平均値演算部13Cは、電流センサ11Aより入力したバッテリ電流を基に、出力制限の指標となる電流二乗平均値を算出し、チョッパ指令演算部13Eに出力する。
図4は、本実施例にかかるバッテリ電流の時系列変化の一例を示す図である。電流二乗平均値I aveは、予め規定した時間窓内の各計測サンプリング点(i−n、i−n+1、…、i−2、i−1、i)でのバッテリ電流の二乗値の総和を時間窓内のサンプリング点数nで除することにより算出する。電流二乗平均値の算出式を数式1に示す。
Figure 0006858060
SOC推定部13Dは、電流センサ11Aおよび記憶部13Aより入力したバッテリ電流およびSOC初期値を基に、バッテリ充電率SOCを算出し、チョッパ指令演算部13Eに出力する。SOCの算出式を数式2に示す。
Figure 0006858060
ここで、SOCはSOC初期値、Iはバッテリ電流、Qmaxはバッテリの満充電時の容量である。
チョッパ指令演算部13Eでは、記憶部13Aより基準電圧1、2や、基準SOC1、2などを、電圧センサ2Cより架線電圧を、電流二乗平均値演算部13Cより電流二乗平均値を、ならびにSOC推定部13DよりSOCをそれぞれ入力し、昇降圧チョッパ8へチョッパ指令値を、および運転台12へ出力制限レベルをそれぞれ出力する。
図5は、本実施例にかかる制御装置のチョッパ指令演算部の制御処理の流れを示すフローチャートである。S101では、電流二乗平均値に基づく出力制限レベル判定を実施する。
図6は、本実施例にかかる電流二乗平均値に基づく出力制限レベル判定の一例を示す図である。出力制限レベルは、例えば電流二乗平均値の上限値の0.85倍未満であれば0(出力制限なし)、電流二乗平均値の上限値の0.85倍以上、且つ電流二乗平均値の上限値の0.90倍未満であれば1、電流二乗平均値の上限値の0.90倍以上、且つ電流二乗平均値の上限値の0.95倍未満であれば2、および電流二乗平均値の上限値の0.95倍以上であれば3といった方法で判定する。ここで、電流二乗平均値の上限値の設定方法に関しては、後ほど説明する。
S102では、充放電モードの判定を行う。
図7は、本実施例にかかる充放電モードの判定の一例を示す図である。充放電モードは、1(充電モード)、2(放電モード)、および0(停止モード)の3モードがあり、各モードに応じて、チョッパ指令値を正(充電)、負(放電)、および0(充放電停止)の値に設定する。充放電モードは、記憶部13Aより入力した基準電圧1および2、基準SOC1および2、電圧センサ2Cより入力した架線電圧、ならびにSOC推定部13Dより入力したSOCを基に判定する。例えば、架線電圧が基準電圧2以上、且つSOCが基準SOC2未満の場合、架線電圧が高くて架線へ回生電力を供給できず、且つ蓄電装置11が充電可であるため、充放電モードを1(充電モード)とする。一方、架線電圧が基準電圧1未満、且つSOCが基準SOC1以上の場合、架線電圧が低くて電流損失が大きく、且つ蓄電装置11が放電可であるため、充放電モードを2(放電モード)とする。また、架線電圧およびSOCがそれ以外の領域の場合、充放電モードを0(停止モード)とする。
S103では、充放電モードが0(停止モード)か判定する。S103で充放電モードが0(停止モード)と判定された場合、チョッパ指令値に0を設定する(S104)。一方、S103で充放電モードが0(停止モード)以外と判定された場合、出力制限レベルを反映したチョッパ指令値を設定する(S105)。
図8は、本実施例にかかるチョッパ指令値への出力制限レベルの反映方法の一例を示す図である。充放電モードが1(充電モード)であり、出力制限レベルが0、1、2、3の場合、チョッパ指令値をそれぞれ100、90、60、0とする。また、充放電モードが2(放電モード)であり、出力制限レベルが0、1、2、3の場合、チョッパ指令値をそれぞれ−100、−90、−60、0とする。これにより、出力制限レベルが高いほど出力制限が大きくなり、電流二乗平均値が上昇しにくくなる。
S106では、S101、およびS104またはS105で設定した出力制限レベル、ならびにチョッパ指令値を、それぞれ運転台12、および昇降圧チョッパ8に送信する。
上記のS101〜S106の処理を制御周期ごとに実施することにより、蓄電装置11の充放電電力を連続的に管理し、電流二乗平均値が上限値以下となるように制御する。
続いて、電流二乗平均値の上限値の設定方法について説明する。
図9は、本実施例にかかる鉄道車両の運用方法の一例を示す図である。例えば、A駅からB駅、C駅を経由し、D駅へ至るA駅−D駅間の路線を想定して説明する。通常、鉄道運営においては、一つの路線間を複数の鉄道車両が同時に走行するため、編成ごとに運用パターンを割り当て、ローテーションすることにより、路線全体の運用を行う。例えば、本路線では4編成の鉄道車両で運用する。1編成目の鉄道車両は、A駅を出発してB駅、C駅を経由し、D駅で折り返してC駅で停泊する(運用1)。2編成目の鉄道車両は、C駅を出発してB駅を経由し、A駅で折り返して再度B駅を経由し、C駅で停泊する(運用2)。3編成目の鉄道車両は、C駅を出発してD駅で折り返し、C駅、B駅を経由し、A駅で停泊する(運用3)。4編成目の鉄道車両は、A駅で停泊しながら鉄道車両のメンテナンスなどを行う。このように、編成ごとに運用パターンを割り当て、ローテーションすることにより、路線全体の車両管理を行う。
ここで、各駅間の駅間距離は、ほとんどの場合それぞれの駅間ごとに異なる。また、駅間の路線の高低差も、それぞれの駅間によって異なると考えられる。そのため、各運用での走行距離や負荷パターンに差異が生じると考えられる。その結果、各運用での稼働時間や蓄電装置の電流印加時間、ならびに蓄電装置の充放電電流量に差異が生じると予想される。
図10は、本実施例にかかる各運用での制御指標と電流二乗平均値の上限値の相関の一例を示す図である。図10(a)、(b)、(c)は、それぞれ制御指標を、稼働時間、蓄電装置の電流印加時間、および蓄電装置の充放電電流量としている。稼働時間、蓄電装置の電流印加時間、および蓄電装置の充放電電流量はいずれも、課題として挙げた蓄電装置11の可逆抵抗上昇を抑制するための重要な指標であり、これらの値が高いほど電極間の電解液濃度差が大きい可能性が高く、可逆抵抗上昇が生じ易いと考えられる。このため、前回運用時の稼働時間、蓄電装置の電流印加時間、または蓄電装置の充放電電流量の値が大きいほど、電流の二乗平均値の上限値を小さく設定することが有効と考えられる。実際に制御に実装する際は、これらの指標のいずれかを用いて、電流二乗平均値の上限値を規定する。
尚、今回の例では前回運用時の評価期間を前日一日としているが、半日または数日間などを前回運用時の評価期間としてもよい。
また、蓄電装置の電流印加時間を電流二乗平均値の上限値を規定する指標として用いる場合、例えば±5A以上など、電流印加時間の判定に別途閾値を設けてもよい。
図11は、本実施例にかかる運転台の表示器の表示の一例を示す図である。運転台12は、制御装置13のチョッパ指令演算部13Eより出力制限レベルを入力し、運転台12に設置されている表示器(図示せず)に、車両動作や車両速度などとともに出力制限レベルを表示する。これにより運転士は、電流二乗平均値に基づく出力制限の状態を確認でき、車両操作に反映できる。
本実施例によれば、電流の二乗平均値の上限値をワーストケースに合わせて一意的に定める場合と比べて、蓄電装置11の可逆抵抗上昇を抑制しつつ、出力制限の頻度を低減できる。
本実施例では、電流の二乗平均値の上限値を、鉄道車両の運用毎に設定するのではなく、常時演算した稼働時間を基に設定する。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
図12は、本実施例にかかる制御装置の機能構成を示す図である。本実施例の制御装置13は、実施例1の制御装置13の機能に対し、稼働時間演算部13Fが追加されている。稼働時間演算部13Fは、制御装置13の起動シーケンスで制御装置オンオフ信号を2(オンレベル)、制御装置13の停止シーケンスで制御装置オンオフ信号を1(オフレベル)として、それぞれ記憶部13Aへ出力する。また、稼働時間演算部13Fは、記憶部13Aから制御装置をオンオフした時刻(制御装置オンオフ時刻)を起動中随時入力し、これを基に過去一定期間内の稼働時間を算出する。
図13は、本実施例にかかる稼働時間算出の一例を示す図である。本実施例では、過去1日(前日)の稼働時間の算出を例として説明するが、過去の一定期間は数分、数十分、数時間、または数日などでもよい。また、図13では日付が変わる24:00を基準として期間を規定しているが、現在の時刻を基準としてもよい。図13において稼働時間演算部13Fは、4:30および14:00に2(オンレベル)、11:30および22:00に1(オフレベル)を記憶部13Aに出力しており、現在において、前日の制御装置オンオフ時刻を全て把握している。これらの制御装置オンオフ時刻より、1回目の稼働時間が7時間、2回目の稼働時間が8時間で、前日の合計稼働時間が15時間であると計算する。本実施例では、この稼働時間を常時演算し、これを基に電流二乗平均値の上限値を規定する。
図14は、本実施例にかかる稼働時間と電流二乗平均値の上限値との相関の一例を示す図である。図14の通り、稼働時間が高いほど、電流二乗平均値の上限値を低く設定する。これにより、稼働時間が高いときほど電流二乗平均値を抑えることにより、蓄電装置11の可逆抵抗上昇を抑制する。
本実施例では、電流の二乗平均値の上限値を、鉄道車両の運用毎に予め規定した稼働時間を基に設定するのではなく、常時演算した稼働時間を基に設定する。これにより、ダイヤの乱れなどによって通常とは異なる稼働時間になった際も、その稼働時間の差分を、蓄電装置11の出力制御に適時反映できる。
本実施例では、電流の二乗平均値の上限値を、鉄道車両の運用毎に設定するのではなく、常時演算した蓄電装置11の電流印加時間を基に設定する。以下、実施例1乃至2との相違点を中心に説明する。
図15は、本実施例にかかる制御装置の機能構成を示す図である。本実施例の制御装置13は、実施例1の制御装置13の機能に対し、電流印加時間演算部13F2が追加されている。
電流印加時間演算部13F2は、制御装置11停止シーケンスで電流印加時間の値を記憶部13Aへ出力し、記憶部13Aでは電流印加時間が入力された年月日および時刻情報とともに記録しておく。そして電流印加時間演算部13F2は、制御装置11の起動中に、随時、電流印加時間とこれらのデータ記録時刻情報を入力し、これを基に過去一定期間内の電流印加時間を算出する。
図16は、本実施例にかかる電流印加時間算出の一例を示す図である。本実施例では、過去1日(前日)の電流印加時間の算出を例として説明するが、過去の一定期間は数分、数十分、数時間、または数日などでもよい。また、図16では日付が変わる24:00を基準として期間を規定しているが、現在の時刻を基準としてもよい。また、例えば±5A以上など、電流印加時間の判定に別途閾値を設けてもよい。図16において電流印加時間演算部13F2は、4:30から10:30、17:00から23:00の間に蓄電装置11に電流が印加されており、前日の電流印加時間の合計が12時間である。
図17は、本実施例にかかる電流印加時間と電流二乗平均値の上限値との相関の一例を示す図である。図17の通り、電流印加時間が高いほど、電流二乗平均値の上限値を低く設定する。これにより、電流印加時間が高いときほど電流二乗平均値を抑え、蓄電装置11の可逆抵抗上昇を抑制する。
本実施例では、電流の二乗平均値の上限値を、鉄道車両の運用毎に予め規定した電流印加時間を基に設定するのではなく、常時演算した電流印加時間を基に設定する。これにより、補機(図示せず)の稼働状況などによって、通常とは異なる電流印加時間になった際も、その電流印加時間の差分を、蓄電装置11の出力制御に適時反映できる。
本実施例では、電流の二乗平均値の上限値を、鉄道車両の運用毎に設定するのではなく、常時演算した蓄電装置11の充放電電流量を基に設定する。以下、実施例1乃至3との相違点を中心に説明する。
図18は、本実施例にかかる制御装置の機能構成を示す図である。本実施例の制御装置13は、実施例1の制御装置13の機能に対し、充放電電流量演算部13F3が追加されている。
充放電電流量演算部13F3は、制御装置11停止時に充放電電流量の値を記憶部13Aへ出力し、記憶部13Aでは充放電電流量が入力された年月日および時刻情報とともに記録しておく。そして充放電電流量演算部13F3は、制御装置11の起動中に、随時、充放電電流量とこれらのデータ記録時刻情報を入力し、これを基に過去一定期間内の充放電電流量を算出する。図19は、本実施例にかかる充放電電流量算出の一例を示す図である。本実施例では、過去1日(前日)の充放電電流量の算出を例として説明するが、過去の一定期間は、数分、数十分、数時間、または数日などでもよい。また、図19では日付が変わる24:00を基準として期間を規定しているが、現在の時刻を基準としてもよい。図19において充放電電流量演算部13F3は、4:30から10:30、17:00から23:00の間に蓄電装置11に電流が印加されており、前日の充放電電流量の合計が1500Ahである。
図20は、本実施例にかかる充放電電流量と電流二乗平均値の上限値との相関の一例を示す図である。図20の通り、充放電電流量が高いほど、電流二乗平均値の上限値を低く設定する。これにより、充放電電流量が高いときほど電流二乗平均値を抑え、蓄電装置11の可逆抵抗上昇を抑制する。
本実施例では、電流の二乗平均値の上限値を、鉄道車両の運用毎に予め規定した充放電電流量を基に設定するのではなく、常時演算した充放電電流量を基に設定する。これにより、蓄電装置11の劣化状態などによって、初期とは異なる充放電電流量になった際も、その充放電電流量の差分を、蓄電装置11の出力制御に適時反映できる。
本実施例では、出力制限に用いる指標を、電流の二乗平均値に代えて、電流の二乗積算値とする。以下、実施例1乃至4との相違点を中心に説明する。
図21は、実施例5にかかる制御装置の機能構成を示す図である。本実施例の制御装置13は、実施例1の制御装置13の電流二乗平均値演算部13Cに代えて、電流二乗積算値演算部13C2が備わっている。電流二乗積算値ΣIは、予め規定した時間窓内の各計測サンプリング点(i−n、i−n+1、…、i−2、i−1、i)でのバッテリ電流の二乗値を全て足し合わせて算出する。電流二乗積算値の算出式を数式3に示す。
Figure 0006858060
また、本実施例では、チョッパ指令演算部13Eでの上限値も、電流の二乗平均値に代えて、電流の二乗積算値で設定する。
本実施例では、出力制限に用いる指標を、電流の二乗平均値に代えて、電流の二乗積算値とする。これにより、時間窓内のサンプリング点数nで除する工程を省略できるため、ゼロ除算によるシステムエラーの可能性を排除できる。
本実施例では、出力制限に用いる指標を、電流の二乗平均値に代えて、電流の二乗平均平方根とする。以下、実施例1乃至5との相違点を中心に説明する。
図22は、本実施例にかかる制御装置の機能構成を示す図である。本実施例の制御装置13は、実施例1の制御装置13の電流二乗平均値演算部13Cに代えて、電流二乗平均平方根演算部13C3が備わっている。電流二乗平均平方根Irmsは、予め規定した時間窓内の各計測サンプリング点(i−n、i−n+1、…、i−2、i−1、i)でのバッテリ電流の二乗値の総和を時間窓内のサンプリング点数nで除し、更にその値の平方根を取ることにより算出する。電流二乗平均平方根の算出式を数式4に示す。
Figure 0006858060
また、本実施例では、チョッパ指令演算部13Eでの上限値も、電流の二乗平均値に代えて、電流の二乗平均平方根で設定する。
本実施例では、出力制限に用いる指標を、電流の二乗平均値に代えて、電流の二乗平均平方根とする。これにより、単位がバッテリ電流と同じアンペアとなり、状態を直感的に把握し易くなる。
1…鉄道車両用駆動システム、2…給電装置、2A…パンタグラフ、2B…架線用遮断器、2C…電圧センサ、2D…フィルタリアクトル、3…フィルタコンデンサ、4…インバータ、5…電動機、6…減速機、7…輪軸、8…昇降圧チョッパ、9…主平滑リアクトル、10…蓄電装置用遮断器、11…蓄電装置、11A…電流センサ、11B…リチウムイオン電池、12…運転台、13…制御装置、13A…記憶部、13B…インバータ指令演算値、13C…電流二乗平均値演算部、13C2…電流二乗積算値演算部、13C3…電流二乗平均平方根演算部、13D…SOC推定部、13E…チョッパ指令値演算部、13F…稼働時間演算部、13F2…電流印加時間演算部、13F3…充放電電流量演算部

Claims (6)

  1. 複数の蓄電池から構成される蓄電装置と、
    前記蓄電装置から供給された電力を基に鉄道車両を駆動させる駆動装置と、
    前記蓄電装置の充放電電力を制御する制御装置と、を備えた鉄道車両用駆動システムにおいて、
    前記制御装置は、前記蓄電装置に充放電される電流の二乗関連値が、前記鉄道車両の運用毎に設定され、且つ少なくとも前回運用時の稼働時間の値が大きいほど小さく設定される、前記電流の二乗関連値の上限値以下となるように制御することを特徴とする鉄道車両用駆動システム。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用駆動システムにおいて、
    前記電流の二乗関連値が、電流の二乗平均値、電流の二乗積算値、または電流の二乗平均平方根であることを特徴とする鉄道車両用駆動システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の鉄道車両用駆動システムにおいて、
    電流の二乗関連値による出力制限状態を表示器に表示することを特徴とする鉄道車両用駆動システム。
  4. 複数の蓄電池から構成される鉄道車両用蓄電装置の制御方法において、
    前記鉄道車両用蓄電装置の制御装置は、前記鉄道車両用蓄電装置に充放電される電流の二乗関連値が、前記鉄道車両の運用毎に設定され、且つ少なくとも前回運用時の稼働時間の値が大きいほど小さく設定される、前記電流の二乗関連値の上限値以下となるように制御することを特徴とする鉄道車両用蓄電装置の制御方法。
  5. 請求項4に記載の鉄道車両用蓄電装置の制御方法において、
    前記電流の二乗関連値が、電流の二乗平均値、電流の二乗積算値、または電流の二乗平均平方根であることを特徴とする鉄道車両用蓄電装置の制御方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の鉄道車両用蓄電装置の制御方法において、
    電流の二乗関連値による出力制限状態を表示器に表示することを特徴とする鉄道車両用蓄電装置の制御方法。
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