JP6860804B2 - 含フッ素重合体および含フッ素重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
なお、キャピラリー数(Ca)とは、下記式(i)により導き出される。
発明1の含フッ素単量体と、重合開始剤と、を含む、硬化性組成物。
前記重合開始剤が、光重合開始剤である、発明2の硬化性組成物。
次の各工程を含む、基板上にパターン形状を有する硬化膜を配したパターン付き部材の製造方法。
配置工程:発明2または発明3の硬化性組成物を基板上に配置する工程。
型接触工程:前記基板上に配置された前記硬化性組成物に対し、パターン形状を有するモールドを接触させる工程。
硬化工程:前記モールドと接触した状態の前記硬化性組成物を、光または熱により硬化させて硬化膜とする工程。
離型工程:前記硬化膜から前記モールドを引き離し、前記パターン付き部材を得る工程。
前記型接触工程が、凝縮性ガスを含む気体の雰囲気下で行われる、発明4のパターン付き部材の製造方法。
前記型接触工程の凝縮性ガスが1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd(E))、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd(Z))、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(E))、またはシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(Z))のうち1種類以上を含む、発明5のパターン付き部材の製造方法。
発明1の含フッ素単量体を単独重合させてなる、または、該含フッ素単量体と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、オレフィンからなる群より選ばれた一種類以上の単量体と、を共重合させてなる含フッ素重合体。
発明1の含フッ素単量体を単独重合する工程、または、
該含フッ素単量体と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、オレフィンからなる群から選ばれた一種類以上の単量体と、を共重合させる工程、を含む、発明7の含フッ素重合体の製造方法。
1.式(1)で表される含フッ素単量体について
2.当該含フッ素単量体の製造方法について
3.当該含フッ素単量体を構成成分として含む硬化性組成物について
4.パターン形成方法について
本発明の1つの態様は、式(1)で表される含フッ素単量体である。
「R1とR2がともに水素原子である含フッ素単量体」
「R1とR2がともにメチル基である含フッ素単量体」
「R1、R2のどちらか一方が水素原子であって、もう一方がメチル基である含フッ素単量体」
式(1)で表される含フッ素単量体は新規化合物である。合成方法を以下に示す。好ましい合成方法には「第1の方法」と「第2の方法」があり、いずれも、式(2)で表されるジオール(入手が容易な含フッ素化合物である)を原料とし、これを(メタ)アクリル化反応に付するものである。
第1の方法は、式(2)で表されるジオールに対し、まず式(3)で表される(メタ)アクリル酸無水物を反応させて、式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステルを合成する第1工程と、次いで、該(メタ)アクリル酸エステルを、式(6)で表される(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と反応させ、式(1)で表される目的物を得る第2工程と、からなる(下式参照)。
第2の方法は、式(2)で表されるジオールに対し、式(6)と式(7)で表される(メタ)アクリル酸ハロゲン化物を反応させ、式(1)の目的物を合成する反応(第3工程)からなる(下式参照)。
「式(6)、式(7)の化合物を、例えば1:1のモル比で混ぜて、式(2)の化合物と同時に反応させる」、「まずアクリル酸ハロゲン化物を反応に供したのち、次にメタクリル酸ハロゲン化物を反応に供する」、
「まずメタクリル酸ハロゲン化物を反応に供したのち、次にアクリル酸ハロゲン化物を反応に供する」、
という手法の何れも採ることができる。尤もこの手法を採った場合、単一生成物は得にくく、通常「R1、R2のどちらか一方が水素原子であって、もう一方がメチル基である含フッ素単量体」、「R1とR2がともに水素原子である含フッ素単量体」、「R1とR2がともにメチル基である含フッ素単量体」が混合物の形で得られる。上記した通り、式(1)の目的物としてこのような複数化学種の混合物を用いることも本発明の範疇内であるので、目的物を当該混合物として得たい場合には、「第2の方法」をこのような手法で実施することもできる。その際の化合物の混合の手順等は、当業者の知見に基づき、最適化すればよい。
第1工程は式(2)で表されるジオールと式(3)で表される(メタ)アクリル酸無水物を反応させ、式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステルを製造する工程である。式(2)で表されるジオールの製造方法と、この第1工程は特許第4667035号に開示されている。例えば、1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタ−4−エン−2−オールを濃硫酸と反応させた後、水と接触させて加水分解することで、1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオール(式(2)で表されるジオール)が得られる。
芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、またはメシチレンを例示することができる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、またはテトラヒドロフランを挙げることができる。ハロゲン系溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、または四塩化炭素を例示することができる。これらは単独で用いても、複数を併用してもよい。
第2工程は式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステルと式(6)で表される(メタ)アクリル酸ハロゲン化物を反応させ、式(1)で表される含フッ素単量体を製造する工程である。なお、(6)で表される(メタ)アクリル酸ハロゲン化物のハロゲン(X)としては、それぞれ独立に、F、Cl、Br、Iが挙げられ、Clが特に好ましい。式(4)で表されるエステルと反応させる式(6)で表される(メタ)アクリル酸ハロゲン化物の使用量は特に制限するものではないが、式(4)で表されるエステル1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、50モル以下であり、さらに好ましくは0.5モル以上、10モル以下であり、特に好ましくは0.8モル以上、1.5モル以下である。
第3工程は、式(2)で表されるジオールと式(6)または(7)で表される(メタ)アクリル酸ハロゲン化物を反応させ、式(1)で表される含フッ素単量体を製造する工程である。該(メタ)アクリル酸ハロゲン化物のハロゲン(X)としては、F、Cl、Br、Iを挙げることができ、Clが特に好ましい。(メタ)アクリル酸ハロゲン化物の使用量は特に制限するものではないが、式(2)で表されるジオール1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、50モル以下であり、さらに好ましくは1.5モル以上、10モル以下であり、特に好ましくは1.8モル以上、3モル以下である。
本発明の別の態様は、式(1)で表される含フッ素単量体と、重合開始剤と、を含む硬化性組成物である。硬化性組成物は、さらに任意成分として、上記式(1)で表される含フッ素単量体以外の重合性化合物(本明細書において「その他の重合性化合物」と呼ぶことがある)、増感剤、界面活性剤、溶媒、各種添加剤、を含むことができる。
重合性化合物とは、上記の通り、「式(1)で表される含フッ素単量体」と、「その他の重合性化合物」の総称である。重合性化合物は、インプリントの硬化性組成物の主成分である。当該硬化性組成物における重合性化合物の含量は通常50質量%以上であり、典型的には80質量%以上である。硬化性組成物が溶媒を含む場合は、これより重合性化合物の含量が少ないことも妨げられない。しかし、式(1)で表される含フッ素単量体は溶媒がなくとも十分な流動性を示し、モールドの凹凸部への充填は十分可能であるので溶媒は必須成分ではない。そうすると、硬化性組成物全体に占める重合性化合物の含量が90質量%以上であることは、特に好ましい態様の1つである。
「その他の重合性化合物」において、その構造内にアクリロイル基またはメタクリロイル基を1つ有する化合物である単官能単量体は重合のみの作用をし、2つ以上有する化合物である多官能単量体は架橋を行う。これらの単量体の割合によって得られる硬化物の硬さ等の物性を調整することができる。硬化膜に硬さを得るために、多官能単量体にて架橋を行うことが好ましい。
重合開始剤としては光重合開始剤および熱重合開始剤が含まれる。
光重合開始剤は、光刺激により、重合性化合物の重合反応を引き起こす反応種を発生させる物質である。具体的には、光刺激によりラジカルが発生する光ラジカル発生剤を挙げることができる。
<置換基を有してもよい2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体>
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、あるいは2−(o−またはp−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体
<ベンゾフェノン誘導体>
ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、または4,4’−ジアミノベンゾフェノン
<芳香族ケトン誘導体>
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン
<キノン類>
2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、または2,3−ジメチルアントラキノン
<ベンゾインエーテル誘導体>
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、またはベンゾインフェニルエーテル
<ベンゾイン誘導体>
ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、またはプロピルベンゾイン
<ベンジル誘導体>
ベンジルジメチルケタール
<アクリジン誘導体>
9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン
<N−フェニルグリシン誘導体>
N−フェニルグリシン
<アセトフェノン誘導体>
アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、または2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
<チオキサントン誘導体>
チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、または2−クロロチオキサントン
<その他光ラジカル発生剤>
キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、またはビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド
<市販品>
商品名、Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur 1116、1173(以上、チバ・ジャパン株式会社製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASFジャパン株式会社製)、ユベクリルP36(ユーシービージャパン株式会社)等が挙げられるが、これらに限定されない。
熱重合開始剤は、熱刺激により、重合性化合物の重合反応を引き起こす反応種を発生させる物質である。具体的には、熱刺激によりラジカルが発生する熱ラジカル発生剤等が挙げられる。
<アゾ化合物>
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)、または2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドを例示することができる。
<有機過酸化物>
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、またはジ−t−ブチルパーオキサイドを例示することができる。
本発明の硬化性組成物は、前記した成分の他に、種々の目的に応じ、発明の効果を損なわない範囲で、さらなる添加成分を含んでもよい。このような添加成分としては、界面活性剤、増感剤、水素供与体、酸化防止剤、溶媒、ポリマー成分等を挙げることができる。特に、光硬化性組成物が増感剤を含むことが好ましい。以下に説明する。
増感剤を含むことにより、重合反応促進や反応転化率が向上する傾向がある。増感剤としては、水素供与体または増感色素を挙げることができる。
水素供与体は、重合開始剤から発生した開始ラジカルや、重合生長末端のラジカルに水素を供与して、水素供与体自身がラジカルを発生する化合物である。重合開始剤が光ラジカル発生剤である場合に添加すると、重合速度が向上する場合がある。
<アミン化合物>
N−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、アリルチオ尿素、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレンテトラミン、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエタノールアミン、またはN−フェニルグリシンを例示することができ、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンの具体例としては、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを示すことができる。
<メルカプト化合物>
2−メルカプト−N−フェニルベンゾイミダゾール、メルカプトプロピオン酸エステルを例示することができる。
増感色素は、特定の波長の光を吸収することにより励起され、光重合開始剤へ作用する化合物である。ここでいう作用とは、励起状態の増感色素から光重合開始剤へのエネルギー移動または電子移動等である。光重合開始剤が光ラジカル発生剤である場合に増感剤を添加すると、重合速度が向上する場合がある。
本発明の硬化性組成物にはポリマー成分を含ませてもよい。ここでいうポリマー成分としては、前記、3−1.の段落に記載の重合性化合物に由来する繰り返し単位を構成単位として含む(メタ)アクリルポリマー(例えば、ポリメタクリル酸メチル)、およびビニルポリマー(例えば、ポリスチレン)が含まれる。尚、ポリマー成分は共重合体でもよい。
[硬化性組成物の配合時の温度]
重合開始剤、重合性化合物を混合・溶解させることによって硬化性組成物を調製する際には所定の温度条件下で行う。作業性等から、好ましくは、0℃以上、100℃以下であり、より好ましくは、10℃以上、50℃以下である。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物に混入したパーティクルによって光硬化物に不用意に凹凸が生じてパターンの欠陥が発生するのを防止するために、できる限りパーティクル等の不純物を取り除くことが好ましい。具体的には、硬化性組成物に含まれる各成分を混合した後、例えば、孔径0.001μm以上、5.0μm以下のフィルタで濾過することが好ましい。フィルタを用いた濾過を行う際には、多段階で行ったり、多数回繰り返したりすることがさらに好ましい。また、濾過した液を再度濾過してもよい。濾過に使用するフィルタとしては、ポリエチレン樹脂製、ポリプロピレン樹脂製、フッ素樹脂製、ナイロン樹脂製等のフィルタを使用することができるが、特に限定されるものではない。
本発明の更に別の態様は、上述の硬化性組成物を用いたインプリントによる「基板上にパターン形状を有する硬化膜を配したパターン付き部材」(D)の製造方法(以下、単に本発明のパターン形成方法ということがある)であり、次の各工程を含む。
配置工程:上述の硬化性組成物を基板上に配置し、「基板上に硬化性組成物が配置された部材」(A)を得る工程。
型接触工程:前記(A)における前記硬化性組成物に対し、パターン形状を有するモールドを接触させて、「基板・パターン形状を有する硬化性組成物・モールドがこの順で接合した部材」(B)を得る工程。
硬化工程:前記(B)中の前記硬化性組成物を、光または熱により硬化させて硬化膜とし、「基板・パターン形状を有する硬化膜・モールドがこの順で接合した部材」(C)を得る工程。
離型工程:前記(C)から前記モールドを引き離し、前記パターン付き部材(D)を得る工程。
なお、ここで「パターン形成方法」と呼んでいるのは、インプリントにおいては、上述の[発明4]で記載した、「基板上に、パターン形状を有する硬化膜を配した部材」(D)の製造方法、と同義であり、「配置工程」、「型接触工程」、「硬化工程」、「離型工程」の4つの工程を必須のものとして含む。
[1]硬化性組成物を基板上に配置する工程(配置工程、図1(a))
[2]モールドと硬化性組成物とを接触させる工程(型接触工程、図1(b1)、(b2))
[3]硬化性組成物を光または熱により硬化して硬化膜を作製する工程(硬化工程、図1(c))
[4]硬化膜から前記モールドを引き離す工程(離型工程、図1(d))
以上[1]〜[4]に示される工程を経ることで、硬化性組成物1から硬化物5、および硬化物5を有する電子部品(電子デバイス)あるいは光学部品を得ることができる。
まず硬化性組成物1を基板2に配置(塗布)して塗布膜を形成する(図1(a))。ここでいう硬化性組成物とは、本発明の硬化性組成物である。
次に、前工程(配置工程)で形成された硬化性組成物1からなる塗布膜にモールドを接触させる工程(型接触工程、図1(b1)、(b2))を行う。尚、モールド3は印章と見立てることができるので、この工程は押印工程とも呼ばれる。本工程で、硬化性組成物1(被形状転写層)にモールド3を接触させる(図1(b1))と、モールド3に形成された微細パターンの凹凸部に塗布膜(の一部)4が充填される(図1(b2))。
不活性ガス雰囲気下で本工程を行う場合、使用される不活性ガスとして、具体的には、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、各種フロンガス等、あるいはこれらの混合ガスが挙げられる。ナノインプリントに用いる場合、ヘリウムが好ましい。
また、本工程は、凝縮性ガスを含むガス雰囲気下で行ってもよい。本発明において、凝縮性ガスとは、下記(i)および(ii)の要件を満たすガスをいう。
(i)本工程において硬化性組成物1(被形状転写層)とモールド3が接触する前(図1(b1))の段階では雰囲気中に気体として存在するガス
(ii)硬化性組成物1とモールド3とが接触して、モールド3上に形成された微細パターンの凹部、およびモールドと基板との間隙に塗布膜(の一部)4と一緒に雰囲気中のガスが充填されたときに、充填時の圧力により発生する毛細管圧力で凝縮して液化するガス
ここで、凝縮性ガス雰囲気下で型接触工程を行うと、モールド3の微細パターンの凹部に充填されたガスが液化することで気泡が発生しにくくなるため、充填性が優れる。尚、凝縮性ガス(の少なくとも一部)は、硬化性組成物中に溶解してもよい。
<クロロフルオロカーボン(CFC)>
クロロフルオロメタン
<フルオロカーボン(FC)>
<ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)>
トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd(E))、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd(Z))、トランス−1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1223xd(E))、シス−1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1223xd(Z))、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1223za)、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1213xa)、トランス−1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HCFO−1224zb(E))、シス−1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HCFO−1224zb(Z))
<ハイドロフルオロオレフィン(HFO)>
トランス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz(E))、シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz(Z))、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(E))、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(Z))
<ハイドロフルオロカーボン(HFC)>
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHF2CH2CF3、HFC−245fa、PFP)
<ハイドロフルオロエーテル(HFE)>
ペンタフルオロエチルメチルエーテル(CF3CF2OCH3、HFE−245mc)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン(HFE−356mmz)
・1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(23℃での蒸気圧0.14MPa、沸点15℃)
・トリクロロフルオロメタン(23℃での蒸気圧0.1056MPa、沸点24℃)
・トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(沸点18℃)
・シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(沸点39℃)
・トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(沸点−19℃)
・ペンタフルオロエチルメチルエーテル
これらのうち、安全性が優れることから、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが特に好ましい。
次に、塗布膜を硬化する。具体的には、モールド3を介して塗布膜4に光を照射する(図1(c))、または塗布膜4を加熱する。硬化工程において、塗布膜4を、光または熱によって硬化させることで硬化膜5を形成する。
光によって塗布膜4を硬化させる場合、塗布膜4を構成する硬化性組成物1に照射する光は、硬化性組成物1の感度波長に応じて選択されるが、具体的には、150nm〜400nm程度の波長の紫外光、またはX線、電子線等を適宜選択して使用することが好ましい。ここで、光重合開始剤として市販されているものは、紫外光に感度を有する化合物が多い。このことから、硬化性組成物1に照射する光(照射光6)は、紫外光が特に好ましい。ここで紫外光を発する光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、Deep−UVランプ、炭素アーク灯、ケミカルランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、またはF2エキシマレーザ等が挙げられるが、超高圧水銀灯が特に好ましい。使用する光源の数は1つでもよいし、複数であってもよい。また、光照射を行う際には、硬化性組成物1の全面に行ってもよく、一部領域にのみ行ってもよい。また、光重合開始剤と熱重合開始剤とを併用する場合、光照射に加えて、加熱硬化をさらに行ってもよい。光硬化と熱硬化の順序は制限されず、光硬化の後に熱硬化を行う場合、熱硬化の後に光硬化を行う場合、光硬化と熱硬化とを同時に行う場合、が含まれる。
熱により硬化する場合、加熱雰囲気および加熱温度等は特に限定されない。例えば、不活性雰囲気下または減圧下では、40℃以上、200℃以下の範囲で硬化性組成物1を加熱することができる。また被形状転写層(塗布膜4)を加熱する際には、ホットプレート、オーブン、ファーネス等を用いることができる。
次に硬化膜5からモールド3を離し、基板2上に所定のパターン形状を有する硬化膜を形成する工程(離型工程、図1(d))を行う。本工程は、硬化膜5からモールド3を剥離する工程であり、前の工程(硬化工程)において、モールド3上に形成された微細パターンの反転パターンが、硬化膜5のパターンとして得られる。
[含フッ素単量体の合成](ジアクリレート(1)の合成)
50mlの反応器にジイソプロピルエーテル6g、トリエチルアミン2.2g(0.022mol、2.5当量)、以下の式(2)に示す1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオール2.0g(0.009mol、1.0当量、合成方法はJournal of Fluorine Chemistry, 128(8), 902-909; 2007に記載)を加え氷浴した。そこにアクリル酸クロライド2.0g(0.022mol、2.5当量)をゆっくりと滴下し、室温にして3時間攪拌した。反応液のろ過を行った後、得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液10gで2回洗浄し、溶媒を留去して、減圧蒸留(0.3kPa、バス100℃)により目的とする含フッ素単量体(以下、ジアクリレート(1)と言うことがある)を1.5g(4.49mmol)得た。ジアクリレート1の純度は99.7%、1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオールを基準とした収率は50%であった。
1H NMR(測定溶媒:重クロロホルム,基準物質:テトラメチルシラン);δ=6.48(dd,1H),6.35(dd,1H),6.11(dd,1H),6.04−5.94(m,2H),5.79(dd,1H),5.24(m,1H),3.05(dd,1H),2.63(dd,1H),1.31(d,3H).
19F NMR(測定溶媒:重クロロホルム,基準物質:パーフルオロベンゼン);δ=−73.1(t,3F),−73.2(t,3F).
得られたジアクリレート(1)について、以下に説明する方法で各物性を測定した。
懸滴法により、ジアクリレート(1)の表面張力を測定した。尚、測定は、自動接触角計(協和界面科学株式会社製、型式DMs−601)を用いて、10回測定を行い、10回の測定値の平均値を表面張力とした。
キャノン・フェンスケ粘度計(柴田科学株式会社製、型式SO−5X18)を用いて、30℃におけるジアクリレート(1)の粘度を測定した。
前記自動接触角計を用いてジアクリレート(1)と基板との接触角を測定した。それぞれ5回測定を行い、5回の測定値の平均値を接触角とした。
この測定で使用する基板は以下の通りである。尚、以下の説明において、モールド接触角は、モールドとジアクリレート(1)との接触角であり、基板接触角は、ジアクリレート(1)を塗布する基板とジアクリレート(1)との接触角である。
(3−1)モールド接触角測定用基板
離型剤(ダイキン工業株式会社製、品名オプツールHD−1100)による離型層を表面に形成した石英基板を使用した。
(3−2)基板接触角測定用基板
プライマー(独国マイクロレジストテクノロジー社製、品名mr−APS1)による密着層を表面に形成したシリコンウエハを使用した。
実施例1のジアクリレート(1)の場合と同様に、ネオペンチルグリコールジアクリレート(東京化成工業株式会社製)の物性の測定を行った。その結果、表面張力は30.5mN/mであり、粘度は5.1mPa・sであり、モールド接触角は73.5°であり、基板接触角は7.9°であった。
実施例1のジアクリレート(1)について、Caを算出した。その結果、Caは0.79V(L/h0)2であった。なお、V、Lおよびh0は装置または測定条件に係る定数であり、実施例および比較例において、一定である。
また実施例1と同様に、比較例1の単量体について、Caを算出した。その結果、Caは1.57V(L/h0)2であった。
[硬化性組成物の調製]
ジアクリレート(1)を45質量部、イソボルニルアクリレートを10質量部、ベンジルアクリレートを40質量部、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドを4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを1質量部混合し、硬化性組成物を調製した。
[硬化性組成物の調製]
ジアクリレート(1)をネオペンチルグリコールジアクリレートに代えた以外は実施例2と同様に、硬化性組成物を調製した。
[含フッ素重合体−1の合成]
20mlのナス型フラスコに[実施例1]で得たジアクリレート(1)を1.5g、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.1gを仕込み、テトラヒドロフラン7.5gに溶解させた。窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃に加熱し、5時間重合反応を行った。得られた重合液を室温まで冷却した後、n−ヘプタン22.1gを加えて析出した白色粉末を濾過にて採取した。
採取した白色粉末に、22.1gのn−ヘプタンを加えスラリー状とした後に濾過し、その後エバポレーターにて乾燥し、重合体の白色粉末1.0gを得た。得られた含フッ素重合体−1の1H−NMRを測定したところ、残存モノマーは検出されず、含フッ素重合体−1が合成されていた。
[含フッ素共重合体−2の合成]
20mlのナス型フラスコに[実施例1]で得たジアクリレート(1)を2.0g、スチレン0.6g、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.3gを仕込み、テトラヒドロフラン7.8gに溶解させた。窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃に加熱し、5時間重合反応を行った。得られた重合液を室温まで冷却した後、n−ヘプタン25.4gを加えて析出した白色粉末を濾過にて採取した。
採取した白色粉末に、16.9gのn−ヘプタンを加えスラリー状とした後に濾過し、その後エバポレーターにて乾燥し、重合体の白色粉末2.2gを得た。得られた重合体を重クロロホルムに浸漬させ、室温にて24時間放置した。得られた抽出液を1H−NMRで測定したところ、各残存モノマーは検出されず、含フッ素共重合体−2が合成されていた。また、共重合体の13C−NMRを測定したところ、ジアクリレート(1)由来の繰り返し単位とスチレン由来の繰り返し単位の含有比はモル%で表して、47:53であった。
[含フッ素共重合体−3の合成]
モノマーをスチレン0.6gからメチルメタクリレート0.6gに変更した以外は[実施例4]と同様の方法で重合反応および後処理を行い、重合体の白色粉末2.5gを得た。得られた重合体についても、各残存モノマーは検出されず、含フッ素共重合体−3が合成されていた。また、共重合体の13C−NMRを測定したところ、ジアクリレート(1)由来の繰り返し単位とメチルメタクリレート由来の繰り返し単位の含有比はモル%で表して、40:60であった。
2: 基板
3: モールド
4: 塗布膜
5: 硬化膜
6: 照射光
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