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JP6861366B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description

本発明は、空気調和機に関する。
従来より、ユーザの心拍に基づいて運転を行う空気調和機が知られている。例えば、特許文献1に記載された空気調和機の場合、心拍波形におけるR−R間隔の波形部分をスペクトル解析する。次に、そのスペクトル解析に基づいて、低周波成分(LF)に対する高周波成分(HF)の比HF/LFを算出する。このHF/LFにより、ユーザのストレス度を判断し、そのストレス度に基づいて運転を制御する、特に風量や風向について制御する。例えば、ストレス度が高い場合、そのストレスを下げるために、風量を減少させる、またはユーザに風が当たらないように風向を上向きにする。一方、ストレス度が低い場合、そのストレスを上げるために、風量を増加する、ユーザに風が当たるように風向を下向きする、または温度を下げる。
特開2002−89927号公報
しかしながら、特許文献1に記載された空気調和機の場合、ユーザが快適と感じない運転を行う可能性がある。具体的に言えば、ユーザが、暑すぎてストレスを感じている場合(暑すぎて不快な場合)と、寒すぎてストレスを感じている場合(寒すぎて不快)とを区別していない。すなわち、暑い、暖かい、涼しい、寒いなど、温度についてのユーザの体感(温冷感)を考慮していない。そのため、例えば、冷房運転時に暑すぎて大きいストレスを感じているときに、風量を減少させる、またはユーザに風があたらないように風向を変更し、それによって冷えずにストレスが大きくなる可能性がある。また例えば、暖房運転時、快適に暖かくストレスを感じていないときに、風量を増加させる、またはユーザに風が当たるように風向を変更し、それにより暑すぎてストレスが大きくなる可能性がある。その結果として、ユーザが不快と感じる可能性がある。
そこで、本発明は、空気調和機において、ユーザの温冷感を考慮して、ユーザにとって快適な運転を実行することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
空気調和機であって、
室内にいるユーザの脈拍または心拍を測定するバイタルサイン測定デバイスと、
トーン・エントロピー法を用いて前記バイタルサイン測定デバイスの検出結果からトーン値とエントロピー値とを算出するトーン/エントロピー算出部と、
トーン値およびエントロピー値の組み合わせと前記ユーザの温冷感との間の対応関係に基づいて、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値とが前記ユーザの快適な温冷感に対応するトーン値およびエントロピー値の組み合わせとなるように、前記空気調和機の運転を制御する運転制御部と、を有する、空気調和機が提供される。
本発明によれば、空気調和機において、ユーザの温冷感を考慮して、ユーザにとって快適な運転を実行することができる。
一例の心拍波形を示す図 一例のPI度数分布を示す図 トーン−エントロピーマップを示す図 温度環境によって異なる、トーン値とエントロピー値の変化を示す図 温度環境によって異なる、収束状態のトーン値とエントロピー値とを示す図 本発明の一実施の形態に係る空気調和機が配置された部屋を示す図 空気調和機の構成を概略的に示す図 空気調和機の制御系を示すブロック図 暑すぎて不快であるときの運転制御を説明するためのトーン−エントロピーマップを示す図 寒すぎて不快であるときの運転制御を説明するためのトーン−エントロピーマップを示す図 本発明の別の実施の形態に係る空気調和機が配置された部屋を示す図
本発明の一態様の空気調和機は、室内にいるユーザの脈拍または心拍を測定するバイタルサイン測定デバイスと、トーン・エントロピー法を用いて前記バイタルサイン測定デバイスの検出結果からトーン値とエントロピー値とを算出するトーン/エントロピー算出部と、トーン値およびエントロピー値の組み合わせと前記ユーザの温冷感との間の対応関係に基づいて、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値とが前記ユーザの快適な温冷感に対応するトーン値およびエントロピー値の組み合わせとなるように、前記空気調和機の運転を制御する運転制御部と、を有する。
このような一態様によれば、空気調和機において、ユーザの温冷感を考慮して、ユーザにとって快適な運転を実行することができる。
例えば、前記空気調和機が、前記対応関係を示す、一方の軸がトーン値を表し、他方の軸がエントロピー値を表すトーン−エントロピーマップを有してもよい。この場合、前記運転制御部が、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値とが前記ユーザの快適な温冷感に対応する前記トーン−エントロピーマップにおける快適領域内に存在するように、前記空気調和機の運転を制御する。
例えば、前記空気調和機が、前記室内の室内温度を調節可能に構成されている場合、前記運転制御部が、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内温度を低下させる運転を実行する。また、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内温度を上昇させる運転を実行する。これにより、空気調和機は、暑すぎて不快または寒すぎて不快に感じているユーザに対して快適な運転を実行することができる。
例えば、前記空気調和機が、冷房運転および暖房運転を実行可能に、且つ前記ユーザへの送風量を調節可能に構成されている場合、冷房運転時、前記運転制御部が、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を増加させる運転を実行し、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を減少させる運転を実行する。一方、暖房運転時、前記運転制御部が、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を減少させる運転を実行し、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を増加させる運転を実行する。これにより、空気調和機は、冷房運転時または暖房運転時、暑すぎて不快または寒すぎて不快に感じているユーザに対して快適な運転を実行することができる。
例えば、前記空気調和機が、前記室内の室内湿度を調節可能に構成されている場合、前記運転制御部が、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内湿度を低下させる運転を実行する。また、前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内湿度を上昇させる運転を実行する。これにより、空気調和機は、暑すぎて不快または寒すぎて不快に感じているユーザに対して快適な運転を実行することができる。
空気調和機は、前記バイタルサイン測定デバイスとして、ミリ波をユーザに向かって出射し、当該ユーザによって反射されたミリ波を受信し、その受信したミリ波に基づいて当該ユーザの心拍を測定する心拍測定デバイスを有してもよい。
空気調和機は、前記バイタルサイン測定デバイスとして、ユーザをカメラによって連続的に撮影し、その連続撮影画像に写るユーザの像の色合いの変化に基づいて脈拍を測定する脈拍測定デバイスを有してもよい。
空気調和機は、前記バイタルサイン測定デバイスとして、ユーザに装着され、ユーザの心拍を測定し、心拍測定値を前記トーン/エントロピー算出部に無線を介して送信する心電計を有してもよい。
空気調和機は、前記バイタルサイン測定デバイスとして、ユーザに装着され、赤外線をユーザに向かって出射し、当該ユーザによって反射された赤外線を受信し、その受信した赤外線に基づいて当該ユーザの脈拍を測定し、脈拍測定値を前記トーン/エントロピー算出部に無線を介して送信する脈拍測定デバイスを有してもよい。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
本発明に係る空気調和機は、「トーン・エントロピー法」に基づいている。具体的には、本発明に係る空気調和機は、「トーン・エントロピー法」に基づいて算出される「トーン値」と「エントロピー値」とを用いて運転を制御する。そのため、まず、その「トーン・エントロピー法」について説明する。
トーン・エントロピー法は、図1に示すように、心拍波形(心電図波形)におけるR−R間隔の変化率に基づく心臓自律神経活動計測法であり、様々な分野で使用されている。このトーン・エントロピー法では、まず、R−R間隔の変化率PI(Percentage Index)を算出する。n(整数)番目のR−R間隔RRI(n)からn+1番目のR−R間隔RRI(n+1)への変化率PI(n)は、数式(1)を用いて算出される。
Figure 0006861366
数式(1)を用いて算出されるPIは、心拍数に関連している。PIが正の値である場合、それは心拍数が上昇していることを示している。心拍数の上昇は、交感神経系の活動が、副交感神経系の活動に比べて優位であることを示している。
一方、PIが負の値である場合、それは心拍数が減少していることを示している。心拍数の減少は、副交感神経系の活動が、交感神経系の活動に比べて優位であることを示している。
トーン値とエントロピー値とを算出するために、PIは一定の時間の間計測される(N(整数)個のPI値が取得される)。そのN個のPI値は、M(整数)個の階級別に分類される。その結果、図2に示すようなPIヒストグラム(PI度数分布)が作製される。例えば、階級iは、0〜1%の範囲である。図2に示すPI度数分布においては、階級iの度数は、fiである。
トーン値Tは、PI度数分布におけるPIの平均値である。トーン値Tは、数式(2)を用いて算出される。
Figure 0006861366
数式(2)を用いて算出されるトーン値Tは、心拍数の増減のバランスを示しており、また、交感神経系と副交感神経系がどのようなバランスで活動しているかを示している。
エントロピー値Eは、PI度数分布における分布の均一性を示す指標である。エントロピー値Eは、数式(3)を用いて算出される。
Figure 0006861366
ここで、数式(3)内のp(i)は、階級iの生起確率である。生起確率p(i)は、数式(4)を用いて算出される。
Figure 0006861366
ここで、数式(4)内のfsumは、全階級の度数の合計である。
数式(3)〜(4)を用いて算出するエントロピー値Eが相対的に小さい値である場合、PI度数分布は、ゼロのPI値に近い階級(図2の場合、階級i、i−1)の度数が他の階級の度数に比べて著しく大きい分布(急峻な山形状の分布)をとる。このことは、自律神経の活動が弱く、心拍数がほとんど変化していないことを示している。一方、エントロピー値Eが相対的に大きい値である場合、PI度数分布は、各階級の度数が概ね均一な分布をとる。すなわち、R−R間隔の変化幅が大きく、PI値の絶対値が大きい。このことは、自律神経の活動が活発で、心拍数が大きく変動していることを示している。したがって、エントロピー値は、自律神経の活動の強弱を示している。
なお,トーン値とエントロピー値とを算出するために必要な心拍波形におけるR−R間隔RRIの代わりとして、心拍数や脈拍数を利用することも可能である。R−R間隔が、心拍数や脈拍数と対応関係にあるからである。例えば、R−R間隔が1秒である場合、心臓の心室が一秒間に一回収縮しているため、心拍数(1分あたり)は60回である。また、不整脈などの疾患がない場合には、心拍数と脈拍数は同一である。したがって、トーン値やエントロピー値を算出するために、心拍数や脈拍数を利用することが可能である。
このようなトーン・エントロピー法に基づくトーン値Tとエントロピー値Eとを空気調和機の運転制御に用いる理由は、本発明の発明者がトーン値Tとエントロピー値Eが、図3に示すように、空気調和機のユーザの「温冷感」と対応していることを発見したからである。なお、ここでの「温冷感」は、暑さ、温かさ、涼しさ、寒さなどのユーザの周囲環境温度についての体感を言う。
図3は、一方の軸(縦軸)がトーン値Tを表し、他方の軸(横軸)がエントロピー値Eを表す、トーン−エントロピーマップである。
発明者は、図3に示すように、暑すぎることもなくまた寒すぎることもない快適な体感(例えば室温18〜28度の室内にいるときの体感)に対応するトーン値とエントロピー値の組み合わせが存在することを、実験的に突き止めた。すなわち、トーン−エントロピーマップにおいて、ユーザが快適と感じる快適領域Asの存在を突き止めた。
また、発明者は、図3に示すように、暑すぎて不快な体感に対応するトーン値とエントロピー値の組み合わせ、すなわちトーン−エントロピーマップにおける不快領域Ah(第1の不快領域)を実験的に突き止めた。
さらに、発明者は、図3に示すように、寒すぎて不快な体感に対応するトーン値とエントロピー値の組み合わせ、すなわちトーン−エントロピーマップにおける不快領域Ac(第2の不快領域)を実験的に突き止めた。
このようなトーン値Tとエントロピー値Eの組み合わせとユーザの温冷感との対応関係は、温度が異なる複数の温度環境下に複数のユーザ(被験者)をおき、その複数のユーザのトーン値とエントロピー値Eを計測することによって突き止められた。
例えば、図4は、一被験者の複数の温度環境下におけるトーン値とエントロピー値の変化を示している。また、図5は、複数の温度環境下における収束状態のトーン値とエントロピー値とを示している。
図4および図5に示すように、35度の温度環境下、すなわち被験者が暑すぎて不快に感じる環境下でのトーン値Tとエントロピー値Eは、2度の温度環境下、すなわち被験者が寒すぎて不快に感じる環境下でのトーン値Tとエントロピー値Eに対して、トーン−エントロピーマップにおいて分布範囲が異なる。
具体的には、図4に示すように、暑すぎて不快である場合(35度の場合)のトーン値Tは、0〜−0.05%の範囲に集中し、一方、寒すぎて不快である場合(2度の場合)のトーン値Tは、−0.25〜−0.4%の範囲に集中している。
また暑すぎて不快である場合(35度の場合)のエントロピー値Eは、3〜3.5の範囲に集中し、一方、寒すぎて不快である場合(2度の場合)のエントロピー値Eは、4.5〜5の範囲に集中している。
したがって、図3に示すトーン−エントロピーマップにも示すように、また、トーン値Tとエントロピー値Eが収束した状態(安定した状態)を示す図5からも明らかなように、暑すぎて不快である場合のトーン値とエントロピー値の組み合わせを含む不快領域Ahは、寒すぎて不快である場合のトーン値とエントロピー値の組み合わせを含む不快領域Acに対して、トーン値が高く且つエントロピー値が低い(弱い)。したがって、トーン値Tとエントロピー値Eとに基づいて、ユーザが、暑すぎて不快であるのか、あるいは寒すぎて不快であるのかを区別することが可能である。
また、図4および図5に示すように、ユーザが快適と感じる場合(20度および23度の場合)、そのトーン値とエントロピー値との組み合わせは、暑すぎる場合の不快領域Ahと、寒すぎる場合の不快領域Acとの間に概ね分布する。したがって、図3に示すように、トーン−エントロピーマップにおいて、ユーザが快適な快適領域Asは、不快領域Ah、Acの間に位置する。
以上のようなトーン−エントロピーマップ、すなわちトーン値およびエントロピー値の組み合わせとユーザの温冷感との間の対応関係に基づいて、発明者は、ユーザの体感が快適になるように空気調和機の運転を制御することを考えた。
すなわち、発明者は、ユーザのトーン値Tとエントロピー値Eが快適領域As内に存在するように空気調和機の運転を制御することを考えた。また、トーン値Tとエントロピー値Eが不快領域AhまたはAcに存在するときは、ユーザが明らかに暑すぎて不快または寒すぎて不快と感じているので、その不快が解消される運転を実行することを考えた。ここからは、そのための空気調和機について、具体的に説明する。
図6は、本発明の一実施の形態に係る空気調和機が設置された室内(部屋)を概略的に示している。また、図7は、空気調和機の概略的な構成図である。さらに、図8は、空気調和機の制御系のブロック図である。
図7に示すように、本実施の形態に係る空気調和機10は、室内機12と室外機14とを有する。
図6に示すように、空気調和機10の室内機12は、部屋R内(室内)に設置される。室外機14は、部屋Rの外部(室外)に設置される。空気調和機10のユーザUは、室内機12が設置された部屋R内に居る。
図7に示すように、空気調和機10は、室内機12に設けられた室内熱交換器16と、室外機14に設けられた室外熱交換器18と、冷媒を圧縮する圧縮機20と、冷媒の流れ方向を切り換える四方弁22と、冷媒を減圧する膨張弁24と、これらを接続する冷媒配管26とを有する。また、室内機12には、室内熱交換器16と熱交換した後の空気を室内に送風する室内ファン28と、室内機12から送出される風Wの向きを変更する上下ルーバー30とが設けられている。さらに、室外機14には、室外熱交換器18と熱交換した後の空気を屋外に送風する室外ファン32が設けられている。
図7は、冷房運転時の空気調和機10の状態を示している。冷房運転時、圧縮機20から吐出された冷媒は、四方弁22、室外熱交換器18、膨張弁24、室内熱交換器16、および四方弁22を順に通過して圧縮機20に戻る。一方、暖房運転時、圧縮機20から吐出された冷媒は、四方弁22、室内熱交換器16、膨張弁24、室外熱交換器18、および四方弁22を順に通過して圧縮機20に戻る。
室内ファン28は、冷房運転時には室内熱交換器16との熱交換によって冷やされた空気を部屋R内に向かって送風し、暖房運転時には室内熱交換器16との熱交換によって温められた空気を送風する。
上下ルーバー30は、室内機12から部屋R内に向かって送風される空気(室内熱交換器16と熱交換した後の空気)(風W)の向きを変更する。上下ルーバー30は、例えば部屋Rの天井に空気が向かう方向と床に空気が向かう方向との間で、送風方向を変更する。
室外ファン32は、室外熱交換器18と熱交換した後の空気を屋外に排出する。
図8に示すように、空気調和機10は、圧縮機20、四方弁22、室内ファン28、上下ルーバー30、および室外ファン32を制御する制御装置50を有する。
制御装置50は、空気調和機10の運転を制御する、すなわち圧縮機20、四方弁22、室内ファン28、上下ルーバー30、および室外ファン32を制御する運転制御部52を有する。また、制御装置50は、ユーザの心拍データを取得する心拍データ取得部54と、ユーザのトーン値Tとエントロピー値Eとを算出するトーン/エントロピー値算出部56と、記憶部58とを有する。
制御装置50(その運転制御部52、心拍データ取得部54、およびトーン/エントロピー算出部56)は、室内機12または室外機14に設けられ、マイクロコンピュータなどのCPU(演算処理装置)、ROMやRAMなどのメモリ(記憶部58)、これらを接続する回路、外部と通信するためのポートなどが設けられた制御基板である。制御装置50はまた、圧縮機20、四方弁22、室内ファン28、上下ルーバー30、および室外ファン32を制御するために、これらに対して信号線を介して接続されている。さらに、制御装置50は、記憶装置に記憶されているプログラムを演算処理装置が実行することにより、様々な動作を実行する。
図8に示すように、制御装置50は、リモートコントローラ34とバイタルサイン測定デバイス36と通信接続されている。
リモートコントローラ34は、図6に示すように、ユーザUが空気調和機10を操作するためのデバイス、すなわち空気調和機10の運転条件をユーザUが設定するためのデバイスである。例えば、ユーザがリモートコントローラ34を介して部屋R内の室内温度を設定すると(設定温度を入力すると)、その設定温度を維持するように室内温度を調節するために、制御装置50の運転制御部52が圧縮機20の出力を調節する。
また、ユーザUがリモートコントローラ34を介して冷房運転から暖房運転またはその逆に運転を変更した場合、運転制御部52が四方弁22を制御して冷媒の流れ方向を切り換える。
さらに、ユーザUがリモートコントローラ34を介して室内機12からの送風量を設定すると(設定風量を入力すると)、その設定風量を維持するように、運転制御部52が室内ファン28の回転数を調節する。
さらにまた、ユーザUがリモートコントローラ34を介して室内機12の送風方向を設定すると、その設定された送風方向になるように、運転制御部52が上下ルーバー30の水平軸に対する傾きを調節する。すなわち、風向を変えることにより、ユーザUへの送風量を調節する。
加えて、ユーザUがリモートコントローラ34を介して所定の室内湿度を設定すると(設定湿度を入力すると)、その設定湿度を実現するために、運転制御部52は圧縮機20と四方弁22とを制御して除湿運転を実行する。
バイタルサイン測定デバイス36は、本実施の形態の場合、ユーザの心拍測定を該ユーザに接触することなく実行する非接触式デバイスであって、図6に示すように室内機12に搭載されている。
バイタルサイン測定デバイス36は、本実施の形態の場合、ミリ波をユーザUに向かって出射し、当該ユーザUによって反射されたミリ波を受信し、その受信したミリ波に基づいて当該ユーザの心拍を測定するように構成されている非接触式心拍測定デバイスである。バイタルサイン測定デバイス36は、定期的にユーザUの心拍測定を行う。また、バイタルサイン測定デバイス36によって測定された心拍データは、制御装置50の心拍データ取得部54に送信される。
なお、バイタルサイン測定デバイス36は、ユーザUをカメラによって連続的に撮影し、その連続撮影画像に写るユーザの像(特に顔の像)の色合いの変化に基づいて脈拍を測定する脈拍デバイスであってもよい。上述したように、心拍と脈拍は対応するからである。
バイタルサイン測定デバイス36からの心拍データを制御装置50の心拍データ取得部54が取得すると、トーン/エントロピー算出部56は、その取得した心拍データからトーン値Tとエントロピー値Eとを算出する(上述の数式(1)〜(4)に基づいて)。
運転制御部52は、トーン/エントロピー算出部56によって算出されたトーン値Tおよびエントロピー値Eと、記憶部58に記憶されているトーン−エントロピーマップ(E−Tマップ)60とに基づいて、ユーザUの温冷感を確認する。
トーン/エントロピー算出部56によって算出されたトーン値Tとエントロピー値Eが図3に示すトーン−エントロピーマップにおける快適領域Asに存在する場合、運転制御部52は、ユーザが快適と感じている環境を維持するために、現在実行中の運転を維持する(すなわち、室内温度、送風量、送風方向、および室内湿度を維持する)。これにより、ユーザの快適な体感を維持することができる。
また、トーン/エントロピー算出部56によって算出されたトーン値Tとエントロピー値Eとが快適領域Asの外に存在する場合、運転制御部52は、これからトーン/エントロピー算出部56によって算出されるトーン値Tとエントロピー値Eが快適領域Asに存在するように、運転を制御する。具体的には、圧縮機20、四方弁22、および室内ファン28、上下ルーバー30の少なくとも1つを制御して、室内温度、送風量、送風方向、および室内湿度の少なくとも1つを調節する。その調節が適当であるか否かは、その調節後に算出されたトーン値Tとエントロピー値Eが快適領域Asに接近したか否かで判断することができる。これにより、ユーザを快適な体感にすることができる。
さらに、図9に示すように、トーン/エントロピー算出部56によって算出されたトーン値Tとエントロピー値EがユーザUの暑すぎて不快な体感に対応する不快領域Ahに存在する場合(C1点)、運転制御部52は、冷房運転時において、室内温度を低下させる運転、ユーザUへの送風量を増加させる運転、および室内湿度を低下させる運転の少なくとも1つを実行する。室内温度を低下させるために、圧縮機20の出力を上昇させる。また、ユーザUへの送風量を増加させるために、室内ファン28の回転数を上げる、および/または上下ルーバー30によって送風方向を床方向に変更する。さらに室内湿度を低下させるために除湿運転を行う。例えば、圧縮機20の出力が最大である場合には、室内ファン28の回転数が上げられる。なお、冷房運転時にユーザUが暑すぎて不快な体感になる状況として、例えば、夏の暑い日に外出していたユーザUが冷房運転によって十分に冷えた部屋Rに帰ってきた状況が挙げられる。
一方、暖房運転時においては、運転制御部52は、室内温度を低下させる運転、ユーザUへの送風量を減少させる運転、および室内湿度を低下させる運転の少なくとも1つを実行する。なお、暖房運転時にユーザUが暑すぎて不快な体感になる状況として、例えば、ユーザUが暖かい食事をとった直後や風呂あがりの直後が挙げられる。
これらの運転制御により、図9に示すように、トーン値Tとエントロピー値E(点C1)を、不快領域Ahから快適領域Asにシフトさせることができる。これにより、暑すぎて不快なユーザUの体感を快適な体感にシフトさせることができる。
さらにまた、図10に示すように、トーン/エントロピー算出部56によって算出されたトーン値Tとエントロピー値EがユーザUの寒すぎて不快な体感に対応する不快領域Acに存在する場合(C2点)、運転制御部52は、冷房運転時において、室内温度を上昇させる運転、ユーザUへの送風量を減少させる運転、および室内湿度を上昇させる運転の少なくとも1つを実行する。室内温度を上昇させるために、圧縮機20の出力を低下させる。ユーザUへの送風量を減少させるために、室内ファン28の回転数を下げる、および/または上下ルーバー30によって送風方向を天井方向に変更する。なお、冷房運転時にユーザUが寒すぎて不快な体感になる状況として、例えば、ユーザが冷たい食事をとった直後や服を脱いだ状況が挙げられる。
一方、暖房運転時においては、運転制御部52は、室内温度を上昇させる運転、ユーザUへの送風量を増加させる運転、および室内湿度を上昇させる運転の少なくとも1つを実行する。なお、暖房運転時にユーザUが寒すぎて不快な体感になる状況として、例えば、ユーザが、冬の寒い日に外出していたユーザUが暖房運転によって十分に温められた部屋Rに帰ってきた状況が挙げられる。
これらの運転制御により、図10に示すように、トーン値Tとエントロピー値E(点C2)を、不快領域Acから快適領域Asにシフトさせることができる。これにより、寒すぎて不快なユーザUの体感を快適な体感にシフトさせることができる。
以上、このような本実施の形態によれば、空気調和機において、ユーザの温冷感を考慮して、ユーザにとって快適な運転を実行することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示すトーン−エントロピーマップを用いて、空気調和機10の運転がユーザにとって快適な運転となるように制御される。しかしながら、本発明の実施の形態は、トーン−エントロピーマップに限らない。例えば、予め求められた、トーン値およびエントロピー値の組み合わせとユーザの温冷感との間の対応関係を示すテーブルや数式を用いてもよい。
また例えば、上述の実施の形態の場合、図6に示すように、ユーザUの心拍(対応する脈拍)を測定するバイタルサイン測定デバイス36は、空気調和機10(その室内機12)に搭載される、非接触式の測定デバイスである。これに代わって、バイタルサイン測定デバイスは、接触式であってもよい。
また、例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示すトーン−エントロピーマップを用いて、空気調和機10の運転がユーザにとって快適な運転となるように制御される。しかしながら、本発明の実施の形態は、温冷感に関連したトーン−エントロピーマップに限らない。例えば、現在の室内環境で、ユーザが事務や学習など何らかの作業を遂行している際の、ユーザ自身の疲労度や緊張度、感情や「情緒」の変化などを読み取り、空調制御による疲労度軽減、緊張度緩和、感情の起伏によるイライラ度の解消をなすことにより、気分よく作業を遂行できる空間の構築を行うための、温冷感とはまた異なる算出方法を用いても良い。その際のバイタルサイン測定デバイスについては、その形式は問わない。
図11は、本発明の別の実施の形態に係る空気調和機が配置された部屋を示している。
図11に示す空気調和機110は、バイタルサイン測定デバイスを除いて、上述の実施の形態に係る空気調和機10と実質的に同一である。
図11に示す空気調和機110は、ユーザに着脱可能に装着される接触式バイタルサイン測定デバイス136を有する。このバイタルサイン測定デバイス136は、例えばベルト(図示せず)を介してユーザUの胸に装着され、ユーザUの心拍を測定する心拍計である。また、このバイタルサイン測定デバイス136は、無線通信を介して、トーン/エントロピー算出部56に(すなわち室内機112内の制御装置の心拍データ取得部)に心拍測定値(心拍データ)を送信するように構成されている。
なお、これに代わって、ユーザに装着される接触式バイタルサイン測定デバイス136は、腕時計型であって、赤外線をユーザの血液(血管)に向かって出射し、当該ユーザによって反射された赤外線を受信し、その受信した赤外線(その反射量)に基づいて当該ユーザの脈拍を測定し、その脈拍測定値(脈拍データ)を、無線通信を介して、トーン/エントロピー算出部56に(すなわち室内機112内の制御装置の心拍データ取得部)に送信する脈拍測定デバイスであってもよい。
すなわち、本発明の実施の形態に係る空気調和機は、広義には、室内にいるユーザの脈拍または心拍を測定するバイタルサイン測定デバイスと、トーン・エントロピー法を用いて前記バイタルサイン測定デバイスの検出結果からトーン値とエントロピー値とを算出するトーン/エントロピー算出部と、トーン値およびエントロピー値の組み合わせと前記ユーザの温冷感との間の対応関係に基づいて、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値とが前記ユーザの快適な温冷感に対応するトーン値およびエントロピー値の組み合わせとなるように、前記空気調和機の運転を制御する運転制御部と、を有する空気調和機である。
本発明は、空気調和機であれば適用可能である。
10 空気調和機
36 バイタルサイン測定デバイス
52 運転制御部
56 トーン/エントロピー算出部

Claims (9)

  1. 空気調和機であって、
    室内にいるユーザの脈拍または心拍を測定するバイタルサイン測定デバイスと、
    心臓自律神経活動計測法であるトーン・エントロピー法を用いて前記バイタルサイン測定デバイスの検出結果からトーン値とエントロピー値とを算出するトーン/エントロピー算出部と、
    トーン値およびエントロピー値の組み合わせと前記ユーザの温冷感との間の対応関係に基づいて、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値とが前記ユーザの快適な温冷感に対応するトーン値およびエントロピー値の組み合わせとなるように、前記空気調和機の運転を制御する運転制御部と、を有する空気調和機。
  2. 前記対応関係を示す、一方の軸がトーン値を表し、他方の軸がエントロピー値を表すトーン−エントロピーマップを有し、
    前記運転制御部が、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値とが前記ユーザの快適な温冷感に対応する前記トーン−エントロピーマップにおける快適領域内に存在するように、前記空気調和機の運転を制御する、請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記空気調和機が、前記室内の室内温度を調節可能に構成され、
    前記運転制御部が、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内温度を低下させる運転を実行し、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内温度を上昇させる運転を実行する、請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記空気調和機が、冷房運転および暖房運転を実行可能に、且つ前記ユーザへの送風量を調節可能に構成され、
    冷房運転時、前記運転制御部が、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を増加させる運転を実行し、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を減少させる運転を実行し、
    暖房運転時、前記運転制御部が、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を減少させる運転を実行し、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記送風量を増加させる運転を実行する、請求項2または3に記載の空気調和機。
  5. 前記空気調和機が、前記室内の室内湿度を調節可能に構成され、
    前記運転制御部が、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの暑すぎて不快な温冷感に対応する第1の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内湿度を低下させる運転を実行し、
    前記トーン−エントロピーマップにおけるユーザの寒すぎて不快な温冷感に対応する第2の不快領域に前記トーン/エントロピー算出部によって算出されたトーン値とエントロピー値が存在する場合には、前記室内湿度を上昇させる運転を実行する、請求項2から4のいずれか一項に記載の空気調和機。
  6. 前記バイタルサイン測定デバイスとして、ミリ波をユーザに向かって出射し、当該ユーザによって反射されたミリ波を受信し、その受信したミリ波に基づいて当該ユーザの心拍を測定する心拍測定デバイスを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和機。
  7. 前記バイタルサイン測定デバイスとして、ユーザをカメラによって連続的に撮影し、その連続撮影画像に写るユーザの像の色合いの変化に基づいて脈拍を測定する脈拍測定デバイスを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和機。
  8. 前記バイタルサイン測定デバイスとして、ユーザに装着され、ユーザの心拍を測定し、心拍測定値を前記トーン/エントロピー算出部に無線を介して送信する心電計を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和機。
  9. 前記バイタルサイン測定デバイスとして、ユーザに装着され、赤外線をユーザに向かって出射し、当該ユーザによって反射された赤外線を受信し、その受信した赤外線に基づいて当該ユーザの脈拍を測定し、脈拍測定値を前記トーン/エントロピー算出部に無線を介して送信する脈拍測定デバイスを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和機。
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