以下、図面を参照して本発明に係る容器支持具および分配装置の実施の形態を説明する。以下では、まず、容器支持具の実施の形態を説明し、次に、分配装置の実施の形態を説明する。
(容器支持具)
図1は、本発明に係る容器支持具の実施の形態の一例を示す概略斜視図である。本実施形態の容器支持具10は、たとえば、複数の容器Cを吊り下げて支持するための治具、機構、構造体、または装置である。なお、容器Cを支持する方法は、吊り下げに限定されず、たとえば容器Cを上向きに固定して支持してもよい。本実施形態の容器支持具10は、鉛直方向に交差する方向に延びる支持部11と、この支持部11によって支持されて支持部11の延在方向および鉛直方向に交差する方向に延びる複数のアーム部12と、このアーム部12に支持されて容器を着脱自在に保持する複数の保持部13と、を備えることを特徴としている。
容器支持具10によって吊り下げられて支持される複数の容器Cは、たとえば、医薬品分野において、細胞や薬剤を含む懸濁液を収容するため容器である。このような容器Cとしては、たとえば、樹脂フィルムを重ねて溶着することで袋状に形成されたバッグを例示することができる。容器Cは、たとえば、内容物を充填するための入口ポート、充填された内容物を排出するための出口ポート、気体を排出するための排気ポートを含む、各種のポートを有することができる。
なお、容器支持具10によって支持される容器Cの用途は、医療分野に限定されず、たとえば、調味料や飲料を含む食品を収容するための容器であってもよい。また、容器Cは、前述の樹脂フィルム製の可撓性を有するバッグに限定されず、所定の形状を維持可能な剛性を有する容器であってもよい。容器支持具10は、たとえば、液状物や粒状物などの流動性を有する内容物が無菌的に充填される容器Cの取り扱いに適している。
また、容器支持具10は、たとえば、5個、8個、または10個よりも多い、複数の容器Cを吊り下げて、これらの容器Cに内容物を分注する用途に適している。なお、本実施形態の容器支持具10では、たとえば、100個以上の容器Cの取り扱いを想定している。図1では図示を省略しているが、各々の容器Cは、たとえば、各種のポートにチューブ20が接続されており、そのチューブ20を介して内容物を供給する供給元30に接続されている(図8参照)。このチューブ20には、たとえば、内容物を供給元30から各容器Cに圧送する各種のポンプなどの圧送部40が設けられていてもよい。以下、本実施形態の容器支持具10の各部の構成について、詳細に説明する。
支持部11は、鉛直方向に交差する方向に延び、その延在方向に並んだ複数のアーム部12を支持している。図1に示す例において、支持部11は、おおむね水平方向に延びる主軸11aを有し、その主軸11aの延在方向の両端部に脚部11bを有している。なお、本実施形態では、支持部11の主軸11aの延在方向を、支持部11の延在方向という。脚部11bは、床面や載置面など、容器支持具10が配置される面から鉛直方向の所定の高さに主軸11aを支持している。図1に示す例において、脚部11bは、鉛直方向に延びる棒状で、下端部に矩形板状の台座11cを有している。なお、脚部11bの構成は、図1に示す例に限定されない。たとえば、支持部11は、鉛直方向に対して傾斜する複数の脚部11bを有していてもよい。
支持部11は、支持部11の延在方向の長さを延長可能な延長部11dを有してもよい。延長部11dは、たとえば、支持部11と同一の素材からなり、支持部11とおおむね同一の断面形状および断面積を有している。延長部11dは、たとえば、延在方向の長さが支持部11の延在方向の長さと同等でもよく、それよりも短くても長くてもよい。たとえば、支持部11の延在方向の端部に雄ねじまたは雌ねじを形成し、延長部11dの端部に雌ねじまたは雄ねじを形成し、支持部11の端部の雄ねじまたは雌ねじに延長部11dの雌ねじまたは雄ねじを締結することで、支持部11の端部に延長部11dを取付け、支持部11の延在方向の長さを延長することができる。なお、支持部11と延長部11dとの連結方法は、ねじによる締結に限定されず、任意の連結方法を採用することができる。
アーム部12は、支持部11によって支持され、支持部11の延在方向および鉛直方向に交差する方向に延びている。図1に示す例において、アーム部12は、おおむね水平方向でかつ支持部11の主軸11aとおおむね垂直に交差する方向に延びる棒状または軸状に形成されている。また、複数のアーム部12は、たとえば、互いに平行になるように、支持部11によって支持されている。
なお、支持部11およびアーム部12は、たとえば、水平方向に対して所定の角度で傾斜していてもよく、延在方向の途中で屈曲していてもよい。また、複数のアーム部12の延在方向は、互いに平行でなくてもよく、支持部11の主軸11aの延在方向に対して異なる角度で傾斜していてもよい。なお、本実施形態では、アーム部12の長手方向すなわち軸方向をアーム部12の延在方向という。
図1に示す例において、アーム部12は、支持部11の両側に延びている。ここで、支持部11の両側とは、たとえば、支持部11の延在方向および鉛直方向に交差する方向において、支持部11を挟んで両側に存在するスペースすなわち空間を意味する。なお、アーム部12は、必ずしも支持部11の両側に延びている必要はなく、支持部11の片側だけに延びていてもよく、交互に延びていてもよい。
アーム部12は、アーム部12の延在方向の長さを延長可能な延長部12aを有してもよい。延長部12aは、たとえば、アーム部12と同一の素材からなり、アーム部12とおおむね同一の断面形状および断面積を有している。延長部12aは、たとえば、延在方向の長さがアーム部12の延在方向の長さと同等でもよく、それよりも短くても長くてもよい。たとえば、アーム部12の延在方向の端部に雄ねじまたは雌ねじを形成し、延長部12aの端部に雌ねじまたは雄ねじを形成し、アーム部12の端部の雄ねじまたは雌ねじに延長部12aの雌ねじまたは雄ねじを締結することで、アーム部12の端部に延長部12aを取付け、アーム部12の延在方向の長さを延長することができる。なお、アーム部12と延長部12aとの連結方法は、ねじによる締結に限定されず、任意の連結方法を採用することができる。
保持部13は、たとえば、各々のアーム部12の延在方向に間隔をあけて配置されてアーム部12によって支持され、容器Cを着脱自在に保持することができる構成を有している。保持部13は、アーム部12に設けられていてもよいし、アーム部12に対して着脱自在に取り付けられていてもよい。具体的には、保持部13は、たとえば、容器Cを挟持するクリップや、容器Cを磁力によって保持するマグネットなどによって構成することができる。クリップは、たとえば、ばねなどの弾性力によって容器Cを挟持する。マグネットは、たとえば、容器Cの両側に配置されて磁力によって容器Cを着脱自在に挟持してもよい。また、容器Cに設けられたマグネットを保持部13に設けられたマグネットに吸着させることで、保持部13によって容器Cを着脱自在に保持してもよい。
図1に示す例において、支持部11の延在方向に互いに隣接するアーム部12は、支持部11の延在方向から見て、保持部13が互いに重なる同一の位置に配置されている。なお、保持部13の配置は、図1に示す例に限定されない。たとえば、支持部11の延在方向に互いに隣接するアーム部12は、支持部11の延在方向から見て、保持部13の少なくとも一部が互いに重ならない位置にずらして配置されていてもよい。
本実施形態の容器支持具10において、支持部11、アーム部12および保持部13は、紫外線滅菌または過酸化水素滅菌に対する耐性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、支持部11、アーム部12および保持部13の素材としては、たとえば、ステンレス鋼などの金属材料を用いることができる。
容器支持具10において、アーム部12は、たとえば、溶接等によって支持部11に対して接合され、支持部11に対して固定されていてもよい。また、容器支持具10は、アーム部12と支持部11の間に、アーム部12を支持部11に着脱自在に取り付け可能な着脱部14を備えていてもよい。
図2Aから図2Cは、それぞれ、図1に示す容器支持具10の着脱部14の一例を示す拡大図である。なお、図2Aから図2Cは、図1に示すアーム部12の延在方向から見た着脱部14の拡大図であり、アーム部12を支持部11の延在方向に沿う断面で切断した状態を示している。
図2Aまたは図2Bに示すように、着脱部14は、たとえば、支持部11の下部または上部に設けられ、アーム部12を下方および側方から支持する円弧状または部分円筒状の形状を有している。着脱部14は、たとえば、側方、上方または斜め上方に開口して、アーム部12を受け入れ可能な開口部14aを有している。着脱部14は、たとえば、弾性変形が可能な金属材料によって構成され、開口部14aの開口幅がアーム部12の直径よりもわずかに小さくされている。
図2Aまたは図2Bに示す着脱部14は、アーム部12を開口部14aに押し込こむことで開口部14aが拡大するように弾性変形し、アーム部12が開口部14aを通過した後に復元することで、アーム部12を円弧状または部分円筒状の部分の内側に係合させて下方および側方から支持する。また、着脱部14に係合させたアーム部12に対して、開口部14aの外側へ向く力を加えることで、開口部14aが拡大するように弾性変形して、アーム部12を着脱部14の円弧状または部分円筒状の部分の内側から取り外すことができる。
図2Cに示す例において、着脱部14は、支持部11の上面に、アーム部12を係合させる凹部として形成されている。この場合、着脱部14は、弾性変形せず、アーム部12の直径と等しいかそれよりもわずかに大きい開口幅の開口部14aを有することができる。このように、アーム部12を着脱自在に取り付け可能な着脱部14として、支持部11が、アーム部12を係合させる凹部を有する構成では、図2Aおよび図2Bに示す例と比較して、支持部11に対するアーム部12の着脱を容易にすることができる。
なお、図2Aから図2Cに示す例において、アーム部12の断面形状は円形であるが、アーム部12の断面形状は、特に限定されない。また、着脱部14の形状は、アーム部12の形状に応じて適宜変更することができる。
図3Aから図3Cは、図1に示す容器支持具10の着脱部14の一例を示す拡大図である。なお、図3Aから図3Cは、図1に示す支持部11の延在方向から見た着脱部14の拡大図であり、支持部11をアーム部12の延在方向に沿う断面で切断した状態を示している。図3Aに示すように、着脱部14は、たとえば、アーム部12の下部に設けることができる。また、図3Bおよび図3Cに示すように、着脱部14は、たとえば、アーム部12および支持部11に設けることができる。
図3Aに示す例において、着脱部14は、一方向に開口部14aを有する角形のU字状に形成され、矩形の断面形状を有する支持部11の外側に係合している。なお、この例において、着脱部14は、たとえば、弾性変形が可能な金属材料によって構成され、開口部14aの開口幅が支持部11の横幅よりもわずかに小さくされていてもよい。
これにより、着脱部14は、たとえば、支持部11を開口部14aに押し込こむことで、開口部14aが拡大するように弾性変形して、支持部11を横方向の両側から挟持する。このように、アーム部12は、着脱部14を介して支持部11に取り付けられる。また、アーム部12に対して、支持部11から離れる方向の上向きの方向の力を加えることで、支持部11の外側に係合していた着脱部14が支持部11から外れ、アーム部12を支持部11から取り外すことができる。
図3Bに示す例において、着脱部14は、たとえば、アーム部12に設けられた突起部12bと、支持部11に設けられた凹溝部11eとによって構成されている。突起部12bは、たとえば、アーム部12から支持部11に向けて突出するように設けられている。突起部12bは、アーム部12の延在方向に平行な方向を幅方向とすると、アーム部12から離隔した先端部の幅がアーム部12に接続された基端部の幅よりも拡大されている。凹溝部11eは、たとえば、支持部11の延在方向に沿って一端から他端まで連続する溝状に形成されている。アーム部12の延在方向に平行な方向を幅方向とすると、凹溝部11eの下端の底部近傍の幅が凹溝部11eの上端の開口部近傍の幅よりも拡大され、凹溝部11eの内部に段差部が形成されている。
このような構成により、図3Bに示す着脱部14は、アーム部12の突起部12bを、支持部11の延在方向の端部から凹溝部11eに挿入して、突起部12bの先端部を凹溝部11eの段差部に係合させ、アーム部12を支持部11に取り付けることができる。また、図3Bに示す着脱部14は、支持部11の延在方向の端部において、突起部12bを凹溝部11eから支持部11の延在方向に抜き取ることで、アーム部12を支持部11から取り外すことができる。このように、着脱部14は、アーム部12を支持部11に対して着脱自在に取り付けることができる。
支持部11は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15を有してもよい。図3Bに示す例において、着脱部14は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15としても機能する。図3Bに示す例において、支持部11の可動支持部15である着脱部14は、凹溝部11eに突起部12bを係合させることで、アーム部12を支持部11の延在方向に滑動可能な状態で支持している。なお、図3Bに示す例では、支持部11の上にアーム部12が配置されているが、上下を逆転させ、支持部11の凹溝部11eに係合させた突起部12bによって、アーム部12を支持部11から吊り下げるように支持してもよい。
図3Cに示す例において、着脱部14は、たとえば、アーム部12に設けられたマグネット14bと、支持部11に設けられたマグネット14cとによって構成されている。アーム部12のマグネット14bは、たとえば、アーム部12の下面に設けられた凹部にはめ込まれて、アーム部12に固定されている。支持部11のマグネットは、たとえば、支持部11の上面に設けられた凹部にはめ込まれて、支持部11に固定されている。着脱部14は、アーム部12のマグネット14bを、支持部11のマグネット14cに吸着させることで、アーム部12を支持部11に着脱自在に取り付け可能に構成されている。
支持部11は、たとえば、アーム部12の支持部11に対する滑動を防止する滑動防止部16を有してもよい。図3Cに示す例において、支持部11のマグネット14cは、アーム部12が支持部11に対して滑動するのを防止する滑動防止部16としても機能する。なお、支持部11の滑動防止部16は、マグネット14cに限定されず、たとえば、支持部11の表面に形成した滑り止めの凹凸や、支持部11の表面に設けられた滑り止めのゴム等であってもよい。
アーム部12は、たとえば、アーム部12の支持部11に対する滑動を防止する滑動防止部16を有してもよい。図3Cに示す例において、アーム部12のマグネット14bは、アーム部12の支持部11に対する滑動を防止する滑動防止部16としても機能する。なお、アーム部12の滑動防止部16は、マグネット14bに限定されず、たとえば、アーム部12の表面に形成した滑り止めの凹凸や、アーム部12の表面に設けられた滑り止めのゴム等であってもよい。
なお、図3Aから図3Cに示す例において、支持部11の断面形状は矩形であるが、支持部11の断面形状は、特に限定されない。また、着脱部14の形状は、支持部11の形状に応じて適宜変更することができる。また、図3Aから図3Cに示す例において、アーム部12は支持部11の延在方向の任意の位置に取り付けることができる。そのため、支持部11に対して、たとえば、V字状や波形の窪みなど、アーム部12の取り付け位置を示す目印を付けてもよい。図3Aから図3Cに示す態様は、アーム部12が支持部11の両側に延在している場合に好適である。
図4Aは、図1に示す容器支持具10の変形例を示す鉛直方向上方から見た概略的な平面図である。図4Aに示す例において、支持部11の延在方向に並んだ複数のアーム部12は、交互に支持部11の反対側に延びている。なお、アーム部12は、一つずつ反対側に延びる必要はなく、複数本おきに交互に支持部11の反対側に延びていてもよい。
図4Bは、図1に示す容器支持具10の変形例を示す水平方向から見た概略的な側面図である。図4Bに示す例において、支持部11の延在方向に並んだ複数のアーム部12は、上方位置と下方位置に交互に配置されている。なお、アーム部12は、一つずつ上方位置と下方位置に交互に配置される必要はなく、複数本おきに上方位置と下方位置に交互に配置されていてもよい。
図5Aは、図1に示す容器支持具10の変形例を示す概略的な拡大平面図である。なお、平面図とは、物体を真上から見た図である。図5Aに示す例において、支持部11は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15を有している。可動支持部15は、たとえば、アーム部12を、鉛直方向に平行な軸Z周りに回動可能に支持している。これにより、可動支持部15は、アーム部12を、支持部11の延在方向および鉛直方向におおむね垂直な方向から、支持部11の延在方向まで、回動可能に支持している。
図5Bは、図1に示す容器支持具10の変形例を示す支持部11の延在方向に垂直な断面における概略的な拡大断面図である。図5Bに示す例において、支持部11は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15を有している。可動支持部15は、たとえば、アーム部12を、支持部11の延在方向に平行な軸X周りに回動可能に支持している。これにより、可動支持部15は、アーム部12を、支持部11の延在方向および鉛直方向におおむね垂直な方向から、鉛直方向まで、回動可能に支持している。
図6Aは、図1に示す容器支持具10の変形例を示す支持部11の延在方向に垂直な断面における概略的な拡大断面図である。図6Aに示す例において、アーム部12は、保持部13に保持されて内容物が満たされた容器Cの荷重によって弾性変形することで、アーム部12の方向または位置を変化させる弾性変形部17を有している。弾性変形部17は、たとえば、ばねやゴムなどの弾性変形が可能な弾性部材によって構成され、一端が支持部11の側面に固定され、他端がアーム部12の基端部に固定されている。なお、弾性変形部17は、支持部11に設けられていてもよく、支持部11およびアーム部12とは独立した別部材であってもよい。
支持部11は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15を有してもよい。図6Aに示す例において、アーム部12の方向または位置を変化させる弾性変形部17は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15としても機能する。たとえば、アーム部12に対して、支持部11から離れる方向に引っ張る力を加えることで、弾性変形部17が弾性変形して伸長し、アーム部12を支持部11の延在方向および鉛直方向に交差するアーム部12の延在方向に移動させることができる。すなわち、可動支持部15としても機能する弾性変形部17は、アーム部12を、アーム部12の延在方向だけでなく、鉛直方向および支持部11の延在方向にも可動に支持している。
図6Bは、図1に示す容器支持具10の変形例を示す支持部11の延在方向に垂直な断面における概略的な拡大断面図である。図6Bに示す例において、アーム部12は、保持部13に保持されて内容物が満たされた容器Cの荷重によって弾性変形することで、アーム部12の位置を変化させる弾性変形部17を有している。弾性変形部17は、たとえば、ばねやゴムなどの弾性変形が可能な弾性部材によって構成され、一端が支持部11の下面に固定され、他端がアーム部12の延在方向の中央部に固定されている。
図6Bに示す例において、支持部11およびアーム部12は、アーム部12を、支持部11の延在方向およびアーム部12の延在方向におおむね垂直な方向に案内するガイド部18を有している。ガイド部18は、たとえば、支持部11に固定された軸部18aと、アーム部12に固定されたスライド部18bとを有している。軸部18aは、支持部11の下面に固定され、支持部11の延在方向およびアーム部12の延在方向におおむね垂直な方向に延び、弾性変形部17に挿通されている。スライド部18bは、軸部18aを挿通させる貫通孔を有している。
支持部11は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15を有してもよい。図6Bに示す例において、アーム部12の位置を変化させる弾性変形部17は、アーム部12を可動に支持する可動支持部15としても機能する。たとえば、アーム部12に対して、支持部11から離れる方向に力を加えることで、弾性変形部17が弾性変形して伸長し、アーム部12を鉛直方向に移動させることができる。すなわち、可動支持部15として機能する弾性変形部17は、アーム部12を、鉛直方向に可動に支持している。
図7Aは、図1に示す容器支持具10の支持部11の変形例を示す概略斜視図である。支持部11は、格子状の構成を備えてもよい。支持部11は、たとえば、支持部11の延在方向および鉛直方向に交差する方向に支持部11を貫通する複数の貫通孔11fを有することができる。貫通孔11fは、アーム部12を、アーム部12の延在方向に挿通させて支持するように、アーム部12の寸法と等しいかそれよりもわずかに大きい寸法に形成されている。
図7Bは、図1に示す容器支持具10の支持部11およびアーム部12の変形例を示す概略図である。支持部11およびアーム部12は、たとえば、伸縮可能な構成を有することができる。たとえば、支持部11およびアーム部12は、一端から他端へ直径が漸次拡大された複数の筒状部によって構成することができる。これにより、直径の大きい筒状部の内側に直径の小さい筒状部を入れ子に配置し、支持部11およびアーム部12を軸方向に伸縮させることができる。
図7Cは、図1に示す容器支持具10の保持部13の変形例を示す概略平面図である。図7Cに示す例において、容器Cを保持する保持部13は、容器Cを保持する枠部13aによって構成されている。枠部13aは、容器Cの一部を係合させる溝部13bを有している。より詳細には、枠部13aは、容器Cの形状に対応する額縁状に形成され、容器Cの一部である容器Cの周縁部を係合させる溝部13bを有している。枠部13aは、外縁部の一側に、アーム部12を挿通させる貫通孔13cを有し、貫通孔13cにアーム部12を挿通させることで、アーム部12に取り付けられる。これにより、保持部13がアーム部12に支持された状態になる。なお、保持部13は、アーム部12に設けられて容器Cの一部を係合させる溝部でもよいし、枠部13aは、たとえば容器Cを挟持することによって、溝部を省略してもよい。
図7Dは、図1に示す容器支持具10の保持部13の変形例を示す概略図である。図7Dに示す例において、容器Cを保持する保持部13は、たとえばアーム部12を分岐させて設けられ、容器Cの一部を係止可能な係止部13dを有している。なお、保持部13は、たとえば、フックなどの適宜の構成を介してアーム部12に支持されるようにしてもよい。より詳細には、保持部13は、容器Cのポートを挟持するようにポートの両側に配置され、ポートを閉塞するキャップの下端を径方向の両側から支持する係止部13dを有することで、容器Cを係止している。
以下、本実施の形態の容器支持具10の作用について説明する。
本実施形態の容器支持具10は、前述のように、複数の容器Cを支持する治具、機構、構造体、または装置である。本実施形態の容器支持具10は、前述のように、鉛直方向に交差する方向に延びる支持部11と、この支持部11によって支持され、支持部11の延在方向および鉛直方向に交差する方向に延びる複数のアーム部12と、このアーム部12に支持され、容器Cを着脱自在に保持する複数の保持部13と、を備えている。
この構成により、本実施形態の容器支持具10は、支持部11の延在方向に複数のアーム部12を並べて、支持部11によって支持することができる。複数のアーム部12は、支持部11の延在方向および鉛直方向に交差する方向に延びている。各アーム部12は、たとえば、その延在方向に、容器Cを着脱自在に保持する複数の保持部13を有している。
これにより、各アーム部12の複数の保持部13に、たとえば複数の容器Cを保持して吊り下げ、その複数の容器Cを保持した複数のアーム部12を、支持部11の延在方向に並べて支持することができる。そのため、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合でも、アーム部12に取り付けられた保持部13に吊り下げられる容器Cの密度を低下させ、作業スペースおよび容器Cの視認性を確保して、作業性を向上させることができる。したがって、本実施形態によれば、従来よりも作業性を向上させることが可能な容器支持具10を提供することができる。
より具体的には、前述のように、複数の容器Cに対して懸濁液や食品等の内容物を分配して無菌的に充填するときに、チューブ20(図8参照)が接続された個々の容器Cのポートを操作して、順次、内容物を充填していく場合がある。このような場合に、本実施形態の容器支持具10によれば、個々の容器Cに対するアクセス性を向上させ、従来よりも作業性を向上させることができる。
たとえば、図2Aから図2C、図3Aから図3Cに示すように、容器支持具10が、アーム部12を支持部11に着脱自在に取り付け可能な着脱部14を備える場合には、必要に応じて支持部11に支持するアーム部12の数を増減させることができる。これにより、取り扱う容器Cの数や寸法の変化に柔軟に対応することが可能になる。したがって、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合でも、アーム部12に取り付けられた保持部13に吊り下げられる容器Cの密度を低下させ、作業性を向上させることができる。
また、予め、アーム部12に設けられた複数の保持部13に複数の容器Cを吊り下げておいてから、着脱部14を介してアーム部12を支持部11に取り付けることができ、作業性を向上させることができる。また、アーム部12に設けられた複数の保持部13に吊り下げられたすべての容器Cに対する内容物の充填が完了したら、そのアーム部12を取り外すことができる。これにより、内容物の充填が完了した容器Cが、内容物の充填が未完了の容器Cを取り扱うときに障害になることが回避され、作業スペースおよび容器Cの視認性を確保して、作業性を向上させることができる。
また、図2A、図2B、図3A、図3Bに示すように、アーム部12または支持部11を着脱部14に係合させて、アーム部12を支持部11に取り付けることで、アーム部12を支持する支持部11からアーム部12が意図せず外れることを防止できる。これにより、たとえば、容器Cの内容物の充填中にアーム部12が支持部11から脱落するのを防止できる。
また、容器支持具10は、前述のように、支持部11の延在方向に互いに隣接するアーム部12が、支持部11の延在方向から見て、保持部13の少なくとも一部が互いに重ならない位置にずらして配置されていてもよい。この場合、支持部11の延在方向の手前側から見て、奥側の容器Cの視認性を向上させることができるだけでなく、支持部11の延在方向の手前側から奥側の容器Cを取り扱うときに手前側の容器Cが障害にならず、作業性を向上させることができる。
また、図1に示すように、アーム部12は、支持部11の両側に延びている。これにより、支持部11の両側のスペースを有効に活用することが可能になる。したがって、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合でも、アーム部12に取り付けられた保持部13に吊り下げられる容器Cの密度を低下させ、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態の容器支持具10は、図4Aに示したように、支持部11の延在方向に並んだ複数のアーム部12が、交互に支持部11の反対側に延びていてもよい。この場合、支持部11の片側に延びるアーム部12と、その反対側に延びるアーム部12とを、支持部11の延在方向にずらして支持することができる。そのため、たとえば支持部11の延在方向に隣接するアーム部12間の最小距離に制限がある場合に、隣接するアーム部12間の最小距離を確保しつつ、支持部11の延在方向に隣接する保持部13の間隔を拡大することができる。したがって、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合でも、アーム部12に取り付けられた保持部13に吊り下げられる容器Cの密度を低下させ、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態の容器支持具10は、図4Bに示したように、支持部11の延在方向に並んだ複数のアーム部12が、上方位置と下方位置に交互に配置されていてもよい。この場合、支持部11の延在方向に隣接するアーム部12間で、容器Cを保持部13に上下にずらして保持することができる。これにより、支持部11の延在方向の手前側から見て、奥側の容器Cの視認性を向上させることができるだけでなく、支持部11の延在方向の手前側から奥側の容器Cを取り扱うときに手前側の容器Cが障害にならず、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態の容器支持具10は、図3B、図5A、図5B、図6A、図6B等に示したように、支持部11がアーム部12を可動に支持する可動支持部15を有してもよい。これらの可動支持部15は、アーム部12を、鉛直方向、支持部11の延在方向、アーム部12の延在方向のいずれか一方向以上に可動な状態で支持している。これにより、アーム部12を必要に応じて支持部11に対して動かすことができ、アーム部12を格納したり、支持部11に対するアーム部12の位置を変更したり、支持部11の延在方向に対するアーム部12の延在方向の角度を変更したりすることができる。そのため、たとえば、可動支持部15に支持されたアーム部12を移動させて、内容物の充填が未完了の任意の容器Cの周囲に作業スペースを確保し、作業性を向上させることができる。
特に、図3Bに示すように、可動支持部15が、突起部12bと凹溝部11eとによって、アーム部12を支持部11の延在方向に可動に支持している場合には、支持部11の延在方向の端部までアーム部12を移動させない限り、アーム部12が支持部11から外れない。そのため、支持部11の延在方向に並んだアーム部12に吊り下げられた容器Cを、手前側のアーム部12から順次取り扱う場合に、取り扱いが終了した容器Cを支持するアーム部12を取り外すことで、容器Cの取り扱いの順序を誤るリスクを低減することができる。
また、図3Aから図3Cに示すように、アーム部12が支持部11の延在方向の任意の位置に取り付けることができる場合に、支持部11に対してアーム部12の取り付け位置を示す目印を付けることで、アーム部12を所定の位置に取り付けることができる。これにより、容器Cの間隔を一定に維持し、容器Cの列の確認を容易にして、作業性を向上させることができる。
また、図3Cに示すように、アーム部12が、マグネット14b、滑り止めの凹凸、滑り止めのゴムなど、支持部11に対するアーム部12の滑動を防止する滑動防止部16を有する場合には、支持部11に対するアーム部12の位置ずれを防止することができる。これにより、アーム部12に複数の保持部13を介して支持された複数の容器Cに安定して内容物を分注することができる。
また、本実施形態の容器支持具10は、図6Aおよび図6Bに示したように、保持部13に保持されて内容物が満たされた容器Cの荷重によって弾性変形することで、そのアーム部12の方向または位置を変化させる弾性変形部17を有する構成を備えることができる。この場合、たとえば、アーム部12の保持部13に容器Cを吊り下げ、容器Cに内容物を充填していくと、その容器Cに満たされた内容物の重量が増加していき、その荷重によって弾性変形部17が弾性変形してアーム部12の方向または位置が変化する。したがって、容器Cの内容物の充填が完了したアーム部12と、容器Cの内容物の充填が未完了のアーム部12とを、アーム部12の方向または位置によって判別することができる。
また、任意のアーム部12を支持部11から離れる方向に引っ張って、弾性変形部17を伸長させ、複数のアーム部12の中から任意のアーム部12を引っ張り出すことができる。これにより、任意のアーム部12に保持部13を介して支持された任意の容器Cの状態をすぐに確認することができる。
また、本実施形態の容器支持具10は、図1、図2C、図3C、図7Aに示したように、支持部11が、格子状の構成、アーム部12を係合させる凹部(着脱部14)を有する構成、支持部11の延在方向の長さを延長可能な延長部11dを有する構成、およびアーム部12の支持部11に対する滑動を防止する滑動防止部16を有する構成のうち、いずれか一以上の構成を備えることができる。
図7Aに示したように、支持部11が格子状の構成を備えることで、支持部11の格子間にアーム部12を通して、支持部11の格子間の任意の位置にアーム部12を支持することができる。そのため、容器Cの大きさや作業目的に応じて容器Cの配列を変更しやすくすることができる。また、アーム部12の高さを複数段に変化させることができ、限られたスペースでより多くの容器Cを取り扱うことが可能になる。また、図2Cに示したように、支持部11がアーム部12を係合させる凹部としての着脱部14を有することで、支持部11のあらかじめ規定された位置にアーム部12を配置することができる。
また、図1に示したように、支持部11が、支持部11の延在方向の長さを延長可能な延長部11dを有することで、取り扱う容器Cの数が増減したときや、取り扱う容器Cの大きさや配置が変更された場合などに、延長部11dの取付けおよび取り外しによって柔軟に対応することができる。また、図3Cに示したように、支持部11が、滑動防止部16を有することで、アーム部12が支持部11の延在方向に滑動することが防止され、アーム部12が支持部11の延在方向に位置ずれを生じるのを防止することができる。
また、本実施形態の容器支持具10は、図1および図3Cに示したように、アーム部12が、アーム部12の延在方向の長さを延長可能な延長部12aを有する構成、および、アーム部12の支持部11に対する滑動を防止する滑動防止部16を有する構成のうち、いずれか一以上の構成を備えることができる。
図1に示したように、アーム部12が、アーム部12の延在方向の長さを延長可能な延長部12aを有する構成を備えることで、取り扱う容器Cの数が増減したときや、取り扱う容器Cの大きさや配置が変更された場合などに、延長部12aの取付けおよび取り外しによって柔軟に対応することができる。また、図3Cに示したように、アーム部12が支持部11に対する滑動を防止する滑動防止部16を有する構成を備えることで、アーム部12が支持部11の延在方向に滑動することが防止され、アーム部12が支持部11に対する位置ずれを生じるのを防止することができる。
また、本実施形態の容器支持具10は、図1、図7C、図7Dに示したように、容器Cを保持する保持部13を、容器Cを挟持するクリップ、容器Cの一部を係合させる溝部13b、容器Cを保持する枠部13a、容器Cを磁力によって保持するマグネット、および容器Cの一部を係止可能な係止部のうち、いずれか一以上によって構成することができる。これにより、保持部13によって容器Cを容易に保持することができ、保持部13に保持された容器Cを容易に取り外すことができる。したがって、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合に、作業性を向上させることが可能になる。
特に、保持部13を、クリップやマグネットによって構成することで、各種の形状の容器Cに対応しやすいという利点がある。また、容器Cに対する内容物の充填時に、容器Cの形状の比較的大きな変化を許容することができる。一方、保持部13を、溝部13bや枠部13a、または係止部13dによって構成することで、クリップやマグネットによって支持することが困難な容器Cを保持して、アーム部12に吊り下げることが可能になる。
また、本実施形態の容器支持具10は、前述のように、支持部11、アーム部12および保持部13を、紫外線滅菌または過酸化水素滅菌に対する耐性を有する素材によって構成することができる。これにより、たとえば、クリーンベンチやアイソレータの内部に容器支持具10を収容した状態で使用することが可能になり、複数の容器Cを取り扱う場合に、作業性を向上させることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合に、従来よりも作業性を向上させることが可能な容器支持具10を提供することができる。
(分配装置)
図8は、本発明に係る分配装置の実施の形態の一例を示す概略構成図である。本実施形態の分配装置100は、上述の容器支持具10と、その容器支持具10に支持された複数の容器Cに内容物を分配するチューブ20と、そのチューブ20を介して内容物を圧送する圧送部40と、を備えることを特徴とする。
チューブ20は、たとえば、一端が内容物を供給する供給元30に接続され、他端が複数に分岐されて個々の容器Cのポートに接続されている。圧送部40は、たとえば、チューブ20を外側から加圧して内容物を圧送する蠕動ポンプなど、内容物を無菌的に圧送するのに適したポンプを用いることができる。また、チューブ20の分岐や容器Cのポートは、開閉可能なバルブを有することができる。
前述のように、容器支持具10に支持された複数の容器Cは、チューブ20を介して内容物を供給する供給元30に接続されている。そのため、容器Cの配置の仕方によっては、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合に、容器Cやそれに接続されたチューブ20が混み合って、作業性が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態の分配装置100は、容器支持具10を備えることで、圧送部40によってチューブ20を介して複数の容器Cに内容物を分配するときに、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合でも、作業性を向上させることが可能になる。したがって、本実施形態によれば、限られたスペースで複数の容器Cを取り扱う場合に、従来よりも作業性を向上させることが可能な分配装置100を提供することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。