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JP6863214B2 - 注液装置 - Google Patents
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JP6863214B2 - 注液装置 - Google Patents

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Description

本開示は、電池の製造工程において電池の内部に電解液を注液する注液装置に関する。
電池の製造工程においては、たとえば、電極体が収容された収容ケースの上部の上面部材に設けられる注液口から電解液を注液する注液工程が設定される。
このような電池の注液工程に関し、たとえば、特開2014−022073号公報(特許文献1)では、電池缶内に注液ノズルを挿入して、電極群と電池蓋の間の横幅方向の一方向側に向かって電解液を吐出して注液する技術が開示される。
特開2014−022073号公報
しかしながら、電池を大量に生産する場合には、注液ノズルが電池の収容ケース内に挿入され、電解液が吐出される動作が繰り返し実行されることになる。そのため、注液ノズルの先端周辺の電解液の残留によって注液ノズルの周囲に塩が析出する異常が発生する場合がある。また、その他に注液ノズルが上面部材や電池以外の構造物に接触したり、注液ノズルと収容ケースに収容された電極体とが接触したり、注液中に収容ケースから電解液が溢れたりする異常が発生する場合がある。そのため、それらの異常の発生を精度高く検出することが求められる。
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、注液ノズルにおける塩の析出、注液ノズルと他の構造物との接触あるいは電解液の溢れを精度高く検出する注液装置を提供することである。
本開示のある局面に係る電池の注液装置は、電極体と、電極体を収容する収容ケースと、収容ケースの上部に設けられ、注液口が形成される上面部材とを含む電池の内部に電解液を注液する注液装置である。この注液装置は、注液口に挿入される棒状の注液ノズルと、注液ノズルの外周面に設けられる第1電極と、第1電極に並列して配置され、注液口に注液ノズルを挿入する挿入動作中に端部が注液口の周縁に接近するように動作する第2電極と、第1電極および第2電極に並列して配置され、挿入動作中に端部が上面部材に接触した状態を維持するように動作する第3電極と、第1電極と第2電極とが交流電源に接続される第1接続状態と、第1電極と第3電極とが交流電源に接続される第2接続状態と、第2電極と第3電極とが交流電源に接続される第3接続状態とのうちのいずれかの状態に切り換える切替回路と、第1接続状態、第2接続状態および第3接続状態の各々において交流電源に接続される2つの電極間の静電容量を用いて注液口に電解液を注液する注液工程に異常が発生しているか否かを判定する異常判定装置とを備える。異常判定装置は、注液開始前の第1接続状態における第1電極と第2電極との間の第1静電容量が初期値から変化する場合に、注液ノズルの周囲に電解液の塩が析出する異常が発生していると判定する。異常判定装置は、注液開始前の第2接続状態における第1電極と第3電極との間の第2静電容量が初期値から変化する場合に、注液ノズルと上面部材とが接触する異常が発生していると判定する。異常判定装置は、注液開始前の第3接続状態における第2電極と第3電極との間の第3静電容量が初期値から変化する場合に、注液ノズルと電極体とが接触する異常が発生していると判定する。異常判定装置は、注液開始前の第1接続状態における第1静電容量が変化せず、かつ、注液開始後の第1接続状態における第1静電容量が初期値から変化する場合に、注液口から電解液が溢れる異常が発生していると判定する。
このようにすると、たとえば、注液開始前の第1接続状態における第1静電容量が初期値から変化する場合には第1電極と第2電極との間に電解液の塩が析出していることが推定され、注液ノズルの周囲に電解液の塩が析出する異常を精度高く検出することができる。また、注液開始前の第2接続状態における第2静電容量が初期値から変化する場合には、第1電極が電池の上面部材に接触していることが推定され、注液ノズルが電池の上面部材に接触している異常を精度高く検出することができる。また、注液開始前の第3接続状態における第3静電容量が初期値から変化する場合には、第2電極が上面部材に接触していることが推定され、注液ノズルの位置が想定よりも下側の位置、すなわち、注液ノズルと電極体とが接触する異常を精度高く検出することができる。また、注液開始前の第1接続状態における第1静電容量が変化せず、注液開始後の第1接続状態における第1静電容量が初期値から変化する場合には、注液開始後に、第1電極と第2電極とが電解液に接触していることが推定され、注液口から電解液が溢れる異常を精度高く検出することができる。
本開示によると、注液ノズルにおける塩の析出、注液ノズルと他の構造物との接触あるいは電解液の溢れを精度高く検出する注液装置を提供することができる。
注液装置の全体構成を示す図である。 図1の破線枠の拡大図である。 制御部で実行される異常判定処理を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、注液装置1の全体構成を示す図である。注液装置1は、電池60を製造する複数の製造工程のうちの注液工程において、電池60の内部に電解液を注液する。なお、その他の工程について周知の技術であるためのその詳細な説明は行なわない。
電池60は、たとえば、電気自動車やハイブリッド自動車あるいはプラグインハイブリッド自動車等に用いられる車載用の二次電池を含む。電池60は、たとえば、ニッケル水素電池およびリチウムイオン電池のうちのいずれかを含む。
<電池60の構成について>
図1に示すように、電池60は、正極外部端子34と、負極外部端子36と、電極体42と、収容ケース62と、上面部材64とを含む。
電極体42は、たとえば、正極シートと、セパレータと、負極シート(いずれも図示せず)とを積層した状態で、巻回することで形成されている。電極体42は、扁平形状に形成されている。電極体42は、正極38および負極40を含む。
収容ケース62は、直方形状を有しており、上方に向けて開口する長方形状の開口部が形成されている。収容ケース62の上方には、収容ケース62の開口部を閉塞するように上面部材64が配置されている。上面部材64の外周縁部は、収容ケース62の開口部の開口縁部に溶接されている。収容ケース62および上面部材64は、たとえば、アルミまたはアルミニウム合金によって形成されている。
上面部材64には、正極外部端子34と負極外部端子36とが取り付けられる。正極外部端子34は、収容ケース62内の電極体42の正極38と電気的に接続される。負極外部端子36は、収容ケース62内の電極体42の負極40と電気的に接続される。また、上面部材64には、注液口32(図2参照)が形成される。
<注液装置1の構成について>
図1に示すように、注液装置1は、真空ポンプ2と、電解液タンク4と、注液配管5と、交流電源6と、大気開放バルブ8と、圧力センサ10と、開閉バルブ12と、第1リレー回路14と、第2リレー回路16と、吸引通路18と、チャンバー20と、第1電極22と、第2電極24と、第3電極26と、アクチュエータ50と、制御部100とを備える。
真空ポンプ2は、チャンバ20内の気体を吸引通路18を経由して吸引するポンプである。真空ポンプ2は、たとえば、制御部100からの制御信号に基づいて動作する。
電解液タンク4は、注液工程において電池60の収容ケース62内に供給するための電解液を貯留する。
交流電源6は、後述する第1電極22、第2電極24および第3電極26のうちのいずれか二つ電極に交流電力を供給する。交流電源6が供給する電力は、たとえば、所定の周波数(たとえば、数十Hzの周波数)の交流電力である。交流電源6には、交流電源6に接続された二つの電極間の静電容量を検出する静電容量センサ7を内蔵する。静電容量センサ7は、検出した静電容量を示す信号を制御部100に送信する。
大気開放バルブ8は、真空ポンプ2の作動時においては閉状態になるように制御される。大気開放バルブ8は、たとえば、注液が完了した後に所定の負圧状態となるチャンバー20内を大気開放する際に開状態になるように制御される。大気開放バルブ8は、たとえば、制御部100からの制御信号に基づいて動作する。
圧力センサ10は、チャンバー20内の圧力を検出する。圧力センサ10は、検出したチャンバー20内の圧力を示す信号を制御部100に送信する。
開閉バルブ12は、後述する注液ノズル28と電解液タンク4とを接続する注液配管5に設けられる。開閉バルブ12は、注液が開始される前までは閉状態となるように制御され、電解液の流通を遮断する。開閉バルブ12は、注液を開始する場合に開状態になるように制御される。そして、開閉バルブ12は、注液が完了する場合に閉状態になるように制御される。開閉バルブ12は、制御部100からの制御信号に基づいて動作する。
第1リレー回路14は、交流電源6の2つの端子のうちの一方の端子(以下、第1端子と記載する)との接続先として、第1電極22の一方端に接続される接点と第2電極24の一方端に接続される接点とのうちのいずれか一方を選択する回路を含む。
より具体的には、第1リレー回路14は、交流電源6の第1端子と第1電極22の一方端に接続される接点とを電気的に接続する状態と、交流電源6の第1端子と第2電極24の一方端に接続される接点とを電気的に接続する状態とのうちのいずれか一方から他方へと切り替え可能に構成される。第1リレー回路14は、たとえば、制御部100からの制御信号に基づいて動作する。
第2リレー回路16は、交流電源6の2つの端子のうちの他方の端子(以下、第2端子と記載する)との接続先として、第2電極24の一方端に接続される接点と第3電極26の一方端に接続される接点とのうちのいずれか一方を選択する回路を含む。
より具体的には、第2リレー回路16は、交流電源6の第2端子と第2電極の一方端に接続される接点とを電気的に接続する状態と、交流電源6の第2端子と第3電極26の一方端に接続される接点とを電気的に接続する状態とのうちのいずれか一方から他方へと切り替え可能に構成される。第2リレー回路16は、たとえば、制御部100からの制御信号に基づいて動作する。
チャンバー20には、注液工程において、注液対象となる電池60の収容ケース62が格納される。チャンバー20は、上部が開口した箱型形状を有しており、上部の開口部が蓋部21によって閉塞されることで密閉可能に構成される。蓋部21には、注液ノズル28と、第1電極22と、第2電極24と、第3電極26とが貫通して固定されている。蓋部21は、アクチュエータ50を用いて図1の上下方向に移動可能に設けられる。図1の矢印に示されるように、蓋部21がチャンバー20の上部の開口部を閉塞するように移動されることによって、チャンバー20内が密閉状態になる。このとき、注液ノズル28は、図2に示すように、電池60の上面部材64の中央部に設けられる注液口32に挿入された位置関係となる。図2は、図1の破線枠の拡大図である。図2には、注液口32の断面が示される。
図2に示すように、注液口32の周縁には、階段部分が形成されている。注液ノズル28は、内部を電解液の流通が可能な管状に形成される。注液ノズル28は、注液配管5に接続される。
注液ノズル28には、第1電極22が設けられる。第1電極22は、たとえば、注液ノズル28の外周面に設けられる棒状あるいは板状の導体によって構成される。第1電極22の一方端は、第1リレー回路14の接点に接続され、第1電極22の他方端は、注液ノズル28の先端部分に達するように構成される。
第2電極24は、第1電極22(すなわち、注液ノズル28)に並列して配置される棒状あるいは板状の導体によって構成される。第2電極24の一方端は、第1リレー回路14の接点と、第2リレー回路16の接点とにそれぞれ接続される。蓋部21がチャンバー20の上部の開口部を閉塞する位置に移動した状態においては、第2電極24の他方端の先端部分は、注液口32の階段部分に形成される面に対して予め定められた距離だけ離隔した位置となる。すなわち、蓋部21がチャンバー20の上部の開口部を閉塞する位置への移動中に(すなわち、注液ノズル28を注液口32に挿入する挿入動作中に)、第2電極24の先端部分は、注液口32の周縁の階段部分に接近するように動作する。
第3電極26は、第1電極22(すなわち、注液ノズル28)および第2電極24に並列して配置される棒状あるいは板状の導体によって構成される。第3電極26の一方端は、第2リレー回路16の接点に接続される。第3電極26の他方端の先端部分は、上面部材64に対向して設けられる。第3電極26の先端部分と蓋部21との間には、バネ部材29が設けられる。バネ部材29は、第3電極26の先端部分を図1および2の上下方向に移動可能に設けられる。第3電極26の先端部分は、蓋部21がチャンバー20の上部の開口部を閉塞する位置への移動中に(すなわち、注液ノズル28の挿入動作中に)、上面部材64と接触し、バネ部材29が収縮することによって、第3電極26の先端部分が上面部材64と接触した状態を維持するように動作する。
<注液工程における注液装置1の動作について>
制御部100は、注液工程が開始されると、アクチュエータ50を作動させてチャンバー20の上部の開口部を蓋部21で閉塞する位置まで蓋部21を下降させる。その後、制御部100は、真空ポンプ2を作動させて、チャンバー20内の空気を吸引通路18を経由して吸引する。制御部100は、圧力センサ10によって検出されるチャンバー20内の圧力がしきい値以下となる所定の負圧状態になるまで真空ポンプ2を作動させる。制御部100は、チャンバー20内が所定の負圧状態になると真空ポンプ2の作動を停止する。制御部100は、チャンバー20内を所定の負圧状態とした後に、開閉バルブ12を開状態にし、電解液タンク4内の電解液を収容ケース62内に注液する。制御部100は、開閉バルブ12を開状態にした時点から予め定められた時間が経過すると開閉バルブ12を閉状態にしつつ、大気開放バルブ8を開状態に制御する。大気開放バルブ8が開状態になることによってチャンバー20内が大気圧となる。その後、制御部100は、アクチュエータ50を作動させて蓋部21を図1の上方に移動させる。注液後においては、注液口に栓が設けられ、溶接等によって封口されることで注液工程が完了する。
<注液装置1において発生する異常について>
以上のように電池60の注液工程においては、電池60の収容ケース62内に電解液が注液されるが、このように製造される電池60を大量に生産する場合には、注液ノズル28が電池60の収容ケース62内に挿入され、電解液が吐出される動作が繰り返し実行されることになる。そのため、注液ノズル28の先端周辺の電解液の残留によって注液ノズル28の周囲に塩が析出する異常が発生する場合がある。その他に注液ノズル28が上面部材64や電池60以外の構造物に接触したり、注液ノズル28と収容ケース62に収容された電極体42とが接触したり、注液中に収容ケース62から電解液が溢れたりする異常が発生する場合がある。そのため、それらの異常の発生を精度高く検出することが求められる。
そこで、本実施の形態においては、制御部100が、注液ノズル28を注液口32に挿入する挿入動作を開始した後に、交流電源6と第1リレー回路14と第2リレー回路16と用いて後述する第1接続状態と第2接続状態と第3接続状態とのうちのいずれかの状態に切り換えて、各状態において交流電源6に接続される2つの電極間の静電容量を用いて注液工程に異常が発生しているか否かを判定するものとする。なお、本実施の形態においては、制御部100が「異常判定装置」に対応する。
第1接続状態は、第1電極22と第2電極24とが交流電源6に接続される状態を含む。たとえば、第1リレー回路14にて、交流電源6の第1端子と第1電極22の接点とが電気的に接続され、かつ、第2リレー回路16にて、交流電源6の第2端子と第2電極24の接点とが電気的に接続されることによって、第1接続状態が実現される。
第2接続状態は、第1電極22と第3電極26とが交流電源6に接続される状態を含む。たとえば、第1リレー回路14にて、交流電源6の第1端子と第1電極22の接点とが電気的に接続され、かつ、第2リレー回路16にて、交流電源6の第2端子と第3電極26の接点とが電気的に接続されることによって、第2接続状態が実現される。
第3接続状態は、第2電極24と第3電極26とが交流電源6に接続される状態を含む。たとえば、第1リレー回路14にて、交流電源6の第1端子と第2電極24の接点とが電気的に接続され、かつ、第2リレー回路16にて、交流電源6の第2端子と第3電極26の接点とが電気的に接続されることによって、第3接続状態が実現される。
制御部100は、たとえば、注液開始前の第1接続状態における第1電極22と第2電極24との間の第1静電容量を取得し、取得された第1静電容量が初期値から変化する場合に、注液ノズル28の周囲に電解液の塩が析出する異常が発生していると判定する。第1接続状態における第1静電容量が初期値から変化する場合には、注液ノズル28の周囲に電解液の塩が析出する異常が発生していることが推定されるため、注液ノズル28の周囲に電解液の塩が析出する異常を精度高く検出することができる。
また、制御部100は、注液開始前の第2接続状態における第1電極22と第3電極26との間の第2静電容量を取得し、取得された第2静電容量が初期値から変化する場合に、注液ノズル28と上面部材64や電池60以外の構造物とが接触する異常が発生していると判定する。第2接続状態における第2静電容量が初期値から変化する場合には、第1電極22の端部と第3電極26の端部との両方が上面部材64に接触していたり、第1電極22の端部が電池60以外の構造物に接触していたりする異常が発生していることが推定されるため、注液ノズル28が注液口32に適切に挿入されておらず、他の構造物に接触する異常を精度高く検出することができる。
また、制御部100は、注液開始前の第3接続状態における第2電極24と第3電極26との間の第3静電容量を取得し、取得された第3静電容量が初期値から変化する場合に、注液ノズル28と電極体42とが接触する異常が発生していると判定する。第3接続状態における第3静電容量が初期値から変化する場合には、第2電極24の端部が上面部材64に接触していることが推定される。この場合、注液ノズル28の位置が想定よりも下側に位置しており、注液ノズル28と電極体42とが接触する異常を精度高く検出することができる。
また、制御部100は、注液開始前と注液開始後との各々においての第1接続状態における第1静電容量を取得する。制御部100は、注液開始前に第1静電容量が変化せず、かつ、注液開始後に第1静電容量が初期値から変化する場合に、注液口32から電解液が溢れる異常が発生していると判定する。注液開始前の第1接続状態における第1静電容量が変化せず、注液開始後の第1接続状態における第1静電容量が初期値から変化する場合には、第1電極22と第2電極24との間に電解液が存在していることが推定され、注液口32から電解液が溢れる異常を精度高く検出することができる。
<制御部100によって実行される異常判定処理の詳細について>
以下、図3を用いて制御部100で実行される異常判定処理について詳細に説明する。図3は、制御部100で実行される異常判定処理を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートに示される各ステップは、制御部100によるソフトウェア処理によって実現されるが、その一部が制御部100内に作製されたハードウェアによって実現されてもよい。なお、交流電源6は、常時オン状態とされるものとする。また、蓋部21は、アクチュエータ50によって持ち上げられ、チャンバー20の上部が開いた状態である場合を想定する。
ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)100にて、制御部100は、第1接続状態、すなわち、第1リレー回路14において第1電極22との接点をオン状態(交流電源6の第1端子と接続状態)にするとともに、第2リレー回路16において第2電極24との接点をオン状態(交流電源6の第2端子と接続状態)にする。
S102にて、制御部100は、第1電極22と第2電極24との間の第1静電容量に変化があるか否かを判定する。制御部100は、静電容量センサ7を用いて第1接続状態における第1静電容量を取得する。制御部100は、取得された第1静電容量と初期値との差分を算出する。
第1静電容量の初期値は、第1接続状態において、第1電極22と第2電極24との間に電解液の塩が析出していない状態における第1電極22と第2電極24との間の静電容量であって、たとえば、予め定められた値である。第1静電容量の初期値は、たとえば、実験等によって適合される。
制御部100は、算出された差分の大きさがしきい値よりも大きい場合に第1静電容量に変化があると判定する。しきい値は、たとえば、挿入動作中における通常の第1静電容量の変化を塩析出と誤判定しないように設定される。
第1静電容量に変化があると判定される場合(S102にてYES)、処理はS124に移される。一方、第1静電容量に変化がないと判定される場合(S102にてNO)、処理はS102に移される。
S104にて、制御部100は、第2接続状態、すなわち、第1リレー回路14において第1電極22との接点をオン状態にするとともに、第2リレー回路16において第3電極26との接点をオン状態にする。
S106にて、制御部100は、アクチュエータ50を駆動させて注液ノズル28(すなわち、蓋部21)を下降させる。
S108にて、制御部100は、第1電極22と第3電極26との間の第2静電容量に変化があるか否かを判定する。制御部100は、静電容量センサ7を用いて第2接続状態における第2静電容量を取得する。制御部100は、取得された第2静電容量と初期値との差分を算出する。
第2静電容量の初期値は、第2接続状態において、注液ノズル28が適切に注液口32に挿入された状態での第1電極22と第3電極26との間の静電容量であって、たとえば、予め定められた値である。第2静電容量の初期値は、たとえば、実験等によって適合される。
制御部100は、算出された差分の大きさがしきい値よりも大きい場合に第2静電容量に変化があると判定する。しきい値は、たとえば、挿入動作中における通常の第2静電容量の変化を第1電極22が電池60の上面部材64に接触している場合であると誤判定しないように設定される。
第2静電容量に変化があると判定される場合(S108にてYES)、処理はS126に移される。一方、第2静電容量に変化がないと判定される場合(S108にてNO)、処理はS110に移される。
S110にて、制御部100は、注液ノズル28(蓋部21)の下降量が、蓋部21がチャンバー20の上部を閉塞する下降量(規定ストローク)に到達したか否かを判定する。制御部100は、たとえば、アクチュエータ50の作動量あるいはアクチュエータ50の作動時間に基づいて注液ノズル28の下降量が規定ストロークに到達したか否かを判定してもよい。注液ノズル28の下降量が規定ストロークに到達したと判定される場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。なお、注液ノズル28の下降量が規定ストロークに到達していないと判定される場合(S110にてNO)、処理はS106に戻される。
S112にて、制御部100は、第3接続状態、すなわち、第1リレー回路14において第2電極24との接点をオン状態にするとともに、第2リレー回路16において第3電極26との接点をオン状態にする。
S114にて、制御部100は、第2電極24と第3電極26との間の第3静電容量に変化があるか否かを判定する。制御部100は、静電容量センサ7を用いて第3接続状態における第3静電容量を取得する。制御部100は、取得された第3静電容量と初期値との差分を算出する。
第3静電容量の初期値は、第3接続状態において、注液ノズル28が適切に注液口32に挿入された状態(上面部材64に接触しない状態)での第1電極22と第2電極24との間の静電容量であって、たとえば、予め定められた値である。第3静電容量の初期値は、たとえば、実験等によって適合される。
制御部100は、算出された差分の大きさがしきい値よりも大きい場合に第3静電容量に変化があると判定する。しきい値は、たとえば、挿入動作中における通常の第3静電容量の変化を第2電極24が上面部材64に接触している場合であると誤判定しないように設定される。
第3静電容量に変化があると判定される場合(S114にてYES)、処理はS128に移される。一方、第3静電容量に変化がないと判定される場合(S114にてNO)、処理はS116に移される。
S116にて、制御部100は、第1接続状態、すなわち、第1リレー回路14において第1電極22との接点をオン状態にするとともに、第2リレー回路16において第2電極24との接点をオン状態にする。
S118にて、制御部100は、注液を開始する。すなわち、制御部100は、真空ポンプ2を作動させて、チャンバー20内を所定の負圧状態にした後に、開閉バルブ12を開状態に制御することによって注液を開始する。
S120にて、制御部100は、第1電極22と第2電極24との間の第1静電容量に変化があるか否かを判定する。判定方法は、S102にて説明した判定方法と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。第1静電容量に変化があると判定される場合(S120にてYES)、処理はS130に移される。一方、第1静電容量に変化がないと判定される場合(S120にてNO)、処理はS122に移される。
S122にて、制御部100は、電解液の注液量が規定量に到達したか否かを判定する。制御部100は、たとえば、開閉バルブ12が開状態になるように制御されてからの経過時間が所定時間に到達する場合に、注液量が規定量に到達したと判定してもよいし、電解液タンク4からの流量がしきい値に到達する場合に、注液量が規定量に到達したと判定してもよい。注液量が規定量に到達していると判定される場合(S122にてYES)、この処理は終了される。このとき、たとえば、開閉バルブ12が閉状態になるとともに、大気開放バルブ8が開状態になることでチャンバー20内が大気に開放される。なお、注液量が規定量に到達していないと判定される場合(S122にてNO)、処理はS118に戻される。
S124にて、制御部100は、注液ノズル28の先端に電解液の塩が析出している異常が発生していると判定する。S126にて、制御部100は、注液ノズル28が上面部材64や電池60以外の構造物と接触(ワーク干渉)している異常が発生していると判定する。S128にて、制御部100は、注液ノズル28が電極体42に接触する異常が発生していると判定する。S130にて、制御部100は、電解液が注液口32から溢れている異常が発生していると判定する。なお、異常が発生していると判定される場合、制御部100は、警告音の発生や警告灯の点灯等の態様で異常の発生を報知するようにしてもよい。
<注液装置1による異常判定動作について>
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における注液装置1の異常判定動作について説明する。
(1)注液ノズル28の先端に塩が析出している場合。
たとえば、注液ノズル28の先端に塩が析出し、第1電極22と第2電極24との間に析出した塩が存在する場合を想定する。
第1リレー回路14において第1電極22との接点がオン状態とされ、第2リレー回路16において第2電極24との接点がオン状態とされると(S100)、第1電極22と第2電極24との間の第1静電容量が取得される。第1電極22と第2電極24との間に析出した塩が存在する場合には、第1静電容量が初期値を基準としてしきい値以上に変化することになる(S102にてYES)。そのため、制御部100は、注液ノズル28の先端に塩が析出する異常が発生していると判定する(S124)。
(2)注液ノズル28が上面部材64に接触している場合。
上記(1)において、取得された第1静電容量に変化がない場合には(S102にてNO)、第1リレー回路14において第1電極22との接点がオン状態とされ、第2リレー回路16において第3電極26との接点がオン状態とされる(S104)。その後に、アクチュエータ50が作動され、注液ノズル28が下降する。注液ノズル28の下降中に、第1電極22と第3電極26との間の第2静電容量が取得される。注液ノズル28が上面部材64に接触している場合には、第2静電容量が初期値を基準としてしきい値以上に変化することになる(S108にてYES)。そのため、制御部100は、注液ノズル28が上面部材64や電池以外の構造物と接触している異常が発生していると判定する(S126)。
(3)注液ノズル28が電極体42に接触している場合。
上記(2)において、取得された第2静電容量に変化がない場合には(S108にてNO)、注液ノズル28の下降量が規定ストロークに到達した後に(S110にてYES)、第1リレー回路14において第2電極24との接点がオン状態にされ、第2リレー回路16において第3電極26との接点がオン状態にされる(S112)。このとき、第2電極24と第3電極26との間の第3静電容量が取得される。注液ノズル28が想定よりも下降し、電極体42と接触している場合には、第2電極24が上面部材64と接触しているため、第3静電容量が初期値を基準としてしきい値以上に変化することになる(S114にてYES)。そのため、制御部100は、注液ノズル28が電極体42と接触している異常が発生していると判定する(S128)。
(4)電解液が溢れる場合。
上記(3)において、取得された第3静電容量に変化がない場合には(S114にてNO)、第1リレー回路14において第1電極22との接点がオン状態にされ、第2リレー回路16において第2電極24との接点がオン状態にされる(S116)。そして、その後に注液が開始される(S118)。注液中において、第1電極22と第2電極24との間の第1静電容量が取得される。注液口32から電解液が溢れる場合には、第1静電容量が初期値よりもしきい値以上に変化することになる(S120にてNO)、そのため、制御部100は、電解液が溢れる異常が発生していると判定する(S130)。
<注液装置1による作用効果について>
以上のようにして、本実施の形態に係る注液装置によると、注液開始前の第1接続状態における第1静電容量が初期値から変化する場合には第1電極22と第2電極との間に電解液の塩が析出していることが推定され、注液ノズル28の周囲に電解液の塩が析出する異常を精度高く検出することができる。また、注液開始前の第2接続状態における第2静電容量が初期値から変化する場合には、第1電極22が電池60の上面部材64や他の構造物に接触していることが推定され、注液ノズル28が電池60の上面部材64や電池60以外の構造物と接触している異常を精度高く検出することができる。また、注液開始前の第3接続状態における第3静電容量が初期値から変化する場合には、第2電極24が上面部材64に接触していることが推定され、注液ノズル28の位置が想定よりも下側の位置、すなわち、注液ノズル28と電極体42とが接触する異常を精度高く検出することができる。また、注液開始前の第1接続状態における第1静電容量が変化せず、注液開始後の第1接続状態における第1静電容量が初期値から変化する場合には、注液開始後に、第1電極22と第2電極24とが電解液に接触していることが推定され、注液口32から電解液が溢れる異常を精度高く検出することができる。したがって、注液ノズルにおける塩の析出、注液ノズルと他の構造物との接触あるいは電解液の溢れを精度高く検出する注液装置を提供することができる。
<変形例について>
上述の実施の形態では、電池60は、車載用電池である場合を一例として説明したが、車載用電池に限定されるものではない。電池60は、たとえば、汎用の電池であってもよいし、あるいは、車両以外の移動体に搭載される電池であってもよい。
さらに上述の実施の形態では、電池60としては、リチウムイオン電池およびニッケル水素電池のうちのいずれかであるものとして説明したが、電池60の製造工程において、収容ケース内に電解液を注液する注液工程を有する電池であればよく、特にこれらに限定されるものではない。
さらに上述の実施の形態では、第1電極22は、注液ノズル28に取り付けられるものとして説明したが、たとえば、注液ノズル28を第1電極22として構成されるようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、交流電源6は、オン状態(電圧印加状態)である場合を前提として説明したが、たとえば、異常判定処理の実行を開始するときにオン状態にし、異常判定処理が終了する時点にオフ状態にしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、静電容量センサ7を用いて交流電源6に接続される二つの電極間の静電容量を検出するものとして説明したが、たとえば、制御部100を用いて電流から静電容量を算出するようにしてもよい。静電容量の算出方法については周知の技術を用いればよく詳細な説明は行なわない。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 注液装置、2 真空ポンプ、4 電解液タンク、5 注液配管、6 交流電源、7 静電容量センサ、8 大気開放バルブ、10 圧力センサ、12 開閉バルブ、14 第1リレー回路、16 第2リレー回路、18 吸引通路、20 チャンバー、21 蓋部、22 第1電極、24 第2電極、26 第3電極、28 注液ノズル、29 バネ部材、32 注液口、34 正極外部端子、36 負極外部端子、38 正極、40 負極、42 電極体、50 アクチュエータ、60 電池、62 収容ケース、64 上面部材、100 制御部。

Claims (1)

  1. 電極体と、前記電極体を収容する収容ケースと、前記収容ケースの上部に設けられ、注液口が形成される上面部材とを含む電池の内部に電解液を注液する注液装置であって、
    前記注液口に挿入される棒状の注液ノズルと、
    前記注液ノズルの外周面に設けられる第1電極と、
    前記第1電極に並列して配置され、前記注液口に前記注液ノズルを挿入する挿入動作中に端部が前記注液口の周縁に接近するように動作する第2電極と、
    前記第1電極および前記第2電極に並列して配置され、前記挿入動作中に端部が前記上面部材に接触した状態を維持するように動作する第3電極と、
    前記第1電極と前記第2電極とが交流電源に接続される第1接続状態と、前記第1電極と前記第3電極とが前記交流電源に接続される第2接続状態と、前記第2電極と前記第3電極とが前記交流電源に接続される第3接続状態とのうちのいずれかの状態に切り換える切替回路と、
    前記第1接続状態、前記第2接続状態および前記第3接続状態の各々において前記交流電源に接続される2つの電極間の静電容量を用いて前記注液口に前記電解液を注液する注液工程に異常が発生しているか否かを判定する異常判定装置とを備え、
    前記異常判定装置は、
    注液開始前の前記第1接続状態における前記第1電極と前記第2電極との間の第1静電容量が初期値から変化する場合に、前記注液ノズルの周囲に電解液の塩が析出する異常が発生していると判定し、
    前記注液開始前の前記第2接続状態における前記第1電極と前記第3電極との間の第2静電容量が初期値から変化する場合に、前記注液ノズルと前記上面部材とが接触する異常が発生していると判定し、
    前記注液開始前の前記第3接続状態における前記第2電極と前記第3電極との間の第3静電容量が初期値から変化する場合に、前記注液ノズルと前記電極体とが接触する異常が発生していると判定し、
    前記注液開始前の前記第1接続状態における前記第1静電容量が変化せず、かつ、注液開始後の前記第1接続状態における前記第1静電容量が初期値から変化する場合に、前記注液口から電解液が溢れる異常が発生していると判定する、注液装置。
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