以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。本実施形態では、本開示の輻射ヒータ装置1を車両の暖房装置に適用した例について説明する。なお、図1に示す各矢印DRh、DRvは、輻射ヒータ装置1を搭載した車両の向きを示している。すなわち、図1では、矢印DRhが車両の前後方向を示し、矢印DRvが車両の上下方向を示している。
輻射ヒータ装置1は、温調対象に対して輻射熱を放射する装置である。図1、図2に示すように、輻射ヒータ装置1は、通電により発熱する電気ヒータ10、温度検出部30、電気ヒータ10を制御する制御装置50、制御装置50に対して各種操作信号を出力するヒータ操作部60を備えている。
電気ヒータ10は、図示しない車載バッテリ、発電機等の電源から電力が供給されることで発熱する。電気ヒータ10は、車両に搭乗した乗員CRに対して即効的に暖かさを提供するための機器として利用される。図1に示すように、電気ヒータ10は、通電により生ずる輻射熱を主にその表面に対して垂直な方向(例えば、図1の矢印Rの示す方向)に放射する。
電気ヒータ10は、車室内に配置されている。電気ヒータ10は、乗員CRが座席VCに座った際に想定される通常姿勢において、乗員CRの下腿CRthに対向する位置に配置されている。電気ヒータ10は、ステアリングホイールShを支持するステアリングコラムScの下側に設置されている。このような電気ヒータ10の配置によって、電気ヒータ10への通電時に輻射熱が矢印Rのように乗員CRに放射される。
電気ヒータ10は、薄い板状に形成された単一の面状ヒータ12で構成されている。図2に示すように、面状ヒータ12は、基板部122、発熱部124、一対の電極126、127を有している。
基板部122は、図3に示すように、表面層122aと裏面層122bとを有する。基板部122は、表面層122aが車室内側に露出する表面を構成し、裏面層122bが車室内に露出しない背面を構成している。
表面層122aおよび裏面層122bは、熱可塑性樹脂のシートによって構成されている。表面層122aおよび裏面層122bは、発熱部124、一対の電極126、127よりも充分に低い熱伝導率を有する材料で構成されている。そして、表面層122aと裏面層122bとの間には、発熱部124が担持されている。
発熱部124は、直接的に外部に露出しないように、基板部122の表面層122aと裏面層122bとで挟持されている。発熱部124は、通電により発熱する材料(例えば、金属材料)を含んで構成されている。
本実施形態の発熱部124の体積は、単位面積当たりの熱容量が小さくなるように薄膜状に構成されている。発熱部124の熱容量は、面状ヒータ12の表面に物体が接触した際に、物体が接触している部分の温度が、短時間で低下するように設定されている。換言すれば、発熱部124の単位面積当たりの熱容量は、面状ヒータ12の表面に物体が接触した際に、物体が接触している部分の温度が、短時間で所定の温度以下に低下するように設定されている。発熱部124の熱容量は、例えば、面状ヒータ12の表面にヒトの指が接触した際に、接触後数秒以内に接触部分の温度が60℃以下となるように設定されている。
これにより、本実施形態の電気ヒータ10は、物体が接触した際に、物体が接触した局所部位の温度が急速に低下する構成となっている。なお、発熱部124は、面内における熱移動を抑えるために、通電により発熱する発熱要素および放熱要素との間に、当該発熱要素および放熱要素よりも熱伝導率の低い低熱伝導部を設けられた構成となっていることが望ましい。
一対の電極126、127は、面状ヒータ12における端子として機能する。一対の電極126、127は、発熱部124における互いに離れた外延部位に電気的に接続されている。一対の電極126、127それぞれは、電気配線ELを介して制御装置50に接続されている。本実施形態の発熱部124は、制御装置50、電気配線EL、一対の電極126、127を介して図示しない電源から給電されることで発熱する。
電気ヒータ10には、電気ヒータ10の温度を検出する温度検出部30が設けられている。温度検出部30は、複数の温度センサ32、34を含んで構成されている。具体的には、温度検出部30は、2つの温度センサ32、34で構成されている。
各温度センサ32、34は、単一の面状ヒータ12における異なる部位に設けられている。各温度センサ32、34は、例えば、面状ヒータ12に対して接着剤等によって固定されている。各温度センサ32、34は、半導体を利用したサーミスタで構成されている。なお、各温度センサ32、34としては、例えば、熱電対を利用した温度センサで構成されていてもよい。
各温度センサ32、34は、電気ヒータ10の温度を検出するだけでなく、温度検出部30の異常を判定するために設けられている。温度検出部30の異常を判定する観点では、各温度センサ32、34を、単一の面状ヒータ12における異なる部位であるものの、同等の環境下となる部位に設けることが望ましい。各温度センサ32、34は、その検出値が制御装置50に出力されるように、制御装置50に対して電気的に接続されている。
ここで、前述したように、本実施形態の電気ヒータ10は、物体が接触した際に、物体が接触した局所部位の温度が急速に低下する構成となっている。このため、温度検出部30を電気ヒータ10における乗員CRの手等が触れる可能性が高い範囲に設けると、外乱(すなわち、物体との接触)の影響によって、温度検出部30にて電気ヒータ10全体の温度を検出することができなくなってしまうことが懸念される。
また、乗員CRの周囲は、図示しない車両用空調装置で温度調整された空調風が吹き出され易い。このため、温度検出部30を電気ヒータ10における乗員CRの近接する部位に設けると、外乱(すなわち、空調風)の影響によって、温度検出部30にて電気ヒータ10全体の温度を検出することができなくなってしまうことが懸念される。
これらを考慮して、本実施形態の温度検出部30は、電気ヒータ10における外乱の影響を受け難い部位に配置されている。具体的には、本実施形態の温度検出部30は、図1に示すように、電気ヒータ10における乗員CRに近接する部位から離れた部位に配置されている。
続いて、輻射ヒータ装置1の電子制御部を構成する制御装置50について説明する。図2に示す制御装置50は、プロセッサ、記憶部(例えば、ROM、RAM)を含むマイクロコンピュータと、その周辺回路から構成されている。なお、制御装置50の記憶部は、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。
制御装置50は、その入力側に前述の温度検出部30、雰囲気温度センサ51、ヒータ操作部60等が接続されており、温度検出部30、雰囲気温度センサ51、ヒータ操作部60等の出力される各種信号が入力可能に構成されている。
雰囲気温度センサ51は、電気ヒータ10の周囲の雰囲気温度を検出する温度センサである。雰囲気温度センサ51は、電気ヒータ10が設けられた空間の温度が検出されるように、電気ヒータ10から離れた位置に配置されている。
ヒータ操作部60は、乗員CRによって操作される操作部である。ヒータ操作部60は、電気ヒータ10のオン、オフの切り替えを乗員CRが選択するヒータ操作スイッチ62、乗員CRが電気ヒータ10による暖房の設定温度を設定する温度設定スイッチ64を含んで構成されている。なお、電気ヒータ10のオンは、電気ヒータ10に通電された状態である。また、電気ヒータ10のオフは、電気ヒータ10への通電が遮断された状態である。
ヒータ操作スイッチ62は、車室内において乗員CRが操作し易い位置に設置されている。乗員CRは、ヒータ操作スイッチ62をオンに設定することで、電気ヒータ10を稼働させることができる。また、乗員CRは、ヒータ操作スイッチ62をオフに設定することで、電気ヒータ10の稼働を停止させることができる。
制御装置50は、記憶部に記憶された制御プログラムに基づいて、各種演算、処理を行う。制御装置50は、出力側に接続された電気ヒータ10の作動を制御すると共に、電気ヒータ10に設けられた温度検出部30の異常を判定する。
ここで、本実施形態の制御装置50は、その出力側に接続された各種機器を制御するハードウェアおよびソフトウェアで構成される複数の制御部を集約した装置である。本実施形態の制御装置50には、温度検出部30に異常が生じているか否かを判定する異常判定部50a、電気ヒータ10への通電量を制御する通電量制御部50b等が集約されている。
次に、本実施形態の輻射ヒータ装置1の作動について、図4を参照して説明する。図4に示す制御処理は、例えば車両のスタートスイッチがオンにされた際に、制御装置50が所定の周期で実行する制御処理である。なお、図4に示す各制御ステップは、制御装置50が実行する各種機能を実現する機能実現部を構成している。
図4に示すように、制御装置50は、まず、ステップS10にて温度検出部30、雰囲気温度センサ51、ヒータ操作部60等から出力された各種信号を読み込む。そして、制御装置50は、ステップS12にて電気ヒータ10を稼働させるか否かを判定する。本実施形態の制御装置50は、ヒータ操作部60のヒータ操作スイッチ62のオン、オフ操作に応じて、電気ヒータ10を稼働させるか否かを判定する。すなわち、乗員CRがヒータ操作スイッチ62をオンに操作すると、制御装置50は、電気ヒータ10を稼働させると判定する。乗員CRがヒータ操作スイッチ62をオフに操作すると、制御装置50は、電気ヒータ10を停止させると判定する。
ステップS12にて電気ヒータ10を停止させると判定された場合、制御装置50は、ステップS13にて、電気ヒータ10への通電を停止させる。一方、ステップS12にて電気ヒータ10を稼働させると判定された場合、制御装置50は、ステップS14にて、電気ヒータ10への通電処理を実行する。本実施形態の制御装置50は、温度設定スイッチ64で設定された設定温度に近づくように電気ヒータ10への通電量を制御する。
ステップS14にて電気ヒータへの通電を開始後、制御装置50は、ステップS16にて、電気ヒータ10への通電開始直後の通電初期段階であるか否かを判定する。ここで、通電初期段階は、電気ヒータ10への通電開始直前から電気ヒータ10への通電開始直後までの段階である。
本実施形態の制御装置50は、電気ヒータ10への通電を開始してからの経過時間に応じて、通電初期段階であるか否かを判定する。例えば、電気ヒータ10への通電を開始してから電気ヒータ10の温度が実際に上昇し始めるまでに要する時間(例えば、0〜5秒)が経過していない場合に、制御装置50は、通電初期段階であると判定する。また、電気ヒータ10への通電を開始してから電気ヒータ10の温度が実際に上昇し始めるまでに要する時間(例えば、0〜5秒)が経過している場合に、制御装置50は、通電初期段階でないと判定する。なお、ステップS16の判定処理は、通電初期段階であるか否かの判定を電気ヒータ10への通電開始からの経過時間に基づく処理ではなく、例えば、電気ヒータ10の温度変化(すなわち、温度検出部30の検出値)に基づく処理となっていてもよい。
ステップS16にて通電初期段階であると判定された場合、制御装置50は、ステップS18にて、通電初期段階における温度検出部30の異常を判定する初期異常判定処理を実行する。
通電初期段階では、電気ヒータ10の発熱による複数の温度センサ32、34への影響が殆どないことから、温度検出部30に異常がなければ、複数の温度センサ32、34の検出値が実質的に同じ値となる。
これに反して、通電初期段階において、複数の温度センサ32、34の検出値が所定の値を超えて乖離が生じている場合、例えば、複数の温度センサ32、34に内在する電気抵抗値の変化や、一部の温度センサに断線等の異常が生じていると考えられる。
ここで、図5は、通電初期段階において温度検出部30の異常が顕在化した場合の2つの温度センサ32、34の検出値の時間変化を示している。図5では、2つの温度センサ32、34の一方で内在する電気抵抗値が変化した際の2つの温度センサ32、34の検出値の時間変化を示している。なお、図5では、2つの温度センサ32、34のうち、電気抵抗値が変化していないセンサの検出値を実線で示し、電気抵抗値が変化したセンサの検出値を破線で示している。
図5に示すように、2つの温度センサ32、34の一方で内在する電気抵抗値が変化した場合、通電初期段階において、電気抵抗値が変化したセンサの検出値と電気抵抗値が変化していないセンサの検出値との検出温度差ΔTiが大きくなることがある。
この点を鑑みて、本実施形態の制御装置50は、初期異常判定処理において、2つの温度センサ32、34の検出値の検出温度差ΔTiに基づいて、温度検出部30の異常を判定する。
初期異常判定処理の詳細については、図6のフローチャートを参照して説明する。図6に示すように、制御装置50は、まず、ステップS180にて、各温度センサ32、34の検出値の検出温度差ΔTiを算出する。具体的には、制御装置50は、各温度センサ32、34の検出値の差の絶対値を検出温度差ΔTiとして算出する。
続いて、制御装置50は、ステップS182にて、検出温度差ΔTiが所定の初期温度閾値ΔThiよりも小さいか否かを判定する。換言すれば、制御装置50は、通電初期段階において、複数の温度センサ32、34のうち、一部の温度センサの検出値が残りの温度センサの検出値に対して所定の初期温度閾値ΔThiを超えて乖離しているか否かを判定する。
各温度センサ32、34に内在する電気抵抗値は、製造誤差等によって若干のバラツキを有する。このような電気抵抗値のバラツキは、温度検出部30の異常ではないものの、検出温度差ΔTiに影響する。
このような電気抵抗値のバラツキを異常として検出することを抑えるために、本実施形態では、少なくとも各温度センサ32、34に内在する電気抵抗値のバラツキを加味して初期温度閾値ΔThiを予め設定している。
ステップS182にて検出温度差ΔTiが所定の初期温度閾値ΔThiよりも小さいと判定された場合、制御装置50は、ステップS184にて、温度検出部30が正常であると判定する。
一方、ステップS182にて検出温度差ΔTiが所定の初期温度閾値ΔThi以上と判定された場合、制御装置50は、ステップS186にて、温度検出部30に異常が生じていると判定する。すなわち、制御装置50は、通電初期段階において、複数の温度センサ32、34のうち、一部の温度センサの検出値が残りの温度センサの検出値に対して初期温度閾値ΔThiを超えて乖離している場合、温度検出部30に異常が生じていると判定する。
続いて、制御装置50は、電気ヒータ10が過度に昇温してしまうことを抑えるために、ステップS188にて、電気ヒータ10への通電量を減少させる。例えば、制御装置50は、電気ヒータ10への通電を停止させる。なお、制御装置50は、ステップS186にて温度検出部30に異常が生じていると判定されると、その後、図4のステップS14の処理にて電気ヒータ10の通電量を現状の通電量に維持する。
図4に戻り、ステップS16にて通電初期段階でないと判定された場合、制御装置50は、ステップS20にて、電気ヒータ10への通電を開始してから電気ヒータ10の温度が所定の基準温度(例えば、60℃)に到達するまでの昇温段階であるか否かを判定する。
ステップS20にて昇温段階であると判定された場合、制御装置50は、ステップS22にて、昇温段階における温度検出部30の異常を判定する昇温期異常判定処理を実行する。
一方、ステップS20にて昇温段階でないと判定された場合、制御装置50は、ステップS22にて、電気ヒータ10の温度が所定の基準温度に到達した後の安定段階における温度検出部30の異常を判定する安定期異常判定処理を実行する。
昇温段階では、例えば、電気ヒータ10の昇温によって、各温度センサ32、34の一部の温度センサと電気ヒータ10との接触状態が変化すること(例えば、浮きや剥がれ)がある。このような場合、複数の温度センサ32、34の一部の温度センサに応答遅れが生じてしまうことがある。
ここで、図7は、昇温段階において温度検出部30の異常が顕在化した場合の2つの温度センサ32、34の検出値の時間変化を示している。図7では、2つの温度センサ32、34の一方で電気ヒータ10との接触状態が変化した際の2つの温度センサ32、34の検出値の時間変化を示している。なお、図7では、2つの温度センサ32、34のうち、電気ヒータ10との接触状態が変化していないセンサの検出値を実線で示し、電気ヒータ10との接触状態が変化したセンサの検出値を破線で示している。
図7に示すように、昇温段階において、2つの温度センサ32、34の一方で電気ヒータ10との接触状態が変化した場合、各温度センサ32、34の検出値の温度勾配Vt1、Vt2が大きく乖離する。すなわち、昇温段階において、2つの温度センサ32、34の一方で電気ヒータ10との接触状態が変化した場合、複数の温度センサ32、34の一部の温度センサに応答遅れが生じてしまう。なお、各温度センサ32、34の検出値の温度勾配Vt1、Vt2は、各温度センサ32、34の検出値の単位時間Δt当たりの温度変化量ΔTv1、ΔTv2に相当する。
ここで、各温度センサ32、34における応答遅れは、電気ヒータ10の周囲の雰囲気温度の変化によっても生ずる。このため、単一の温度センサの検出値の単位時間当たりの温度変化量に基づいて、温度検出部30の異常を判定する構成とすると、雰囲気温度の変化を温度検出部30の異常として誤検出してしまう虞がある。
この点を鑑みて、本実施形態の制御装置50は、昇温期異常判定処理において、2つの温度センサ32、34の検出値の温度勾配Vt1、Vt2の差分ΔVtに基づいて、温度検出部30の異常を判定する。
昇温期異常判定処理の詳細については、図8のフローチャートを参照して説明する。図8に示すように、制御装置50は、まず、ステップS220にて、各温度センサ32、34の検出値の温度勾配Vtを算出する。具体的には、制御装置50は、各温度センサ32、34の検出値の単位時間Δt当たりの温度変化量ΔTvを温度勾配Vtとして算出する。
続いて、制御装置50は、ステップS222にて、各温度センサ32、34の検出値の温度勾配Vtの差分ΔVtを算出する。具体的には、制御装置50は、各温度センサ32、34の検出値の温度勾配Vtの差の絶対値を差分ΔVtとして算出する。
続いて、制御装置50は、ステップS224にて、昇温段階における温度検出部30の異常を判定する際に利用する温度変化閾値ΔVhを決定する。各温度センサ32、34における応答遅れ(すなわち、差分ΔVt)は、図9に示すように、電気ヒータ10の周囲の雰囲気温度の上昇に伴って顕著となる傾向がある。このため、本実施形態では、温度変化閾値ΔVhを電気ヒータ10の周囲の雰囲気温度に応じて大きくなる可変閾値としている。
具体的には、本実施形態の制御装置50は、雰囲気温度と温度変化閾値ΔVhとの対応関係が規定された制御マップを参照して、雰囲気温度センサ51の検出値に基づいて、温度変化閾値ΔVhを決定する。
図8に戻り、制御装置50は、ステップS226にて、差分ΔVtが所定の温度変化閾値ΔVhよりも小さいか否かを判定する。換言すれば、制御装置50は、昇温段階において、一部の温度センサの検出値の単位時間当たりの温度変化量が、残りの温度センサの検出値の単位時間当たりの温度変化量に対して所定の温度変化閾値ΔVhを超えて乖離しているか否かを判定する。
続いて、ステップS226にて差分ΔVtが温度変化閾値ΔVhよりも小さいと判定された場合、制御装置50は、ステップS228にて、温度検出部30が正常であると判定する。
一方、ステップS226にて差分ΔVtが温度変化閾値ΔVh以上と判定された場合、制御装置50は、ステップS230にて、温度検出部30に異常が生じていると判定する。つまり、制御装置50は、昇温段階にて、一部の温度センサの検出値の単位時間当たりの温度変化量が、他の温度センサの検出値の単位時間当たりの温度変化量に対して温度変化閾値ΔVhを超えて乖離している場合、温度検出部30に異常が生じていると判定する。
続いて、制御装置50は、電気ヒータ10が過度に昇温してしまうことを抑えるために、ステップS232にて、電気ヒータ10への通電量を減少させる。例えば、制御装置50は、電気ヒータ10への通電を停止させる。なお、制御装置50は、ステップS230にて温度検出部30に異常が生じていると判定されると、その後、図4のステップS14の処理にて電気ヒータ10の通電量を現状の通電量に維持する。
次に、図4のステップS24にて実行する安定期異常判定処理について説明する。電気ヒータ10の温度が基準温度に到達した後の安定段階では、何らかの要因によって、通電初期段階および昇温段階に潜在していた温度検出部30の異常が顕在化することがある。
ここで、図10は、安定段階において温度検出部30の異常が顕在化した場合の2つの温度センサ32、34の検出値の時間変化を示している。なお、図10では、2つの温度センサ32、34のうち、異常のないセンサの検出値を実線で示し、異常があるセンサの検出値を破線で示している。
図10に示すように、安定段階において、2つの温度センサ32、34の一方に異常が生じた場合、各温度センサ32、34の検出値の検出温度差ΔTsが大きく乖離することがある。
この点を鑑みて、本実施形態の制御装置50は、安定期異常判定処理において、2つの温度センサ32、34の検出値の検出温度差ΔTsに基づいて、温度検出部30の異常を判定する。
安定期異常判定処理の詳細については、図11のフローチャートを参照して説明する。図11に示すように、制御装置50は、まず、ステップS240にて、各温度センサ32、34の検出値の検出温度差ΔTsを算出する。具体的には、制御装置50は、各温度センサ32、34の検出値の差の絶対値を検出温度差ΔTsとして算出する。
続いて、制御装置50は、ステップS242にて、検出温度差ΔTsが所定の安定期温度閾値ΔThsよりも小さいか否かを判定する。換言すれば、制御装置50は、安定段階において、複数の温度センサ32、34のうち、一部の温度センサの検出値が残りの温度センサの検出値に対して所定の安定期温度閾値ΔThsを超えて乖離しているか否かを判定する。
安定段階では、電気ヒータ10における輻射熱を放射する面内において、発熱部124の製造誤差等によって温度分布が生ずることがある。このような温度分布は、温度検出部30の異常ではないものの、検出温度差ΔTsに影響する。
このような温度分布を異常として検出することを抑えるために、本実施形態では、電気ヒータ10の面内における温度分布を加味して安定期温度閾値ΔThsを予め設定している。なお、安定期温度閾値ΔThsは、電気ヒータ10の面内における温度分布に加えて、各温度センサ32、34に内在する電気抵抗値のバラツキを加味して設定してもよい。
ステップS242にて検出温度差ΔTsが所定の安定期温度閾値ΔThsよりも小さいと判定された場合、制御装置50は、ステップS244にて、温度検出部30が正常であると判定する。
一方、ステップS242にて検出温度差ΔTsが所定の安定期温度閾値ΔThs以上と判定された場合、制御装置50は、ステップS246にて、温度検出部30に異常が生じていると判定する。すなわち、制御装置50は、安定段階において、複数の温度センサ32、34のうち、一部の温度センサの検出値が残りの温度センサの検出値に対して安定期温度閾値ΔThsを超えて乖離している場合、温度検出部30に異常が生じていると判定する。
続いて、制御装置50は、電気ヒータ10が過度に昇温してしまうことを抑えるために、ステップS248にて、電気ヒータ10への通電量を減少させる。例えば、制御装置50は、電気ヒータ10への通電を停止させる。なお、制御装置50は、ステップS246にて温度検出部30に異常が生じていると判定されると、その後、図4のステップS14の処理にて電気ヒータ10の通電量を現状の通電量に維持する。
以上説明した本実施形態の輻射ヒータ装置1は、温度検出部30が同等の環境下に置かれた複数の温度センサ32、34で構成されている。加えて、本実施形態の輻射ヒータ装置1は、制御装置50が、複数の温度センサ32、34の検出値、または、複数の温度センサ32、34の検出値の変化量を比較して温度検出部30の異常を判定する構成となっている。
これによると、外部環境の変化が複数の温度センサ32、34それぞれに対して同等に影響することになる。このため、複数の温度センサ32、34の検出値、または、複数の温度センサ32、34の検出値の変化量を比較して温度検出部30の異常を判定する構成とすれば、外部環境の変化に起因する温度検出部30の異常の検出精度の低下を抑えることが可能となる。
具体的には、本実施形態の輻射ヒータ装置1は、通電初期段階における温度検出部30の異常の有無を判定可能な構成となっている。これによると、電気ヒータ10の温度が昇温する前に温度検出部の異常を検出することができるので、電気ヒータ10の異常発熱等を未然に防ぐことが可能となる。
特に、本実施形態では、通電初期段階における温度検出部30の異常の有無を判定する際に利用する初期温度閾値を複数の温度センサ32、34に内在する電気抵抗値のバラツキを加味して予め設定する構成としている。これによれば、通電初期段階における温度検出部30の異常を的確に検出することが可能となる。
また、本実施形態の輻射ヒータ装置1は、昇温段階における温度検出部30の異常の有無を判定可能な構成となっている。これによると、電気ヒータ10が昇温する過程において生ずる温度検出部30の異常(例えば、応答特性の異常)を検出することができるので、電気ヒータ10の異常発熱等を未然に防ぐことが可能となる。
特に、本実施形態では、昇温段階における温度検出部30の異常の有無を判定する際に利用する温度変化閾値を、電気ヒータ10の周囲の雰囲気温度の上昇に伴って大きくなる可変閾値としている。これによれば、昇温段階における温度検出部30の異常を的確に検出することが可能となる。
さらに、本実施形態の輻射ヒータ装置1は、安定段階における温度検出部30の異常の有無を判定可能な構成となっている。これによると、電気ヒータ10が昇温した後に顕在化する温度検出部30の異常を検出することができるので、電気ヒータ10の異常発熱等を抑制することが可能となる。
特に、本実施形態では、安定段階における温度検出部30の異常の有無を判定する際に利用する安定温度閾値を、電気ヒータ10における温度分布を加味して予め設定する構成ととしている。これによれば、安定段階における温度検出部30の異常を的確に検出することが可能となる。
さらにまた、本実施形態の輻射ヒータ装置1は、温度検出部30に異常がある場合に、電気ヒータへの通電量を低下させる構成とすれば、電気ヒータ10の異常発熱を抑えることができるので、輻射ヒータ装置1の安全性を充分に確保することが可能となる。
ここで、複数の温度センサ32、34が電気ヒータ10における外乱の影響を受け易い部位に配置されていると、温度検出部30の異常の誤検出が発生し易くなる。温度検出部30の異常の誤検出は、ユーザの快適性の悪化の要因となることから好ましくない。
このため、本実施形態の輻射ヒータ装置1では、複数の温度センサ32、34が電気ヒータ10における外乱の影響を受け難い部位に配置されている。これによると、外乱の影響による温度検出部30の異常の誤検出を抑制することができるので、温度検出部30の異常の誤検出に伴うユーザの快適性の悪化を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図12を参照して説明する。本実施形態の輻射ヒータ装置1Aは、電気ヒータ10Aが複数の面状ヒータ12A、12Bを含んで構成されている点が第1実施形態と相違している。
図12に示す本実施形態の電気ヒータ10Aは、例えば、運転席および助手席に対応して2つの面状ヒータ12A、12Bで構成されている。2つの面状ヒータ12A、12Bは、電気配線ELを介して制御装置50に接続されており、その作動が制御装置50によって制御される。本実施形態の2つの面状ヒータ12A、12Bそれぞれは、基板部122A、122B、発熱部124A、124B、一対の電極126A、126B、127A、127Bを有している。なお、本実施形態の各面状ヒータ12A、12Bそれぞれは、第1実施形態で説明した面状ヒータ12と同様に構成されている。このため、本実施形態では、2つの面状ヒータ12A、12Bの構成についての説明を省略する。
また、本実施形態の温度検出部30は、複数の面状ヒータ12A、12Bそれぞれの温度を検出可能なように、各面状ヒータ12A、12Bそれぞれに配置された温度センサ32、34で構成されている。
そして、本実施形態の制御装置50は、第1実施形態と同様に、図4、図6、図8、図11に示す制御処理を実行するすることで、電気ヒータ10を稼働させると共に、温度検出部30に異常が生じているか否かを判定する。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の輻射ヒータ装置1は、第1実施形態の輻射ヒータ装置1と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の如く、電気ヒータ10を複数の面状ヒータ12A、12Bを含む構成では、複数の面状ヒータ12A、12Bそれぞれに対して温度センサ32、34を設けることで、複数の面状ヒータ12A、12Bそれぞれの温度を把握することが可能となる。
ここで、本実施形態では、電気ヒータ10を2つの面状ヒータ12A、12Bで構成する例について説明したが、これに限定されない。電気ヒータ10は、例えば、3つ以上の面状ヒータで構成されていてもよい。この場合には、各面状ヒータに対して温度センサを設けることが望ましい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図13を参照して説明する。本実施形態の輻射ヒータ装置1Bは、電気ヒータ10Bが、互いに分割された複数の発熱部124C、124Dを有する単一の面状ヒータ12Cで構成されている点が第1実施形態と相違している。
図13に示す本実施形態の電気ヒータ10Bは、単一の面状ヒータ12Cで構成されている。本実施形態の面状ヒータ12Cは、電気配線ELを介して制御装置50に接続されており、その作動が制御装置50によって制御される。
本実施形態の面状ヒータ12Cは、一対の電極126C、126Dの間に、2つの発熱部124C、124Dが設けられている。2つの発熱部124C、124Dは、互いに電気的に分割されている。なお、本実施形態の面状ヒータ12Cには、2つの発熱部124C、124Dに対応して2つの基板部122C、122Dが設けられている。
2つの発熱部124C、124Dの一方は、メイン発熱部124Cであり、第1実施形態の発熱部124と同様に構成されている。2つの発熱部124C、124Dの他方は、メイン発熱部124Cを補助する補助発熱部124Dである。補助発熱部124Dは、メイン発熱部124Cに比べて輻射熱を発する部位の面積が小さくなっている。
また、本実施形態の温度検出部30は、メイン発熱部124Cおよび補助発熱部124Dそれぞれの温度を検出可能なように、メイン発熱部124Cおよび補助発熱部124Dに対応して設けられた温度センサ32、34で構成されている。
そして、本実施形態の制御装置50は、第1実施形態と同様に、図4、図6、図8、図11に示す制御処理を実行するすることで、電気ヒータ10を稼働させると共に、温度検出部30に異常が生じているか否かを判定する。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の輻射ヒータ装置1は、第1実施形態の輻射ヒータ装置1と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の如く、電気ヒータ10が単一の面状ヒータ12Cで構成され、当該面状ヒータが互いに分割された複数の発熱部124C、124Dを含む構成となっている。このような構成では、各発熱部124C、124Dに対応して、温度センサ32、34を設けることで、各発熱部124C、124Dそれぞれの温度を把握することが可能となる。
ここで、本実施形態では、単一の面状ヒータ12Cに対して、2つの発熱部124C、124Dを設ける例について説明したが、これに限定されない。電気ヒータ10は、例えば、単一の面状ヒータ12Cに対して、3つ以上の発熱部が設けられた構成となっていてもよい。この場合には、各発熱部に対して温度センサを設けることが望ましい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図14、図15を参照して説明する。本実施形態は、制御装置50が、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始直前に温度検出部30に異常が生じているか否かを判定する構成となっている点が、第1実施形態と異なっている。本実施形態では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態との共通部分に関する説明を省略する。
複数の温度センサ32、34に内在する電気抵抗値等に異常が生じている場合、図14に示すように、電気ヒータ10への通電が開始される前の通電初期段階でも、各温度センサ32、34の検出値の差である検出温度差ΔTiが大きくなる。
上述の事項を鑑みて、本実施形態の輻射ヒータ装置1は、制御装置50が、通電初期段階のうち電気ヒータ10の通電開始直前に温度検出部30に異常が生じているか否かを判定する構成となっている。具体的には、電気ヒータ10の通電開始直前は、ヒータ操作スイッチ62がオンに操作されてから実際に電気ヒータ10が通電されるまでの期間である。
以下、本実施形態の制御装置50が実行する制御処理の流れについて、図15を参照して説明する。なお、図15に示す各ステップのうち、図4で示したステップと同じ符号が付されたステップは、特に言及しない限り、同じ処理内容となっている。
図15に示すように、ステップS12にて電気ヒータ10を稼働させると判定された場合、制御装置50は、ステップS26にて、通電前異常検出処理を実行する。このステップS26の処理では、図6のステップS180〜S186に示す処理と同じ処理を行う。
続いて、制御装置50は、ステップS28にて、上述の通電前異常検出処理にて温度検出部30が異常と判定されたか否かを判定する。この判定処理の結果、温度検出部30が異常と判定された場合、制御装置50は、ステップS30にて、電気ヒータ10を停止した状態を維持して本制御処理を抜ける。また、温度検出部30が異常と判定されなかった場合、制御装置50は、ステップS14の処理に移行する。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態の輻射ヒータ装置1は、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始直前に、温度検出部30の異常を検出することができるので、電気ヒータ10の異常発熱等を未然に防ぐことが可能となる。
ここで、本実施形態では、図15のステップS16、S18に示すように、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始直後にも温度検出部30の異常を検出する処理を行うことになっているが、これに限定されない。制御装置50は、温度検出部30の異常を検出する処理について、例えば、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始直前に行い、通電開始直後に行わないようになっていてもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図16、図17を参照して説明する。本実施形態では、制御装置50が、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始時に温度検出部30に異常が生じているか否かを判定する構成となっている点が、第1実施形態と異なっている。本実施形態では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態との共通部分に関する説明を省略する。
複数の温度センサ32、34に内在する電気抵抗値等に異常が生じている場合、図16に示すように、電気ヒータ10への通電開始時でも、各温度センサ32、34の検出値の差である検出温度差ΔTiが大きくなる。
上述の事項を鑑みて、本実施形態の輻射ヒータ装置1は、制御装置50が、通電初期段階のうち電気ヒータ10の通電開始時に温度検出部30に異常が生じているか否かを判定する構成となっている。
以下、本実施形態の制御装置50が実行する制御処理の流れについて、図17を参照して説明する。なお、図17に示す各ステップのうち、図4で示したステップと同じ符号が付されたステップは、特に言及しない限り、同じ処理内容となっている。
図17に示すように、ステップS14にて電気ヒータ10の通電処理を行う際に、制御装置50は、ステップS32にて、通電時異常検出処理を実行する。このステップS32の処理では、図6のステップS180〜S186に示す処理と同じ処理を行う。
続いて、制御装置50は、ステップS34にて、上述の通電時異常検出処理にて温度検出部30が異常と判定されたか否かを判定する。この判定処理の結果、温度検出部30が異常と判定された場合、制御装置50は、ステップS36にて、電気ヒータ10への通電を停止させ、本制御処理を抜ける。また、温度検出部30が異常と判定されなかった場合、制御装置50は、ステップS16の処理に移行する。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態の輻射ヒータ装置1は、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始時に、温度検出部30の異常を検出することができるので、電気ヒータ10の異常発熱等を未然に防ぐことが可能となる。
ここで、本実施形態では、図17のステップS16、S18に示すように、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始直後にも温度検出部30の異常を検出する処理を行うことになっているが、これに限定されない。制御装置50は、温度検出部30の異常を検出する処理について、例えば、通電初期段階のうち電気ヒータ10への通電開始時に行い、通電開始直後に行わないようになっていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態の如く、輻射ヒータ装置1は、初期異常判定処理、昇温期異常判定処理、および安定期異常判定処理それぞれを制御装置50で実行する構成となっていることが望ましいが、これに限定されない。輻射ヒータ装置1は、初期異常判定処理、昇温期異常判定処理、および安定期異常判定処理のうち、少なくとも1つを制御装置50で実行する構成となっていてもよい。
上述の各実施形態の如く、複数の温度センサ32、34は、電気ヒータ10における外乱の影響を受け難い部位に配置することが望ましいが、これに限定されない。複数の温度センサ32、34それぞれに対して同等に外乱が影響する場合等には、複数の温度センサ32、34が電気ヒータ10における外乱の影響を受け易い部位に配置されていてもよい。
上述の各実施形態の如く、初期温度閾値ΔThiを各温度センサ32、34に内在する電気抵抗値のバラツキを加味して予め設定しておくことが望ましいが、これに限定されない。輻射ヒータ装置1は、初期温度閾値ΔThiが、例えば、実際に温度検出部30に異常が生じた際の各温度センサ32、34の温度差を基準に設定されていてもよい。
上述の各実施形態の如く、温度変化閾値ΔVhを電気ヒータ10の周囲の雰囲気温度に応じて大きくなる可変閾値とすることが望ましいが、これに限定されない。輻射ヒータ装置1は、温度変化閾値ΔVhが、例えば、予め決定された固定閾値に設定されていてもよい。
上述の各実施形態の如く、安定期温度閾値ΔThsを電気ヒータ10における温度分布を加味して予め設定しておくことが望ましいが、これに限定されない。輻射ヒータ装置1は、安定期温度閾値ΔThsが、例えば、実際に温度検出部30に異常が生じた際の各温度センサ32、34の温度差を基準に設定されていてもよい。
上述の各実施形態の如く、温度検出部30に異常が生じていると判定された場合には、電気ヒータ10への通電量を減少させることが望ましいが、これに限定されない。輻射ヒータ装置1は、例えば、ヒータ操作部60に乗員に対して異常を報知する報知部を設け、温度検出部30に異常が生じていると判定された場合に、報知部によって温度検出部30の異常を報知する構成となっていてもよい。
上述の各実施形態の如く、電気ヒータ10は、物体が接触した際に、物体が接触した局所部位の温度が急速に低下する構成となっていることが望ましいが、これに限定されない。電気ヒータ10は、上述の各実施形態で示した構成以外の構成となっていてもよい。
上述の各実施形態では、本開示の輻射ヒータ装置1を車両の暖房装置に適用した例について説明したが、本開示の輻射ヒータ装置1は、例えば、家屋内の暖房装置等にも広く適用することができる。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
[まとめ]
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、輻射ヒータ装置は、温度検出部が複数の温度センサを含んで構成されている。そして、輻射ヒータ装置の異常判定部は、複数の温度センサの検出値、または、複数の温度センサの検出値の変化量を比較して、温度検出部に異常が生じているか否かを判定するように構成されている。
第2の観点によれば、輻射ヒータ装置の異常判定部は、通電初期段階において、一部の温度センサの検出値が残りの温度センサの検出値に対して所定の初期温度閾値を超えて乖離している場合に、温度検出部に異常が生じていると判定する。ここで、通電初期段階は、電気ヒータへの通電開始直前から電気ヒータへの通電開始直後までの段階である。
このように、通電初期段階において温度検出部の異常の有無を判定可能な構成では、電気ヒータの温度が昇温する前に温度検出部の異常を検出することができるので、電気ヒータの異常発熱等を未然に防ぐことが可能となる。
第3の観点によれば、輻射ヒータ装置は、初期温度閾値が、少なくとも複数の温度センサに内在する電気抵抗値のバラツキを加味して、予め設定されている。このように、初期温度閾値を複数の温度センサに内在する電気抵抗値のバラツキを加味して予め設定する構成とすれば、通電初期段階における温度検出部の異常を的確に検出することが可能となる。
第4の観点によれば、輻射ヒータ装置の異常判定部は、次のように構成される。すなわち、異常判定部は、昇温段階において、一部の温度センサの検出値の単位時間当たりの温度変化量が残りの温度センサの検出値の単位時間当たりの温度変化量に対して所定の温度変化閾値を超えて乖離している場合に、温度検出部に異常が生じていると判定する。なお、昇温段階は、電気ヒータへの通電を開始してから電気ヒータの温度が所定の基準温度に到達するまで段階である。
このように、昇温段階において温度検出部の異常の有無を判定可能な構成では、電気ヒータが昇温する過程において生ずる温度検出部の異常(例えば、応答特性の異常)を検出することができるので、電気ヒータの異常発熱等を未然に防ぐことが可能となる。
第5の観点によれば、輻射ヒータ装置は、温度変化閾値が、電気ヒータの周囲の雰囲気温度の上昇に伴って大きくなる可変閾値となっている。このように、温度変化閾値を電気ヒータの周囲の雰囲気温度に応じて可変させる構成とすれば、昇温段階における温度検出部の異常を的確に検出することが可能となる。
第6の観点によれば、輻射ヒータ装置の異常判定部は、次のように構成される。すなわち、異常判定部は、安定段階において、複数の温度センサのうち、一部の温度センサの検出値が残りの温度センサの検出値に対して所定の安定温度閾値を超えて乖離している場合に、温度検出部に異常が生じていると判定する。なお、安定段階は、電気ヒータの温度が所定の基準温度に到達した後の段階である。
このように、安定段階において温度検出部の異常の有無を判定可能な構成では、電気ヒータが昇温した後に顕在化する温度検出部の異常を検出することができるので、電気ヒータの異常発熱等を抑制することが可能となる。
第7の観点によれば、輻射ヒータ装置は、安定温度閾値が、少なくとも電気ヒータにおける温度分布を加味して、予め設定されている。このように、安定温度閾値を電気ヒータにおける温度分布を加味して予め設定する構成とすれば、安定段階における温度検出部の異常を的確に検出することが可能となる。
第8の観点によれば、輻射ヒータ装置は、電気ヒータへの通電量を制御する通電量制御部を備える。そして、通電量制御部は、異常判定部にて温度検出部に異常が生じていると判定された場合に、電気ヒータへの通電量を低下させる。
このように、温度検出部に異常がある場合に電気ヒータへの通電量を低下させる構成とすれば、電気ヒータの異常発熱を抑えることができるので、輻射ヒータ装置の安全性を充分に確保することが可能となる。
第9の観点によれば、輻射ヒータ装置は、複数の温度センサが、電気ヒータにおける外乱の影響を受け難い部位に配置されている。これによると、外乱の影響による温度検出部の異常の誤検出を抑制することができるので、温度検出部の異常の誤検出に伴うユーザの快適性の悪化を抑制することができる。
第10の観点によれば、輻射ヒータ装置は、電気ヒータが、複数の面状ヒータを含んで構成されている。そして、複数の面状ヒータそれぞれには、温度センサが設けられている。このように、電気ヒータが複数の面状ヒータを含む構成では、複数の面状ヒータそれぞれに対して温度センサを設けることで、複数の面状ヒータそれぞれの温度を把握することが可能となる。
第11の観点によれば、輻射ヒータ装置は、電気ヒータが、単一の面状ヒータで構成されている。そして、面状ヒータは、互いに分割された複数の発熱部を含んで構成され、複数の発熱部それぞれに対応して温度センサが設けられている。
このように、電気ヒータが単一の面状ヒータを有し、当該面状ヒータが互いに分割された複数の発熱部を含む構成では、複数の発熱部それぞれに対して温度センサを設けることで、複数の発熱部それぞれの温度を把握することが可能となる。