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JP6863766B2 - 既設管の更生方法 - Google Patents
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本発明は、既設管の更生方法に関する。
地中に埋設された下水道管、上水道管、農水管などの既設管が老朽化した場合には、その管路を掘削することなく、管路の内面にライニングを施して管路を補修する更生工法が種々提案されており、実用化されている。そのような更生工法の一つとして、例えば、特許文献1では、熱可塑性樹脂により形成されたライニング材を用いて既設管の更生を行う方法が提案されている。この方法では、まず、ライニング材を外周面に軸方向に延びる少なくとも一つの凹部を備えた異形状に変形させた状態で、既設管に挿入する。続いて、ライニング材の内部空間に加熱用の蒸気を注入することで、凹部が膨れるように変形させ、既設管の内壁面に密着するように、円筒形状に拡径させる。これに続いて、ライニング材の内部空間に冷却用のエアを注入し、ライニング材を冷却させる。こうして、ライニング材の施工が完了する。
特開2008−183840号公報
ところで、特許文献1の方法では、蒸気を注入する管部材に、エアを注入してライニング材を冷却している。しかしながら、蒸気が通過した後の管部材は、高温となっているため、この管部材に冷却用の空気を注入するとエアが熱せられる。そのため、このようなエアでライニング材の冷却を行っても、冷却効率が低いという問題があった。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、熱可塑性樹脂により形成されたライニング材を拡径して既設管に密着させる更生方法において、冷却効率を向上することができる、既設管の更生方法を提供することを目的する。
本発明に係る既設管の更生方法は、熱可塑性樹脂により筒状に形成されたライニング材であって、外周面に軸方向に延びる少なくとも一つの凹部を備えた異形状の態様から、当該ライニング材の内部空間に加熱用の流体を注入することで、少なくとも前記凹部が膨れるように変形し、円筒形状に拡径可能なライニング材を準備するステップと、前記異形状のライニング材を、既設管に挿入するステップと、前記ライニング材の内部空間に加熱用の流体を注入することで前記ライニング材を拡径させ、前記ライニング材を前記既設管の内壁面に密着させるステップと、前記既設管の内壁面に密着した前記ライニング材に冷却用の流体を注入することで、当該ライニング材を冷却するステップと、を備え、前記加熱用の流体を前記ライニング材の内部空間に注入する経路と、前記冷却用の流体を前記ライニング材の内部空間に注入する経路とが、別経路で構成されている。
従来例では、加熱用の流体と冷却用の流体とを同じ経路を使ってライニング材に供給しているため、加熱用の流体によって高温になった経路に冷却用の流体を供給することになり、冷却用の流体が加熱されていた。そのため、冷却に時間を要していた。これに対して、本発明によれば、ライニング材を施工する際、加熱用の流体を供給する経路と、冷却用の流体を供給する経路を別々にしている。これにより、冷却用の流体が加熱用の流体の影響により高温になることを防止することができる。その結果、ライニング材の冷却時間を短縮することができる。
上記既設管の更生方法においては、前記冷却用の流体として、冷却した気体を注入することができる。これにより、冷却効率をさらに向上することができる。
上記既設管の更生方法においては、前記冷却用の流体として、液体を注入することができる。これにより、エアを用いるよりも冷却効率を向上することができる。
上記既設管の更生方法において、前記ライニング材を既設管の内壁面に密着させるステップでは、前記冷却用の流体を前記ライニング材の内部空間に注入することで前記密着を行うことができ、前記ライニング材を冷却するステップでは、前記ライニング材を既設管の内壁面に密着させるステップに引き続き、前記冷却用の流体を注入することで前記冷却を行うことができる。
上記既設管の更生方法においては、前記加熱用の流体を注入するステップの後、当該加熱用の流体を注入する経路を介して前記ライニング材に気体を注入することで、前記ライニング材の内部空間を加圧状態とするステップをさらに備えることができる。
この構成によれば、ライニング材に対し、加熱用の流体、加圧用の気体、及び冷却用の流体の3つを注入しているが、加熱用の流体と加圧用の流体を同じ経路で注入しているため、注入用の経路を少なくすることができる。これにより、作業効率を向上することができる。
本発明によれば、熱可塑性樹脂により形成されたライニング材を拡径して既設管に密着させる更生方法において、冷却効率を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る既設管の改修方法が適用される既設管の断面図である。 ライニング材の断面図である。 ライニング材の施工方法を示す図である。 ライニング材の施工方法を示す図である。 ライニング材の断面図である。 ライニング材の他の施工方法を示す図である。 ライニング材の他の施工方法を示す図である。 ライニング材の他の施工方法を示す図である。
以下、本発明に係る既設管の更生方法の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<1.既設管>
まず、本実施形態に係る更生方法が適用される既設管について説明する。図1に示すように、この既設管1は円筒状に形成され、2つの縦坑を結ぶように、地中で水平方向に延びている。ここでは図1の左側の縦坑を第1縦坑21、右側の縦坑を第2縦坑22と称することとする。また、既設管1において第1縦坑21と接続される端部開口を第1開口11、第2縦坑22と接続される端部開口を第2開口12と称することとする。本実施形態では、この既設管1に対し、熱可塑性樹脂製のライニング材3を第1縦坑21側から挿入して施工する。以下、詳細に説明する。
<2.ライニング材の概要>
続いて、ライニング材3の施工について説明する。まず、ライニング材3について説明する。ライニング材3は、硬質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂により形成されている。また、このライニング材3は、施工前には、異形状に変形され、既設管1に挿入された後、加熱されることで拡径し、既設管1に施工される。
より詳細に説明すると、まず、ライニング材3は、押出成形により円筒状に成形される。このとき、図2(a)に示すように、ライニング材3は、既設管1の内径よりも大きい外径(例えば、105%程度まで)を有している。また、このライニング材3は、熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度において、この外径の円筒形状を形状記憶している。そして、このような初期状態のライニング材3を冷却して既設管1の内径よりも小さい外径に縮径(例えば、既設管の内径の90〜95%程度)した後、図2(b)に示すように、軸方向に凹部31を有するように異形状に変形する。そして、異形状に変形されたライニング材3は、巻取機に巻き取られて保管される。また、巻き取られたライニング材3の先端には、後述するように、先端固定具32が取り付けられ、この先端固定具32には、第3管部材53が取り付けられる。なお、先端固定具32は後述するライニング材の施工時に取り付けてもよい。
<3.ライニング材の施工>
次に、上記ライニング材3を施工について説明する。まず、図3に示すように、第2縦坑22の地上の開口付近にウインチ41を配置し、ウインチ41から繰り出されるワイヤー42を第2縦坑22、及び既設管1を通じて、第1縦坑21まで引き出す。次に、第1縦坑21の地上の開口付近に配置された巻取機43からライニング材3を繰り出し、第1縦坑21内にライニング材3の先端固定具32を配置する。続いて、ワイヤー42を先端固定具32に連結し、ウインチ41によりワイヤー42を牽引する。これにより、ライニング材3が既設管1内に挿入される。そして、ライニング材3が既設管1の全長に亘って配置されると、ライニング材3の第1開口11付近の部位を切断した後、この切断した端部に封止部材33を取り付け、封止する。なお、この封止部材33には、後述する第1管部材51及び第2管部材52が取り付けられる。また、ライニング材3を既設管1内に挿入した後、先端固定具32もしくはライニング材3の第2開口12付近を切断除去し、その管端部に封止部材を取り付けてもよい。
次に、図4に示すように、第1縦坑21の地上の開口付近にボイラー61を配置し、ボイラー61と封止部材33とを第1管部材51で接続する。また、第1縦坑21の地上の開口付近に、コンプレッサー63を配置し、このコンプレッサー62と封止部材33とを第2管部材52で接続する。さらに、第2縦坑22の地上の開口付近に、水・蒸気分離器44を配置し、この水・蒸気分離器44と先端固定具32とを第3管部材53で接続する。これにより、ボイラー61及びコンプレッサー62から供給される流体が、第1及び第2管部材51,52を介してライニング材3内に供給された後、第3管部材53を介して水・蒸気分離器44へと排出されるようになる。なお、第1〜第3管部材51〜53を形成する材料は、特には限定されないが、例えば、ホースなどの樹脂材料で形成することができる。この点は、本明細書で示される全ての管部材について、同じである。
続いて、ボイラー61から第1管部材51を介して、ライニング材3内にガラス転移温度以上の蒸気を供給する。これにより、ライニング材3は、図5に示すように、凹部31が膨れつつ円筒形状に復元される。そして、蒸気の供給を停止する。この過程において、ライニング材3内に供給された蒸気は、第3管部材53を介して水・蒸気分離器44に流れ出す。
次に、コンプレッサー62から第2管部材52を通じて冷却用のエアを供給する。これにより、ライニング材3はさらに拡径して既設管1の内壁面に密着し、同時にライニング材3が冷却され始める。すなわち、ライニング材3の内部空間は加圧状態が維持されたまま冷却され、既設管1の内壁面に固定される。こうしてライニング材の施工が終了する。
<4.特徴>
従来例では、蒸気とエアを同じ経路を使って供給しているため、蒸気によって高温になった経路にエアを供給することになり、冷却に時間を要していた。これに対して、本実施形態によれば、ライニング材3を施工する際、加熱用の蒸気を供給する経路と、冷却用のエアを供給する経路を別々にしている。すなわち、本実施形態では、第1管部材51を介して蒸気を供給した後、これとは異なる第2管部材52を介してエアを供給しているため、エアが蒸気の影響により高温になることを防止することができる。その結果、冷却時間を短縮することができる。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせ可能である。
<5−1>
冷却効率を向上するためには、例えば、図6に示すように、第2管部材52の途中にクーラー等の冷却機器45を配置し、コンプレッサー62からのエアをこの冷却機器45を通過させる。これにより、コンプレッサー62から排出されるエアを冷却することができ、冷却されたエアをライニング材3に供給することができる。そのため、冷却時間をさらに短縮することができる。
<5−2>
冷却用の流体としては、上記実施形態のようなエアのほか、水のような冷却用の液体を供給することができる。例えば、図7に示すように、水のタンク46を第1縦坑21の地上の開口付近に配置する。なお、このタンク46の代わりに、施工前に既設管を洗浄するための給水車を利用しても良い。そして、ライニング材3の封止部材33とタンク46とを第4管部材54で接続するとともに、この第4管部材54の途中にポンプ48を配置する。これにより、タンク46の水をライニング材3内に供給することができる。したがって、蒸気を供給してライニング材3を拡径させた後、エアでライニング材3をさらに拡径して既設管1の内壁面に密着させるとともに、内部空間を加圧した状態で、水を供給すれば、ライニング材3を効果的に冷却することができる。あるいは、エアと水とを混合してライニング材3を冷却することもできる。
<5−3>
図7の例では、3本の管部材51、52,54を封止部材33に連結したが、例えば、図8に示すようにすることができる。図8の例では、第1管部材51と第2管部材52とを、第1縦坑21の地上の開口付近に配置した切替弁49に接続している。そして、この切替弁49から第5管部材55を延ばし、封止部材33に連結している。これにより、第1管部材51からの蒸気、及び第2管部材52からのエアは、ともに切替弁49から第5管部材55を通じてライニング材3内に供給される。このように、蒸気とエアは同じ第5管部材55を通じて供給されるが、水は別経路である第4管部材54を通じて供給されるため、冷却効率には影響はない。したがって、このような態様であれば、第1縦坑21内の管部材の数を少なくすることができ、作業効率を向上することができる。この場合、第5管部材55をできるだけ短くすれば、蒸気によるエアへの温度の影響を低減できるため、エアによる冷却効果も得ることができる。その結果、冷却効率をさらに向上することができる。
<5−4>
上記実施形態では、封止部材33に管部材51,52,54,55をそれぞれ接続しているが封止部材33の直近であれば、例えば、第1管部材51に第2管部材52を接続し、第2管部材52、つまり1本の管部材のみを封止部材33に接続することもできる。これにより、エアや水などの冷却用の流体が蒸気の影響を受けるのを最小限にすることができる。したがって、このような態様も本発明の一態様として含まれる。縦坑内や縦坑開口部付近で第1管部材51に第2管部材52を接続してもよい。
<5−5>
上記実施形態では、蒸気、エア、及び水をそれぞれボイラー61、コンプレッサー62、及びタンク46から供給しているが、これ以外でも、ライニング材3を加熱、冷却できる流体であれば、その供給源を含め、特には限定されない。
<5−6>
また、ライニング材3の構成も特には限定されず、熱可塑性樹脂により筒状に形成され、施工前に、外周面に軸方向に延びる少なくとも一つの凹部を備えた異形状の態様を有し、加熱用の流体を注入することで、少なくとも凹部が膨れるように変形し、円筒形状に拡径可能なライニング材であればよい。
1 既設管
3 ライニング材
51 第1管部材(加熱用の流体の経路)
52 第2管部材(冷却用の流体の経路)
54 第4管部材(冷却用の流体の経路)

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂により筒状に形成されたライニング材であって、外周面に軸方向に延びる少なくとも一つの凹部を備えた異形状の態様から、当該ライニング材の内部空間に加熱用の流体を注入することで、少なくとも前記凹部が膨れるように変形し、円筒形状に拡径可能なライニング材を準備するステップと、
    前記異形状のライニング材を、既設管に挿入するステップと、
    前記ライニング材の内部空間に加熱用の流体を注入することで前記ライニング材を拡径させ、前記ライニング材を前記既設管の内壁面に密着させる、ステップと、
    前記加熱用の流体を注入するステップの後、前記ライニング材に気体を注入することで、前記ライニング材の内部空間を加圧状態とするステップと、
    前記既設管の内壁面に密着した前記ライニング材に冷却用の流体を注入することで、当該ライニング材を冷却するステップと、
    を備え、
    前記加熱用の流体を前記ライニング材の内部空間に注入する経路と、前記冷却用の流体を前記ライニング材の内部空間に注入する経路とが、別経路で構成されている、既設管の更生方法。
  2. 前記冷却用の流体として、冷却した気体を注入する、請求項1に記載の既設管の更生方法。
  3. 前記冷却用の流体として、液体を注入する、請求項1または2に記載の既設管の更生方法。
  4. 前記ライニング材の内部空間を加圧状態とするステップでは、
    前記加熱用の流体を注入する経路を介して前記ライニング材に気体を注入する、請求項1から3のいずれかに記載の既設管の更生方法。
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