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JP6866766B2 - 定着装置、画像形成装置及び定着動作制御方法 - Google Patents
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JP6866766B2 - 定着装置、画像形成装置及び定着動作制御方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置及び定着動作制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、定着装置、画像形成装置及び定着動作制御方法に関する。
従来、トナーなどの色材を用紙などの記録媒体上に付着させた後に当該トナーを加熱して定着させる動作を行う画像形成装置がある。このような加熱として、記録媒体に当接するローラーやベルトなどをヒーターによって加熱することで間接的に行われる方法が広く用いられている。加熱面の温度計測結果に基づいて適切にヒーターがオンオフ制御されることで、記録媒体やトナーを適切な温度範囲内とさせ、温度不足による定着不良の発生や、過熱により記録媒体の排出時までにトナーの定着が完了せずに、上下に重ねられた記録媒体が貼りつくタッキングの発生などが防止されている。
しかしながら、画像形成装置を複数の記録媒体のサイズに対応させる場合に、加熱面が記録媒体の搬送方向に対して垂直な幅方向に長くなると、当該幅方向について温度差が生じやすくなり、定着むらやタッキングなどの発生が効果的に抑止されないという問題がある。これに対し、特許文献1には、複数のヒーターを幅方向について異なる範囲を加熱するように設け、複数の温度センサーの検出温度と加熱対象の記録媒体のサイズとに応じて加熱範囲及び各ヒーターの加熱のオンオフをそれぞれ制御する技術が開示されている。
特開2005−62331号公報
しかしながら、幅方向に温度分布を生じさせる従来の加熱構成では、温度センサーの計測位置から外れた位置で必ずしも適切に温度が制御されず、幅方向について一様に記録媒体上の色材が適正に定着されにくい場合があるという課題がある。
この発明の目的は、温度制御に係る構成を増やさずに容易かつより適正に記録媒体上の色材を定着させることのできる定着装置、画像形成装置及び定着動作制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
所定の定着幅に亘る加熱動作により記録媒体上の色材を定着させる定着動作部と、
前記定着動作部による加熱動作に係る温度を計測する温度計測部と、
前記定着動作部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記定着動作部は、前記定着幅の方向に沿った幅方向について、当該定着幅の両端位置からそれぞれ所定範囲内の第1加熱範囲で発熱する第1熱源部と、一部が前記第1加熱範囲のうち少なくとも一部分と重複する第2加熱範囲で発熱する第2熱源部と、を含み、互いに異なる加熱範囲で発熱する熱源部を有し、
前記温度計測部は、前記第1加熱範囲内の所定の第1計測位置における温度を計測する第1温度計測部と、前記第2加熱範囲内であって、前記第1計測位置よりも前記両端位置の中央に近い位置で温度を計測する第2温度計測部と、を有し、
前記制御部は、前記第1温度計測部による計測温度及び第1加熱設定温度に基づいて前記第1熱源部の発熱動作を制御し、前記第2温度計測部による計測温度及び第2加熱設定温度に基づいて前記第2熱源部の発熱動作を制御し、前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第2加熱設定温度の低下を開始させた後に前記第1加熱設定温度の低下を開始させる
ことを特徴とする定着装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、
前記制御部は、前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第1加熱設定温度及び前記第2加熱設定温度をそれぞれ複数段階で低下させることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の定着装置において、
前記制御部は、前記第1熱源部及び前記第2熱源部のうち少なくともいずれかについて、発熱時間のデューティー比を変更することで前記発熱動作の制御を行うことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の定着装置において、
前記制御部は、前記第2加熱設定温度と前記第2温度計測部が計測する計測温度とに基づくPI制御により設定される前記デューティー比で前記第2熱源部の前記発熱動作の制御を行い、前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第2加熱設定温度を低下させた後、前記第2熱源部の前記デューティー比が所定の基準値以下となってから前記第1加熱設定温度を低下させる
ことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記制御部は、複数の記録媒体に対して連続して色材の定着を行わせる場合、前記第2温度計測部による計測温度が前記第2加熱設定温度から所定の範囲内で当該計測温度の変化率が所定の基準値以下となった以後に前記第2加熱設定温度の低下を開始させ、当該開始の後に前記第1加熱設定温度の低下を開始させる
ことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記熱源部は、前記幅方向について前記第1加熱範囲と相補的な第3加熱範囲で発熱する第3熱源部を含み、
前記制御部は、前記第2温度計測部の計測温度に基づいて、前記第3熱源部を前記第2熱源部よりも優先して発熱させる
ことを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記第1計測位置は、前記第1加熱範囲と前記第2加熱範囲とが重複する位置に定められていることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記第2熱源部は、前記定着幅の全体を前記第2加熱範囲として発熱することを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の定着装置において、
前記第2熱源部による前記幅方向についての単位長さ当たりの発熱量は、前記熱源部における前記単位長さ当たりの発熱量のうちで最も小さいことを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の定着装置において、
周囲の環境に係る所定の指標値を取得する検出部を備え、
前記制御部は、前記所定の指標値に基づいて前記加熱動作に係る温度を変化させることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記制御部は、色材を定着させる速度、記録媒体に対する当該記録媒体上の色材の面積比率、色材の定着後における所定の後処理動作の有無、及び各記録媒体の両面で色材の定着を行わせる否かのうち少なくともいずれかに基づいて前記加熱動作に係る温度を変化させることを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、
記録媒体上に色材を付着させて画像を形成する形成動作部と、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の定着装置と、
を備える
ことを特徴とする画像形成装置である。
また、請求項13記載の発明は、
所定の定着幅に亘る加熱動作により記録媒体上の色材を定着させる定着動作部と、前記定着動作部による加熱動作に係る温度を計測する温度計測部と、を備え、前記定着動作部は、前記定着幅の方向に沿った幅方向について、当該定着幅の両端位置からそれぞれ所定範囲内の第1加熱範囲で発熱する第1熱源部と、一部が前記第1加熱範囲のうち少なくとも一部分と重複する第2加熱範囲で発熱する第2熱源部と、を含み、互いに異なる加熱範囲で発熱する熱源部を有し、前記温度計測部は、前記第1加熱範囲内の所定の第1計測位置における温度を計測する第1温度計測部と、前記第2加熱範囲内であって、前記第1計測位置よりも前記両端位置の中央に近い位置で温度を計測する第2温度計測部と、を有する定着装置の定着動作制御方法であって、
前記第1温度計測部による計測温度及び第1加熱設定温度に基づいて前記第1熱源部の発熱動作を制御する第1発熱制御ステップ、
前記第2温度計測部による計測温度及び第2加熱設定温度に基づいて前記第2熱源部の発熱動作を制御する第2発熱制御ステップ、
前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第2加熱設定温度の低下を開始させた後に前記第1加熱設定温度の低下を開始させる設定温度制御ステップ、
を含むことを特徴としている。
本発明に従うと、定着装置において、温度制御に係る構成を増やさずに容易かつより適正に記録媒体上の色材を定着させることができるという効果がある。
本発明の定着装置を有する画像形成装置の実施形態の概略構成図である。 画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。 画像定着部及び温度計測部の構成を示す模式図である。 定着ローラーの内部における定着ヒーターの加熱範囲、及び温度計測部による温度計測位置について説明する図である。 定着ローラーの延在方向についての温度分布を示す模式図である。 画像形成装置における温度設定、温度計測値及び定着ヒーターの動作設定について説明する図である。 画像形成装置において実行される設定温度制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 タッキング調整処理の制御手順を示すフローチャートを示す図である。 画像定着部の変形例を示す図である。 画像形成装置における定着に係る構成の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の定着装置を有する画像形成装置の実施形態である画像形成装置1の概略構成を示す図である。
画像形成装置1は、画像形成部16(形成動作部)と、画像定着部17(定着動作部)と、温度計測部18と、搬送部19と、画像読取部21と、操作受付部22と、表示部23などを備える。
画像形成部16は、画像形成対象の画像データに基づいて記録媒体(用紙)上に画像を形成する。画像形成部16は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の色成分に各々対応する4組の露光部161、感光体162及び現像部163を備えている。また、画像形成部16は、転写体164及び二次転写ローラー165を有する。画像形成部16は、特には限られないが、例えばA4縦やA3横、すなわち、記録媒体の搬送方向に垂直な幅方向について最大297mmの範囲で画像の形成が可能となっている。
露光部161は、レーザーダイオード(LD)を備えている。露光部161は、画像データに基づいてLDを発光動作させ、帯電させた感光体162の表面にレーザー光を照射、露光して当該感光体162上に静電潜像を形成する。
現像部163は、露光された感光体162上に現像ローラーによりそれぞれC、M、Y及びKの各色のトナー(色材)を供給して、感光体162上に形成された静電潜像を現像する。
4つの感光体162上に各々C、M、Y及びKのトナー(色材)により現像された画像(単色画像)は、各感光体162から転写体164上に順次転写される。これにより、転写体164上にC、M、Y及びKの各色トナーが重ねられたカラー画像が形成される。転写体164は、複数の転写体搬送ローラーに巻き回された無端ベルトを有し、この無端ベルトは、各転写体搬送ローラーの回転に従って回転する。
二次転写ローラー165は、供給された記録媒体に転写体164上のカラー画像を転写する。ここでは、二次転写ローラー165に対し、カラー画像の記録媒体及び転写体164を挟持した状態で所定の転写電圧が印加されることにより、転写体164上のトナーが記録媒体に引き寄せられて記録媒体に転写され、付着する。
画像定着部17は、トナーが転写された記録媒体を加熱及び加圧してトナーを記録媒体上に定着させる定着処理を行う。
温度計測部18は、画像定着部17の定着(加熱動作)に係る加熱温度(温度)を計測して計測結果を制御部11に出力する。画像定着部17及び温度計測部18(図2参照)の詳しい構成及び動作については、後に詳述する。
搬送部19は、用紙搬送ローラーを複数備え、回転動作に応じて所定の搬送経路で記録媒体を搬送する。用紙搬送ローラーの少なくとも一部は、記録媒体を狭持するように対で配置されて、記録媒体を狭持した状態で互いに反対向きに回転することで当該記録媒体を移動させる。記録媒体は、複数の供給トレイ195のうち選択されたものから供給されて、用紙搬送ローラーにより二次転写ローラー165へ導かれる。
搬送部19は、画像定着部17により定着処理が行われた記録媒体の表裏を反転させて二次転写ローラー165へ再送する反転機構191を備えている。画像形成装置1では、記録媒体の両面に画像を形成する場合に反転機構191による記録媒体の表裏の反転が行われ、両面に画像が形成された後に当該記録媒体が排出トレイ196に排出される。記録媒体の片面にのみ画像を形成する場合には、反転機構191による記録媒体の表裏の反転が行われることなく片面に画像が形成された記録媒体が排出トレイ196に排出される。
画像読取部21は、読取媒体上の画像を読み取り、R(赤)、G(緑)及びB(青)の色成分毎の単色画像データを含む画像データを生成して出力するスキャナーである。
操作受付部22は、操作キーや表示部23の画面に重ねられて配置されたタッチパネル等の入力デバイスを備え、これらの入力デバイスに対する入力操作を操作信号に変換して制御部11(図2参照)に出力する。
表示部23は、LCD(Liquid crystal display;液晶ディスプレイ)等の表示画面を備え、画像形成装置1のステータスや、タッチパネルへの入力操作に係る操作画面等を表示する。
図2は、画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、上述の画像読取部21、操作受付部22、表示部23、画像形成部16、画像定着部17、温度計測部18及び搬送部19に加えて、制御部11と、記憶部12と、画像処理部13と、通信部24と、環境検出部25(検出部)などを備える。
制御部11は、バス30を介して記憶部12、画像処理部13、画像形成部16、画像定着部17、温度計測部18、搬送部19、画像読取部21、操作受付部22、表示部23及び通信部24と接続され、画像形成装置1の全体動作を統括制御する。例えば、制御部11は、取得された画像データに対して画像処理部13により所定の画像処理を行わせて処理済画像データを記憶部12に記憶させる。また、制御部11は、搬送部19に記録媒体を搬送させながら、記憶部12に記憶された画像データに基づいて画像形成部16により記録媒体上に画像を形成させ、また、画像定着部17の動作を制御して記録媒体上のトナーを定着させる。
制御部11は、CPU111(Central Processing Unit)、RAM112(Random Access Memory)及びROM113(Read Only Memory)を有する。
CPU111は、ROM113や記憶部12に記憶されている制御用プログラムを読み出して実行し、各種演算処理を行う。
RAM112は、CPU111に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
ROM113は、CPU111により実行される各種制御用のプログラムや設定データなどを格納する。ROM113は、マスクROMであっても良いし、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーであっても良い。
記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)などを有し、画像読取部21により読み取られた画像データや、通信部24を介して外部から入力された画像データやこれらの画像処理部13により処理データなどが記憶される。これらのデータの記憶は、RAM112と適宜分担されても良い。
画像処理部13は、記憶部12やRAM112などに記憶された画像データに対して各種画像処理を施して処理データとして記憶部12に記憶させる。画像処理部13は、画像処理を行うハードウェア構成として、例えば、ラスタライズ処理部、色変換部、階調補正部、ハーフトーン処理部などを備える。あるいは、これらの処理の一部又は全てが専用のCPUなどによりソフトウェア的に実行されても良い。
通信部24は、外部のコンピューター、プリントサーバーや他の画像形成装置などとの間でのデータの送受信を制御する入出力インターフェイスである。通信部24としては、例えば、ネットワークカードや各種シリアルインターフェースに係るドライバーなどが挙げられる。
環境検出部25は、画像形成装置1の周囲の環境に係る所定の指標値を計測して取得するセンサーであり、ここでは、少なくとも周囲温度を計測して制御部11に出力する。また、環境検出部25は、周囲の湿度などを検出可能であってもよい。
画像定着部17は、中央ヒーター176(第3熱源部)、全体ヒーター177(第2熱源部)、端部ヒーター178(第1熱源部)及び外加熱ヒーター179(まとめて定着ヒーター176〜179などとも記す;熱源部)を有し、記録媒体上のトナーを加熱して定着させる。
温度計測部18は、中央計測部181(第2温度計測部)と、端部計測部182(第1温度計測部)などを有する。各々の計測結果は、制御部11に出力される。
これらのうち、制御部11、画像定着部17及び温度計測部18により本実施形態における定着装置が構成される。
次に、本実施形態の画像定着部17及び温度計測部18について説明する。
図3は、画像定着部17及び温度計測部18の構成を図1と同一方向から見た場合の模式図である。
画像定着部17は、定着ローラー172と、加圧ローラー173と、外加熱ローラー174などを有する。
定着ローラー172は、加圧ローラー173とともに記録媒体Pを狭持し、制御部11による制御に基づいて図示略のモーターなどにより回転動作される。定着ヒーター176〜178は、定着ローラー172の内部にその回転軸方向に延在して設けられている。定着ヒーター176〜178は、それぞれ、制御部11による制御に基づいて通電されることにより発熱する。定着ヒーター176〜178としては、ここでは、ハロゲンランプヒーターが用いられる。
加圧ローラー173は、図示略の弾性部材により定着ローラー172の方向に付勢されており、定着ローラー172との間に定着ニップを形成して記録媒体Pを定着ローラー172との間に狭持する。加圧ローラー173は、定着ローラー172の回転(記録媒体Pが狭持されている場合には記録媒体Pの移動)に伴って回転する。なお、加圧ローラー173は、制御部11による制御に基づいてモーターなどにより定着ローラー172に同期した回転速度で回転動作されても良い。
定着ローラー172及び加圧ローラー173は、記録媒体Pを定着ニップで挟持して加圧した状態で搬送方向R(矢印方向)に搬送しながら当該記録媒体Pを加熱する。これにより、これにより記録媒体P上のトナーが溶融、定着する。記録媒体Pと接触する間の定着ローラー172の設定温度は、トナーの種別や最大量などに応じて適宜定められ、ここでは、例えば200℃程度、連続的に複数の記録媒体に対して画像を形成する場合には、これよりも若干低めの温度とされる。定着ヒーター176〜178の発熱状態は、定着ローラー172がこの温度範囲となるように制御される。
外加熱ローラー174は、表面が加圧ローラー173の表面に当接した状態で配置され、加圧ローラー173の回転に伴って回転する。外加熱ローラー174の内部には、回転軸方向に延在する外加熱ヒーター179が設けられている。外加熱ヒーター179は、制御部11による制御に基づいて通電されることにより発熱する。外加熱ヒーター179により加熱された外加熱ローラー174の熱が加圧ローラー173に伝わって当該加圧ローラー173が加熱される。
図4は、定着ローラー172の内部における定着ヒーター176〜178の加熱範囲、及び温度計測部18による温度計測位置について説明する図である。
中央ヒーター176は、幅方向に延在する筒部176a内にタングステンのフィラメント176bが設けられている。全体ヒーター177は、幅方向に延在する筒部177a内にタングステンのフィラメント177bが設けられている。また、端部ヒーター178は、幅方向に延在する筒部178a内にタングステンのフィラメント178bが設けられている。筒部176a〜178a内には、それぞれ所定の濃度のハロゲンガスが封入されている。定着ヒーター176〜178の発熱動作に係る基準電圧は、筒部176a〜178a内に封入されるハロゲンガスの濃度に基づいて設定されている。ここでは、全体ヒーター177の単位長さ当たりの発熱量は、中央ヒーター176及び端部ヒーター178の単位長さ当たりの発熱量よりも小さく(各熱源部の中で最も小さく)、定着ローラー172の表面全体の基礎的な加熱に用いられる。
中央ヒーター176は、幅方向について、搬送可能な最大の記録媒体幅(ここでは、A4縦の210mm;所定の定着幅)に対して中央部付近の所定範囲(第3加熱範囲)のみで発熱するようにフィラメント176bが設けられている。全体ヒーター177は、幅方向(すなわち、定着幅に沿った方向)について最大の記録媒体幅全体(定着幅の両端間全体;第2加熱範囲、端部ヒーター178の加熱範囲の少なくとも一部分と重複する)に亘って発熱するようにフィラメント177bが設けられている。端部ヒーター178は、全体ヒーター177の発熱範囲のうち中央ヒーター176が発熱しない幅方向両端部(第1加熱範囲;定着幅の両端位置から所定範囲内)で発熱するように(すなわち、定着幅内で中央ヒーター176の発熱範囲と相補的な範囲に)フィラメント178bが設けられている。すなわち、これらの定着ヒーター176〜178は、互いに異なる加熱範囲で発熱するように配置されている。
中央計測部181は、中央ヒーター176及び全体ヒーター177の加熱範囲(第2加熱範囲内)であって、幅方向について略中央付近(以下の第1計測位置よりも中央に近い位置)で定着ローラー172の表面温度を計測する。端部計測部182は、全体ヒーター177及び端部ヒーター178の加熱範囲(第1加熱範囲と第2加熱範囲とが重複する位置;第1計測位置)であって、一方の端部寄りの位置で定着ローラー172の表面温度を計測する。ここでは、端部計測部182が中央ヒーター176及び端部ヒーター178の加熱範囲の境界に近い位置で温度計測を行うように配置されることで、上述の最大の記録媒体幅よりも小さい(幅の狭い)記録媒体に対して画像を形成する際に温度制御が適切に行われやすくされている。
次に、画像定着部17における定着ヒーター176〜178の加熱動作制御について説明する。
本実施形態の画像形成装置1では、制御部11は、設定温度と計測温度とに基づいて定着ヒーター176〜178のオンオフに係る制御を行う。ここでは、中央ヒーター176及び全体ヒーター177は、中央計測部181による計測温度の履歴に基づいてPI制御によりオンオフ制御がなされる(第2発熱制御ステップ)。端部ヒーター178は、端部計測部182による計測温度と設定温度との大小関係に応じてオンオフの制御がなされる(第1発熱制御ステップ)。
また、ここでは、制御部11は、中央ヒーター176及び全体ヒーター177のオンオフ状態を設定されたデューティー比(発熱時間の割合)により短時間で周期的に切り換えさせる制御動作が可能である。このオンオフの切換周期(周波数)は適宜定められるが、ここでは、定着ヒーター176〜178に供給される交流電力の電源周波数半周期を単位として正弦波の位相0度、180度(ゼロクロス点)に同期させて切り換え、オン期間の半周期数とオフ期間の半周期数との比を変化させるハーフサイクルデューティー制御(HCD制御)とすることができる。
この画像形成装置1では、中央ヒーター176による加熱動作(発熱)が優先され、全体ヒーター177による加熱が完全にオフされた状態で中央計測部181による計測温度の履歴が設定温度に比して高過ぎる場合に中央ヒーター176がオフに切り換えられる。
上述のように、トナー(記録媒体)の温度を適切な温度範囲に加熱することで、トナーが記録媒体上に定着する。トナーの温度が低すぎると、定着不良が生じ、トナーの温度が高すぎると、トナーが固化する前に排出トレイ196に排出されて積み重なった記録媒体同士が粘着するタッキングが生じる。このタッキングは、定着時のトナー(記録媒体)の温度だけではなく、その他の要因、例えば、周囲の温度(環境温度;周囲の環境に係る所定の指標値)、連続画像形成時における画像形成速度(時間当たりの記録媒体の排出速度。すなわち、トナーを加熱定着させる速度)、記録媒体上に付与されたトナーの量(面積比率)、両面印刷(両面でのトナーの加熱定着)の有無や所定の後処理動作、例えば、排出トレイ196に排出される前に裁断を行うなどの他の処理の有無、などによってもタッキングの生じやすさが異なる。すなわち、環境温度が低く、画像形成速度が低く、付与されたトナーの量が少なく、片面印刷であり、後処理がなされてから排出トレイ196に排出されるのであれば、定着時の温度が多少高くても問題ないが、これらの要因が反対であるほどタッキングが生じやすくなる。
定着ローラー172では、当該定着ローラー172自体やこれに当接している記録媒体の熱容量により、定着ヒーター176〜178のオン及びオフの各タイミングと比較して実際に計測温度が上昇及び下降するまでにタイムラグが生じる。また、定着ローラー172では、その内部に幅方向に沿って回転軸や定着ヒーター176〜178が設けられているその構造から、両端、すなわち側面において特にローラーボスなどから放熱が生じやすく、したがって、全体ヒーター177や端部ヒーター178のオフ時、特に、端部ヒーター178のオフ時には、中央寄りの部分よりも両端寄りの部分で温度の低下が速い。
図5は、定着ローラー172の延在方向についての温度分布を示す模式図である。
端部ヒーター178がオフで、全体ヒーター177でのみ加熱がなされる場合、上述のように、両端からの放熱により、定着ローラー172の中央から両端に向けて温度勾配が生じる(図5(a))。したがって、端部計測部182の計測位置Pseで適度な温度が維持されていても、これより更に端部側での温度の低下が大きい。このような状態で画像形成が行われると、端部付近で十分にトナーが定着しない定着不良を生じる。
全体ヒーター177とともに、出力の大きい端部ヒーター178が断続的にオンされている場合には、この温度勾配が抑制される(図5(b))。これにより、中央計測部181の計測位置Pscと端部計測部182の計測位置Pseのいずれでも適度な温度となり、
また、端部側でも大きく温度が低下しない。端部ヒーター178が連続的にオンとなる場合、端部ヒーター178の加熱範囲が過熱となり、全体ヒーター177による中央部付近での加熱状況と比較して、特に、端部ヒーター178による加熱範囲のうち最も中央寄りの辺りに温度ピークが生じる(図5(c))。
図6は、本実施形態の画像形成装置1における温度設定、温度計測値及び定着ヒーター177、178の動作設定について説明する図である。図6(a)は、中央計測部181の計測温度Tsc及び設定温度Ttc(第2加熱設定温度)、並びに全体ヒーター177の動作状況(デューティー比Hc)について説明する図である。図6(b)は、端部計測部182の計測温度Tse(第1加熱設定温度)、端部計測部182の計測位置よりも更に端部寄りの位置での温度Tme及び設定温度Tte、並びに端部ヒーター178の動作状況(オンオフ状態He)について説明する図である。
図6(a)に示すように、画像形成動作の開始(約30秒)前には、画像形成中よりも高い設定温度Ttcで定着ローラー172が加熱され(予熱)、定着ローラー172が当該設定温度で安定した段階で一度全体ヒーター177がオフされる(約10〜30秒;Hc=0)。画像形成動作が開始されて(約30秒)、記録媒体が供給されると、定着ローラー172の熱が記録媒体に奪われることで計測温度Tscが低下し、全体ヒーター177がオンされ、デューティー比100%(Hc=100)で連続動作する(約30〜50秒)。
画像形成時には、中央計測部181による計測温度Tscの設定温度Ttcは予熱時の温度よりも低く、本来の記録媒体の加熱温度に変更される(約50秒)。また、連続して画像形成が行われる場合には、タッキングを防止するためにこの設定温度Ttcを更に低下させる(約160〜250秒)。この設定温度Ttcは、特に限定するものではないが、一度に低下させず、少しずつ段階的に(複数段階で)低下させるのが好ましい。このとき、中央計測部181の計測温度Tsc、すなわち、定着ローラー172の中央部付近での表面温度は、定着ローラー172の熱容量と熱伝導率に応じて徐々に上昇し、しばらくしてから設定温度Ttcより高くなる(約150秒)。しかしながら、中央計測部181の計測温度Tscが設定温度Ttcよりも低い状態が長く続いたことにより(約30〜150秒)、PI制御では、設定温度Ttcを低下させても、全体ヒーター177の動作がしばらくオフされない(約210秒までHc=100、約230秒でHc=60)。これにより、今度は、中央計測部181の計測温度Tscが設定温度Ttcよりもやや高い状態がしばらく続くことになる(〜約340秒)。
図6(b)に示すように、端部計測部182による計測温度Tseは、予熱及び画像形成開始後の記録媒体による吸熱により、当初では、中央計測部181による計測温度Tscと同様の変化を示す(〜約60秒)。しかしながら、その後、継続的な端部ヒーター178及び全体ヒーター177の動作により速やかに計測温度Tseが上昇し、図5(c)で示したように、端部ヒーター178の加熱範囲と中央ヒーター176の加熱範囲との境界付近での端部計測部182による計測温度Tseが中央計測部181による計測温度Tscよりも高くなって、端部ヒーター178がオフされる(約100秒;He=0)。
その後、本実施形態の画像形成装置1では、端部計測部182の設定温度Tteの低下タイミングを、中央計測部181の設定温度Ttcの低下タイミングよりも遅延させる(ここでは、約230秒〜)。設定温度Tteも設定温度Ttcと同様に少しずつ複数段階で低下させることが好ましい。ここでは、この低下タイミングは、全体ヒーター177のデューティー比が所定の基準値、例えば、60%以下となったタイミングに定められる。これにより、端部ヒーター178は、低下タイミングまでに2回(約150秒、約220秒)短時間オンされる。この端部ヒーター178がオンの期間がないと、上述の図5(a)に示したように、全体ヒーター177のみの動作によって端部ヒーター178による加熱範囲での温度勾配が顕著に現れ、すなわち、当該加熱範囲の端部付近で設定温度Tteよりも実際の温度Tmeが低くなる。全体ヒーター177の動作デューティー比が十分に低下した後であれば、設定温度Ttc、Tteと各計測温度Tsc、Tseとの上下関係に応じて全体ヒーター177と端部ヒーター178とがバランス良く断続的にオンオフの切り替えがなされるので、全体として図5(b)に示すように温度むらを低減させる、すなわち、計測温度Tsc、Tse、温度Tmeの間のずれを小さくすることができる。なお、図5(a)の状態で全体ヒーター177と端部ヒーター178の断続的な動作に移行すると、徐々に温度むらは解消されていくが、図5(b)の状態になるまでには時間を要し、定着不良が継続することになる。
図7は、本実施形態の画像形成装置1において実行される設定温度制御処理の制御部11による制御手順を示すフローチャートである。
この設定温度制御処理は、予熱設定状態から画像形成処理が開始されるのにあわせて開始される。
設定温度制御処理が開始されると制御部11(CPU111)は、連続画像記録動作が開始された後に、中央計測部181の設定温度Ttcと端部計測部182の設定温度Tteをそれぞれ画像形成時の設定温度に低下させる(ステップS101)。
制御部11は、温度計測部18から所定のサンプリングレートで計測温度Tscを取得し、計測温度Tscが設定温度Ttc以上となり、かつ計測温度Tscの変化率|dTsc/dt|が所定の基準値D以下となったか否かを判別する(ステップS102)。少なくともいずれかが満たされていないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、制御部11は、ステップS102の処理を繰り返す。
ステップS102の判別処理で、いずれの条件も満たされたと判別された場合には(ステップS102で“YES”)、制御部11は、中央計測部181の設定温度Ttcを段階的に連続画像形成時の設定温度にまで低下させる動作を開始する(ステップS103)。
制御部11は、全体ヒーター177の動作に係るデューティー比Hcが所定の基準値以下であるか否かを判別する(ステップS104)。基準値以下ではないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、制御部11は、ステップS104の処理を繰り返す。
デューティー比Hcが所定の基準値以下であると判別された場合には(ステップS104で“YES”)、制御部11は、端部計測部182の設定温度Tteを段階的に連続画像形成時の設定温度にまで低下させる動作を開始する(ステップS105)。そして、制御部11は、設定温度制御処理を終了する。
この設定温度制御処理の各処理は、本発明の実施形態の定着動作制御方法における設定温度制御ステップを構成する。
この設定温度制御処理は、タッキングの防止及び当該タッキングの防止時における定着不良の防止に係る制御であるが、上述のように、タッキングの発生しやすさには、他の要因も影響する。したがって、これら他の要因に応じて設定温度制御処理を行わないこととしてもよい。
図8は、タッキング調整処理の制御部11による制御手順を示すフローチャートを2種類示す図である。
図8(a)に示すように、タッキング調整処理が開始されると、制御部11は、環境検出部25により計測された周囲温度が基準値以上であるか否かを判別する(ステップS201)。基準値以上ではないと判別された場合には(ステップS201で“NO”)、制御部11は、タッキング調整処理を終了する。
基準値以上であると判別された場合には(ステップS201で“YES”)、制御部11は、形成対象画像のデータを解析し、記録媒体上に付与されるトナーの面積の当該記録媒体の面積に対する割合(カバレッジ)が所定値以上であるか否かを判別する(ステップS202)。所定値以上ではないと判別された場合には(ステップS202で“NO”)、制御部11は、タッキング調整処理を終了する。
所定値以上であると判別された場合には(ステップS202で“YES”)、制御部11は、画像形成速度が基準値以上であるか否かを判別する(ステップS203)。基準値以上ではないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、制御部11は、タッキング調整処理を終了する。
基準値以上であると判別された場合には(ステップS203で“YES”)、制御部11は、後処理装置が接続されていないか否かを判別する(ステップS204)。接続されていなくない(接続されている)と判別された場合には(ステップS204で“NO”)、制御部11は、タッキング調整処理を終了する。
後処理装置が接続されていないと判別された場合には(ステップS204で“YES”)、制御部11は、両面プリントであるか否かを判別する(ステップS205)。両面プリントではないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、制御部11は、タッキング調整処理を終了する。両面プリントであると判別された場合には(ステップS205で“YES”)、制御部11は、上述の設定温度制御処理を呼び出して実行する(ステップS206)。設定温度制御処理が終了すると、制御部11は、処理をタッキング調整処理に戻し(RETURN)、それから、そのままタッキング調整処理を終了する。
このように、全ての要因を満たす場合にのみ設定温度制御処理を実行するように制御することができる。あるいは、図8(b)に示すように、ステップS201〜S204の処理において分岐を“YES”と“NO”とで入れ替え、ステップS201〜S205のいずれかの処理で“YES”に分岐した場合に、ステップS206の処理に移行するように制御することもできる。
また、これら5つの要因のうちの一部を判定条件から一時的又は完全に除外してもよい。また、ここでは、設定温度制御処理の実施有無のみを切り換えたが、設定温度を切り換える(変化させる)こととしても良い。
[変形例]
図9は、本実施形態の画像形成装置1における画像定着部の変形例を示す図である。
変形例の画像定着部17aは、定着ローラー172と他のローラー171との間に定着ベルト175が架け渡されている。定着ベルト175は、途中で定着ヒーター176〜178により加熱された後、記録媒体Pと当接して当該記録媒体P上のトナーを定着させる。
温度計測部18は、定着ベルト175が定着ヒーター176〜178により加熱されてから記録媒体Pと当接するまでの間で定着ベルト175の表面温度を計測する。
このように、定着に係る構成は、定着ローラー172ではなく定着ベルト175により行われても良い。
図10は、画像形成装置1における定着に係る構成の変形例を示す図である。上記実施の形態では、中央ヒーター176、全体ヒーター177及び端部ヒーター178の3つのヒーターにより定着加熱動作を行ったが、図10(a)に示す変形例の定着ローラー172aでは、中央ヒーター176を有しない。このような構成であっても、同様の温度制御を適用することができる。この場合、全体ヒーター177は、単独で中央部分での加熱が十分に可能な出力とされる。ただし、中央ヒーター176がないことで、幅方向について中央部での全体ヒーター177の動作に応じた温度変化が大きくなり、また、オンオフ時の消費電力(負荷)の変化が大きくなりやすいので、電源の電力供給能力に余裕が必要となり、コストの増大につながりやすい。
また、図10(b)に示す変形例の定着ローラー172bでは、中央ヒーター176及び全体ヒーター177に加えて、中間ヒーター1781及び端部ヒーター1782が設けられ、中央ヒーター176の加熱範囲外が両端からの距離によって2つのヒーターによって加熱範囲が更に分割されている。それぞれの加熱範囲は、中間計測部183と端部計測部182により各々温度計測がなされる。
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、所定の定着幅に亘る加熱動作により記録媒体上のトナーを定着させる画像定着部17と、画像定着部17による加熱動作に係る温度を計測する温度計測部18と、画像定着部17の動作を制御する制御部11と、を備える。
画像定着部17は、定着幅の方向に沿った幅方向について、定着幅の両端位置(定着ローラー172、すなわち、定着ヒーター176〜178の両端位置)からそれぞれ所定範囲内の第1加熱範囲で発熱する端部ヒーター178と、一部が第1加熱範囲のうち少なくとも一部分と重複する第2加熱範囲で発熱する全体ヒーター177と、を含み、互いに異なる加熱範囲で発熱する定着ヒーター176〜178を有し、温度計測部18は、第1加熱範囲内の所定の第1計測位置における温度を計測する端部計測部182と、第2加熱範囲内であって、第1計測位置よりも両端位置の中央に近い位置で温度を計測する中央計測部181と、を有する。
制御部11は、端部計測部182による計測温度及び設定温度Tteに基づいて端部ヒーター178の発熱動作を制御し、中央計測部181による計測温度及び設定温度Ttcに基づいて全体ヒーター177の発熱動作を制御し、加熱動作に係る温度を低下させる場合に、設定温度Ttcの低下を開始させた後に設定温度Tteの低下を開始させる。
このように、加熱温度を低下させる場合に、先に中央における設定温度Ttcを低下させることで全体ヒーター177の発熱停止をしやすくし、一方で、端部側の設定温度Tteをその後低下させない期間を設けることで、端部ヒーター178の発熱動作を生じさせやすく制御する。これにより、全体ヒーター177の動作の影響で端部ヒーター178の動作が長時間停止されて定着ローラー172の端部付近で放熱が進み、温度が低下して定着不良が生じるのを抑えることができる。したがって、この定着装置では、温度制御に係る構成を増やさずに容易かつより適正に記録媒体上のトナーを定着させることができる。
また、制御部11は、加熱動作に係る温度を低下させる場合に、設定温度Tte及び設定温度Ttcをそれぞれ複数段階で低下させる。
このように、一度に設定温度を低下させないことで、設定温度と実際の温度との差を小さく抑え、ヒーター制御により細かく設定温度に追従させることができるので、特に端部ヒーター178の適切な動作によって定着ローラー172の端部付近での温度勾配を効果的に抑制することができる。
また、制御部11は、端部ヒーター178及び全体ヒーター177のうち少なくともいずれかについて、発熱時間のデューティー比を変更することで発熱動作の制御を行う。
単なるオンオフ制御だけではなく、デューティー比で発熱量の調整を行うことで、より細かく発熱量を制御することが可能になり、定着ローラー172の温度追従性を向上させることができるので、当該定着ローラー172の端部付近での温度勾配をより効果的に抑制することができる。また、一度に大きく電力負荷を変化させないので、電源への負担を軽減することができる。
また、制御部11は、設定温度Ttcと中央計測部181が計測する計測温度とに基づくPI制御により設定されるデューティー比で全体ヒーター177の発熱動作の制御を行い、加熱動作に係る温度を低下させる場合に、設定温度Ttcを低下させた後、全体ヒーター177のデューティー比が所定の基準値(60%など)以下となってから設定温度Tteを低下させる。
このように、計測温度Tscに応じた全体ヒーター177の応答が大きく遅れる場合に、当該全体ヒーター177が応答し出して発熱動作の中止が基準以上なされるようになってから端部計測部182の設定温度Tteを低下させることで、全体ヒーター177の連続動作と設定温度Tteの低下によるに端部ヒーター178のオフ状態の継続を長引かせず、これにより、端部ヒーター178の加熱範囲における温度勾配の増加、特に、両端付近での温度低下による定着不良を防ぎ、タッキングを防ぎつつ適切な画像形成を継続させることができる。
また、制御部11は、複数の記録媒体に対して連続してトナーの定着を行わせる場合、中央計測部181による計測温度が設定温度Ttcから所定の範囲内で計測温度Tscの変化率|dTsc/dt|が所定の基準値D以下となった以後に、設定温度Tscの低下を開始させ、当該開始の後に設定温度Tseの低下を開始させる。
このように、中央計測部181の設定温度Ttcを低下させるタイミングを実際に中央計測部181の計測温度Tscが設定温度Ttcに届いて変化が落ち着いて(飽和して)からとすることで、計測温度Tscと設定温度Ttcの変化傾向が逆方向になる状況が続いて応答が悪い状態が続くのを抑制することができる。
また、定着ヒーター176〜178は、幅方向について端部ヒーター178の第1加熱範囲と相補的な第3加熱範囲で発熱する中央ヒーター176を含み、制御部11は、中央計測部181の計測温度に基づいて、中央ヒーター176を全体ヒーター177よりも優先して発熱させる。
このように、定着ローラー172の幅方向中央付近でも全体ヒーター177に加えて中央ヒーター176で加熱を行うことで、全体ヒーター177と端部ヒーター178のみの組み合わせと比較して大きな消費電力の変化が頻繁に起きることを抑制できる。これにより、電源への負荷を低減し、特に、フリッカーなどの発生を防いで安定した動作を行わせることができる。
また、端部計測部182による計測位置は、端部ヒーター178による第1加熱範囲と全体ヒーター177による第2加熱範囲とが重複する位置に定められている。
このような場合、端部ヒーター178がオフの状況でも全体ヒーター177が連続動作することで端部計測部182の温度が適正な範囲に入り得るが、端部計測部182の計測位置よりも更に端部側では放熱量の影響が顕著に出やすく温度勾配が大きくなりやすい。このような場合に本発明の温度制御を行うことで、効果的に定着ローラー172の端部付近での温度勾配を低減させ、定着不良を抑制することができる。
また、全体ヒーター177は、定着幅の全体を第2加熱範囲として発熱する。
このように、全体ヒーター177に対して放熱の大きい定着ローラー172の端部で端部ヒーター178により追加の加熱を行うことで、通常では適切に定着温度の管理が可能であるが、定着に係る設定温度を低下させる場合に全体ヒーター177の動作が続くと端部での追加加熱がなされないまま定着ローラー172の端部からの放熱が進んで温度勾配が大きくなる。このような場合に、本発明に係る設定温度の制御を適用することで容易かつ適切に定着ローラー172全体の温度を保ち、定着不良を抑制しつつタッキングを防止することができる。
また、全体ヒーター177による幅方向についての単位長さ当たりの発熱量は、定着ヒーター176〜178における単位長さ当たりの発熱量のうちで最も小さい。
このように発熱量が小さい全体ヒーター177のみで定着ローラー172の端部の加熱を担おうとしても、放熱の方が多く幅方向についての温度勾配が大きくなって端部での定着不良が生じやすいので、このような構成の画像定着部17について本発明を適用することで、特に効果的に定着不良を抑制しつつタッキングを防止することができる。
また、周囲の環境に係る所定の指標値、ここでは周囲の温度を計測して取得する環境検出部25を備え、制御部11は、周囲の温度に基づいて加熱動作に係る温度を変化させる。
タッキングの発生は、記録媒体の加熱温度だけではなく、このような他の要因によっても生じやすさが変化するが、特に周囲の温度が低く、記録媒体の温度低下が速いような場合にはタッキングが生じにくいので、あえて細かい定着温度の制御を行わないことで制御動作の手間を軽減させることができる。また、逆に、このような周囲の環境要因に応じてより細かく定着温度の制御を行うことで、より安定して確実に定着不良とタッキングの発生とを共に防止することができる。
また、制御部11は、色材を定着させる速度、記録媒体に対する当該記録媒体上のトナーの面積比率、トナーの定着後における所定の後処理動作の有無、及び各記録媒体の両面でトナーの定着を行わせる否かのうち少なくともいずれかに基づいて加熱動作に係る温度を変化させる。上記と同様に、タッキングの発生有無に影響を与える要因を適宜考慮して不要であれば定着温度の細かい制御を省略したり、あるいはより細かく制御を行ったりすることで、更に安定して定着不良とタッキングの発生とを防止することができる。
また、本実施形態の画像形成装置1は、記録媒体上にトナーを付着させて画像を形成する画像形成部16と、上述の定着装置(画像定着部17、温度計測部18及び制御部11)と、を備える。このような画像形成装置1では、画像形成後に確実に定着動作を行い、定着後に排出された記録媒体のタッキングも効果的に防止することができる。
また、本実施形態の定着動作制御方法は、端部計測部182による計測温度Tse及び設定温度Tteに基づいて端部ヒーター178の発熱動作を制御する第1発熱制御ステップ、中央計測部181による計測温度Tsc及び設定温度Ttcに基づいて全体ヒーター177の発熱動作を制御する第2発熱制御ステップ、加熱動作に係る温度を低下させる場合に、設定温度Ttcの低下を開始させた後に設定温度Tteの低下を開始させる設定温度制御ステップ、を含む。
このように、加熱温度を低下させる場合に、先に中央における設定温度Ttcを低下させることで全体ヒーター177の発熱停止をしやすくし、一方で、端部側の設定温度Tteをその後低下させない期間を設けることで、端部ヒーター178の発熱動作を生じさせやすく制御する。これにより、全体ヒーター177の動作の影響で端部ヒーター178の動作が長時間停止されて定着ローラー172の端部付近で放熱が進み、温度が低下して定着不良が生じるのを抑えることができる。したがって、この定着装置では、温度制御に係る構成を増やさずに容易かつより適正に記録媒体上のトナーを定着させることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、全体ヒーター177の動作制御をPI制御とし、端部ヒーター178の動作制御を端部計測部182による計測温度と設定温度との単純な大小関係比較に基づく制御としたが、これに限られない。端部ヒーター178の動作制御がPI制御であっても端部ヒーター178と中央ヒーター176の加熱範囲の境界付近では速やかに温度が回復して更に上昇することから、その後全体ヒーター177の連続動作に応じて端部ヒーター178がオンされない期間が継続しやすく、同様の問題が生じ得る。したがって、本発明を適用することで、効果的に端部ヒーター178の加熱範囲での温度勾配を低減させることができる。
一方で、全体ヒーター177の動作がPI制御ではない場合でも、例えば、全体ヒーター177を設定温度に対してヒステリシスを伴って(設定温度より所定温度高い場合にオフし、所定温度低い場合にオンする)動作制御を行う場合には、同様の状況が生じ得る。
また、これらのヒーターの動作制御にPID制御が用いられる場合、この期間での全体ヒーター177のオン状態の継続時間を若干短縮し得る。しかしながら、元々加熱制御では、ヒーターのオンオフと計測温度の上下との間でのタイムラグが非常に大きく、D制御の影響を大きくし過ぎると、通常の画像形成時に定着動作に必要な温度に到達する前にヒーターがオフされるなどの問題が生じ得る。したがって、通常動作に問題ない範囲でPID制御が用いられる場合でも、本発明が適用可能であり、相当の効果を得ることができる。
また、端部ヒーター178をデューティー駆動する場合や全体ヒーター177を単純なオンオフ駆動する場合でも、同様の状況が生じる。この場合には、端部ヒーター178の設定温度Tteを低下させる開始タイミングは、全体ヒーター177のデューティー比の代わりにオフ状態への切り替わり又は切り替わり後所定時間などにより定められ得る。
また、上記実施の形態では、設定温度Ttcを低下させるにもかかわらず全体ヒーター177のオン状態が長く継続して問題になる場合として、予熱後の連続的な画像形成動作の開始時を例に挙げて説明したが、本発明は、このようなケースに限られない。記録媒体の材質、厚みやサイズが変更される場合、画像形成速度が変更される場合や形成対象画像が変更された場合などでも、同様の状況が生じ得るので、本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態では、全体ヒーター177と端部ヒーター178の組み合わせによる制御を前提としたが、全体ヒーター177が定着ローラー172の幅全体(定着幅)に亘って加熱する構成に限られない。端部ヒーター178と加熱範囲が一部で重複するように配置されたものであれば良い。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、構造、配置、制御内容や制御手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 画像形成装置
11 制御部
12 記憶部
13 画像処理部
16 画像形成部
161 露光部
162 感光体
163 現像部
164 転写体
165 二次転写ローラー
17、17a 画像定着部
171 ローラー
172、172a、172b 定着ローラー
173 加圧ローラー
174 外加熱ローラー
175 定着ベルト
176 中央ヒーター
176a〜178a 筒部
176b〜178b フィラメント
177 全体ヒーター
178 端部ヒーター
1781 中間ヒーター
1782 端部ヒーター
179 外加熱ヒーター
18 温度計測部
181 中央計測部
182 端部計測部
183 中間計測部
19 搬送部
191 反転機構
195 供給トレイ
196 排出トレイ
21 画像読取部
22 操作受付部
23 表示部
24 通信部
25 環境検出部
30 バス
Hc デューティー比
He オンオフ状態
P 記録媒体

Claims (13)

  1. 所定の定着幅に亘る加熱動作により記録媒体上の色材を定着させる定着動作部と、
    前記定着動作部による加熱動作に係る温度を計測する温度計測部と、
    前記定着動作部の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記定着動作部は、前記定着幅の方向に沿った幅方向について、当該定着幅の両端位置からそれぞれ所定範囲内の第1加熱範囲で発熱する第1熱源部と、一部が前記第1加熱範囲のうち少なくとも一部分と重複する第2加熱範囲で発熱する第2熱源部と、を含み、互いに異なる加熱範囲で発熱する熱源部を有し、
    前記温度計測部は、前記第1加熱範囲内の所定の第1計測位置における温度を計測する第1温度計測部と、前記第2加熱範囲内であって、前記第1計測位置よりも前記両端位置の中央に近い位置で温度を計測する第2温度計測部と、を有し、
    前記制御部は、前記第1温度計測部による計測温度及び第1加熱設定温度に基づいて前記第1熱源部の発熱動作を制御し、前記第2温度計測部による計測温度及び第2加熱設定温度に基づいて前記第2熱源部の発熱動作を制御し、前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第2加熱設定温度の低下を開始させた後に前記第1加熱設定温度の低下を開始させる
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御部は、前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第1加熱設定温度及び前記第2加熱設定温度をそれぞれ複数段階で低下させることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記制御部は、前記第1熱源部及び前記第2熱源部のうち少なくともいずれかについて、発熱時間のデューティー比を変更することで前記発熱動作の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置。
  4. 前記制御部は、前記第2加熱設定温度と前記第2温度計測部が計測する計測温度とに基づくPI制御により設定される前記デューティー比で前記第2熱源部の前記発熱動作の制御を行い、前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第2加熱設定温度を低下させた後、前記第2熱源部の前記デューティー比が所定の基準値以下となってから前記第1加熱設定温度を低下させる
    ことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
  5. 前記制御部は、複数の記録媒体に対して連続して色材の定着を行わせる場合、前記第2温度計測部による計測温度が前記第2加熱設定温度から所定の範囲内で当該計測温度の変化率が所定の基準値以下となった以後に前記第2加熱設定温度の低下を開始させ、当該開始の後に前記第1加熱設定温度の低下を開始させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記熱源部は、前記幅方向について前記第1加熱範囲と相補的な第3加熱範囲で発熱する第3熱源部を含み、
    前記制御部は、前記第2温度計測部の計測温度に基づいて、前記第3熱源部を前記第2熱源部よりも優先して発熱させる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 前記第1計測位置は、前記第1加熱範囲と前記第2加熱範囲とが重複する位置に定められていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 前記第2熱源部は、前記定着幅の全体を前記第2加熱範囲として発熱することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置。
  9. 前記第2熱源部による前記幅方向についての単位長さ当たりの発熱量は、前記熱源部における前記単位長さ当たりの発熱量のうちで最も小さいことを特徴とする請求項8記載の定着装置。
  10. 周囲の環境に係る所定の指標値を取得する検出部を備え、
    前記制御部は、前記所定の指標値に基づいて前記加熱動作に係る温度を変化させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の定着装置。
  11. 前記制御部は、色材を定着させる速度、記録媒体に対する当該記録媒体上の色材の面積比率、色材の定着後における所定の後処理動作の有無、及び各記録媒体の両面で色材の定着を行わせる否かのうち少なくともいずれかに基づいて前記加熱動作に係る温度を変化させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の定着装置。
  12. 記録媒体上に色材を付着させて画像を形成する形成動作部と、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の定着装置と、
    を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 所定の定着幅に亘る加熱動作により記録媒体上の色材を定着させる定着動作部と、前記定着動作部による加熱動作に係る温度を計測する温度計測部と、を備え、前記定着動作部は、前記定着幅の方向に沿った幅方向について、当該定着幅の両端位置からそれぞれ所定範囲内の第1加熱範囲で発熱する第1熱源部と、一部が前記第1加熱範囲のうち少なくとも一部分と重複する第2加熱範囲で発熱する第2熱源部と、を含み、互いに異なる加熱範囲で発熱する熱源部を有し、前記温度計測部は、前記第1加熱範囲内の所定の第1計測位置における温度を計測する第1温度計測部と、前記第2加熱範囲内であって、前記第1計測位置よりも前記両端位置の中央に近い位置で温度を計測する第2温度計測部と、を有する定着装置の定着動作制御方法であって、
    前記第1温度計測部による計測温度及び第1加熱設定温度に基づいて前記第1熱源部の発熱動作を制御する第1発熱制御ステップ、
    前記第2温度計測部による計測温度及び第2加熱設定温度に基づいて前記第2熱源部の発熱動作を制御する第2発熱制御ステップ、
    前記加熱動作に係る温度を低下させる場合に、前記第2加熱設定温度の低下を開始させた後に前記第1加熱設定温度の低下を開始させる設定温度制御ステップ、
    を含むことを特徴とする定着動作制御方法。
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