以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
<半導体装置の製造工程について>
本実施の形態の半導体装置の製造工程を図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程を示すプロセスフロー図である。図3〜図34は、本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図または要部平面図である。なお、図3〜図34のうち、図3〜図22および図25〜図34は要部断面図であり、図23および図24は要部平面図である。
まず、図3に示されるように、SOI(SOI:Silicon On Insulator)基板1を用意(準備)する(図1のステップS1)。
SOI基板1は、支持基板としての半導体基板SBと、半導体基板SBの主面上に形成された絶縁層(埋め込み絶縁膜)BXと、絶縁層BXの上面上に形成された半導体層SMと、を有している。
半導体基板SBは、絶縁層BXと絶縁層BXよりも上の構造とを支持する支持基板であるが、半導体基板でもある。半導体基板SBは、好ましくは単結晶シリコン基板であり、例えばp型の単結晶シリコンからなる。例えば、1〜10Ωcm程度の比抵抗を有する単結晶シリコンにより、半導体基板SBを形成することができる。半導体基板SBの厚みは、例えば250〜800μm程度とすることができる。絶縁層BXは、好ましくは酸化シリコン膜であり、絶縁層BXの厚さは、例えば10〜20nm程度とすることができる。絶縁層BXが酸化シリコン膜の場合、絶縁層BXはBOX(Buried Oxide)層とみなすこともできる。半導体層SMは、単結晶シリコンなどからなる。例えば、1〜10Ωcm程度の比抵抗を有する単結晶シリコンにより、半導体層SMを形成することができる。支持基板である半導体基板SBの厚さに比べて半導体層SMの厚さは薄く、半導体層SMの厚さは、例えば10〜30nm程度とすることができる。これら半導体基板SB、絶縁層BXおよび半導体層SMにより、SOI基板1が形成されている。
なお、SOI基板1は、半導体装置が完成するまでSOI構造が維持される領域(平面領域)であるSOI領域(第1領域)1Aと、後で半導体層SMおよび絶縁層BXが除去されてSOI構造ではなくなる領域(平面領域)であるバルク領域(第2領域)1Bとを有している。SOI領域1Aとバルク領域1Bとは、互いに異なる領域(平面領域)である。また、SOI構造という場合に、絶縁層上の半導体層には、シリコン層(単結晶シリコン層)を好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、シリコン単結晶以外の半導体層を用いる場合もあり得る。
また、SOI基板1において、半導体基板SBの主面のうち、絶縁層BXに接する側の主面を半導体基板SBの上面と称し、半導体基板SBの上面とは反対側の主面を、半導体基板SBの裏面と称することとする。また、SOI基板1において、絶縁層BXの主面のうち、半導体基板SBに接する側の主面を絶縁層BXの下面と称し、半導体層SMに接する側の主面を絶縁層BXの上面と称し、絶縁層の上面と下面とは、互いに反対側の面である。また、半導体層SMの主面のうち、絶縁層BXに接する側の主面を半導体層SMの下面と称し、半導体層SMの下面とは反対側の主面を、半導体層SMの上面と称する。
SOI基板1の製造方法に制限はないが、例えば、SIMOX(Separation by Implantation of Oxygen)法、貼り合わせ法またはスマートカットプロセスなどを用いて、SOI基板1を製造することができる。
次に、図4に示されるように、SOI基板1の主面上に、すなわち半導体層SMの上面上に、絶縁膜(パッド絶縁膜)ZM1を形成する(図1のステップS2)。絶縁膜ZM1は、絶縁層BXと同じ材料からなる。絶縁層BXが酸化シリコンからなる場合は、絶縁膜ZM1も酸化シリコンからなる。絶縁膜ZM1は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などを用いて形成することができる。絶縁膜ZM1の形成膜厚は、例えば5〜20nm程度とすることができる。
次に、絶縁膜ZM1上に絶縁膜ZM2を形成する(図1のステップS3)。絶縁膜ZM2は、絶縁膜ZM1とは異なる材料からなる。絶縁層BXおよび絶縁膜ZM1が酸化シリコンからなる場合は、絶縁膜ZM2は窒化シリコンからなることが好ましい。また、絶縁膜ZM2は、後述の絶縁膜ZM3とも異なる材料からなる。絶縁膜ZM2は、例えばCVD法などを用いて形成することができる。絶縁膜ZM2の形成膜厚は、例えば30〜200nm程度とすることができる。また、絶縁膜ZM2は、絶縁膜ZM1,ZM3とは異なる材料からなることが必要であるが、原理的には絶縁体材料以外の材料膜(例えばシリコン膜)を絶縁膜ZM2の代わりに用いることも可能である。
ここまでの工程(ステップS1〜S3)により、半導体基板SBと、半導体基板SB上の絶縁層BXと、絶縁層BX上の半導体層SMと、半導体層SM上の絶縁膜ZM1と、絶縁膜ZM1上の絶縁膜ZM2と、を有する基板が準備される。
次に、図5に示されるように、溝TRを形成する(図1のステップS4)。溝TRは、後述の素子分離部STを形成するための溝である。
溝TRは、次のようにして形成することができる。すなわち、まず、絶縁膜ZM2上にフォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジストパターン(図示せず)を形成する。このフォトレジストパターンは、溝TR形成予定領域の絶縁膜ZM2を露出し、それ以外の領域の絶縁膜ZM2を覆うようなパターン(平面形状)を有している。それから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて絶縁膜ZM2をエッチング(好ましくはドライエッチング)してパターニングする。これにより、溝TR形成予定領域の絶縁膜ZM2が選択的に除去される。それから、このフォトレジストパターンを除去してから、絶縁膜ZM2をエッチングマスク(ハードマスク)として用いて、絶縁膜ZM1、半導体層SM、絶縁層BXおよび半導体基板SBをエッチング(好ましくはドライエッチング)することにより、溝TRを形成することができる。
溝TRは、絶縁膜ZM2、絶縁膜ZM1、半導体層SMおよび絶縁層BXを貫通し、溝TRの底面(底部)が半導体基板SBに到達している。すなわち、半導体基板SBの厚みの途中に溝TRの底面が位置している。このため、溝TRの底面は、絶縁層BXの下面よりも下方に位置しており、溝TRの底面では、半導体基板SBが露出されている。溝TRの深さは、例えば200〜400nm程度とすることができる。
次に、図6に示されるように、絶縁膜ZM2上に、溝TR内を埋めるように、絶縁膜ZM3を形成する(図1のステップS5)。絶縁膜ZM3は、素子分離部ST形成用の絶縁膜である。絶縁膜ZM3と絶縁膜ZM1と絶縁層BXとは、同じ材料からなり、好ましくは、いずれも酸化シリコンからなる。絶縁膜ZM3は、CVD法などを用いて形成することができる。絶縁膜ZM3の形成膜厚は、溝TR内を絶縁膜ZM3で埋めるのに十分な膜厚に設定することが好ましい。
次に、図7に示されるように、絶縁膜ZM3をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法などを用いて研磨することにより、溝TRの外部の絶縁膜ZM3を除去し、溝TR内に絶縁膜ZM3を残存させる(図1のステップS6)。これにより、図7に示されるように、溝TRに埋め込まれた絶縁膜ZM3からなる素子分離部(素子分離領域)STを形成することができる。素子分離部STは、溝TR内に形成される。
ステップS6の研磨処理の際、絶縁膜ZM2は研磨ストッパ膜として機能し得る。すなわち、ステップS6では、絶縁膜ZM3に比べて絶縁膜ZM2が研磨されにくい(研磨速度が小さくなる)条件で研磨処理を行うことで、絶縁膜ZM2を研磨ストッパ膜として機能させることができる。このため、絶縁膜ZM2は、絶縁膜ZM3とは異なる材料により形成する必要があり、絶縁膜ZM3が酸化シリコンからなる場合は、絶縁膜ZM2は、窒化シリコンからなることが好ましい。ステップS6の研磨処理を終了した段階では、絶縁膜ZM2の上面が露出し、溝TR内に素子分離部STが埋め込まれた状態になっているが、図7にも示されるように、素子分離部STの上面は、絶縁膜ZM2の上面とほぼ同じ高さ位置にある。
次に、図8に示されるように、素子分離部STの上面をウェットエッチングすることにより、素子分離部STの上面の高さ位置を低くする(図1のステップS7)。これにより、素子分離部STの上面の高さは、絶縁膜ZM2の上面よりも、所定の距離(高さ方向の距離)だけ低くなる。この際のウェットエッチングには、フッ酸(フッ化水素酸)を好適に用いることができる。このウェットエッチングを終了した段階で、素子分離部STの上面の高さ位置は、絶縁膜ZM2の上面よりも低くなっているが、絶縁膜ZM1の上面の高さ位置とほぼ同じか、あるいは絶縁膜ZM1の上面よりも高くなっており、絶縁膜ZM1の上面よりも高くなっている方が、より好ましい。なお、本願において、「フッ酸」と言うときは、希釈フッ酸(希フッ酸)も含むものとする。
次に、図9に示されるように、絶縁膜ZM2をエッチングして除去する(図1のステップS8)。この際、絶縁膜ZM1をエッチングストッパ膜として機能させることができる。ステップS8では、絶縁膜ZM2に比べて絶縁膜ZM1および素子分離部STがエッチングされにくい条件で、絶縁膜ZM2をエッチングして除去することが好ましい。これにより、絶縁膜ZM1および素子分離部STがエッチングされるのを抑制または防止しながら、絶縁膜ZM2を選択的にエッチングして除去することができる。
なお、「部材Aに比べて部材Bがエッチングされにくい条件」などと言うときは、「部材Aのエッチング速度(エッチングレート)に比べて部材Bのエッチング速度(エッチングレート)が小さく(遅く、低く)なる条件」と同義である。エッチングされやすい場合は、エッチング速度が大きくなり、エッチングされにくい場合は、エッチング速度が小さくなる。
また、ステップS8のエッチングには、ウェットエッチングを好適に用いることができる。絶縁膜ZM2が窒化シリコンからなり、絶縁膜ZM1および素子分離部STが酸化シリコンからなる場合は、ステップS8のウェットエッチングで用いるエッチング液としては、熱リン酸(加熱したリン酸)を好適に用いることができる。ステップS8では、SOI領域1Aとバルク領域1Bとの両方で、絶縁膜ZM2が除去されて絶縁膜ZM1の上面が露出される。
このようにして、STI(shallow trench isolation)法を用いてSTI構造の素子分離部STが形成される。SOI基板1を用意した段階では、半導体基板SBの上面の全面上に絶縁層BXを介して半導体層SMが形成されていたが、素子分離部STを形成すると、半導体層SMは、それぞれ素子分離部STで囲まれた複数の領域(活性領域)に区画される。
溝TRおよびそれを埋めている素子分離部STは、絶縁膜ZM1、半導体層SMおよび絶縁層BXを貫通して、半導体基板SBに達しており、素子分離部STの下部は、半導体基板SB内に位置している。すなわち、絶縁膜ZM1、半導体層SM、絶縁層BXおよび半導体基板SBにかけて形成された溝TRに、素子分離部STが埋め込まれた状態となっている。このため、素子分離部STの一部は、絶縁層BXの下面よりも下方に位置している。すなわち、素子分離部STの底面(下面)は、絶縁層BXの下面よりも深い位置にあり、素子分離部STの一部(下部)は、絶縁層BXの下面から、下方側に突出している。
この段階では、SOI領域1Aとバルク領域1Bとは、同じ構造を有している。すなわち、SOI領域1Aとバルク領域1Bとは、半導体基板SB上に絶縁層BXと半導体層SMと絶縁膜ZM1とが下から順に積層された構造を有している。平面視において、SOI領域1Aとバルク領域1Bとの間には、素子分離部STが介在している(配置されている)。言い換えると、平面視において、SOI領域1Aとバルク領域1Bとの境界には、素子分離部STが配置されている。また、この段階では、素子分離部STの上面の高さ位置は、絶縁膜ZM1の上面の高さ位置とほぼ同じか、あるいは絶縁膜ZM1の上面よりも高くなっており、絶縁膜ZM1の上面よりも高くなっている方が、より好ましい。
次に、図10に示されるように、マスク層として、SOI領域1Aを覆いかつバルク領域1Bを露出するようなフォトレジストパターン(レジストパターン、マスク層)PR1を、フォトリソグラフィ技術を用いて絶縁膜ZM1上に形成する。SOI領域1Aの絶縁膜ZM1はフォトレジストパターンPR1で覆われるが、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1は、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出される。
フォトレジストパターンPR1の側面(端部)は、SOI領域1Aとバルク領域1Bとの間に設けられている素子分離部ST上に位置している。すなわち、平面視においてSOI領域1Aとバルク領域1Bとの境界には素子分離部STが配置され、その素子分離部ST上に、フォトレジストパターンPR1の側面(端部)が位置している。このため、平面視においてSOI領域1Aとバルク領域1Bとの境界に配置された素子分離部STは、フォトレジストパターンPR1で覆われた領域と、フォトレジストパターンPR1では覆われずに露出された領域とを有している。このため、フォトレジストパターンPR1は素子分離部ST上とSOI領域1Aの絶縁膜ZM1上とに形成される。
なお、フォトリソグラフィ技術は、基板の主面全面上にフォトレジスト膜を塗布法などにより形成してから、そのフォトレジスト膜を露光、現像してパターニングすることにより、所望のフォトレジストパターンを得る技術である。
次に、図11に示されるように、フォトレジストパターンPR1をエッチングマスクとして用いて、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1をドライエッチングして除去する(図2のステップS9)。
ステップS9では、エッチングガス(反応性ガス)として、フルオロカーボンガスを用いる。このため、ステップS9のドライエッチングには、フルオロカーボンガスを含有するガスが用いられる。また、ステップS9のドライエッチングで使用するガスは、フルオロカーボンガスを含有しているが、それ以外のガス(例えば不活性ガスなどの希釈ガス)を更に含有する場合もあり得る。フルオロカーボンガスは、ガス分子中にフッ素(F)原子と炭素(C)原子とを含んでいる。
ステップS9では、バルク領域1Bにおいて、絶縁膜ZM1が除去されて、半導体層SMの上面が露出する。一方、SOI領域1Aにおいては、絶縁膜ZM1はフォトレジストパターンPR1で覆われているため、エッチングされずにそのまま残存する。また、素子分離部STのうち、フォトレジストパターンPR1で覆われている領域(部分)は、エッチングされないが、素子分離部STのうち、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出していた領域(部分)は、ステップS9でエッチングされる。
このため、ステップS9のエッチングを行うと、SOI領域1Aとバルク領域1Bとの境界に存在している素子分離部STの上面には、段差DSが形成される。この段差DSは、素子分離部STの上面において、フォトレジストパターンPR1で覆われている領域と覆われていない領域との境界に形成され、すなわち、フォトレジストパターンPR1の側面に整合する位置に形成される。なお、ステップS9のエッチングを行う直前の段階までは、素子分離部STの上面には、そのような段差DSは、形成されていない。
本実施の形態では、ステップS9は、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1をエッチングするためだけに行うのではなく、フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部STの上面の高さ位置を低くすることも目的として、行っている。フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部STの上面の高さ位置を低くすることは、フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部STのエッチング厚さ(エッチング量)を大きくすることに対応している。
本実施の形態では、ステップS9において、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出している素子分離部STのエッチング厚さ(エッチング量)を大きくするために、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1が除去されてバルク領域1Bの半導体層SMの上面が露出した後も、エッチングを所定の時間継続する(すなわちオーバーエッチングを長くする)。具体的には、ステップS9における素子分離部STのエッチング厚さ(エッチング量)T3が、ステップS9を行う直前でのバルク領域1Bの絶縁膜ZM1の厚さ(第1厚さ)T1と半導体層SMの厚さ(第2厚さ)T2との合計以上となるようにする(すなわちT3≧T1+T2)。
ここで、エッチング厚さT3は、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出していた素子分離部STが、ステップS9でエッチングされた厚さに対応している。このため、ステップS9のエッチングを終了した段階での段差DSの大きさが、エッチング厚さT3に対応している。すなわち、フォトレジストパターンPR1の側面が位置する付近の素子分離部STにおいて、ステップS9のエッチングを終了した段階での、フォトレジストパターンPR1で覆われている素子分離部STの上面と、フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部STの上面との高さの差が、段差DSの大きさに対応し、従って、エッチング厚さT3に対応している。
但し、ステップS9では、バルク領域1Bの半導体層SM全体が除去されて絶縁層BXが露出することは、防ぐ必要がある。このため、ステップS9では、バルク領域1Bの絶縁層BXが露出する前に、エッチングを終了する。これにより、ステップS9を行うと、バルク領域1Bの半導体層SMもエッチングされてその半導体層SMの厚さは薄くなり得るが、薄くなったとしても、バルク領域1Bの半導体層SMは絶縁層BX上に層状に残存しており、バルク領域1Bの絶縁層BXは露出されない。
ステップS9では、絶縁膜ZM1および素子分離部STに比べて半導体層SMがエッチングされにくい条件で、エッチングを行う。言い換えると、ステップS9では、絶縁膜ZM1および素子分離部STのエッチング速度に比べて半導体層SMのエッチング速度が小さくなる条件で、エッチングを行う。これにより、ステップS9でバルク領域1Bの絶縁膜ZM1をエッチングして除去するとともに、半導体層SMをエッチングストッパとして機能させることができ、バルク領域1Bの絶縁層BXが露出するのを防止できる。
本実施の形態とは異なり、ステップS9でバルク領域1Bの絶縁層BXが露出してしまうと、ステップS9でバルク領域1Bの絶縁層BXもエッチングされてしまい、半導体基板SBが露出する虞がある。バルク領域1Bの絶縁層BXは、後述のステップS14でSOI領域1Aの絶縁膜ZM1とともに除去するが、もしもステップS14よりも前にバルク領域1Bの絶縁層BXが除去されて半導体基板SBが露出してしまうと、その後のエッチング工程などでバルク領域1Bの半導体基板SBにダメージが生じる虞がある。このため、後述のステップS14を行う直前までは、バルク領域1Bの半導体基板SB上に絶縁層BXを層状に残存させて、バルク領域1Bの半導体基板SBが露出しないようにする必要がある。
このため、ステップS9では、半導体層SMがエッチングされにくいエッチング条件を設定することで、バルク領域1Bにおいて、半導体層SMを層状に残存させて、絶縁層BXが露出しないようにする。
また、半導体層SMの厚さによっては、ステップS9を終了した段階で、フォトレジストパターンPR1で覆われていない領域の素子分離部STの上面の高さ位置が、バルク領域1Bの半導体層SMの上面よりも高い場合と、同じである場合と、低い場合とがあり得る。但し、ステップS9を終了した段階で、フォトレジストパターンPR1で覆われていない領域の素子分離部STの上面の高さ位置は、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面よりも低くならないようにすることが好ましい。言い換えると、ステップS9を終了した段階で、フォトレジストパターンPR1で覆われていない領域の素子分離部STの上面の高さ位置は、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面の高さ位置とほぼ同じか、あるいはバルク領域1Bの絶縁層BXの上面よりも高くなっていることが、好ましい。更に言うと、ステップS9を終了した段階で、フォトレジストパターンPR1で覆われていない領域の素子分離部STの上面の高さ位置は、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面よりも高くなっていれば、より好ましい。これは、後述のステップS14でバルク領域1Bの絶縁層BXを除去した際に、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面が素子分離部STの上面よりも突出するのを防ぎ、バルク領域1Bの半導体基板SBの側面が露出しないようにするためである。
次に、酸素プラズマ処理を行う(図2のステップS10)。ステップS10の酸素プラズマ処理は、ステップS9のドライエッチングで発生した堆積物(エッチング堆積物、反応生成物)を除去するために行われる。
ステップS10は、酸素ガスをプラズマ化することにより生成された酸素プラズマ雰囲気中に、SOI基板1をさらすことにより、行うことができる。ステップS10を行うと、バルク領域1Bの半導体層SMの表面と、フォトレジストパターンPR1で覆われていない領域の素子分離部STの表面とが、酸素プラズマ雰囲気中にさらされる。これにより、半導体層SMの表面や素子分離部STの表面に付着していた上記堆積物(ステップS9のドライエッチングで発生した堆積物)も酸素プラズマ雰囲気中にさらされるため、上記堆積物を酸素プラズマと反応させて除去することができる。ステップS10で使用するガスには、フルオロカーボンガスやSF6ガスのようなフッ素系のガス(分子中にフッ素原子を含有するガス)は含まれていない。
ステップS9のドライエッチングで発生した堆積物は、ドライエッチングに伴って生成された反応生成物であり、例えば、ステップS9で使用したエッチングガス中に含まれていた炭素(C)およびフッ素(F)を含有したポリマからなる。ステップS9でドライエッチングに伴う堆積物が発生しても、ステップS10の酸素プラズマ処理を行うことにより、その堆積物を除去することができる。すなわち、フルオロカーボン系のガスを用いたプラズマエッチングで生成された堆積物は、炭素(C)およびフッ素(F)を含有しているが、そのような堆積物は、酸素プラズマ処理により的確に除去できることから、ステップS9のエッチングの後に、ステップS10の酸素プラズマ処理を行うようにしている。
次に、図12に示されるように、フォトレジストパターンPR1をエッチングマスクとして用いて、バルク領域1Bの半導体層SMをドライエッチングして除去する(図2のステップS11)。このステップS11のドライエッチングには、等方性のドライエッチングを用いることが好ましく、フッ素ラジカル主体の等方性エッチングを用いることがより好ましい。ステップS11におけるエッチングガスとしては、SF6(六フッ化硫黄)ガスなどを好適に用いることができる。このため、ステップS11のドライエッチングには、SF6ガスを含有するガスを好適に用いることができる。
他の形態として、ステップS11におけるエッチングガスとして、NF3(三フッ化窒素)ガスまたはClF3(三フッ化塩素)ガスを用いることも可能である。このため、ステップS11のドライエッチングには、SF6ガス、NF3ガスまたはClF3ガスを含有するガスを用いることができる。
ステップS11の等方性エッチングは、例えば、プラズマ生成領域と基板(SOI基板)との間に荷電粒子の遮蔽板を配置した状態でエッチングを行うCDE(Chemical Dry Etching:ケミカルドライエッチング)装置により、好適に行うことができる。また、プラズマ生成用の高周波電源と荷電粒子加速用の高周波電源との2つの高周波電源を有するプラズマエッチング装置を用い、ステージ(基板配置用のステージ)に印加する電源(荷電粒子加速用の高周波電源)の出力をゼロ(0)に設定した状態でエッチングを行うことでも、ステップS11の等方性エッチングを行うことができる。
ステップS11では、バルク領域1Bにおいて、半導体層SMがエッチングされて除去され、絶縁層BXの上面が露出する。一方、SOI領域1Aにおいては、絶縁膜ZM1および半導体層SMはフォトレジストパターンPR1で覆われているため、エッチングされずにそのまま残存する。
ステップS11では、半導体層SMに比べて絶縁層BXおよび素子分離部STがエッチングされにくい条件で、バルク領域1Bの半導体層SMをエッチングして除去することが好ましい。言い換えると、ステップS11では、半導体層SMのエッチング速度に比べて絶縁層BXおよび素子分離部STの各エッチング速度が小さくなる条件で、エッチングを行うことが好ましい。これにより、ステップS11において、バルク領域1Bの半導体層SMを選択的にエッチングして除去するとともに、バルク領域1Bの絶縁層BXをエッチングストッパとして機能させることができ、また、素子分離部STがエッチングされるのを抑制または防止することができる。
ステップS9とステップS11とでは、エッチング対象が相違しているため、ステップS11で使用するエッチングガスは、ステップS9で使用するエッチングガスとは相違している。すなわち、ステップS9は、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1とフォトレジストパターンPR1で覆われていない部分の素子分離部STとを積極的に(意図的に)エッチングする工程であり、ステップS11は、バルク領域1Bの半導体層SMを積極的に(意図的に)エッチングする工程である。
また、ステップS9,S10,S11の各工程を行っても、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1は、フォトレジストパターンPR1で覆われているため、エッチングされない。
ステップS9のエッチング工程と、ステップS10の酸素プラズマ処理と、ステップS11のエッチング工程とは、SOI基板1を大気中にさらすことなく、連続的に行うことが好ましい。
ステップS11のエッチング工程を行った後、図13に示されるように、フォトレジストパターンPR1をアッシングなどにより除去する。この段階では、図13に示されるように、SOI領域1Aでは、絶縁膜ZM1が残存して絶縁膜ZM1の上面が露出された状態になっており、一方、バルク領域1Bでは、絶縁層BXの上面が露出された状態になっている。
また、この段階で、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STの上面の高さ位置は、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面よりも低くならないようにすることが好ましい。このため、この段階で、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STの上面の高さ位置は、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面の高さ位置とほぼ同じか、あるいはバルク領域1Bの絶縁層BXの上面よりも高くなっており、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面よりも高くなっている方が、より好ましい。
次に、図14に示されるように、マスク層として、バルク領域1Bを覆いかつSOI領域1Aを露出するようなフォトレジストパターン(レジストパターン、マスク層)PR2を、フォトリソグラフィ技術を用いてSOI基板1上に形成する。バルク領域1Bの絶縁層BXは、フォトレジストパターンPR2で覆われるが、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1は、フォトレジストパターンPR2で覆われずに露出される。
次に、フォトレジストパターンPR2をマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、SOI領域1Aの半導体基板SBに対してイオン注入を行なう(図2のステップS12)。このイオン注入を、以下ではステップS12のイオン注入と称することとする。また、図14では、ステップS12のイオン注入で不純物が導入された領域を、符号GPを付して半導体領域(不純物拡散層)GPとして示してある。ステップS12のイオン注入により、SOI領域1Aの半導体基板SBに不純物(p型不純物またはn型不純物)が導入されて半導体領域GPが形成される。半導体領域GPは、p型半導体領域またはn型半導体領域であり、絶縁層BXに隣接している。ステップS12のイオン注入では、SOI領域1Aにおいて、半導体基板SBに不純物イオンが導入されるが、半導体層SMには不純物イオンが導入されないようにすることが望ましい。また、ステップS12のイオン注入では、フォトレジストパターンPR2がイオン注入阻止マスクとして機能するため、SOI基板1のバルク領域1Bには不純物は導入されない。ステップS12のイオン注入の後、フォトレジストパターンPR2は除去する。
半導体領域GPは、SOI領域1Aに形成されるMISFETのしきい値電圧を制御するために形成される。製造された半導体装置においては、SOI領域1Aの半導体基板SBに形成された半導体領域GPに所定の電圧を印加することによって、SOI領域1Aに形成されたMISFETのしきい値電圧を制御することができる。
また、半導体層SMの表面(シリコン面)上や、半導体基板SBの表面(シリコン面)上に、フォトレジストパターンを直接的に形成することは望ましくない。本実施の形態では、フォトレジストパターンPR1,PR2や後述のフォトレジストパターンPR3は、半導体層SMや半導体基板SBが露出していない状態で形成しているため、これらのフォトレジストパターンPR1,PR2、PR3は、半導体基板SBの表面(シリコン面)や半導体層SMの表面(シリコン面)には接しないで済む。
次に、図15に示されるように、マスク層として、SOI領域1Aを覆いかつバルク領域1Bを露出するようなフォトレジストパターン(レジストパターン、マスク層)PR3を、フォトリソグラフィ技術を用いてSOI基板1上に形成する。SOI領域1Aの絶縁膜ZM1は、フォトレジストパターンPR3で覆われるが、バルク領域1Bの絶縁層BXは、フォトレジストパターンPR3で覆われずに露出される。
次に、フォトレジストパターンPR3をマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、バルク領域1Bの半導体基板SBに対してp型不純物(例えばホウ素など)をイオン注入することによって、p型ウエル(p型半導体領域)PWを形成する(図2のステップS13)。このイオン注入を、以下ではステップS13のイオン注入と称することとする。p型ウエルPWは、p型不純物が導入されたp型の半導体領域である。
ステップS13のイオン注入では、フォトレジストパターンPR3がイオン注入阻止マスクとして機能するため、SOI基板1のSOI領域1Aには不純物が導入されない。p型ウエルPWは、バルク領域1Bの半導体基板SBに形成される。ステップS13のイオン注入の後、図16に示されるように、フォトレジストパターンPR3を除去する。
また、p型ウエルPWを形成するためのイオン注入の前または後に、フォトレジストパターンPR3をマスクとして用いて、バルク領域1Bの半導体基板SBに対してチャネルドープイオン注入を行うこともできる。また、ここでは、ステップS12の後にステップS13を行う場合について説明したが、他の形態として、ステップS12とステップS13との順番を入れ替えることもできる。
ステップS12,S13を終了した段階でも、SOI領域1Aでは、絶縁膜ZM1が層状に残存して絶縁膜ZM1の上面が露出された状態が維持されており、また、バルク領域1Bでは、絶縁層BXが層状に残存して絶縁層BXの上面が露出された状態が維持されている。SOI領域1Aでは、半導体層SMは露出されておらず、バルク領域1Bでは、半導体基板SBは露出されていない。
次に、図17に示されるように、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1とバルク領域1Bの絶縁層BXとをエッチングして除去する(図2のステップS14)。ステップS14のエッチングには、ウェットエッチングを好適に用いることができる。
ステップS14では、絶縁膜ZM1および絶縁層BXに比べて半導体層SMおよび半導体基板SBがエッチングされにくい条件で、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1とバルク領域1Bの絶縁層BXとをエッチングして除去することが好ましい。言い換えると、ステップS14では、絶縁膜ZM1のエッチング速度および絶縁層BXのエッチング速度に比べて半導体層SMのエッチング速度および半導体基板SBのエッチング速度が小さくなる条件で、エッチングを行うことが好ましい。これにより、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1とバルク領域1Bの絶縁層BXをエッチングして除去するとともに、SOI領域1Aの半導体層SMとバルク領域1Bの半導体基板SBとをエッチングストッパとして機能させることができ、SOI領域1Aの半導体層SMとバルク領域1Bの半導体基板SBとがエッチングされるのを抑制または防止することができる。絶縁膜ZM1および絶縁層BXが酸化シリコンからなる場合は、ステップS14においては、エッチング液としてフッ酸を好適に用いることができる。
ステップS14のエッチングは、素子分離部STの上面と、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1の上面と、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面とが露出した状態で行われるため、ステップS14で、素子分離部STの表層部と、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1と、バルク領域1Bの絶縁層BXとがエッチングされて除去される。ステップS14のエッチングは、SOI領域1Aで絶縁膜ZM1が除去されて半導体層SMの上面が露出され、かつ、バルク領域1Bで絶縁層BXが除去されて半導体基板SBの上面が露出された段階で終了する。ステップS14では、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1やバルク領域1Bの絶縁層BXのエッチング厚さ(エッチング量)と同程度、素子分離部STもエッチングされ得る。
ステップS14を終了した段階では、図17に示されるように、SOI領域1Aでは、絶縁膜ZM1が除去されて半導体層SMの上面が露出された状態になっており、バルク領域1Bでは、絶縁層BXが除去されて半導体基板SB(p型ウエルPW)の上面が露出された状態になっている。ステップS14では、ドライエッチングではなくウェットエッチングを用いることが好ましく、これにより、半導体層SMおよび半導体基板SBが露出するまでエッチングを行っても、半導体層SMおよび半導体基板SBがダメージを受けるのを防止できる。
このようにして、SOI基板1に素子分離部STが形成され、バルク領域1Bでは、半導体層SMと絶縁層BXとが除去されて半導体基板SBの上面が露出し(SOI構造ではなくなり)、SOI領域1Aでは、半導体層SMと絶縁層BXとが残存してSOI構造が維持される。この段階のSOI基板1を基板1Cと称することとする。以下では、基板1Cの主面と言うときは、SOI領域1Aの半導体層SMの主面およびバルク領域1Bの半導体基板SBの主面と同義である。
基板1CはSOI領域1Aとバルク領域1Bとを有しているが、SOI領域1Aは、絶縁層BXが埋め込まれたSOI構造を有する領域とみなすことができ、バルク領域1Bは、絶縁層BXが埋め込まれておらずSOI構造を有していない領域とみなすことができる。具体的には、基板1CのSOI領域1Aは、半導体基板SBと半導体基板SB上の絶縁層BXと絶縁層BX上の半導体層SMとが積層された積層構造(SOI構造)を有した領域であり、基板1Cのバルク領域1Bは、厚み全体が半導体基板SBで構成された領域である。但し、SOI領域1Aおよびバルク領域1Bには、素子分離部STが存在している領域も含まれ得る。バルク領域1Bでは、素子分離部STの一部(絶縁層BXの下面よりも下方に位置していた部分)が、半導体層SMおよび絶縁層BXの除去後も、半導体基板SBに埋め込まれた状態で残存し、これがバルク領域1Bの素子分離部STとなる。
この段階で、SOI領域1Aの半導体層SMに隣接する素子分離部STの上面の高さ位置は、SOI領域1Aの半導体層SMの上面よりも低くならないようにすることが好ましく、また、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STの上面の高さ位置は、バルク領域1Bの絶縁層BXの上面よりも低くならないようにすることが好ましい。このため、この段階で、SOI領域1Aの半導体層SMに隣接する素子分離部STの上面の高さ位置は、SOI領域1Aの半導体層SMの上面の高さ位置とほぼ同じか、あるいはSOI領域1Aの半導体層SMの上面よりも高くなっており、SOI領域1Aの半導体層SMの上面よりも高くなっている方が、より好ましい。また、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STの上面の高さ位置は、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面の高さ位置とほぼ同じか、あるいはバルク領域1Bの半導体基板SBの上面よりも高くなっており、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面よりも高くなっている方が、より好ましい。但し、本実施の形態では、上記ステップS9における素子分離部STのエッチング厚さを大きくしたことで、ステップS14を終了した段階での、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STの上面と、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面との高低差(すなわち分離部段差TD2)を、小さくすることができる。
次に、SOI領域1Aとバルク領域1Bとに、それぞれMISFET(トランジスタ)などの半導体素子を形成する(図2のステップS15)。
基板1CのSOI領域1Aにおいて、半導体層SMは、平面視において素子分離部STで囲まれた複数の領域(活性領域)に区画されており、各活性領域の半導体層SMにMISFETが形成される。基板1CのSOI領域1Aにおいて、各活性領域の半導体層SMは、平面視において周囲を素子分離部STで囲まれ、下面が絶縁層BXに隣接している。このため、各活性領域の半導体層SMは、素子分離部STと絶縁層BXとで囲まれた状態になっている。また、基板1Cのバルク領域1Bにおいて、半導体基板SBは、平面視において素子分離部STで囲まれた複数の領域(活性領域)に区画されており、各活性領域の半導体基板SBにMISFETが形成される。基板1Cのバルク領域1Bにおいて、各活性領域は、平面視において周囲を素子分離部STで囲まれている。
ステップS15の一例について、以下に具体的に説明する。
まず、図18に示されるように、SOI領域1Aの半導体層SMの上面と、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面とに、ゲート絶縁膜GF1を形成する。ゲート絶縁膜GF1は、酸化シリコン膜などからなり、熱酸化法などを用いて形成することができる。
次に、図19に示されるように、バルク領域1Bのゲート絶縁膜GF1を覆い、かつSOI領域1Aのゲート絶縁膜GF1を露出するようなフォトレジストパターンPR4を、フォトリソグラフィ技術を用いてSOI基板1上に形成する。それから、このフォトレジストパターンPR4をエッチングマスクとして用いてSOI領域1Aのゲート絶縁膜GF1をエッチングして除去する。この際、バルク領域1Bのゲート絶縁膜GF1は、フォトレジストパターンPR4で覆われているため、エッチングされずに残存する。図19には、この段階が示されている。その後、フォトレジストパターンPR4は除去する。
次に、図20に示されるように、SOI領域1Aの半導体層SMの上面に、ゲート絶縁膜GF2を形成する。ゲート絶縁膜GF2は、酸化シリコン膜などからなり、熱酸化法などを用いて形成することができる。ゲート絶縁膜GF2を形成するための熱酸化処理時に、バルク領域1Bのゲート絶縁膜GF1の厚さが厚くなる場合もあり得る。
このようにして、SOI領域1Aの半導体層SMの上面にゲート絶縁膜GF2が形成され、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面にゲート絶縁膜GF1が形成された状態が得られる。この段階において、ゲート絶縁膜GF1は、ゲート絶縁膜GF2よりも厚い。なお、ゲート絶縁膜GF1,GF2は素子分離部ST上には形成されない。SOI領域1Aの半導体層SM上に形成されているゲート絶縁膜GF2は、SOI領域1Aに形成するMISFET(第1トランジスタ)のゲート絶縁膜用の絶縁膜であり、バルク領域1Bの半導体基板SB上に形成されているゲート絶縁膜GF1は、バルク領域1Bに形成するMISFET(第2トランジスタ)のゲート絶縁膜用の絶縁膜である。
次に、図21に示されるように、基板1Cの主面上に、すなわち、ゲート絶縁膜GF1,GF2および素子分離部ST上に、ゲート電極形成用の導電膜として、ドープトポリシリコン膜のようなシリコン膜PSを形成してから、シリコン膜PS上に窒化シリコン膜などの絶縁膜CPZを形成する。それから、図22に示されるように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて絶縁膜CPZをパターニングしてから、パターニングされた絶縁膜CPZをエッチングマスクとして用いてシリコン膜PSをドライエッチングしてパターニングする。
図22に示されるように、パターニングされたシリコン膜PSにより、ゲート電極GE1,GE2が形成される。ゲート電極GE1は、SOI領域1Aにおいて、半導体層SM上にゲート絶縁膜GF2を介して形成される。また、ゲート電極GE2は、バルク領域1Bにおいて、半導体基板SB(p型ウエルPW)上にゲート絶縁膜GF1を介して形成される。ゲート電極GE1上には、パターニングされた絶縁膜CPZからなるキャップ絶縁膜CP1が形成され、ゲート電極GE2上には、パターニングされた絶縁膜CPZからなるキャップ絶縁膜CP2が形成される。キャップ絶縁膜CP1は、ゲート電極GE1とほぼ同じ平面形状を有し、キャップ絶縁膜CP2は、ゲート電極GE2とほぼ同じ平面形状を有している。ゲート電極GE1,GE2で覆われない部分のゲート絶縁膜GF1,GF2は、シリコン膜PSをパターニングする際のドライエッチングまたはその後のウェットエッチングなどにより除去され得る。
ここで、SOI領域1Aに形成された、ゲート絶縁膜GF2とゲート電極GE1とキャップ絶縁膜CP1との積層構造体を、以下では積層体LT1と称することとする。また、バルク領域1Bに形成された、ゲート絶縁膜GF1とゲート電極GE2とキャップ絶縁膜CP2との積層構造体を、以下では積層体LT2と称することとする。
図23および図24は、図22と同じ工程段階の要部平面図であり、図22には、SOI領域1Aが示され、図23には、バルク領域1Bが示されている。図22および図23からも分かるように、積層体LT1,LT2(ゲート電極GE1,GE2)のそれぞれは、ゲート幅方向の両端部が素子分離部ST上に位置しているが、上記段差DSには積層体LT1,LT2(ゲート電極GE1,GE2)は到達していない。なお、バルク領域1Bにおいて、後述の図46のように複数(例えば2本)のゲート電極GE2(積層体LT2)を同じ活性領域上に並んで配置する場合もあり得る。また、SOI領域1Aにおいて、複数(例えば2本)のゲート電極GE1(積層体LT1)を同じ活性領域上に並んで配置する場合もあり得る。
次に、積層体LT1の側面上に、側壁絶縁膜としてサイドウォールスペーサSW1を形成する。サイドウォールスペーサSW1形成工程は、次のようにして行うことができる。
まず、図25に示されるように、基板1Cの主面全面上に、積層体LT1,LT2を覆うように、絶縁膜IL1とその上の絶縁膜IL2とからなる積層膜LMを形成する。絶縁膜IL1は例えば酸化シリコン膜からなり、絶縁膜IL2は例えば窒化シリコン膜からなる。それから、バルク領域1Bの積層膜LMを覆いかつSOI領域1Aの積層膜LMを露出するようなフォトレジストパターンPR5を積層膜LM上に形成する。それから、異方性エッチング技術により積層膜LMをエッチバックすることにより、積層体LT1の両方の側面上にサイドウォールスペーサSW1を形成する。図26には、この段階が示されている。バルク領域1Bの積層膜LMは、フォトレジストパターンPR5覆われていたため、エッチングされずに残存する。バルク領域1Bに残存する積層膜LMを、以下では、積層膜LM1と称することとする。その後、フォトレジストパターンPR5は除去する。サイドウォールスペーサSW1は、半導体層SM上から積層体LT1の側面上にかけてほぼ一様な厚みで連続的に延在する絶縁膜IL1と、絶縁膜IL1を介して半導体層SMおよび積層体LT1から離間する絶縁膜IL2とで形成されている。
次に、図27に示されるように、エピタキシャル成長により、SOI領域1Aの半導体層SM上に半導体層EPを形成する。半導体層EPは、例えば単結晶シリコンからなる。
エピタキシャル成長により半導体層EPを形成するため、半導体層SMの露出面上にエピタキシャル層(半導体層EP)が選択的に成長し、絶縁膜上にはエピタキシャル層は成長しない。このため、SOI領域1Aの半導体層SMの表面のうち、積層体LT1およびサイドウォールスペーサSW1で覆われていない領域(露出面)上に、半導体層EPが選択的に成長することになる。このため、半導体層EPは、SOI領域1Aにおいて、積層体LT1とサイドウォールスペーサSW1とからなる構造体の両側に形成される。また、バルク領域1Bでは、半導体基板SBは積層膜LM1で覆われているため、エピタキシャル層(半導体層EP)は形成されない。
なお、SOI領域1Aの半導体層SMとその半導体層SM上に形成された半導体層EPとを合わせたものを、以下では、半導体層SM1と称することとする。
次に、図28に示されるように、SOI領域1Aを覆いかつバルク領域1Bを露出するようなフォトレジストパターン(図示せず)を形成してから、異方性エッチング技術によりバルク領域1Bの積層膜LM1をエッチバックすることにより、積層体LT2の両方の側面上にサイドウォールスペーサSW2を形成する。SOI領域1Aの積層体LT1およびサイドウォールスペーサSW1は、フォトレジストパターンで覆われていたため、エッチングされずに残存する。その後、フォトレジストパターンは除去し、図28にはこの段階が示されている。サイドウォールスペーサSW2の構成も、サイドウォールスペーサSW1の構成と基本的には同じである。
次に、図29に示されるように、サイドウォールスペーサSW1,SW2を構成する絶縁膜IL2を、エッチングにより除去する。この際、絶縁膜IL2に比べて絶縁膜IL1がエッチングされにくい条件で絶縁膜IL2をエッチングして除去するため、サイドウォールスペーサSW1,SW2を構成していた絶縁膜IL1は、ほとんどエッチングされずに残存する。また、絶縁膜IL2は、キャップ絶縁膜CP1,CP2と同じ材料により形成されていたため、この際のエッチングにより、キャップ絶縁膜CP1,CP2も除去することができる。
次に、図30に示されるように、SOI領域1Aの半導体層SM1におけるゲート電極GE1の両側の領域に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することにより、n−型半導体領域(エクステンション領域)EX1を形成する。また、バルク領域1Bの半導体基板SB(p型ウエルPW)におけるゲート電極GE2の両側の領域に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することにより、n−型半導体領域(エクステンション領域)EX2を形成する。図30においては、この際のイオン注入で不純物が注入された領域を、ドットのハッチングを付して示してある。
n−型半導体領域EX1を形成するためのイオン注入では、ゲート電極GE1とその側面上に延在する部分の絶縁膜IL1とが、イオン注入阻止マスクとして機能することができる。また、n−型半導体領域EX2を形成するためのイオン注入では、ゲート電極GE2とその側面上に延在する部分の絶縁膜IL1とが、イオン注入阻止マスクとして機能することができる。n−型半導体領域EX1とn−型半導体領域EX2とは、同じイオン注入工程で形成しても、あるいは異なるイオン注入工程で形成してもよい。
次に、図31に示されるように、ゲート電極GE1,GE2の側面上に、側壁絶縁膜としてサイドウォールスペーサSW3を形成する。サイドウォールスペーサSW3形成工程は、次のようにして行うことができる。
すなわち、基板1Cの主面上に、ゲート電極GE1,GE2および絶縁膜IL1を覆うように、サイドウォールスペーサSW3形成用の絶縁膜(例えば窒化シリコン膜)を形成してから、異方性エッチング技術により、この絶縁膜をエッチバックすることにより、ゲート電極GE1,GE2の側面上にサイドウォールスペーサSW3を形成することができる。SOI領域1Aにおいて、サイドウォールスペーサSW3は、ゲート電極GE1の側面上に絶縁膜IL1を介して形成され、また、バルク領域1Bにおいて、サイドウォールスペーサSW3は、ゲート電極GE2の側面上に絶縁膜IL1を介して形成される。
次に、図32に示されるように、SOI領域1Aの半導体層SM1におけるゲート電極GE1およびサイドウォールスペーサSW3の両側の領域に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することにより、n+型半導体領域(ソース・ドレイン領域)SD1を形成する。また、バルク領域1Bの半導体基板SB(p型ウエルPW)におけるゲート電極GE2およびサイドウォールスペーサSW3の両側の領域に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することにより、n+型半導体領域(ソース・ドレイン領域)SD2を形成する。図32においては、この際のイオン注入で不純物が注入された領域を、ドットのハッチングを付して示してある。
n+型半導体領域SD1を形成するためのイオン注入では、ゲート電極GE1とその両側のサイドウォールスペーサSW3とが、イオン注入阻止マスクとして機能することができる。また、n+型半導体領域SD2を形成するためのイオン注入では、ゲート電極GE2とその両側のサイドウォールスペーサSW3とが、イオン注入阻止マスクとして機能することができる。n+型半導体領域SD1は、n−型半導体領域EX1よりも不純物濃度が高く、また、n+型半導体領域SD2は、n−型半導体領域EX2よりも不純物濃度が高い。n+型半導体領域SD1とn+型半導体領域SD2とは、同じイオン注入工程で形成しても、あるいは異なるイオン注入工程で形成してもよい。
SOI領域1Aの半導体層SM1において、n−型半導体領域EX1およびn+型半導体領域SD1により、LDD構造のソース・ドレイン領域(ソースまたはドレイン用の半導体領域)が形成され、バルク領域1Bの半導体基板SB(p型ウエルPW)において、n−型半導体領域EX2およびn+型半導体領域SD2により、LDD構造のソース・ドレイン領域が形成される。
次に、n+型半導体領域SD1,SD2およびn−型半導体領域EX1,EX2などに導入された不純物を活性化するための熱処理である活性化アニールを行う。イオン注入領域がアモルファス化された場合は、この活性化アニール時に、結晶化させることができる。
次に、図33に示されるように、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術により、n+型半導体領域SD1,SD2およびゲート電極GE1,GE2の各上部(表層部)に、低抵抗の金属シリサイド層SLを形成する。
金属シリサイド層SLは、具体的には次のようにして形成することができる。すなわち、基板1Cの主面上に、ゲート電極GE1,GE2およびサイドウォールスペーサSW3を覆うように、金属シリサイド層SL形成用の金属膜を形成する。それから、基板1Cに対して熱処理を施すことによって、n+型半導体領域SD1,SD2およびゲート電極GE1,GE2の各上部を上記金属膜と反応させることにより、金属シリサイド層SLを形成することができる。その後、未反応の金属膜を除去し、図33には、この段階が示されている。
このようにして、ステップS15が行われ、SOI領域1Aとバルク領域1Bとに、それぞれMISFET(トランジスタ)などの半導体素子を形成することができる。
次に、図34に示されるように、基板1Cの主面上に、ゲート電極GE1,GE2およびサイドウォールスペーサSW3を覆うように、層間絶縁膜として絶縁膜SZ1を形成する。絶縁膜SZ1としては、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜とその上の厚い酸化シリコン膜との積層膜などを用いることができる。絶縁膜SZ1の形成後、必要に応じて、絶縁膜SZ1の上面をCMP法で研磨することもできる。
次に、絶縁膜SZ1上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜SZ1をドライエッチングすることにより、絶縁膜SZ1にコンタクトホール(貫通孔)を形成する。
次に、コンタクトホール内に、タングステン(W)などからなる導電性のプラグPGを形成する。例えば、コンタクトホール内を含む絶縁膜SZ1上にバリア導体膜とタングステン膜とを順に形成してから、コンタクトホールの外部の不要な主導体膜およびバリア導体膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグPGを形成することができる。
次に、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜SZ1上に絶縁膜SZ2を形成してから、絶縁膜SZ2の所定の領域に配線溝を形成した後、配線溝内にシングルダマシン技術を用いて配線M1を埋め込む。配線M1は、例えば、銅を主成分とする銅配線(埋込銅配線)である。配線M1は、プラグPGを介して、n+型半導体領域SD1、n+型半導体領域SD2、ゲート電極GE1あるいはゲート電極GE2などと電気的に接続される。
その後、デュアルダマシン法などにより2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。また、配線M1およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
以上のようにして、本実施の形態の半導体装置が製造される。
また、本実施の形態では、MISFEとして、nチャネル型のMISFETを形成する場合について説明したが、導電型を逆にして、pチャネル型のMISFETを形成することもできる。また、SOI領域1Aにnチャネル型のMISFETとpチャネル型のMISFETのいずれか一方または両方を形成することもでき、また、バルク領域1Bにnチャネル型のMISFETとpチャネル型のMISFETのいずれか一方または両方を形成することもできる。
<検討例について>
本発明者が検討した検討例について、図35〜図46を参照して説明する。図35は検討例の半導体装置の製造工程を示すプロセスフロー図であり、上記図2に相当するものである。図35〜図45は、検討例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、図46は、検討例の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
上記ステップS1〜S8の工程を行って上記図9の構造を得た後、検討例の場合も、上記図10に相当する図36に示されるように、SOI領域1Aを覆いかつバルク領域1Bを露出するようなフォトレジストパターンPR1を形成する。
次に、図37に示されるように、フォトレジストパターンPR1をエッチングマスクとして用いて、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1をドライエッチングして除去する(図35のステップS109)。エッチングガスとしては、フルオロカーボンガスを用いる。
バルク領域1Bにおいては、ステップS109で絶縁膜ZM1が除去されて、半導体層SMの上面が露出する。一方、SOI領域1Aにおいては、絶縁膜ZM1はエッチングされずにそのまま残存する。また、素子分離部STのうち、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出していた領域も、ステップS109でエッチングされる。このため、ステップS109のエッチングを行うと、SOI領域1Aとバルク領域1Bとの境界に存在している素子分離部STの上面において、フォトレジストパターンPR1の側面に整合する位置に段差DS101が形成される。
上記ステップS9とは異なり、検討例の場合は、ステップS109において、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1が除去されてバルク領域1Bの半導体層SMの上面が露出した段階で、エッチングを終了する。このため、ステップS109における素子分離部STのエッチング厚さT103は、ステップS109を行う直前でのバルク領域1Bの絶縁膜ZM1の厚さT1とほぼ同じである(すなわちT103=T1)。このため、ステップS109のエッチングを終了した段階での段差DS101の大きさは、ステップS109を行う直前でのバルク領域1Bの絶縁膜ZM1の厚さT1とほぼ同じになる。
次に、検討例の場合は、上記ステップS10の酸素プラズマ処理を行うことなく、図38に示されるように、フォトレジストパターンPR1をエッチングマスクとして用いて、バルク領域1Bの半導体層SMを選択的にドライエッチングして除去する(図35のステップS111)。これにより、バルク領域1Bにおいて、絶縁層BXの上面が露出する。このステップS111のエッチングには、等方性のドライエッチングを用い、エッチングガスとしては、SF6ガスなどを用いる。ステップS111のエッチング工程を行った後、図39に示されるように、フォトレジストパターンPR1をアッシングなどにより除去する。
この段階では、SOI領域1Aでは、絶縁膜ZM1が残存して絶縁膜ZM1の上面が露出された状態になっており、一方、バルク領域1Bでは、絶縁層BXの上面が露出された状態になっている。
次に、図39に示されるように、上記フォトレジストパターンPR2(ここでは図示せず)を形成してからイオン注入を行うことにより、SOI領域1Aの半導体基板SBに半導体領域GPを形成する(図35のステップS112)。それから、上記フォトレジストパターンPR3(ここでは図示せず)を形成してからイオン注入を行うことにより、バルク領域1Bの半導体基板SBにp型ウエルPWを形成する(図35のステップS113)。
次に、図40に示されるように、SOI領域1Aの絶縁膜ZM1とバルク領域1Bの絶縁層BXとをウェットエッチングして除去する(図35のステップS114)。これにより、SOI領域1Aでは、半導体層SMの上面が露出され、バルク領域1Bでは、半導体基板SB(p型ウエルPW)の上面が露出される。エッチング液としては、フッ酸を用いる。
次に、図41に示されるように、SOI領域1Aの半導体層SMの上面とバルク領域1Bの半導体基板SBの上面とに、熱酸化法などを用いてゲート絶縁膜GF1を形成する。それから、図42に示されるように、上記フォトレジストパターンPR4を形成してから、そのフォトレジストパターンPR4をエッチングマスクとして用いて、SOI領域1Aのゲート絶縁膜GF1をエッチングして除去する。その後、フォトレジストパターンPR4を除去してから、図43に示されるように、SOI領域1Aの半導体層SMの上面に、熱酸化法などを用いてゲート絶縁膜GF2を形成する。このようにして、SOI領域1Aの半導体層SMの上面にゲート絶縁膜GF2が形成され、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面にゲート絶縁膜GF1が形成された状態が得られる。
次に、図44に示されるように、ゲート絶縁膜GF1,GF2および素子分離部ST上にシリコン膜PSを形成してから、シリコン膜PS上に絶縁膜CPZを形成する。それから、絶縁膜CPZおよびシリコン膜PSをドライエッチングによりパターニングする。これにより、図45に示されるように、ゲート絶縁膜GF2とゲート電極GE1とキャップ絶縁膜CP1との積層体LT1がSOI領域1Aに形成され、ゲート絶縁膜GF1とゲート電極GE2とキャップ絶縁膜CP2との積層体LT2がバルク領域1Bに形成される。
以降の工程は、検討例の場合も、上記図25〜図34の場合と同様であるので、ここではその図示および説明は省略する。
図35〜図44の検討例の製造工程の場合は、次のような課題が生じることが、本発明者の検討により分かった。
すなわち、検討例の場合は、ステップS114を終了した段階(図40の段階)において、SOI領域1Aの分離部段差TD1に比べて、バルク領域1Bの分離部段差TD2がかなり大きくなる。
ここで、SOI領域1Aの分離部段差TD1は、SOI領域1Aの半導体層SMの上面と、SOI領域1Aの半導体層SMに隣接する素子分離部STと、で構成される段差である。SOI領域1Aの分離部段差TD1の大きさは、SOI領域1Aの半導体層SMの上面と、SOI領域1Aの半導体層SMに隣接する素子分離部STの上面との、高低差に対応している。また、バルク領域1Bの分離部段差TD2は、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面と、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STと、で構成される段差である。バルク領域1Bの分離部段差TD2の大きさは、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面と、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STの上面との、高低差に対応している。
SOI領域1Aの分離部段差TD1に比べて、バルク領域1Bの分離部段差TD2がかなり大きくなる理由について、以下に説明する。
ステップS109でバルク領域1Bの絶縁膜ZM1を除去した際には、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出した素子分離部STは、絶縁膜ZM1の厚さとほぼ同程度エッチングされる。また、ステップS114でSOI領域1Aの絶縁膜ZM1とバルク領域1Bの絶縁層BXとを除去した際には、露出する素子分離部STは、SOI領域1Aの半導体層SMに隣接する位置と、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する位置とで、ほぼ同程度エッチングされる。このため、ステップS109のエッチング工程とステップS114のエッチング工程とは、分離部段差TD1に比べて分離部段差TD2がかなり大きくなることには、ほとんど寄与していない。
それに対して、ステップS111でバルク領域1Bの半導体層SMを除去した際には、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出した素子分離部STは、ほとんどエッチングされない。このため、ステップS111の直前(図37)における、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1の上面とそれに隣接する素子分離部STの上面との高低差H101に比べて、ステップS111の終了時点(図38)における、バルク領域1Bの半導体層SMの上面とそれに隣接する素子分離部STの上面との高低差H102は、ステップS111で除去した半導体層SMの厚さT101の分だけ大きくなる。すなわち、H102=H101+T101が成り立つ。これが原因となって、ステップS114を終了した段階(図40)において、SOI領域1Aの分離部段差TD1に比べて、バルク領域1Bの分離部段差TD2が、かなり大きくなる。
また、図41のようにSOI領域1Aの半導体層SMの上面とバルク領域1Bの半導体基板SBの上面とにゲート絶縁膜GF1を形成してから、図42のようにSOI領域1Aのゲート絶縁膜GF1をエッチングして除去するが、そのエッチングにより、SOI領域1Aの半導体層SMに隣接する素子分離部STの上面もエッチングされる。これにより、SOI領域1Aの分離部段差TD1は更に小さくなる。しかしながら、そのエッチングの際には、バルク領域1BはフォトレジストパターンPR4で覆われているため、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する素子分離部STの上面もエッチングされず、それゆえ、バルク領域1Bの分離部段差TD2は小さくはならない。このため、SOI領域1Aの分離部段差TD1はかなり小さいのに比べて、バルク領域1Bの分離部段差TD2は、かなり大きな状態となる。
SOI領域1Aの分離部段差TD1は小さいことから、SOI領域1Aの分離部段差TD1に起因した不具合は生じないで済む。しかしながら、バルク領域1Bの分離部段差TD2はかなり大きいことから、バルク領域1Bの分離部段差TD2に起因した不具合が生じる虞がある。
バルク領域1Bの分離部段差TD2に起因した不具合の例としては、ゲート電極GE1,GE2形成用の導電膜、ここではシリコン膜PSを形成した後、このシリコン膜PSをエッチングによりパターニングした際に、バルク領域1Bの分離部段差TD2に隣接する位置に、シリコン膜PSのエッチング残り(エッチング残渣)PS1が生じることが挙げられる。すなわち、図45に示されるように、バルク領域1Bの半導体基板SBの上面から突出する部分の素子分離部STの側壁上に、シリコン膜PSのエッチング残りPS1が発生してしまう。このエッチング残りPS1が発生してしまうと、このエッチング残りPS1が導電性を有していることから、半導体装置の信頼性を低下させる虞がある。例えば、図46のように複数(ここでは2本)のゲート電極GE2(積層体LT2)が同じ活性領域上に並んで配置されていた場合には、その複数(ここでは2本)のゲート電極GE2同士が、分離部段差TD2に沿って残存するシリコン膜PSのエッチング残りPS1を介して繋がってしまう虞がある。このため、バルク領域1Bの分離部段差TD2に隣接する位置に、シリコン膜PSのエッチング残りPS1が発生することは、防ぐ必要がある。なお、図46は、平面図であるが、図面を見やすくするために、シリコン膜PSのエッチング残りPS1にハッチングを付してある。
バルク領域1Bの分離部段差TD2に隣接する位置に、シリコン膜PSのエッチング残りPS1が発生するのを防ぐには、分離部段差TD2の大きさを小さくすることが有効である。分離部段差TD2が小さければ、分離部段差TD2に隣接する位置に、シリコン膜PSのエッチング残りPS1は生じにくくなる。
また、分離部段差TD2を小さくすることを目的として、ステップS114のオーバーエッチングを大きくすることも考えられる。しかしながら、この場合は、バルク領域1Bの半導体基板SBに隣接する位置の素子分離部STのエッチング厚さを大きくして、分離部段差TD2を小さくすることはできても、SOI領域1Aの半導体層SMに隣接する位置の素子分離部STのエッチング厚さも大きくなってしまう。このため、SOI領域1Aの半導体層SMの上面の高さ位置が素子分離部STの上面よりも高くなってしまい、SOI領域1Aの半導体層SMの側面が露出する虞があるが、これは、ゲート電極用のシリコン膜PSをパターニングした際に、SOI領域1Aにおいてシリコン膜PSのエッチング残りの発生を招く虞があるため、望ましくない。
<本実施の形態の主要な特徴について>
本実施の形態では、ステップS9において、フォトレジストパターンPR1(第1マスク層)をエッチングマスクとして用いて、バルク領域1B(第2領域)の絶縁膜ZM1(第1絶縁膜)をドライエッチング(第1ドライエッチング)により除去して、バルク領域1Bの半導体層SMを露出させる。このステップS9のドライエッチング(第1ドライエッチング)には、フルオロカーボンガスを含有するガス(第1ガス)が用いられる。
本実施の形態の主要な特徴のうちの一つ(第1の特徴)は、ステップS9のドライエッチングにおける、フォトレジストパターンPR1で覆われない素子分離部STのエッチング厚さT3は、ステップS9のドライエッチングを開始する直前の段階でのSOI領域1Aの絶縁膜ZM1の厚さT1と半導体層SMの厚さT2との合計以上(T3≧T1+T2)であることである。T3≧T1+T2が成り立つようにステップS9のドライエッチングを行うのは、上述したバルク領域1Bの分離部段差TD2を小さくするためである。
すなわち、上記検討例の場合は、ステップS109において、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1が除去されてバルク領域1Bの半導体層SMの上面が露出した段階で、エッチングを終了する。このため、ステップS109における素子分離部STのエッチング厚さT103は、ステップS109を行う直前でのバルク領域1Bの絶縁膜ZM1の厚さT1とほぼ同じである(すなわちT103=T1)。その後、ステップS114を終了した段階(図40)においては、バルク領域1Bの分離部段差TD2が、かなり大きくなっている。
それに対して、本実施の形態では、ステップS9において、バルク領域1Bの絶縁膜ZM1が除去されてバルク領域1Bの半導体層SMの上面が露出した後も、ドライエッチングをしばらく継続し、フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部STのドライエッチングを所定の時間継続する。すなわち、ステップS9において、バルク領域1Bの半導体層SMが露出された後のオーバーエッチングで、素子分離部STが半導体層SMの厚さT2と同じかそれ以上エッチングされるように、オーバーエッチング時間を設定する。つまり、後で行うステップS11では素子分離部STがほとんどエッチングされないため、これを予め勘案して、ステップS9で、半導体層SMが露出した後のオーバーエッチングを大きくして、このオーバーエッチングで、素子分離部STが半導体層SMの厚さT2と同じかそれ以上エッチングされるようにしている。これにより、ステップS14を終了した段階(図17)において、バルク領域1Bの分離部段差TD2を小さくすることができる。
上記検討例の場合は、ステップS109とステップS111とでの素子分離部STの合計のエッチング厚さが、ステップS109とステップS111とで除去されたバルク領域1Bの絶縁膜ZM1および半導体層SMの合計の厚さよりも、半導体層SMの厚さの分だけ小さく、これが、ステップS114を終了した段階において、バルク領域1Bの分離部段差TD2が大きくなることを招いていた。それに対して、本実施の形態では、ステップS9とステップS11とでの素子分離部STの合計のエッチング厚さが、ステップS9とステップS11とで除去されたバルク領域1Bの絶縁膜ZM1および半導体層SMの合計の厚さ(すなわちT1+T2)に近くなるため、ステップS14を終了した段階において、バルク領域1Bの分離部段差TD2を小さくすることができる。
従って、本実施の形態では、ステップS14を終了した段階(図17の段階)や、ゲート絶縁膜GF1,GF2を形成した段階(図20の段階)において、SOI領域1Aの分離部段差TD1だけでなく、バルク領域1Bの分離部段差TD2も小さくすることができる。例えば、SOI領域1Aの分離部段差TD1とバルク領域1Bの分離部段差TD2とを、ほぼ同程度とすることができる。
本実施の形態では、ステップS9での素子分離部STのエッチング厚さT3を大きくしたことにより、バルク領域1Bの分離部段差TD2を小さくすることができるため、バルク領域1Bの分離部段差TD2に起因した不具合が生じるのを防止することができる。例えば、ゲート電極GE1,GE2形成用の導電膜、ここではシリコン膜PSを形成した後、このシリコン膜PSをエッチングによりパターニングした際に、バルク領域1Bの分離部段差TD2に隣接する位置に、シリコン膜PSのエッチング残り(エッチング残渣)が生じるのを防止することができる。このため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、半導体装置の製造工程の管理が容易になり、半導体装置を製造しやすくなる。
本実施の形態の主要な特徴のうちの他の一つ(第2の特徴)は、ステップS9のドライエッチングの後に、ステップS10で基板(SOI基板1)に対して酸素プラズマ処理を行うことである。このステップS10の酸素プラズマ処理の後に、ステップS11でフォトレジストパターンPR1をエッチングマスクとして用いて、バルク領域1Bの半導体層SMをドライエッチングにより除去してバルク領域1Bの絶縁層BXを露出させる。
ステップS9とステップS11との間にステップS10の酸素プラズマ処理を導入した理由について、以下に説明する。
ドライエッチングでのエッチング量が多いと、そのドライエッチングに伴う堆積物が発生しやすくなり、その堆積物の発生量が多くなる。ドライエッチングに伴う堆積物は、ドライエッチングに伴って生成された反応生成物であり、ドライエッチングで使用したガス分子中に含まれていた原子を含有している。ステップS9では、フルオロカーボンガスを含有するガスが用いられているため、ステップS9でドライエッチングに伴って発生する堆積物は、炭素(C)原子およびフッ素(F)原子を含んでおり、より特定的には、炭素(C)およびフッ素(F)を含有したポリマからなる。
上記検討例のステップS109に比べて、本実施の形態のステップS9では、オーバーエッチング(オーバーエッチング量、オーバーエッチング時間)を大きくしているため、ステップS9でドライエッチングに伴って発生する堆積物の量が多くなりやすい。ステップS9でドライエッチングに伴って発生した堆積物が残存したままで、ステップS11のエッチング工程を行ってしまうと、ステップS9のドライエッチングに伴って発生した堆積物が邪魔になり、その堆積物で遮蔽された半導体層SMが部分的に残存してしまい、半導体層SMのエッチング残り(エッチング残渣)が発生する虞がある。例えば、ステップS9のドライエッチングを終了した段階で、バルク領域1Bにおいて、半導体層SMの上面よりも素子分離部STの上面が高い位置にある場合には、半導体層SMの上面から突出する部分の素子分離部STの側壁上に上記堆積物が付着してしまい、その堆積物が邪魔になってステップS11で半導体層SMのエッチング残りが発生する虞がある。また、ステップS9のドライエッチングを終了した段階で、バルク領域1Bにおいて、半導体層SMの上面よりも素子分離部STの上面が低い位置にある場合には、素子分離部STの上面から突出する部分の半導体層SMの側壁上に上記堆積物が付着してしまい、その堆積物が邪魔になってステップS11で半導体層SMのエッチング残りが発生する虞がある。いずれにしろ、ステップS9でドライエッチングに伴って発生した堆積物が残存したままで、ステップS11のエッチング工程を行ってしまうと、半導体層SMのエッチング残りが発生する虞がある。半導体層SMは絶縁体ではないため、半導体装置の信頼性を高めるためには、そのような半導体層SMのエッチング残りは、できるだけ防止することが望ましい。
そこで、本実施の形態では、ステップS9でフルオロカーボンガスを含有するガスを用いたドライエッチングを行った後に、ステップS10で酸素プラズマ処理を行う。酸素プラズマ処理は、フルオロカーボンガスを用いたドライエッチングに伴って発生する堆積物(炭素原子およびフッ素原子を含むポリマ)を除去するのに適している。このため、ステップS9のドライエッチングで発生した堆積物を、ステップS10の酸素プラズマ処理で除去することができる。これにより、ステップS11は、ステップS9のドライエッチングに伴う堆積物が除去された状態で行われるため、ステップS11でバルク領域1Bの半導体層SMをエッチングにより除去した際に、半導体層SMのエッチング残り(エッチング残渣)が発生するのを的確に防止することができる。従って、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、半導体装置の製造工程の管理が容易になり、半導体装置を製造しやすくなる。
上記検討例の場合は、ステップS109でのオーバーエッチングが少ないため、ステップS109のドライエッチングに伴って発生する堆積物は少なくて済み、それゆえ、本実施の形態とは異なり、ステップS10で酸素プラズマ処理を行わずとも、ステップS114で半導体層SMのエッチング残りは発生しにくい。それに対して、本実施の形態では、バルク領域1Bの分離部段差TD2を小さくするためにステップS9でのオーバーエッチングを大きくしたことで、ステップS9のドライエッチングに伴って発生する堆積物の量が多くなることに気付き、その堆積物に起因した不具合がステップS11で発生しないように、ステップS10の酸素プラズマ処理を導入している。このため、上記第1の特徴と上記第2の特徴とを組み合わせることは、極めて重要であり、それにより、バルク領域1Bの分離部段差TD2に起因した不具合の防止と、ステップS9のドライエッチングで発生する堆積物に起因した不具合の防止とを、達成することができる。本実施の形態では、ステップS9における素子分離部STのエッチング厚さT3を大きくしたことで、分離部段差TD2を小さくすることができるとともに、ステップS10の酸素プラズマ処理を追加したことで、ステップS9における素子分離部STのエッチング厚さT3を大きくしたことによる不具合を解消できるため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
本実施の形態の更に他の特徴について、以下に説明する。
ステップS9では、バルク領域1Bの半導体層SM全体が除去されて絶縁層BXが露出することは防ぐ必要がある。すなわち、ステップS9のドライエッチングが終了した段階およびステップS10の酸素プラズマ処理が終了した段階で、バルク領域1Bの半導体層SMが絶縁層BX上に層状に残存し、バルク領域1Bの絶縁層BXが露出されない状態である必要がある。しかしながら、ステップS9では、バルク領域1Bの半導体層SMが露出された後のオーバーエッチングを大きくしているため、半導体層SMに対する素子分離部STおよび絶縁膜ZM1のエッチング選択比を高くしておかないと、バルク領域1Bの半導体層SMがステップS9で過剰にエッチングされてしまい、バルク領域1Bの半導体層SMが消失してしまう虞がある。このため、ステップS9では、絶縁膜ZM1および素子分離部STに比べて半導体層SMがエッチングされにくい条件でドライエッチングを行うが、半導体層SMに対する絶縁層BXおよび素子分離部STのエッチング選択比ができるだけ高くなるようなエッチング条件を設定することが望ましい。なお、半導体層SMに対する絶縁層BXおよび素子分離部STのエッチング選択比とは、半導体層SMのエッチング速度に対する絶縁層BXおよび素子分離部STのエッチング速度の比に対応している。
そこで、ステップS9では、エッチングガスとしてフルオロカーボンガスを用いているが、ステップS9で用いられるフルオロカーボンガスは、ガス分子中に2つ以上の炭素(C)原子を含んでいるか、あるいは、ガス分子中に1つ以上の水素(H)原子を含んでいることが好ましい。これにより、半導体層SMに対する絶縁層BXおよび素子分離部STのエッチング選択比を高くすることができるため、ステップS9において、半導体層SMのエッチングを抑制しながら、絶縁層BXおよび素子分離部STを高い選択比でエッチングすることができる。
なお、ガス分子中に2つ以上の炭素(C)原子を含んでいるフルオロカーボンガスは、例えば、C2F6ガス、C4F8ガス、またはC4F6ガスなどである。また、ガス分子中に1つ以上の水素(H)原子を含んでいるフルオロカーボンガスは、例えば、CHF3ガス、またはCH2F2ガスなどである。これらのガスの一種以上を、ステップS9のドライエッチングに好適に用いることができる。
ステップS9では、CF4ガスではなく、ガス分子中に2つ以上の炭素(C)原子を含んでいるか、あるいは、ガス分子中に1つ以上の水素(H)原子を含んでいるようなフルオロカーボンガスを用いることが好ましいが、そのようなガスを用いてドライエッチングを行った場合は、ドライエッチングに伴う堆積物(反応生成物)が、更に発生しやすくなる。しかしながら、本実施の形態では、ステップS9の後にステップS10の酸素プラズマ処理を行っているため、そのようなガスを用いてステップS9を行ったことで、ドライエッチングに伴う堆積物の生成量が多くなっても、その堆積物はステップS10の酸素プラズマ処理で的確に除去することができる。このため、ガス分子中に2つ以上の炭素(C)原子を含んでいるか、あるいは、ガス分子中に1つ以上の水素(H)原子を含んでいるようなフルオロカーボンガスを、不具合が生じることなく、ステップS9のドライエッチングに用いることができる。
また、ステップS9のエッチング工程は、異方性のドライエッチングを行うことが好ましい。また、ステップS11のエッチング工程は、等方性のドライエッチングを行うことが好ましい。その理由について、以下に説明する。
すなわち、ステップS11では、エッチング対象が半導体層SMであるため、異方性のドライエッチングを行った場合は、バルク領域1Bにおいて、素子分離部STの側壁上に半導体層SMのエッチング残りが残存する虞があるが、半導体層SMは絶縁体ではないため、そのような半導体層SMのエッチング残りはできるだけ防止することが望ましい。また、上記溝TR(の断面形状)はテーパ形状を有しやすく、それゆえ、素子分離部ST(の断面形状)もテーパ形状を有しやすい。素子分離部STがテーパ形状を有している場合は、異方性のドライエッチングで半導体層SMを除去しようとしても、テーパ形状の素子分離部STで遮蔽される部分の半導体層SMが、素子分離部STの側壁上にエッチング残りとして残存しやすい。このため、ステップS11のエッチング工程は、等方性のドライエッチングを行うことが好ましく、それにより、バルク領域1Bにおいて、素子分離部STの側壁上に半導体層SMのエッチング残りが残存するのを、より的確に防止することができる。
また、ステップS9のエッチング工程に、等方性のドライエッチングを用いた場合は、フォトレジストパターンPR1の側面の下方において、素子分離部STがサイドエッチングされてしまう。このため、ステップS9のエッチング工程には、異方性のドライエッチングを用いることが好ましく、それにより、フォトレジストパターンPR1の側面の下方において、素子分離部STがサイドエッチングされてしまうのを防止できる。これにより、素子分離部STの平面寸法が小さくなった場合にも、本実施の形態の製造工程を適用しやすくなる。このため、半導体装置の小型化に有利になる。また、絶縁膜ZM1および素子分離部STを異方性ドライエッチングするためには、フルオロカーボンガスを用いたドライエッチングが好適であり、ステップS9ではフルオロカーボンガスを含有するガスを用いることにより、絶縁膜ZM1および素子分離部STを的確に異方性ドライエッチングすることができる。
また、ステップS11では、半導体層SMを選択的に除去するため、フッ素ラジカル主体の等方性ドライエッチング(例えばSF6ガスを用いた等方性ドライエッチング)を行うが、そのような等方性ドライエッチングでは、ステップS9のフルオロカーボンガスを用いたドライエッチングに伴って発生した堆積物は、除去しにくい。しかしながら、本実施の形態では、ステップS9の後にステップS10の酸素プラズマ処理を行うことで、ステップS9のドライエッチングに伴う堆積物を除去し、その後で、ステップS11を行っている。このため、ステップS9のドライエッチングに伴って発生した堆積物が悪影響を及ぼすことなく、ステップS11の等方性ドライエッチングを的確に行うことができる。
(実施の形態2)
図47は、本実施の形態2の半導体装置の製造工程を示すプロセスフロー図であり、上記図2に対応するものである。
本実施の形態2の製造工程が、上記実施の形態1の製造工程と相違しているのは、上記ステップS10(酸素プラズマ処理)と上記ステップS11(半導体層SMのドライエッチング)との間に、ステップS10aを追加した点である(図47参照)。
すなわち、本実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様にして上記ステップS9(絶縁膜ZM1のドライエッチング)までの工程を行って上記図11の構造を得る。それから、本実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様にして上記ステップS10の酸素プラズマ処理を行った後、上記実施の形態1とは異なり、本実施の形態2では、SOI基板1に対して、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含有するガス(混合ガス)を用いたプラズマ処理を行う(図47のステップS10a)。ステップS10aのプラズマ処理を行った後、本実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様にして上記ステップS11(半導体層SMのドライエッチング)を行うことで、上記図12の構造を得る。ステップS9とステップS10とステップS10aとステップS11とは、SOI基板1を大気中にさらすことなく、連続的に行うことが好ましい。その後の工程は、本実施の形態2も上記実施の形態1と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
本実施の形態2と上記実施の形態1との相違点であるステップS10aのプラズマ処理について、以下に説明する。
ステップS10の酸素プラズマ処理で、ステップS9のドライエッチングに伴って発生した堆積物は除去できるが、バルク領域1Bの半導体層SMの表面が、ステップS10の酸素プラズマ処理によってわずかに酸化される虞がある。そして、ステップS11のエッチング工程は、半導体層SM(シリコン層)に比べて酸化シリコン(絶縁層BXおよび素子分離部ST)がエッチングされにくい条件で行う。このため、バルク領域1Bの半導体層SMの表面が酸化された状態で半導体層SMのエッチング工程(ステップS11)を行うよりも、バルク領域1Bの半導体層SMの表面が露出された状態で半導体層SMのエッチング工程(ステップS11)を行うことが望ましい。
そこで、本実施の形態2では、ステップS10(酸素プラズマ処理)の後で、ステップS11(半導体層SMのドライエッチング工程)の前に、バルク領域1Bの半導体層SMの表面の酸化膜(酸化シリコン膜)を除去可能なステップS10aを行う。ステップS10aは、ステップS10でバルク領域1Bの半導体層SMの表面に酸化膜が形成された場合に、その酸化膜をエッチングして除去する作用を有している。このため、ステップS10aは、ドライエッチング工程とみなすこともできる。ステップS10aでは、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出している素子分離部STの表層部も、エッチングされる。
ステップS10aで使用するガスは、バルク領域1Bの半導体層SMの表面の酸化膜を除去可能とするために、フルオロカーボンガスを含有している。しかしながら、ステップS9は、酸化シリコン(絶縁膜ZM1および素子分離部ST)のエッチング選択性を高めることが重要であったが、それに比べると、ステップS10aは、酸化シリコンのエッチング選択性をそれほど高めなくとも問題は無い。これは、ステップS9は、上述したようにエッチング量が大きく、酸化シリコンのエッチング選択比を高くしておかないとバルク領域1Bの半導体層SMが消失する虞があるのに対して、ステップS10aでは、半導体層SMの表面の酸化膜を除去できる程度のエッチングを行えばよく、エッチング量が小さいため、酸化シリコンのエッチング選択性をそれほど高めなくとも問題は無いからである。つまり、ステップS9に比べてステップS10aの方が、酸化シリコンのエッチング厚さが小さいため、ステップS9よりもステップS10aの方が、半導体層SMに対する素子分離部STのエッチング選択比を小さくすることができる。また、ステップS9に比べてステップS10aの方が、素子分離部STのエッチング速度を小さくすることができる。
このため、ステップS9とステップS10aは、いずれも素子分離部STに対するエッチング作用を有しているが、ステップS9における素子分離部ST(フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部ST)のエッチング厚さに比べて、ステップS10aにおける素子分離部ST(フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部ST)のエッチング厚さの方が小さくなる。一例を挙げると、ステップS10aにおける素子分離部STのエッチング厚さは、ステップS9における素子分離部STのエッチング厚さの30%以下であり、例えば2〜6nm程度である。ステップS10aは、ステップS10で形成された酸化膜を除去するために行っているので、ステップS10aのドライエッチングは、等方性であっても、異方性であってもよい。
一方、ステップS9に伴う堆積物をステップS10でせっかく除去しても、ステップS10aに伴う堆積物が発生してしまうと、ステップS10aで発生した堆積物が残存した状態で、ステップS11を行うことになってしまうため、ステップS10aで発生した堆積物に起因した半導体層SMのエッチング残りが、ステップS11で発生する虞がある。そこで、ステップS10aでは、ステップS10aに伴う堆積物(反応生成物)ができるだけ発生しないようにしながら、バルク領域1Bの半導体層SMの表面の酸化膜を除去できるようにする必要がある。
酸化膜を除去するには、フルオロカーボンガスを用いることが有効であり、一方、フルオロカーボンガスを用いたドライエッチングに伴う堆積物の発生を抑制するには、使用するエッチングガス中に酸素ガスも含有させ、その酸素ガスの比率を高めることが有効である。このため、ステップS10aでは、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含む混合ガスを用いたプラズマ処理(ドライエッチング)を行い、それにより、堆積物(反応生成物)の発生を抑えながら、バルク領域1Bの半導体層SMの表面の酸化膜を除去する。
ステップS9で使用するガスは、フルオロカーボンガスを含有しており、更に酸素ガスを含有することも可能である。しかしながら、フルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率を大きくすると、エッチング速度が下がることと、エッチング選択比が下がることとが、発生してしまう。ステップS9は、素子分離部STのエッチング厚さが大きく、また、素子分離部STのエッチング選択比を高くする必要があるため、ステップS9で使用するガスは、酸素ガスを含まないか、含んでいたとしても、酸素ガスの比率をある程度小さくすることが望ましい。ステップS9で使用するガスが、酸素ガスを含まないか、酸素ガスを含んでいても酸素ガスの比率が小さいことに付随して、ステップS9での堆積物の発生量が多くなったとしても、ステップS10でその堆積物を除去するため、問題は無い。
一方、ステップS10aは、酸化シリコンのエッチング厚さが小さいため、酸化シリコンのエッチング速度はそれほど高くする必要はなく、また、酸化シリコンのエッチング選択比をそれほど高くする必要もない反面、ステップS11に悪影響を及ぼさないように、ステップS10aでは、エッチングに伴う堆積物の発生を抑制する必要がある。このため、ステップS10aで使用するガスは、フルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率を、ある程度高くする方が望ましい。
このため、本実施の形態2の場合、ステップS9では、フルオロカーボンを含有するガスを用い、ステップS10aでは、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含有するガスを用いる。そして、ステップS9で用いられるガスが酸素ガスを含有しないようにするか、あるいは、ステップS9で用いられるガスが酸素ガスを含有している場合は、ステップS9で用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率が、ステップS10aで用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率よりも小さくなるようにする。つまり、ステップS9で用いられるガスは、ステップS9で用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率が、ステップS10aで用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率よりも小さくなるように、酸素ガスを含有するか、あるいは、酸素ガスを含有していない。従って、ステップS9で使用するガスが酸素ガスを含まない場合と酸素ガスを含む場合とがあり得るが、ステップS9で使用するガスが酸素ガスを含む場合は、フルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率は、ステップS9よりもステップS10aの方が大きい。
これにより、ステップS9では、使用するガスが酸素ガスを含まないか、酸素ガスを含んでいたとしても酸素ガスの比率が小さいことで、バルク領域1Bの半導体層SMのエッチングを抑制しながら、絶縁層BXおよび素子分離部STを高い選択比でエッチングすることができる。ステップS9では、ドライエッチングに伴う堆積物が発生しやすいが、その堆積物はステップS10で除去することができる。そして、ステップS10aでは、使用するガスがフルオロカーボンガスと酸素ガスとを含むとともに、酸素ガスの比率が大きいことで、ステップS10aに伴う堆積物の発生を抑制または防止しながら、ステップS10でバルク領域1Bの半導体層SMの表面に形成された酸化膜をステップS10aで除去することができる。これにより、バルク領域1Bの半導体層SMの表面が的確に露出された状態でステップS11を行うことができるため、ステップS11のエッチング工程を、より的確に行うことができる。これにより、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、半導体装置の製造工程の管理が容易になり、半導体装置を製造しやすくなる。
また、ステップS9では、絶縁膜ZM1および素子分離部STに対するエッチング作用を高めてエッチング選択比を高くするために、使用するフルオロカーボンガスは、ガス分子中に2つ以上の炭素原子を含んでいるか、あるいは、ガス分子中に1つ以上の水素原子を含んでいることが好ましい。一方、ステップS10aは、半導体層SMの表面の酸化膜や素子分離部STに対するエッチング作用はそれほど高くする必要はない反面、エッチングに伴う堆積物を生じにくくするために、ステップS10aで使用するフルオロカーボンガスは、CF4ガスを用いることが好ましい。ステップS10aにおいて、フルオロカーボンガスとしてCF4ガスを用いることにより、エッチングに伴う堆積物の発生をより的確に抑制または防止することができ、ステップS10aで発生する堆積物がステップS11に悪影響を及ぼすのを、より的確に防止することができる。
なお、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含むガス(混合ガス)における、フルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率とは、プラズマ装置に導入する際のフルオロカーボンガスの流量に対する酸素ガスの流量の比率と定義する。例えば、プラズマ装置に導入する際のフルオロカーボンガスの流量がX1sccmで酸素ガスの流量がX2sccmの場合は、フルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率は、X2/X1となる。このため、ステップS9でプラズマ装置(ドライエッチング装置)に導入するフルオロカーボンガスの流量をX3sccmで酸素ガスの流量をX4sccmとし、ステップS10aでプラズマ装置(ドライエッチング装置)に導入するフルオロカーボンガスの流量をX5sccmで酸素ガスの流量をX6sccmとしたときには、(X4/X3)<(X6/X5)が成り立つ。但し、X3>0、X4≧0、X5>0、X6>0も成り立つ。これは、後述の実施の形態3におけるステップS9,S10bについても同様である。
(実施の形態3)
図48は、本実施の形態3の半導体装置の製造工程を示すプロセスフロー図であり、上記図2に対応するものである。
本実施の形態3の製造工程が、上記実施の形態1の製造工程と相違しているのは、上記ステップS10(酸素プラズマ処理)の代わりに、ステップS10bを行う点である(図48参照)。
すなわち、本実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様にして上記ステップS9(絶縁膜ZM1のドライエッチング)までの工程を行って上記図11の構造を得る。それから、本実施の形態3においては、上記実施の形態1とは異なり、上記ステップS10を行わず、その代わりに、SOI基板1に対して、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含有するガス(混合ガス)を用いたプラズマ処理(ドライエッチング)を行う(図48のステップS10b)。なお、上記実施の形態1,2のステップS10では、酸素ガスをプラズマ化しており、フルオロカーボンガスは使用していない。
ステップS10bのプラズマ処理を行った後、本実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様にして上記ステップS11(半導体層SMのドライエッチング)を行うことで、上記図12の構造を得る。ステップS9とステップS10bとステップS11とは、SOI基板1を大気中にさらすことなく、連続的に行うことが好ましい。その後の工程は、本実施の形態3も上記実施の形態1と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
本実施の形態3と上記実施の形態1との相違点であるステップS10bのプラズマ処理について、以下に説明する。
ステップS10bは、ステップS9のドライエッチングに伴って発生した堆積物(反応生成物)を除去するために行われる。このため、ステップS10bで使用するガスは、酸素ガスを含有している。これにより、ステップS10bのプラズマ雰囲気中には、酸素プラズマが存在するため、ステップS10bでは、ステップS9のドライエッチングに伴う堆積物を、酸素プラズマの作用により除去することができる。
そして、本実施の形態3では、ステップS10bでバルク領域1Bの半導体層SMの表面に酸化膜(酸化シリコン膜)が形成されないようにするために、ステップS10bで使用するガスに、フルオロカーボンガスも含有させている。ステップS10bで使用するガスが、フルオロカーボンガスも含有していることで、ステップS10bのプラズマ処理では、酸化膜に対するエッチング作用が発生するため、バルク領域1Bの半導体層SMの表面に酸化膜が形成されるのを防止できる。
このため、ステップS10bに使用するガスは、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含有している。但し、ステップS10bに伴う堆積物(反応生成物)が発生しにくくなり、かつ、ステップS9のドライエッチングに伴って発生した堆積物(反応生成物)をステップS10bで除去しやすくなるように、ステップS10bで使用するガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率を高くしている。
一方、ステップS9で使用するガスは、フルオロカーボンガスを含有しており、更に酸素ガスを含有することも可能であるが、酸素ガスを含有する場合であっても、フルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率は、あまり高くしない方が望ましい。その理由は、上記実施の形態2で説明したのと同様である。簡単に言うと、ステップS10bに比べてステップS9では、素子分離部STのエッチング厚さが大きいため、半導体層SMに対する素子分離部STのエッチング選択比を高くする必要があるからである。
このため、本実施の形態3では、ステップS9では、フルオロカーボンを含有するガスを用い、ステップS10bでは、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含有するガスを用いる。そして、ステップS9で用いられるガスが酸素ガスを含有しないようにするか、あるいは、ステップS9で用いられるガスが酸素ガスを含有している場合は、ステップS9で用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率が、ステップS10bで用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率よりも小さくなるようにする。つまり、ステップS9で用いられるガスは、ステップS9で用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率が、ステップS10bで用いられるガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率よりも小さくなるように、酸素ガスを含有するか、あるいは、酸素ガスを含有していない。従って、ステップS9で使用するガスが酸素ガスを含まない場合と酸素ガスを含む場合とがあり得るが、ステップS9で使用するガスが酸素ガスを含む場合は、フルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率は、ステップS9よりもステップS10bの方が大きい。
これにより、ステップS9では、使用するガスが酸素ガスを含まないか、酸素ガスを含んでいたとしても酸素ガスの比率が小さいことで、バルク領域1Bの半導体層SMのエッチングを抑制しながら、絶縁層BXおよび素子分離部STを高い選択比でエッチングすることができる。ステップS9では、ドライエッチングに伴う堆積物が発生しやすいが、その堆積物はステップS10bで除去することができる。ステップS10bでは、使用するガスがフルオロカーボンガスと酸素ガスとを含むとともに、酸素ガスの比率が大きいことで、ステップS10bに伴う堆積物の発生を抑制または防止しながら、ステップS9で発生した堆積物を除去することができる。また、ステップS10bでは、使用するガスがフルオロカーボンガスも含有していることで、バルク領域1Bの半導体層SMの表面に酸化膜が形成されるのを防止できる。これにより、ステップS9で発生した堆積物が除去され、かつ、バルク領域1Bの半導体層SMの表面が的確に露出された状態でステップS11を行うことができるため、ステップS11のエッチング工程を、より的確に行うことができる。これにより、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、半導体装置の製造工程の管理が容易になり、半導体装置を製造しやすくなる。
ステップS9とステップS10bとは、いずれも素子分離部STに対するエッチング作用を有しているが、ステップS9における素子分離部ST(フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部ST)のエッチング厚さに比べて、ステップS10bにおける素子分離部ST(フォトレジストパターンPR1で覆われていない素子分離部ST)のエッチング厚さの方が小さくなる。一例を挙げると、ステップS10bにおける素子分離部STのエッチング厚さは、ステップS9における素子分離部STのエッチング厚さの30%以下であり、例えば2〜6nm程度である。ステップS10bは、ドライエッチング工程とみなすこともできる。ステップS10bは、ステップS9で発生した堆積物を除去するために行っているので、ステップS10bのドライエッチング(プラズマ処理)は、等方性であることが望ましい。
また、ステップS9に比べてステップS10bの方が、素子分離部STのエッチング厚さが小さいため、ステップS9に比べてステップS10bの方が、半導体層SMに対する素子分離部STのエッチング選択比を小さくすることができ、また、ステップS9に比べてステップS10bの方が、素子分離部STのエッチング速度を小さくすることができる。
また、ステップS9では、絶縁膜ZM1および素子分離部STに対するエッチング作用を高めてエッチング選択比を高くするために、使用するフルオロカーボンガスは、ガス分子中に2つ以上の炭素原子を含んでいるか、あるいは、ガス分子中に1つ以上の水素原子を含んでいることが好ましい。一方、ステップS10bは、素子分離部STに対するエッチング作用はそれほど高くする必要はない反面、エッチングに伴う堆積物を生じにくくするために、ステップS10bで使用するフルオロカーボンガスは、CF4ガスを用いることが好ましい。ステップS10bにおいて、フルオロカーボンガスとしてCF4ガスを用いることにより、エッチングに伴う堆積物の発生をより的確に抑制または防止することができ、ステップS10bで発生する堆積物がステップS11に悪影響を及ぼすのを、より的確に防止することができる。
本実施の形態3におけるステップS10bは、上記実施の形態2における上記ステップS10と上記ステップS10aとをまとめて1つの工程(プラズマ処理)として行う場合に相当している。このため、本実施の形態3の場合は、半導体装置の製造工程数を低減できるという利点がある。一方、上記実施の形態2は、ステップS9で発生した堆積物の除去を目的としたステップS10と、ステップS10でバルク領域1Bの半導体層SMの表面に形成された不要な酸化膜を除去することを目的としたステップS10aとについて、それぞれの目的に合わせた最適な条件で行うことができる。このため、上記実施の形態2の場合は、ステップS10とステップS10aとの制御が容易であり、また、エッチングに伴う堆積物の除去と不要な酸化膜の除去とを、より的確に行うことができるという利点がある。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
その他、上記実施の形態に記載された内容の一部を以下に記載する。
[付記1]
(a)半導体基板と、前記半導体基板上の絶縁層と、前記絶縁層上の半導体層と、前記半導体層上の第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜、前記半導体層および前記絶縁層を貫通して前記半導体基板に達する溝と、前記溝内に埋め込まれた素子分離部と、を有する基板を準備する工程、
ここで、
前記絶縁層と前記第1絶縁膜と前記素子分離部とは同じ材料からなり、
(b)前記(a)工程後、前記基板の第1領域の前記第1絶縁膜を覆いかつ前記基板の前記第1領域とは異なる第2領域の前記第1絶縁膜を露出する第1マスク層を形成する工程、
ここで、
前記第1領域と前記第2領域との境界には、前記素子分離部が配置されており、
前記第1マスク層の側面は、前記素子分離部上に位置しており、
(c)前記(b)工程後、前記第1マスク層をエッチングマスクとして用いて、前記第2領域の前記第1絶縁膜を第1ドライエッチングにより除去して、前記第2領域の前記半導体層を露出させる工程、
(d)前記(c)工程後、前記基板に対してプラズマ処理を行う工程、
(e)前記(d)工程後、前記第1マスク層をエッチングマスクとして用いて、前記第2領域の前記半導体層を第2ドライエッチングにより除去して前記第2領域の前記絶縁層を露出させる工程、
(f)前記(e)工程後、前記第1マスク層を除去する工程、
(g)前記(f)工程後、前記第1領域の前記第1絶縁膜と前記第2領域の前記絶縁層とをエッチングにより除去して、前記第1領域の前記半導体層と前記第2領域の前記半導体基板とを露出させる工程、
(h)前記(g)工程後、前記第1領域の前記半導体層に第1トランジスタを形成し、前記第2領域の前記半導体基板に第2トランジスタを形成する工程、
を有し、
前記(c)工程の前記第1ドライエッチングには、フルオロカーボンガスを含有する第1ガスが用いられ、
前記(d)工程の前記プラズマ処理には、フルオロカーボンガスと酸素ガスとを含有する第2ガスが用いられ、
前記(c)工程において、前記第1マスク層で覆われない前記素子分離部の前記第1ドライエッチングによるエッチング厚さは、前記第1ドライエッチングを開始する直前の段階での前記第1絶縁膜の第1厚さと前記半導体層の第2厚さとの合計以上であり、
前記第1ガスは、前記第1ガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率が、前記第2ガスにおけるフルオロカーボンガスに対する酸素ガスの比率よりも小さくなるように、酸素ガスを含有するか、あるいは、酸素ガスを含有していない、半導体装置の製造方法。
[付記2]
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1ガスに含まれるフルオロカーボンガスは、ガス分子中に2つ以上の炭素原子を含んでいるか、あるいは、ガス分子中に1つ以上の水素原子を含んでおり、
前記第2ガスに含まれるフルオロカーボンガスは、CF4ガスである、半導体装置の製造方法。
[付記3]
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程では、前記第1絶縁膜および前記素子分離部に比べて前記半導体層がエッチングされにくい条件で、前記第2領域の前記第1絶縁膜を前記第1ドライエッチングにより除去して前記第2領域の前記半導体層を露出させ、
前記(e)工程では、前記半導体層に比べて前記絶縁層および前記素子分離部がエッチングされにくい条件で、前記第2領域の前記半導体層を前記第2ドライエッチングにより除去して前記第2領域の前記絶縁層を露出させ、
前記第1ドライエッチングは、異方性のドライエッチングであり、
前記第2ドライエッチングは、等方性のドライエッチングである、半導体装置の製造方法。
[付記4]
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜と前記絶縁層と前記素子分離部とは、酸化シリコンからなり、
前記半導体層は、シリコンからなる、半導体装置の製造方法。
[付記5]
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1ドライエッチングは、断面視において前記第1マスク層で覆われない前記素子分離部の上面が前記第2領域の前記絶縁層の上面よりも低くならないように、行われる、半導体装置の製造方法。