以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送装置1および金型100の模式的な側面図である。図2は、搬送装置1の支持装置2の模式的な斜視図である。図3は、支持装置2の平面図である。図4は、支持装置2の側面図である。図5は、支持装置2の一部を断面で示す側面図である。
図1を参照して、搬送装置1は、支持対象としての金型100を支持するとともに、この金型100を搬送するように構成されている。金型100は、例えば、工場にて製品を製造する際に、製品を構成する部品等を搬送するために用いられる。本実施形態では、金型100が、伝動ベルトを製造する際に用いられる形態を例に説明する。
上記の伝動ベルトとして、Vベルト、Vリブドベルト、平ベルト等の摩擦伝動ベルトを例示することができる。本実施形態では、伝動ベルトの製造において、金型100には、成形工程でゴムシート、補強布、芯体コード等の構成部材が順に巻き付けられる。次いで、加硫工程で加硫を行うことで、ベルトスリーブ200が作製される。そして、ベルトスリーブ200が金型100から取り外された後に、ベルトスリーブ200を所定幅に切断することで、伝動ベルトが得られる。
金型100は、本実施形態では、軸状に形成されており、主軸部110と、端軸部120と、を有している。主軸部110は、円柱状に形成されており、上述したベルトスリーブ200が巻かれており、このベルトスリーブ200を保持している。主軸部110の両端から、端軸部120が突出している。端軸部120は、本実施形態では、円柱状に形成されており、主軸部110の直径よりも小さい直径を有している。本実施形態では、主軸部110と端軸部120とは、同軸に配置されている。金型100は、伝動ベルトの製造時、搬送装置1によって、ゴムシートを巻くための装置、および、加硫のための加熱装置等の装置(図示せず)間を搬送される。
本実施形態では、小径軸部121によって端軸部120が形成された構成を有する金型100(101)と、小径軸部121よりも太い中径軸部122によって端軸部120が形成された構成を有する金型100(102)と、中径軸部122よりも太い大径軸部123によって端軸部120が形成された構成を有する金型100(103)と、を択一的に押さえるように構成されている。なお、小径軸部121の直径は、例えば、φ45であり、本実施形態では、第1所定値ともいう。また、大径軸部123の直径は例えば、φ70であり、本実施形態では、第2所定値ともいう。
以下では、金型101,102,103を総称していう場合、単に金型100という。また、小径軸部121、中径軸部122、大径軸部123を総称していう場合、単に端軸部120という。本実施形態では、金型101の主軸部110の太さ、金型102の主軸部110の太さ、金型103の主軸部110の太さの順に太くされている。
搬送装置1は、支持装置2と、搬送機構3と、を有している。
搬送機構3は、支持装置2を所定の搬送方向に搬送することで、支持装置2に支持された金型100を搬送するように構成されている。搬送機構3として、ベルトコンベア機構、チェーン搬送機構等を例示することができる。
搬送機構3は、駆動源4と、軌道部5と、を有している。
駆動源4は、例えば、電動モータを含んでおり、軌道部5を駆動するための駆動力を発生するように構成されている。駆動源4は、図示しないコンピュータ、PLC(Programmable Logic Controller)、または、シーケンス回路等の制御装置によって制御されており、この制御装置による制御に基づき、駆動力を発生する。
軌道部5は、置き台6を介して支持装置2を支持するとともにこの支持装置2を搬送方向に搬送するために設けられている。軌道部5は、例えば、チェーンまたはパレット等を有しており、置き台6を介して支持装置2に連結されている。軌道部5は、駆動源4からの駆動力を受けることで、搬送方向に沿って変位する。
支持装置2は、搬送装置1において金型100を支持するとともに、この金型100とともに搬送方向に沿って変位可能な装置として設けられている。本実施形態では、支持装置2は、金型100を縦向きに支持する。すなわち、支持装置2は、金型100の中心軸線が鉛直方向を向くように、この金型100を支持する。なお、支持装置2は、金型100を横向きまたは斜め向きに支持する構成であってもよい。
図1〜図5を参照して、支持装置2は、ケーシング7と、押さえ部材8(81〜84)と、を有している。
ケーシング7は、金型100が置かれる台座として設けられている。また、ケーシング7は、当該ケーシング7に金型100が載せられたときに、金型100の端軸部120をケーシング7内に収容するように構成されている。ケーシング7は、例えば、SS400等の鉄鋼材料を用いて形成されている。
ケーシング7は、本体部9と、ブラケット10と、を有している。
本体部9は、ケーシング7のうち金型100の端軸部120が挿入されるとともに、金型100の主軸部110を受ける部分として設けられている。本体部9は、本実施形態では、直方体の箱形形状に形成されており、内部に中空部分が設けられている。本体部9の天面は、金型100の主軸部110と接触するための平坦面を構成している。
本体部9は、複数の側壁11と、底壁16と、を有している。
側壁11は、本実施形態では、4つ(12〜15)設けられており、各側壁12〜15は、同様の構成を有している。各側壁11(12〜15)の外側面は、隣り合う側壁11同士が略直交するように平坦に形成されている。なお、側壁12〜15を総称していう場合、単に側壁11という。一方、本体部9のうち、側壁12〜15の内側には、挿入空間17が形成されている。
挿入空間17は、金型100の端軸部120が挿入される空間として、ケーシング7の本体部9によって形成されている。挿入空間17は、ケーシング本体部9の内側面によって形成されており、より具体的には、側壁部12〜15の内側面と、底壁16の内側面と、によって、形成(画成)されている。本実施形態では、挿入空間17は、各側壁12〜15が延びる方向としての鉛直方向に沿って延びている。この挿入空間17は、円柱状に形成されており、鉛直方向上向きに開放されている。挿入空間17の中心軸線L17は、本実施形態では、鉛直方向に延びている。
金型100の下端側の端軸部120は、挿入空間17の上方から当該挿入空間17内に出し入れされる。なお、挿入空間17は、端軸部120を挿入可能な構成であればよく、円柱形状以外の形状の空間であってもよい。本体部9の内側面は、このように、円柱状の挿入空間を形成するために、円筒状に形成されている。挿入空間17の直径は、大径軸部123の直径と略同じであり、前述したように、例えば、φ70である。
挿入空間17の入口となる、本体部9の開口部は、本体部9の4つの側壁12〜15によって形成されており、円環状の面取り部18を含んでいる。面取り部18は、挿入空間17の奥側に進むに従い直径が小さくなるテーパ状に形成されている。これにより、面取り部18は、挿入空間17へ端軸部120を挿入するためのガイドとして機能する。
本体部9には、押さえ部材8が貫通する貫通孔部9aが形成されている。貫通孔部9aは、側壁12〜15のそれぞれに形成されており、これら複数の貫通孔部9aは、互いに同様の形状を有している。各貫通孔部9aは、本体部9の高さ方向(挿入空間17の中心軸線L17の延びる方向)に沿って、面取り部18の近傍から、底壁16にかけて延びている。各貫通孔部9aにおいて、面取り部18側の一端(上端部)部の幅は、残りの部分の幅よりも広く設定されている。
各貫通孔部9aにおいて、一端部(上端部)以外の部分の幅は、押さえ部材8の幅よりは大きいけれども当該押さえ部材8の幅と略同じに設定されている。これにより、本体部9の外部から貫通孔部9aを通して異物が挿入空間17内に進入することを抑制されている。各貫通孔部9aの他端部は、挿入空間17の奥側に配置された底壁16にまで延びている。
本体部9の各側壁12〜15に、ブラケット10が設けられている。ブラケット10は、本体部9の側壁11の外側面の例えば略中央に設けられ対応する支軸30を支持するように構成されている。各ブラケット10は、同様の構成を有している。具体的には、各ブラケット10は、一対のL字状部材19,20を用いて形成されている。各ブラケット10において、L字状部材19,20は、本体部9の高さ方向と直交する方向(本実施形態では、水平方向)に対称に配置されており、且つ、押さえ部材8の厚みより大きな間隔をあけて配置されている。
各L字状部材19,20は、対応する側壁12〜15の外側面に、ねじ部材または溶接等の固定手段を用いて固定されている。各ブラケット10において、一対のL字状部材19,20のうち、互いに平行に配置されている箇所は、対応する側壁12〜15と直交して延びているとともに、支軸支持孔21が形成されている。各支軸支持孔21は、本実施形態では、円形に形成されており、支軸30が圧入等により連結されている。
底壁16は、本体部9の底部を形成しており、側壁12〜15のそれぞれの底部に連続している。本実施形態では、底壁16は、各側壁11の外側面と直交するように延びている。底壁16には、貫通孔部16aが形成されている。貫通孔部16aと挿入空間17とは、同軸に配列されている。
貫通孔部16aのうち、挿入空間17の内側の端縁部には、面取り部16bが形成されている。面取り部16bは、底壁16の外側面に近づくに従い直径が小さくなるテーパ状に形成されている。これにより、面取り部16bは、小径軸部121が挿入空間17に挿入された際に、小径軸部121を受ける受け部として用いることができ、小径軸部121を貫通孔部16aに挿入させ易くできる。なお、本実施形態では、貫通孔部16aは、貫通孔部9aとは連続していないけれども、連続していてもよい。貫通孔部9a,16aが互いに連続する場合、貫通孔部9aは、貫通孔部16aにまで延びていることとなる。
各貫通孔部9aの一端部には、ストッパ部22が形成されている。ストッパ部22は、支軸30回りにおける押さえ部材8の回転変位を規制するために設けられており、本実施形態では、細長い平坦面によって形成されている。押さえ部材8が挿入空間17の内側に向けて所定量進んだときに、ストッパ部22に押さえ部材8が受けられるように、当該ストッパ部22が配置されている。
上記の構成を有するケーシング7には、押さえ部材8が取り付けられている。押さえ部材8は、金型100が挿入空間17の中心に配置されるように、即ち、支持装置2に対する金型100の位置決めのために設けられている。押さえ部材8は、例えば、本体部9と同じ材料を用いて形成されている。
押さえ部材8は、本実施形態では、挿入空間17に挿入された端軸部120を協働して挟むように複数設けられている。本実施形態では、側壁12〜15のそれぞれに押さえ部材8(81〜84)が配置されている。なお、押さえ部材81〜84を総称していう場合、単に押さえ部材8という。押さえ部材8は、平面視において、90度ピッチの等ピッチに配置されている。各押さえ部材8は、対応する側壁12〜15の貫通孔部9aを貫通するように配置されている。
押さえ部材8は、例えば、SS400等の金属材料を用いて形成された一体成形品であり、本実施形態では、厚みが一定の平板状に形成されている。なお、押さえ部材8は、複数の部品を組み合わせて形成されていてもよい。押さえ部材8は、振り子部材であり、支軸30回りを回転(揺動)するように構成されている。押さえ部材8は、例えば、略L字状に形成されている。
押さえ部材8は、第1部分31と、第2部分32と、第1部分31および第2部分32にかけて形成された支軸孔33と、第1部分31に形成された付勢部34と、第2部分32に形成された押さえ部35と、を含んでいる。
支軸孔33は、支軸30および軸受23を介して押さえ部材8をケーシング7のブラケット10に連結するために設けられている。支軸孔33は、第1部分31と第2部分32との境界部において、第1部分31および第2部分32に形成されており、本実施形態では、円形の貫通孔部によって形成されている。この支軸孔33には、軸受23が嵌合によって固定されている。軸受23は、銅合金等の材料を用いて形成されたブッシュである。なお、軸受として、すべり軸受が用いられてもよいし、転がり軸受が用いられてもよい。軸受23に支軸30が挿入されている。支軸30は、支軸支持孔21に固定されている。
上記の構成により、ブラケット10は、軸受23を介して支軸30を回転可能に支持している。これにより、押さえ部材8は、ケーシング7に対して支軸30回りに回転可能に支持されている。なお、各ブラケット10に軸受を取りつけ、この軸受に支軸30が支持され、さらに、支軸30に押さえ部材8が固定されてもよい。支軸30の中心軸線L30は、押さえ部材8の回転中心軸線でもある。支軸30(支軸30の中心軸線L30)は、本実施形態では、水平向きに配置されている。
第1部分31は、略矩形に形成された部分であり、押さえ部材8の半部を形成している。本実施形態では、第1部分31の全体が、付勢部34を形成している。付勢部34は、押さえ部35を挿入空間17の内側に向けて付勢する付勢力F1を発生する部分として設けられている。なお、「挿入空間17の内側に向けて」とは、円柱状の挿入空間17の中心軸線L17の外側から当該中心軸線L17に向かうことをいう。
本実施形態では、付勢部34は、重り部36を含んでいる。重り部36は、押さえ部材8に設けられた部分であり、押さえ部材8の重心を、当該押さえ部材8を支持する支軸30の中心軸線L30から第1部分31側にずれた位置に設定するように構成されている。本実施形態では、付勢部34の全体が重り部36によって形成されている。上記の構成を有する第1部分31は、第2部分32に連続している。
押さえ部材8を側面視したとき、第2部分32は、第1部分31の一縁部から突出する形状に形成されており、本実施形態では、略矩形状に形成されている。第2部分32は、押さえ部材8の半部を形成している。本実施形態では第2部分32は、第1部分31の一対の平行な縁部31a,31bのうちの一方31b寄りに配置されている。また、押さえ部材8を側面視したとき、第2部分32の面積は、第1部分31の面積よりも小さく設定されている。この構成により、押さえ部材8の重心は、第1部分31に位置している。
押さえ部材8の第2部分32のうち、対応する貫通孔部9aの一端部(上端部)に向かい合うように配置された第1縁部32aは、被受け部37を含んでいる。被受け部37は、ケーシング7の貫通孔部9aに設けられたストッパ部22に受けられることが可能な部分であり、本実施形態では、細長い平坦面によって形成されている。支持装置2に金型100が挿入される前の状態である待機状態において、被受け部37は、ストッパ部22に受けられている。
押さえ部35は、挿入空間17において、金型100の端軸部120の外周面を押さえるために設けられており、押さえ部材8のなかで金型100に直接接触する部分である。押さえ部35は、第2部分32の第1縁部32aと、第2部分32の縁部のうち第1部分32aに隣接する第2縁部32bと、に形成されている。押さえ部材8が待機状態にあるとき、押さえ部35は、挿入空間17の中心軸線L17を向いている。押さえ部35は、挿入空間17に挿入される金型100の端軸部120を挿入空間17にスムーズに進入させるように、且つ、挿入空間17に挿入された端軸部120を押さえるための構成を有している。
具体的には、押さえ部35は、第1直線状部41と、円弧状部42と、第2直線状部43と、を有している。
第1直線状部41は、端軸部120が挿入空間17に挿入される際に端軸部120に接触することが可能に構成されているとともに、金型100のうちの金型103の端軸部120(大径軸部123)を押さえる部分として設けられている。第1直線状部41は、押さえ部材8の第1縁部32aに設けられた直線状部分である。なお、第1縁部32aの一部は、ストッパ部22を構成している。第1直線状部41に連続するように、円弧状部42が配置されている。
円弧状部42は、押さえ部材8を支持する支軸30の中心軸線L30を中心軸線とする、円弧状に形成された面である。円弧状部42は、挿入空間17に挿入される端軸部120の直径が第1所定値以下である場合には、挿入空間17への端軸部120(小径軸部121)の挿入を案内するけれども、挿入空間17への挿入動作が完了した後の当該端軸部120は受けない部分として設けられている。また、円弧状部42は、挿入空間17に挿入される端軸部120の直径が第1所定値より大きく且つ第2所定値未満である場合には、挿入空間17への端軸部120(中径軸部122)の挿入を案内するとともに挿入空間17への挿入動作が完了した後の当該端軸部(中径軸部122)を押さえる部分として設けられている。本実施形態では、円弧状部42の曲率半径は、一定である。
待機状態において、円弧状部42は、挿入空間17の奥側に進むに従い挿入空間17の内側(中心軸線L17側)に進むように湾曲している。すなわち、待機状態において、挿入空間17の奥側に進むに従い、複数の押さえ部材8の円弧状部42間の間隔が狭くなるように構成されている。これにより、複数の押さえ部材8間に端軸部120をスムーズに挿入することができる。円弧状部42は、本実施形態では、第2縁部32bの半分以上に亘って形成されており、第2直線状部43が設けられている範囲よりも広い範囲に亘って延びている。
第2直線状部43は、当該第2直線状部43に連続する円弧状部42の一端部(待機状態における下端部)の接線方向に沿って延びる、直線状の面である。第2直線状部43は、挿入空間17に挿入される端軸部120の直径が第1所定値である場合、すなわち、小径軸部121が挿入空間17に挿入された場合に、挿入空間17への挿入動作が完了した後の当該端軸部121を受けるように設けられている。
待機状態において、第2直線状部43は、円弧状部42に対して挿入空間17の奥側(下端部)に配置されている。待機状態において、第2直線状部43は、挿入空間17の中心軸線L17と平行に延びている。また、第2直線状部43は、第1直線状部41とは支軸30回りの向きが90度異なっている。
また、待機状態において、挿入空間17において180度のピッチで配置された一対の押さえ部材81,83(82,84)の待機状態における第2直線状部43,43間の距離は、実質的に小径軸部121の直径と略同じに設定されており、前述したように、例えば、45mm〜46mm程度である。
以上の構成により、挿入空間17への端軸部120の挿入によって端軸部120が押さえ部35を加圧することに伴い押さえ部35が付勢部34の付勢力F1に抗して挿入空間17の外側に向かう方向へ変位することを許容するように、押さえ部材8がケーシング7に支持されている。以下では、押さえ部35が小径軸部121を押さえる場合、中径軸部122を押さえる場合、大径軸部123を押さえる場合のそれぞれを例に説明する。
図6は、小径軸部121を有する金型101を支持装置2に装着する動作を説明するための主要部の断面図であり、図6(A)は、ケーシング7への小径軸部121の挿入し始めの状態を示しており、図6(B),図6(C)は、ケーシング7への小径軸部121の挿入途中の状態を示しており、図6(D)は、ケーシング7への小径軸部121の挿入が完了した状態を示している。
図6(A)を参照して、ロボットアームまたは作業員の手によって、或いは、ホイストを用いることによって、ケーシング7の挿入空間17への小径軸部121の挿入が開始される。この際、通常、小径軸部121の中心軸線L120と挿入空間17の中心軸線L17とは、ずれた状態である。このため、挿入空間17に挿入された小径軸部121は、例えば、複数の押さえ部材8(81〜84)のうちの一部の押さえ部材81における円弧状部42に接触する。このとき、小径軸部121から押さえ部材8の円弧状部42に作用する衝突荷重F2のベクトルは、押さえ部材8の回転中心(すなわち支軸30の中心軸線L30)を向く。よって、小径軸部121と円弧状部42との衝突によって、押さえ部材8が回転する回転力が生じることは、抑制されている。
そして、小径軸部121が挿入空間17の奥側にさらに挿入されると、小径軸部121に接触している押さえ部材81は、図6(B)、図6(C)に示すように、小径軸部121によって押されながら支軸30回りを回転することで、押さえ部35が挿入空間17の奥側に向かうように回転する。これにより、小径軸部121が挿入空間17に進入することができる。すなわち、押さえ部材81によって、挿入空間17への端軸部121の挿入によって端軸部121が押さえ部35を加圧することに伴い押さえ部35が付勢部34の付勢力F1に抗して挿入空間17の外側に向かう方向へ変位する。そして、挿入空間17への小径軸部121の挿入の最中、小径軸部121に接触している押さえ部材81の付勢力F1によって、当該押さえ部材81は、挿入空間17の内側へ加圧される。すなわち、小径軸部121の中心軸線L120が挿入空間17の中心軸線L17に寄せられるように、小径軸部121がセンタリング(位置合わせ)される。このとき、押さえ部材81においては、押さえ部35の円弧状部42が支軸30の中心軸線L30を中心とする円弧状に形成されている。よって、端軸部120の中心軸線L120が挿入空間17の中心軸線L17と重なるように配置されることで、振り子状の押さえ部35は、付勢部34の付勢力F1によって、自然に元の位置(待機状態における位置)に戻る。
その結果、図6(D)に示すように、挿入空間17への小径軸部121の挿入の完了に伴い、小径軸部121は、1または複数の押さえ部材8の押さえ部35の第2直線状部43に受けられるように配置され、さらに、主軸部110が本体部9に受けられる。さらに、各押さえ部材8の被受け部37がストッパ部22に受けられている。
なお、上記の説明では、小径軸部121が押さえ部材8の第1直線状部41には接触しない場合を説明した。しかしながら、場合によっては、小径軸部121は、図7(A)に示すように、最初は押さえ部材81のうち第1直線状部41に接触する場合がある。この場合でも、小径軸部121は、上記第1直線状部41に接触しながら押さえ部35を押し下げることで、押さえ部材81を支軸30回りに回転させる。そして、挿入空間17への小径軸部121の挿入量が増えるに従い押さえ部材81は、付勢力F1によって小径軸部121を中心軸線L17側に寄せる。これにより、図7(B)に示すように、小径軸部121は、押さえ部35の円弧状部42に接触する。その後の動作は、小径軸部121が押さえ部材81のうち最初に円弧状部42と接触した場合と同じである。
図8は、中径軸部122を有する金型102を支持装置2に装着する動作を説明するための主要部の断面図であり、図8(A)は、ケーシング7への中径軸部122の挿入し始めの状態を示しており、図8(B)は、ケーシング7への中径軸部122の挿入途中の状態を示しており、図8(C)は、ケーシング7への中径軸部122の挿入が完了した状態を示している。
図8(A)を参照して、挿入空間17への中径軸部122の挿入動作は、挿入空間17への小径軸部121の挿入動作と略同じである。以下では、挿入空間17への中径軸部122の挿入動作に関して、主に、挿入空間17への小径軸部121の挿入動作と異なる点について説明する。具体的には、ロボットアームまたは作業員の手によって、或いは、ホイストを用いることによって、挿入空間17に中径軸部122が挿入されたときにおいて、中径軸部122は、例えば、複数の押さえ部材8のうちの一部の押さえ部材81における円弧状部42に接触する。
そして、中径軸部122が挿入空間17の奥側にさらに挿入されると、中径軸部122に接触している押さえ部材81は、図8(B)に示すように、中径軸部122によって押されながら支軸30回りを回転することで、押さえ部35が挿入空間17の奥側に向かうように回転する。すなわち、押さえ部材81においては、挿入空間17への中径軸部122の挿入によって中径軸部122が押さえ部35を加圧することに伴い押さえ部35が付勢部34の付勢力F1に抗して挿入空間17の外側に向かう方向へ変位する。そして、挿入空間17への中径軸部122の挿入の最中、中径軸部122に接触している押さえ部材81の付勢部34による付勢力F1によって、当該押さえ部材81は、挿入空間17の内側へ変位される。すなわち、中径軸部122の中心軸線L120が挿入空間17の中心軸線L17に寄せられるように、金型102がセンタリング(位置合わせ)される。そして、金型102に接触していなかった他の押さえ部材8の押さえ部35の円弧状部42も、中径軸部122に接触することで、当該押さえ部材8が挿入空間17の奥側へ回転する。
その結果、図8(C)に示すように、挿入空間17への中径軸部122の挿入の完了に伴い、中径軸部122は、全ての押さえ部材8の押さえ部35の円弧状部42に受けられるように配置される。また、中径軸部122の主軸部110は、ケーシング7に受けられる。そして、押さえ部35が中径軸部122を押さえているとき、各押さえ部材8は、ストッパ部22とは接触していないけれども、付勢部34の付勢力F1によって中径軸部122に当てられることで、一定の位置に維持されている。
一方、中径軸部122が支持装置2から取り外される際、中径軸部122は、各円弧状部42に対して擦れながら、挿入空間17から引き上げられる。この際、図8(B)に示すように、各押さえ部材8の円弧状部42は、押さえ部材8の回転中心線(支軸30の中心軸線L30)を中心とする形状に形成されている。これにより、各押さえ部材8が対応する支軸30回りに揺動することを抑制される。そして、中径軸部122が円弧状部42と接触しない程度まで中径軸部122が引き上げられると、押さえ部材8は、付勢部34の付勢力F1によって支軸30回りを回転することで、被受け部37がストッパ部22に受けられる位置(待機状態における位置)に戻る。
なお、上記の説明では、中径軸部122が押さえ部材8の第1直線状部41には接触しない場合を説明した。しかしながら、場合によっては、中径軸部122は、図9(A)に示すように、最初は押さえ部材81のうち第1直線状部41に接触する場合がある。この場合でも、中径軸部122は、上記第1直線状部41に接触しながら押さえ部35を押し下げることで、押さえ部材8を支軸30回りに回転させる。そして、挿入空間17への中径軸部122の挿入量が増えるに従い、押さえ部材81は、付勢力F1によって中径軸部122を中心軸線L17側に寄せる。これにより、図9(B)に示すように、中径軸部122は、押さえ部材81の押さえ部35の円弧状部42に接触するとともに、他の押さえ部材8の押さえ部35の円弧状部42にも接触する。その後の動作は、中径軸部122が押さえ部材8のうち最初に円弧状部42と接触した場合と同じである。
図10は、大径軸部123を有する金型103を支持装置2に装着する動作を説明するための主要部の断面図であり、図10(A)は、ケーシング7への大径軸部123の挿入し始めの状態を示しており、図10(B)は、ケーシング7への大径軸部123の挿入が完了した状態を示している。
図10(A)を参照して、挿入空間17への大径軸部123の挿入動作は、挿入空間17への小径軸部121の挿入動作と略同じである。以下では、挿入空間17への大径軸部123の挿入動作に関して、主に、挿入空間17への小径軸部121の挿入動作と異なる点について説明する。具体的には、ロボットアームまたは作業員の手によって、或いは、ホイストを用いることによって、挿入空間17に大径軸部123が挿入されたときにおいて、大径軸部123は、各押さえ部材8の押さえ部35の第1直線状部41に接触する。
そして、大径軸部123が挿入空間17の奥側にさらに挿入されると、各押さえ部材8は、図10(B)に示すように、大径軸部123によって押されながら支軸30回りを回転することで、押さえ部35が挿入空間17の奥側に向かうように回転する。すなわち、押さえ部材8においては、挿入空間17への大径軸部123の挿入によって大径軸部123が押さえ部35を加圧することに伴い押さえ部35が付勢部34の付勢力F1に抗して挿入空間17の外側に向かう方向へ変位する。その結果、挿入空間17への大径軸部123の挿入の完了に伴い、大径軸部123は、全ての押さえ部材8の押さえ部35の第1直線状部41に受けられるように配置される。また、主軸部110が本体部9に受けられる。そして、押さえ部35が大径軸部123を押さえているとき、各押さえ部材8は、ストッパ部22とは接触していないけれども、付勢部34の付勢力F1によって大径軸部123に受けられることで、一定の位置に維持されている。
一方、大径軸部123が支持装置2から取り外される際、大径軸部123は、各第1直線状部41に対して擦れながら、挿入空間17から引き上げられる。そして、大径軸部123が挿入空間17から引き上げられることに伴い、押さえ部材8は、付勢部34の付勢力F1によって支軸30回りを回転することで、被受け部37がストッパ部22に受けられる位置(待機状態における位置)に戻る。
以上説明したように、本実施形態によると、挿入空間17への端軸部120の挿入によって端軸部120が押さえ部35を加圧することに伴い、押さえ部35は、付勢部34による付勢力F1に抗して挿入空間17の外側に変位することが可能である。これにより、例えば、金型102,103の中径軸部122または大径軸部123がケーシング7に挿入されたとき、押さえ部35は、端軸部122,123によって挿入空間17の外側に向けて押されることで、端軸部122,123を押さえるのに適した位置に変位する。一方、例えば、金型101の小径軸部121がケーシング7に挿入されたとき、押さえ部35は、小径軸部121を押さえるのに適した位置のままで、小径軸部121を押さえることもできる。このような構成により、挿入空間17に挿入される端軸部120のサイズにかかわらず、端軸部120を押さえ部35によって適切に押さえることで、金型101,102,103を安定した姿勢で支持できる。すなわち、異なったサイズの端軸部121,122,123のそれぞれの搬送に対応できる。また、支持装置2は、センサやアクチュエータ等の複雑な構成を用いることなく、異なったサイズの金型101,102,103のそれぞれの搬送に対応できる。さらに、挿入空間17への金型101,102,103の挿入に伴い金型101,102,103から押さえ部35に加えられる力によって押さえ部材8が変位することで、押さえ部35が適切な位置に回転移動する構成である。このため、端軸部121,122,123に押さえ部35との間の隙間を埋めるためのアタッチメント等の専用部材を取り付ける必要がない。その結果、より簡素な作業で支持装置2に対する金型101,102,103の着脱が可能である。以上の次第で、センサやアクチュエータ等の複雑な構成を用いることなく、異なったサイズの金型101,102,103のそれぞれの搬送に対応できるとともに、より簡素な作業で金型101,102,103の着脱が可能な支持装置2を実現できる。
また、本実施形態によると、押さえ部材8が支軸30回りを回転するという簡易且つコンパクトな構成によって、押さえ部35を、端軸部121,122,123を押さえるのに適した箇所に配置することができる。
また、本実施形態によると、付勢部34は、押さえ部材8に設けられた重り部36を含んでいる。この構成によると、重り部36は、支軸30回りのモーメントを押さえ部35に作用させることができる。このように、重り部36を設けることで、アクチュエータ等の複雑な構成を用いることなく、押さえ部35に付勢力F1を作用させることができる。
また、本実施形態によると、押さえ部35は、支軸30の中心軸線L30を中心軸線とする円弧状部42を含んでいる。この構成によると、端軸部120を挿入空間17に挿入する際に端軸部120が円弧状部42に衝突したとき、押さえ部材8に作用する垂直抗力は、支軸30の中心軸線L30を通る向きの力となる。すなわち、端軸部120から押さえ部材8に作用する衝突荷重F2のベクトルの向きが、支軸30の中心軸線L30を通る向きとなる。その結果、押さえ部材8は、端軸部120との衝突によって不要な回転運動を生じることを抑制される。
また、本実施形態によると、押さえ部35が挿入空間17の内側に所定量進んだときに、押さえ部材8がストッパ部22に受けられるように構成されている。この構成によると、押さえ部35が必要以上に変位することを、ストッパ部22によって規制できる。
また、本実施形態によると、押さえ部35は、小径軸部121、中径軸部122、および、大径軸部123を択一的に押さえることを可能に構成されており、押さえ部35が小径軸部121を受けるときに、押さえ部材8がストッパ部22に受けられるように構成されている。この構成によると、押さえ部35が小径軸部121を受けるときには、押さえ部材8は、支軸30回りを回転せずに済むか、または、押さえ部材8の回転量を少なくできる。このような構成により、小径軸部121を挿入空間17に挿入する作業をより簡素にできる。
また、本実施形態によると、挿入空間17は、鉛直方向上向きに開放されており、支軸30は、水平向きに配置されている。この構成によると、端軸部120が鉛直方向に沿って挿入空間17に挿入されたとき、押さえ部材8は、重力によってよりスムーズに支軸30回りを回転することができる。
また、本実施形態によると、押さえ部材8は、端軸部120を協働して挟むように複数設けられている。この構成によると、複数の押さえ部材8によって、端軸部120をより安定した姿勢で支持することができる。
また、本実施形態によると、ケーシング7は、挿入空間17を形成する本体部9と、本体部9に形成され押さえ部材8が貫通する貫通孔部9aと、を含んでいる。この構成によると、ケーシング7の本体部9をより薄い形状に形成することができる。その結果、支持装置2をよりコンパクトな構成にできる。
また、本実施形態によると、ケーシング7は、本体部9の外側面に設けられ支軸30を支持するブラケット10を含んでいる。この構成によると、本体部9を薄い形状にしつつ、ブラケット10によって支軸30をより高い剛性で支持することができる。
また、本実施形態によると、ブラケット10は、軸受23を介して支軸30を回転可能に支持している。この構成によると、押さえ部材8をよりスムーズに回転させることができる。その結果、押さえ部35を挿入空間17の外側に変位させる力が端軸部120から押さえ部35に作用したときに、押さえ部材8をよりスムーズに支軸30回りに回転させることができる。
本発明は、上記の構成に限定されず、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、以下のように変更してもよい。なお、以下では、上述の実施形態と異なる点について主に説明し、同様の構成には図に同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
(1)上述の実施形態では、押さえ部材8に円弧状部42が形成される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、図11(A)に示すように、円弧状部42に代えて面取り部45が設けられた押さえ部35を含む押さえ部材8が形成されてもよい。面取り部45は、第1直線状部41と第2直線状部43とを繋ぐように直線状に形成された面であり、第1直線状部41および第2直線状部43に対して傾斜している。また、図11(B)に示すように、円弧状部42に代えて円弧状部42Aが設けられてもよい。押さえ部材8の円弧状部42Aの中心軸線L42Aは、支軸30の中心軸線L30とずらされている。
但し、図11(A)に示す、面取り部45を含む押さえ部材8の場合、端軸部120が面取り部45に衝突したとき、衝突荷重F2のベクトルは、面取り部45に直交する方向を向くけれども、支軸30の中心軸線L30を通らない場合がある。この場合、衝突荷重F2のベクトルの一成分F21が、押さえ部材8を回転させる力として作用し、押さえ部材8が支軸30回りに揺動する。
なお、図11(B)に示す、押さえ部材8の円弧状部42Aの中心軸線L42Aが、支軸30の中心軸線L30とずらされている構成の場合は、以下の動作が生じる。すなわち、端軸部120が円弧状部42Aに衝突したとき、衝突荷重F2のベクトルは、円弧状部42Aのうち端軸部120と衝突した箇所に直交する方向を向くけれども、支軸30の中心軸線L30を通る向きとは異なる向きを向く。この場合、衝突荷重F2のベクトルの一成分F21’が、押さえ部材8を回転させる力として作用する。但し、押さえ部材8が支軸30回りに生じる揺動はわずかである。
このように、図11(A)、図11(B)のそれぞれに示す構成においても、端軸部120を挿入空間17にセンタリングしつつ挿入空間17に挿入できる。
(2)また、上述の実施形態では、押さえ部材8が、支軸30回りを回転する振り子式の構成である構成を例に説明した。しかしながら、この構成に限定されない。押さえ部材8は、挿入空間17への端軸部120の挿入によって端軸部120が押さえ部35を加圧することに伴い押さえ部35が付勢力F1に抗して挿入空間17の外側に向かう方向へ変位することを許容するようにケーシング7に支持されていればよい。
例えば、図12に示すように、スライド式の押さえ部材8Bが用いられてもよい。この場合、押さえ部材8Bは、ブラケット10Bによって、挿入空間17の中心軸線L17と直交する方向(水平方向)に直線移動可能に支持される。そして、押さえ部材8Bは、押さえ部35が形成された板状部材に加え、ブラケット10Bによって支持されたコイルばね等の付勢部34Bをさらに有している。付勢部34Bは、押さえ部35を、挿入空間17の内側に向けて付勢する付勢力F1を発生している。また、押さえ部材8Bには、貫通孔部9aの一端部の縁部に形成されたストッパ部22Bに受けられる被受け部37Bが形成されている。被受け部37Bは、第1直線状部41に隣接して形成された、例えば段状の部分である。
上記の構成により、付勢部34Bによる付勢力F1に作用することで、押さえ部材8と同様の動作を押さえ部材8Bが行う。
(3)上述の実施形態では、金型100の端軸部120が支持装置2によって支持される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。本発明は、工場で搬送される金型100以外の他の部材の搬送に用いられてもよい。
(4)上述の実施形態では、搬送機構3による金型100の搬送方向に対して支持装置2が図1に示す所定の向きで設置された搬送装置1の形態を例示したが、この通りでなくてもよい。尚、上述の実施形態では、搬送機構3において置き台6を介して軌道部5に支持された支持装置2は、ケーシング7の本体部9の挿入空間17の中心軸線L17を挟んで対向して配置された押さえ部材8が、搬送機構3による金型100の搬送方向と平行な方向及び垂直な方向のそれぞれに沿って並んだ状態で、搬送機構3に設置されている。しかし、このような設置形態に限られなくてもよい。
図13は、本発明の変形例に係る搬送装置1Aの模式的な平面図である。また、図14は、図13に示す搬送装置1Aの一部を拡大して示す図である。図13及び図14に示す搬送装置1Aは、上述の実施形態の搬送装置1と同様に構成されているが、搬送機構3における支持装置2の設置形態において、搬送装置1とは異なっている。尚、変形例に係る搬送装置1Aについての以下の説明においては、上述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、同一の符号を引用して説明することで、重複する説明を省略する。
搬送装置1Aは、上述の実施形態の搬送装置1と同様に、支持装置2と、搬送機構3と、を有している。しかし、搬送装置1Aにおいては、搬送機構3による金型100の搬送方向Tに対する支持装置2の向きが上述の実施形態の搬送装置1とは異なった向きに向いた状態で、支持装置2が搬送機構3に設置されている。尚、図13及び図14においては、支持装置2において金型100が支持されていない状態の搬送装置1Aを例示している。
搬送装置1Aにおいても、上述の実施形態の搬送装置1と同様に、支持装置2は、置き台6を介して軌道部5に支持された状態で、搬送機構3に設置されている。しかし、搬送装置1Aにおいては、支持装置2は、ケーシング7の本体部9の挿入空間17の中心軸線L17を挟んで対向して配置された押さえ部材8が、搬送機構3による金型100の搬送方向Tに対して斜めの方向に沿って並んだ状態で、搬送機構3に設置されている。より具体的には、搬送装置1Aにおいては、支持装置2は、挿入空間17の中心軸線L17を挟んで対向して配置された押さえ部材8が、搬送方向Tに対して45度傾いた斜めの方向に沿って並んだ状態で、搬送機構3に設置されている。
図13及び図14においては、搬送装置1Aにおいて本体部9の挿入空間17の中心軸線L17を挟んで対向して配置された押さえ部材8が並ぶラインである押さえ部材配置ラインSについて、一点鎖線で示している。押さえ部材配置ラインSは、搬送方向Tに対して45度傾いた斜めの方向に沿って水平に延びるラインとして構成されている。
また、搬送装置1Aにおける各支持装置2においては、2つの押さえ部材配置ラインSが形成されている。1つの押さえ部材配置ラインSには、押さえ部材81と押さえ部材83とが並んで配置されている。そして、もう1つの押さえ部材配置ラインSには、押さえ部材82と押さえ部材84とが並んで配置されている。このため、押さえ部材81の付勢部34及び押さえ部35と、押さえ部材83の付勢部34及び押さえ部35とは、同じ押さえ部材配置ラインSに沿って並んで配置されている。そして、押さえ部材82の付勢部34及び押さえ部35と、押さえ部材84の付勢部34及び押さえ部35とは、同じ押さえ部材配置ラインSに沿って並んで配置されている。また、押さえ部材81の付勢部34と押さえ部材83の付勢部34とが、挿入空間17の中心軸線L17を中心として点対称の位置に配置され、押さえ部材81の押さえ部35と押さえ部材83の押さえ部35とが、挿入空間17の中心軸線L17を中心として点対称の位置に配置されている。そして、押さえ部材82の付勢部34と押さえ部材84の付勢部34とが、挿入空間17の中心軸線L17を中心として点対称の位置に配置され、押さえ部材82の押さえ部35と押さえ部材84の押さえ部35とが、挿入空間17の中心軸線L17を中心として点対称の位置に配置されている。
上述した搬送装置1Aの支持装置2に金型100が装着される際、即ち、ケーシング7の挿入空間17へ端軸部120が挿入される際には、作業効率向上等の観点から、例えば、金型100の搬入用のホイストである金型搬入用ホイストが用いられる。この金型搬入用ホイストは、金型100を着脱自在に把持するチャック部が設けられ、チャック部にて把持した金型100を上下方向に昇降駆動するように構成されるとともに、レールに沿って水平に走行移動するように構成されている。また、金型搬入用ホイストが走行移動する上記のレールは、設置スペースの効率化或いは作業性の向上等の観点から、搬送機構3による金型100の搬送方向Tと平行に延びるように設置される。尚、金型搬入用ホイストは、例えば、作業員によって操作が行われることで、チャック部での金型100の把持動作及び解放動作と、金型100を把持したチャック部の昇降動作と、レールに沿った走行動作とが行われる。
支持装置2に金型100が装着される際には、搬送機構3の軌道部5が停止した状態で、即ち、支持装置2が停止して移動していない状態で、金型搬入用ホイストによって金型100の搬入が行われる。このとき、まず、金型搬入用ホイストは、作業員の操作に基づいて、所定の場所に配置された金型100をチャック部にて把持し、金型100を把持したチャック部を上昇させるように作動する。これにより、金型100が金型搬入ホイストに吊下げられた状態となる。この状態で、金型搬入用ホイストが、搬送方向Tと平行に延びるレールに沿って走行する走行動作が、行われる。
金型100を吊下げた金型搬入用ホイストは、金型100を装着する対象となる支持装置2のケーシング7の上方までレールに沿って走行すると、停止する。そして、金型搬入用ホイストは、走行動作を停止すると、金型100を把持したチャック部を下降させるように作動する。チャック部で把持された金型100が下降して金型100の端軸部120が支持装置2のケーシング7の挿入空間17に挿入されると、チャック部による金型100の把持が解放される。金型100の端軸部120が挿入空間17に挿入されることで、金型100の支持装置2への装着が完了する。支持装置2に金型100が装着されると、搬送機構3の軌道部5が駆動源4によって駆動され、支持装置2に支持された金型100の搬送方向Tに沿った搬送が行われる。尚、金型100の把持を解放した金型搬入用ホイストは、チャック部を上昇させた状態でレールに沿って走行し、次の搬入対象の金型100が配置された所定の場所まで移動する。
上記のように、金型100の端軸部120が挿入空間17に挿入される際には、搬送方向Tと平行に延びるレールに沿って走行していた金型搬入用ホイストの停止動作が行われる。このため、金型搬入用ホイストが走行を停止した際には、金型搬入用ホイストにおいて吊下げられた状態の金型100は、慣性によって、搬送方向Tと平行な方向に沿って前後に揺れることになる。金型100は、金型搬入用ホイストに吊下げられており、金型100の周囲の空間には、上記の揺れを規制する他の部材等は存在しないため、上記の揺れは、暫くの間続くことになる。
上記により、金型搬入用ホイストの走行停止後、把持した金型100を下降させてその端軸部120を挿入空間17に挿入する際においても、搬送方向Tと平行な方向に沿って前後に揺れる金型100の揺れは、継続することになる。そして、揺れた状態の金型100の端軸部120を支持装置2の挿入空間17に挿入すると、端軸部120が、支持装置2に対して、搬送方向Tと平行な方向に沿って揺れながら当接し易くなる。尚、端軸部120が支持装置2に当接すると、金型100の揺れは治まることになる。
上記のように、金型搬入用ホイストを用いて端軸部120の挿入空間17への挿入が行われる際には、端軸部120が、支持装置2に対して、搬送方向Tと平行な方向に沿って揺れながら当接し易くなる。この場合、搬送装置1Aにおいては、端軸部120は、支持装置2に対して、ケーシング7の本体部9の面取り部18の一部であって面取り部18における搬送方向Tと平行な方向における両端部側にそれぞれ位置した部分である搬送方向端部側部分18aにて、当接し易くなる(図14を参照)。端軸部120が、支持装置2に対して、本体部9の面取り部18における搬送方向端部側部分18aにて当接すると、金型100の揺れは、すぐに治まることになる。そして、金型100の搬送方向Tと平行な方向に沿った揺れが治まった状態で、端軸部120が挿入空間17へ容易に且つスムーズに挿入されることになる。
搬送装置1Aにおいては、支持装置2は、挿入空間17の中心軸線L17を挟んで対向して配置された押さえ部材8が、搬送方向Tに対して45度傾いた斜めの方向に沿って並んだ状態で、搬送機構3に設置されている。このため、端軸部120が支持装置2に対して搬送方向Tと平行な方向に沿って揺れながら当接する場合、端軸部120は、支持装置2に対して、本体部9の面取り部18における搬送方向端部側部分18aにて当接し、金型100の揺れが治まることになる。このため、搬送方向Tと平行な方向に沿って揺れる金型100の端軸部120が、押さえ部材8の押さえ部35に先に当接してしまうことが抑制され、押さえ部材8が過度に振れてしまう状態が発生してしまうことも抑制される。これにより、端軸部120は、挿入空間17へ容易に且つスムーズに挿入されることになる。
尚、挿入空間17の中心軸線L17を挟んで対向して配置された押さえ部材8が、搬送方向Tと平行な方向及び垂直な方向のそれぞれに沿って並んだ状態で、支持機構2が搬送機構3に設置されている場合、端軸部120は、支持装置2に対して、先に押さえ部材8にて当接し易くなる。即ち、この場合、搬送方向Tと平行な方向に沿って揺れる金型100の端軸部120は、搬送方向Tと平行な方向に沿って並んだ押さえ部材8の押さえ部35に先に当接し易くなる。搬送方向Tと平行な方向に沿って揺れる金型100の端軸部120が、押さえ部材8の押さえ部35に当接すると、押さえ部材8の過度な振れが生じてしまい、端軸部120の挿入空間17への挿入が難しくなる。とくに、端軸部120が小径軸部121として構成されている場合、押さえ部材8の過度な揺れの発生によって端軸部120の挿入空間17への挿入が困難となる状態が、発生し易くなる。
しかしながら、搬送装置1Aにおいては、中心軸線L17を挟んで対向する押さえ部材8が、搬送方向Tに対して45度斜めの方向に沿って並んだ状態で、支持装置2が搬送機構3に設置されている。このため、搬送方向Tと平行な方向に沿って揺れる金型100の端軸部120は、支持装置2に対して、押さえ部材8においてではなく本体部9の面取り部18における搬送方向端部側部分18aにおいて当接し、金型100の揺れが治まることになる。これにより、端軸部120が挿入空間17へ容易に且つスムーズに挿入されることになる。