以下に、本発明の実施の形態に係る手乾燥装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る手乾燥装置の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1にかかる手乾燥装置の着脱底面部をドレン容器から取り外した状態の外観を示す斜視図である。図3は、実施の形態1にかかる手乾燥装置のケーシングとドレン容器との係止部分の断面図である。図1及び図2に示すように、手乾燥装置100の外郭をなすケーシング1は、手を乾燥しようとする使用者が立つ正面側及び側面側に手挿入口2が形成されており、手挿入口2につながる処理空間である手挿入部3を備えている。すなわち、手挿入部3は、正面及び両側面が開放されることによってケーシング1の正面下部に形成された凹部の内側の空間である。使用者は、正面及び両側面の手挿入口2を通じて手挿入部3に手を挿抜可能である。
水受け部4は、複数の部品によって構成されており、手挿入部3の後方に手乾燥装置100の高さ方向に沿って設けられた立壁面を有する背面部である背面側水受け部4aと、手挿入部3の下方に設けられた底面部である底面側水受け部4bとを備える。背面側水受け部4a及び底面側水受け部4bを合わせて水受け部4という。水受け部4は、手挿入部3の下方から後方にわたって、側面断面視においてL字形状をなすように設けられている。
背面側水受け部4aの左右の端縁部には、前方に突出した防水壁44が設けられている。底面側水受け部4bの前方及び左右の端縁部には、上方に突出した防水壁44が設けられている。防水壁44は、手から吹き飛ばされて背面側水受け部4a又は底面側水受け部4bに付着した水滴が手乾燥装置100の側方又は前方に飛散することを防止している。
底面側水受け部4bは、背面側水受け部4aと一体に構成された固定底面部41bと、ドレン容器6の上端部6aを覆い、ドレン容器6とともにケーシング1に着脱可能な着脱底面部42bとを有する。固定底面部41bは、背面側水受け部4aの下部につながり正面側に向かって延びている。着脱底面部42bは、ドレン容器6に着脱自在なトレイ形状とされている。背面側水受け部4aと固定底面部41bとは、一体に形成されている。また、背面側水受け部4a及び固定底面部41bは、ケーシング1の一部分を形成している。
防水壁44は、手挿入部3の中心寄りに設けられた防水壁立ち部44aと、防水壁立ち部44aよりも本体外側寄りに設けられた防水壁傾斜部44bとを備えている。背面側水受け部4aから前方に向かって延びる防水壁44に設けられた防水壁傾斜部44bは、手挿入部3の内側ほど背面側に向かって傾斜している。底面側水受け部4bから上方に向かって延びる防水壁44に設けられた防水壁傾斜部44bは、手挿入部3の中心側ほど下方に向かって傾斜している。防水壁傾斜部44bは、防水壁44の全長にわたって設けられている。防水壁44に防水壁傾斜部44bが設けられていることにより、防水壁傾斜部44bに付着した水滴は、ケーシング1の外ではなく手挿入部3側に流れ落ちる。
背面側水受け部4aから前方に延びる防水壁44の防水壁傾斜部44bに付着した水滴は、自重によって下方へ移動する。背面側水受け部4aから前方に延びる防水壁44の防水壁傾斜部44bの下部は、底面側水受け部4bから上方に延びる防水壁44の防水壁立ち部44aにつながっている。したがって、背面側水受け部4aから前方に延びる防水壁44の防水壁傾斜部44bを流れ落ちた水滴は、底面側水受け部4bから上方に延びる防水壁44の防水壁立ち部44aを伝って手挿入部3の下方の底面側水受け部4bに流れる。底面側水受け部4bに流れた水滴は、排水口5を経由してドレン容器6に溜まる。
防水壁44に防水壁傾斜部44bが設けられていないと、手から吹き飛ばされた水滴が防水壁44上に留まり、次に使用する使用者が手挿入部3に手を挿入してノズル12から空気流が吹き出された際に、防水壁44上の水滴がケーシング1の外に飛散してしまう可能性がある。手乾燥装置100は、商業施設及び飲食店といった多数の人が利用する場所に設置されることが多いため、手から吹き飛ばされた水滴は、手乾燥装置100の使用後に速やかに水受け部4を流れ、ドレン容器6に回収できることが求められる。
背面側水受け部4aは、手挿入部3の後側に設けられている。底面側水受け部4bは、背面側水受け部4aの下部から手乾燥装置100の正面側に向かって延びてケーシング1に固定された固定底面部41bと、着脱自在に設けられたトレイ形状の着脱底面部42bとに分割されている。背面側水受け部4aと固定底面部41bとは、一体に形成されており、またケーシング1の一部を構成している。
着脱底面部42bは、後方ほど下がるように傾斜しており、傾斜の下端に排水口5が設けられている。着脱底面部42bにおける後側の外縁領域42baと、固定底面部41bにおける前側の外縁領域41baとは、上下に重複して重複領域43をなしている。また、重複領域43において、外縁領域42baは、外縁領域41baとの間に排水口5となる隙間を有した状態で外縁領域41baの上方に配置されている。
水受け部4の下方には、排水口5から滴下する水を貯留するドレン容器6が、ケーシング1に対して抜き差し自在に設置されている。ドレン容器6は、ケーシング1の一部分であるケーシング係止突起部19aがドレン容器6の一部分であるドレン容器係止受け部19bに係止されることで、ケーシング1に固定される。ケーシング1へのドレン容器6の着脱については、後述する。
水受け部4の表面には、シリコン系の撥水コーティング、フッ素系の撥水コーティング又は酸化チタンといった親水性を有する材料のコーティングが施されており、水受け部4の表面に汚れが付着しにくいようにされている。また、水受け部4の表面には、抗菌剤が含浸されており、水受け部4の表面で細菌が繁殖しにくいようにされている。
図4は、実施の形態1に係る手乾燥装置の横方向の中央部での断面図である。手挿入部3の上方には、手挿入部3に向かって下方に空気流を吹き出すノズル12が設けられている。ノズル12よりも背面側には、手挿入部3に手が挿入されているか否かを検知する手検知センサ14が、ノズル12に隣接して設けられている。
手挿入部3よりも上方のケーシング1の側面には、吸気口9が形成されたメンテナンスパネル20が配置されている。メンテナンスパネル20には、不図示のフィルタが一体に形成されている。メンテナンスパネル20は、背面側から前面側に向かうにしたがって、左右方向における中央側に向かって傾斜する傾斜面20aが表面の一部分に設けられてルーバー状になっている。傾斜面20aの前縁部と、メンテナンスパネル20の裏面との間に設けられた隙間によって吸気口9が形成されている。
手挿入部3の上方には、手乾燥装置100の背面側の外郭をなすベース7とケーシング1とが箱体状となって囲む空間が存在する。ベース7は、手乾燥装置100の上部における背面側の外郭をなし、ケーシング1の背面側に固定されている。箱体状の部分の内部の空間には、直流ブラシレスモータと、直流ブラシレスモータによって回転するターボファンとによって構成された空気流発生部である高圧空気流発生装置8と、手検知センサ14の手の検知信号に応じて高圧空気流発生装置8を運転させる不図示の制御回路とが組み込まれている。なお、直流ブラシレスモータの代わりに整流子モータ又は誘導電動機を用いても良い。
また、箱体状の部分の内部の空間には、高圧空気流発生装置8の吸気側と吸気口9とを連通する吸気風路10と、高圧空気流発生装置8の排気側とノズル12とを連通する排気風路13とが設けられている。排気風路13の途中であってノズル12よりも上流側には、高圧空気流発生装置8から送られてくる空気を加熱して温風化させるヒータ15が設置されている。
次に、ノズル12と排気風路13との構成について説明する。排気風路13を構成する部品は、高圧空気流発生装置8の排気側を覆い、チャンバを構成するモータカバー31に、高圧空気流発生装置8から発生する高圧空気流の漏れを防ぐ連結部32を介して連結される。連結部32は、排気風路13に配置されるヒータ15の発熱を考慮して、耐熱性のあるシリコン樹脂製とされている。モータカバー31と排気風路13とは、ねじで固定される。したがって、ヒータ15及び高圧空気流発生装置8の部品は、容易に交換可能である。また、排気風路13内の清掃も可能である。
排気風路13は、ケーシング1の下流側が前方に位置するように前方斜め下に向かい、排気風路13の途中で、下流側が後方に位置するように後方に向かう方向に曲がっている。排気風路13の下端には、ノズル12が設置されている。ノズル12から吹き出された気流は、排気風路13の延びる方向に従って後方へ向かう。排気風路13は、ケーシング1を除くケーシング1内部の部品の中では、最も前方に位置している。ノズル12は、排気風路13が後方に曲がった後の下流端に設置されているため、連結部32の前端とノズル12とは、前後方向の位置が概ね同じ位置となる。
連結部32は、シール材及び締結部材を配置するスペースを要する。ケーシング1の前後方向の寸法は、ケーシング1の内部で最も前方に位置している排気風路13の大きさに依存して定まる。ケーシング1の前後方向の寸法と、ノズル12の位置とにより、ケーシング1の前面とノズル12の吹出口の距離とを最小に構成でき、ノズル12から吹き出される風は後方へ向かうため、手から前方に吹き飛ばされる水滴が少なく、ノズル12がケーシング1の前端付近にあるため、使い勝手が良い。
使用者が大人であることを想定する場合、ノズル12の吹出口と背面側水受け部4aとの距離が110mmから130mmであるとすると、手もみをしたときに手全体に風が当たり、かつ背面側水受け部4aに手が触れることがない。また、ケーシング1の前端とノズル12の吹出口との距離は、10mm以下とすると、手乾燥装置100の使い勝手の向上を図ることができる。これにより、手乾燥装置100の本体を極力大きくすることなく、ノズル12と背面側水受け部4aとの距離を長くすることができる。
手乾燥装置100は、排気風路13が連結部32の前端よりも前方に配置されており、ノズル12から吹き出す気流は、連結部32の前端と同じ位置から後方側に吹き出されるため、手を挿入する空間を確保しつつ、壁からの手乾燥装置100の本体の突出を最小限に抑えることができる。また、手から吹き飛ばされた水滴は、背面側水受け部4aの壁面側へ吹き飛ぶので、ケーシング1の下部にある水受け部4で確実に回収することができる。手乾燥装置100は、ケーシング1の奥行寸法を150mm以下とすることで、使い勝手がよく、水滴を確実に回収でき、衛生的にすることができる。また、手乾燥装置100は、ケーシング1の奥行寸法を150mm以下とすることで、壁からの突出を小さくし、狭い洗面所又はトイレ空間に設置可能とすることができる。
一方、手乾燥装置100とは異なり連結部の前端よりも後側にノズルが配置された手乾燥装置においては、ケーシングの前面とノズルの吹出口との距離が長くなり、手を手挿入部に入れても風が手全体に当たらず、手が乾かないことがある。したがって、連結部の前端よりも後側にノズルが配置された手乾燥装置は、手を乾かせるようにするためには、ケーシングを大きくしなければならず、製品の小型化は難しかった。
また、手乾燥装置100は、吸気風路10の前段に、高圧空気流発生装置8へ吸い込まれる空気中の塵埃を除去する樹脂製又は金属製の不図示のフィルタがメンテナンスパネル20と一体で成形されている。不図示のフィルタは、ケーシング1の内側の側方に、着脱可能に取り付けられている。不図示のフィルタは、ケーシング1の側面へのメンテナンスパネル20の抜き差しによって着脱できる。不図示のフィルタの面積は、吸気口9及び吸気風路10の通風方向に直交する方向での断面積よりも大きくなっている。なお、不図示のフィルタは、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ又は抗菌フィルタであってもよい。
吸気口9は、ケーシング1の背面に設けられてもよい。吸気口9を背面に設ける場合は、ベース7の一部に吸気口9が配置される。ケーシング1の背面側に吸気口9を設けることで、手乾燥装置100の外観の意匠性が向上する。
ケーシング1の上面には、不図示の操作スイッチ部が配置されている。操作スイッチ部には、制御回路への通電の入り切りを行う不図示の電源スイッチと、ノズル12から吹き出す風の風速の強弱を切り替えたり、ヒータ15の入り切りを行う不図示の切替スイッチとが設けられる。
操作スイッチ部は、電源スイッチと不図示の操作スイッチが実装された不図示の制御基板と、制御基板を上方から覆うように取り付けられた不図示の操作スイッチカバーとで構成される。操作スイッチカバーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene, ABS)又はポリプロピレンといった樹脂製で、電源スイッチと操作スイッチを操作するための不図示の押しボタンが設けられ、押しボタンは手で押しボタンを押した時に上下方向に可動するように、バネ性をもつ形状となっている。操作スイッチには、タクタイルスイッチ又は静電容量式のスイッチが用いられる。
操作スイッチ部は、吸気風路10の上方に固定されている。ケーシング1には、ケーシング1を取り付けた時に、操作スイッチ部がケーシング1の上面に表れるように上面開口部37が設けられている。ケーシング1をベース7に取り付けた状態では、上面開口部37に操作スイッチ部がはまり込む構造となっている。ケーシング1と操作スイッチ部は上面開口部37の付近で固定され、上面開口部37と操作スイッチ部との間に殆ど隙間がない状態で取り付けることが可能となる。操作スイッチ部とケーシング1との固定には、ねじを用いてもよい。
また、操作スイッチ部は、ケーシング1に開閉可能に取り付けられた操作部パネル18で覆われている。操作スイッチ部を操作する手順を説明する。まず操作部パネル18をケーシング1左右方向の外側に向かって水平に移動させ、移動後の操作部パネル18を回転軸まわりに上方に回転させ、操作部パネル18を開く。操作部パネル18の回転軸は、左右方向に移動可能となっており、操作部パネル18が「閉」の状態では、ケーシング1と操作部パネル18との間に隙間が発生しない構造となっている。これにより見栄えを損なうことなく、埃の侵入及び水の浸入を防ぐことができる。また操作部パネル18を開ける際は、操作部パネル18をケーシング1の左右方向の外側に向かって水平に移動させる必要があるため、操作方法を把握しているメンテナンス作業者以外の者は、操作部パネル18を開けることが難しい。したがって、手乾燥装置100は、操作スイッチ部へのいたずらを防止できる。
操作スイッチカバーの上面には、ラベル又はプラスチックフィルムが貼り付けられており、電源の入り切り、ノズル12から吹き出す風の風速の切り替え、ヒータ15の入り切りの状態表示説明が表示されている。また、操作スイッチカバーの上面には、状態表示用のランプが設置されている。ランプの光を透過させるために操作スイッチカバーに形成された穴をラベル又はプラスチックフィルムによって塞ぐため、埃の侵入及び水の浸入を防止できる。
次に、ケーシング1へのドレン容器6の着脱について説明する。図2及び図3に示すように、ケーシング1の両側面の下部には、底面側水受け部4bの固定底面部41bよりも前方に突出した一対のケーシング係止突起部19aが設けられている。ケーシング1がケーシング係止突起部19aを備え、ケーシング係止突起部19aを挿入可能なドレン容器係止受け部19bをドレン容器6が備えることで、ドレン容器6を手乾燥装置100の前後方向に抜き差しでき、ドレン容器6がケーシング1に対して着脱自在とされている。
したがって、ケーシング係止突起部19aとドレン容器係止受け部19bとによって構成されるドレン容器6とケーシング1との嵌め合い構造の少なくとも一部がケーシング1の下部に設けられており、かつ嵌め合い構造の少なくとも一部が固定底面部41bと着脱底面部42bとの境界部にある排水口5よりも後方に位置している。これにより、水受け部4で受けた水が、分割部である排水口5よりも後方に位置している嵌め合い構造に到達することが無く、汚れが堆積することが抑制される。
ドレン容器6をケーシング1に装着する場合には、ケーシング1のケーシング係止突起部19aがドレン容器6のドレン容器係止受け部19bに嵌め込まれる。これにより、図3に示すように、ドレン容器6は、ケーシング1に固定され、ケーシング1から落ちることがない。そして、ケーシング1へのドレン容器6の着脱は、底面側水受け部4bの着脱底面部42bには関係なく、ケーシング1に対して独立して行われる。したがって、ドレン容器6は、着脱底面部42bがドレン容器6から取り外された状態でも、ケーシング1に対して固定されたままの状態を維持することができる。
図5は、実施の形態1にかかる手乾燥装置のドレン容器とケーシングとの係止部分の断面図である。図6は、実施の形態1にかかる手乾燥装置において、ドレン容器に水がたまった状態での、ドレン容器とケーシングとの係止部分の断面図である。ドレン容器6をケーシング1に装着した状態では、ケーシング係止突起部19aは、ドレン容器重心位置51よりも前方側でドレン容器6を支持するように、ケーシング係止突起部19aの前後方向の長さが設定されている。ケーシング係止突起部19aは、前端部かつ上端部に位置するドレン容器支持点52でドレン容器6を支持する。上記構造とすることで、ドレン容器6をケーシング1に装着した状態では、ドレン容器重心位置51がケーシング係止突起部19aのドレン容器支持点52よりも後方側にあるため、ドレン容器6の自重で前方が下がるように傾いた状態でドレン容器6を装着してしまうことを防止できる。また、ドレン容器6をケーシング1に装着した状態において、ドレン容器6重心位置51は、ケーシング1の前後方向の中央よりも前方に位置する。
また、ドレン容器6は、後方側が下がるようにドレン容器底面54が傾斜している。ドレン容器底面54の後方側は、ケーシング1への取り付けのため水平面となっている。ドレン容器底面54の後方側が下がる傾斜は、ドレン容器重心位置51まで継続する。なお、ドレン容器底面54の後方側が下がる傾斜は、ドレン容器重心位置51よりも後方側まで継続してもよい。ドレン容器6に水が溜まると、ドレン容器重心位置51よりも後方に溜まる水の体積は、ドレン容器重心位置51よりも前方に溜まる水の体積よりも大きくなる。すなわち、ドレン容器6に水が溜まった状態でのドレン容器重心位置55は、ドレン容器6が空の状態でのドレン容器重心位置51よりも後方に移動する。上記構造とすることで、ドレン容器6をケーシング1に装着した状態では、ドレン容器6に水が溜まった状態でのドレン容器重心位置55が、ケーシング係止突起部19aのドレン容器支持点52よりも後方にあるため、ドレン容器6の前部が下に傾いた状態でドレン容器6を装着してしまうことを防止できる。
また、ケーシング1とドレン容器6の側面との合わせ目53は、ドレン容器6に水が溜まった状態でも傾くことがないため、隙間無くドレン容器6を取り付けることが可能となる。
一方、ドレン容器6をケーシング1から取り外す場合には、ドレン容器6を前方に引っ張ることで、ケーシング1のケーシング係止突起部19aがドレン容器6のドレン容器係止受け部19bから引き抜かれる。ケーシング係止突起部19aがドレン容器係止受け部19bから引き抜かれることにより、ドレン容器6がケーシング1から取り外された状態となる。
また、着脱底面部42bの左右の端縁部には、防壁構造42bbが設けられ、ケーシング1のケーシング係止突起部19aとドレン容器6のドレン容器係止受け部19bとの合わせ目を覆っている。これにより、使用を継続することでケーシング係止突起部19aとドレン容器係止受け部19bとの合わせ目に徐々に汚れが蓄積することを低減できる。
次に、ドレン容器6への着脱底面部42bの着脱について説明する。図7は、実施の形態1に係る手乾燥装置のドレン容器と着脱底面部とを連結した状態を示す断面図である。図8は、実施の形態1に係る手乾燥装置のドレン容器と着脱底面部とを連結する前の状態を示す断面図である。図9は、実施の形態1に係る手乾燥装置のドレン容器から着脱底面部を取り外した状態を示す断面図である。着脱底面部42bは、ドレン容器6に対して単独で着脱自在とされており、ドレン容器6の後側から抜き差し可能とされ、ドレン容器6に対して上方に取り付けられる。すなわち、防壁構造42bbの外周縁部における下面部は、ドレン容器6の上端部6aに対応した形状を有する。これにより、着脱底面部42bの外周縁部の下面部がドレン容器6の上端部6aに嵌ることで、着脱底面部42bがドレン容器6上に固定される。したがって、ドレン容器6と着脱底面部42bとは嵌め合い構造によって連結されて固定可能とされている。
そして、着脱底面部42bは、ドレン容器6がケーシング1に装着された状態またはドレン容器6がケーシング1から取り外された状態のいずれの状態においても、ドレン容器6に対して着脱自在とされている。したがって、図9に示すように、ドレン容器6がケーシング1に装着された状態で着脱底面部42bをドレン容器6から単独で取り外すことができる。
また、ドレン容器6の左右の内壁上部には、後側からドレン容器6に連結される着脱底面部42bと嵌まり合うドレン容器嵌合部71が設けられている。ドレン容器嵌合部71の形状は、前後方向の長さが上下方法の長さよりも長い。すなわちドレン容器嵌合部71は、奥行き方向の寸法が高さ方向の寸法よりも長い。ドレン容器嵌合部71の後側の下部は、着脱底面部42bを挿入しやすいように、角に面取りが施されている。また、ドレン容器6の前側の内壁上部には、ドレン容器嵌合部75が設けられている。
着脱底面部42bには、着脱底面部嵌合部72が、着脱底面部42bの外側の側面に設けられている。着脱底面部嵌合部72は、ドレン容器嵌合部71と嵌まり合う。着脱底面部嵌合部72の形状は、前後方向の長さが上下方向よりも長い。すなわち着脱底面部嵌合部72は、奥行き方向の寸法が高さ方向の寸法よりも長い。着脱底面部嵌合部72の前側の上部は、ドレン容器6に挿入しやすいように、角が面取りされている。また着脱底面部42bの前側には、着脱底面部嵌合部76が設けられている。このように、ドレン容器6及び着脱底面部42bは、互いに嵌合する嵌合部を備えている。
ドレン容器6と着脱底面部42bとを連結する際は、着脱底面部42bをドレン容器6の後側から前側に向かってスライドさせて連結させる。ドレン容器6と着脱底面部42bとが連結した状態では、ドレン容器嵌合部71及び着脱底面部嵌合部72は、ドレン容器嵌合部71が上側で着脱底面部嵌合部72が下側となって当接し、がたつくことなく配置される。また、ドレン容器嵌合部75及び着脱底面部嵌合部76は、ドレン容器嵌合部75が上側で着脱底面部嵌合部76が下側となって当接し、がたつくことなく配置される。
着脱底面部42bを取り外すときは、ドレン容器6を取り外した後、着脱底面部42bをドレン容器6の後側へスライド移動させることで、着脱底面部42bとドレン容器6とが分離する。
上記のように、着脱底面部42bは、ドレン容器6から上方に取り外すことができない構造になっている。したがって、使用者が手乾燥装置100を使用する際、手に衝突した噴流が背面側水受け部4aに向かい、背面側水受け部4aに沿って、固定底面部41bと着脱底面部42bとの分割部に隙間を設けて構成された排水口5に流れ込むことにより、着脱底面部42bが風圧によって上方に浮き上がることは防止される。
ドレン容器6の後側には、上方に向かって突出するドレン容器突起部77が設けられている。ドレン容器突起部77の上面は、円形又は四角形となっている。ドレン容器6と着脱底面部42bとは、ドレン容器嵌合部71,75及び着脱底面部嵌合部72,76で連結されるため、ドレン容器6をケーシング1に取り付けた状態で、ドレン容器突起部77が固定底面部41bの裏側に接触するようになっている。すなわち、着脱底面部42bは、ドレン容器6をケーシング1に装着したときケーシング1と接する。
これにより、ドレン容器6を挿抜する際に、固定底面部41bの裏側に着脱底面部42bが引っかかることなく挿抜可能となる。また、ドレン容器突起部77が固定底面部41bの裏側に接触するか、殆ど隙間がない構造となるため、がたつきがなくスムーズな挿抜が可能となる。また、ドレン容器6の装着時における装着強度が増加するため、ドレン容器6が満水の時でも、ドレン容器6が傾いてしまうことがない。またドレン容器突起部77のみが当接するだけなので、ドレン容器6の装着時の摩擦が小さく挿入性も良いことから、装着強度を確保しながら装着性も向上させることができる。
また、着脱底面部42bとドレン容器6をケーシング1に取り付けた状態で清掃する場合は、着脱底面部42bとドレン容器6とを濡れた雑巾などで拭くことで、ドレン容器6には下方に負荷が加わる。ドレン容器突起部77があることで、ドレン容器6にがたつきが無いので、ドレン容器6に下方に負荷が加わっても、無理なく拭き清掃することが可能となる。また、ケーシング1とドレン容器6との側面側の合わせ目53は、ドレン容器6の下方に負荷が加わってもドレン容器突起部77によりがたつかないので、隙間が発生することを防ぐことが可能となる。
また、ドレン容器6にぶら下がったり、ドレン容器6を無理に下方に押したりした場合でも、ドレン容器突起部77を設けたことで、ドレン容器6の前端側が下方に傾くことを防ぐことが可能となる。
また、ドレン容器突起部77は、上面が円形又は四角形で高さの低い形状であるため、ドレン容器6に下方への負荷がかけられた時も折れたり破損したりすることがない。また、ドレン容器6の挿抜の繰り返しでドレン容器突起部77が破損することもない。
また、実施の形態1に係る手乾燥装置100は、ドレン容器6をケーシング1から取り外した後に、着脱底面部42bをドレン容器6から取り外して容易に清掃することができる。したがって、ドレン容器6に溜まった水を廃棄する際に、着脱底面部42bをドレン容器6から取り外して容易に清掃できる。
次に、手乾燥装置100における水滴の回収について説明する。使用者が手挿入部3に手を挿入すると、高圧空気流発生装置8が作動し、ノズル12から空気流が吹き出される。これにより、空気流によって手から水滴が吹き飛ばされる。手から吹き飛ばされた水滴は、水受け部4で受け止められる。上述したように、水受け部4の底面側水受け部4bにおいては、重複領域43において、着脱底面部42bにおける後ろ側の外縁領域42baと、固定底面部41bにおける前方側の外縁領域41baとの間の隙間である排水口5が設けられている。
水受け部4で受け止められた水滴は、排水口5に送られ、水受け部4の下方に配置されたドレン容器6に回収される。着脱底面部42bに受け止められた水滴は、後方に流れて排水口5に到達し、排水口5からドレン容器6に滴下する。一方、固定底面部41bに受け止められた水滴は、前方に流れて排水口5に到達し、排水口5からドレン容器6に滴下する。また、背面側水受け部4aに受け止められた水滴は、固定底面部41bに流れ、固定底面部41bを前方に流れて排水口5に到達し、排水口5からドレン容器6に滴下する。このように、水受け部4で受け止められた水滴は、底面側水受け部4bにおける固定底面部41bと着脱底面部42bとの分割部に設けられた隙間である排水口5を通して、水受け部4で受けた水滴がドレン容器6へ導かれる。
これにより、底面側水受け部4bにおける固定底面部41bと着脱底面部42bとの分割部に汚れが堆積することを抑制できる。すなわち、固定底面部41bと着脱底面部42bとの分割部に隙間を設けて排水口5にすることで、水滴で分割部の汚れが流されるため、分割部に汚れが堆積することを抑制できる。また、固定底面部41bと着脱底面部42bとは、直接固定されておらず、固定底面部41bと着脱底面部42bと嵌め合い構造によって固定される構造ではないため、底面側水受け部4bの形状が簡単になり、清掃性が向上する。
また、水受け部4で受け止められた水滴がドレン容器6に流れる過程の中で、底面側水受け部4bには汚れが蓄積しやすい。底面側水受け部4bは、使用者の目線に主に露出しており、清掃頻度が少ない場合には美観を損ねる。
ここで、着脱底面部42bは、ケーシング1に対して着脱されるのではなく、上述したようにドレン容器6の上に単独で着脱される構成とされている。これにより、着脱底面部42bは、工具を使用しなくても単独で容易に取り外しが可能である。したがって、手乾燥装置100は、汚れが蓄積しやすく頻繁に掃除しなければならない着脱底面部42bを取り外して容易に清掃することができるため、水受け部4の衛生性及び清潔性を保つことができ、また水受け部4の清掃性及びメンテナンス性が向上する。なお、ドレン容器6への着脱底面部42bの固定方法は、嵌め合い構造以外に爪構造であっても同様の効果が得られる。
また、着脱底面部42bを取り外すことで、ドレン容器6がケーシング1に装着された状態でも、固定底面部41bを容易に清掃することが可能である。したがって、手を乾燥する際に飛び散った水滴は固定底面部41bに付着し、使用を継続すると汚れが徐々についてくるが、固定底面部41bを容易に清掃することができる。
また、着脱底面部42bは、ドレン容器6に支持されており、固定底面部41bとは固定されていない。そして、上述したようにドレン容器6は、ケーシング1に直接支持されている。これにより、ドレン容器6に溜まった水の重量が増加した場合でも、着脱底面部42bと固定底面部41bとの分割部に直接力が加わるということがないため、分割部の構造を簡単にでき、水受け部4の清掃性を向上できる。
また、着脱底面部42bが固定底面部41bとは係止されない構造とすることで、着脱底面部42b及び固定底面部41bを凹凸の少ない単純形状で構成することができるため、底面側水受け部4bの清掃が容易となる。
また、手乾燥装置100は、汚れの溜まりやすい着脱底面部42bをケーシング1ではなくドレン容器6に係止させる構造とされている。そして、着脱底面部42bをドレン容器6に嵌め合わせて係止するための嵌め合い構造部11が、着脱底面部42bの外周縁部の下部側に設けられている。すなわち、図1に示すように、手乾燥装置100は、嵌め合い構造部11が手乾燥装置100の外装面に面した構成とされている。この構成により、手乾燥装置100は、使用を継続することで汚れが徐々についていく部品の合わせ目、すなわち着脱底面部42bとドレン容器6との合わせ目である嵌め合い構造部11を、水滴が直接吹き飛ぶ手挿入部3に面する領域外に配置することができる。したがって、手乾燥装置100は、底面側水受け部4bで受けた水が嵌め合い構造部11に到達しないので、嵌め合い構造部11に汚れが堆積することを抑制でき、清掃頻度が少なくても、底面側水受け部4bの周辺の美観を保つことが可能となる。
また、ドレン容器6の上方に配置した着脱底面部42bによって、使用を継続することで汚れが徐々についていく着脱底面部42bを係止するための嵌め合い構造部11を、使用者の上方からの目線に対して覆い隠すことができる。これにより、底面側水受け部4bの周辺の外観に起因して、使用者が手挿入部3に手を挿入したくないという不快感を軽減することが可能となる。
また、水受け部4は、背面側水受け部4aと底面側水受け部4bとの2部品で構成されており、分割部が1箇所とされている。一般的に、部品の分割部は汚れが堆積しやすい。しかしながら、水受け部4は、分割部が1箇所なので、汚れの堆積箇所を最低限にできる。
また、水受け部4の左右方向及び前方の端縁部には、前方又は上方に突出した防水壁44が設けられている。そして、ドレン容器6とケーシング1との嵌め合い構造は少なくとも防水壁44の下部に設けられている。したがって、防水壁44で受け止められた水滴は、速やかに着脱底面部42b又は固定底面部41bに流れ、排水口5を通してドレン容器6へ導かれる。これにより、防水壁44で受け止められた水滴はドレン容器6とケーシング1との嵌め合い構造に到達しにくく、嵌め合い構造に汚れが堆積することを抑制できる。
上述したように、本実施の形態1にかかる手乾燥装置100は、最も汚れが蓄積する水受け部4における底面側水受け部4bの着脱底面部42bのみを取り外して、容易に清掃することが可能である。また、着脱底面部42bを取り外すことで、ドレン容器6がケーシング1に装着された状態でも、固定底面部41bを容易に清掃することが可能である。これにより、手乾燥装置100は、頻繁に掃除しなければならない水受け部4の衛生性及び清潔性を保つことができ、また水受け部4の清掃性及びメンテナンス性が向上する。
したがって、本実施の形態1にかかる手乾燥装置100によれば、取り外し可能な水受け部4の清掃性が向上する、という効果が得られる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。