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JP6881083B2 - コイル装置 - Google Patents
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JP6881083B2 - コイル装置 - Google Patents

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Description

本開示は、コイル装置に関する。
特許文献1〜3に記載されるように、非接触給電に用いられるコイル装置が知られている。特許文献1には、フラットなコイルとフラットなフェライトコアとを備えるコイル装置において、コイルおよびフェライトコアをそれぞれ内外に等分し、それらの等分線の位置を対応させる点が記載されている。特許文献2には、分割された複数のフェライトコアを磁束方向および交差方向に配列し、それらのフェライトコア間に、位置決めガイド壁とギャップ板とを配置する点が記載されている。特許文献3には、フェライト粉末を充填した接着剤により、磁性体片を結合させる点が記載されている。
特開2010-119187号公報 特開2015-15417号公報 特開2015-88668号公報
上記した従来の装置では、コイルのインダクタンス及び複数のコイル間の結合係数がある値に設定され得る。従来の装置では、フェライトコアやシールド材の形状および材質は決められているため、磁気特性(たとえば、インダクタンスや結合係数)は一意に決まる。コイル装置の磁気特性は、たとえば非接触給電システムにおいては、その給電特性に影響し得る。一意に決まった磁気特性は、給電条件や給電性能を制限することになる。
本開示は、磁気特性を変動可能なコイル装置を説明する。
本開示の一態様は、コイルと、コイルに隣接して配置され、所定の厚みを有する1つ又は複数のフェライトコアを含むフェライト部と、を備えるコイル装置であって、フェライト部は、フェライトコアの厚みの方向に直交する方向においてフェライトコアに隣接して設けられ、内部に流路が形成された1つ又は複数の枠体と、枠体の流路内に充填された流体と、流体内に混合された磁性粉と、を含む。フェライトコアの厚みの方向において、枠体の流路の全体もしくは一部はフェライトコアの厚みの範囲内に設けられている。コイル装置は、枠体に連結されて、流路内で流体を流動させる1つ又は複数の移動機構であって、流体内の磁性粉を移動させることによってフェライトコアに沿う流路の部分においてフェライトコアの厚みの範囲内に存在する磁性粉の充填量を変動させる移動機構を備える。
このコイル装置によれば,フェライトコアは,コイルに通電して発生させた磁束の方向付けおよび対向するコイルとの間の空間以外に磁束が広がるのを抑制する役割を担う。フェライト部に設けられた移動機構は、フェライトコアに隣接する枠体の流路内で流体を流動させ、磁性粉を移動させる。この流路の全体もしくは一部はフェライトコアの厚みの範囲内に設けられているので、移動機構は、フェライトコアの厚みの範囲内に存在する磁性粉の量、すなわち磁性粉の充填量を変動可能である。磁性粉の充填量を変動させることにより、フェライト部の実効透磁率が変動する。よって、このコイル装置は、インダクタンスや結合係数を含む磁気特性を変動可能である。このことは、たとえばコイル装置が非接触給電システムに用いられた場合、給電条件や給電性能の領域(とり得る値の範囲)が広げられることを意味する。
いくつかの態様において、枠体は、複数のフェライトコアの間の間隙に沿って延びる流路の一部を形成するギャップ部を含む。複数のフェライトコアの間の間隙は、フェライトコアの透磁率よりも低い透磁率を有する。この間隙に沿って延びる流路の一部に流体が充填されているだけの場合、その間隙における透磁率は、フェライトコアの透磁率よりも低い。流体内に混合された磁性粉の充填量を変動させることにより、ギャップ部における透磁率が変動する。よって、コイル装置全体として、磁気特性を容易に変動可能である。
いくつかの態様において、フェライト部は、上記の直交する方向に並べられた複数のフェライトコアと、フェライトコアのそれぞれに対して設けられ、流路が個別に形成された複数の枠体と、を含み、複数の移動機構が、枠体のそれぞれに対して設けられている。この場合、フェライト部のある一部分と他の部分とにおいて、実効透磁率を個別に変動可能である。たとえば、磁性粉の充填量を不均一にすること等も可能である。よって、コイル装置内において磁気特性を制御可能である。
いくつかの態様において、枠体は、流体および磁性粉が循環可能な流路を形成しており、移動機構は、フェライト部内で流体および磁性粉を循環させるように構成されている。この場合、移動機構によって流体および磁性粉が循環させられるので、流体および磁性粉の閉じたループ(系)が形成される。よって、磁気特性の変動に必要な要素をコンパクトに組み立てて、それらをコイル装置内に組み込むことができる。一定量の流体および磁性粉を用いるだけで、上記した磁気特性の変動が可能になる。また流体を熱媒体として利用し、熱分散の役割を流体に担わせることもできる。このように、熱的にも有利な構造が実現される。
本開示のいくつかの態様によれば、インダクタンスや結合係数を含む磁気特性を変動可能である。
本開示の第1実施形態に係るコイル装置を示す分解斜視図である。 図1中のフェライト部およびベースを示す斜視図である。 図2のフェライト部およびベースを示す分解斜視図である。 図2のIV−IV線に沿う断面図である。 本開示の第2実施形態に係るコイル装置のフェライト部を示す平面図である。 図5のコイル装置が組み込まれた非接触給電システムにおける制御を示すフロー図である。 図6中の充填量調整制御を示すフロー図である。 図8(a)および図8(b)は、非接触給電システムに適用されたコイル装置において、位置ずれ無しの場合と位置ずれ有りの場合とにおけるインダクタンス(左下がり斜線)および結合係数(右下がり斜線)の増減比(流路の実効透磁率が1の場合を基準)をそれぞれ示す図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、第1実施形態に係るコイル装置1を説明する。コイル装置1は、たとえば、非接触給電システムにおける受電装置または送電装置に用いられる。非接触給電システムは、たとえば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載されたバッテリを充電するためのシステムである。コイル装置1は、受電装置および送電装置の両方に用いられてもよい。
コイル装置1が受電装置に用いられる場合、受電コイル装置としてのコイル装置1は、たとえば車両のシャシー等に固定される。コイル装置1には、受電回路および充電回路などを介して、バッテリが接続される。コイル装置1が送電装置に用いられる場合、送電コイル装置としてのコイル装置1は、たとえば路面に固定される。コイル装置1には、送電回路および整流回路などを介して、外部電源が接続される。
送電コイル装置と受電コイル装置とが上下方向において対面し、内部のコイル同士が電磁気的に結合して電磁結合回路を形成することにより、送電コイル装置のコイルから受電コイル装置のコイルへと非接触給電が行われる。言い換えれば、受電コイル装置は、送電コイル装置から非接触で電力を受け取る。電磁結合回路は、「電磁誘導方式」で給電を行う回路であってもよく、「磁界共鳴方式」で給電を行う回路であってもよい。
コイル装置1は、たとえば扁平な形状をなす。コイル装置1は、筐体2と、筐体2内に収容されるコイルC、ボビン6、およびフェライト部8とを備える。筐体2は、ベース4と、ベース4に固定されるカバー3とを含む。後に詳述されるフェライト部8は、図1では仮想線で表されている。
ベース4は、コイルCの裏面側に配置された板状部材であり、コイル装置1の全体としての剛性を確保する。ベース4は、たとえば、非磁性材料であって導電性を有する材料からなる。ベース4は、剛性の高い材料であって、透磁率の低い金属(たとえばアルミニウム等)からなる。これにより、ベース4は、漏えい磁束の外部流出を遮蔽し得る。言い換えれば、ベース4は、磁気シールド特性を有する。
カバー3は、コイルCの表面側に配置された箱体であり、コイルCを含む内装部品を保護する。カバー3は、たとえば、非磁性かつ非導電性の材料(たとえばGFRP(ガラス繊維強化樹脂)等)からなる。カバー3は、いわば外装カバーである。
これらのカバー3およびベース4によって、コイルCを収容する収容空間が形成されている。コイル装置1が送電コイル装置および受電コイル装置の両方に適用される場合、これらのいずれか一方である第1コイル装置のカバー3と、いずれか他方である第2コイル装置のカバー3とが、所定の離間距離をもって対面する。第1コイル装置のベース4と、第2コイル装置のベース4とは、それぞれのコイルCに対して、他のコイル装置に対面する側とは反対側に設けられる。ベース4は、車両や路面に固定される側に配置される。コイル装置1の扁平な各部において、対面する他のコイル装置に近い面を「表面」といい、他のコイル装置から遠い面、すなわち表面とは反対側の面を「裏面」という。
コイルC、ボビン6、およびフェライト部8は、一体になって、筐体2内に取り付けられている。筐体2内において、コイルCおよびボビン6は、たとえば表面側に配置されており、フェライト部8は、たとえば裏面側に配置されている。
コイルCは、導線7を含む。コイルCは、たとえば、同一平面内で略矩形の渦巻状に巻回された導線7によって形成される。コイルCが受電装置に設けられる場合、コイルCは、誘導電流を発生させる。コイルCが送電装置に設けられる場合、コイルCは、磁束を発生させる。コイルCは、たとえばサーキュラー型のコイルである。サーキュラー型のコイルにおいて、導線7は、巻軸を囲むようにして、巻線方向に導線7が巻かれている。この場合、巻線方向は渦巻状に延びる方向であり、巻軸(Z方向)に垂直な平面(XY平面)に沿った方向である。導線7としては、たとえば、互いに絶縁された複数の導体素線が撚り合わされたリッツ線が用いられる。導線7としては、表皮効果による高周波抵抗を抑えたリッツ線が用いられる。導線7は、銅もしくはアルミニウムの単線であってもよい。
ボビン6は、コイルCを保持する。ボビン6は、ボビン6に対して導線7が巻回されることで導線7を保持する平板状の部材である。ボビン6は、たとえば表面側に形成された溝を有している。この溝内に導線7が配置されることで、ボビン6は導線7を保持する。ボビン6は、非磁性かつ非導電性の材料(たとえばシリコーンやポリフェニレンサルファイド樹脂等)からなる。
フェライト部8は、ボビン6の裏面側、すなわちボビン6とベース4との間に配置されている。フェライト部8は、コイルCに隣接して配置される。フェライト部8は、ボビン6の大きさに略等しくてもよく、ボビン6より大きくてもよい。フェライト部8およびコイルCの間にはボビン6が介在するため、フェライト部8およびコイルCは当接しない。なお、フェライト部8およびコイルCが当接する構成であってもよい。
続いて、図2、図3および図4を参照して、フェライト部8およびその周辺の構成について詳述する。図2に示されるように、コイル装置1のフェライト部8は、複数の(たとえば4枚の)フェライトコア12と、フェライトコア12の周囲に設置された1つの枠体11とを含む。枠体11はZ方向に開口する複数の開口部を有しており、これらの開口部にフェライトコア12が嵌め込まれている。フェライトコア12は枠体11に当接してもよいし、当接しなくてもよい。枠体11は、フェライトケースである。
枠体11は、中空の部材であり、枠体11の内部には流路が形成されている。枠体11内の流路は、本実施形態では循環流路である。枠体11は、磁性材かつ非導電性が望ましいが、非導電性であれば非磁性材であっても構わない。枠体11は、たとえばMn_Zn系フェライト、ポリカーボネート樹脂等からなってもよい。
フェライトコア12は、磁性体であるフェライトからなる。フェライトコア12は、たとえば高透磁率を有する磁性材である。図3に示されるように、フェライトコア12は、たとえば矩形の板状である。フェライトコア12は、所定の厚みを有する。コイルCが受電装置に設けられる場合、フェライトコア12は、コイルCの周囲に発生した磁場の方向付けおよび集約を行う。コイルCが送電装置に設けられる場合、フェライトコア12は、コイルCから発生した磁束の方向付けおよび対向するコイルとの間の空間以外に磁束が広がるのを抑制する役割を担う。
複数のフェライトコア12は、平面状に並べられている。複数のフェライトコア12は、たとえばX方向およびY方向に並べられている。フェライトコア12は、隣接する他のフェライトコア12との間に間隙14が形成されるように配列されている。複数のフェライトコア12は、それらの辺が平行になるように配列されている。間隙14は、一定の幅をもってX方向およびY方向に延びる。言い換えれば、間隙14は、十字状に延びる。間隙14は、エアギャップである。なお、間隙14の幅(すなわちフェライトコア12,12間の距離)は、適宜に設定され得る。
図3に示されるように、枠体11は、複数のフェライトコア12の全体の外周に沿って延びる矩形状の外周部11aと、外周部11aの内側に連結された十字状のギャップ部11bとを含む。ギャップ部11bは、上記した間隙14に配置される。ギャップ部11b内の流路は、間隙14に沿って延びる流路である。
枠体11の外周部11aおよびギャップ部11bは、フェライトコア12の厚みの方向(Z方向)に直交する方向(X方向およびY方向)において、フェライトコア12に隣接している。図4に示されるように、外周部11aおよびギャップ部11bは、フェライトコア12の厚みの範囲内に設けられている。なお、外周部11a内の流路およびギャップ部11b内の流路がフェライトコア12の厚みの範囲内に設けられていて、外周部11aおよびギャップ部11bの管壁がフェライトコア12の厚みの範囲外に突出していてもよい。外周部11a内の流路およびギャップ部11b内の流路が、少なくともフェライトコア12の厚みの範囲内に設けられていればよい。すなわち、外周部11a内の流路およびギャップ部11b内の流路が、フェライトコア12の厚みの範囲からはみ出ていてもよい。流路は、フェライトコア12の厚みの方向において、ボビン6の底面からベース4の上面の範囲内で、フェライトコア12の厚みを含むように設けられる。
フェライト部8は、枠体11の流路内に充填された流体16(図4参照)と、流体16内に混合された磁性粉17とを更に含む。
流体16は、流動性を有する物質であればよい。流体16は、たとえば油または水であってもよい。流体16は、絶縁油または冷媒等であってもよい。流体16は、他の物質を含む溶液であってもよい。流体16は、液体である場合に限られず、空気等の気体であってもよい。流体16は、内部に浮遊する磁性粉17を移動(流動)させ易い物質であることが好ましい。
磁性粉17は、たとえば、軟磁性粉である。磁性粉17は、たとえば、フェライト磁性粉末でもよいし、アモルファス金属磁性粉末でもよい。磁性粉17が軟磁性粉であると、磁場の向きに対する磁性粉17の追従性が高まる。磁性粉17は、低伝導率で且つ高透磁率を有する磁性材であることが好ましい。なお、磁性粉17は、軟磁性粉でなくてもよい。流体16に混合される磁性粉17の量(重量)は、コイル装置1に必要とされる磁気特性に応じて、適宜に設定され得る。磁性粉17の粒径も適宜に設定され得る。磁性粉17の混合量および粒径は、流体16内で磁性粉17が移動(流動)し易いように設定されてもよい。
上記した流路の配置に起因して、流体16および磁性粉17は、少なくともフェライトコア12の厚みの範囲内に存在する。
流体16および磁性粉17を循環(移動)させるための構成について、詳細に説明する。図2および図3に示されるように、コイル装置1は、枠体11に連結されて、流路内で流体16を流動させると共に流体16内の磁性粉17を循環(移動)させる1つの循環機構(移動機構)13を備える。
枠体11は、外周部11aの端部に連結された連結部11cを含む。この連結部11cに、循環機構13が連結されている。外周部11a、ギャップ部11b、および連結部11cにおいて、内部の流路は連通している。外周部11a、ギャップ部11b、および連結部11cを含む枠体11は、流体16および磁性粉17が循環可能な循環流路を形成している。
循環機構13は、たとえば筒状のケースと、ケースの内部に設けられたモータおよびポンプ(いずれも図示せず)を含んでもよい。ケースの内部は流路に連通している。モータによって回転させられたポンプ(たとえばプロペラ)は、循環機構13の第1端から流体16および磁性粉17を吸い込み、循環機構13の第2端から流体16および磁性粉17を吐出する。これにより、枠体11内を、流体16および磁性粉17が循環する。
循環機構13は、ケースの内部に設けられた流量調整器(図示せず)を含んでもよい。この流量調整器は、フィルタとして機能し得る1つ又は複数の羽根部材を含む。羽根部材は、多数の孔を有する。羽根部材は、たとえばメッシュ状であってもよい。羽根部材には回転軸が取り付けられており、羽根部材のフィルタ角または面積調整が可能になっている。流量調整器が、羽根部材の駆動によってフィルタとしての抵抗量を変動させることにより、磁性粉17の循環量が変動する。これにより、循環機構13は、外周部11aおよびギャップ部11bに存在する磁性粉17の量、すなわち磁性粉17の充填量を調整自在になっている。
なお、循環機構の構成は上記に限られない。流体16および磁性粉17を循環(移動)させるように構成されていればよい。循環機構として、他の公知の機構が採用されてもよい。循環機構にフィルタ機能が備わっていてもよいが、フィルタ機能が備わっていなくてもよい。たとえば、循環速度の調整によって磁性粉17の充填量を変動させる構成が採用されてもよい。たとえば、ポンプの吐出流量を減少させることで磁性粉17の充填量を減少させ、ポンプの吐出流量を増大させることで磁性粉17の充填量を増大させる構成が採用されてもよい。所定量の磁性粉17を連結部11cおよび循環機構13に保持しておくことで磁性粉17の充填量を調整する構成が採用されてもよい。
循環機構13は、コイル装置1の筐体2内に収容されてもよい。循環機構13は、筐体2の外部に設けられてもよい。
循環機構13の羽根部材を駆動させるアクチュエータ又はポンプを駆動させるモータは、たとえば、非接触給電システムに設けられる位置検出システムのコントローラからの指令に基づいて作動するように構成されている。循環機構13は、たとえばWifi等の無線通信によってコントローラからの指令信号を受信してもよい。循環機構13は、位置検出システムによって検出される位置ずれに連動して、コントローラによって制御される。その結果、磁性粉17の充填量も、位置検出システムによって検出される位置ずれに連動して変動させられる。
枠体11が設けられた部分の透磁率は、フェライトコア12の透磁率よりも低くなっている。本実施形態のフェライト部8では、磁性粉17の充填量が変動可能であるので、フェライト部8の実効透磁率も変動可能になっている。フェライト部8の実効透磁率が変動させられる範囲は、任意に設定され得る。
本実施形態のコイル装置1によれば、コイルCの周りに磁束が発生した場合、フェライト部8は、たとえば磁束の方向付けおよび対向するコイルとの間の空間以外に磁束が広がるのを抑制する役割を担う。フェライト部8に設けられた循環機構13は、フェライトコア12に隣接する枠体11の流路内で流体16を流動させ、磁性粉17を移動させる。この流路の一部はフェライトコア12の厚みの範囲内に設けられているので、循環機構13は、フェライトコア12の厚みの範囲内に存在する磁性粉17の充填量を変動可能である。磁性粉17の充填量を変動させることにより、フェライト部8の実効透磁率が変動する。よって、このコイル装置1は、インダクタンスや結合係数を含む磁気特性を変動可能である。このことは、たとえばコイル装置1が非接触給電システムに用いられた場合、給電条件(たとえばコイルの位置ずれ条件)や給電性能(たとえば伝送効率)の制限領域(とり得る値の範囲)が広げられることを意味する。なお流路は、フェライトコア12を透過した磁束の一部もしくは全部が流路内を透過するよう、フェライトコア12間の厚みの範囲内を含むように設けられる。特に、流路の厚み方向の大きさは、フェライトコア12の厚みと同等かそれ以上が好ましい。これにより、フェライトコア12を透過した磁束のすべてが流路を透過するようにし、磁気抵抗を低下させることができる。すなわち、磁気抵抗は磁束の鎖交面積に反比例するので、流路の厚み方向が大きいほど、磁路による実効透磁率の変化は大きい。なお、本実施形態とは違って、もし流路全体(流体16および磁性粉17)がフェライトコア12の厚みの範囲外、たとえば送電コイル上面や送電コイルを囲う形状で存在したとすると、フェライトコア12を透過した磁束が流路を透過しなくなるため、非接触給電の効率が低下する。
複数のフェライトコア12の間の間隙14は、フェライトコア12の透磁率よりも低い透磁率を有する。この間隙14に沿って延びる流路の一部に流体16が充填されているだけの場合、その間隙14における透磁率は、フェライトコア12の透磁率よりも低い。流体16内に混合された磁性粉17の充填量を変動させることにより、ギャップ部11bにおける透磁率が変動する。よって、コイル装置1全体として、磁気特性を容易に変動可能である。
循環機構13によって流体16および磁性粉17が循環させられるので、流体16および磁性粉17の閉じたループ(系)が形成される。よって、磁気特性の変動に必要な要素をコンパクトに組み立てて、それらをコイル装置1内に組み込むことができる。一定量の流体16および磁性粉17を用いるだけで、上記した磁気特性の変動が可能になる。また流体16を熱媒体として利用し、熱分散の役割を流体に担わせることもできる。このように、熱的にも有利な構造が実現される。
続いて、図5以降を参照して、第2実施形態に係るコイル装置を説明する。このコイル装置のフェライト部8Aは、X方向およびY方向に並べられた複数の(たとえば4つの)分割フェライト部20A〜20Dを含む。第1分割フェライト部20A、第2分割フェライト部20B、第3分割フェライト部20C、および第4分割フェライト部20Dは、2×2列をなして平面状に並べられている。
第1分割フェライト部20Aは、第1フェライトコア22Aと、第1フェライトコア22Aの周囲に設けられた第1枠体21Aとを含む。第1枠体21Aは、第1フェライトコア22Aに隣接している。第1フェライトコア22Aおよび第1枠体21Aは、第1実施形態のフェライトコア12および枠体11と同様の構成を有してもよい。第1枠体21Aの流路内には流体16が充填され、流体16内には磁性粉17が混合されている。第1枠体21Aに連結された連結管23に、第1循環機構13Aが連結されている。第1フェライトコア22A、第1枠体21A、連結管23および第1循環機構13Aを備える第1分割フェライト部20Aは、第1実施形態のフェライト部8と同様の構成および機能を有してもよい。
第2分割フェライト部20B、第3分割フェライト部20C、および第4分割フェライト部20Dも、第1分割フェライト部20Aと同一の構成を有する。第2分割フェライト部20Bは、第2フェライトコア22B、第2枠体21B、連結管23および第2循環機構13Bを備える。第3分割フェライト部20Cは、第3フェライトコア22C、第3枠体21C、連結管23および第3循環機構13Cを備える。第4分割フェライト部20Dは、第4フェライトコア22D、第4枠体21D、連結管23および第4循環機構13Dを備える。
フェライト部8Aにおいて、第1循環機構13A、第2循環機構13B、第3循環機構13C、および第4循環機構13Dのそれぞれは、たとえば位置検出システムによって検出される位置ずれに連動して、位置検出システムのコントローラによって制御される。
このように、フェライト部8Aは、X方向およびY方向に並べられた複数のフェライトコア22A〜22Dと、フェライトコア22A〜22Dのそれぞれに対して設けられた複数の枠体21A〜21Dとを含む。複数の枠体21A〜21Dには、それぞれ流路が個別に形成されている。「流路が個別に形成される」とは、複数の流路が互いに連通していないことを意味する。各流路に封入された流体16および磁性粉17は、各分割フェライト部内に保持されており、分割フェライト部の外部に流出することはない。したがって、循環機構13A〜13Dは、各流体16および各磁性粉17の循環比率を独立して制御可能である。
図6および図7を参照して、フェライト部8Aが適用された非接触給電システムにおける制御を説明する。以下の説明では、フェライト部8Aが送電コイル装置に適用される例について説明する。まず、受電コイル装置30のコイルC(車載コイル)の位置が検出される(ステップS01)。次に、そのコイルCのZ方向の位置ずれは閾値以上であるか否かが判断される(ステップS02)。この閾値は、コントローラに予め記憶されている。なお、位置検出システムにおける位置ずれの検出は、公知の方法を用いて行われ得る。
コイルCのZ方向の位置ずれは閾値以上ではないと判断された場合(ステップS02:NO)、基準制御が行われる(ステップS03)。この基準制御では、分割フェライト部20A〜20Dの循環機構13A〜13Dがそれぞれ駆動され(アクティブになり)、分割フェライト部20A〜20Dにおける磁性粉17の充填量はいずれも基準値に維持される。ここで、基準値とは、位置ずれが無しの時に磁気特性が最適化された充填量の値を意味する。また、循環機構が駆動される(アクティブになる)とは、磁性粉17の充填量が基準値または基準値よりも高い値に維持されることを意味する。
コイルCのZ方向の位置ずれが閾値以上であると判断された場合(ステップS02:YES)、増大制御が行われる(ステップS04)。この増大制御では、分割フェライト部20A〜20Dの循環機構13A〜13Dがそれぞれ駆動され(アクティブになり)、分割フェライト部20A〜20Dにおける磁性粉17の充填量は基準値よりも高い値に維持される。その結果、フェライト部8Aにおける磁気特性(インダクタンスおよび結合係数)が上昇する。
次に、コイルCのX方向およびY方向の位置ずれは閾値以上であるか否かが判断される(ステップS05)。この閾値は、コントローラに予め記憶されている。
コイルCのX方向およびY方向の位置ずれは閾値以上ではないと判断された場合(ステップS05:NO)、充填量維持制御が行われる(ステップS06)。この充填量維持制御では、分割フェライト部20A〜20Dの循環機構13A〜13Dがそれぞれ駆動され(アクティブになり)、分割フェライト部20A〜20Dにおける磁性粉17の循環比率(充填量)はそのままに維持される。
コイルCのX方向およびY方向の位置ずれが閾値以上であると判断された場合(ステップS05:YES)、充填量調整制御が行われる(ステップS07)。この充填量調整制御では、分割フェライト部20A〜20Dの循環機構13A〜13Dのうちの全部または一部が駆動され(アクティブになり)、分割フェライト部20A〜20Dにおける磁性粉17の循環比率(充填量)は変更される。
その後、給電が開始される(ステップS08)。
図7に示されるように、ステップS07の充填量調整制御では、X方向およびY方向の各位置ずれ量に対応する領域(分割フェライト部20A〜20D)の各循環比率が変更される。まず、位置ずれ方向(位置ずれパターン)が判断される(ステップS11)。
ステップS11においてX方向に位置ずれが生じていると判断されると、X方向における充填量偏在制御が行われる(ステップS12)。このX方向における充填量偏在制御では、受電コイル装置30のコイルCに対面するX方向の第1端側の分割フェライト部、すなわち第2分割フェライト部20Bおよび第3分割フェライト部20Cにおける磁性粉17の充填量が高められる。受電コイル装置30のコイルCに対面しないX方向の第2端側の分割フェライト部、すなわち第1分割フェライト部20Aおよび第4分割フェライト部20Dにおける磁性粉17の充填量は、第2分割フェライト部20Bおよび第3分割フェライト部20Cにおける磁性粉17の充填量よりも小さくなる。
ステップS11においてY方向に位置ずれが生じていると判断されると、Y方向における充填量偏在制御が行われる(ステップS13)。このY方向における充填量偏在制御では、受電コイル装置30のコイルCに対面するY方向の第1端側の分割フェライト部、すなわち第3分割フェライト部20Cおよび第4分割フェライト部20Dにおける磁性粉17の充填量が高められる。受電コイル装置30のコイルCに対面しないY方向の第2端側の分割フェライト部、すなわち第1分割フェライト部20Aおよび第2分割フェライト部20Bにおける磁性粉17の充填量は、第3分割フェライト部20Cおよび第4分割フェライト部20Dにおける磁性粉17の充填量よりも小さくなる。
ステップS11においてX方向およびY方向に位置ずれが生じていると判断されると、XY方向における充填量偏在制御が行われる(ステップS14)。このXY方向における充填量偏在制御では、受電コイル装置30のコイルCに対面するXY方向(右斜め上方向)の分割フェライト部、すなわち第1分割フェライト部20Aおよび第3分割フェライト部20Cにおける磁性粉17の充填量が高められる。受電コイル装置30のコイルCに対面しないXY方向(右斜め下方向)の分割フェライト部、すなわち第2分割フェライト部20Bおよび第4分割フェライト部20Dにおける磁性粉17の充填量は、第1分割フェライト部20Aおよび第3分割フェライト部20Cにおける磁性粉17の充填量よりも小さくなる。
以上の充填量調整制御は、磁気特性(インダクタンスおよび結合係数)を上昇させる。図8(a)は、位置ずれ無しの場合におけるインダクタンス(左下がり斜線)および結合係数(右下がり斜線)の増減比(枠体21A、21B、21C、21Dの流路の実効透磁率が1の場合を基準)をそれぞれ示す図である。図中、μaは、第1分割フェライト部20Aの枠体21Aを流れる流体部および第3分割フェライト部20Cの枠体21Cを流れる流体部における実効透磁率を意味する。μbは、第2分割フェライト部20Bの枠体21Bを流れる流体部および第4分割フェライト部20Dの枠体21Dを流れる流体部における実効透磁率を意味する。
図8(a)に示されるように、位置ずれ無しの場合、いずれの分割フェライト部でも実効透磁率を上昇させることにより(破線で囲まれた棒グラフ参照)、フェライト部8Aの磁気特性(インダクタンスおよび結合係数)を上昇させることができる。すなわち、すべての分割フェライト部で循環比率を等しくすることが磁気特性の観点で効果的である。
図8(b)は、位置ずれ有りの場合におけるインダクタンスおよび結合係数を示す。ここでは、(X,Y,Z)=(1,1,0)方向に位置ずれが生じている場合のインダクタンスおよび結合係数が示される。この位置ずれ状態は、図7に示されるステップS11の判断に基づいてステップS14の処理が行われた状態、すなわちX方向およびY方向に位置ずれが生じている状態に相当する。
図8(b)に示されるように、位置ずれ有りの場合、位置ずれ方向のベクトル上に重なる領域、すなわち第1分割フェライト部20Aおよび第3分割フェライト部20Cにおける実効透磁率を上昇させることにより(破線で囲まれた棒グラフ参照)、フェライト部8Aの磁気特性(インダクタンスおよび結合係数)を上昇させることができる。すなわち、位置ずれ方向のベクトル上に重なる領域と重ならない領域とで循環比率を変えることが磁気特性の観点で効果的である。
また、X方向またはY方向のいずれかに位置ずれが生じた場合についても、すべての分割フェライト部で実効透磁率を上昇させるよりも、受電コイル装置30のコイルCに対面する側の分割フェライト部のみで実効透磁率を上昇させて他の分割フェライト部では実効透磁率を下げた方が、結合係数が上昇する。
以上より、フェライト部8Aが適用された非接触給電システムでは、位置ずれ方向に合わせた循環領域の実効透磁率を上げることにより、コイルCに指向性を持たせることができる。その結果、位置ずれが生じている方向に磁束が集中し、結合係数が上昇する。
第2実施形態のフェライト部8Aによれば、第1実施形態のフェライト部8と同様の作用・効果が得られる。さらには、フェライト部8Aのある一部分と他の部分とにおいて、実効透磁率を個別に変動可能である。たとえば、磁性粉の充填量を不均一にすること等も可能である。よって、上記したように、コイル装置内において磁気特性の制御が可能となる。
本開示の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。たとえば、フェライトコアの形状、厚み、または枚数は、特に限定されない。フェライトコアの形状は、矩形(正方形や長方形等)であってもよく、円形等の他の形状であってもよい。フェライトコアの形状に対応して、枠体の形状が円形であってもよい。枠体が、円形の外周部を含み、さらに、十字状のギャップ部および外周部と同心円状のギャップ部を含んでもよい。枠体において、ギャップ部11bが省略されてもよい。
枠体は、枠体のみによって閉じた空間が形成される場合に限られない。たとえば、枠体の一部が開放されており、フェライトコア等の他の部材がその開放部を閉鎖することで、枠体内に流路が形成されてもよい。
枠体は、循環流路を形成していなくてもよい。枠体は、上流側の第1端と下流側の第2端とを含んでもよい。その場合、移動機構は、枠体内の流路に流体および磁性粉を供給し続けてもよい。
ソレノイド型のコイルに対して、本開示のコイル装置が適用されてもよい。
水中航走体といった車両以外の移動体のバッテリを充電するための非接触給電システムに、本開示のコイル装置が適用されてもよい。また、モータやセンサー等の電力を消費する部品に電力を直接的に供給するシステムに、本開示のコイル装置が適用されてもよい。誘導加熱システムや渦流探傷システムに、本開示のコイル装置が適用されてもよい。
「電磁誘導方式」または「磁界共鳴方式」を用いた送受信アンテナに、本開示のコイル装置が適用されてもよい。
1 コイル装置
2 筐体
3 カバー
4 ベース
6 ボビン
7 導線
8 フェライト部
8A フェライト部
11 枠体
11a 外周部
11b ギャップ部
11c 連結部
12 フェライトコア
13 循環機構(移動機構)
13A 第1循環機構(移動機構)
13B 第2循環機構(移動機構)
13C 第3循環機構(移動機構)
13D 第4循環機構(移動機構)
14 間隙
16 流体
17 磁性粉
20A 第1分割フェライト部
20B 第2分割フェライト部
20C 第3分割フェライト部
20D 第4分割フェライト部
21A 第1枠体
21B 第2枠体
21C 第3枠体
21D 第4枠体
22A 第1フェライトコア
22B 第2フェライトコア
22C 第3フェライトコア
22D 第4フェライトコア
23 連結管
C コイル

Claims (4)

  1. コイルと、
    前記コイルに隣接して配置され、所定の厚みを有する1つ又は複数のフェライトコアを含むフェライト部と、を備えるコイル装置であって、
    前記フェライト部は、
    前記フェライトコアの前記厚みの方向に直交する方向において前記フェライトコアに隣接して設けられ、内部に流路が形成された1つ又は複数の枠体と、
    前記枠体の前記流路内に充填された流体と、
    前記流体内に混合された磁性粉と、を含み、
    前記厚みの方向において、前記枠体の前記流路の全体もしくは一部は前記フェライトコアの前記厚みの範囲内に設けられており、
    前記枠体に連結されて、前記流路内で前記流体を流動させる1つ又は複数の移動機構であって、前記流体内の前記磁性粉を移動させることによって前記フェライトコアに沿う前記流路の部分において前記フェライトコアの前記厚みの範囲内に存在する前記磁性粉の充填量を変動させる移動機構を備える、コイル装置。
  2. 前記枠体は、複数の前記フェライトコアの間の間隙に沿って延びる前記流路の一部を形成するギャップ部を含む、請求項1に記載のコイル装置。
  3. 前記フェライト部は、
    前記直交する方向に並べられた複数の前記フェライトコアと、
    前記フェライトコアのそれぞれに対して設けられ、前記流路が個別に形成された複数の前記枠体と、を含み、
    複数の前記移動機構が、前記枠体のそれぞれに対して設けられている、請求項1または2に記載のコイル装置。
  4. 前記枠体は、前記流体および前記磁性粉が循環可能な前記流路を形成しており、
    前記移動機構は、前記フェライト部内で前記流体および前記磁性粉を循環させるように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコイル装置。
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