JP6882882B2 - オレフィン重合体の製造方法および流動性改良方法 - Google Patents
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該固体成分(A)が、アルミノケイ酸塩(A−1)、ハイドロタルサイト類(A−2)およびアクリル系樹脂微粒子(A−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含むことを特徴とするオレフィン重合体の流動性改良方法。
[3] 固体成分(A)の供給量が、流動環境場中におけるオレフィン重合体の質量に対して、0.5ppm以上500ppm以下である[1]または[2]に記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
[4] オレフィン重合体を構成するオレフィンが、エチレン単独、またはエチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンである[1]〜[3]のいずれかに記載のオレフ
ィン重合体の流動性改良方法。
[5] オレフィン重合体が、気相重合工程を含む製造方法により得られた重合体である[1]〜[4]のいずれかに記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
[6] オレフィン重合体が、下記成分(x−1)、成分(x−2)および成分(x−3)を含んでなる固体触媒成分(X)を用いた製造方法により得られた重合体である[1]〜[5]のいずれかに記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
成分(x−1):シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属化合物
成分(x−2):有機アルミニウムオキシ化合物
成分(x−3):粒子状担体
固体成分(A)は、以下に説明するアルミノケイ酸塩(A−1)、ハイドロタルサイト類(A−2)およびアクリル系樹脂微粒子(A−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分である。
アルミノケイ酸塩(A−1)は、ケイ酸塩中のケイ素原子の一部がアルミニウム原子に置換された構造を有する無機化合物であり、例えば、下記一般式(I)で表される化合物である。
(一般式(I)中、MIはアルカリ金属2原子またはアルカリ土類金属1原子を示し、2種以上の原子が含まれていても良く、nはn≧1であり、mはm≧0である。)
ハイドロタルサイト類(A−2)は、下記一般式(II)で表される層状の無機化合物である。
[MII2+ 1−xMIII3+ x(OH)2]x+[An− x/n・mH2O]x−・・・(II)
(一般式(II)中、MII2+は2価の金属イオン、MIII3+は3価の金属イオン、An−は層間陰イオン、nはAn−の価数を示し、それぞれ2種以上のイオンが含まれていても良く、xは0<x<1であり、mは0≦m<1である。)
アクリル系樹脂微粒子(A−3)は、主成分がポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、またはポリアクリロニトリルである微粒子である。具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリロニトリル等をモノマーとした単独重合体もしくは共重合体を主成分とする微粒子が挙げられる。共重合体におけるコモノマーとして、上記モノマーに加え、アクリル酸、メタクリル酸、ブタジエン、スチレン、酢酸ビニル等を用いることもできる。アクリル系樹脂微粒子の重合度や架橋の有無は特に限定されるものではない。
流動環境場中に存在するオレフィン重合体としては、気相重合、溶液重合、懸濁重合等の液相重合といった公知の様々な方法で得られる重合体であれば良く、特に制限はない。オレフィン重合体の形態にも特に制限はないが、特に重合体粉体に本発明は好適に適用される。例えば気相重合で得られたそのままの重合体の粉体、また液相重合の後、液相から回収された重合体の粉体等に好適に適用される。
オレフィン重合体の製造工程または貯蔵工程におけるオレフィン重合体の流動環境場としては、例えば、重合反応器およびこれに付属する配管、多段重合装置の重合反応器同士を連結する配管、得られた重合体を重合反応器から抜き出す抜き出しポットおよびこれに付属する配管、重合体の貯蔵庫およびこれに付属する配管、その他の重合体輸送用配管等の重合体が存在する空間が挙げられる。中でも、気相連続重合装置の重合反応器およびこれに付属する配管において、本発明は特に好適に適用される。
例えば気相連続重合装置等による重合反応で用いられる固体触媒成分(X)としては、例えば、周期表第4〜10族から選ばれる遷移金属化合物が粒子状担体等に担持された遷移金属化合物触媒成分、チーグラーナッタ触媒等の固体状チタン触媒成分、フィリップス触媒等の固体状クロム触媒成分が挙げられる。
成分(x−1):シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属化合物
成分(x−2):有機アルミニウムオキシ化合物
成分(x−3):粒子状担体
成分(x−1)は、シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属化合物であり、下記一般式(III)で表される。
(一般式(III)中、Mは、周期表第4族の遷移金属であり、Lは遷移金属に配位する中性またはアニオン性配位子であり、xはLの個数を示し、遷移金属の原子価を満たす数であり、xが2以上のときは複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。)
成分(x−2)は、有機アルミニウムオキシ化合物であり、トリアルキルアルミニウムまたはトリシクロアルキルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物が好ましく、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製されたアルミノキサンが特に好ましい。アルミノキサンは少量の有機金属成分を含有しても良い。
成分(x−3)は、粒子状担体であり、具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、もしくはこれらを含む混合物、例えばSiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3、SiO2−TiO2−MgO等の無機酸化物、またはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の高分子化合物を挙げることができる。
固体触媒成分(X)は、以上説明した成分(x−1)〜(x−3)以外の成分、例えば以下に説明する成分(x−4)を必要に応じて含んでいても良い。成分(x−4)は、下記一般式(IV)で表される有機アルミニウム化合物である。
(一般式(IV)中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上15以下の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Hは水素原子を示し、Rcはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の整数であり、かつm+n+p+q=3である。)
固体触媒成分(X)は、例えば、上記成分(x−1)、成分(x−2)、成分(x−3)を混合接触させることにより調製することができる。各成分の接触順序は任意に選ばれるが、成分(x−2)と成分(x−3)を混合接触させた後に、成分(x−1)と混合接触させることが好ましい。
本発明では、上記固体触媒成分(X)をそのまま用いても良いし、固体触媒成分(X)にオレフィンを予備重合させ、予備重合触媒成分(XP)を形成してから用いても良い。
〔調製例1〕固体触媒成分(X−1)の調製
特開2000−327707号公報に開示された方法で合成した。具体的には、250℃で10時間乾燥した平均粒径70μm、細孔容積1.3cm3/gのシリカゲル(成分(x−3)10kgを、154Lのトルエンに懸濁した後、0℃まで冷却した。その後、この懸濁液に、メチルアミノキサン(成分(x−2))のトルエン溶液(Al=1.52mol/L)50.5Lを1時間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜5℃の範囲に保った。引続き0℃で30分間反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーション法により除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン100Lで再懸濁し、全量を160Lとした。
充分に窒素置換した内容積1Lのステンレス製オートクレーブにn−ヘプタン500mLを装入し、系内をエチレンで置換した後、1−へキセン20mL、調製例2の固体触媒成分(X−1)130mg(固体質量)を投入し、系内の温度を80℃に昇温した。次いで、エチレンを導入することにより重合を開始した。その後、連続的にエチレンを供給しながら圧力を0.78MPaに保ち、90分間重合を行った。重合終了後、脱圧し、重合体をろ過し、80℃で10時間真空乾燥し、エチレン系重合体の重合体粉体203gを得た。得られた重合体のメルトフローレート(MFR)は0.20g/10min、真密度は927g/L、嵩密度は400g/Lであった。これら物性の測定方法は以下のとおりである。
〔比較例1〕
充分に窒素置換した内容積200mLの攪拌機付きステンレス製反応器に、調製例2の重合体粉体10.0gを装入し、80℃のオイルバスで加熱しながら150rpmで重合体粉体を30分撹拌した。その後、撹拌を止め、反応器を傾けて重合体粉体を回収し、質量を測定したところ7.7gであった。反応器内部の状況を確認すると、回収されなかった重合体粉体が反応器壁や撹拌羽根に静電付着していた。
充分に窒素置換した内容積200mLの攪拌機付きステンレス製反応器に、調製例2の重合体粉体10.0gを装入し、80℃のオイルバスで加熱しながら150rpmで重合体粉体の撹拌を開始した。1分後に、固体成分(A)として、アルミノケイ酸塩(A−1)であるシルトン(登録商標)JC−50(平均粒径=4μm、水澤化学工業社製)のヘキサン懸濁液(10g/L)を0.10mL(重合体粉体に対する固体成分(A)の添加量の質量比=100ppm)を添加し、さらに80℃で30分撹拌した。その後、撹拌を止め、反応器を傾けて重合体粉体を回収し質量を測定したところ9.9gであった。反応器内部の状況を確認すると、重合体粉体の反応器壁や撹拌羽根への付着はほぼ認められなかった。
固体成分(A)の種類および添加量の質量比を表1に記載のとおり変更した以外は、実施例1と同様の条件で重合体粉体を撹拌し、撹拌後に回収した重合体粉体の質量を測定した。結果を表1に示す。反応器内部の状況を確認すると、いずれも重合体粉体の反応器壁や撹拌羽根への付着はほぼ認められなかった。
固体成分(A)の種類および添加量の質量比を表1に記載のとおり変更した以外は、実施例1と同様の条件で重合体粉体を撹拌し、撹拌後に回収した重合体粉体の質量を測定した。結果を表1に示す。比較例2〜5では、いずれも実施例1〜8に比べ回収した重合体粉体が少なかった。反応器内部の状況を確認すると、いずれも重合体粉体が反応器壁や撹拌羽根に静電付着していることが認められた。
(A−2a):ハイドロタルサイト類(DHT(登録商標)−4A、平均粒径=0.5μm、化学組成=[Mg2+ 0.68Al3+ 0.32(OH)2][CO3 2− 0.16・mH2O]、ステアリン酸表面処理、協和化学工業社製)
(A−2b):ハイドロタルサイト類(DHT(登録商標)−4C、平均粒径=0.4μm、化学組成=[Mg2+ 0.68Al3+ 0.32(OH)2][CO3 2− 0.16・mH2O]、協和化学工業社製)
(A−3):アクリルパウダー(アートパール(登録商標)J5P、平均粒径=3μm、主成分=架橋ポリメタクリル酸メチル、根上工業社製)
(A−4):シリカゲル(サイリシア(登録商標)530、平均粒径=3μm、富士シリシア化学社製)
(A−5):疎水化処理シリカ(サイロホービック(登録商標)505、平均粒径=4μm、富士シリシア化学社製)
〔調製例3〕予備重合触媒成分(XP−1)の調製
特開2000−327707号公報に開示された方法で合成した。具体的には、充分に窒素置換した内容積350Lの反応器に、調製例1の固体触媒成分(X−1)を固体分として7.0kgとヘキサンを装入し、全容積を285Lにした。系内を10℃まで冷却した後、エチレンを8Nm3/hの流量で5分間ヘキサン中に吹き込んだ。この間、系内の温度は、10〜15℃に保持した。その後、エチレンの供給を停止し、トリイソブチルアルミニウムを2.4molおよび1−ヘキセンを1.2kg装入した。系内を密閉系にした後、8Nm3/hの流量でエチレンの供給を再度開始した。15分後、エチレンの流量を2Nm3/hに下げ、系内の圧力を0.08MPaにした。この間に、系内の温度は35℃まで上昇した。その後、系内の温度を32〜35℃に調節しながら、エチレンを4Nm3/hの流量で3.5時間供給した。この間、系内の圧力は0.07〜0.08MPaに保持されていた。次いで、系内を窒素により置換を行った後、上澄み液を除去しヘキサンで4回洗浄した。
充分に窒素置換した内容積500mLのデュラン瓶に、調製例3の予備重合触媒成分(XP−1)150gと表2に記載の種類と量の固体成分(A)とを装入した。蓋を閉めた後、デュラン瓶を回転させることで予備重合触媒成分(XP−1)と固体成分(A)とを十分に混合し、予備重合触媒成分(XP−1)と固体成分(A)の混合物を調製した。なお固体成分(A)は、デュラン瓶に装入する前に窒素流通下で10時間以上室温にて保管した。
気相流動床重合装置を用いて、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行った。重合圧力を2.0MPa、重合温度を80℃とし、調製例3の予備重合触媒成分(XP−1)を3.5g/hrで重合反応器内に連続的に供給した。重合反応器内の重合体の質量が24kg、ガス組成が、エチレン分圧=1.5MPa、水素/エチレン=0.00048mol比、1−ヘキセン/エチレン=0.024mol比、となるようにエチレン、水素、1−ヘキセン、窒素を連続的に供給し、5.0kg/hrでエチレン系重合体の重合体粉体を重合反応器から連続的に抜出した。
気相流動床重合装置を用いて、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行った。重合圧力を2.0MPa、重合温度を80℃とし、調製例4の予備重合触媒成分(XP−1)と固体成分(A)の混合物を3.5g/hrで重合反応器内に連続的に供給した。重合反応器内の重合体の質量が24kg、ガス組成が、エチレン分圧=1.5MPa、水素/エチレン=0.00048mol比、1−ヘキセン/エチレン=0.024mol比、となるようにエチレン、水素、1−ヘキセン、窒素を連続的に供給し、5.0kg/hrでエチレン系重合体の重合体粉体を重合反応器から連続的に抜出した。
予備重合触媒成分(XP−1)と固体成分(A)の混合物の種類および供給量を表3に記載のとおり変更した以外は、実施例9と同様の条件でエチレン系重合体の重合体粉体を製造した。24時間以上運転を継続したが、重合反応器や配管等、全ての箇所にヒートスポットの発生は見られず、安定した重合が実施できた。
予備重合触媒成分(XP−1)と固体成分(A)の混合物の種類および供給量を表3に記載のとおり変更した以外は、実施例9と同様の条件でエチレン系重合体の重合体粉体を製造した。24時間以内に重合反応器等でヒートスポットの発生が認められ、運転が継続できなくなった。
気相流動床重合装置を用いて、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行った。重合圧力を2.0MPa、重合温度を80℃とし、調製例3の予備重合触媒成分(XP−1)を5.0g/hr、固体成分(A)の代わりにヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドであるケミスタット(登録商標)2500(三洋化成工業社製)を0.13g/hrで重合反応器内に連続的に供給した。重合反応器内の重合体の質量が24kg、ガス組成が、エチレン分圧=1.5MPa、水素/エチレン=0.00048mol比、1−ヘキセン/エチレン=0.024mol比、となるようにエチレン、水素、1−ヘキセン、窒素を連続的に供給し、5.0kg/hrでエチレン系重合体の重合体粉体を重合反応器から連続的に抜出した。
Claims (6)
- オレフィン重合体の貯蔵工程における該オレフィン重合体の流動環境場に、固体成分(A)を供給するオレフィン重合体の流動性改良方法において、
該固体成分(A)が、アルミノケイ酸塩(A−1)、ハイドロタルサイト類(A−2)およびアクリル系樹脂微粒子(A−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含むことを特徴とするオレフィン重合体の流動性改良方法。 - 固体成分(A)の平均粒径が、0.1μm以上5μm以下である請求項1に記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
- 固体成分(A)の供給量が、流動環境場中におけるオレフィン重合体の質量に対して、0.5ppm以上500ppm以下である請求項1または2に記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
- オレフィン重合体を構成するオレフィンが、エチレン単独、またはエチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンである請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
- オレフィン重合体が、気相重合工程を含む製造方法により得られた重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
- オレフィン重合体が、下記成分(x−1)、成分(x−2)および成分(x−3)を含んでなる固体触媒成分(X)を用いた製造方法により得られた重合体である請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合体の流動性改良方法。
成分(x−1):シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属化合物
成分(x−2):有機アルミニウムオキシ化合物
成分(x−3):粒子状担体
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