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JP6884625B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description

本発明の実施形態は、X線検出器を移動(以下、シフトという)することにより、X線検出器の受光範囲には収まらない照射対象物(以下、ワークという)を一枚の画像として得ることができるX線検査装置に関する。
X線検査装置は、X線の照射源と、ワークを載せるテーブルと、ワークを透過したX線を受光するX線検出器とから構成される。照射源から発したX線は、円錐状に広がってワークに達し、ワークを通過した後もさらに広がってX線検出器に達する。そのため、テーブルやその上に載せたワークを透過するX線の照射面積に比較して、X線検出器の受光面積は大きくなる。しかし、受光面積の大きなX線検出器は使用する受光素子数も多く、検出器自体も大型化することから、より小型のX線検出器を使用することが望まれていた。
このような要望に従い、従来から特許文献1〜3に示すように、小型のX線検出器を水平方向にシフトすることで、複数枚の透視画像を撮影し、その後、画像を繋ぎ合わせることで、ワーク全体が映し出された一枚の画像を得るX線検査装置が知られている。すなわち、この従来技術では、X線検出器を平行移動、または、X線焦点を軸に旋回移動し、複数個所で収集したX線透視画像を合成することにより、X線検出器の入力面を疑似的に広げてCT画像を撮影することができる。
特許第4569763号公報 特許第4788272号公報 特許第5138279号公報
このような従来技術では、別々に撮影された二枚の画像について、ワークの重複部分をパターンマッチングにより比較することで一致点を探し、その一致点を重ね合わせるように二枚の画像を繋ぎ合わせて、ワーク全体が表示された一枚の画像を得ていた。
しかし、一般に、ワークの形状は、凹凸や曲線部分、さらにはX線の透過率の相違による濃淡の違いなどがある複雑なものであることから、パターンマッチングの処理を行うに当たって、高性能のコンピュータが要求されるとともに、長い処理時間が必要となる問題があった。また、テーブル上のワークを交換して新たな照射を行う度に、そのワークのためのパターンマッチングが必要となることから、大量かつ多品種のワークについて迅速に全体画像を得ることが困難であった。
このように、従来技術では、複数個所で収集したX線透視画像の合成にパターンマッチングを使用する場合、パターンマッチングの計算時間分、CT画像撮影時間が伸びてしまう、また、合成に使用する画像の再サンプリングが必要となる場合、撮影時間が伸びるだけでなく、補間誤差が入ってしまうという問題があった。
本実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。本実施形態の目的は、X線検出器をシフトして複数枚の画像を撮影した場合であっても、ワークの全体画像を簡単かつ迅速に得ることのできるX線検査装置を提供することにある。
本実施形態のX線検査装置は、次のような構成を有することを特徴とする。
(1)X線の照射源と、被照射物を載せるテーブルと、前記被照射物を透過したX線を受光してその透過画像を検出するX線検出器とを備える。
(2)前記X線検出器を第1のシフト位置と第2のシフト位置との間で移動させるシフト機構。
(3)前記シフト機構による前記X線検出器の移動を制御する制御部。
(4)前記第1のシフト位置において撮影した前記テーブル上に載せた移動位置検出用治具の第1の画像と、前記第2のシフト位置において撮影した前記治具の第2の画像とのパターンマッチングを行うマッチング処理部。
(5)前記マッチング処理部において検出した前記第1の画像における前記治具の位置と第2の画像における前記治具の位置に基づいて、前記X線検出器の前記第1のシフト位置前記第2のシフト位置間の移動量を補正する移動量演算部。
(6)前記移動量演算部により補正された移動量を記憶する記憶部。
(7)前記制御部は、前記記憶部に記憶されている前記補正された移動量に基づいて、前記X線検出器を第1のシフト位置から補正された第2のシフト位置に移動させ、前記被照射物を前記第1のシフト位置と前記補正された第2のシフト位置でそれぞれ撮影し、それぞれのシフト位置で撮影した画像を合成することにより、前記被照射物のパターンマッチングを行うことなく前記被照射物の全体画像を作成する。
以下のような実施形態も、本発明の一態様である。
(1)X線検出器がX線管の光軸と直交する方向を基準として、水平方向及び垂直方向に移動する。
(2)移動量演算部が、X線検出器によって撮影された画像の画素を基準として移動量を補正する。
第1実施形態の全体構成を示す平面図。 第1実施形態で使用する治具の一例を示す斜視図。 第1実施形態で使用する治具の他の例を示す斜視図。 第1実施形態において、第1のシフト位置と第2のシフト位置で撮影した画像からX線検出器の移動量を求める方法を示す模式図。
[1.第1実施形態]
[1−1.実施形態の構成]
以下、第1実施形態を、図面に従って具体的に説明する。本実施形態のX線検査装置は、図1の平面図に示すように、放射線源であるX線管1と、ワークを載せるテーブル2と、X線管1から放射されたX線ビームを受光するX線検出器3を、所定の間隔を保って配置したものである。
X線管1は、その焦点から水平方向に円錐状のX線ビームを発するもので、X線ビームはテーブル2上に載置されたワークを透過して、X線検出器3に達する。X線検出器3は、X線ビームを2次元の空間分解能をもって検出し、透過像をディスプレイやフィルム上に表示するデータを出力する。テーブル2は、図示しない回転テーブルやXY駆動機構によって、垂直方向の軸を中心として回転し、あるいはX線管1の接離する方向及びX線検出器3の移動方向と平行な方向に移動する。
X線検査装置は、X線検出器3を第1と第2のシフト位置に停止させて、各位置においてワークを撮影する。そのため、X線検出器3は、移動のための駆動源としてシフト機構4と、シフト機構4によるX線検出器3の移動方向及び移動量を制御する制御部5が接続される。
制御部5は、X線検出器3をX線管1の光軸と直交する方向、すなわちX線検査装置の据え付け面を基準として、水平方向及び垂直方向に移動させる。水平方向の移動を横移動、垂直方向の移動を縦移動という。具体的には、移動量の検出時において、制御部5は、第1と第2のシフト位置において、X線検出器3の受光面の一部分が少なくともシフト位置検出用の治具9(以下、治具9という)の投影面積に相当する分だけ重なり合うように、X線検出器3を横移動させる。ワークの撮影時において、制御部5は、第1のシフト位置を起点として、後述するシフト位置演算部7が演算した移動量に基づいて決定された第2のシフト位置に向かって、X線検出器3を横移動及び縦移動させる。
X線検出器3は、第1と第2のシフト位置で撮影した2つの画像中から、治具9の画像を注出し、両画像の一致点を特定するマッチング処理部6を備えている。マッチング処理部6には、シフト位置演算部7が接続されている。シフト位置演算部7は、マッチング処理により2つの画像が一致した場合に、第1と第2の画像内における治具9の位置に基づいて、X線検出器3の第1と第2のシフト位置間の横移動量及び縦移動量を演算する。本実施形態では、縦横の移動量はX線検出器3の解像度に基づく画素単位で決定され、縦移動量が0画素、横移動量が整数画素、すなわち、所望の移動量(mm)/検出器の移動ピッチ(mm)となるように、移動量が演算される。
シフト位置演算部7には、演算結果を格納する記憶部8が接続されている。この記憶部8はメモリやハードディスクなどの記憶装置によって構成される。記憶部8に記録された縦移動量及び横移動量は、制御部5が読み出すことができる。また、記憶部8には、移動量検出時において制御部5に出力する第1及び第2のシフト位置の座標が記録される。
治具9は、直線あるいは円弧などのように単純な形状で且つ比較的画素数が少なく、パターンマッチング処理が容易且つ迅速に行える形状である。図2は治具9の一例であって、この治具9は、平板状の底板91と、その表面に固定された円柱92と、円柱92に設けられた複数個の円形穴93を有する。図3は治具9の他の例であって、平板状の底板91の上に、支柱94によって支持された三角板95を固定したものである。治具9は、X線が半透過して、治具9の各部の輪郭が明瞭に撮影されるようにアルミ製のものが好ましい。
[1−2.実施形態の作用]
本実施形態において、受光面積が小さいX線検出器3を第1のシフト位置と第2のシフト位置の2カ所で撮影を行い、その画像を合成して1枚の全体画像を得るには次のようにする。
(1)移動量の検出
移動量の検出にあたっては、予めテーブル上に治具9をセットする。治具9をセットする位置は、第1と第2のシフト位置におけるX線検出器3の受光面が重なった部分であって、X線検出器3がどちらのシフト位置に停止した場合であっても、治具9の投影画像が受光面に映し出される位置とする。
治具9をセットした後は、X線検出器3を第1のシフト位置に停止させた状態においてX線管1からX線を放射して、治具9の第1の画像の撮影を行う。X線検出器3のシフト位置への移動は、制御部5が記憶部8から第1のシフト位置の座標を取り出し、それに基づいてシフト機構4を横方向及び縦方向に移動させることにより行う。移動量の検出時におけるX線検出器3の第2のシフト位置への移動も同様である。
撮影された第1の画像は、X線検出器3からマッチング処理部6に出力され、マッチング処理のために保存される。次いで、X線検出器3を第2のシフト位置に移動させ、治具9の第2の画像の撮影を行い、撮影された第2の画像をマッチング処理部6に出力する。この第1のシフト位置から第2のシフト位置に対する移動は、制御部5がシフト機構4に対して移動量を出力することにより行う。
第1と第2の画像が入力されたマッチング処理部6においては、各画像内に投影されている治具9の画像を抽出して、2つの治具9の画像を重ね合わせることにより、各位置のX線透視画像に映っている治具9の位置から、X線検出器3の移動量を求める。
図4は、第1と第2の画像に基づいてX線検出器3の移動量を求める方法を示すものである。(a)は第1のシフト位置で撮影した第1の画像、(b)は第2のシフト位置で撮影した第2の画像である。これらの画像中の異なる位置には、治具9の画像が表示されている。シフト位置演算部7は、各画像内における治具9の縦方向及び横方向の移動量に基づいて、X線検出器3の移動量を求める。すなわち、撮影された画像の画素単位を基準として、X線検出器3の移動量が、縦は0、横は整数画素(所望の検出器移動量mm/検出器の移動ピッチmm)となるように、X線検出器3の移動量を演算する。シフト位置演算部7によって求められたX線検出器3の移動量は、記憶部8に格納される。
(2)ワークの撮影
検査対象物であるワークを撮影するには、シフト機構4によりX線検出器3を第1のシフト位置に停止させて、第1の画像を撮影する。次に、制御部5が、シフト位置演算部7によって求められた移動量を記憶部8から読み出して、その移動量に基づいてシフト機構4を制御し、X線検出器3を第2のシフト位置に移動させる。
この第2のシフト位置は、移動量の検出時にX線検出器3を停止させた第2のシフト位置とは異なり、治具のパターンマッチングによって補正されたシフト位置である。そのため、第1のシフト位置において撮影されたワークの第1の画像と、補正後の第2のシフト位置において撮影されたワークの第2の画像とは、パターンマッチングをすることなく、記憶部8に記憶されているX線検出器3の移動量を考慮してつなぎ合わせることにより、ワークの全体形状を表示した1枚の合成画像を得ることができる。
[1−3.実施形態の効果]
本実施形態は、次のような効果を有する。
(1)X線検出器の移動量を、撮影した画像全体のパターンマッチングを使用せずに、また、再サンプリングを行わずにX線透視画像の合成が可能となる。その結果、CT画像の撮影時間を短縮でき、補間誤差のないX線透視画像でCT画像撮影を行うことができる。
(2)第1のシフト位置と第2のシフト位置の移動量を検出するにあたり、単純な形状でパターンマッチング処理が正確かつ短時間に実施可能な治具を使用することにより、パターンマッチングに要するリソースが少なくて済む。
(3)パターンマッチングはX線検出器3の移動量の検出時にのみ行えばよいので、ワークを撮影するごとにパターンマッチングを行っていた従来技術に比較して、画像の合成に必要とする時間が大幅に短縮される。
[2.他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。具体的には、次のような他の実施形態も包含する。
(1)X線検出器3は、図示の実施形態のように平行移動するものに限定されるものではなく、X線の焦点を軸に旋回移動して複数個所でワークを撮影するものであっても良い。
(2)X線検出器3がX線管の光軸と直交する方向を基準として、水平方向又は垂直方向のいずれか一方にのみ移動するものでも良い。
(3)X線検出器3がX線焦点を軸に旋回移動するものでも良い。
(4)図3に示すような三角形の治具9を使った場合は、2か所で撮影した3角形の画像のつなぎ目が縦・横共に無いように移動量を調整することで、パターンマッチング処理を容易に行うことが可能となる。特に、マッチング処理をコンピュータで行う代わりに、作業員の目視によって行うことも可能であり、そのような場合には三角形の治具の使用は有利である。
(5)第1、第2のシフト位置の2か所に限らず、第3、第4…とシフト位置を増やして
もよい。
(6)図示のようなX線の光軸が検査装置の据え付け面と平行になる装置に限らず、X線管1、テーブル2及びX線検出器3を垂直方向に感覚を保って配置した検査装置にも本発明を適用できる。
1…X線管
2…テーブル
3…X線検出器
4…シフト機構
5…制御部
6…マッチング処理部
7…シフト位置演算部
8…記憶部
9…治具

Claims (3)

  1. X線の照射源と、被照射物を載せるテーブルと、前記被照射物を透過したX線を受光してその透過画像を検出するX線検出器と、を備えたX線検査装置であって、
    前記X線検出器を第1のシフト位置と第2のシフト位置との間で移動させるシフト機構と、
    前記シフト機構による前記X線検出器の移動を制御する制御部と、
    前記第1のシフト位置において撮影した前記テーブル上に載せた移動位置検出用治具の第1の画像と、前記第2のシフト位置において撮影した前記治具の第2の画像とのパターンマッチングを行うマッチング処理部と、
    前記マッチング処理部において検出した前記第1の画像における前記治具の位置と第2の画像における前記治具の位置に基づいて、前記X線検出器の前記第1のシフト位置前記第2のシフト位置間の移動量を補正する移動量演算部と、
    前記移動量演算部により補正された移動量を記憶する記憶部とを備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶されている前記補正された移動量に基づいて、前記X線検出器を第1のシフト位置から補正された第2のシフト位置に移動させ、前記被照射物を前記第1のシフト位置と前記補正された第2のシフト位置でそれぞれ撮影し、それぞれのシフト位置で撮影した画像を合成することにより、前記被照射物のパターンマッチングを行うことなく前記被照射物の全体画像を作成することを特徴とするX線検査装置。
  2. 前記X線検出器が、X線の光軸と直角な方向を基準として、縦移動及び横移動することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記移動量演算部が、前記X線検出器によって撮影された画像の画素を基準として移動量を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線検査装置。
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