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JP6885282B2 - 高炉操業方法 - Google Patents
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JP6885282B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送性が改善された微粉炭を高炉の羽口から吹込む高炉操業方法および当該高炉操業方法に用いる微粉炭に関する。
近年、炭酸ガス排出量の増加による地球温暖化が問題となっており、製鉄業においても排出COの抑制は重要な課題である。これを受け、最近の高炉操業では、低還元材比(低RAR:Reduction Agent Rateの略で、銑鉄1t製造当りの、羽口からの吹込み還元材と炉頂から装入されるコークスの合計量)操業が強力に推進されている。高炉は、主にコークスと羽口から吹込む微粉炭とを還元材として使用しており、低還元材比および炭酸ガス排出抑制を達成するには、操業トラブルがなるべく無い条件で多量の微粉炭を吹込んで、コークス比を低減する方策が有効である。
微粉炭は、配管を使って気流搬送され、最終的に羽口を通じて高炉内に吹込まれるが、配管内への微粉炭の付着により配管が閉塞する場合がある。配管内に微粉炭が付着する要因の1つに、微粉炭の粒度分布がある。
特許文献1には、微粉炭の粒度分布の経時変化を測定し、微粉炭のうち−44μmの粒度の質量割合と、−74μmの粒度の質量割合とを基準にして微粉炭の粒度分布を測定し、微粉炭の粒度分布が「45mass%≦−44μm≦50mass%、60mass%≦−74μm」になるように粉砕された微粉炭を吹込む微粉炭吹込み方法が開示されている。
また、特許文献2には、粒度以外の指標として微粉炭の粒子間付着力に着目し、Rumpfの式に基づいて算出された粒子間付着力の値が3.26×10−7N以下の微粉炭を高炉へ吹込む微粉炭の吹込み方法が開示されている。
特開2013−43998号公報 特開2016−113664号公報
特許文献1に開示された技術では石炭銘柄に関わらず、「45mass%≦−44μm≦50mass%、60mass%≦−74μm」となるように、粒度分布を調整して配管の閉塞防止を試みている。しかしながら、石炭銘柄によっては、粒度分布の調整を行なったとしても配管の閉塞本数が増加する、という課題があった。
また、特許文献2に開示された技術は、Rumpfの式に基づく粒子間付着力の値で石炭銘柄を選択しているが、配管閉塞時に微粉炭は粉体層として配管に付着するので、微粉炭の粒度が変化した場合や微粉炭粉体層の空隙率が変化した場合には、微粉炭粉体層の引張破断強度が変化して配管が閉塞する、という課題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、微粉炭による配管の閉塞を抑制できる微粉炭を高炉羽口から吹込むことでコークス比の増加を抑制できる高炉操業方法を提供することにある。
このような課題を解決する本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)高炉羽口から微粉炭を吹込む高炉操業方法であって、前記微粉炭は、上部セルと下部セルから構成されるセルに装入され、圧縮応力4.0MPaで60秒間圧縮して作製された微粉炭粉体層を、前記下部セルを固定したまま前記上部セルと前記微粉炭粉体層とを上方向に速度0.1mm/secで引張り、分断するのに要する引張破断強度が50kPa以下である、高炉操業方法。
(2)高炉羽口から微粉炭を吹込む高炉操業方法であって、前記微粉炭は、上部セルと下部セルから構成されるセルに装入され、圧縮応力4.0MPaで60秒間圧縮して作製された微粉炭粉体層の空隙率が0.35以上である、高炉操業方法。
(3)前記微粉炭は、加熱処理された微粉炭である、(1)または(2)に記載の高炉操業方法。
(4)前記微粉炭は、300℃以上で加熱処理された微粉炭である、(3)に記載の高炉操業方法。
(5)上部セルと下部セルから構成されるセルに装入され、圧縮応力4.0MPaで60秒間圧縮して作製された微粉炭粉体層を、前記下部セルを固定したまま前記上部セルと前記微粉炭粉体層とを上方向に速度0.1mm/secで引張り、分断するのに要する引張破断強度が50kPa以下となる、微粉炭。
(5)上部セルと下部セルから構成されるセルに装入され、圧縮応力4.0MPaで60秒間圧縮して作製された微粉炭粉体層の空隙率が0.35以上となる、微粉炭。
本発明の高炉操業方法の実施により、微粉炭による配管の閉塞を抑制しながら高炉操業を実施できる。この結果、高炉内の通気性の悪化および温度の低下が抑制され、コークス比の増加を抑制できる。
本実施形態に係る高炉操業方法が実施できる高炉およびその周辺部を示す模式図である。 引張破断強度の測定方法を説明する模式図である。 微粉炭Bおよび微粉炭Bと性状の異なる微粉炭Xの加熱処理温度と微粉炭粉体層の引張破断強度との関係を示すグラフである。 微粉炭Bおよび微粉炭Bと性状の異なる微粉炭Xの加熱処理温度と微粉炭粉体層の空隙率との関係を示すグラフである。 微粉炭の揮発分と円形度との関係を示すグラフである。 微粉炭の円形度と微粉炭粉炭層の空隙率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る高炉操業方法を、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る高炉操業方法が実施できる高炉およびその周辺部を示す模式図である。図1を用いて、高炉羽口から微粉炭を吹込む方法について説明する。ヤードにストックされた石炭10は、石炭ホッパ12に貯留される。石炭ホッパ12に貯留された石炭10は、フィーダ14によって微粉炭製造装置16に切り出される。微粉炭製造装置16では、石炭10が粉砕され、乾燥されて所定の粒度の微粉炭18に調製される。
このように調製された微粉炭18は、主管20を介してバグフィルタ22へ気流搬送される。次いで、このバグフィルタ22に捕集された微粉炭18は、コールビン24に貯留され、その後、吹込みタンク26に収容される。吹込みタンク26に収容された微粉炭18は、分配器28に気流搬送され、分配器28から複数の枝管30およびブローパイプ32を通り高炉34の下部にある多数の羽口38に分配される。なお、微粉炭18は、熱風炉40からブローパイプ32に供給される熱風中にランス36から噴射され、当該熱風と共に羽口38から高炉34内に吹込まれて燃焼する。このように、高炉34の羽口38から微粉炭18が吹込まれて高炉34の操業が実施される。
微粉炭18は、いくつかの配管系やバルブ、吹込み装置等を通って高炉34の羽口38から吹込まれる。しかしながら、高炉34に多量の微粉炭18を吹込むと、微粉炭18が配管内壁に付着し、付着した微粉炭18の粉体層が成長して配管が閉塞する場合がある。
これに対し、本実施形態に係る高炉操業方法では、羽口38から吹込む微粉炭18として微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPa以下である微粉炭を用いる。これにより、仮に、微粉炭が配管内壁に付着したとしても、引張破断強度が低いので微粉炭粉体層の成長が抑制され、高炉操業中に微粉炭によって閉塞する配管の数を少なくできる。
図2は、引張破断強度の測定方法を説明する模式図である。本実施形態において、引張破断強度とは、上部セル52と下部セル54から構成されるセル50に微粉炭を装入し、圧縮応力4.0MPaで60秒間圧縮して作製された微粉炭粉体層56を、下部セル54を固定したまま上部セル52と微粉炭粉体層56とを上方向に速度0.1mm/secで引張り、分断するときに要する強度(MPa)である。
図2に示すように、セル50は、上部セル52と下部セル54とを有する。上部セル52と下部セル54とを組み合わせて形成される円筒形状の収容部に微粉炭18を上部まで装入する。図2に示した例において、上部セル52と下部セル54とを組み合わせて形成される収容部の断面は円形であって、その内径は、例えば、20mmである。
微粉炭粉体層56は、収容部に装入した微粉炭18を上方から上蓋58を介して0.1mm/secの速度で圧縮し、圧縮応力が4.0MPaになったところで、その圧縮応力を維持したまま60秒間保持して作製される。このようにして作製された微粉炭粉体層56に対して、下部セル54は固定したまま上部セル52と微粉炭粉体層56とを上方向に速度0.1mm/secで引張り、微粉炭粉体層56を上下方向に分断する。この分断に要した最も大きな力を微粉炭粉体層56の断面積で除して引張破断強度を算出する。
また、本実施形態に係る高炉操業方法では、微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPa以下である微粉炭に代えて、微粉炭粉体層の空隙率が0.35以上である微粉炭を用いてもよい。このような微粉炭を用いても、微粉炭粉体層の成長を抑制でき、操業中に微粉炭によって閉塞される配管の数を少なくできる。ここで、空隙率とは、引張破断強度の測定と同じ手法で作製された微粉炭粉体層の空隙率であって、下記式(1)によって算出される値である。
ε=(ρ−ρ)/ρ・・・(1)
但し、上記式(1)において、εは空隙率(−)であり、ρは、微粉炭粉体層の体積(断面積×高さ)と質量から算出される嵩密度(kg/m)であり、ρは、微粉炭粒子の粒子密度(kg/m)である。なお、嵩密度における微粉炭粉体層の高さは、圧縮応力4.0MPaで60秒間圧縮した後の高さである。また、粒子密度は、気相置換法を用いて測定した。
本実施形態に係る高炉操業方法で用いる微粉炭は、加熱処理された微粉炭であることが好ましい。微粉炭を加熱処理することで、微粉炭から揮発分が放出されるとともに微粉炭粒子の粒子形状が変化し、これにより、微粉炭粉体層の引張破断強度は低下し、微粉炭粉体層の空隙率は向上する。このため、配管内壁で微粉炭粉体層が成長し、配管を閉塞する微粉炭であったとしても、当該微粉炭を加熱処理することで、微粉炭粉体層の成長が抑制され、配管の閉塞が抑制される微粉炭に改質できる。
次に、微粉炭の加熱処理効果について説明する。評価用の微粉炭として微粉炭A、微粉炭B、微粉炭Bを窒素雰囲気中でそれぞれ280℃、300℃、600℃、900℃で1時間加熱処理した加熱処理炭C〜Fを準備した。各微粉炭の性状を表1に示す。なお、表1のd.b.は、ドライベースであることを示している。例えば、固定炭素の場合は、(固定炭素(ウェットベース%)/(100−水分))×100=固定炭素(ドライベース)で固定炭素(ウェットベース%)を固定炭素(ドライベース%)に換算できる。
Figure 0006885282
加熱処理炭C〜Fは、加熱処理によって一部の揮発分が放出されるので、加熱処理していない微粉炭Bよりも揮発分が少なくなった。また、加熱処理する温度が高いほど、微粉炭に含まれる揮発分は少なくなった。
微粉炭A、Bおよび加熱微粉炭C〜Fのいずれも、篩を用いて調和平均粒径が8μmになるように粒度を調整した。調和平均粒径は、レーザー回折散乱法による湿式の粒度分布測定装置を用いて微粉炭の粒度分布を測定し、各粒径における体積割合(体積%)と下記式(2)を用いて算出した。
=Σn/Σ(n/d)・・・(2)
但し、上記式(2)において、Dは調和平均粒径(m)であり、dは微粉炭の粒径(m)であり、nは体積割合(体積%)である。
図2に示したセル50の収容部に表1に示した微粉炭を装入し、0.1mm/secの速度で圧縮し、圧縮応力が4.0MPaになったところで、その圧縮応力を維持したまま60秒間保持することで各微粉炭の微粉炭粉体層を作製した。この微粉炭粉炭層を用いて引張破断強度および空隙率を測定した。各微粉炭の引張破断強度および空隙率を表2に示す。
Figure 0006885282
表2に示すように、加熱処理することによって、微粉炭粉体層の引張破断強度は低下し、微粉炭粉体層の空隙率は高くなった。微粉炭を加熱処理することによって、微粉炭から揮発分が放出されるとともに微粉炭の粒子形状が変化し、これにより、微粉炭粉体層の引張破断強度が低下し、微粉炭粉体層の空隙率が高くなったと考えられる。
微粉炭の加熱処理温度に着目すると、加熱処理温度を300℃以上にすることで微粉炭粉体層の引張破断強度は著しく低下し、微粉炭粉体層の空隙率は著しく高くなる。図3は、微粉炭Bおよび微粉炭Bと性状の異なる微粉炭Xの加熱処理温度と微粉炭粉体層の引張破断強度との関係を示すグラフである。図3に示すように、微粉炭Bおよび微粉炭Xともに300℃で加熱処理した微粉炭粉体層の引張破断強度は、280℃で加熱処理した微粉炭粉体層の引張破断強度より著しく低下した。この結果から、微粉炭の加熱処理温度は、300℃以上であることが好ましく、300℃以上で加熱処理することで微粉炭粉体層の引張破断強度を著しく低下させることができる。
図4は、微粉炭Bおよび微粉炭Bと性状の異なる微粉炭Xの加熱処理温度と微粉炭粉体層の空隙率との関係を示すグラフである。図4に示すように、微粉炭Bおよび微粉炭Xともに300℃で加熱処理した微粉炭粉体層の空隙率は、280℃で加熱処理した微粉炭粉炭層の空隙率より著しく高くなった。この結果から、微粉炭の加熱処理温度は、300℃以上であることが好ましく、300℃以上で加熱処理することで微粉炭粉体層の空隙率を著しく高めることができる。
上述したように、微粉炭を加熱処理することで微粉炭から揮発分を放出されるとともに粒子形状が変化し、これにより、微粉炭粉体層の引張破断強度が低下し、空隙率が高くなる。微粉炭からの揮発分の放出開始温度が300℃近辺であることから、300℃以上の温度で加熱処理することでより多くの揮発分を微粉炭から放出させることができ、この結果、微粉炭粉体層の引張破断強度が著しく低下し、また、微粉炭粉体層の空隙率が著しく高くなった。一方、1000℃を超える温度で加熱処理すると微粉炭から揮発分が放出されなくなるので、微粉炭の加熱処理温度は1000℃以下であることが好ましい。
微粉炭を加熱処理することによる粒子形状の変化を確認することを目的として、顕微鏡を用いて各微粉炭の粒子形状を観察し、当該観察結果から各微粉炭の円形度を算出した。各微粉炭で10,000個の粒子を観察し、下記(3)式を用いて円形度を算出した。なお、円形度は1に近いほど真球に近い形状であることを示す。
K=4πS/L・・・(3)
但し、(3)式において、Kは円形度(−)であり、Sは粒子の投影面積(m)であり、Lは粒子の周囲長(m)である。
図5は、微粉炭の揮発分と円形度との関係を示すグラフである。図5に示すように、加熱処理していない微粉炭Aは、揮発分が15質量%と低くても円形度は低い。一方、微粉炭Bは、揮発分が48.3質量%と高いものの加熱処理を行うと揮発分は減少し、微粉炭Bの円形度は高くなった。また、加熱処理する温度が高温であるほど、微粉炭の揮発分は減少し、微粉炭円形度は高くなった。これらの結果から、微粉炭を加熱処理することによって、微粉炭中の揮発分が膨張・放出されるとともに粒子全体も膨張し、これにより、微粉炭の円形度が高まったと考えられる。
図6は、微粉炭の円形度と微粉炭粉炭層の空隙率との関係を示すグラフである。図6に示すように、微粉炭Bを加熱処理して円形度が高くなるほど、当該微粉炭粉体層の空隙率も高くなる傾向が見られた。これは、加熱処理によって微粉炭粒子が球形状になるので、微粉炭同士の絡み合いが減少し、この結果、微粉炭粉体層の空隙率が高くなったと考えられる。
次に、表1に示した微粉炭を高炉に吹込んで操業を実施し、配管閉塞抑制効果を確認した結果を説明する。表1に示した微粉炭A、Bおよび加熱微粉炭C〜Fを用いて、羽口38本、微粉炭搬送配管76本を備える内容積5000mの高炉において目標11500t/dayの銑鉄生産量、150kg/t−銑鉄の微粉炭比で高炉内へ微粉炭を吹込む高炉の操業を5日間実施した。各羽口の微粉炭搬送配管が閉塞した場合であっても閉塞を解消させず、未閉塞の配管に通常より多くの微粉炭を搬送し、微粉炭比が一定となるように操業した。また、吹込む微粉炭の粒度は、調和平均径が8μmで一定となるように随時粉砕条件を調整した。表3に各微粉炭吹込み時の1日平均の搬送配管閉塞本数と平均コークス比を示す。
Figure 0006885282
表3に示すように、微粉炭A、B、加熱処理炭Cでは、配管の閉塞本数が6本/日以上になった。一方、加熱処理炭D〜Fでは、配管の閉塞本数が1本/日未満となり、高炉操業中に微粉炭で閉塞する配管の数が著しく減少した。
表2に示すように、配管の閉塞本数が6本/日以上となった微粉炭A、B、加熱処理炭Cは、微粉炭粉炭層の引張破断強度が50kPaより大きい微粉炭である。一方、配管の閉塞本数が1本/日未満となった加熱処理炭D〜Fは、微粉炭粉炭層の引張破断強度が50kPa以下の微粉炭である。これらの結果から、引張破断強度が50kPa以下となる微粉炭を用いることで、配管内における微粉炭粉体層の成長を抑制でき、これにより、高炉操業中に微粉炭で閉塞する配管の数を少なくできることがわかる。
次に、各微粉炭を吹込んで実施した高炉の操業における平均コークス比に着目すると、微粉炭A、B、加熱処理炭Cの吹込み時は平均コークス比が高く、加熱処理炭D〜Fの吹込み時は、平均コークス比が低いことがわかる。微粉炭A、B、加熱処理炭Cを高炉に吹込んだ場合においては、配管の閉塞によって高炉の炉周方向で微粉炭吹込み量の偏差が発生して高炉内の炉周方向の温度の偏差の発生および炉内の通気性が悪化し、これにより、平均コークス比が高くなったと考えられる。一方、加熱処理炭D〜Fの吹込み時においては、配管の閉塞が抑制され、これにより、高炉操業における平均コークス比の増加を抑制できることが確認された。
また、表2に示すように、配管の閉塞本数が6本/日以上となった微粉炭A、B、加熱処理炭Cは、微粉炭粉炭層の空隙率が0.35未満となる微粉炭である。一方、配管の閉塞本数が1本/日未満となった加熱処理炭D〜Fは、微粉炭粉炭層の空隙率が0.35以上となる微粉炭である。これらの結果から、微粉炭粉炭層の空隙率が0.35以上となる微粉炭を用いることで、配管内における微粉炭粉体層の成長が抑制でき、これにより、高炉操業中に微粉炭で閉塞する配管の数を少なくでき、高炉操業における平均コークス比の増加を抑制できることがわかる。
このように、本実施形態に係る高炉操業方法では、微粉炭粉炭層の引張破断強度が50kPa以下の微粉炭、または、微粉炭粉炭層の空隙率が0.35kPa以上の微粉炭を用いる。これにより、配管内における微粉炭粉体層の成長を抑制でき、高炉操業中に微粉炭によって閉塞する配管の数を少なくできる。そして、閉塞する配管の数を少なくすることで、高炉内の炉周方向の温度の偏差の発生および炉内の通気性の悪化を抑制でき、配管の閉塞によるコークス比の増加を抑制できる。
なお、本実施形態では加熱処理した微粉炭を用いる例を示したが、これに限らない。例えば、加熱処理していない微粉炭に加熱処理した微粉炭を配合し、微粉炭全体の微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPa以下、または、空隙率が0.35以上となる微粉炭を用いてもよい。
例えば、加熱処理していない微粉炭Aに、加熱処理した加熱処理炭C〜Fを配合してもよい。表4は、微粉炭Aが80質量%、微粉炭B、または、加熱処理炭C〜Fの何れか1つが20質量%となるように配合した微粉炭の引張破断強度と空隙率を表4に示す。なお、表4において、「微粉炭A+微粉炭B」とは、80質量%の微粉炭Aと、20質量%の微粉炭Bを配合した微粉炭を示しており、以下の行においても同じ意味である。
Figure 0006885282
表4に示すように、加熱処理炭C〜Fを配合することによって、微粉炭全体の微粉炭粉炭層の引張破断強度は低下し、微粉炭粉体層の空隙率は高くなる。また、微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPaより大きい微粉炭Aであっても、微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPa以下の加熱処理炭E、Fを配合することで、微粉炭全体の微粉炭粉体層の引張破断強度を50kPa以下にできることが確認された。同様に、微粉炭粉体層の空隙率が0.35未満の微粉炭Aに、微粉炭粉体層の空隙率が0.35以上の微粉炭を配合することで、微粉炭全体の微粉炭粉体層の空隙率を0.35以上にできることが確認された。
次に、表4に示した微粉炭を用いて配管閉塞抑制効果を確認した結果を説明する。表4に示した微粉炭を用いて、羽口38本、微粉炭搬送配管76本を持つ内容積5000mの高炉において目標11500t/dayの銑鉄生産量、150kg/t−銑鉄の微粉炭比で高炉内へ微粉炭を吹込む高炉の操業を5日間実施した。各羽口の微粉炭搬送配管が閉塞した場合であっても閉塞を解消させず、未閉塞の配管に通常より多くの微粉炭を搬送し、微粉炭比一定となるように操業した。また、吹込む微粉炭の粒度は調和平均径が8μmで一定となるように随時粉砕条件の調整をした。表5に各微粉炭吹込み時の1日平均の搬送配管閉塞本数と平均コークス比を示す。
Figure 0006885282
表5に示すように、微粉炭A+微粉炭B、微粉炭A+加熱処理炭C、微粉炭A+加熱処理炭Dでは、配管の閉塞本数が7本/日以上になった。一方、微粉炭A+加熱処理炭E、微粉炭A+加熱処理炭Fでは、配管の閉塞本数が1本/日未満となり、高炉操業中に微粉炭で閉塞する配管の数が著しく減少した。
表4に示すように、配管の閉塞本数が7本/日以上となった微粉炭A+微粉炭B、微粉炭A+加熱処理炭C、微粉炭A+加熱処理炭Dは、微粉炭全体の微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPaより大きい微粉炭である。また、配管の閉塞本数が1本/日未満となった微粉炭A+加熱処理炭Eおよび微粉炭A+加熱処理炭Fは、微粉炭全体の微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPa以下の微粉炭である。これらの結果から、微粉炭全体の微粉炭粉体層の引張破断強度が50kPa以下となるように、引張破断強度が50kPaより大きい微粉炭に引張破断強度が50kPa以下となる微粉炭を配合した微粉炭を用いることで、配管内における微粉炭粉体層の成長を抑制でき、これにより、高炉操業中に微粉炭で閉塞する配管の数を少なくできることがわかる。
各微粉炭を吹込んで実施した高炉の操業における平均コークス比に着目すると、微粉炭A+微粉炭B、微粉炭A+加熱処理炭C、微粉炭A+加熱処理炭Dの吹込み時は平均コークス比が高く、微粉炭A+加熱処理炭E、微粉炭A+加熱処理炭Fの吹込み時は平均コークス比が低いことがわかる。微粉炭A+微粉炭B、微粉炭A+加熱処理炭C、微粉炭A+加熱処理炭Dの吹込み時においては、配管の閉塞によって高炉の炉周方向で微粉炭吹込み量の偏差が発生して高炉内の炉周方向の温度の偏差の発生および炉内の通気性が悪化し、これにより、平均コークス比が高くなったと考えられる。一方、微粉炭A+加熱処理炭Eおよび微粉炭A+加熱処理炭Fの吹込み時においては配管の閉塞が抑制され、配管の閉塞による平均コークス比の増加を抑制できることが確認された。
また、表4に示すように、配管の閉塞本数が7本/日以上となった微粉炭A+微粉炭B、微粉炭A+加熱処理炭C、微粉炭A+加熱処理炭Dは、微粉炭全体の微粉炭粉体層の空隙率が0.35未満となる微粉炭である。微粉炭A+加熱処理炭E、微粉炭A+加熱処理炭Fは、微粉炭粉炭層の空隙率が0.35以上となる微粉炭である。したがって、微粉炭全体の微粉炭粉体層の空隙率が0.35以上となるように、空隙率が0.35未満となる微粉炭に空隙率が0.35以上となる微粉炭を配合した微粉炭を用いることで、配管内における微粉炭粉体層の成長が抑制され、これにより、高炉操業中に微粉炭で閉塞する配管の数を少なくでき、配管の閉塞による平均コークス比の増加を抑制できることが確認された。
10 石炭
12 石炭ホッパ
14 フィーダ
16 微粉炭製造装置
18 微粉炭
20 主管
22 バグフィルタ
24 コールビン
26 吹込みタンク
28 分配器
30 枝管
32 ブローパイプ
34 高炉
36 ランス
38 羽口
40 熱風炉
50 セル
52 上部セル
54 下部セル
56 微粉炭粉体層
58 上蓋

Claims (4)

  1. 高炉羽口から粒度分布が60mass%≦−74μmである微粉炭を吹込む高炉操業方法であって、
    粉砕された石炭を原料とし、空隙率が下記の範囲を満足する微粉炭を選択し、選択された微粉炭を高炉に吹込む、高炉の操業方法。

    上部セルと下部セルから構成されるセルに装入され、圧縮応力4.0MPaで60秒間圧縮して作製された微粉炭粉体層の空隙率が0.35以上である。
  2. 前記微粉炭は、加熱処理された微粉炭である、請求項に記載の高炉操業方法。
  3. 前記微粉炭は、300℃以上で加熱処理された微粉炭である、請求項2に記載の高炉操業方法。
  4. 前記微粉炭は、加熱処理された微粉炭と加熱処理していない微粉炭との混合物である、請求項1に記載の高炉操業方法。
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