JP6887399B2 - 銅合金材料、電子部品、電子機器及び銅合金材料の製造方法 - Google Patents
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また、垂下カールと同様に、箔又は条の厚みがあらかじめ設計したものに合致していないと、電子材料用の端子をプレス加工する際、プレス加工後の形状が設計したとおりのものにならない、すなわち寸法精度が低下するという問題が生じるので、極力制御することが望まれる。
Ni及びCoのうち1種以上を合計で0.5〜5.0質量%、
Siを0.1〜1.2質量%含有し、
残部が銅及び不可避的不純物からなる銅合金材料であり、
前記銅合金材料は、条、板又は箔であり、
圧延方向と平行な方向に60mmの間隔で並んで位置する5つの測定点での厚みの変動が0.0μm〜2.0μmである、銅合金材料。
(発明2)
Sn、Zn、Mg、Cr、Mn、Fe、Ti、Zr、P、Ag、Bのうち1種以上を総量で0.005〜3.0質量%更に含有する発明1の銅合金材料。
(発明3)
発明1又は2に記載の銅合金材料を備える電子部品。
(発明4)
発明3の電子部品を備える電子機器。
(発明5)
発明1又は2に記載の銅合金材料の製造方法であって、前記方法は、
溶解鋳造工程と、
熱間圧延工程と、
第一冷間圧延工程と、
第一溶体化処理工程と、
第二冷間圧延工程と、
第二溶体化処理工程と、
第三冷間圧延工程と、
第三溶体化処理工程と、
時効処理工程と、
最終冷間圧延工程と、
を含み、
前記第二冷間圧延工程における加工度が70%以上であり、
前記第三冷間圧延工程における加工度が50%以上70%以下であり、
前記第一溶体化処理工程が結晶粒度を0.090mm以上に調整することを含み、及び、第二溶体化処理工程が結晶粒度を0.020mm〜0.040mmに調整することを含む、
該方法。
一実施形態において、本発明は、銅合金材料を包含する。前記材料の形状は、条、板、又は箔である。
「条」(strip、ribbon)とは、「0.1mm以上の均一な肉厚で、長方形断面をもち、スリットされたコイル形状で供給される圧延製品」をさす。
「板」(sheet、plate)とは、「0.1mm以上の均一な肉厚で、長方形断面をもち、シャー又はのこ(鋸)切断された平板で供給される圧延製品」をさす。
「箔」(foil)とは、「0.1mm未満の均一な肉厚で、長方形断面をもち、スリットされたコイル形状で供給される圧延製品」をさす。
前記銅合金の組成は、Ni及びCoのうち1種以上を合計で0.5〜5.0質量%、Siを0.1〜1.2質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる。
前記Ni及びCoは、適当な熱処理を施すことにより金属間化合物を形成し、導電率を劣化させずに高強度化が図れる。Ni及びCoのうち1種以上を合計で0.5〜5.0質量%添加することができる。0.5質量%未満だと、所望の強度が得られず、逆に、5.0質量%超だと、高強度化は図れるが導電率が著しく低下し、曲げ加工性も低下する。より好ましくは、Ni及びCoのうち1種以上を合計で1.0〜3.0質量%添加することができる。
前記Siは、Ni及びCoと同様に、適当な熱処理を施すことにより金属間化合物を形成し、導電率を劣化させずに高強度化が図れる。Siを0.1〜1.2質量%添加することができる。0.1質量%未満だと、所望の強度が得られず、逆に、1.2質量%超だと、高強度化は図れるが導電率が著しく低下し、曲げ加工性も低下する。より好ましくは、0.2〜0.7質量%添加することができる。
上記以外の元素として、Sn、Zn、Mg、Cr、Mn、Fe、Ti、Zr、P、Ag、Bのうち1種以上を、総量で0.005〜3.0質量%更に添加してもよく、又は添加しなくてもよい(例えば、0質量%であってもよい)。これらの元素を添加することで、製造においては熱間加工性、製品においては耐力、引張強さ、ばね限界値及び応力緩和特性等の機械的性質、はんだ特性及びめっき特性等の表面特性のうちいずれか1つ以上が良好になるという効果が得られる。添加し過ぎると導電率が低下するため、より好ましくは、0.005〜1.0質量%添加することができる。
一実施形態において、上記以外の残部は、Cuであってもよい。ここで、前記Cu以外に不可避的不純物が含まれてもよい。不可避的不純物とは、例えば、S及びO等が挙げられる。また、不可避的不純物の含有量は特に限定されないが、例えば、合計で100質量ppm以下である。
一実施形態において、本発明の銅合金材料の幅は、特に限定されないが、10〜50mmであってもよい。10mm未満だと、単位ストロークのプレスで得られる個数が少なくなり生産性が低下する。50mm超だとプレス品の寸法精度が低下する。
一実施形態において、本発明の銅合金材料は、厚みの変動が特定の値以下である。ここでまず、厚みについて説明する。
そして、後述するように、厚みは5つの箇所で測定し、その平均値を、銅合金材料の厚みの代表値とした。
本明細書において、「厚み変動度」とは、以下の手順で測定及び算出して得られる値である。
(1)60mm間隔で圧延方向に離れて、圧延方向と平行方向の一直線上に並ぶ5 つの測定点で厚みを測定し、それにより得られる5つの厚みデータの最大値と最小値との差と定義する。
(2)このような5つの測定点での厚みの測定を少なくとも板、条または箔のコイルにつき一回行い、その少なくとも一回の測定で、5つの測定点の厚み変動が0.0μm〜2.0μmの範囲内であれば、本発明に含まれる。
なお、上記5つの測定点について、製品の幅にスリットされた、板、条または箔の幅方向の中央の位置で測定した。
一実施形態において、本発明は、銅合金材料の製造方法を包含する。前記製造方法は、以下の工程を包含することができる。
(溶解鋳造工程)→(熱間圧延工程)→(第一冷間圧延工程)→(第一溶体化処理工程)→(第二冷間圧延工程)→(第二溶体化処理工程)→(第三冷間圧延工程)→(第三溶体化処理工程)→(時効処理工程)→(最終冷間圧延工程)。
溶解鋳造工程では、上述した本発明の銅合金材料の組成と同じ組成を持つインゴットを使用して、溶解鋳造を行うことができる。インゴットの厚みついては、銅合金材料の厚みの1500倍以上であることが好ましい。1500倍以上であるにより、インゴットのマクロ組織における結晶方位および偏析が、その後の加工における金属組織の態様に影響するのを抑制することが容易になる。インゴットの厚みの上限値については、特に限定されないが、典型的には、銅合金材料の厚みの5000倍以下であってもよい。
第一溶体化処理後は、第二冷間圧延工程を行うことができる。当該第二冷間圧延工程は、中間溶体化処理(第二溶体化処理工程)前に行うこと好ましい(即ち、中間溶体化処理前冷間圧延)。第二冷間圧延工程では、加工度が70%以上であることが好ましく、80%以上であることが更に好ましい。70%以上であることにより、合金元素の偏析層を薄くし合金元素が拡散するのに要する距離を小さくするとともに、合金元素の均質化に有効な加工歪を多く導入することができる。上限値については、特に規定されないが典型的には、95%以下である。
圧延加工度(%)=100×(冷間圧延前の板厚−冷間圧延後の板厚)/冷間圧延前の板厚
第三溶体化処理(最終溶体化処理)の前に、冷間圧延を行うことができる(最終溶体化処理前冷間圧延)。ここでも、第二冷間圧延工程と同様、加工度を高くすることで、合金元素の偏析層を薄くし合金元素が拡散するのに要する距離を小さくするとともに、合金元素の均質化に有効な加工歪を多く導入することができる。ただし、第二冷間圧延工程と異なる点として、加工度が高すぎると、最終溶体化処理で2次再結晶を伴う粗大な再結晶粒組織が生成しやすくなる。2次再結晶を伴う粗大な再結晶粒組織の影響と、インゴットのマクロ組織における結晶方位および偏析の影響との相乗効果によって、金属組織は長さ方向で変動する可能性がある。
第三溶体化処理(最終溶体化処理)のあとに、冷間圧延を行うことができる(最終冷間圧延工程)。ここでは、主として、各種電子部品に使用される電子材料用銅合金の基本特性である強度が調整される。
上記製造方法では、少なくとも3つの溶体化処理を行うことを特徴としている。特に重要となるのが、第一溶体化処理工程(素条溶体化処理工程)及び中間溶体化処理(第二溶体化処理工程)である。これらの処理工程では、高温で長時間の処理、すなわち結晶粒度が大きくなる条件で行うことが好ましい。これにより、インゴットのマクロ組織における結晶方位および偏析が、その後の加工における金属組織の態様に影響するのを抑制することができる。
最終冷間圧延後に、歪取焼鈍を行っても良い。歪取焼鈍には、残留応力の低減、熱伸縮特性の向上、ばね性(ばね限界値等)の向上、引張試験における伸び率の向上、曲げ性の向上、低温焼鈍効果、及び、平坦度の向上等の効果がある。一般的な条件は、温度が350〜650℃で、時間が1〜600秒である。この範囲において、所望する上記の事項ごとに適切な温度及び時間を設定することができる。
銅合金材料は、プレス加工を行うことができる。また、プレス加工の前後で、メッキ等(例えば、Niなど)の処理を行ってもよい。プレス加工等を経た銅合金加工品は、電子部品を組み立てる際の材料として使用することができる。さらに、当該電子部品を用いて、電子機器を組み立てることができる。
上述の方法で、厚み変動度を測定した。
JISZ2248(2006年)「金属材料曲げ試験方法」に規定される「Vブロック法」に準拠し、曲げ角度を90°とする曲げ試験(90°曲げ試験)を行った。試験片は、圧延方向と平行方向を長辺とする、幅が10mm、長さが100mmの長方形の形状とした。
試験では、まず、規定試験力を決める予備試験を行った。予備試験では、試験片をVブロック上に載せ、その中央部に押し金具を当て、試験力を加えて曲げる加工を行った。曲げる加工を行ったあと、試験片の曲げ角度を測定した。
また、予備試験では、試験力を試験片ごとに変えて曲げる加工を行った。試験力が大きい場合、試験片の曲げ角度は90°であった。試験力が小さい場合、試験片の曲げ角度は90°を下回った。曲げる加工をしたあとの試験片の曲げ角度が88.5°〜89.5°を示す試験力を規定試験力とした。
つぎに、50個の試験片につき、試験力を加え曲げる加工を行った。ここでの試験力は、上記の予備試験で求めた規定試験力とし、50個の試験片につき同一の試験力にて曲げる加工を行った。
曲げる加工を行ったあと、50個の試験片につき曲げ角度を測定し、曲げ角度の平均値と標準偏差を計算した。
標準偏差が平均値の1%以下である場合はプレス性が良好(表中に○を表示)であると判定し、標準偏差が平均値の1%超である場合はプレス性が不良(表中に×を表示)であると判定した。
表1に示す組成のインゴットを準備した。このインゴットに対して、溶解鋳造、熱間圧延、第一冷間圧延(素条冷間圧延)、第一溶体化処理(素条溶体化処理)、第二冷間圧延(中間溶体化処理前冷間圧延)、第二溶体化処理工程(中間溶体化処理)、第三冷間圧延(最終溶体化処理前冷間圧延)、第三溶体化処理工程(最終溶体化処理)、時効処理、最終冷間圧延を順次行った。ここで、第一溶体化処理(素条溶体化処理)は、700〜950℃の温度、1〜600秒の範囲において、合金成分ごと及び板厚ごとに温度及び時間を調整し、結晶粒度が0.120mmとなる溶体化処理材を得てその後の処理及び加工を行った。ただし、比較例6については、結晶粒度が0.060mmになるように、温度及び時間を調整した。そして、板厚が0.08mm(平均値)、幅が630mmの最終冷間圧延材を得た。ただし、実施例23では、板厚を0.12mm(平均値)、実施例24では板厚を0.15mm(平均値)とした。その後、スリッタにて幅を30mmにスリットした。得られた条について、60mm間隔で圧延方向に離れて並ぶ5つの測定点で厚みを測定し、それにより得られる5つの厚みデータの最大値と最小値との差を算出して、これを銅合金の厚み変動度とした。
Claims (6)
- Ni及びCoのうち1種以上を合計で0.5〜5.0質量%、
Siを0.1〜1.2質量%含有し、
残部が銅及び不可避的不純物からなる銅合金材料であり、
前記銅合金材料は、条、板又は箔であり、
厚さが0.05mm以上であり、
圧延方向と平行な方向に60mmの間隔で並んで位置する5つの測定点での厚みの変動が0.0μm〜2.0μmである、銅合金材料。 - Sn、Zn、Mg、Cr、Mn、Fe、Zr、P、Ag、Bのうち1種以上を総量で0.005〜3.0質量%更に含有する請求項1の銅合金材料。
- Sn、Zn、Mg、Cr、Mn、Fe、Ti、Zr、P、Ag、Bのうち1種以上を総量で0.005〜1.0質量%更に含有する請求項1の銅合金材料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金材料を備える電子部品。
- 請求項4の電子部品を備える電子機器。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金材料の製造方法であって、前記方法は、
溶解鋳造工程と、
熱間圧延工程と、
第一冷間圧延工程と、
第一溶体化処理工程と、
第二冷間圧延工程と、
第二溶体化処理工程と、
第三冷間圧延工程と、
第三溶体化処理工程と、
時効処理工程と、
最終冷間圧延工程と、
を含み、
前記第二冷間圧延工程における加工度が70%以上であり、
前記第三冷間圧延工程における加工度が50%以上70%以下であり、
前記第一溶体化処理工程が結晶粒度を0.090mm以上に調整することを含み、及び、第二溶体化処理工程が、結晶粒度を0.020mm〜0.040mmに調整することを含む、
該方法。
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