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JP6890866B2 - 座席用表皮材の製造方法、及び座席用表皮材の製造に用いられる金型装置 - Google Patents
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JP6890866B2 - 座席用表皮材の製造方法、及び座席用表皮材の製造に用いられる金型装置 - Google Patents

座席用表皮材の製造方法、及び座席用表皮材の製造に用いられる金型装置 Download PDF

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Description

本発明は、立体的な模様を有する座席用表皮材の製造方法、及び座席用表皮材の製造に用いられる金型装置に関するものである。
自動車、バス、鉄道等の車両の座席シートや、ソファ、座椅子等の家具のシート等、座席用表皮材の意匠性を高めるべく、エンボス加工を施してその表面に凹部を形成したものが用いられている。エンボス加工を施すことにより、座席用表皮材の表面が立体的となって好適な装飾性を付与することができる。また、凹部が形成されることにより触感を好適に変化させることもできる。
従来の座席用表皮材のエンボス加工が、特許文献1に記載されている。この文献に開示の方法によれば、座席用表皮材の素材となる板材(積層体)が、加熱された意匠金型(成形型)と熱板との間に挟まれる。これにより、板材の表面に凹部(エンボス模様)が形成される。
図5は、特許文献1のエンボス加工態様を模式的に示す断面図である。同図に示すように、意匠金型101には、平面状に広がるベース面102から突出する型押部103が設けられている。この型押部103は、一方向である第1方向(図示左右方向)に並設されて他方向である第2方向(同図において紙面に直交する方向)に延びる複数の四角柱状の突部104を有する。これら複数の突部104は、互いに同等の突出長に設定されている。
一方、熱板106は、ベース面102と平行に広がる平板形状を呈している。そして、熱板106上の板材110は、意匠金型101との間に挟まれる。このとき、型押部103が板材110の表面を加熱押圧することで、該表面に複数の長溝112で構成される凹部111が形成される。これら複数の長溝112は、互いに同等の凹み量となっている。こうして、表面に立体的な模様(エンボス模様)を有する座席用表皮材P1が製造される。
特開2005−261581号公報
ところで、特許文献1のエンボス加工に伴って板材110の表面に形成される凹部111の配置部位は、座席用表皮材P1の意匠に合わせて設定される。換言すれば、座席用表皮材P1の意匠は、板材110の表面に形成される凹部111の外観によって決定される。一方、座席用表皮材P1の硬さは、その厚みによって決定される。従って、単純に考えて、座席用表皮材P1の硬さは、相対的に薄くなる凹部111の配置部位で硬くなり、相対的に厚くなる凹部111の非配置部位で柔らかくなる。
以上により、座席用表皮材P1の硬さは、座席用表皮材P1の意匠に制約されている。
本発明の目的は、意匠の制約を抑制して硬さを調整できる座席用表皮材、座席用表皮材の製造方法、及び座席用表皮材の製造に用いられる金型装置を提供することにある。
上記課題を解決する座席用表皮材の製造方法は、第1ベース面から突出する第1型押部が設けられた加熱状態の意匠金型と、第2ベース面から突出する第2型押部が設けられた加熱状態の裏金型との間に板材を挟んで、前記第1型押部及び前記第2型押部により前記板材を加熱押圧して該板材の少なくとも前記意匠金型に対向する意匠面に凹部を形成する工程を備え、前記第1型押部及び前記第2型押部は、前記板材の挟み方向に見て互いに異なる形状を呈する。
この構成によれば、座席用表皮材の意匠は、主として前記第1型押部による加熱押圧によって前記板材の前記意匠面に形成される前記凹部の外観によって決定される。一方、座席用表皮材の硬さは、前記第1型押部及び前記第2型押部による加熱押圧によって縮小する前記板材の厚みによって決定される。前記第1型押部及び前記第2型押部は、前記板材の挟み方向に見て互いに異なる形状を呈することで、例えば、前記凹部の最深部における前記板材の厚みは、前記凹部の配置部位に対応する前記第2型押部の形状に応じて変化する。このため、例えば、前記板材の前記意匠面に形成される前記凹部の外観を変更しなくても、該凹部の配置部位に応じて前記板材の厚み、即ち硬さを変更できる。このように、座席用表皮材の意匠の制約を抑制しつつその硬さを調整できる。
上記課題を解決する金型装置は、座席用表皮材の製造に用いられる金型装置であって、第1ベース面から突出する第1型押部が設けられた加熱状態の意匠金型と、第2ベース面から突出する第2型押部が設けられた加熱状態の裏金型とを備え、前記第1型押部及び前記第2型押部は、対向方向に見て互いに異なる形状を呈する。
この構成によれば、前記意匠金型及び前記裏金型の間に座席用表皮材の素材となる板材を挟んで、前記第1型押部及び前記第2型押部により前記板材を加熱押圧すれば、該板材の少なくとも前記意匠金型に対向する意匠面に凹部が形成される。このように製造された座席用表皮材の意匠は、主として前記第1型押部による加熱押圧によって前記板材の前記意匠面に形成される前記凹部の外観によって決定される。一方、座席用表皮材の硬さは、前記第1型押部及び前記第2型押部による加熱押圧によって縮小する前記板材の厚みによって決定される。前記第1型押部及び前記第2型押部は、対向方向に見て、即ち前記板材の挟み方向に見て互いに異なる形状を呈することで、例えば、前記凹部の最深部における前記板材の厚みは、前記凹部の配置部位に対応する前記第2型押部の形状に応じて変化する。このため、例えば、前記板材の前記意匠面に形成される前記凹部の外観を変更しなくても、該凹部の配置部位に応じて前記板材の厚み、即ち硬さを変更できる。このように、座席用表皮材の意匠の制約を抑制しつつその硬さを調整できる。
上記課題を解決する座席用表皮材は、少なくとも一面である意匠面に凹部が圧縮状態で形成された座席用表皮材であって、前記凹部の最深部における厚みは、該凹部の配置部位に応じて変化する。
この構成によれば、座席用表皮材の意匠は、前記意匠面に形成される前記凹部の外観によって決定される。一方、座席用表皮材の硬さは、その厚みによって決定される。座席用表皮材は、前記凹部の最深部における厚みが該凹部の配置部位に応じて変化することで、前記意匠面に形成される前記凹部の外観を変更しなくても、該凹部の配置部位に応じて座席用表皮材の厚み、即ち硬さを変更できる。このように、座席用表皮材の意匠の制約を抑制しつつその硬さを調整できる。
上記座席用表皮材について、シートクッション及びシートバックの少なくとも一方である保持部に配置され、前記凹部の最深部における厚みは、前記保持部の幅方向において、中央部の方が両端部よりも小さく設定されることが好ましい。
この構成によれば、前記保持部は、単純に考えれば、幅方向における中央部で相対的に硬くなり、幅方向における両端部で相対的に柔らかくなる。従って、前記保持部は、幅方向における中央部で着座者をより堅固に保持でき、幅方向における両端部で着座者をより快適に保持できる。
本発明は、意匠の制約を抑制して硬さを調整できる効果がある。
第1の実施形態が適用される座席シートを示す斜視図。 同実施形態の座席用表皮材についてその構造を示す斜視図。 (a)は同実施形態の座席用表皮材についてその製造方法及びその製造に用いられる金型装置を示す断面図であり、(b)は同実施形態の座席用表皮材についてその構造を示す断面図。 第2の実施形態についてその製造方法及びその製造に用いられる金型装置を示す斜視図。 座席用表皮材の従来形態についてその製造方法及びその製造に用いられる金型装置を示す断面図。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、自動車の座席シート10は、着座者の座部及び背もたれ部をそれぞれ構成する保持部としてのシートクッション11及びシートバック16を備える。シートクッション11は、その幅方向中間部に広がる主サポート部12と、該主サポート部12の幅方向両端部から上方に突設された一対のサイドサポート部13とを有する。そして、主サポート部12の後端部は、立体的な模様(エンボス模様)を有するクッション表皮材14で覆われている。同様に、シートバック16は、その幅方向中間部に広がる主サポート部17と、該主サポート部17の幅方向両端部から前方に突設された一対のサイドサポート部18とを有する。そして、主サポート部17の下端部は、立体的な模様を有するバック表皮材19に覆われている。
次に、クッション表皮材14及びバック表皮材19に用いられる座席用表皮材Pの構造について説明する。
図2に示すように、座席用表皮材Pは、表地21と、裏地22と、これら表地21及び裏地22の間に挟まれたクッション材23とを加圧状態で互いに熱融着させることで積層一体化したものである。
表地21及び裏地22の材料は特に限定されない。表地21及び裏地22の材料には、織物、編物、不織布、合成皮革、人工皮革、或いは、これらの複合材等を選択して使用することができる。例えば、綿、麻、絹等の天然繊維や、アセテート、キュプラ等の再生繊維、或いは、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル等の合成繊維を選択して使用することができる。表地21は座席用表皮材Pに装飾性を付与する等の観点から選択し、裏地22は内部のクッション材23を保護する等の観点から選択することができる。表地21及び裏地22の各材料は、それぞれ異なっていてもよく、同じであってもよい。
クッション材23の材料も特に限定されず、座席シート10に適した適度な柔軟性を有するものを選択して使用することができる。例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、フェノールフォーム、シリコーンフォーム、アクリルフォーム、ポリイミドフォーム等、合成樹脂発泡体を好適に挙げることができる。
座席用表皮材Pの前述の立体的な模様は、主に表地21側の表面に形成されている。すなわち、座席用表皮材Pの少なくとも一面である意匠面24には、複数のU字状の長溝25a,25b,25c,25d,25eで構成される凹部25が形成される。凹部25が圧縮状態で形成されていることはいうまでもない。これら複数の長溝25a〜25eは、一方向である第1方向D1(図示左右方向であって座席シート10の幅方向に相当)に等間隔で並設されて他方向である第2方向D2(図示斜め上下方向であってクッション表皮材14にあっては座席シート10の前後方向、バック表皮材19にあっては座席シート10の上下方向に相当)に連通している。つまり、座席用表皮材Pの立体的な模様は、第2方向D2に延びるストライプ柄となっている。
複数の長溝25a〜25eは、互いに同等の幅寸法を有する。また、これら複数の長溝25a〜25eの最深部における座席用表皮材Pの厚みをそれぞれ厚みta,tb,tc,td,teとすると、それら厚みta〜teは下式の関係を満たしている。
ta=te>tb=td>tc
つまり、凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teは、凹部25(長溝25a〜25e)の配置部位に応じて変化している。すなわち、凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teは、第1方向D1において、中央部に近づくほど小さくなるとともに、中央部から離れるほど大きくなる。これにより、座席用表皮材Pは、第1方向D1において、中央部に近づくほど硬くなるとともに、中央部から離れるほど柔らかくなる。
次に、座席用表皮材Pの製造方法について説明する。
図3(a)に示すように、座席用表皮材Pの製造に用いられる金型装置50は、意匠金型51と裏金型としての熱板56とを備える。意匠金型51は、適宜の加熱機構(図示略)により加熱された状態にあり、平面状に広がる第1ベース面52から突出する第1型押部53が設けられている。この第1型押部53は、第1方向D1(図示左右方向)に等間隔で並設されて第2方向D2(同図において紙面に直交する方向)に延びる複数の四角柱状の突部54を有する。これら複数の突部54は、互いに同等の幅寸法及び突出長に設定されている。
一方、熱板56は、適宜の加熱機構(図示略)により加熱された状態にあり、平面状に広がる第2ベース面57から突出する第2型押部58が設けられている。この第2型押部58は、第1方向D1における中央部に配設されて第2方向D2に延びる四角柱状の第1突部59aを有するとともに、該第1突部59aの第1方向D1における両側に配設されて第2方向D2に延びる一対の四角柱状の第2突部59bを有する。また、第2型押部58は、両第2突部59bの第1方向D1における両側に配設されて第2方向D2に延びる一対の四角柱状の第3突部59cを有する。これら第1〜第3突部59a〜59cは、その順番で突出長が段階的に短くなるように設定されている。また、第1方向D1で隣り合う第1〜第3突部59a〜59c同士は、当該第1方向D1で繋がるように一体化されている。つまり、第2型押部58は、第1方向D1における両側から中央に向かって段階的に台状に突出するように成形されている。なお、第1〜第3突部59a〜59cの各々の第1方向D1における範囲は、いずれか一つの突部54を含むように設定されている。
座席用表皮材Pの素材となる板材60は、裏地22側から熱板56上に載せられた状態で意匠金型51との間に配置される。第1型押部53及び第2型押部58は、対向方向に見て、即ち板材60の挟み方向D3(図示上下方向)に見て互いに異なる形状を呈することはいうまでもない。
そして、座席用表皮材Pの製造においては、意匠金型51と熱板56との間に板材60を挟んで、第1型押部53及び第2型押部58により板材60を加熱押圧する工程を備える。このとき、意匠金型51の第1ベース面52が板材60の意匠金型51に対向する意匠面60aに接触しないよう意匠金型51及び熱板56の離間距離が設定されている。また、板材60の裏面60b全体が熱板56に接触するように意匠金型51及び熱板56の離間距離が設定されている。
これにより、図3(b)に示すように、板材60の少なくとも意匠面60aに凹部25(長溝25a〜25e)を形成しつつ、表地21、裏地22及びクッション材23が互いに熱融着して座席用表皮材Pが製造される。従って、座席用表皮材Pは、凹部25の配置部位で圧縮された状態にある。凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teが最小となる長溝25cは、第2ベース面57からの突出長が最大となる第1突部59aで形成されている。凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teが中間となる長溝25b,25dは、第2ベース面57からの突出長が中間となる第2突部59bで形成されている。凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teが最大となる長溝25a,25eは、第2ベース面57からの突出長が最小となる第3突部59cで形成されている。
なお、同図では、凹部25が意匠面60aのみに形成されるように座席用表皮材Pの断面形状を描いている。しかしながら、例えば、裏地22の材料によっては、凹部25に引っ張られて裏面60bに同様の凹部が形成されることがある。或いは、第2型押部58による加熱押圧によって裏面60bに凹部が形成されることがある。そして、裏面60bの当該凹部に引っ張られて意匠面60aに同様の凹部が形成されることがある。つまり、意匠面60aには、第1型押部53及び第2型押部58の協働による立体的な模様が付与されることがある。ただし、裏面60bの凹部の有無に関わらず、凹部25(長溝25a〜25e)の配置部位に応じて変化する前述の座席用表皮材Pの厚みta〜teの関係は不変である。
ここで、意匠金型51の第1型押部53(突部54)の突出長は、0.1〜15mmに設定することが好ましい。第1型押部53の突出長が0.1〜15mmであれば、ストライプ柄に限らず、ボーダーや市松、ランダムなど任意の立体的な模様を実現できる。熱板56の第2型押部58の各隣り合う第1〜第3突部59a〜59c間の起伏(段差)は、数mm程度に設定することが好ましい。
また、意匠金型51及び熱板56の型温度は、60〜200℃に設定することが好ましい。さらに、意匠金型51及び熱板56による型押時間は、20〜180秒に設定することが好ましい。例えば、型温度が180℃であるときに型押時間を60秒に設定することがより好ましい。
また、意匠金型51及び熱板56の素材は特に限定されない。例えば、機械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼に分類される特殊鋼、非鉄材料の超硬合金、アルミニウム合金、銅合金等を好適に挙げることができる。
一方、板材60のクッション材23の厚みは、3〜12mmに設定することが好ましい。クッション材23の厚みが12mm以上になると、第1型押部53(突部54)の突出長を大きくすることが必要になって好ましくない。また、クッション材23の比重は、20〜60Kg/m3に設定することが好ましい。クッション材23の比重が60Kg/m3以上になると、全体のフィーリングが硬くなり、座席用表皮材Pとして硬くなって好ましくない。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態では、座席用表皮材Pの意匠は、主として第1型押部53による加熱押圧によって板材60の意匠面60aに形成される凹部25(長溝25a〜25e)の外観によって決定される。一方、座席用表皮材Pの硬さは、第1型押部53及び第2型押部58による加熱押圧によって縮小する板材60の厚みによって決定される。第1型押部53及び第2型押部58は、板材60の挟み方向D3に見て互いに異なる形状を呈することで、例えば、凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teは、凹部25(長溝25a〜25e)の配置部位に応じて変化する。このため、例えば、板材60の意匠面60aに形成される凹部25の外観を変更しなくても、該凹部25の配置部位に応じて板材60の厚み、即ち硬さを変更できる。このように、座席用表皮材Pの意匠の制約を抑制しつつその硬さを調整できる。つまり、座席用表皮材Pのクッション性が必要な部分には板材60(クッション材23)の厚みを残しながらも、座席用表皮材Pに立体的な模様(エンボス模様)を付与できる。
(2)本実施形態では、クッション表皮材14(座席用表皮材P)の凹部25の最深部における厚みは、シートクッション11の幅方向(第1方向D1)において、中央部の方が両端部よりも小さく設定されている。従って、シートクッション11(主サポート部12)は、単純に考えれば、幅方向における中央部で相対的に硬くなり、幅方向における両端部で相対的に柔らかくなる。従って、シートクッション11(主サポート部12)は、幅方向における中央部で着座者をより堅固に保持でき、幅方向における両端部で着座者をより快適に保持できる。
同様に、クッション表皮材14(座席用表皮材P)の凹部25の最深部における厚みは、シートバック16の幅方向(第1方向D1)において、中央部の方が両端部よりも小さく設定されている。従って、シートバック16(主サポート部17)は、単純に考えれば、幅方向における中央部で相対的に硬くなり、幅方向における両端部で相対的に柔らかくなる。従って、シートバック16(主サポート部17)は、幅方向における中央部で着座者をより堅固に保持でき、幅方向における両端部で着座者をより快適に保持できる。
(3)本実施形態では、熱板56が第1〜第3突部59a〜59cにより起伏を有することで、座席用表皮材P(クッション表皮材14、バック表皮材19)の凹凸感や板材60(クッション材23)の残厚を部分的にコントロールでき、座席シート10の座り心地やホールド性をより向上できる。
また、座席用表皮材P(クッション表皮材14、バック表皮材19)の凹部25(長溝25a〜25e)の深さを部分的にコントロールでき、装飾性に優れたメリハリのある意匠を実現できる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の座席用表皮材Pの製造方法を変更した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図4に示すように、座席用表皮材Pの製造に用いられる金型装置70は、意匠金型としての意匠ロール71と裏金型としての受けロール76とを備える。意匠ロール71は、適宜の加熱機構(図示略)により加熱された状態にあり、円筒状に広がる第1ベース面72から突出する第1型押部73が設けられている。この第1型押部73は、一方向である第1方向D11(図示左右方向であって座席シート10の幅方向に相当)に等間隔で並設されて周方向の全長に亘って延びる複数の円環状の突部74を有する。これら複数の突部74は、互いに同等の幅寸法及び突出長に設定されている。なお、突部74の周方向を直線状に展開したときの延長方向は、クッション表皮材14にあっては座席シート10の前後方向、バック表皮材19にあっては座席シート10の上下方向に相当する。
一方、受けロール76は、適宜の加熱機構(図示略)により加熱された状態にあり、円筒状に広がる第2ベース面77から突出する第2型押部78が設けられている。この第2型押部78は、第1方向D11における中央部に配設されて周方向の全長に亘って延びる円環状の第1突部79aを有するとともに、該第1突部79aの第1方向D11における両側に配設されて周方向の全長に亘って延びる一対の円環状の第2突部79bを有する。また、第2型押部78は、両第2突部79bの第1方向D11における両側に配設されて周方向の全長に亘って延びる一対の円環状の第3突部79cを有する。これら第1〜第3突部79a〜79cは、その順番で突出長が段階的に短くなるように設定されている。また、第1方向D11で隣り合う第1〜第3突部79a〜79c同士は、当該第1方向D11で繋がるように一体化されている。つまり、第2型押部78は、第1方向D11における両側から中央に向かって段階的にフランジ状に突出するように成形されている。なお、第1〜第3突部79a〜79cの各々の第1方向D11における範囲は、いずれか一つの突部74を含むように設定されている。
座席用表皮材Pの製造においては、回転状態にある意匠ロール71及び受けロール76の間に板材60に準じた構造の長尺状の板材80を通過させる工程を備える。すなわち、意匠ロール71と受けロール76との間に板材80を挟んで、第1型押部73及び第2型押部78により板材80を加熱押圧する工程を備える。第1型押部73及び第2型押部78は、板材80の挟み方向D13(図示上下方向)に見て互いに異なる形状を呈することはいうまでもない。
このとき、意匠ロール71の第1ベース面72が板材80の意匠ロール71に対向する意匠面に接触しないよう意匠ロール71及び受けロール76の離間距離が設定されている。また、板材80の裏面全体が受けロール76に接触するように意匠ロール71及び受けロール76の離間距離が設定されている。
このような製造方法であっても、同様に座席用表皮材Pが製造される(図3参照)。本実施形態では、凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teが最小となる長溝25cは、第2ベース面77からの突出長が最大となる第1突部79aで形成されている。凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teが中間となる長溝25b,25dは、第2ベース面77からの突出長が中間となる第2突部79bで形成されている。凹部25の最深部における座席用表皮材Pの厚みta〜teが最大となる長溝25a,25eは、第2ベース面77からの突出長が最小となる第3突部79cで形成されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、回転状態にある意匠ロール71及び受けロール76の間に長尺状の板材80を通過させることで、効率的に座席用表皮材Pを製造できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・前記第1の実施形態において、第2型押部58(第1〜第3突部59a〜59c)の形状は、座席用表皮材Pの各部位に要求される硬さに合わせて任意に変更してもよい。例えば、第1型押部53の各突部54の中間位置に、隣り合う第1〜第3突部59a〜59cの境界位置が配置されてもよい。或いは、隣り合う突部54の間に、隣り合う第1〜第3突部59a〜59cの境界位置が配置されてもよい。要は、板材60の挟み方向D3に見て第1型押部53とは異なる形状を呈していればよい。ただし、第2型押部58の先端面は、少なくとも一部が平坦面であることが好ましい。
・前記第2の実施形態において、第2型押部78(第1〜第3突部79a〜79c)の形状は、座席用表皮材Pの各部位に要求される硬さに合わせて任意に変更してもよい。例えば、第1型押部73の各突部74の中間位置に、隣り合う第1〜第3突部79a〜79cの境界位置が配置されてもよい。或いは、隣り合う突部74の間に、隣り合う第1〜第3突部79a〜79cの境界位置が配置されてもよい。要は、板材80の挟み方向D13に見て第1型押部73とは異なる形状を呈していればよい。ただし、第2型押部78の先端面は、少なくとも一部が円周面であることが好ましい。
・前記第2の実施形態において、意匠ロール71及び受けロール76は、温度設定を個別に行うことが好ましい。
・前記第2の実施形態において、意匠ロール71及び受けロール76の素材は特に限定されない。例えば、機械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼に分類される特殊鋼、非鉄材料の超硬合金、アルミニウム合金、銅合金等を好適に挙げることができる。
・前記各実施形態において、クッション表皮材14(座席用表皮材P)の凹部25の最深部における厚みは、シートクッション11の幅方向(第1方向D1)において、中央部の方が両端部よりも大きく設定されてもよい。同様に、バック表皮材19(座席用表皮材P)の凹部25の最深部における厚みは、シートバック16の幅方向(第1方向D1)において、中央部の方が両端部よりも大きく設定されてもよい。
・前記各実施形態において、第1型押部53,73の形状は、座席用表皮材Pに付与する立体的な模様に合わせて任意に変更してもよい。
・前記各実施形態において、座席用表皮材Pの凹部25は、互いに独立した複数の凹みで構成されていてもよいし、模様を描く一続きの凹みで構成されていてもよい。要は、凹部25の最深部における厚みが該凹部25の配置部位に応じて変化するのであればよい。
・前記各実施形態において、座席用表皮材Pの表地21(意匠面60a)に、第1型押部53,73及び第2型押部58,78の協働による立体的な模様を付与してもよい。つまり、座席用表皮材Pの表地21に、第1型押部53,73による立体的な模様に加えて、第2型押部58,78による立体的な模様を付与してもよい。これにより、座席用表皮材Pの意匠の自由度をより向上させることができる。
・前記各実施形態において、座席用表皮材Pに付与する立体的な模様は任意に変更してもよい。例えば、座席用表皮材Pに付与する立体的な模様は、縦ストライプ柄に限らず、横ストライプ柄、斜めストライプ柄、網目模様、水玉模様及びそれらの組み合わせであってもよい。
・前記各実施形態において、座席用表皮材Pは、シートクッション11及びシートバック16のいずれか一方のみに使用されるものであってもよい。
・前記各実施形態において、座席用表皮材Pは、バス、鉄道等の車両の座席シートや、ソファ、座椅子等の家具のシート等に使用されるものであってもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記意匠金型及び前記裏金型は、前記第1ベース面及び前記第2ベース面がそれぞれ平面状である座席用表皮材の製造方法。
(ロ)上前記意匠金型及び前記裏金型は、それぞれ回転状態にある意匠ロール及び受けロールである座席用表皮材の製造方法。
P…座席用表皮材、11…シートクッション(保持部)、16…シートバック(保持部)、24,60a…意匠面、25…凹部、50,70…金型装置、51…意匠金型、52,72…第1ベース面、53,73…第1型押部、56…熱板(裏金型)、57,77…第2ベース面、58,78…第2型押部、60,80…板材、76…受けロール(裏金型)。

Claims (4)

  1. 第1ベース面から突出する複数の第1型押突部を有する第1型押部が設けられた加熱状態の意匠金型と、第2ベース面から突出する複数の第2型押突部を有する第2型押部が設けられた加熱状態の裏金型との間に板材を挟んで、前記第1型押部及び前記第2型押部により前記板材を加熱押圧して該板材の少なくとも前記意匠金型に対向する意匠面に凹部を形成する加熱押圧工程を備え、
    前記第1型押部及び前記第2型押部は、前記板材の挟み方向に見て互いに異なる形状を呈し、
    前記板材を挟んだ状態の前記意匠金型と前記裏金型では、対向する前記第1型押部と前記第2型押部の間の距離は、複数の前記第1型押突部と複数の前記第2型押突部の配置部位に応じて変化している、座席用表皮材の製造方法。
  2. 前記加熱押圧工程では、前記第1ベース面が前記板材に接触せず、前記板材全体が前記裏金型に接触するように、前記意匠金型及び前記裏金型の離間距離が設定されている、請求項1に記載の座席用表皮材の製造方法。
  3. 座席用表皮材の製造に用いられる金型装置であって、
    第1ベース面から突出する複数の第1型押突部を有する第1型押部が設けられた加熱状態の意匠金型と、
    第2ベース面から突出する複数の第2型押突部を有する第2型押部が設けられた加熱状態の裏金型とを備え、
    前記第1型押部及び前記第2型押部は、対向方向に見て互いに異なる形状を呈し、
    前記意匠金型と前記裏金型とを対向配置した状態では、前記第1型押部と前記第2型押部の間の距離は、複数の前記第1型押突部と複数の前記第2型押突部の配置部位に応じて変化している、金型装置。
  4. 請求項3に記載の金型装置において、
    複数の前記第1型押突部は、互いに同等の突出長に形成されている、金型装置。
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