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JP6894063B2 - 健康管理介入支援情報生成のための基盤システム、及び同基盤システムを利用した薬剤管理介入支援情報生成システム - Google Patents
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JP6894063B2 - 健康管理介入支援情報生成のための基盤システム、及び同基盤システムを利用した薬剤管理介入支援情報生成システム - Google Patents

健康管理介入支援情報生成のための基盤システム、及び同基盤システムを利用した薬剤管理介入支援情報生成システム Download PDF

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本発明は、保険者による被保険者に対する健康管理介入を支援するための各種の健康管理介入支援情報を生成する基盤システム、及び当該基盤システムを利用した薬剤管理支援介入情報生成システムに関する。
近年、我が国における医療費は毎年約1兆円ずつ増加しており、政府統計によると平成26年度は40兆円を突破し、今後も増え続けることが予想されている。こうした状況の中、健康・医療戦略推進法(平成二十六年五月三十日法律第四十八号)が制定され、同法に基づいて健康・医療戦略推進本部が設置され、平成26年7月22日、同推進本部が作成した「健康・医療戦略」が閣議決定された。
閣議決定された「健康・医療戦略」には、我が国が直面する様々な課題に対する戦略的な対策の方針が幅広い視点から盛り込まれているが、その中で、医療費適正化を目指すことを目的として、レセプトを始めとする保険者が有する被保険者に関する各種の医療情報データを分析し、被保険者の健康面での課題を抽出した上で、保険者が実行すべき被保険者に対する健康管理介入内容を含めた計画「データヘルス計画」を策定することを保険者に求めている。
しかしながら、保険者である地方自治体、各健保組合等の現状を見ると、政府が求める計画の策定、実行には人員面及び財政面から大きな制約があり、被保険者に関する膨大な情報の中から、健康面で各種の問題を抱えている、或いは将来抱えそうな被保険者をピンポイントに特定し、かつそれぞれに適切な指導やアドバイス(これらを介入と呼ぶ)を行うことは極めて困難な状況にある。
従来、患者個人(被保険者)のレセプトデータや健康診断情報を基に、処方された薬剤の重複、いわゆる多剤の有無や、複数の病院でそれぞれ処方された薬剤を服用することに起因する副作用の有無等をシステムによって自動判定し、その結果を患者本人に通知する等の技術は、特許文献1〜6等によって提案されている。
しかしながらこうした従来技術のほとんどは、あくまで患者本人が自らの意思で利用するシステムに過ぎず、保険者が、個々の被保険者の実態を把握できるものではなく、ましてや被保険者全体の実態を保険者が統計的に把握することも出来ない。
また現在、保険者が保有する被保険者の各種医療情報データを用い、集団レベルで記述疫学的な課題を抽出するための様々なツールが開発されている。しかしながら、例えば健康面に不安を抱える被保険者であっても、日々の体調変化や生活習慣改善を行っているか否かによって将来の危険度や副作用の危険度等は大きく変わってくる。即ち、レセプトデータや健康診断結果のデータは、あくまで過去のデータであり、このデータのみを持って、現在或いは将来発生する問題や危険性を正確に予測することは難しい。
特開2015−015020号公報 特開2015−170019号公報 特開2015−084132号公報 特開2015−079492号公報 特開2014−174786号公報 特開2013−137775号公報
上記した政府の「健康・医療戦略」を実施するに際して、健康面や薬剤面で問題を抱えている、或いは将来的に抱えそうな被保険者に対し、保険者が適切なタイミングで、かつ具体的な健康管理介入を行うことができる有益な情報をいかに作り出すかが求められている。
本願発明は、「健康・医療戦略」に基づいて、保険者である自治体や各健保組合が、健康面で各種の問題を抱えている、或いは将来抱えそうな被保険者をピンポイントに特定し、かつそれぞれに適切な指導やアドバイスを行うことができるよう、保険者が保有する被保険者の各種医療情報データに加えて、被保険者の血圧や体重、運動量等の日々変化する健康関連データをリアルタイムで取得し、これらのデータを総合的に解析することによって個々の被保険者に対する適切な健康管理介入支援情報を生成するためのシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の第一の発明は、保険者による被保険者に対する各種の健康管理介入を支援するための情報を生成する基盤システムであって、被保険者に関するレセプト情報、健康診断の結果情報、がん検診の結果情報、問診の結果情報を含む医療情報を記録した保険者データベースと、被保険者が使用するIoT体重計、ウェアラブル端末、情報通信端末の少なくともいずれか1つと、前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末の少なくともいずれか1つから送信される情報を基にして、健康管理介入支援情報を生成する介入支援情報生成システムと、前記介入支援情報生成システムが構築されたサーバーと、前記介入支援情報生成システムが生成した前記健康管理介入支援情報を表示する表示端末とからなり、前記サーバーと、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末とはインターネット回線を通じて接続されている、ことを特徴とする。
また本願の第二の発明は、上記基盤システムを利用した受診頻度の管理介入支援情報を生成する受診頻度管理介入支援情報生成システムであって、前記受診頻度管理介入支援情報生成システムは、前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基にして、受診頻度が適正範囲内であるか否かを判断する受診頻度判定手段であり、前記受診頻度判定手段による判定結果を前記表示手段に表示する、ことを特徴とする。
さらに本願の第三の発明は、上記基盤システムを利用した薬剤管理介入支援情報を生成する薬剤管理介入支援情報生成システムであって、前記薬剤管理介入支援情報生成システムは、前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基にして、薬剤による副作用発生リスクを算定する副作用発生リスク算定手段であり、前記副作用発生リスクを前記表示端末に表示する、ことを特徴とする。
さらに本願の第四の発明は、上記基盤システムを利用した薬剤管理介入支援情報を生成する薬剤管理介入支援情報生成システムであって、前記薬剤管理介入支援情報生成システムは、前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基にして、頻回投与の有無、最適薬剤量、アドヒアランス及び予測残薬数のうち、少なくとも1つの情報を算出し、当該算出結果を前記表示端末に表示する、ことを特徴とする。
本願の第一発明によれば、保険者が有する被保険者に関する各種医療情報データと、リアルタイムで更新される被保険者の健康関連データとによって、被保険者ごとに種々の健康管理に関する最適・的確な介入支援情報を生成することで、保険者は、当該健康管理介入支援情報に基づいて、最適なタイミングで、効率的かつ効果的な各種の介入支援を限られた人員・予算の中で実施することができる。また、介入支援の対象となった被保険者は、保険者からの適切な指導・アドバイスを受けられることで自身の健康課題を解決し、重大疾病を未然に防止することができ、結果として我が国の医療費全体の適正化を図ることができる。
また本願の第一発明によれば、保険者が抱える被保険者全体の問題状況をマクロの統計データとして取得することができ、自治体単位、健保組合単位での施策立案等にも利用することができる。
上記のとおり本願の第一発明は、各種の介入支援情報を生成するための基盤システムであり、この基盤システムさえ構築されていれば、目的に応じた個別アプリケーションプログラムを適宜に組み込むことによって、それぞれ最適な介入支援情報を生成することができる。目的に応じた各種の介入支援情報の具体例としては、以下説明する本願の第二、第三発明に係る薬剤管理介入支援情報を始めとして、食生活改善管理介入支援情報、生活行動改善管理介入支援情報、ダイエット管理介入支援情報、健康診断受診管理介入支援情報、特定保健指導管理介入支援情報、歯科検診受診管理介入支援情報、がんを始めとする特定疾病に関する検診受診管理介入支援情報など、健康管理に関する各種の介入支援情報が挙げられる。
本願の第二発明は、上記第一発明を利用して、受診頻度が適正であるか否かを算出する受診頻度管理介入支援情報生成システムである。被保険者は、自身の健康状態に不安があると、ついつい頻繁に病院に行きたがるが、IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基に、健康状態に対して通院回数が適切であるか否かを判断し、過度な通院であると判断した場合には、その旨を表示するものである。これによって保険者は、例えば週3回通院している被保険者に対し、これを1回に減らしても良い、とアドバイスすることができる。逆に、日々の健康状態に対して通院回数が極端に少ない場合には、重篤化する前に通院回数を増やすよう促すことも出来る。この結果、医療費全体の適正化を図ることができる。
本願の第三発明は、上記第一発明を利用して、薬剤管理介入支援情報を生成するシステムであり、特に、副作用の発生リスクを算定するものである。従来技術においては、厚生労働省等が定めた飲み合わせによる副作用リスクに基づいて、単純にこれを表示するようにしているが、本願発明は、リアルタイムで更新される被保険者の健康関連データを利用し、体調変化や食生活の状況を加味して、飲み合わせによる副作用リスクのみならず、服用している薬が一種類であったとしても、被保険者の生活習慣や食事内容等の生活情報から副作用発生リスクを算出するものである。これによって保険者は、特定の被保険者の副作用リスクが高まっていることを情報として入手でき、当該被保険者に対し該当する薬剤の服用を控えるなど、極めて具体的に指導することができる。その結果、該当する被保険者の次回以降に処方される薬剤を適正量とすることができ、また被保険者に発生する副作用を未然に防止できるため、結果として医療費全体の適正化を図ることができる。
本発明の第四発明は、前記第三発明と同様に上記第一発明を利用した薬剤管理介入支援情報の生成システムであり、第三発明が副作用のリスクを算定する発明であるのに対し、本第四発明は、頻回投与の有無、最適薬剤量、アドヒアランス及び予測残薬数を算定するものである。IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基に、処方された薬剤が頻回投与であるか否か、処方された薬剤が適切量であるか否か、或いはアドヒアランス(薬を処方どおり服用しているか否か)、更には予測残薬数を算出するものである。これによって保険者は、特定の被保険者に対し、処方薬は現在の半分程度でも十分であるなど、極めて具体的にアドバイスすることができる。その結果、次回以降に処方される薬剤量を適正なものに導くことができ、結果として医療費全体の適正化を図ることができる。
本願発明の基本システム構成図 糖尿病の危険性を判断するアルゴリズムの一例 糖尿病リスク因子同定アルゴリズムの一例 脳卒中の再発危険性を判断するアルゴリズムの一例 受診頻度が適正かどうかを判断するアルゴリズムの一例(その1) 受診頻度が適正かどうかを判断するアルゴリズムの一例(その2) 糖尿病患者が服用している薬剤について、副作用の発生危険性を算定するアルゴリズムの一例 最適薬剤用量を算出するアルゴリズムの一例 残薬が発生していないかどうかを算出するアルゴリズムの一例
図1〜9を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお各実施形態は本願発明の範囲を限定的に解釈するためのものではなく、特許請求の範囲に記載された内容と発明の趣旨に基づいて、適宜に実施して良いことは言うまでもない。以下説明する本実施形態は、一例として一つの健康保険組合(以下、健保組合)内で実施することを想定したシステムとして説明する。
図1は、本願発明の基本となるシステム構成図である。図中1は、健保組合に加入する全組合員(被保険者全員)に係る個人のレセプトデータ、健康診断結果データ、がん検診結果データ、問診結果データが記録された医療情報データベース(保険者データベース)であり、図中2〜4は、それぞれ被保険者が使用するIoT体重計、ウェアラブル端末、情報通信端末(スマートフォン等)である。医療情報データベース1には、健保組合が有する被保険者個人の医療関連データの全てが記録されている。
図中10は、上記医療情報データベース1に記録されている情報と、IoT体重計2、ウェアラブル端末3、情報通信端末4から送信される日々のデータとを比較し、必要とする健康管理支援情報を生成する健康管理介入支援情報生成システムである。図中20は、当該健康管理介入支援情報生成システムが生成した各種の健康管理介入支援情報を表示する健保組合端末である。
IoT体重計2、ウェアラブル端末3、情報通信端末4は、疾病の有無、通院の有無に拘わりなく、被保険者全員に配布され、全員が日々使用し、必要情報を記録し、記録したデータを送信するものである。
本願発明は、基本システムとして作成する医療情報データベース1に健保組合が有する被保険者個人の医療関連データの全てを記録し、かつ被保険者個人の日々の体重、血圧、脈拍等の変化や、日々の食事内容、生活行動等をリアルタイムデータとして取得することにより、目的に応じて必要なデータを抽出して比較し、健保組合側が必要とする被保険者に対する健康管理介入支援情報を、適切なタイミングで、かつ具体的内容で生成するものである。
(第一実施形態)
本願発明の第一実施形態は、過去に一度も通院した経験(記録)も既往症も無く、会社で毎年実施する定期健康診断しか受診していない者を対象とした健康管理介入支援情報を生成するシステムである。
過去に通院した経験(記録)が無い被保険者の場合、医療情報データベース1には、レセプトデータは存在せず、健康診断(がん検診含む)の結果データと、問診データのみが記録されている。健康診断の結果、特定の疾病の可能性がある場合やメタボリックシンドロームにある者の場合には、精密検査の指示や特定保健指導の対象となるが、そうでない健康体の者の場合には、健康診断を受診しただけで終了する。
しかしながら、一般的に健康診断は年に1回程度しか実施されないため、翌年の健康診断までの間、本人の自覚の無いままに特定の疾病を患ってしまったり、メタボリックシンドロームになってしまうケースがあり、結果としてこれらを未然に防止することができない。
本願発明の第一実施形態は、上記した問題を解決するため、健康診断(がん検診含む)の結果データと問診データを基礎として、被保険者の日々の体重と、体温、血圧、脈拍、運動量、イビキの程度の少なくとも何れか一つを計測するとともに、日々の行動として睡眠時間、食事内容、服用しているサプリメント、服用している一般用医薬品、勤務時間、勤務時間帯、車の運転時間等を回答してもらうことにより、このままでは特定疾患を患ってしまう危険性や肥満の可能性等について判断するものである。
前記した日々の体重は、IoT体重計2で計測され、インターネット回線を通じて健康管理介入支援情報生成システム10に送信される。また、前記した日々の体温、血圧、脈拍、運動量、イビキの程度は、ウェアラブル端末2で自動計測され、インターネット回線を通じて健康管理介入支援情報生成システム10に送信される。また、日々の行動としての睡眠時間、食事内容、服用しているサプリメント、服用している一般用医薬品、勤務時間、勤務時間帯、車の運転時間は、スマートフォン4にダウンロードした回答アプリによって回答し、その回答結果はインターネット回線を通じて、健康管理介入支援情報生成システム10に送信される。
第一実施形態に係る健康管理介入支援情報生成システム10は、健康診断時に計測した被保険者の身長、体重、血圧、脈拍や問診結果と、日々の測定データ、日々の回答とを比較し、このままの生活を続けていた場合、例えば高血圧症や糖尿病を患ってしまう危険性やメタボリックシンドロームになってしまう危険性、睡眠時無呼吸症になってしまう危険性等について判断するものである。
図2、図3は、糖尿病を発症する危険性を判断するアルゴリズムの一例である。糖尿病発症に関する既知の医学研究結果と、医療情報データベース1に蓄積されている血糖値(HbA1c)などの検査値(健康診断結果)、家族歴、過去の病歴、年齢などの被保険者の個別情報、スマートフォン4から送信される日々の食習慣、IoT体重計2から送信される日々の体重、ウェアラブル端末3から送信される日々の活動量をインプット情報として分析し、1、3、5年後などの未来に、糖尿病が発症する(HbA1cが糖尿病基準値以上になる)リスク因子を算出する。
既知の医学研究では運動習慣のない者は習慣のある者とくらべて7年間で2倍以上糖尿病発症のリスクがあることが知られている。例えば定期健康診断の結果、血糖値が5.4である50代男性の被保険者であって、現在は健康であるが家族歴として実父が糖尿病に罹患しており、運動習慣がなく、また食習慣でも糖分が多く含まれた炭酸飲料を毎日飲んでおり、日々の体重測定により増加傾向を示していた者がいたとする。この場合、上述の情報をインプット情報として計算すると、翌年の血糖値が5.8、3年後が7.3、5年後が7.7のように予測することが可能となる。
被保険者の翌年のHbA1c検査値は、年齢、性別、過去受診歴、問診票回答にある健康意図、服薬履歴、検査値等を用いることで、特に閾値分類では高精度に予測可能である。本願発明では、被保険者の過去5年間の特定健診受診結果のデータから、問診票と検査値の数値を用いて機械学習による分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定する。機械学習で用いる手法は、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰、ディープラーニングなどを複合的に組み合わせることで、最適な予測モデルを設計する。また、受診率予測アルゴリズムと同様に、過去に実施した自治体で蓄積されたデータセットを学習用に用いて、より精度の高い予測結果が出るように設計できる。
また本システムは、被保険者が本システムを使うごとに、健康管理介入支援情報生成システム10に医療情報データが蓄積されることで、より精度が向上するようなシステム構造となっている。なお、当該アルゴリズムはあくまで一例であり、その他様々な方法によって危険性を判断することができる。
前記判断の結果は、健康管理介入支援情報として健保組合端末20に送信され、その具体的内容が端末上に表示されることで、保健指導員等は被保険者に対して、日々の食事、生活行動を改めるよう具体的な注意喚起を行うことができ、疾病や肥満を未然に防止することができる。また、場合によっては早期に精密検査を受診すべくアドバイスし、重篤化することを未然に防止することができる。なお判断結果は、被保険者本人の端末(スマートフォン4等)に送信しても良い。
本実施形態では、前記した特定疾患やメタボリックシンドローム等の判断以外にも、そもそも、健康診断(歯科検診、がん検診を含む)を受診しない被保険者への受診催促介入支援情報の生成も行うことができる。この場合、健保組合で実施する各種の健康診断の実施日データを別途入力し、当該健康診断実施日以降に、健康診断受診のデータが存在しない場合、健康診断受診催促介入支援情報を生成する。
(第二実施形態)
本願発明の第二実施形態は、過去に通院した経験(記録)や既往症はあるが、現在は回復している者を対象とした健康管理介入支援情報を生成するシステムである。既往症には、過去にメタボリックシンドロームと判定され、特定保健指導等によってダイエットに成功した者も含まれる。
第二実施形態のシステム構成は、図1に示す第一実施形態と基本的に同じであるが、本実施形態に係る健康管理介入支援情報生成システム10は、特に既往症の再発危険性を判断するものである。
図4は、過去に脳卒中を患ったことのある被保険者の再発危険性を判断するアルゴリズムの一例である。脳卒中の発生リスクは高血圧、血糖、脂質異常などが知られているが、既知の医学研究の結果と、医療情報データベース1に蓄積されている被保険者の血圧、血糖、脂質などの検査値、スマートフォン4から送信される生活習慣、ウェアラブル端末3から送信される日々の血圧、脈拍などの情報をインプット情報として分析し、脳卒中の再発危険性を判断する。なお、当該アルゴリズムはあくまで一例であり、その他様々な方法によって再発危険性を判断することができる。
前記判断の結果は、健康管理介入支援情報として健保組合端末20に送信され、その具体的内容が端末上に表示されることで、保健指導員等は被保険者に対して、既往症の再発防止のための具体的な注意喚起を行うことができ、再発を未然に防止することができる。また、場合によっては早期に精密検査を受診すべくアドバイスし、重篤化することを未然に防止することができる。なお判断結果は、被保険者本人の端末(スマートフォン4等)に送信しても良い。
既知の医学研究では過去に脳卒中を患ったことのある者のうち、年間約5%は再発することが知られている。例えば医療情報データベースから2年前に脳卒中を患った60代の男性が、定期健康診断の結果、脂質に関する検査値が異常値で、服薬はしているがウェラブル端末から送信される日々の血圧が1ヶ月間連続して高値を示しているとする。このような状態で定期健診後、半年以上医療機関の受診履歴が医療情報データベース上で確認されなかった場合、再発の危険性が高いと判定する。判定した結果は、健保組合端末20に送信するとともに、本人の端末(スマートフォン4等)にも送信し、医療機関への早期受療勧奨を行うことができる。
また、上記例では既往症再発危険性を主体としているが、既往症以外の危険性判断については、第一実施形態と同様のアルゴリズムの採用によって実施することができる。
(第三実施形態)
本願発明の第三実施形態は、図1で示した基本システムを利用し、健康管理介入支援情報として受診頻度が適切か否かを判断し、これを健保組合端末20に送信するようにしたものである。本第三実施例が適用される被保険者は、医療情報データベース1に直近に複数の通院記録が存在する被保険者、即ち、現在通院している病人である。
被保険者は、自身の健康状態に不安があると、ついつい頻繁に病院に行きたがるが、IoT体重計2、ウェアラブル端末3、情報通信端末4から送信される情報を基に、健康状態に対して通院回数が適切であるか否かを判断し、過度な通院であると判断した場合には、その旨を表示するものである。逆に、日々の健康状態に対して通院回数が極端に少ない場合には、重篤化する前に通院回数を増やすよう促すことも出来る。
図5は、受診頻度が適正かどうかを算定するアルゴリズムの一例である。医療情報データベース1に蓄積されている被保険者の通院情報、レセプトデータの診療情報、健診の結果情報、IoT体重計2及びウェアラブル端末3から送られてくる日々のデータから体調の変化を把握し、大きな体調変化が無いにも拘わらず、単月のレセプトデータから、外来で2枚以上のレセプトの実日数が15日以上であった場合、頻回受診と判断する。
また、図6は、上記頻回とは逆に、医療機関への受診が必要であるにも拘わらず受診が確認されておらず、早期受診の必要性を判断するアルゴリズムの一例である。レセプトデータに蓄積されている過去の既往歴と、健診結果から数値に医療上の異常があり、過去に定期通院していたにも拘わらず、レセプトデータから通院情報が存在しない場合、通院必要と判断する。
前記判断の結果は、健康管理介入支援情報として健保組合端末20に送信され、その具体的内容が表示されることで、保健指導員等は被保険者に対して、通院回数の削減又は通院するよう指示することができる。なお、上記アルゴリズムはあくまで一例であり、その他様々な方法によって頻回受診又は通院の必要性を判断することができる。
(第四実施形態)
本願発明の第四実施形態は、図1で示した基本システムを利用し、健康管理介入支援情報として薬剤による副作用発生リスクを算定し、これを健保組合端末20に送信するようにしたものである。本第四実施例が適用される被保険者は、第三実施形態と同様に、基本的に医療情報データベース1に直近の薬剤レセプトデータが記録されている被保険者、即ち、現在通院しており、かつ処方薬を服用している病人である。
薬剤による副作用は、服用する者の体質、体調、生活習慣、他の薬剤との飲み合せ等、様々な要因によって発生する。標準的な体質、標準的な体調、標準的な生活の場合と、そうでない場合には、当然ながら副作用の発生リスクは異なってくる。
本第四実施例は、現在の病名と、食事内容や生活行動等を基礎として、服用している薬剤による副作用が発生するリスクについて算定し、そのリスクを健保組合端末20に送信することにより、保健師等による指導を可能とするものである。
図7は、糖尿病患者が服用している薬剤について、副作用の発生危険性を算定するアルゴリズムの一例である。医療情報データベース1に蓄積されているレセプト情報から、被保険者が糖尿病患者であるか否かを特定し、糖尿病患者であった場合、レセプトから把握できる医薬品情報と、スマートフォン4から伝達された被保険者の生活習慣状況から、副作用の発生を予測し、事前に回避措置などを健保組合端末20に表示するものである。
具体的には、スルホニルウレア系薬剤などで生じるとされる低血糖リスクは、過度な運動や、空腹時に起きやすいことが知られており、日々送られてくる被保険者の食事の状況や、運動などの身体活動の情報から、今後低血糖の副作用が起きやすくなる可能性を判定する。低血糖の可能性がある場合、健保組合端末20に被保険者に対するぶどう糖の摂取や、安静にすることなどを伝達する。緊急性を要する場合には、直接、被保険者本人のスマートフォン4に通知しても良い。
また、低血糖が起きていない場合も、スマートフォン4を通じて副作用が起きていないか対象者に確認してもらい、副作用の発生状況をモニタリングしてもよい。これらの服薬状況や、副作用の発生状況などは、次回医療機関を受診した際に、被保険者が医者や薬剤師等にスマートフォン4に表示された内容(お薬手帳のようなイメージ)を見せることで情報を共有し、被保険者の治療に役立てることができる。
なお副作用の発生危険性は、その危険度に応じて段階的に表示したり、或いは確率として表示しても良い。具体的には、上記アルゴリズムにおいて報告された副作用情報を基に、ROR(Reporting odds ratio)や、PRR(Proportional Reporting ratio)など、薬剤疫学で用いられる一般的な指標を用いることで、該当薬剤の副作用の起きやすい確率を算出し、その数値に基づいて危険度を表示しても良い。また上記したアルゴリズムはあくまで一例であり、その他様々な方法によって副作用の発生危険性を判断することができる。
(第五実施形態)
本願発明の第五実施形態は、第四実施形態と同様に、適用される被保険者が基本的に医療情報データベース1に直近の薬剤レセプトデータが記録されている被保険者、即ち、現在通院しており、かつ処方薬を服用している病人である。
第五実施形態で生成する健康管理介入支援情報が第四実施形態のそれと相違する点は、頻回投与の有無、最適薬剤量、アドヒアランス及び予測残薬数のうち、少なくとも1つの情報を算出する点である。なお、アドヒアランスとは、処方された薬剤を医師の指示に従って正しく服用しているか否かを意味する用語である。
本第五実施例は、現在の病名と、IOT体重計2及びウェアラブル端末3から送られてくる体重、体温、血圧、脈拍と、スマートフォン4から送られてくる日々に行動の内、処方薬の服用量及び服用回数を比較して、頻回投与の有無、最適薬剤量、アドヒアランス及び予測残薬数を算出するものである。
図8は服薬している被保険者の薬剤服用量又は服用回数が、適切であるか否かを判定するアルゴリズムの一例である。医療情報データベース1に蓄積されている被保険者のレセプトデータから、現在服薬している薬剤を特定し、被保険者が当該薬剤を決められた用法ではなく、誤って多く服用している状況等をスマートフォン4からの回答で把握し、大量服用或いは多数回服用の場合、副作用発生の可能性が高まる可能性を健保組合端末20にその旨を通知する。
また、図9は、残薬が発生していないかどうかを算出するアルゴリズムの一例である。医療情報データベース1に蓄積されている被保険者のレセプトデータから、治療を受けた医療機関と、受診日、投薬日数が特定でき、被保険者が処方された投薬日数より前に再度受診して投薬を受けた場合や、スマートフォン4からの回答によって食事の回数が三食ではない、或いは服薬していない等の回答結果から、残薬の発生可能性を判断し、健保組合端末20にその旨を通知する。なお、当該アルゴリズムはあくまで一例であり、その他様々な方法によって受診頻度の適正度を判断することができる。
最適薬剤量やアドヒアランス及び予測残薬数についても、上記各アルゴリズムと同様の考え方に基づいてそれぞれ算出することができ、算出されたデータは、健康管理介入支援情報として健保組合端末20に送信され、保健師等による指導介入の基礎情報とすることができる。なお、当該算出されたデータは、被保険者個人のスマートフォン4に送信しても良い。
上記第四、第五実施形態において、薬剤管理介入支援情報生成システムは、服用している薬剤の薬効が重複する多剤であるか否か及び/又は併用禁忌薬剤であるか否かをチェックする薬剤チェックシステムを有していても良い。通常、同じ医師によって処方される薬剤が多剤又は併用禁忌薬剤となることは無いが、複数の病院に通院し、或いは複数の医師によって診断された結果、それぞれ処方された薬剤が多剤又は併用禁忌薬剤となることがある。
この場合、前記薬剤チェックシステムが、薬剤レセプトデータから多剤及び/又は併用禁忌薬剤であると判定した場合、その判定結果を健保組合端末20に表示する。また当該判定結果は、被保険者個人のスマートフォン4にも送信し、画面に表示された結果を処方薬局の薬剤師に提示して、多剤又は併用禁忌薬剤の問題を直接解決してもらっても良い。
以上のとおり本願発明によれば、基本システムとして作成する医療情報データベース1に健保組合が有する被保険者個人の医療関連データの全てを記録し、かつIOT体重計2、ウェアラブル端末3、情報端末4を用いて被保険者個人の日々の体重、血圧、脈拍等の変化や、日々の食事内容、生活行動等をリアルタイムデータとして取得することにより、目的に応じて必要なデータを抽出して比較し、健保組合側が必要とする被保険者に対する健康管理介入支援情報を、最適なタイミングで、かつ具体的に生成することができる。
1 医療情報データベース(保険者データベース)
2 IOT体重計
3 ウェアラブル端末
4 情報通信端末(スマートフォン)
10 健康管理介入支援情報生成システム
20 健保組合端末

Claims (11)

  1. 保険者による被保険者に対する各種の健康管理介入を支援するための情報を生成する基盤システムであって、
    被保険者に関するレセプト情報、健康診断の結果情報、がん検診の結果情報、問診の結果情報を含む医療情報を記録した保険者データベースと、
    被保険者が使用するIoT体重計、ウェアラブル端末、情報通信端末の少なくともいずれか1つと、
    前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末の少なくともいずれか1つから送信される情報を基にして、健康管理介入支援情報を生成する介入支援情報生成システムと、
    前記介入支援情報生成システムが構築されたサーバーと、
    前記介入支援情報生成システムが生成した前記健康管理介入支援情報を表示する表示端末とからなり、
    前記サーバーと、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末とはインターネット回線を通じて接続されている、
    ことを特徴とする健康管理介入支援情報を生成するための基盤システム。
  2. 前記ウェアラブル端末は、被保険者の日々の体温、血圧、脈拍、運動量、イビキの少なくとも何れか一つを計測し、当該計測結果データを前記サーバーに送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の健康管理介入支援情報を生成するための基盤システム。
  3. 前記情報通信端末は、被保険者が日々の行動に関する質問への回答結果を記録し、当該回答結果のデータを前記サーバーに送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の健康管理介入支援情報を生成するための基盤システム。
  4. 前記日々の行動とは、睡眠時間、食事内容、処方薬の服用量及び服用回数、服用しているサプリメント、服用している一般用医薬品、勤務時間、勤務時間帯、車の運転時間を含む、
    ことを特徴とする請求項3に記載の健康管理介入支援情報を生成するための基盤システム。
  5. 前記健康管理介入支援情報は、食生活改善管理介入支援情報、生活行動改善管理介入支援情報、ダイエット管理介入支援情報、健康診断受診管理介入支援情報、受診頻度管理介入支援情報、薬剤管理介入支援情報、特定保健指導管理介入支援情報、歯科検診受診管理介入支援情報、がんを始めとする特定疾病に関する健診受診管理介入情報の少なくともいずれか1つである、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の健康管理介入支援情報を生成するための基盤システム。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の基盤システムを利用した受診頻度の管理介入支援情報を生成する受診頻度管理介入支援情報生成システムであって、
    前記受診頻度管理介入支援情報生成システムは、
    前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基にして、受診頻度が適正範囲内であるか否かを判断する受診頻度判定手段であり、
    前記受診頻度判定手段による判定結果を前記表示手段に表示する、
    ことを特徴とする受診頻度管理介入支援情報生成システム。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の基盤システムを利用した薬剤管理介入支援情報を生成する薬剤管理介入支援情報生成システムであって、
    前記薬剤管理介入支援情報生成システムは、
    前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基にして、薬剤による副作用発生リスクを算定する副作用発生リスク算定手段であり、
    前記副作用発生リスクを前記表示端末に表示する、
    ことを特徴とする薬剤管理介入支援情報生成システム。
  8. 前記副作用発生リスクは、確率又は危険度ランクで表示される、
    ことを特徴とする請求項7に記載の薬剤管理介入支援システム。
  9. 前記薬剤管理介入支援情報生成システムは、服用している薬剤の薬効が重複する多剤であるか否か及び/又は併用禁忌薬剤であるか否かをチェックする薬剤チェックシステムを更に有し、
    前記薬剤チェックシステムが、多剤及び/又は併用禁忌薬剤であると判定した場合、その判定結果を前記表示端末に表示する、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の薬剤管理介入支援システム。
  10. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の基盤システムを利用した薬剤管理介入支援情報を生成する薬剤管理介入支援情報生成システムであって、
    前記薬剤管理介入支援情報生成システムは、
    前記保険者データベースに記録されている被保険者の前記医療情報を基に機械学習によって被保険者の分類予測を行い、被保険者が要指導対象となるかどうかを判定し、当該判定結果と、前記IoT体重計、前記ウェアラブル端末、前記情報通信端末から送信される情報を基にして、頻回投与の有無、最適薬剤量、アドヒアランス及び予測残薬数のうち、少なくとも1つの情報を算出し、
    当該算出結果を前記表示端末に表示する、
    ことを特徴とする薬剤管理介入支援情報生成システム。
  11. 前記薬剤管理介入支援情報生成システムは、服用している薬剤の薬効が重複する多剤であるか否か及び/又は併用禁忌薬剤であるか否かをチェックする薬剤チェックシステムを更に有し、
    前記薬剤チェックシステムが、多剤及び/又は併用禁忌薬剤であると判定した場合、その判定結果を前記表示端末に表示する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の薬剤管理介入支援システム。
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