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JP6896582B2 - 表示用ラベル - Google Patents
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JP6896582B2 - 表示用ラベル - Google Patents

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Description

本発明は、表示用ラベルに関するものであり、特に医療用器具や医薬品容器への貼付に好適な表示用ラベルに関するものである。
シリンジ等の医療用器具や、医薬品が収容される医薬品容器といった医療用製品では、当該器具や容器の材料として、従来はガラス製のものが用いられてきた。しかしながら、使用時の煩雑さや流通コスト等の観点から、近年、樹脂製の材料に変更されることが多くなっている。
このような樹脂製の医療用製品に対して従来の表示用ラベルを使用した場合、当該表示用ラベルが備える粘着剤層から溶出する粘着成分によって、医療用製品が汚染される懸念が存在する。特に、医療用製品が樹脂製であることにより、当該粘着成分が内部にまで浸透する可能性もある。このような粘着成分による汚染を抑制するため、粘着剤層から粘着成分が溶出し難い表示用ラベルの開発が進められている。
例えば、特許文献1には、上述のような表示用ラベルに用いられる粘着テープとして、粘着テープからの総揮発性有機化合物(TVOC)の放散量が、粘着剤層の面1cm当たり、n−デカン換算量として1.0μg以下である粘着テープが開示されている。
特開2016-141724号公報
ところで、医療用製品に係る器具や容器の材料として、コスト低減の観点から、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂を使用することが検討されている。しかしながら、オレフィン系樹脂からなる表面に対して、アクリル系の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を備える従来の表示用ラベルを貼付した場合、十分な粘着力が発揮されない場合がある。この場合、医療用製品の保管や使用において、表示用ラベルが医療用製品から剥がれたり脱落し易くなるという問題がある。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、粘着成分の溶出が生じ難いとともに、所定の樹脂製部材の表面に対しても十分な粘着力を発揮できる表示用ラベルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、前記基材の一方の面側に積層された粘着剤層とを備えた表示用ラベルであって、前記粘着剤層が、アクリル系共重合体と、粘着付与剤とを含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、前記アクリル系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が、3.0以下であることを特徴とする表示用ラベルを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る表示用ラベルでは、粘着剤層が、アクリル系共重合体と粘着付与剤とを含有する粘着剤組成物から形成されたものであるとともに、アクリル系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が、3.0以下であることにより、粘着成分の溶出が生じ難いとともに、通常の粘着剤層では粘着力を発揮し難い樹脂製部材の表面に対しても十分な粘着力を発揮できる。
上記発明(発明1)において、前記アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30,000以上、300,000以下であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記粘着剤組成物中における前記粘着付与剤の含有量は、前記アクリル系共重合体および前記粘着付与剤の含有量の合計に対して、5質量%以上、50質量%以下であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記粘着付与剤は、ロジン系樹脂およびスチレン系樹脂の少なくとも一種を含むことが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記粘着付与剤は、軟化点が50℃以上、120℃以下であることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)において、前記アクリル系共重合体は、アクリル系ポリマーのトリブロック共重合体を含むことが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)において、JIS Z0237:2009に準拠して測定された、ポリプロピレン板に対する180°引きはがし粘着力は、1.0N/25mm以上であることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)においては、医療用製品に使用されることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明8)において、前記医療用製品の表面の少なくとも一部は、オレフィン系樹脂からなり、前記表示用ラベルは、オレフィン系樹脂からなる前記表面に貼付されることが好ましい(発明9)。
本発明に係る表示用ラベルは、粘着成分の溶出が生じ難いとともに、所定の樹脂製部材の表面に対しても十分な粘着力を発揮できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る表示用ラベルは、基材と、当該基材の一方の面側に積層された粘着剤層とを備える。
本実施形態に係る表示用ラベルでは、粘着剤層が、アクリル系共重合体と、粘着付与剤とを含有する粘着剤組成物から形成されたものである。ここで、当該粘着剤組成物が粘着付与剤を含有することにより、形成された粘着剤層は、被着体に対して十分な粘着力を発揮することができる。その結果、本実施形態に係る表示用ラベルは、従来の表示用ラベルでは粘着力を発揮し難い、ポリプロピレン樹脂といったオレフィン系樹脂からなる表面に対しても十分な粘着力を発揮できる。そのため、本実施形態に係る表示用ラベルは、被着体からの剥がれや脱落が生じ難い。
また、本実施形態に係る表示用ラベルでは、上述したアクリル系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が、3.0以下である。これにより、粘着剤層中における低分子量の粘着成分の含有量は比較的少ないものとなり、粘着剤層からの粘着成分の溶出が抑制される。そのため、本実施形態に係る表示用ラベルを医療用製品に貼付した場合であっても、表示用ラベルから当該医療用製品に対する粘着成分の溶出が抑制され、それに伴い、当該医療用製品の内部への粘着成分の透過も抑制される。その結果、当該医療用製品の信頼性が高いものとなる。
1.基材
本実施形態に係る表示用ラベルにおいて、基材の材料は限定されない。樹脂系の材料を主成分とする樹脂系シートから構成されていてもよいし、紙系の材料から構成されていてもよい。
樹脂系シートに係る樹脂の成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のエステル系重合体;ナイロン6,6、ナイロン6といったナイロン等のアミド系重合体などが例示される。上記の樹脂系シートに係る樹脂として、上記の成分を含有する樹脂のほかに、例えば、アセテート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ−p−フェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。基材はこれらの材料の一種を含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
基材は、上述した樹脂成分を材料とする合成紙であってもよく、特に、当該合成紙は、上述したオレフィン系重合体および上述したエステル系重合体の少なくとも一種を材料とするものであることが好ましい。
基材を構成する樹脂系シートは、加熱により収縮する性質を有するものであってもよい。このような樹脂系シートの好ましい例としては、そのような収縮性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。このような熱収縮性を有する樹脂系シートは、一般的に収縮ラベルとして使用されており、本実施形態に係る表示用ラベルにおける基材としてこのような樹脂系シートを使用することで、表示用ラベルを、貼付する対象となる医療用製品に合った形状に熱収縮させて密着させることが可能となる。
また、基材を構成する樹脂系シートは、未延伸のものであってもよいし、縦、横などの一軸方向または二軸方向に延伸されたものであってもよい。延伸されたものを使用する場合、特に二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用することが好ましい。
基材は、上記の樹脂系シートの一層から構成されていてもよいし、上記の樹脂系シートが複数積層されて基材を構成していてもよい。複数層からなる基材の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムとの積層体、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムと、ポリエチレンテレフタレートフィルムとを順に積層してなる積層体、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムと、二軸延伸ポリプロピレンフィルムとを順に積層してなる積層体、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムと、ナイロンフィルムとを順に積層してなる積層体等が挙げられる。
基材が樹脂系の材料から構成される場合には、基材は、粘着剤層と共押出成形により製造されたものであってもよい。
基材が紙系の材料から構成される場合の具体例としては、上質紙、アート紙、コート紙等が挙げられる。
基材における少なくとも一方の面には、表示用ラベルとしての表示を構成するための所望の印刷を施してもよい。当該印刷は、従来公知の方法により行うことができる。
基材を構成する材料が着色材料(カーボンブラック、二酸化チタンなどの顔料、および染料が例示される。)を含有することにより、基材が着色されていてもよい。さらに、機械特性を高めたり耐ブロッキング性を付与したりする観点から、基材を構成する材料がシリカなどの微粒子を含有していてもよい。基材は、用途に応じて、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分をさらに含有していてもよい。
基材には、プライマーコート層、印刷層、コーティング層、金属蒸着層、紫外線防止層等の機能性層が形成されていてもよく、また、少なくとも片面に金属箔が積層されていてもよい。これらの層および金属箔は、その用途に応じて、基材のどちらの面に設けてもよい。
基材の厚さは、用途に応じて適宜設定でき、特に限定されない。例えば基材の厚さは、10μm以上であることが好ましく、特に20μm以上であることが好ましく、さらには25μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、1000μm以下であることが好ましく、特に500μm以下であることが好ましく、さらには200μm以下であることが好ましい。なお、本明細書において、基材の厚さとは、前述した機能性層や金属箔等を含む厚さを意味する。
2.粘着剤層
本実施形態に係る表示用ラベルでは、粘着剤層が、アクリル系共重合体と、粘着付与剤とを含有する粘着剤組成物から形成されたものである。これにより、本実施形態に係る表示用ラベルは、被着体に対して十分な粘着力を発揮するものとなり、特に、ポリプロピレン樹脂といったオレフィン系樹脂からなる表面に対しても十分な粘着力を発揮できる。
(1)アクリル系共重合体
上記アクリル系共重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が、3.0以下であり、1.5以下であることが好ましい。当該分子量分布(Mw/Mn)が3.0を超える場合、アクリル系共重合体は、低分子量の共重合体を比較的多く含むものとなり、得られる粘着剤層中の低分子量の粘着成分の含有量が多くなる結果、粘着剤層からの粘着成分の溶出が生じ易くなる。なお、上記分子量分布(Mw/Mn)の下限値は、特に制限されないものの、1.0以上であることが好ましい。
また、上記アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30,000以上であることが好ましく、特に40,000以上であることが好ましく、さらには50,000以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量(Mw)は、300,000以下であることが好ましく、特に250,000以下であることが好ましく、さらには200,000以下であることが好ましい。上記アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)が30,000以上であることで、得られる粘着剤層中の低分子量(例えば、10,000以下)の粘着成分の量がより少なくなり、粘着剤層からの粘着成分の溶出が効果的に抑制される。また、当該重量平均分子量(Mw)が300,000以下であることで、アクリル系共重合体の粘性が過度に高くなることが抑制され、粘着剤層をシート状に形成し易いものとなる。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の値は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定された値を意味する。具体的には、GPC測定装置(東ソー社製「HLC−8220GPC」)を使用して、以下に示す条件にて行うものとする。
カラム:TSKgelGMHXL→TSKgelGMHXL→TSKgel2000HXL
注入量:80μl
測定温度:40℃
流速:1ml/分
検出器:示差屈折計
試料濃度:1%(w/v)
アクリル系共重合体の具体的な例としては、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であるとともに、形成される粘着剤層によって所望の粘着力が発揮される限り、特に限定されないが、これらの事項を満たし易いという観点から、アクリル系共重合体は、アクリル系ポリマーのトリブロック共重合体を含むことが好ましい。アクリル系ポリマーのトリブロック共重合体は、通常、アクリル系モノマーのリビングアニオン重合により得られる。このようなリビングアニオン重合は、アクリル系モノマーの共重合を行う際に一般的なフリーラジカル重合と比較して、未反応のモノマー原料が生じ難い。そのため、リビングアニオン重合により得られた共重合体の分子量分布は、フリーラジカル重合により得られた重合体の分子量分布に比べて、シャープなピークを有する傾向がある。したがって、アクリル系ポリマーのトリブロック共重合体は、所望の粘着力を有する粘着剤を形成しながらも、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下という物性を満たし易い。
アクリル系モノマーのトリブロック共重合体は、ブロックセグメントAと、当該ブロックセグメントAとは異なるブロックセグメントBとを想定した場合、A−B−A型のブロック構造を有する。
上記ブロックセグメントAはハードセグメントであり、上記ブロックセグメントBはソフトセグメントであることが好ましい。このように、ハードセグメントがトリブロック共重合体の両端に位置することにより、粘着剤層が良好な粘着力を発揮し易くなる。また、粘着剤組成物の押出成型により粘着剤層を形成する場合において、加工適性が良好なものとなる。
上記ブロックセグメントAを構成するモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、上記ブロックセグメントAを構成するモノマーは、得られる粘着剤層の、透明性、耐熱性、耐久性を向上させる観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルがより好ましく、メタクリル酸メチルがさらに好ましい。
上記ブロックセグメントAは、当該ブロックセグメントAを構成するモノマー単位として、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が100℃以上であるモノマーを含むことが好ましい。また、当該ガラス転移温度(Tg)は150℃以下であることが好ましい。ブロックセグメントAが上記のようなモノマーを含むことで、粘着剤層が良好な粘着力を発揮し易くなる。さらに、粘着剤層の耐熱性、耐久性、押出成型の加工適性を最適な範囲に制御することも可能となる。
上記ブロックセグメントBを構成するモノマーとしては、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、上記ブロックセグメントBを構成するモノマーは、得られる粘着剤組成物の、柔軟性、粘着特性を向上させる観点から、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシルなどのアクリル酸エステルがより好ましく、アクリル酸n−ブチルがさらに好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ブロックセグメントBは、当該ブロックセグメントBを構成するモノマー単位として、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が−70℃以上であるモノマーを含むことが好ましい。また、当該ガラス転移温度(Tg)は−30℃以下であることが好ましい。ブロックセグメントBが上記のようなモノマーを含むことで、粘着剤層の弾性率を良好に低下させることができ、より良好な粘着力が発揮される。
本実施形態に係る表示用ラベルでは、アクリル系モノマーのトリブロック共重合体における各セグメントの質量比(ブロックセグメントA/ブロックセグメントB)は、粘着力を効果的に向上させる観点から、5/95(すなわち0.05)以上であることが好ましく、特に10/90(すなわち0.11)以上であることが好ましく、さらには15/85(すなわち0.18)以上であることが好ましい。70/30(すなわち2.33)以下であることが好ましく、特に50/50(すなわち1.00)以下であることが好ましく、さらには30/70(すなわち0.43)以下であることが好ましい。
アクリル系モノマーのトリブロック共重合体の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)−ポリアクリル酸ブチル(PBA)−ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)−ポリアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)−ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等が挙げられ、特に、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)−ポリアクリル酸ブチル(PBA)−ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を使用することが好ましい。
(2)粘着付与剤
本実施形態における粘着剤組成物は、粘着付与剤を含有する。これにより、形成される粘着剤層の粘着力が良好に向上し、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂といったオレフィン系樹脂からなる表面に対しても十分な粘着力を発揮できるものとなる。
上記粘着付与剤は、形成される粘着剤層によって所望の粘着力が発揮されるとともに、粘着剤層からの粘着成分の溶出を極力抑制できるものである限り、特に限定されない。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂の例としては、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、これらを水素化した樹脂等が挙げられる。スチレン系樹脂の例としては、α−メチルスチレンまたはβ−メチルスチレン等のスチレン系モノマーと脂肪族系モノマーとを共重合して得られる樹脂、これらを水素化した樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本実施形態に係る表示用ラベルでは、粘着付与剤として、上記の中でも、得られた粘着剤層が優れた粘着力を発揮し易いという観点から、ロジン系樹脂およびスチレン系樹脂の少なくとも一種を使用することが好ましい。
粘着付与剤は、軟化点が、50℃以上であることが好ましく、特に60℃以上であることが好ましく、さらには80℃以上であることが好ましい。また、当該軟化点は、120℃以下であることが好ましい。粘着付与剤の軟化点が上記範囲であることで、得られる粘着剤層が良好な粘着力を発揮し易いものとなる。なお、2種以上の粘着付与剤を併用する場合、それらの粘着付与剤の軟化点の加重平均が上記範囲であることが好ましい。また、本明細書において、粘着付与剤の軟化点は、JIS K2207に準拠して測定した値を意味する。
粘着剤組成物中における粘着付与剤の含有量は、アクリル系共重合体および粘着付与剤の含有量の合計に対して、5質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましい。また、粘着剤組成物中における粘着付与剤の含有量は、アクリル系共重合体および粘着付与剤の含有量の合計に対して、50質量%以下であることが好ましく、特に30質量%以下であることが好ましい。粘着付与剤の含有量が、アクリル系共重合体および粘着付与剤の含有量の合計に対して5質量%以上であることで、得られる粘着剤層がより良好な粘着力を発揮し易いものとなる。また、粘着付与剤の含有量が、アクリル系共重合体および粘着付与剤の含有量の合計に対して50質量%以下であることで、粘着剤層から粘着付与剤の溶出を効果的に抑制することができる。
(3)その他の成分
本実施形態における粘着剤組成物における、アクリル系共重合体および粘着付与剤以外の成分については、形成される粘着剤層によって所望の粘着力が発揮される限り、特に限定されない。
粘着剤組成物は、着色材料(カーボンブラック、二酸化チタンなどの顔料、および染料が例示される。)を含有してもよい。この場合、得られる粘着剤層を所望の色に着色することができる。また、粘着剤組成物は、用途に応じて、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分をさらに含有していてもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲内で、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物に、非架橋型樹脂、架橋型樹脂、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤又は帯電防止剤などの添加剤が添加されてもよい。但し、粘着剤層から被着体への低分子量成分の溶出を抑制する観点から、低分子量の添加剤の添加量を必要最小限とするか、低分子量の添加剤を使用しないことが好ましい。
非架橋型樹脂は、粘度調整や自着防止に有効である。非架橋型樹脂は、押出機のホッパー内の温度領域において粉体となりうるものであることが好ましい。また、粘着剤組成物中のその他の成分との間で相溶性を有する事が好ましい。添加樹脂がそのような相溶性を有することをより安定的に実現する観点から、添加樹脂は、粘着剤組成物中のその他の成分と同系列の樹脂であることがより好ましい。すなわち、添加樹脂は、アクリル系共重合体と同様に、アクリル酸系樹脂であることが好ましい。粘着剤層における添加樹脂の含有量は、粘着剤組成物の粘度を調整する機能を果たすことができる限り、限定されない。粘着剤層の添加樹脂の含有量については、0.01質量%超、10質量%未満であることが好ましく、0.1質量%以上、5質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上、3質量%以下であることが特に好ましい。
(4)粘着剤層の厚さ
粘着剤層の厚さは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、特に5μm以上であることが好ましく、さらには10μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、特に100μm以下であることが好ましく、さらには50μm以下であることが好ましい。当該厚さが1μm以上であることで、表示用ラベルの被着体に対する粘着力が効果的に向上する。また、当該厚さが1000μm以下であることで、粘着剤層から被着体への粘着成分の溶出を効果的に抑制することが可能となる。
3.剥離ライナー
本実施形態に係る表示用ラベルでは、粘着剤層における基材とは反対側の面を保護する目的で、当該面に剥離ライナーが貼付されていてもよい。
剥離ライナーとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのフィルムや、グラシン紙や上質紙などの紙を用いることができる。また、これらのフィルムの複数が積層された積層フィルムであってもよい。
上記剥離ライナーにおける粘着剤層と接する面(以下、「剥離面」という場合がある。)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。
剥離ライナーの厚さについては特に限定されず、通常、20μm以上、150μm以下である。
剥離ライナーは、押出成形など成形加工により製造されたものであってもよい。この場合において、剥離ライナーは粘着剤層と共押出成形により形成されてもよい。
4.物性等
本実施形態に係る表示用ラベルでは、表示用ラベルを約5cm×約0.5cmの大きさに裁断して得られた試験片と超純水200mLとを含む密閉容器を、高圧蒸気滅菌器を用いて70℃で24時間加熱し、続いて室温になるまで放置した後、密閉容器中の超純水の紫外吸収スペクトルを測定した場合に、220〜240nmの波長域の最大吸光度が、0.08以下であることが好ましく、241〜350nmの波長域の最大吸光度が、0.05以下であることが好ましい。本実施形態に係る表示用ラベルでは、前述した通り粘着成分の溶出が生じ難いため、上述の紫外吸収スペクトルを測定した場合には、220〜240nmの波長域および241〜350nmの波長域の最大吸光度が、それぞれ上述した範囲を満たし易いものとなる。なお、上述した最大吸光度の詳細な測定方法は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態に係る表示用ラベルでは、JIS Z0237:2009(ISO 29862:2007)に準拠して測定されたポリプロピレン板に対する180°引きはがし粘着力が、1.0N/25mm以上であることが好ましく、特に5N/25mm以上であることが好ましく、さらには8N/25mm以上であることが好ましい。本実施形態に係る表示用ラベルでは、粘着剤層が、アクリル系共重合体と粘着付与剤とを含有する粘着剤組成物から形成されていることにより、従来の粘着剤層では粘着力を発揮し難いポリプロピレン板に対しても上記のように十分に高い粘着力を達成することができ、その結果、本実施形態に係る表示用ラベルは、被着体からの剥がれや脱落が生じ難い。なお、粘着力の上限については特に限定されず、例えば、30N/25mm以下であってよく、特に20N/25mm以下であってよい。また、上記粘着力の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
本実施形態に係る表示用ラベルでは、JIS Z0237:2009に準拠して測定された、傾斜角30°におけるボールタックが10以上であることが好ましい。上記のボールタックが10以上であることにより、表示用ラベルの粘着剤層の面のべたつきがより適切となって、かかる表示用ラベルの被着体への貼付性が向上する。表示用ラベルの被着体に対する貼付性を適切に確保することをより安定的に実現する観点から、上記のボールタックは、12以上であることがより好ましく、15以上であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る表示用ラベルでは、JIS Z0237:2009(ISO29863:2007)に準拠して行われた、試験片の貼り付け面積25mm×25mm、おもりの質量1000g、温度40℃の保持力試験において、表示用ラベルが剥がれ落ちるまでの時間が1時間以上であることが好ましい。かかる保持時間が1時間以上であることにより、表示用ラベルを被着体に貼付したときに、粘着剤層の構成成分が染み出す問題が生じにくく、表示用ラベルの被着体に対して適切な貼付性を有しやすい。
5.表示用ラベルの製造方法
本実施形態に係る表示用ラベルの製造方法は特に限定されない。例えば、次のような、粘着剤組成物の塗布により粘着剤層を形成する工程を備える製造方法により製造することができる。すなわち、粘着剤層の材料を含む粘着剤組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する粘着剤組成物の塗布液を調製する。この塗布液を、剥離ライナーの剥離面上に、ダイコーター、カーテンコーター、スリットコーター、ナイフコーター等により塗布して塗膜を形成する。さらに、当該塗膜を乾燥させることにより、粘着剤層を形成する。その後、剥離ライナー上の粘着剤層と基材とを貼合することで粘着シートを作製し、さらに、必要に応じて、当該粘着シートの基材に対する印刷、当該粘着シートの裁断等を行うことで、表示用ラベルを得ることができる。粘着剤組成物の塗布液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されない。粘着剤層を形成するための成分は、粘着剤組成物の塗布液中に溶質として含有されてもよく、または分散質として含有されてもよい。
本実施形態における粘着剤層が、アクリル系モノマーのトリブロック共重合体を含有する粘着剤組成物から形成されている場合には、当該粘着剤組成物の押出成形により粘着剤層を形成してもよい。この場合、当該粘着剤組成物の押出成形により、基材の片面側と前述した剥離ライナーの剥離面との間に粘着剤層を設けることが好ましい。アクリル系モノマーのトリブロック共重合体を含有する粘着剤組成物は、一般的に、押出成形によって粘着剤層を形成するのに適している。また、押出成形は、粘着剤組成物を希釈するための溶剤を使用することなく行うことができるため、残溶剤に起因した、粘着剤層から被着体への低分子量成分の溶出を低減することが可能となる。
押出成形により粘着剤層を設ける具体的な方法は、基材と剥離ライナーとの間に粘着剤層を形成できる限り、特に限定されない。例えば、Tダイ製膜機等を使用して、前述した粘着剤組成物を溶融・混練し、剥離ライナーおよび基材を一定の速度にて移動させながら、基材の片面側と剥離ライナーの剥離面との間に、溶融した粘着剤組成物を押出しラミネートすることで、基材と粘着剤層と剥離ライナーとが順に積層された粘着シートを作製する。あるいは、Tダイ製膜機等を使用して、前述した粘着剤組成物および基材の材料をそれぞれ溶融・混練し、剥離ライナーを一定の速度にて移動させながら、剥離ライナーの剥離面に、溶融した粘着剤組成物および基材の材料を共押出しラミネートすることで、基材と粘着剤層と剥離ライナーとが順に積層された粘着シートを作製する。そして、作製された粘着シートにおいて、必要に応じて、当該粘着シートの基材に対する印刷、当該粘着シートのハーフカットや裁断等を行うことで、表示用ラベルを得ることができる。
以上のように、粘着剤層を押出成形により設ける場合、粘着剤組成物に含有されるアクリル系ポリマーのトリブロック共重合体は、押出形成を行い易いという観点から、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であることに加えて、重量平均分子量(Mw)が30,000以上、300,000以下であることも満たすことが好ましい。
6.表示用ラベルの使用方法
本実施形態に係る表示用ラベルは、種々の用途に使用することができるものの、特に、医療用製品に使用することが好ましい。本実施形態に係る表示用ラベルは、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であるアクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物により粘着剤層が形成されていることにより、粘着剤層から被着体への粘着成分の溶出が生じ難い。そのため、本実施形態に係る表示用ラベルは、そのような粘着成分による汚染を避けることが強く求められる医療用製品への使用に好適である。
ここで、医療用製品とは、医療の目的のために使用されるものであれば特に限定されず、医療用器具や医薬品が収容される医薬品容器等を含むものとする。医療用器具の具体的な例としては、シリンジ、チューブ等が挙げられる。また、医薬品が収容される医薬品容器の具体的な例としては、目薬用容器、点鼻薬用容器、生理食塩水等の容器としてのバッグ等が挙げられる。医療用製品における表示用ラベルが貼付される部分の材料としては、樹脂、ガラス、金属、紙等であってよく、特に樹脂であることが好ましい。樹脂材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート等のエステル系樹脂等が挙げられ、これらの中でも、本実施形態に係る表示用ラベルの被着体の材料としては、オレフィン系樹脂が好適である。本実施形態に係る表示用ラベルは、優れた粘着力を発揮することができるため、オレフィン系樹脂といった、通常の粘着剤が十分な粘着力を発揮し難い樹脂を材料とする被着体であっても、優れた粘着力を発揮することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、基材と粘着剤層との間には、他の層が介在していてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
アクリル系モノマーのトリブロック共重合体として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)−ポリアクリル酸ブチル(PBA)−PMMAを作製した。PMMA比率は、27mol%であり、重量平均分子量(Mw)を後述する方法にて測定したところ、127,000であり、分子量分布(Mw/Mn)を、後述する方法にて測定した重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から算出したところ、1.3であった。
得られたアクリル系モノマーのトリブロック共重合体90質量部(固形分換算値;以下同様に表記)と、粘着付与剤としての水素化ロジンエステル樹脂(荒川化学工業社製,「パインクリスタルKE−311」,軟化点:95℃)10質量部とを酢酸エチル中にて混合し、固形分濃度が30質量%である粘着剤組成物の塗布液を調製した。
得られた粘着剤組成物の塗布液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離ライナーの剥離面に、ロールナイフコーターを用いて塗布し、得られた塗膜を120℃で1分間乾燥させて、厚さ30μmの粘着剤層を形成した。
上記のように得られた剥離ライナーと粘着剤層との積層体における粘着剤層側の面と、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)の片面とを貼り合わせて、基材と粘着剤層と剥離ライナーとがこの順に積層されてなる粘着シートを得た。なお、当該粘着シートは、基材への印刷、ハーフカットや裁断等を適宜行うことで、表示用ラベルとすることができる。
なお、上述した重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の値は、GPC測定装置(東ソー社製「HLC−8220GPC」)を使用して、以下に示す条件により、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、標準ポリスチレン換算値として測定したものである。
カラム:TSKgelGMHXL→TSKgelGMHXL→TSKgel2000HXL
注入量:80μl
測定温度:40℃
流速:1ml/分
検出器:示差屈折計
試料濃度:1%(w/v)
〔実施例2および3〕
アクリル系共重合体の配合量および粘着付与剤の配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
〔比較例1〕
粘着付与剤を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
〔比較例2〕
アクリル酸ブチル97質量部、アクリル酸3質量部、トルエン75質量部、酢酸エチル75質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下で80℃にて8時間重合を行うことで、アクリル系共重合体を得た。当該アクリル系共重合体の重量平均分子量を前述した方法にて測定したところ、780,000であり、分子量分布(Mw/Mn)を、前述した方法にて測定した重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から算出したところ、3.5であった。
上記の通り得たアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製,製品名「コロネートL」)1.5質量部を使用するとともに、粘着付与剤を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
〔比較例3〕
比較例2と同様に作製したアクリル系共重合体80質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製,製品名「コロネートL」)1.2質量部を使用するとともに、粘着付与剤20質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
〔試験例1〕(粘着力の測定)
実施例および比較例にて作製した粘着シートを25mm×150mmに裁断した後、剥離ライナーを剥離して粘着シート試験片を得た。JIS Z 0237:2009(ISO 29862:2007)に基づき、23℃、相対湿度50%環境下で、上記の粘着シート試験片をポリプロピレン板に貼付して試験サンプルとした。貼付24時間後の粘着力(単位:N/25mm)を、180°引きはがし法によって引張り速度300mm/分にて測定した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(粘着成分の溶出量の測定)
実施例および比較例にて作製した粘着シートを、約5cm×約0.5cmの大きさに裁断して、試験片を得た。当該試験片を超純水で洗浄した後、室温で乾燥した。乾燥後の試験片を硬質ガラス製容器に入れ、超純水200mLを加え、密栓した。そして、試験片および超純水が入った硬質ガラス製容器を、高圧蒸気滅菌器を用いて70℃で24時間加熱した後、室温になるまで放置した。放置後の容器内の液を試験液とした。
一方、超純水のみを入れた硬質ガラス製容器についても、高圧蒸気滅菌器を用いて70℃で24時間加熱した後、室温になるまで放置した。放置後の容器内の液を対照液とした。
上記の通り得た試験液および対照液について、第一六改正日本薬局方 7.02 プラスチック製医薬品容器試験法 1.2 溶出物試験の「(iv)紫外吸収スペクトル」に記載の試験方法に基づいて、紫外吸収スペクトルを測定し、上記対照液による測定値に基づいてバックグラウンド補正を行うことで、220〜240nmの波長域および241〜350nmの波長域の最大吸光度をそれぞれ測定した。これらの結果を表1に示す。なお、ここにおいて、最大吸光度の値が高いほど、表示用ラベルから試験液中に溶出した成分の量が多いことを意味する。
なお、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
[アクリル系共重合体]
PMMA−PBA−PMMA:ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸ブチル−ポリメタクリル酸メチルの構成を有する、アクリル系モノマーのトリブロック共重合体
BA:アクリル酸ブチル
AA:アクリル酸
[粘着付与剤]
ロジン系:水素化ロジンエステル樹脂(荒川化学工業社製,「パインクリスタルKE−311」,軟化点:95℃)
[イソシアネート系架橋剤]
イソシアネート系架橋剤:イソシアネート系架橋剤(東ソー社製,製品名「コロネートL」)
Figure 0006896582
表1から明らかなように、実施例で製造した表示用ラベルは、十分な粘着力を発揮することができる。さらに、実施例で製造した表示用ラベルは、粘着剤層からの粘着成分の溶出も生じ難い。
本発明に係る表示用ラベルは、医療用器具や医薬品が収容される医薬品容器といった医療用製品に貼付される表示用ラベルとして好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材の一方の面側に積層された粘着剤層とを備えた、医療用製品に使用される表示用ラベルであって、
    前記粘着剤層が、アクリル系共重合体と、粘着付与剤とを含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、
    前記アクリル系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が、3.0以下であり、
    前記医療用製品の表面の少なくとも一部が、オレフィン系樹脂からなり、
    前記表示用ラベルが、オレフィン系樹脂からなる前記表面に貼付される
    ことを特徴とする表示用ラベル。
  2. 前記アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30,000以上、300,000以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示用ラベル。
  3. 前記粘着剤組成物中における前記粘着付与剤の含有量は、前記アクリル系共重合体および前記粘着付与剤の含有量の合計に対して、5質量%以上、50質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示用ラベル。
  4. 前記粘着付与剤は、ロジン系樹脂およびスチレン系樹脂の少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示用ラベル。
  5. 前記粘着付与剤は、軟化点が50℃以上、120℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示用ラベル。
  6. 前記アクリル系共重合体は、アクリル系ポリマーのトリブロック共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示用ラベル。
  7. JIS Z0237:2009に準拠して測定された、ポリプロピレン板に対する180°引きはがし粘着力は、1.0N/25mm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示用ラベル。
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