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JP6898010B2 - メタル膜付き基板の分断方法 - Google Patents
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JP6898010B2 - メタル膜付き基板の分断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイス用基板の分断に関し、特に、一方主面にデバイスパターンが形成され、他方主面にメタル膜が形成された基板の分断に関する。
例えばSiC(炭化硅素)基板などの半導体デバイス用基板を分断する手法として、半導体デバイス用基板の一方主面にスクライブラインを形成し、該スクライブラインから垂直クラックを伸展させるスクライブ工程を行った後、外力の印加によって係るクラックを基板厚み方向にさらに伸展させることにより半導体デバイス用基板をブレークするブレーク工程を行う、という手法がすでに公知である(例えば、特許文献1参照)。
スクライブラインの形成は、スクライビングホイール(カッターホイール)を分断予定位置に沿って圧接転動させることにより行われる。
ブレークは、半導体デバイス用基板の他方主面側において、ブレーク刃(ブレークバー)の刃先を分断予定位置に沿って半導体デバイス用基板に当接させたうえで、該刃先をさらに押し込むことによって行われる。
また、これらスクライブラインの形成およびブレークは、他方主面に粘着性を有するダイシングテープを貼り付けた状態で行われ、ブレーク後に係るダイシングテープを伸張させるエキスパンド工程によって対向する分断面が離隔させられる。
半導体デバイス用基板の分断の一態様として、一方主面に半導体層や電極などを含む半導体デバイスの単位パターンが2次元的に繰り返されたデバイスパターンが形成され、他方主面にメタル膜が形成された母基板を、個々のデバイス単位に分断する(個片化する)というものがある。
係る分断を、特許文献1に開示されているような従来の手法で行う場合、ブレーク工程後に、メタル膜が分断されるべき箇所において完全に分断されず連続したままとなっている、いわば薄皮残りともいえるような状態が発生することがある。
なお、このような薄皮残りの部分が生じたとしても、その後のエキスパンド工程によって当該部分のメタル膜は分断(破断)され得るが、仮に分断がなされたとしても、係る分断箇所においてメタル膜の剥がれが発生しやすいという問題がある。
特開2012−146879号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、メタル膜付き基板を好適に分断できる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、メタル膜付き基板を分断する方法であって、メタル膜付き基板のメタル膜が設けられていない第1の主面側を所定の分断予定位置においてスクライビングツールによってスクライブすることよりスクライブラインを形成し、前記スクライブラインから前記分断予定位置に沿って前記メタル膜付き基板の内部に対し垂直クラックを伸展させるスクライブ工程と、前記メタル膜付き基板の前記メタル膜が設けられている第2の主面側から前記メタル膜付き基板に対しブレークバーを当接させることによって前記垂直クラックをさらに伸展させることで、前記メタル膜付き基板の前記メタル膜以外の部分を前記分断予定位置において分断するとともに、前記メタル膜の前記分断予定位置に相当する位置に折り目を形成する第1ブレーク工程と、前記第1の主面側から前記メタル膜付き基板に対し前記ブレークバーを当接させることによって前記メタル膜を前記分断予定位置において分断する第2ブレーク工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係るメタル膜付き基板の分断方法であって、前記ブレークバーの刃先先端部の曲率半径が5μm〜30μmである、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に係るメタル膜付き基板の分断方法であって、前記所定の分断予定位置が所定の間隔d1にて複数定められており、前記第1ブレーク工程および前記第2ブレーク工程は、水平方向において離隔する一対の保持部によって前記メタル膜付き基板を下方から支持した状態で、前記一対の保持部のそれぞれから等価な位置において行うようにし、前記一対の保持部の離隔距離d2を、前記第1ブレーク工程においてはd2=0.5d1〜1.25d1とし、前記第2ブレーク工程においてはd2=1.0d1〜1.75d1とする、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1ないし第3の態様のいずれかに係るメタル膜付き基板の分断方法であって、前記スクライブ工程、前記第1ブレーク工程、および前記第2ブレーク工程を、前記メタル膜に粘着性テープを貼付した状態で行い、前記第1ブレーク工程においては、前記メタル膜以外の部分を分断するとともに前記メタル膜および前記粘着性テープの前記分断予定位置に相当する位置に折り目を形成する、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1ないし第4の態様のいずれかに係るメタル膜付き基板の分断方法であって、前記第1ブレーク工程は、前記メタル膜付き基板の姿勢を前記スクライブ工程のときとは上下反転させて行い、前記第2ブレーク工程は、前記メタル膜付き基板の姿勢を前記第1ブレーク工程のときとは上下反転させて行う、ことを特徴とする。
本発明の第1ないし第5の態様によれば、メタル膜に剥がれを生じさせることなく、メタル膜付き基板を良好に分断することができる。
実施の形態に係る方法における分断の対象である基板(母基板)10の構成を模式的に示す側面図である。 スクライブ処理の実行前の様子を模式的に示す図である。 スクライブ処理の実行中の様子を模式的に示す図である。 第1ブレーク処理の実行前の様子を模式的に示す図である。 第1ブレーク処理の実行中の様子を模式的に示す図である。 第1ブレーク処理の実行後の様子を模式的に示す図である。 第2ブレーク処理の実行前の様子を模式的に示す図である。 第2ブレーク処理の実行中の様子を模式的に示す図である。 第2ブレーク処理を実行後の基板10を模式的に示す図である。 従来の分断処理に供された基板10の様子を示す撮像画像である。 従来の分断処理に供された基板10の様子を示す撮像画像である。 基板10に対し実施の形態に係る手法にて複数箇所での分断を行った結果得られた複数の個片についての、メタル膜3の表面の撮像画像である。
<半導体用デバイス基板>
図1は、本実施の形態に係る方法における分断の対象である基板(母基板)10の構成を模式的に示す側面図である。基板10は、その分断により得られる個片がそれぞれに半導体デバイスをなすことが予定されている半導体デバイス用基板である。本実施の形態においては、係る基板10が、基材1と、該基材1の一方主面側に形成されてなり、半導体層や電極などを含む半導体デバイスの単位パターンが2次元的に繰り返されたデバイスパターン2と、基材1の他方主面側に形成されてなるメタル膜3とを有するものとする。換言すれば、基板10は、メタル膜付き基板といえる。
基材1は、SiCやSiなどの単結晶またはセラミックスなどの多結晶の基板である。その材質や、厚みおよび平面サイズなどは、作製しようとする半導体デバイスの種類、用途、機能等に応じて適宜に選択・設定される。係る基材1としては、例えば、厚みが100μm〜600μm程度の、2〜6インチ径のSiC基板などが例示される。
デバイスパターン2は、作製対象たる半導体デバイスにおいてその機能や特性の発現に主に関わる、半導体層、絶縁層、電極などを含む部位である。その具体的構成は、半導体デバイスの種類によって様々であるが、本実施の形態においては、基材1の一方主面の全面に形成された薄膜層2aと、該薄膜層2aの上面に部分的に形成された電極2bとによってデバイスパターン2が構成されている場合を想定する。ここで、薄膜層2aは単層であっても多層であってもよく、電極2bについても単層電極であっても多層電極であってもよい。また、薄膜層2aが基材1の全面を覆う代わりに、基材1の一部が露出する態様であってもよい。あるいはまた、1つの単位パターンに電極2bが複数設けられていてもよい。
薄膜層2aと電極2bの材質やサイズは、作製しようとする半導体デバイスの種類、用途、機能等に応じて適宜に選択・設定される。例えば、薄膜層2aの材質としては、窒化物(例えばGaN、AlN)、酸化物(例えばAl、SiO)、例えば、金属間化合物(例えばGaAs)、有機化合物(例えばポリイミド)などが例示される。電極2bの材質は、一般的な電極材料から適宜に選択されてよい。例えば、Ti、Ni、Al、Cu、Ag、Pd、Au、Ptなどの金属や、それらの合金などが例示される。また、薄膜層2aおよび電極2bの厚みは通常、基材1の厚みに比して小さい。
メタル膜3は、主として裏面電極としての使用が想定されるものである。ただし、本実施の形態に係る方法は、係るメタル膜3が、基材1の他方主面の全面に(より詳細には、少なくとも分断予定位置を跨がって)形成されてなるものとする。メタル膜3も、電極2bと同様、単層でも多層であってもよく、その材質も電極2bと同様、Ti、Ni、Al、Cu、Ag、Pd、Au、Ptなどの金属や、それらの合金など、一般的な電極材料から適宜に選択されてよい。また、メタル膜3の厚みも通常、基材1の厚みに比して小さい。
本実施の形態においては、以上のような構成の基板10が、少なくとも面内の所定の方向において所定の間隔にて定められた分断予定位置Pにおいて厚み方向に分断されるものとする。分断予定位置Pは、基板10の厚み方向に沿った仮想面として観念される。これに加えて、平面視矩形状の半導体デバイスを得るべく、当該方向に直交する方向においても適宜の間隔にて分断予定位置が定められてよい。
なお、図1には、図面視左右方向において間隔(ピッチ)d1で互いに離隔する3つの分断予定位置Pを、基板10を超えて延在する一点鎖線として示しているが、実際には、一方向についてさらに多くの分断予定位置Pが規定されてよい。d1は例えば1.5mm〜5mm程度であり、少なくとも0.5mm以上である。
<スクライブ処理>
以降、本実施の形態に係る分断方法において基板10に対して実施する分断処理の具体的内容につき、順次に説明する。まずは、基板10に対しスクライブ処理を行う。なお、本実施の形態において行うスクライブ処理は、従来の一般的なスクライブ処理と同様の処理である。
図2は、スクライブ処理の実行前の様子を模式的に示す図である。図3は、スクライブ処理の実行中の様子を模式的に示す図である。
本実施の形態において、スクライブ処理は、スクライブ装置100を用いて行う。スクライブ装置100は、スクライブ対象物が載置されるステージ101と、スクライブ対象物を上方からスクライブするスクライビングホイール102とを備える。
ステージ101は、水平な上面を被載置面として有し、係る被載置面に載置されたスクライブ対象物を図示しない吸引手段によって吸引固定できるように構成されている。また、ステージ101は、図示しない駆動機構によって水平面内における二軸移動動作や回転動作が可能とされている。
一方、スクライビングホイール102は、外周面に断面視二等辺三角形状の刃先102eを有する、直径が2mm〜3mmの円板状の部材(スクライビングツール)である。少なくとも刃先102eはダイヤモンドにて形成されてなる。また、刃先102eの角度(刃先角)δは100°〜150°(例えば110°)であるのが好適である。係るスクライビングホイール102は、ステージ101の上方に、鉛直方向に昇降可能に設けられた図示しない保持手段により、ステージ101の一方の水平移動方向と平行な鉛直面内において回転自在に保持されてなる。
以上のような機能を有するのであれば、スクライブ装置100としては、公知のものを適用可能である。
スクライブ処理は、図2に示すように、基板10のメタル膜3側に、基板10の平面サイズよりも大きな平面サイズを有する粘着性のダイシングテープ(エキスパンドテープ)4を貼付したうえで行う。なお、以降の説明においては、係るダイシングテープ4を貼付した状態のものについても、単に基板10と称することがある。ダイシングテープ4には、厚みが80μm〜150μm程度(例えば100μm)の公知のものを適用可能である。
具体的には、まず、図2に示すように、係るダイシングテープ4をステージ101の被載置面と接触させる態様にて基板10をステージ101上に載置し、吸引固定する。すなわち、基板10は、デバイスパターン2の側が上方を向く姿勢にて、ステージ101に載置固定される。このとき、スクライビングホイール102は、基板10とは接触しない高さに配置されている。
基板10の固定がなされると、続いて、ステージ101を適宜に動作させることにより、分断予定位置Pとスクライビングホイール102の回転面とが同一の鉛直面内に位置するように、位置決めがなされる。係る位置決めを行うことにより、図2に示すように、スクライビングホイール102の刃先102eが、分断予定位置Pのデバイスパターン側端部Paの上方に位置することになる。より詳細には、分断予定位置Pのデバイスパターン側端部Paは直線状となっており、位置決めは、その一方端部側の上方にスクライビングホイール102が位置するように行われる。
係る位置決めがなされると、スクライビングホイール102は、図示しない保持手段によって、図2において矢印AR1にて示すように、刃先102eが分断予定位置Pのデバイスパターン側端部Paに圧接されるまで鉛直下方に下降させられる。
圧接の際に刃先102eが基板10に対して印加する荷重(スクライブ荷重)や、ステージ101の移動速度(スクライブ速度)は、基板10の構成材料の、なかでも特に基材1の、材質や厚みなどによって適宜に定められてよい。例えば、基材1がSiCからなる場合であれば、スクライブ荷重は1N〜10N程度(例えば3.5N)であればよく、スクライブ速度は100mm/s〜300mm/s(例えば100mm/s)であればよい。
係る圧接がなされると、この圧接状態を維持したまま、スクライビングホイール102が分断予定位置Pのデバイスパターン側端部Paの延在方向(図2においては図面に垂直な方向)に移動される。これにより、スクライビングホイール102は相対的に、当該方向に(デバイスパターン側端部Paの他方端部に向けて)転動させられる。
そして、係る態様にてデバイスパターン側端部Paに沿ったスクライビングホイール102の圧接転動が進行すると、図3に示すように、基板10のデバイスパターン2側にスクライブラインSLが形成されていくとともに、係るスクライブラインSLから分断予定位置Pに沿って鉛直下方に、デバイスパターン2から基材1に至って垂直クラックVCが伸展する。最終的に分断が良好になされるという点からは、垂直クラックVCは少なくとも基材1の中ほどにまで伸展するのが好ましい。
係るスクライブ処理による垂直クラックVCの形成は、全ての分断予定位置Pにおいて行われる。
<第1ブレーク処理>
上述のように垂直クラックVCが形成された基板10は、続いて、第1ブレーク処理に供される。図4は、第1ブレーク処理の実行前の様子を模式的に示す図である。図5は、第1ブレーク処理の実行中の様子を模式的に示す図である。図6は、第1ブレーク処理の実行後の様子を模式的に示す図である。
本実施の形態において、第1ブレーク処理は、ブレーク装置200を用いて行う。ブレーク装置200は、ブレーク対象物が載置される保持部201と、ブレーク処理を担うブレークバー202とを備える。
保持部201は、一対の単位保持部201aと201bとからなる。単位保持部201aと201bは、水平方向において所定の距離(離隔距離)d2にて互いに離隔させて設けられてなり、同じ高さ位置とされた両者の水平な上面が全体として一のブレーク対象物の被載置面として用いられる。換言すれば、ブレーク対象物は、一部を下方に露出させた状態で、保持部201上に載置される。保持部201は例えば金属にて構成される。
また、保持部201は、水平面内のあらかじめ定められた一の方向(保持部進退方向)における一対の単位保持部201aと201bの近接および離隔動作が可能とされてなる。すなわち、ブレーク装置200においては、離隔距離d2は可変とされてなる。図4においては、図面視左右方向が保持部進退方向となる。
さらに保持部201においては、図示しない駆動機構により、被載置面に載置されたブレーク対象物の水平面内におけるアライメント動作が可能とされている。
ブレークバー202は、断面視二等辺三角形状の刃先202eが刃渡り方向に延在するように設けられてなる板状の金属製(例えば超硬合金製)部材である。図4においては、刃渡り方向が図面に垂直な方向となるように、ブレークバー202を示している。刃先202eの角度(刃先角)θは5°〜90°であり、5〜30°(例えば15°)であるのが好適である。係る好適な刃先角θは、従来の一般的なブレーク処理において用いられていたブレークバーの刃先角である60°〜90°に比して小さい。
なお、より詳細には、刃先202eの最先端部分は曲率半径が5μmから30μm程度(例えば15μm)の微小な曲面となっている。係る曲率半径も、従来の一般的なブレーク処理において用いられていたブレークバーの曲率半径である50μm〜100μmに比して小さい。
係るブレークバー202は、保持部進退方向における一対の単位保持部201aと201bの中間位置(それぞれから等価な位置)の上方において、図示しない保持手段により、保持部進退方向に垂直な鉛直面内において鉛直方向に昇降可能に設けられてなる。
以上のような構成を有するブレーク装置200を用いた第1ブレーク処理は、図4に示すように、ダイシングテープ4が貼付された状態のスクライブ処理後の基板10の、デバイスパターン2側の面および側部を覆う態様にて、保護フィルム5を貼付したうえで行う。以降の説明においては、係る保護フィルム5を貼付した状態のものについても、単に基板10と称することがある。保護フィルム5には、厚みが10μm〜75μm程度(例えば25μm)の公知のものを適用可能である。
具体的には、まず、図4に示すように、保護フィルム5を保持部201の被載置面と接触させる態様にて基板10を保持部201上に載置する。すなわち、基板10は、デバイスパターン2側が下方となりメタル膜3側が上方となる姿勢で、つまりはスクライブ処理のときとは上下反転した姿勢で、保持部201上に載置される。このとき、ブレークバー202は、基板10とは接触しない高さに配置されている。
なお、本実施の形態のように、所定の間隔(ピッチ)d1で複数の分断予定位置Pが定められているときは、離隔距離d2が基板10の分断予定位置Pの間隔(ピッチ)d1と等しくなるように一対の単位保持部201aと201bを配置した状態で、基板10を保持部201上に載置する。これは一般的なブレーク処理の際に採用されるd2=1.5d1(d2はd1の(3/2)倍)なる条件に比して、一対の単位保持部201aと201bの間隔を狭めた条件となっている。なお、実際の処理においては、d2=0.5d1〜1.25d1となる範囲であればよい。
基板10の載置がなされると、続いて、駆動機構を適宜に動作させることにより、基板10の位置決めがなされる。具体的には、スクライブ処理においてスクライブラインSLさらには垂直クラックVCを設けた基板10の分断予定位置Pの延在方向が、ブレークバー202の刃渡り方向に一致させられる。係る位置決めを行うことにより、図4に示すように、ブレークバー202の刃先202eが、分断予定位置Pのメタル膜側端部Pbの上方に位置することになる。
係る位置決めがなされると、図4において矢印AR2にて示すように、ブレークバー202は、刃先202eが分断予定位置Pのメタル膜側端部Pb(より詳細にはダイシングテープ4の上面)に向けて鉛直下方に下降させられる。
ブレークバー202は、その刃先202eが分断予定位置Pのメタル膜側端部Pbに当接した後も所定距離だけ下降させられる。すなわち、基板10に対して所定の押し込み量にて押し込まれる。係る押し込み量は0.05mm〜0.2mm(例えば0.1mm)であるのが好適である。
すると、図5に示すように、基板10に対してブレークバー202の刃先202eを作用点とし、一対の単位保持部201a、201bのそれぞれの被載置面の内側端部f(fa、fb)を支点とする三点曲げの状況が生じる。これにより、図5において矢印AR3にて示すように、基板10には、相反する2つの向きに引張応力が作用し、その結果、垂直クラックVCはさらに伸展させられるとともに、基材1およびデバイスパターン2は左右2つの部分にいったん離隔し、両部分の間には間隙Gが形成される。
ただし、メタル膜3は、この時点では離隔には至らず、単に刃先202eの押し込みによって折り曲げられるに留まる。すなわち、ブレークバー202の押し込みの際、メタル膜3、および、刃先202eとメタル膜3との間に位置するダイシングテープ4には、折曲部Bが形成される。
その後、図6にAR4にて示すように、ブレークバー202が上昇させられて基板10の押し込みが解除されると、間隙Gは閉じて左右2つの部分の端部が当接した分断面Dとなる。一方、メタル膜3とダイシングテープ4には、折曲部Bが残存する。メタル膜3においては、折曲部Bが、他の平坦なメタル膜3の部分に比して材料強度的に弱い部分となっている。係る折曲部Bは、折り目として視認される。
以上のような態様にて行う、第1ブレーク処理は、基材1およびデバイスパターン2における分断を確実に生じさせるとともに、メタル膜3においては、折り目として視認可能な折曲部Bが確実に形成されるようにすることを意図したものである。そして、これらを好適に実現するための条件として、第1ブレーク処理においては、一般的なブレーク処理とは異なり、一対の単位保持部201aと201bの離隔距離d2を分断予定位置Pの間隔d1と等しくし、刃先202eの最先端部分の曲率半径を5μm〜30μmとしている。また、刃先角θは5°〜30°とすることが好適である。
<第2ブレーク処理>
第1ブレーク処理による基材1とデバイスパターン2の分断とメタル膜3とダイシングテープ4に対する折曲部Bの形成とがなされると、続いて、第2ブレーク処理が行われる。第2ブレーク処理は、第1ブレーク処理と同様、ブレーク装置200を用いて行う。
図7は、第2ブレーク処理の実行前の様子を模式的に示す図である。図8は、第2ブレーク処理の実行中の様子を模式的に示す図である。図9は、第2ブレーク処理を実行後の基板10を模式的に示す図である。
第2ブレーク処理に際しては、まず、図7に示すように、一般的なブレーク処理と同様、d2=1.5d1(d2はd1の(3/2)倍)となるように一対の単位保持部201aと201bを配置した状態で、ダイシングテープ4を保持部201の被載置面と接触させる態様にて基板10を保持部201上に載置する。すなわち、基板10は、第1ブレーク処理のときとは上下反転した姿勢で、保持部201上に載置される。d1が例えば2.11mm〜2.36mm程度である場合には、d2は3.165mm〜3.54mmとなる。なお、実際の処理においては、d2=1.0d1〜1.75d1となる範囲であればよい。また、第1ブレーク処理におけるd2より第2ブレーク処理におけるd2が大きくされることが好ましい。このとき、ブレークバー202は、基板10とは接触しない高さに配置されている。
基板10の載置がなされると、続いて、駆動機構を適宜に動作させることにより、基板10の位置決めがなされる。具体的には、分断面Dおよび折曲部Bの延在方向が、ブレークバー202の刃渡り方向に一致させられる。このとき、メタル膜3に形成されている視認可能な折曲部Bを、アライメントの指標として有効に利用することができる。係る位置決めを行うことにより、図7に示すように、ブレークバー202の刃先202eが、もともとは分断予定位置Pのデバイスパターン側端部Paであった、分断面Dの上端部の上方に位置することになる。
係る位置決めがなされると、図7において矢印AR5にて示すように、ブレークバー202は、刃先202eが分断予定位置Pのデバイスパターン側端部Pa(より詳細には保護フィルム5の上面)に向けて鉛直下方に下降させられる。
係るブレークバー202の下降は、図8に示すように、刃先202eが保護フィルム5を介してデバイスパターン2を所定の押し込み量にて押し込むまで行われる。このとき、デバイスパターン2および基材1はすでに2つに分断されており、その分断面Dに対して上方から力が加わる。その結果、矢印AR6にて示すように、メタル膜3には、分断面Dの下方において相反する2つの向きに引張応力が作用する。上述したように、メタル膜3の折曲部Bは他の部分に比して材料強度的に弱いので、最終的には、図9に示すように、メタル膜3までもが折曲部Bのところで分断されて分断面Dをなし、ダイシングテープ4のみに折曲部Bが残存した状態が容易かつ確実に実現される。
係る第2ブレーク処理における係る押し込み量は、第1ブレーク処理における押し込み量の半分程度の0.02mm〜0.1mm(例えば0.05mm)であるのが好適である。これは、分断された2つの部分の接触により破損が生じることを防ぐためである。なお、d2=1.5d1としているが、これは、このような小さい押し込み量でもメタル膜3が折曲部Bのところで好適に分断されるようにすることを意図したものである。
第2ブレーク処理の終了後、図9に矢印AR7にて示すように、ダイシングテープ4に対し面内方向に引張応力を作用させることで、ダイシングテープ4は伸張し、基板10は分断面Dのところで2つの部分10A、10Bに離隔させられる。これにより、基板10が2つに分断されたことになる。
<従来手法との対比>
図10および図11は、従来の分断処理に供された基板10の様子を示す撮像画像である。より詳細には、図10(a)は、ダイシングテープによる伸張前の基板10の断面の撮像画像であり、図10(b)は、その部分Rの拡大像である。図11は係る伸張がなされた後の、メタル膜3の表面の撮像画像である。また、図12は、基板10に対し本実施の形態に係る手法にて複数箇所での分断を行った結果得られた複数の個片についての、メタル膜3の表面の撮像画像である。
ここで、従来の分断処理とは、図2および図3に示したものと同様の態様にてスクライブ装置100におけるスクライブ処理を行った後、ブレーク装置200におけるブレーク処理を、基板10の姿勢については本実施の形態における第1ブレーク処理と同様とするものの、d2はd1の(3/2)倍とし、かつ、ブレークバー202の刃先角θを本実施の形態における刃先角θの範囲よりも大きい60°〜90°(例えば図10および図11に示した結果を得た際はθ=60°)として、一度だけ行うというものとする。
係る場合、図10(b)において矢印AR8にて示すように、ブレーク処理後のメタル膜3が分断されていない箇所が生じる。このような箇所が存在する状況であっても、ダイシングテープ4を伸張させればメタル膜は分断される。しかしながら、分断によって得られた個片の端部において、図11において矢印AR9にて示すような、メタル膜3の剥がれが生じてしまう。
これに対して、本実施の形態に係る手法を適用した場合には、図12に示すように、複数個所において分断を行っているにも関わらず、図11に示したようなメタル膜3の剥がれは確認されなかった。なお、図12において個々の個片のエッジ部分に明るい部分が存在するのは、メタル膜の表面形状が他の部分と相違していることによるものであって、当該部分に剥がれが生じているわけではない。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、基材の一方主面にデバイスパターンを有し、他方主面にメタル膜を有する半導体デバイス用基板の分断を、スクライブ処理とブレーク処理との組み合わせによって行う場合において、メタル膜に剥がれを生じさせることなく、良好な分断することができる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、スクライビングホイールによりスクライブ処理を行っているが、スクライブラインの形成およびクラックの伸展が好適に実現されるのであれば、ダイヤモンドポイント等、スクライビングホイール以外のツールによってスクライブラインを形成する態様であってもよい。
また、第1のブレーク工程においてすでに基材1に垂直クラックVCが形成され、メタル膜3に折曲部Bが形成されているため、第2のブレーク工程においては、従来の分断処理と同様の刃先角θと先端における曲率半径とを有するブレークバーを用いてもよい。
また、第1ブレーク処理、第2ブレーク処理において用いられたブレーク装置は、水平方向において所定の距離離隔された一対の単位保持部201aと201bとからなる保持部201を備えているが、これに代えて、基板の全面に接触して保持する弾性体からなる保持部を備えるブレーク装置を用いてもよい。この場合にも、第1ブレーク処理における押し込み量は0.05mm〜0.2mm(例えば0.1mm)であり、第2ブレーク処理における押し込み量は、第1ブレーク処理における押し込み量の半分程度の0.02mm〜0.1mm(例えば0.05mm)であるのが好適である。

Claims (5)

  1. メタル膜付き基板を分断する方法であって、
    メタル膜付き基板のメタル膜が設けられていない第1の主面側を所定の分断予定位置においてスクライビングツールによってスクライブすることによりスクライブラインを形成し、前記スクライブラインから前記分断予定位置に沿って前記メタル膜付き基板の内部に対し垂直クラックを伸展させるスクライブ工程と、
    前記メタル膜付き基板の前記メタル膜が設けられている第2の主面側から前記メタル膜付き基板に対しブレークバーを当接させることによって前記垂直クラックをさらに伸展させることで、前記メタル膜付き基板の前記メタル膜以外の部分を前記分断予定位置において分断するとともに、前記メタル膜の前記分断予定位置に相当する位置に折り目を形成する第1ブレーク工程と、
    前記第1の主面側から前記メタル膜付き基板に対し前記ブレークバーを当接させることによって前記メタル膜を前記分断予定位置において分断する第2ブレーク工程と、
    を備えることを特徴とする、メタル膜付き基板の分断方法。
  2. 請求項1に記載のメタル膜付き基板の分断方法であって、
    前記ブレークバーの刃先先端部の曲率半径が5μm〜30μmである、
    ことを特徴とする、メタル膜付き基板の分断方法。
  3. 請求項2に記載のメタル膜付き基板の分断方法であって、
    前記所定の分断予定位置が所定の間隔d1にて複数定められており、
    前記第1ブレーク工程および前記第2ブレーク工程は、水平方向において離隔する一対の保持部によって前記メタル膜付き基板を下方から支持した状態で、前記一対の保持部のそれぞれから等価な位置において行うようにし、
    前記一対の保持部の離隔距離d2を、
    前記第1ブレーク工程においてはd2=0.5d1〜1.25d1とし、
    前記第2ブレーク工程においてはd2=1.0d1〜1.75d1とする、
    ことを特徴とする、メタル膜付き基板の分断方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のメタル膜付き基板の分断方法であって、
    前記スクライブ工程、前記第1ブレーク工程、および前記第2ブレーク工程を、前記メタル膜に粘着性テープを貼付した状態で行い、
    前記第1ブレーク工程においては、前記メタル膜以外の部分を分断するとともに前記メタル膜および前記粘着性テープの前記分断予定位置に相当する位置に折り目を形成する、ことを特徴とする、メタル膜付き基板の分断方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のメタル膜付き基板の分断方法であって、
    前記第1ブレーク工程は、前記メタル膜付き基板の姿勢を前記スクライブ工程のときとは上下反転させて行い、
    前記第2ブレーク工程は、前記メタル膜付き基板の姿勢を前記第1ブレーク工程のときとは上下反転させて行う、
    ことを特徴とする、メタル膜付き基板の分断方法。
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