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JP6899809B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description

本発明は、クローラを備えた建設機械に関する。
例えば、油圧ショベルやブルドーザ等の建設機械には左右一対のクローラが備えられ、各クローラは、駆動スプロケット、アイドラ、トラックローラ及びキャリアローラに環状をなす履帯を巻掛けて構成されている。履帯は駆動スプロケットにより駆動されて建設機械を走行させ、その稼働に伴って次第に摩耗して張力が低下するため、定期的に張力調整の作業が実施されている。
例えば特許文献1に記載のように、履帯の張力は、圧縮バネを介してアイドラに連結されたアジャスタシリンダにより付与されている。アジャスタシリンダの一側にはアジャスタバルブが螺合し、このアジャスタバルブを介してアジャスタシリンダへのグリースの給脂や排出が行われ、それに応じてアイドラが前後方向に位置変位されて履帯の張力が調整される。
履帯の張力を弱めるためにアジャスタシリンダからグリースを排出する際には、アジャスタシリンダを覆っているカバーの調整孔を介してアジャスタバルブが緩め操作される。アジャスタバルブには排出溝が形成されており、アジャスタバルブが緩められると、排出溝を介してアジャスタシリンダ内と外部とが連通してグリースが排出される。アジャスタシリンダ内の高いグリース圧を受けているアジャスタバルブの螺合を解除すると、カバーの調整孔を経て不用意にアジャスタバルブが外部に飛び出してしまう場合がある(以下、単にアジャスタバルブの飛び出しと称する場合もある)。このため緩め操作は、排出溝を介して内外が連通状態に至り、且つ螺合が解除される手前(未だ螺合途中)にとどめる必要がある。
しかしながら、このようなグリースの排出操作を全ての作業者が正しく実施しているとは限らず、アジャスタバルブの螺合を不用意に解除してしまう作業者も存在する。そこで、例えばアジャスタシリンダの近傍に鋼板製のブラケットをボルトで固定し、上記した螺合が解除される手前の位置で、アジャスタバルブの一側にブラケットの先端を当接させて、それ以上の緩め操作を規制する対策が実施されている。
実開平3−59288号公報
しかしながら、従来のブラケットによる対策は、作業者の誤った操作を確実に防止できるものではなく、またコスト面でも改良の余地があった。
即ち、グリースの排出操作を正しく実施していない作業者は、ブラケット自体の役割も理解していない場合がある。このため、例えばブラケットを固定しているボルトを緩めてブラケットを取り外したり、ブラケットで規制されているにも拘わらず強引に緩め操作を続けてブラケットを変形させたりする場合には本来のブラケットの機能が果たされず、結果としてアジャスタバルブの飛び出しを防止できなかった。
また上記説明から明らかなように、ブラケットは建設機械に常設される部材である。このため建設機械毎にクローラに対応して一対のブラケットが必要になり、建設機械の製造コストに影響するという問題もあった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、履帯の張力調整作業において、アジャスタバルブを緩め操作する際の不用意な飛び出しを安価なコストで確実に防止することができる建設機械を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の建設機械は、クローラが備えられたフレーム内にアジャスタシリンダを配設し、前記アジャスタシリンダへの油脂の給脂及び排出に応じて前記クローラの履帯の張力を調整する建設機械において、前記アジャスタシリンダに螺合し、緩め操作により前記アジャスタシリンダ内の油脂を排出するアジャスタバルブと、前記フレーム内に配設されたときに先端を前記アジャスタバルブに係合させて緩め操作可能であると共に、外側面に段差面が形成された調整具と、前記フレームの一画を形成する壁面に貫設され、前記調整具を前記フレーム内に挿入可能な挿入領域、及び前記挿入領域に隣接して形成され、前記フレーム内で前記調整具の先端が前記アジャスタバルブに係合された状態で、前記調整具の基端を前記フレームの外部に突出させて緩め操作可能とする回転操作領域により形作られた調整孔と、前記壁面に前記調整孔の回転操作領域を取り囲むように形成され、前記調整具が緩め操作されたときに前記段差面と係合して前記アジャスタバルブの外部への飛び出しを防止する障壁面とを備えたことを特徴とする。
本発明の建設機械によれば、履帯の張力調整作業において、アジャスタバルブを緩め操作する際の不用意な飛び出しを安価なコストで確実に防止することができる。
実施形態の油圧ショベルを示す側面図である。 アイドラの支持構造を示す図1のA部詳細図である。 サイドフレームの側壁を取り外した図2に対応する側面図である。 グリース調整具を調整孔の挿入領域に挿入した状態を示す図2のB部詳細図である。 グリース調整具を調整孔の挿入領域に挿入した状態を示す図4のV-V線断面図である。 グリース調整具を調整孔の挿入領域から回転操作領域側に移動させた状態を示す図2のB部詳細図である。 グリース調整具を調整孔の挿入領域から回転操作領域側に移動させた状態を示す図6のVII-VII線断面図である。 アジャスタバルブが螺合解除されて障壁面への段差部の衝突により飛び出し防止された状態を示す図7に対応する断面図である。
以下、本発明を油圧ショベルに具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の油圧ショベルを示す側面図であり、まず、同図に基づき油圧ショベルの概略構成を説明する。なお以下の説明では、油圧ショベルに搭乗したオペレータを主体として前後、左右、上下方向を表現する。
油圧ショベル1の下部走行体2には左右一対のクローラ3が備えられ、各クローラ3は、後側に位置する駆動スプロケット3a、前側に位置するアイドラ3b、上側に位置する一対のキャリアローラ3c、及び下側に位置する多数のトラックローラ3dに対して、環状をなす履帯3eを巻掛けて構成されている。図示しない走行用油圧モータにより駆動スプロケット3aを介して履帯3eが駆動され、これにより油圧ショベル1が走行する。
下部走行体2上には上部旋回体4が設けられ、上部旋回体4は図示しない旋回用油圧モータにより駆動されて旋回する。上部旋回体4の前部には多関節型の作業フロント5が設けられ、作業フロント5はブーム6、アーム7、及びバケット8から構成されている。ブーム6はブームシリンダ6aにより角度変更され、アーム7はアームシリンダ7aにより角度変更され、バケット8はバケットシリンダ8aにより角度変更される。
上部旋回体4のフレーム9上の前部にはオペレータが搭乗する運転室10が設けられ、フレーム9上の運転室10の後側には燃料タンク11、機械室12及びカウンタウエイト13等が設けられている。図示はしないが機械室12内にはエンジンが搭載され、エンジンにより駆動される油圧ポンプからの作動油の供給により、上記した走行用或いは旋回用油圧モータや各シリンダ6a〜8aが作動する。
図示はしないが下部走行体のトラックフレームは、センタフレームの左右両側にサイドフレーム15(図2,3に示し、本発明のフレームに相当する)を連結してなり、このサイドフレーム15に、上記した駆動スプロケット3a、アイドラ3b、キャリアローラ3c及びトラックローラ3dが支持されている。
図2はアイドラ3bの支持構造を示す図1のA部詳細図、図3はサイドフレーム15の側壁を取り外した図2に対応する側面図である。なお以下の説明では、左側のクローラに設けられたアイドラ3bの支持構造について述べるが、右側についても左右対称の同一構造である。
アイドラ3bの支持機構はサイドフレーム15内の前部に配設され、サイドフレーム15の側面を形成する側壁15a(本発明の一画を形成する壁面に相当)により外部から隠蔽されている。サイドフレーム15内にはアジャスタシリンダ16のシリンダ本体16aが固定され、その内部に給脂されたグリース(本発明の油脂に相当)の量に応じてリテーナ16bが前後方向に位置変位するようになっている。
アイドラ3bはヨーク17により回転可能に支持され、ヨーク17とアジャスタシリンダ16のリテーナ16bとの間には圧縮バネ18が介装されている。アジャスタシリンダ16によりリテーナ16bが前後方向に位置変位すると、圧縮バネ18及びヨーク17と共にアイドラ3bも前後方向に位置変位し、これにより履帯3eの張力が調整される。
また、圧縮バネ18は衝撃吸収作用を奏し、油圧ショベル1の前進中に砕石等がクローラ3に衝突したときに圧縮方向に撓んで衝撃を吸収する。
図4はアジャスタバルブを示す図2のB部詳細図、図5は同じくアジャスタバルブを示す図4のV-V線断面図である。加えて図4,5では、サイドフレーム15の側壁15aに形成された調整孔、及び調整孔の挿入領域に挿入されたグリース調整具(本発明の調整具に相当)を示している。
アジャスタシリンダ16のシリンダ本体16aの外周面には、側壁15a側から軸線C1に沿ってアジャスタバルブ20が螺合し、このアジャスタバルブ20を介してアジャスタシリンダ16へのグリースの給脂及び排出がなされる。
アジャスタバルブ20は、シリンダ本体16aに貫設されたネジ孔16cに螺合するネジ部20a、シリンダ本体16aからサイドフレーム15の側壁15aに向けて突出する給脂部20b、給脂部20bの周囲に形成された六角状のナット部20cから構成されている。ネジ部20aの先端はシリンダ本体16a側に密着してメタルタッチ部Xを形成し、このメタルタッチ部Xによりシリンダ本体16a内と外部(サイドフレーム15内)との間の油密が保持されている。ネジ部20aの外周にはアジャスタバルブ20の先端側からグリース排出溝20eが延設され、その一端はメタルタッチ部Xに接続され、他端はネジ部20aの基端側に形成された環状溝20fと連通している。このため通常時のグリース排出溝20eは、メタルタッチ部Xによりシリンダ本体16aから遮断されている。なお、20dはOリングである。
そして、アジャスタバルブ20の給脂部20bにグリースガンでグリースが給脂されると、図示しない内部通路を経てグリースがシリンダ本体16a内へと案内されると共に、内蔵された逆止弁によりグリースの逆流が防止される。
また、ナット部20cに対する回転操作によりアジャスタバルブ20が緩められると(以下、この操作を緩め操作と称する)、ネジ部20aが次第に外部へと突出してメタルタッチ部Xによる封止が解除されると共に、Oリングによる封止も解除される。結果としてグリース排出溝20eを介してシリンダ本体16a内と外部とが連通し、シリンダ本体16a内のグリースがグリース排出溝20eを経て外部に排出される。
履帯3eの張力調整作業は、例えば以下の手順で実施される。
まず、油圧ショベル1をジャッキアップして地表から履帯3eを離間させた上で、図1に示すように弛んだ履帯3eの最下部とサイドフレーム15の下面との間の高低差Lを測定する。高低差Lは履帯3eの張力と相関し、高低差Lが規定値よりも大きいときには履帯3eの張力が不足しているため、グリースガンによりアジャスタバルブ20にグリースを給脂する。これによりアジャスタシリンダ16のシリンダ本体16a内のグリース量が増加し、アイドラ3bの前方への位置変位により履帯3eの張力が強められる。
逆に高低差Lが規定値よりも小さいときには履帯3eの張力が過剰なため、アジャスタバルブ20を緩め操作してグリースを排出する。これによりシリンダ本体16a内のグリース量が減少し、アイドラ3bの後方への位置変位により履帯3eの張力が弱められる。以上のグリースの給脂及び排出が繰り返されることにより、履帯3eが最適な張力に調整される。
ところで、[背景技術]で述べたように、グリースの排出の際にアジャスタバルブ20の螺合を解除すると、グリース圧によりアジャスタバルブ20が不用意に飛び出してしまう。このような不具合を防止するために、本実施形態では、飛び出し防止機能を備えたグリース調整具22を使用してアジャスタバルブ20を緩め操作しており、その構成を以下に説明する。
図6はグリース調整具22を調整孔の挿入領域から回転操作領域側に移動させた状態を示す図2のB部詳細図、図7は同じくグリース調整具22を調整孔の挿入領域から回転操作領域側に移動させた状態を示す図6のVII-VII線断面図である。
図4〜7に示すように、グリース調整具22はアルミ材や鋼材等で製作されて全体として軸線C2を中心とした円筒状をなし、その先端(図5の左側)には、アジャスタバルブ20のナット部20cに嵌込み可能なソケット部22aが凹設されている。また、グリース調整具22の基端(図5の右側)には、ソケットレンチ等の工具を係合可能な六角状のナット部22bが形成されている。
グリース調整具22の外周面(本発明の外側面に相当)には周方向全体に亘って段差面22cが形成され、この段差面22cを境界として、グリース調整具22の先端側の部位(以下、大径部22dと称する)の外径D2は、基端側の部位(以下、小径部22eと称する)の外径D3よりも大きく設定されている。このため段差面22cは、グリース調整具22の基端側に面した環状をなしている。
また、グリース調整具22には軸線C2に沿って貫通孔22fが貫設され、その一端はソケット部22a内に開口し、他端はナット部22b上に開口している。このためグリース調整具22のソケット部22aをアジャスタバルブ20のナット部20cに嵌め込んだ状態では、貫通孔22f内にグリースガンの先端を挿入してアジャスタバルブ20の給脂部20bにグリースを給脂可能となっている。
一方、サイドフレーム15の側壁15aには、グリース調整具22を使用して外部よりアジャスタバルブ20を操作するために調整孔24が貫設されている。
全体として調整孔24は、大径の円形状なす挿入領域24aと小径の円形状をなす回転操作領域24bとにより形作られた鍵穴状をなしている。図6に示す側方視において、調整孔24の回転操作領域24bはアジャスタバルブ20の軸線C2と一致するように形成され、この回転操作領域24bの前側に隣接して挿入領域24aが形成されている。なお、回転操作領域24bに対する挿入領域24aの位置は、同一の鍵穴状の調整孔24が形成されていれば、前側に限ることはなく回転操作領域24bの後側に形成してもよいし、或いは上側や下側に形成してもよい。
図5に示すように挿入領域24aの内径D1は、グリース調整具22の大径部22dの外径D2よりも若干大きく設定されており、挿入領域24aを経てグリース調整具22をサイドフレーム15内に挿入可能となっている。また回転操作領域24bの内径は、図7ではグリース調整具22の小径部22eの外径D3と同一径で示されているが、いわゆる隙間ばめとなる公差設定により、外径D3よりもごく僅かに大きく設定されている。
但し、回転操作領域24bの内径の設定はこれに限るものではなく、グリース調整具22の小径部22eの外径D3よりも大きく、且つ大径部22dの外径D2よりも小さいものであれば、任意に変更可能である。
グリース調整具22の小径部22eを調整孔24の回転操作領域24bに位置させた状態では、図7に示すようにソケット部22aをアジャスタバルブ20のナット部20cに嵌め込み可能となると共に、ナット部22bが回転操作領域24bを介してサイドフレーム15の外部に突出する。上記のように回転操作領域24bの内径が小径部22eの外径D3よりも大であるため、グリース調整具22のナット部22bに工具を係合させて回転させることによりアジャスタバルブ20を緩め操作可能であると共に、グリース調整具22の軸線C2方向への位置変位も許容されている。
そして、図6に示す側方視においてグリース調整具22の段差面22cは、側壁15aに回転操作領域24bを取り囲むように形成されたハッチングで示す円弧状の領域Eと相対向し、この領域Eと段差面22cとの衝突によりアジャスタバルブ20の飛び出しが防止され、以下、障壁面Eと称する。
グリース調整具22の軸線C2方向における段差面22cの位置は、以下のように設定されている。
図7に示すように、シリンダ本体16aへのアジャスタバルブ20の螺合状態から、上記した緩め操作によりメタルタッチ部Xの封止が解除されてグリースを排出する状態に至るまでのアジャスタバルブ20の移動量をL3とする。これに対して、さらに緩め操作が継続されて螺合解除により飛び出しが発生するまでのアジャスタバルブ20の移動量をL2(>L3)とする。
一方、グリース調整具22のソケット部22aがアジャスタバルブ20のナット部20cに嵌め込まれた状態で、段差面22cはサイドフレーム15の側壁15aに対して距離L1だけ離間しており、この距離L1は、上記したアジャスタバルブ20が螺合解除に至るまでの移動量L2よりも大きく設定されている。
次に、以上のように構成されたグリース調整具22を履帯3eの張力調整作業に使用した場合の作業者による手順について説明する。
まず、図1に基づき述べたように油圧ショベル1をジャッキアップした後、グリース調整具22のナット部22bを把持して、図4,5に示すように外部より調整孔24の挿入領域24aに挿入する。グリース調整具22はサイドフレーム15内に配設され、ナット部22bを把持したまま、図6,7に示すようにグリース調整具22を挿入領域24aから回転操作領域24b側へと移動させると、その小径部22eが回転操作領域24b内に嵌り込む。結果として、グリース調整具22の段差面22cが側壁15aの障壁面Eと相対向する。そして、手の感触を頼りにナット部22bを調整孔24内に押し込みながら、ソケット部22aをアジャスタバルブ20のナット部20cに嵌め込む。
この状態で、計測した高低差Lに基づき履帯3eの張力が不足と判断した場合には、グリース調整具22の貫通孔22f内にグリースガンの先端を挿入してアジャスタバルブ20にグリースを給脂する。
また、高低差Lに基づき履帯3eの張力が過剰と判断した場合には、グリース調整具22のナット部22bに工具を係合させて緩め操作する。緩め操作に応じてアジャスタバルブ20が側壁15a側に移動し、それに伴い図7に示すグリース調整具22の段差面cと側壁15aの障壁面Eとの距離L1が次第に減少する。そして、移動量L3だけアジャスタバルブ20の螺合が解除されるとアジャスタバルブ20からグリースが排出され始め、所望の排出量に達した時点でグリース調整具22を逆回転させてアジャスタバルブ20を元の螺合状態に戻す。
通常のアジャスタバルブ20の緩め操作にはソケットレンチ等が使用されて、サイドフレーム15内にグリースが排出されるため、その排出量を作業者が目視で把握し難い。本実施形態のグリース調整具22を使用した場合には、アジャスタバルブ20から排出されたグリースが貫通孔22fを経てサイドフレーム15外に導かれる。このため作業者はグリースの排出量を目視で容易に把握でき、所望の排出量でグリースの排出を中止できる。結果として、最適な履帯3eの張力に調整するためのグリースの給脂及び排出の繰り返しが必要最小限にとどめられ、効率的に調整作業を実施することができる。
また貫通孔22fを形成したことにより、グリース調整具22をアジャスタバルブ20に装着した状態でグリースの排出のみならず給脂も実施できる。最適な履帯3eの張力調整のためにグリースの給脂及び排出が繰り返されるが、その度にグリース調整具22を脱着する必要がないことから、この要因も効率的な調整作業に大きく貢献する。
一方、上記のようなグリースの排出操作を正しく理解した作業者であれば、貫通孔22fからのグリースの排出開始を確認した時点(移動量L3相当)で緩め操作を中止する。しかし、正しく理解していない作業者の場合には緩め操作を継続し、図7に示す移動量L2に達した時点で、螺合解除によりアジャスタバルブ20の飛び出しが発生してしまう。
この時点でも、グリース調整具22の段差面22cとサイドフレーム15の側壁15aとの距離L1が多少残っているため、グリース圧を受けたアジャスタバルブ20と共にグリース調整具22は軸線C2に沿って側壁15a側へと移動し、図8に示すように、その段差面22cが側壁15a、詳しくは図6に示す回転操作領域24bの周縁の障壁面Eに衝突する。サイドフレーム15の側壁15aは十分な厚みを有するため余裕をもってグリース調整具22を受け止め、結果としてグリース調整具22と共にアジャスタバルブ20が側壁15aの調整孔24を経て外部に飛び出す事態が防止される。従って、グリースの排出操作を正しく理解していない作業者が履帯3eの張力の調整作業を実施した場合であっても、アジャスタバルブ20を緩め操作する際の不用意な飛び出しを確実に防止することができる。
一方で、本実施形態のグリース調整具22は、調整孔24の形状やアジャスタバルブ20と側壁15aとの間隔等の諸条件が共通していれば、油圧ショベル1のみならずクローラを備えた多数の建設機械に使用なため、各建設機械の間で使い回しできる。そして、油圧ショベル1側に必要な対策は、左右のサイドフレーム15の側壁15aに調整孔24を形成する点だけである。結果として建設機械毎にブラケットを常設する必要がある従来技術に比較すると、非常に安価なコストで実施することができる。
また、側壁15aに形成すべき調整孔24として、鍵穴状の形状を採用している。側壁15aは、クローラ3を支持するサイドフレーム15の側面を形成するため、非常に高い強度が要求される部材である。従って、側壁15aに形成される開口部は、その目的に関わらず必要最小限の面積にとどめることが求められ、この要求は調整孔24に対しても同様である。
上記説明から明らかなように、調整孔24の挿入領域24aは、外部からグリース調整具22を挿入可能な最小限の形状(大径部22dの外径D2よりも若干大)をなし、回転操作領域24bは、外部にグリース調整具22のナット部22bを突出させ且つ外部への飛び出しを防止可能な最小限の形状(小径部22eの外径D3よりも大、且つ大径部22dの外径D2よりも小)をなしている。結果として、調整孔24自体も必要最小限の開口面積にとどめられるため、側壁15a、ひいてはサイドフレーム15を高い剛性に保った上で、上記のような作用効果を達成することができる。
但し、本発明の調整孔24は鍵穴状には限定されず、グリース調整具22を挿入可能な挿入領域24aと飛び出し防止可能な回転操作領域24bとからなる形状であれば、任意に変更することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では油圧ショベル1に具体化したが、クローラを備えた建設機械であればこれに限るものではなく、例えばブルドーザ等に適用してもよい。
また上記実施形態では、アジャスタバルブ20がグリースの給脂及び排出の機能を共に備えたが、これに限るものではなく、例えばアジャスタバルブ20はグリースの排出のみの機能を有し、給脂は別のニップル等により実施するようにしてもよい。
また上記実施形態では、グリース調整具22の段差面22cとサイドフレーム15の側壁15aとの距離L1を、アジャスタバルブ20が螺合解除に至るまでの移動量L2よりも大きく設定したが、これに限るものではない。例えば緩め操作によりアジャスタバルブ20からグリースが排出されるまでの移動量L3よりは大きく、且つ螺合解除に至るまでの移動量L2よりは小さい値として、距離L1を設定してもよい。
この場合には、グリースが排出され始めたにも拘わらず緩め操作を継続すると、螺合が解除される以前にグリース調整具22の段差面22cが側壁15aの障壁面Eに当接する。高い強度を有する側壁15aは、従来技術のブラケットのように変形することなく段差面22cを受け止める。従って、それ以上の緩め操作が規制されてアジャスタバルブ20の螺合解除が未然に防止されることから、上記実施形態と同様の効果が得られる。
1 油圧ショベル(建設機械)
3 クローラ
3e 履帯
15 サイドフレーム(フレーム)
15a 側壁(壁面)
16 アジャスタシリンダ
20 アジャスタバルブ
22 グリース調整具(調整具)
22c 段差面
22d 大径部
22e 小径部
22f 貫通孔
24 調整孔
24a 挿入領域
24b 回転操作領域
E 障壁面

Claims (5)

  1. クローラが備えられたフレーム内にアジャスタシリンダを配設し、前記アジャスタシリンダへの油脂の給脂及び排出に応じて前記クローラの履帯の張力を調整する建設機械において、
    前記アジャスタシリンダに螺合し、緩め操作により前記アジャスタシリンダ内の油脂を排出するアジャスタバルブと、
    前記フレーム内に配設されたときに先端を前記アジャスタバルブに係合させて緩め操作可能であると共に、外側面に段差面が形成された調整具と、
    前記フレームの一画を形成する壁面に貫設され、前記調整具を前記フレーム内に挿入可能な挿入領域、及び前記挿入領域に隣接して形成され、前記フレーム内で前記調整具の先端が前記アジャスタバルブに係合された状態で、前記調整具の基端を前記フレームの外部に突出させて緩め操作可能とする回転操作領域により形作られた調整孔と、
    前記壁面に前記調整孔の回転操作領域を取り囲むように形成され、前記調整具が緩め操作されたときに前記段差面と係合して前記アジャスタバルブの外部への飛び出しを防止する障壁面と
    を備えたことを特徴とする建設機械。
  2. 前記調整具は、先端側の大径部と基端側の小径部とからなる円筒状をなし、前記大径部と前記小径部との間に基端側に面した環状をなす前記段差面が形成され、
    前記調整孔は、前記調整具の大径部の外径よりも大きな円形状の前記挿入領域、及び前記調整具の小径部の外径よりも大きく且つ前記大径部の外径よりも小さな円形状の前記回転操作領域により形作られた鍵穴状をなす
    ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記障壁面は、前記アジャスタバルブの螺合が解除されたときに、グリース圧を受けた前記アジャスタバルブと共に前記壁面側へと移動する前記調整具の段差面と衝突する
    ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
  4. 前記障壁面は、前記アジャスタバルブの螺合が解除される以前に前記調整具の段差面と当接して、前記アジャスタバルブの螺合解除を防止する
    ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
  5. 前記調整具には、先端から基端まで貫通孔が貫設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
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