以下、本発明の実施例について、添付の図1〜図18を参照して説明する。以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。なお、実施例においては、図1と図8の右、左、奥、手前を研削装置の前、後、左、右として説明する。
図1〜図7は本発明の実施例1を示し、図1に示すように、研削装置1は、研削機としてのディスクグラインダ2と、ディスクグラインダ2を保持する保持部3と、研削作業を行う作業者(図示せず)が把持する操作部4と、研削装置1を地面G等で移動可能とする車輪ユニット5を備えている。本実施例は、ディスクグラインダ2の研削部6が上方を向いた状態でディスクグラインダ2を取り付けた研削装置1である。
ディスクグラインダ2は、本体部7と、円環状の砥石からなる研削部6を有している。ディスクグラインダ2を単独で使用する場合には、作業者は本体部7を把持して使用する。研削部6は高速で回転(例えば、1万回転/分)し、研削部6に接触させた被研削物を研削する。ディスクグラインダ2の電源のオン/オフは本体部7に設けられた電源ボタン(図示せず)により切り替え可能となっているが、本実施例のディスクグラインダ2はディスクグラインダ2に給電するための電源コード8にスイッチボックス9を設け、そのスイッチボックス9にも電源ボタン10が設けられており、この電源ボタン10でも電源のオン/オフの切り替えが可能となっている。なお、図示しないが、ディスクグラインダ2の研削部6の回転数を制御するスピードコントローラが別途設けられており、作業者は手元で研削部6の回転数を変更可能となっている。
図2〜図7に示すように、研削装置1の保持部3は、基台部11と、ディスクグラインダ2を支持する支持部としての左支持部12Aと右支持部12Bを有する。基台部11は矩形状の底板部13と、底板部13の左端部から立設した左側板部14Aと、底板部13の右端部から立設した右側板部14Bから構成されている。左側板部14A及び右側板部14Bと底板部13とは略直角をなしている。
主に図3に示すように、基台部11の前側部分には左右方向に長い2箇所の長孔15が穿設されている。また、長孔15の後側には左右一対の前側ねじ孔16が前後に2対穿設されている。また、底板部13の後側部分には、左右一対の後側ねじ孔17と左右一対のボルト孔18が前後方向に交互に穿設されている。後側ねじ孔17とボルト孔18はそれぞれ5対ずつ穿設されている。後側ねじ孔17とボルト孔1の左右方向外側には、左右一対の外側長孔19が5対穿設されている。
図5に示すように、左側板部14Aと右側板部14Bは同一形状であり、前後方向に長い略矩形状の下板部20と、下板部20の上側であって前後方向中央部分に設けられた略矩形状の上板部21が一体に形成され、全体として略凸字状に形成されている。上板部21の前側部分には挿通孔22が穿設されており、上板部21の内側面23であって、挿通孔22の周縁部にはナット24が溶接により固定されている。また、上板部21の後側部分には上下に並んだ2箇所の側板ねじ孔25が穿設されている。
図6及び図7に示すように、左支持部12Aと右支持部12Bは同一形状であり、略矩形状の横板部26と、横板部26の一辺から立設された縦板部27から構成されている。横板部26と縦板部27とは略直角をなしている。横板部26には横板部26の長手方向に長い横長孔28が穿設されている。縦板部27には縦板部27の長手方向(上下方向)に長い縦長孔29が穿設されている。なお、縦板部27は長手方向(上下方向)の長さが異なるものを複数用意しておくことにより、研削装置1を載置する地面G等と被研削物との間隔に合わせて適当なものを選択して使用することができる。
主に図3及び図4に示すように、左支持部12Aはボルト30とナット31により基台部11の底板部13の上面である底板上面32に固定される。ボルト30は横板部26に穿設された横長孔28と底板部13に穿設された長孔15に上側から挿通され、底板部13の下面である底板下面33でナット31と螺合される。ボルト30は横長孔28と長孔15に挿通されるため、左支持部12Aの固定位置は横長孔28と長孔15の長さの範囲内で調節可能である。
右支持部12Bも左支持部12Aと同様にボルト30とナット31により基台部11の底板上面32に固定される。ボルト30は横板部26に穿設された横長孔28と底板部13に穿設された長孔15Bに上側から挿通され、底板下面33でナット31と螺合される。ボルト30は横長孔28と長孔15に挿通されるため、右支持部12Bの固定位置は横長孔28と長孔15の長さの範囲内で調節可能である。
ここで、ディスクグラインダ2の保持部3への取り付け方法及び固定方法について説明する。ディスクグラインダ2の本体部7には、六角ボルト34を螺合可能な本体ボルト孔35が左右に形成されている。左支持部12Aと右支持部12Bの縦長孔29に左右方向外側から六角ボルト34を挿通し、本体ボルト孔35に螺合することで、ディスクグラインダ2の前側を左支持部12Aと右支持部12Bに固定することができる。ディスクグラインダ2を左支持部12Aと右支持部12Bに固定する高さ方向の位置は、縦長孔29に挿通する六角ボルト34の位置で調節することができる。すなわち、縦長孔29の長さの範囲内での高さ調節が可能である。
ディスクグラインダ2の後側は、Uボルト36により基台部11の底板部13に固定される。Uボルト36は、ディスクグラインダ2の本体部7に外嵌され、外側長孔19に挿通され、底板部13の底板下面33でナット37と螺合する。
ディスクグラインダ2を底板部13に固定する高さ方向の位置は、矩形板状のスペーサ38を用いて調節することができ、スペーサ38を重ねる枚数で高さの調節を行う。スペーサ38は、後側ねじ孔17に底板下面33側から挿通し、底板部13の底板上面32でナット39に螺合された4本の支持ボルト40の間に配設されて保持される。重ねられた一番上のスペーサ38の上面41にディスクグラインダ2の本体部7を当接させる。図2に示すように、本実施例では3枚のスペーサ38を使用している。
また、底板部13の底板下面33側から前側ねじ孔16に突き当てボルト61を螺合し、突き当てボルト61をディスクグラインダ2の本体部7に当接させてディスクグラインダ2を支持する。
このように、ディスクグラインダ2は前後3箇所で保持部3に保持され固定される。本実施例では、ディスクグラインダ2の前側が後側よりも高くなるように固定されている。そのため、被研削物に対して傾斜を付けてディスクグラインダ2の研削部6を接触させることができる。本実施例では、左支持部12A、右支持部12B、六角ボルト34、スペーサ38及び突き当てボルト61が角度調節機構である。
主に図2及び図4に示すように、保持部3には車輪ユニット5が取り付けられている。車輪ユニット5は、左右に1つずつ配設された車輪42と、車輪42を取り付ける車輪ユニット基部43と、車輪ユニット基部43を保持部3に固定する車輪ユニット固定部44を有している。
車輪ユニット基部43は、板状部材により形成され、左右両側に形成された車輪42を取り付ける車輪取付部45と、左右の車輪取付部45の間に略凹状に形成された凹状連結部46と、車輪ユニット基部43の前端部であって車輪取付部45と凹状連結部46に連結された板状の目隠し板部47から構成されている。車輪42は、車輪取付部45に4本のボルト48により固定されている。
車輪ユニット固定部44は、サスペンション軸部49とスプリング50からなるサスペンション51と、サスペンション51を保持部3の左側板部14Aと右側板部14Bに取り付ける取付板部52を有している。サスペンション軸部49は、スプリング50に挿通された状態で車輪取付部45の上面53に立設されている。サスペンション軸部49の上部には、スプリング50がサスペンション軸部49から抜けることを防止する抜止部54が設けられている。抜止部54には、取付板部52が固定されている。取付板部52は略矩形板状に形成され、前側部分に上下方向に長い長孔であるレバー用長孔55が穿設されている。
取付板部52はクランプレバー56により左側板部14Aと右側板部14Bにそれぞれ取り付けられている。そのため、クランプレバー56を締めることで、取付板部52が左側板部14Aと右側板部14Bに固定され、クランプレバー56を緩めることで取付板部52が移動可能となる。クランプレバー56のねじ部であるレバーねじ部57は、取付板部52のレバー用長孔55と左側板部14Aと右側板部14Bの挿通孔22に挿通され、ナット24に螺合されているため、クランプレバー56を緩めると保持部3がレバー用長孔55の長さの範囲内で上下方向に移動可能となる。これによりディスクグラインダ2の研削部6と車輪42との距離D1を調節することができる。距離D1を調節するには、クランプレバー56を緩めて保持部3を上下方向に移動させ、所望の位置でクランプレバー56を締めて保持部3を固定すればよい。本実施例では、取付板部52とクランプレバー56が距離調節機構である。
左側板部14Aと右側板部14Bの後側部分には、取付板部52が後方へ移動することを規制する略矩形板状に形成された規制部58が取り付けられている。規制部58には上下2箇所のボルト孔59が穿設されており、ボルト60をボルト孔59に挿通し、左側板部14Aと右側板部14Bの側板ねじ孔25に螺合することで、規制部58が左側板部14Aと右側板部14Bに固定されている。
主に図1及び図2に示すように、操作部4は、保持部3の底板下面33に取り付けられた操作基部62と、操作基部62に着脱可能な延長操作部63と、操作基部62と延長操作部63に着脱可能な操作端部64から構成されている。操作基部62、延長操作部63及び操作端部64は略円筒形状に形成されている。操作基部62は、Uボルト65により2箇所で保持部3の底板部13に固定されている。操作基部62に外嵌されたUボルト65は、底板部13の底板下面33側からボルト孔18に挿通され、底板部13の底板上面32側でナット66に螺合されている。本実施例では、延長操作部63と操作端部64が長さ調節操作部である。
操作基部62の後端部には接続部を構成するプラグ67が設けられている。延長操作部63の一側端部には接続部を構成するソケット68が設けられており、他側端部には接続部を構成するプラグ69が設けられている。操作基部62のプラグ67と延長操作部63のソケット68を連結することにより、延長操作部63を操作基部62に連結することができる。なお、延長操作部63は複数用いてもよい。操作端部64の一側端部には接続部を構成するソケット70が設けられている。操作端部64のソケット70を操作基部62のプラグ67又は延長操作部63のプラグ69に連結することにより、操作端部64を操作基部62又は延長操作部63に連結することができる。本実施例の接続部は、いわゆるクイックジョイントであるが、操作基部62と延長操作部63と操作端部64を互いに着脱可能に連結するものであれば他の公知の連結具を使用してもよい。また、操作基部62、延長操作部63及び操作端部64の長さは、それぞれ所望の長さとすることができる。また、作業者が把持することができるものであれば、操作基部62、延長操作部63及び操作端部64の形状は様々な形状を選択することができる。
ここで、建造物の床下に設けられた被研削物としての鉄骨Sを、研削装置1を使用して研削する方法について説明する。予め、鉄骨Sと地面Gとの間隔に合わせてディスクグラインダ2の研削部6の高さを調節しておく。そして、図1、図2及び図4に示すように鉄骨Sの下面71にディスクグラインダ2の研削部6を当接させる。スイッチボックス9の電源ボタン10を操作してディスクグラインダ2の電源をオンにすると研削部6が回転を開始し鉄骨Sの下面71を研削することができる。作業者は、操作部4を前後方向に押し引きすることで車輪42を転動させ、鉄骨Sの長手方向に沿って鉄骨Sの下面71に付着した錆や塗膜等の汚れを研削することができる。研削して地面Gに落下した錆や塗膜等は研削作業後に回収すればよい。
地面Gに凹凸や歪みがあり、研削装置1の移動時に車輪42が上下したり、傾いたりした場合であっても、サスペンション51により一定量の車輪42の上下移動や傾きは吸収され、研削部6と鉄骨Sとの接触を維持することができる。また、サスペンション51を有していることにより、ディスクグラインダ2の研削部6が被研削物に適度な強さで押し当てられる。そのため、研削部6が被研削物に強く押し当てられることによるディスクグラインダ2への過負荷を緩和することができる。
本実施例では、研削部6が車輪42よりも前方に配置され、操作部4が車輪42よりも後方に配置されていることから、操作部4を上下方向に動かすことにより、車輪42を支点として研削部6の高さを変えることができる。すなわち、操作部4を上方に持ち上げると研削部6が降下し、操作部4を下方に下げると研削部6が上昇する。
以上のように本実施例の研削装置1は、ディスクグラインダ2と、ディスクグラインダ2を保持する保持部3と、保持部3に取り付けられた操作部4と、保持部3に取り付けられた車輪42と、を備えることにより、車輪42を転動させて研削装置1を被研削物の下方に移動させ、ディスクグラインダ2により被研削物を研削することができる。そのため、作業者は被研削物の下方に潜り込む必要がない。
また、本実施例の研削装置1は、保持部3がディスクグラインダ2と車輪42との距離D1を調節可能な取付板部52及びクランプレバー56を備えることにより、ディスクグラインダ2の研削部6の位置を被研削物の高さに合わせることができる。そのため、異なる高さを有する複数の被研削物に対しても、それぞれの被研削物の高さに合わせて研削を行うことができる。
また、本実施例の研削装置1は、ディスクグラインダ2が被研削体を研削する研削部6を有し、研削部6が上方を向いた状態でディスクグラインダ2を取り付け可能であることにより、被研削物の下面71を容易に研削することができる。
また、本実施例の研削装置1は、保持部3がディスクグラインダ2の取り付け角度を調節可能な左支持部12A、右支持部12B、六角ボルト34、スペーサ38及び突き当てボルト61を備えることにより、被研削物に対して所望の角度で研削部6を接触させて研削を行うことができる。
また、本実施例の研削装置1は、研削部6が車輪42よりも前方に配置され、操作部4が車輪42よりも後方に配置されていることにより、操作部4を上げ下げすることにより研削部6の上下方向(高さ方向)の位置を調節することができる。そのため、取付板部52及びクランプレバー56により研削部6の高さを変更することなく、作業者の操作部4の操作により研削部6の位置を適宜変更しながら研削作業を行うことができる。
また、本実施例の研削装置1は、操作部4が、保持部3に固定された操作基部62と、操作基部62に着脱可能に連結される延長操作部63及び操作端部64から構成されることにより、操作部4の長さを所望の長さとすることができ、研削作業を容易とすることができる。
図8〜図18は、本発明の実施例2を示したものであり、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例は、研削部6が右側を向いた状態でディスクグラインダ2を取り付けた研削装置81である。なお、本実施例のディスクグラインダ2と操作部4は上記実施例1と同一のものであるため、その説明は省略する。
図8に示すように、研削装置81は、ディスクグラインダ2を保持する保持部82と、研削作業を行う作業者(図示せず)が把持する操作部4と、研削装置1を地面G等で移動可能とする車輪ユニット83を備えている。
図9〜図18に示すように、保持部82は、基台部84と、ディスクグラインダ2を支持する支持部85を有する。基台部84は、前後方向に長い矩形板状の底板部86と、底板部86の4辺から立設した前板部87、後板部88、左板部89及び右板部90と、前板部87の内側面91の左右方向中央部に設けられた前側支持部92と、後板部の内側面93の左右方向中央部に設けられた後側支持部94を有する。
図10及び図11に示すように、底板部86には、左右一対の挿通孔95が前後に2対穿設されている。また、前側支持部92と後側支持部94は底板部86に連結されている。
左板部89と右板部90は同一形状であり、前後に2箇所のフック挿通孔96が穿設されている。また、前後のフック挿通孔96の間には、レバー挿通孔97と、2つのねじ孔98が穿設されている。左板部89の内側面99であってフック挿通孔96の周縁部には、ナット100が溶接により固定されている。
前側支持部92は板状に形成され、上側が前板部87よりも前側に延出している。前側支持部92の上端部には、支持部85に係止する前側係止受部101が形成されている。前側係止受部101は、略直角に切り欠いたような形状を有しており、支持部85を下側から支持する下側受部102と、支持部85が後側に移動することを規制する前側受部103から構成されている。
後側支持部94は板状に形成され、上下方向の長さが前側支持部92よりも短く形成されている。後側支持部94の上端部には、支持部85に係止する後側係止受部104が形成されている。後側係止受部104は、略直角に切り欠いたような形状を有しており、支持部85を下側から支持する下側受部105と、支持部85が前側に移動することを規制する後側受部106から構成されている。
主に図12〜図14に示すように、支持部85は板状に形成され、ディスクグラインダ2の背面側に対向する背面側板部107と、背面側板部107の前側辺から立設した前側係止部108と、背面側板部107の後側辺から立設した後側係止部109と、ディスクグラインダ2を前側に保持する押さえ板部110を有している。
背面側板部107には、上下一対の長孔111が7対穿設されている。上下の長孔111の間には、上下一対のねじ孔112が7対穿設されている。また、長孔111とねじ孔112の後側には、背面側板部107の長手方向(前後方向)に長い長孔113が上下に穿設されている。
図15に示すように、前側係止部108は、略矩形板状に形成され、上側辺部114Aには矩形状の凹溝部115Aが形成され、下側辺部114Bには矩形状の凹溝部115Bが形成されている。凹溝部115A,115Bの溝幅は、前側支持部92の板厚よりも僅かに大きく形成されている。また、凹溝部115Aは背面側板部107と平行な仮想線L1に対して上側が仮想線L1から離れる方向に傾斜しており、凹溝部115Bは背面側板部107と平行な仮想線L1に対して下側が仮想線L1から離れる方向に傾斜している。本実施例では凹溝部115A,115Bの傾斜角度θは3°であるが傾斜角度θは適宜変更可能である。
図16に示すように、後側係止部109は、略矩形板状に形成され、上側辺部116Aには矩形状の凹溝部117Aが形成され、下側辺部116Bには矩形状の凹溝部117Bが形成されている。凹溝部117A,117Bの溝幅は、後側支持部94の板厚よりも僅かに大きく形成されている。また、後側係止部109の右側辺部118には、延長ケーブル8を挿通するケーブル用溝部119が形成されている。また、凹溝部117Aは背面側板部107と平行な仮想線L2に対して上側が仮想線L2から離れる方向に傾斜しており、凹溝部117Bは背面側板部107と平行な仮想線L2に対して下側が仮想線L2から離れる方向に傾斜している。本実施例では凹溝部117A,117Bの傾斜角度θは3°であるが傾斜角度θは適宜変更可能である。
図12〜図14に示すように、に示すように、押さえ板部110は、支持部85の背面側板部107に当接する略矩形板状の第一板部120と、ディスクグラインダ2の本体部7に当接する略矩形板状の第二板部121から構成されている。第二板部121は第一板部120に対して略直角をなしている。第一板部120には2箇所のねじ孔122が穿設されている。
ここで、ディスクグラインダ2の保持部82への取り付け及び固定方法について説明する。まず、ディスクグラインダ2を支持部85の背面側板部107に載置し、本体部7の前側を前側係止部108に当接させる。次に、本体部7の後側に押さえ板部110の第二板部121を当接させ、蝶ボルト123を背面側板部107の外面124側から長孔113に挿通し、押さえ板部110のねじ孔122に螺合する。これにより、ディスクグラインダ2が前後方向に移動しないように保持される。蝶ボルト123は長孔113に挿通するため、押さえ板部110の前後方向の位置は長孔113の範囲内で容易に調節することができる。次に、ディスクグラインダ2の本体部7にUボルト36を2箇所外嵌し、Uボルト36を長孔111に挿通し外面124側でナット37に螺合する。最後に、背面側板部107の外面124側からねじ孔112に突き当てボルト125を螺合し、突き当てボルト125をディスクグラインダ2の本体部7に当接させてディスクグラインダ2を支持する。
次に、支持部85の基台部84への取り付け方法について説明する。支持部85の前側係止部108の凹溝部115Bを基台部84の前側係止受部101と係合させ、支持部85の後側係止部109と凹溝部117Bを基台部84の後側係止受部104と係合させる。上述のとおり、凹溝部115Bと凹溝部117Bは3°傾斜して形成されているため、支持部85を基台部84に取り付けると、ディスクグラインダ2の研削部6が傾斜するため、被研削物に対して傾斜を付けて研削部6を接触させることができる。次に、両端部にフック126が設けられたゴムベルト127により支持部85を2箇所で保持する。フック126は、支持部85のフック挿通孔96に係止する。なお、ゴムベルト127の一側端部にのみフック126を設け、他側端部を左板部89に穿設されたフック挿通孔96にボルト・ナット(図示せず)により固定し、フック126を右板部90に穿設されたフック挿通孔96に係止することで支持部85を保持してもよい。また、ゴムベルト127は、ディスクグラインダ2と支持部85を基台部84に保持できるものであれば、その素材はゴム以外のものであってもよい。本実施例では、前側係止受部101が後側係止受部104よりも上下方向(高さ方向)に長く形成されているため、ディスクグラインダ2の前側が後側よりも高くなるように固定されている。
図17及び図18に示すように、車輪ユニット83は、左右に1つずつ配設された車輪128と、車輪128を取り付ける車輪ユニット固定部129を有している。
車輪ユニット固定部129は、板状に形成され、車輪128の車軸部130を固定する車軸固定部131と、車軸固定部131から約95°折り曲げた矩形状の水平板部132と、水平板部132から略直角に折り曲げ、上方に延設した垂直板部133から構成されている。
車軸固定部131は、略矩形状に形成され、車軸部130を挿通する車軸用孔134が穿設されている。垂直板部133は略矩形状に形成され、垂直板部133の長手方向(上下方向)に長い高さ調節用孔135が穿設されている(図9参照)。
車輪ユニット固定部129は、クランプレバー136により基台部84の左板部89と右板部90にそれぞれ取り付けられている。クランプレバー136を締めることで、車輪ユニット固定部129が左板部89と右板部90に固定され、クランプレバー136を緩めることで車輪ユニット固定部129が移動可能となる。これによりディスクグラインダ2と車輪128との距離D2を調節することができる。距離D2を調節するには、クランプレバー136を緩めて保持部82を上下方向に移動させ、所望の位置でクランプレバー136を締めて保持部82を固定すればよい。本実施例では、車輪ユニット固定部129とクランプレバー136が距離調節機構である。
図9に示すように、垂直板部133の前側には、略矩形板状に形成された規制部137が左板部89と右板部90に固定されている。規制部137にはボルト孔(図示せず)が2箇所に穿設されており、このボルト孔(図示せず)にボルト139を挿通し、ボルト139を左板部89と右板部90に穿設されたねじ孔98に螺合させることにより、規制部137が左板部89と右板部90に固定されている。規制部137は、垂直板部133が前側に移動することを規制している。
主に図9に示すように、操作部4の操作基部62は、Uボルト65により2箇所で基台部84の底板部86に固定されている。操作基部62に外嵌したUボルト65は、底板部86の下面140側から挿通孔95に挿通され、底板部86の上面141側でナット66に螺合されている。
ここで、建造物の床下に設けられた被研削物としての鉄骨Sを、研削装置81を使用して研削する方法について説明する。予め、鉄骨Sと地面Gとの間隔に合わせてディスクグラインダ2の高さを調節しておく。そして、図に示すように鉄骨Sの側面142にディスクグラインダ2の研削部6を当接させる。スイッチボックス9の電源ボタン10を操作してディスクグラインダ2の電源をオンにすると研削部6が回転を開始し鉄骨Sの側面142を研削することができる。作業者は、操作部4を前後方向に押し引きすることで車輪42を転動させ、鉄骨Sの長手方向に沿って鉄骨Sの側面142(図17参照)に付着した錆や塗膜等の汚れを研削することができる。研削して地面Gに落下した錆や塗膜等は研削作業後に回収すればよい。
鉄骨Sの反対側の側面143の研削を行うには、図18に示すように、ディスクグラインダ2を研削部6が左側を向いた状態で取り付けて使用する。ディスクグラインダ2の向きを変えるには、図17に示す研削部6が右側を向いた状態からフック126の係止を外してゴムベルト127を外し、ディスクグラインダ2を支持部85に固定された状態で持ち上げて基台部84から取り外す。ディスクグラインダ2と支持部85をひっくり返して研削部6を左側に向けて支持部85を基台部84に取り付ける。このとき、凹溝部115Aを前側係止受部101に係止し、凹溝部117Aを後側係止受部104に係止する。そして、フック126をフック挿通孔96に係止し、ゴムベルト127によりディスクグラインダ2と支持部85を基台部84に固定する。そして、研削部6を鉄骨Sの側面143(図18参照)に当接させればよい。
以上のように本実施例の研削装置81は、ディスクグラインダ2と、ディスクグラインダ2を保持する保持部82と、保持部82に取り付けられた操作部4と、保持部82に取り付けられた車輪128と、を備えることにより、車輪128を転動させて研削装置81を被研削物の下方に移動させ、ディスクグラインダ2により被研削物を研削することができる。そのため、作業者は被研削物の下方に潜り込む必要がない。
また、本実施例の研削装置81は、保持部82がディスクグラインダ2と車輪128との距離D2を調節可能な車輪ユニット固定部129及びクランプレバー136を備えることにより、ディスクグラインダ2の研削部6の位置を被研削物の高さに合わせることができる。そのため、異なる高さを有する複数の被研削物に対しても、それぞれの被研削物の高さに合わせて研削を行うことができる。
また、本実施例の研削装置1は、ディスクグラインダ2が被研削体を研削する研削部6を有し、研削部6が側方を向いた状態でディスクグラインダ2を取り付け可能であることにより、被研削物の側面142,143を容易に研削することができる。
また、本実施例の研削装置1は、研削部6が車輪128よりも前方に配置され、操作部4が車輪128よりも後方に配置されていることにより、操作部4を上げ下げすることにより研削部6の上下方向(高さ方向)の位置を調節することができる。そのため、車輪ユニット固定部129及びクランプレバー136により研削部6の高さを変更することなく、作業者の操作部4の操作により研削部6の位置を適宜変更しながら研削作業を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、被研削物の錆や劣化した塗膜を研削可能であれば、研削部6は砥石ではなくワイヤブラシ、真鍮ブラシ又はナイロンブラシ等を用いてもよい。