Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP6900801B2 - カルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP6900801B2 - カルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法 - Google Patents

カルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6900801B2
JP6900801B2 JP2017125064A JP2017125064A JP6900801B2 JP 6900801 B2 JP6900801 B2 JP 6900801B2 JP 2017125064 A JP2017125064 A JP 2017125064A JP 2017125064 A JP2017125064 A JP 2017125064A JP 6900801 B2 JP6900801 B2 JP 6900801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carboxylic acid
reaction
hmf
acid ester
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017125064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018039778A (ja
Inventor
清隆 中島
清隆 中島
福岡 淳
淳 福岡
ミンジュン キム
ミンジュン キム
青島 敬之
敬之 青島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaido University NUC
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Hokkaido University NUC
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokkaido University NUC, Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Hokkaido University NUC
Publication of JP2018039778A publication Critical patent/JP2018039778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6900801B2 publication Critical patent/JP6900801B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

本発明は、バイオマス原料から誘導されるフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造する方法に関するものであり、詳しくは、バイオマス原料から誘導されるフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造する際に、環状アセタール中間体を経由することを特徴とする、高収率で且つ長期操業安定性にも優れたカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法、ならびに、著しく熱安定性に優れたフラン骨格を有する環状アセタールに関する。
近年、化石燃料枯渇問題、大気中の二酸化炭素増加という地球規模での環境負荷の問題に対する対策が必要となっている。このような社会的要請から現在の大気圏の地球環境下で植生したバイオマス原料から各種有用化学品を製造するプロセスの開発が着目され、精力的に取り進められている。バイオマス原料を化学原料の出発物質として活用する手法は、例えば、植物原料生産が各地に分散して多様化できるので、原料供給が非常に安定していること、および大気圏の地球環境下において為されるために、二酸化炭素の吸収および放出の物質収支の較差が比較的均衡する為に、化石資源原料には全く期待できない、リサイクルを含めた循環型社会の実現性を潜在的に保有する利点を有し、産業上の利用価値は極めて大きい。
これまで、化学品原料をバイオマス原料に求める技術としては、CO排出量削減に大きく貢献する技術として、バイオマス原料そのものを汎用樹脂の原料として用いる手法や該樹脂の原料となるモノマーへバイオマス原料を誘導する手法が種々提案されている。また、バイオマス原料の構造を活用してバイオマス原料から高機能化学品へ誘導する手法の開発も盛んである(非特許文献1)。
バイオマス原料から有用化学品へ誘導する反応としては、バイオマス原料の発酵法による生物学的変換方法、触媒反応を代表とする化学的変換方法、電気化学手法を用いた変換方法等が開発されている。しかしながら、これらのバイオマス原料から誘導される化学品を、化石資源から誘導される化学品と代替したり汎用材に適用したりする技術の多くは、汎用化ないし普及にまで至っていないのが実情である。その最大の理由は、化石資源から誘導される原料に比べて、バイオマス原料並びにそこから誘導される原料は、一般に、バイオマス原料特有の窒素含有化合物、硫黄含有化合物、金属塩等の不純物を多く含み、また、ヒドロキシル基やカルボニル基等の反応性官能基を多く有するために、製造時に副反応を引き起こしやすい特徴があることに起因する。すなわち、バイオマス原料を出発物質として適用したプロセスにおいては、これらの不純物や副生物の除去工程が必須となり、製造プロセスが煩雑化し、製造コストが高騰するばかりでなく、製造時の消費エネルギーも高騰するといった経済性ならびに環境負荷の観点で多くの課題を有する。
従って、本発明で対象とするバイオマス原料からの誘導化反応においては、如何に効率的な変換反応プロセスを設計できるかが求められ、上記の変換反応の中では、特に触媒反応を用いた化学変換方法が注目されている。例えば、このような効率的な変換技術としては、触媒反応を用いたセルロースからの単糖類や糖アルコール変換技術が、特許文献1〜3等に提案されている。
一方、バイオマス原料から有用化学品を誘導する一連の触媒反応の中では、フラン環を有する化合物を経由するプロセスが、その機能性、用途の多様性、環境負荷ならびに経済性の観点から特に重要なプロセスとして提案されている。例えば、本発明の製造対象の一つであるフランジカルボン酸やそのエステルは、一般的に以下の反応で製造されている。
Figure 0006900801
具体的な製造方法としては、例えば、グルコースやフルクトース等の単糖類から含水ニオブ酸の存在下にヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造する方法が特許文献4に提案されている。また、HMFの酸化反応によりフランジカルボン酸又はそのエステルを製造する方法については、特許文献5,6及び非特許文献2に提案がなされている。
しかしながら、上記のバイオマス資源からHMFを経由してフランジカルボン酸又はそのエステルを製造する反応においては、アルデヒド基ならびにヒドロキシル基といった反応性官能基を有するHMFが中間体となり、この反応性中間体の熱安定性が悪いことに起因して、HMFの重合や開環反応等が進行し、フミン等のオリゴマーならびにポリマーやレブリン酸等の形成により反応収率が低下するばかりでなく、副生するオリゴマーやポリマーが反応器や配管内に付着することにより、反応器の熱伝導効率の低下や配管内閉塞を引き起こし、安定した長期操業が困難になるといった課題がある。また、これらの副生物は一般に着色物であることが多く、製品中に混入して製品の着色を引き起こし、更には、これらの副生物の製品への混入により製品の耐久安定性を損ね、製品中の異物生成の要因にも繋がるといった課題もある。これらは、特に、HMFの濃度を高めてフランジカルボン酸やそのエステルを製造する際に顕著となり、製造時の経済性が求められる工業プロセスにおいては大きな課題となっている。すなわち、工業製造プロセスにおいては、如何に、高濃度条件下で製造プロセスの長期安定操業を図るかが、経済性のあるプロセス設計上の重要な課題となるが、この本質的な課題はバイオマス原料を活用する本化学品の製造プロセスにおいては未だ解決されていないのが実情である。従って、原料をバイオマス原料に求める製造プロセスにおいては、反応収率を向上させた効率的な変換反応プロセスの設計のみならず、反応中間体の熱安定性ならびに反応安定性を向上させる反応プロセスの設計が課題となっている。
国際公開WO2011/036955 特許第5894387号公報 特許第5823756号公報 特開2009−215172号公報 特許第5217142号公報 国際公開WO2015/155784
Green Chemistry 15 (2013) 1740−1763 Journal of Catalysis 265 (2009) 109−116
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、バイオマス原料から誘導されるフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造するに当たり、高濃度条件下での製造であっても上記の副反応を抑制して目的とするカルボン酸エステル又はカルボン酸を高収率で得ることが可能となるばかりか、長期操業安定性にも優れたカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法及びそれらの中間体となる著しく熱安定性が向上した環状アセタールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、バイオマス原料から誘導されるフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造する際に、環状アセタール中間体を経由することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[9]に存する。
[1] バイオマス原料から誘導されるフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造する方法において、環状アセタール中間体を経由することを特徴とするカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
[2] 前記環状アセタール中間体の酸化反応により前記フラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造することを特徴とする[1]に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
[3] 前記フラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸が、フランジカルボン酸エステル又はフランジカルボン酸であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
[4] 前記環状アセタール中間体を水と有機溶媒との混合溶媒を用いて製造することを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
[5] 前記バイオマス原料が糖類原料であることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
[6] 反応系にジオールを添加する工程を含むことを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
[7] フラン骨格を有するアルデヒド体と前記ジオールとの反応で前記環状アセタール中間体を生成させることを特徴とする[6]に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
[8] 下記式(1)で表される環状アセタール。
Figure 0006900801
(式中、Rは水素原子、−CHOH、−CHOR又は−CHO(C=O)Rで表される基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。)
[9] [8]に記載の環状アセタールからフランジカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造することを特徴とするカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
本発明の製造方法によれば、バイオマス原料から誘導されるフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造する際に、環状アセタール中間体を経由することで、反応中間体の熱安定性を向上させて、反応中間体の重合や開環反応といった副反応を抑制し、目的とするカルボン酸エステル又はカルボン酸の収率を向上させることができる。また、副反応を抑制することによって副生成物の混入による製品品質の低下や、副生重合物による配管閉塞、伝熱効率の低下といった操業トラブルを防止して、カルボン酸エステル又はカルボン酸の連続生産を安定かつ効率的に行うことができる。更には、これらのカルボン酸エステルやカルボン酸を原料として誘導される製品の着色や異物の発生をも抑制することができる。
実験例1の結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明においては、以下特段の記載がない限り、「酸化エステル化」とは環状アセタールからカルボン酸エステルが生成する反応を、「酸化」とは環状アセタールからカルボン酸が生成する反応を意味し、これらの「酸化エステル化」及び「酸化」を併せて「酸化反応」と記す。
また、本発明において、「当量」とは、モル当量を意味する。
本発明の製造方法は、バイオマス原料から誘導されるフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造する方法において、環状アセタール中間体を経由することを特徴とする。
なお、以下においては、本発明に従ってフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸としてフランジカルボン酸エステル又はフランジカルボン酸を製造する場合を主として例示して本発明を説明するが、本発明の製造方法は、フランジカルボン酸エステル又はフランジカルボン酸の製造方法に何ら限定されず、例えば、フランモノカルボン酸エステル又はフランモノカルボン酸の製造にも有効に適用することができる。例えば、フランモノカルボン酸エステル又はフランモノカルボン酸を製造する場合は、以下に説明するフランジカルボン酸エステル又はフランジカルボン酸の製造において、炭素数が6の糖類単位を主成分として含むバイオマス原料、又はバイオマス原料から糖化工程を経て製造される炭素数が6の糖類を含む原料(以下、「糖類を含む原料」を「糖類原料」と称す。)を、炭素数が5の糖類単位を含むバイオマス原料又は糖類原料に変更することによりフランモノカルボン酸エステル又はフランモノカルボン酸を製造することができる。また、フランモノカルボン酸エステル又はフランモノカルボン酸は、用いる触媒及び/又は溶媒を適宜変更することにより炭素数が6の糖類からも製造することもできる。
[メカニズム]
本発明者らは、バイオマス原料および/又はバイオマス原料から誘導される糖類原料から脱水反応により生成するフラン骨格を有するアルデヒド中間体を経由してフラン骨格を有するカルボン酸を製造する従来法においては、該アルデヒド中間体の熱安定性の悪さに起因して上記の種々の問題が生じることを見出した。そこで、本発明者らは、これらの問題を解決すべく検討を重ね、脱水反応で生成するフルフラール(以下「FRL」と略記する。)やヒドロキシメチルフルフラール(以下「HMF」と略記する。)等のアルデヒド中間体を、ジオールとの反応により直ちに環状アセタール化、好ましくは脱水反応によるフラン骨格の形成と同時にアセタール化することにより、熱安定性が高い環状アセタール中間体を得、引き続き該中間体の酸化反応によりカルボン酸エステルまたはカルボン酸を製造することで、上記の種々の問題を解決することができることを見出した。また、本発明における目的とするカルボン酸は、前記工程を経て製造されるカルボン酸エステルを加水分解することによっても製造することができる。
Figure 0006900801
以下、フラン骨格を有するアルデヒドがHMFである場合(上記反応式(A))を例に説明すると、バイオマス原料および/又はバイオマス原料から誘導される糖類原料からの脱水反応により生成したHMFを環状アセタール化するには、反応系にジオールを存在させればよい。使用するジオールは、好ましいジオールとして、1,3−プロパンジオール(1,3−PD)又はエチレングリコール(EG)が選ばれ、形成されるアセタールの熱安定性が顕著に向上する理由から1,3−プロパンジオール(1,3−PD)が特に好ましい。
具体的には、脱水反応系内に1,3−プロパンジオール(1,3−PD)又はエチレングリコール(EG)を存在させることで、下記反応式に示すように、脱水反応で生成したHMFは、直ちに1,3−プロパンジオール(1,3−PD)又はエチレングリコール(EG)と反応して、HMFの1,3−プロパンジオールアセタール化物(以下「PD−HMF」と略記する。)又はHMFのエチレングリコールアセタール化物(以下「EG−HMF」と略記する。)に変換される。
Figure 0006900801
後述の実験例1に示されるように、これらの環状アセタールは、HMFに比べて熱安定性に優れるため、このような環状アセタール中間体を経由することで、
(1) HMFの重合によるオリゴマーやポリマーの形成が抑制される。
(2) 上記(1)より、反応収率を高く維持することができる。
(3) 上記(1)より、反応器や配管内に副生成物に起因する汚れが付着し難く、熱伝導率の低下や配管内閉塞といったトラブルを防止して安定生産を行える。更には、副生物に起因する着色や異物の発生を防止して高品質の製品を得ることができる。
といった効果が奏される。
なお、HMFを環状アセタール化する場合には、上記の通り、反応系にジオールを添加すればよい。更に、反応系に添加されたジオールとHMFとの反応で生成した環状アセタールは、アルコール共存下で直ちに酸素ガス等を含む酸化性反応雰囲気で酸化的エステル化反応を行うことにより、以下の通り、フランジカルボン酸のジエステルに変換される。
Figure 0006900801
また、本発明の環状アセタールは、水中でも塩基条件下では安定である為、別の態様として、塩基存在下、水中で酸素ガス等を含む酸化性反応雰囲気で酸化を行うことにより、以下の通り、フランジカルボン酸に変換される。
Figure 0006900801
即ち、本発明では、バイオマス原料および/又は糖類原料からの脱水・環状アセタール化工程を経て、カルボン酸エステルを製造する際には酸化的エステル化を、カルボン酸を製造する際には酸化を連続して行う。この手法によれば、一連の反応を同一の反応系内で行うことも可能となり、効率的なカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造を行うことができる。
なお、前述の非特許文献2には、フランジカルボン酸ジメチルエステルの製造において、副生成物としてHMFのメタノールアセタール化物(以下「Me−HMF」と略記する。)が生成し、このものは直ちに目的のカルボン酸エステルに変換されることが示されているが、後述の実験例1に示されるように、HMFのアセタール化物であっても、環状アセタールではないものは、熱安定性に劣り、本発明の目的を達成し得ない。
以下、本発明の好ましい形態について詳細に説明する。
[バイオマス原料]
本発明におけるバイオマス原料とは、植物の光合成作用で太陽の光エネルギーがデンプンやセルロース、ヘミセルロースなどの形に変換されて蓄えられたもの、植物体を食べて成育する動物の体や、植物体や動物体を加工してできる製品等が含まれる。バイオマス原料としては、例えば、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、カルドン、スイッチグラス、松材、ポプラ材、カエデ材、おから、コーンコブ、コーンストーバー、コーンファイバー、タピオカ、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣、水産物残渣、家畜排泄物、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。この中でも木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、カルドン、スイッチグラス、松材、ポプラ材、カエデ材、おから、コーンコブ、コーンストーバー、コーンファイバー、タピオカ、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、古紙、製紙残渣等の植物資源が好ましく、より好ましくは、木材、稲わら、籾殻、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、カルドン、スイッチグラス、松材、ポプラ材、カエデ材、コーンコブ、コーンストーバー、コーンファイバー、バガス、芋、古紙、製紙残渣であり、最も好ましくはとうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、バガス、カルドン、スイッチグラス、松材、ポプラ材、カエデ材、コーンコブ、コーンストーバー、コーンファイバーである。
本発明においては、例えば、Green Chemisry 16 (2014) 4816−4838、ならびにその引用文献に記載の文献等の公知手法を用いて、これらのバイオマス原料から直接FRLやHMFへ誘導し、その後、該FRLや該HMFとジオールとの反応により環状アセタールへ誘導する手法は、バイオマス原料からの糖化工程を経る必要がなく、最終目的物までの反応ステップ数が少なくなる理由から、好ましい態様である。また、バイオマス原料とジオールとを共存させ、該手法を用いて直接FRLやHMFの環状アセタール体へ誘導しても良い。反応ステップ数が少なく、反応プロセスが効率的であるという点では、後者のバイオマス原料とジオールとを共存させ、直接環状アセタールを得る手法が好ましい。
[糖化]
本発明においては、上記のバイオマス原料からFRLやHMFならびにそれらの環状アセタール体へ直接誘導する手法以外にも、特に限定はされないが、例えばバイオマス原料を酸やアルカリ等の化学処理、微生物を用いた生物学的処理、物理的処理等の公知の前処理・糖化の工程を経て、バイオマス原料に含まれる多糖類をその構成単位である糖類まで分解(糖化)してオリゴ糖、2糖や単糖を含む糖液を得、その糖液からFRLやHMFを得て、上述の通り、ジオールと反応させることにより、それらの環状アセタール体へ誘導する手法も、好適に使用できる。この手法を用いることにより、バイオマス原料に含まれる異物や不純物によるアセタール化反応の反応収率や生成アセタール体の純度の低下を回避することが可能となる。
バイオマス原料の糖化方法については、特に限定されず、例えば、Green Chemisry 16 (2014) 4816−4838、ならびにその引用文献に記載の文献等の、公知手法を用いることができる。
その工程は、特に限定はされないが、通常、バイオマス原料をチップ化する、削る、擦り潰す等の前処理による微細化工程が含まれる。必要に応じて、更にグラインダーやミルによる粉砕工程が含まれる。こうして微細化されたバイオマス原料は、更に前処理・糖化の工程を経て糖液が製造されるが、その具体的な方法としては、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸等の強酸による酸処理、アルカリ処理、アンモニア凍結蒸煮爆砕法、溶媒抽出、亜臨界流体処理、超臨界流体処理、酸化剤処理等の化学的方法や、微粉砕、蒸煮爆砕法、マイクロ波処理、電子線照射等の物理的方法、微生物や酵素処理による加水分解といった生物学的処理、或いはこれらの組み合わせが挙げられる。
上記のバイオマス原料から誘導される糖類としては、通常、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のヘキソース、アラビノース、キシロース、リボース、キシルロース、リブロース等のペントース、ペントサン、キシラン、サッカロース、澱粉、セルロース等の2糖・オリゴ糖・多糖類、が用いられ、このうちグルコース、フルクトース、キシロースが好ましい。その中でも、反応収率が高い理由から、フルクトース、キシロースが特に好ましい。一方、より広義の植物資源由来の糖類としてはセルロースやヘミセルロースが好ましい。
バイオマス原料の糖化で得られる糖液は通常、糖類の水溶液であり、水と糖類以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分は、特に限定されないが、例えばバイオマス原料から糖類を得た際に生じる糖類以外の副生成物や糖原料に含まれる不純物を含んでいてもよい。このような不純物としては、具体的には、糖類以外のカルボニル化合物、脂肪族共役アルコール等のアルコール化合物、リグニン由来のフェノール化合物や、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、窒素化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、硫酸イオン等の無機化合物等が挙げられる。
本発明における糖液中に含まれる糖類の合計濃度(以下「糖濃度」という)は、糖液
の由来や、含有する糖の種類等によって大きく変動し、特に限定されないが、その下限は、通常1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、一方、その上限は通常60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下である。この糖液は、そのまま次工程に供してもよく、必要に応じて、減圧下で水を留去する方法、加熱して水を留去する方法、又は、国際公開WO2010/067785に記載のナノ濾過膜および/または逆浸透膜に通じて濾過する方法等を用いて、糖成分が濃縮された濃縮糖液を得、次工程に供しても良い。特に、糖液を濃縮する手法は、その後の脱水反応ならびにアセタール化反応において、プロセス全体の生産性が向上する点で好ましい。
また、その他の手段として、公知の手法を用いて、糖液からグルコース、フルクトース、キシロース等の単糖類を分離し、分離した単糖類を次工程に供する方法は、原料中の不純物量を低減させることが可能となり、その後の反応工程の反応収率が向上すると共に、ロット間のその変動量を低減させることが可能となる為、安定した長期操業が可能である点で最も好ましい態様である。これらの単糖類は、現在工業スケールで入手が可能である。本発明では、糖成分の含有量が多い糖液を得る為に、単離された単糖類を追添加しても良い。
[脱水・環状アセタール化]
本発明における環状アセタール中間体を経由するカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造においては、バイオマス原料から直接環状アセタール中間体を製造する方法、或いはバイオマス原料から糖化工程を経て糖類原料へ一旦誘導し、該糖類原料から環状アセタール中間体を製造する方法が用いられる。
また、これらの手法において、バイオマス原料及び/又は糖類原料から環状アセタール中間体を製造する為には、バイオマス原料及び/又は糖類原料からFRL及び/又はHMFを製造する工程と、FRL及び/又はHMFから環状アセタール体を製造する工程との2工程を経て行ってもよく(以下、この方法を「2段法」と称す。)、バイオマス原料及び/又は糖類原料から生成したFRL及び/又はHMFを直ちに環状アセタール体に変換するように1工程で行ってもよい(以下、この方法を「1段法」と称す。)。即ち、後述の環状アセタール化用ジオールの存在下では、熱安定性が低いFRL及び/又はHMFは直ちにFRL及び/又はHMFの環状アセタール体に変換されるため、バイオマス原料や糖類原料から脱水反応により生成するFRL及び/又はHMFの製造反応系に環状アセタール化用ジオールを存在させておくことにより、同一の反応系内で熱安定性が高い環状アセタール中間体を形成させることができる。これにより、中間体の反応収率が向上するばかりでなく、副生する着色物や重合物の生成を低減することが可能になり、これらの製品への混入が抑制された工業的に有利な製造プロセスとなる。特に、本発明の効果は、HMFアセタール中間体を経由する製造プロセスを採用することにより顕著となる。
なお、2段法で環状アセタール中間体を製造する場合、一旦製造したFRL及び/又はHMFを単離及び/又は精製(以下「単離/精製」と記載する。)して別の反応容器で環状アセタール化を行ってもよく、FRL及び/又はHMFを単離/精製することなく同一の反応容器で環状アセタール化を行ってもよい。
バイオマス原料及び/又は糖類原料からのFRL又はHMF、更にはその環状アセタール体の製造は、触媒の存在下に、溶媒中で行うことが好ましい。触媒としては、バイオマス原料又は糖類原料からFRL又はHMF、更にはその環状アセタール体を製造することができるものであればよく、特に制限はないが、通常、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸およびそれらのアルカリ金属又はアルカリ土類金属等の金属塩、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸およびそれらのアルカリ金属又はアルカリ土類金属等の金属塩、アンバーリスト、アンバーライト、ダイヤイオン等の酸性陽イオン交換樹脂、ゼオライト、Al、TiO、ZrO、SiO−Al、SiO−MgO、SiO−TiO、Nb、YNbO、SnO、In、Ga、WO、MoO、Ta、CeO、Nb−WO、Nb−MoO、TiO−WO、TiO−MoO、SiO−Nb、SiO−Ta、SiO−ZrO等の金属酸化物や金属複合酸化物、粘土、硫酸化ZrO等の硫酸固定化触媒、リン酸で処理したチタニアやニオビア等のリン酸固定化触媒、ヘテロポリ酸等が挙げられる。
また、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸等の脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アコニット酸、イタコン酸、オキサロ酢酸、フマル酸、マレイン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、メロファン酸、プレニト酸、ピロメリト酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等の芳香族カルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸等の有機酸およびこれらの有機酸の少なくとも一部を中和したアルカリ金属やアルカリ土類金属等の塩も触媒として用いることができる。
本発明においては、上記触媒の中では、反応溶媒に不溶の固体触媒を用いて不均一系で反応を行うことが、連続流通反応が容易であり且つ反応選択性が高い点で好ましい。具体的には、上記触媒の中では、アンバーリスト、アンバーライト、ダイヤイオン等の酸性陽イオン交換樹脂、ゼオライト、Nb、YNbO、Ta、Nb−WO、Nb−MoO、TiO−WO、TiO−MoO、SiO−Nb、SiO−Ta等の金属酸化物や金属複合酸化物、粘土、硫酸化ZrO等の硫酸固定化触媒、リン酸で処理したチタニアやニオビア等のリン酸固定化触媒等が好ましい。中でも、HMFのアセタール化反応のみを選択的に進行させるという点で、ゼオライト、Nb、Nb−WO、Nb−MoOがより好ましく、特にゼオライト、Nbが好ましい。
これらの触媒は、単独で用いても、2種類以上組み合わせて用いてもよい。触媒を2種類以上用いるときは、その組み合わせは特に限定されず、それぞれの金属が触媒活性を有するもの(共触媒)でも、1種類以上の金属の触媒活性を向上させるもの(助触媒)であってもよい。
これらの触媒は、触媒が溶媒に可溶な場合は、バイオマス原料又は糖類原料に対して、通常、その下限は、0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、一方その上限は、50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。一方、反応溶媒に不溶の固体触媒を用いて、例えば、固定床反応器や懸濁床反応器で連続式反応を行う場合はこの限りではない。
溶媒としては、通常水や有機溶媒が使用されるが、水と有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい場合がある。コスト優位性の観点からは、反応溶媒として単一の溶媒を用いることが好ましく、環状アセタール中間体の収率向上の観点からは、反応溶媒として水と有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい場合がある。有機溶媒の選択によっては、均一混合溶媒で反応を行うことができるが、生成するFRLやHMF又はそれらの環状アセタール体の重合や分解反応を抑制し、環状アセタール体の収率が向上するため、水層と有機層の2層系となる有機溶媒を用いることが好ましい場合がある。即ち、この手法を用いることにより、生成したFRLやHMF又はその環状アセタール体を有機溶媒中に抽出する連続抽出反応を行うことができ、反応後、反応液を2層分離することで、生成物を有機溶媒層から効率的に分離することができる。
用いる有機溶媒としては、生成するFRL、HMF、並びにそれらのアセタール化反応を阻害するものでなければ、特に限定されるものではないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ブチルエーテル、ペンチルエーテル、ヘキシルエーテル、オクチルエーテル、ノニルエーテル、デシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の炭素数4〜20のエーテル類;2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2,4−ジメチルペンタノン、5−ノナノン、4−デカノン、5−デカノン、2−ウンデカノン、4−ウンデカノン、3−ドデカノン、2−トリデカノン、2−テトラデカノン、4−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、3−ペンタデカノン、7−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、4−ヘキサデカノン、6−ヘキサデカノン、2−ヘプタデカノン、4−ヘプタデカノン、9−ヘプタデカノン、3−オクタデカノン、アセトフェノン等の炭素数4〜20のケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデシルアルコール、1−ラウリルアルコール、1−トリデシルアルコール、1−テトラデカノール、1−ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、シス−9−ヘキサデセン−1−オール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、16−メチルヘプタデセン−1−オール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等の炭素数1〜20のモノアルコール類;フェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール等の炭素数6〜12のフェノール類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、イソドデカンなどの炭素数3〜12の飽和脂肪族炭化水素化合物;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ヘキサクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;その他、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルモルホリン、N−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、スルホラン、イソソルビド、イソソルビドジメチルエーテル、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物等が挙げられる。その他、例えば、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミド等のピロリジニウム塩;1−ブチル−1−メチルピペリジニウムトリフラート等のピペリジニウム塩;1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート等のピリジニウム塩;1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド等のイミダゾリウム塩;テトラブチルアンモニウムクロリド等のアンモニウム塩;テトラブチルホスホニウムブロミド等のホスホニウム塩;トリエチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等のスルホニウム塩、等のイオン性液体を用いても良い。
これらの中では、前記有機溶媒が、エーテル、ケトン、エステル、アルコール、フェノール、ラクトン、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素および飽和脂肪族炭化水素よりなる群の少なくとも1つから選ばれることが好ましい。これらの中では、環境負荷が少ないという理由からは、エーテル、ケトン、エステル、アルコール、フェノール、ラクトン、芳香族炭化水素、および飽和脂肪族炭化水素よりなる群の少なくとも1つから選ばれることが好ましい。
また、2層系で反応を行う場合は、環状アセタール体の抽出効率が高く、また、有機溶媒の水への溶解量が少ない点で、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ブチルフェノール、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、イソドデカンが好ましく、これらの中では特に、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルフェノール、シクロヘキサノン、トルエンが好ましい。これらの有機溶媒は溶媒の回収・再利用を考慮すると1種のみを用いるのが好ましいが、2種以上を用いてもよい。
本発明において、水と有機溶媒の混合溶媒を用いる際の有機溶媒の使用量は、本発明の趣旨を損ねない限り、特に限定されないが、水に対して10〜5000質量%であることが好ましく、特に10〜1000質量%であることが好ましい。上記範囲よりも有機溶媒の使用量が少な過ぎると、生成するFRLやHMF又はそれらの環状アセタール体の重合や分解反応が起こりやすく、それに伴いアセタール中間体の収率が低下する傾向があり、一方、多過ぎると、生成する環状アセタール中間体を回収する際に多量の有機溶媒を除去する必要が生じ、回収効率が低下し、プロセスが煩雑化するばかりでなく、反応設備が大きくなり経済的に不利になる傾向がある。
従って、糖類原料として、糖液を用いる場合は、糖液中の水に対して、上記範囲となるように有機溶媒或いは水と有機溶媒を添加することが好ましい。
HMFの環状アセタール化のために添加するジオール(以下「環状アセタール化用ジオール」と称す場合がある。)は、生成させる環状アセタール中間体の種類に応じて適宜決定され、PD−HMFの製造には6員環骨格のアセタールを形成可能なジオールが、EG−HMFの製造には5員環骨格のアセタールを形成可能なジオールが使用される。具体的には、PD−HMFの製造には1,3−プロパンジオールが、EG−HMFの製造にはエチレングリコールが代表的な例として例示されるが、何らこれらに限定されるものではなく、炭素数1〜6のアルキル基やアルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を置換基として有する2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1−フェニル−エチレングリコールなどであっても良い。また、カテコールも好適に用いられる。これらの環状アセタール化用ジオールは2種以上を用いることも可能であるが、通常1種類が用いられる。尚、本発明においては、環状アセタール化剤として上記のジオールを反応試剤として使用するが、該ジオールを上記の有機溶媒として使用することもでき、その後の反応溶媒の回収、精製工程での煩雑さが回避できる理由から、ジオールを溶媒兼アセタール化剤として使用する手法は、好ましい態様の一つである。
反応溶媒に対するバイオマス原料及び/又は糖類原料の使用量は、特に反応を不均一系で実施する際は特に制限はない。
反応溶媒に原料を溶かして均一系で行う場合、反応溶媒に対する原料の濃度として、通常、その下限は、0.1質量%以上であり、好ましくは1質量%以上、より好まくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上である。一方、その上限は、50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、より好まくは25質量%以下である。原料濃度が上記下限値以上であると、環状アセタール中間体と溶媒との分離効率が高くなる傾向があり、原料濃度が上記上限値以下であると副反応を抑制でき環状アセタール体の収率が高くなる傾向があり、好ましい。なお、反応を均一系で行う際の反応液中の原料の濃度とは、2段法の場合は、反応に用いられる溶媒(糖液を用いる場合、糖液中の水を含む)と触媒と原料との合計に対する原料の割合であり、1段法の場合は、更に上記の環状アセタール化用ジオールを加えた合計に対する原料の割合である。
2段法の場合、HMFを得る脱水反応の反応温度は、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上であって、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは230℃以下である。反応温度が上記下限値以上であると、反応の進行が速くなる傾向があり、生成物の生産性が向上する。反応温度が上記上限値以下であると、生成物及び反応中間体の分解や重合を抑制し、生成物の収率を向上させる傾向があるため好ましい。また、2段法の場合、脱水反応でFRLやHMFを生成させた後、生成FRLやHMFを単離/精製して、或いは単離/精製せずに上記の環状アセタール化用ジオールを添加して更に脱水・環状アセタール化を行って、FRL又はHMFの環状アセタール体を得てもよい。環状アセタール化に用いる前述の環状アセタール化用ジオールは、想定されるFRL又はHMFの生成当量以上であればよく、通常想定されるFRL又はHMFの生成量に対して1〜10当量倍用いられるが、環状アセタール化用ジオールを溶媒として使用する際には特に制限されない。環状アセタール化の際の反応は温度10〜150℃で行うことが好ましい。
また、1段法の場合、反応液中の単糖類濃度及び反応溶媒中の有機溶媒量が前述の範囲となるように、単糖類又は糖液に溶媒を加え、更に前述の環状アセタール化用ジオールを想定されるFRL又はHMFの生成量に対して1〜10当量倍添加して、反応温度は、その下限は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上であって、一方、その上限は、通常250℃以下、好ましくは230℃以下で、脱水及び環状アセタール化反応を行うことが好ましい。
このようにして2段法又は1段法で環状アセタール中間体を生成させた反応液は、そのまま、以下の目的生成物に応じてアルコール存在下での酸化的エステル化工程や水存在下での酸化工程に供してもよく、生成した環状アセタール中間体を単離/精製した後、該酸化的エステル化工程や該酸化工程に供してもよい。
[酸化的エステル化及び酸化]
本発明では、バイオマス原料および/又は糖類原料からの脱水・環状アセタール化工程を経て、酸化的エステル化または酸化により、それぞれ、カルボン酸エステルまたはカルボン酸を製造する。
環状アセタール中間体の酸化的エステル化または酸化は、触媒の存在下に行うことが好ましく、酸化的エステル化触媒および酸化触媒としては、酸化能を有する金属或いは金属化合物であれば限定されないが、例えば白金、パラジウム、ニッケル、鉄、ルテニウム、コバルト等の周期表第8〜10族金属及びその化合物、銅、銀、金等の周期表第11族金属及びその化合物、亜鉛等の周期表第12族金属及びその化合物、インジウム等の周期表第13族金属及びその化合物、錫、鉛等の周期表第14族金属及びその化合物、マンガン、レニウム等の周期表第7族金属及びその化合物、クロム、モリブデンなどの周期表第6族金属及びその化合物、ニオブ、タンタル等の周期表第5族金属及びその化合物、ジルコニウム等の周期表第4族金属及びその化合物、スカンジウムなどの周期表第3族金属及びその化合物、マグネシウム、カルシウム等の周期表第2族金属及びその化合物、セシウム等の周期表第1族金属及びその化合物、ならびにこれらの金属の混合物(合金を含む)などが挙げられる。特に周期表第6〜12族の金属及びその化合物ならびにこれらの混合物(合金を含む)が好ましく、更に周期表第7〜11族の金属及びその化合物がより好ましく、特にその中でも白金、パラジウム、レニウム、マグネシウム、銅、銀、金、亜鉛、マンガン、コバルト及びその化合物が好ましく、白金、パラジウム、レニウム、銅、銀、金、コバルト、マンガン及びその化合物などが最も好適に用いられる。化合物としてはこれら金属の酸化物、アルコキシ化合物、アルキル化合物、有機酸塩等が挙げられるが、好ましくは金属元素及び金属の酸化物である。また、これら金属触媒は各種担体に担持した金属担持触媒として用いられるのが好ましい。担体としては、炭素、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ニオビア、セリア、酸化タングステン、シリコン−カーバイド、ボロン−カーバイド、チタン−カーバイド、珪藻土、層状ケイ酸塩等の天然鉱物等が挙げられる。この中でも炭素、チタニア、セリアが触媒の調製のしやすさ及び活性の点で好ましい。これらの触媒は単独でも2種以上を同時に用いても、後から追加して用いても良い。
金属担持触媒としては、金/炭素、金/チタニア、金/ジルコニア、金/セリア、白金/炭素、白金/チタニア、白金/セリア、パラジウム/炭素、パラジウム/シリカ、パラジウム/アルミナ、レニウム/炭素、レニウム/シリカ、レニウム/アルミナ、コバルト/炭素、コバルト/チタニア、コバルト/セリアが好ましく、金/炭素、金/チタニア、金/ジルコニア、金/セリア、白金/炭素、パラジウム/炭素、パラジウム/シリカ、レニウム/炭素、レニウム/シリカ、コバルト/炭素、コバルト/チタニア、コバルト/セリアがより好ましく、中でも金/チタニア、金/ジルコニア、金/セリア、コバルト/炭素が、反応活性が高く、使用後の金属の回収が容易であるという点で特に好ましい。
上記の酸化エステル化触媒または酸化触媒の使用量は原料に対する金属換算量として0.002質量ppm以上100000質量ppm以下であることが好ましい。酸化エステル化触媒または酸化触媒の使用量の下限は原料に対する金属換算量として0.02質量ppmであることがさらに好ましく、0.2質量ppmであることがより好ましく、2質量ppmであることが最も好ましい。酸化エステル化触媒または酸化触媒の使用量の上限は原料に対する金属換算量で50000質量ppmであることがさらに好ましく、20000質量ppmであることがより好ましく、10000質量ppmであることが最も好ましい。上記触媒の使用量が0.002質量ppmより少ないと反応時間がかかり過ぎて非効率的であり、100000質量ppmより多いと触媒にかかるコストが高くなり不経済であると共に、後処理の負荷が大きくなり、さらには生成物が着色しやすくなる等の点で不利である。
HMFやFRLの環状アセタールの酸化反応においては、塩基を存在させると、環状アセタールの安定性が向上して反応中間体の重合や開環反応といった副反応を抑制することができると共に、目的とするカルボン酸エステルやカルボン酸の収率を向上させることができる場合があるため、酸化反応は塩基存在下で反応を行っても良い。このような塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられるが、生成物からの除去効率が良い理由から、これらの中では無機塩基が好ましい。
塩基を存在させて酸化反応を行う際の塩基の使用量は、特に限定されないが、HMFやFRLの環状アセタールに対して、その下限は、0.01当量以上、好ましくは0.1当量以上であり、その上限は、10当量以下、好ましくは、5当量以下、より好ましくは、3当量以下である。このような使用量を採用することにより、環状アセタールの安定性が向上して反応中間体の重合や開環反応といった副反応を抑制することができると共に、目的とするカルボン酸エステルやカルボン酸の収率を向上させることができる。
HMFやFRLの環状アセタールの酸化反応において、金属触媒存在下で反応を行う際に、反応器内に気体を流通させながら反応を行う。好ましくは、その気体中に酸素が含有されているのが好ましい。
酸化反応に用いる酸素源としては、酸素含有有機化合物、無機過酸化物、酸素含有気体など特に限定はされないが、反応終了後に分離精製の必要がない気体の酸素或いは空気等の酸素含有ガスを用い、酸素含有ガスを反応器内に流通させながら行うことが好ましい。
酸素含有ガスを用いる場合、酸素含有ガス中の酸素含有量は20体積%以上が好ましく、50体積%以上がより好ましく、更に純酸素(99%以上)を用いることは、特に好ましい。酸素は気相に導入しても、反応液に吹き込んでも良いが反応層に吹き込む方がより好ましい。
環状アセタールの酸化反応を行う際の反応温度は、室温以上200℃以下が好ましいが、反応温度の下限は30℃がより好ましく、さらに40℃が好ましく、60℃が最も好ましい。上限は180℃がより好ましく、150℃が更に好ましく、130℃が最も好ましい。反応温度が低すぎると反応時間が長時間必要となり、反応温度が高すぎると反応が激しすぎて制御困難になったり、着色の原因となり好ましくない。
酸素含有ガスを流通させる時間は、流通させる酸素含有ガスが反応器内にはじめに導入された時間を開始点とし、通常10分〜30時間、好ましくは30分〜20時間、より好ましくは1時間〜10時間、更に好ましくは1時間〜5時間である。この時間が短すぎると、反応が激しすぎて反応温度の制御が困難であり、また、長すぎると製造コストが高くなり好ましくない。尚、連続で酸化反応を行う場合には、反応時間はこの限りではない。
酸素含有ガスを反応器に流通させる速度としては、通常1mL/分〜100L/分、好ましくは10mL/分〜10L/分、より好ましくは100mL/分〜5L/分、更に好ましくは500mL/分〜1L/分である。この時間が遅すぎると、反応速度が遅くなり生産効率が悪く製造コストが高くなり好ましくない。また、速すぎると酸素の消費効率が悪く酸素使用量が増え、コストが高くなり好ましくない。
また、流通方法としては、反応器の液層に吹き込む方法、又は反応器の気層部分に吹き込む方法等が挙げられるが、好ましくは、反応器の液層に吹き込む方法である。
酸素含有ガスは、連続的に流通させても間欠的に流通させてもよいが、好ましくは連続的に流通させる方法である。間欠的に流通させる際は、酸素が不足しないように間欠流通の間隔をあまり長くなりすぎないように調製することが好ましい。
また酸素含有ガスは、反応容器内に加圧になる様に供給して酸化反応を行っても良い。その際の反応圧力は、通常0.1MPa以上、好ましくは0.3MPa以上、より好ましくは0.4MPa以上で、通常15MPa以下、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下、更に好ましくは3MPa以下、特に好ましくは1MPa以下である。一般的には、反応圧力を上昇させると反応速度が向上する為好ましい態様である一方、高い反応圧力で実施するには特別に耐圧性を高めた反応器等の設備が必要となるほか、酸化能力が上るため副反応が顕著になる可能性がある。
酸化的エステル化における反応溶媒としては、原料の環状アセタールを溶解する溶媒であれば特に限定されず、前述の脱水・環状アセタール化における反応溶媒と同様のものそのままや前述のジオールを用いることができる。環状アセタール中間体を単離した後酸化的エステル化を行う場合は、溶媒は必ずしも混合溶媒である必要はなく、モノアルコールやジオール等のアルコールの単一溶媒を用いてもよい。
酸化における反応溶媒としては、原料の環状アセタールを溶解する水が含有された溶媒であれば特に限定されず、前述の脱水・環状アセタール化における反応溶媒と水の混合溶媒や前述のジオールと水との混合溶媒、或いは水溶媒を用いることができる。環状アセタール中間体を単離した後に酸化を行う場合は、溶媒は必ずしも混合溶媒である必要はなく、水溶媒を用いてもよい。ここで、水との混合溶媒を使用する際の水の含有量は、環状アセタール中間体に対して1当量以上であれば特に限定されないが、通常、体積比として、下限は1体積%以上、好ましくは、10体積%以上、より好ましくは50体積%以上であり、上限には制限が無い。
反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、原料の環状アセタールに対して、質量比で、下限は、通常1倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上、更に好ましくは4倍以上、最も好ましくは5倍以上であり、一方、上限は、通常100倍以下、好ましくは50倍以下、より好ましくは30倍以下、更に好ましくは20倍以下、最も好ましくは8倍以下である。溶媒の使用量が多すぎると、反応容器が大きくなりすぎ、生産効率が低下して経済性が求められる工業プロセスとして好ましくない。また、少なすぎると、反応速度が低下して反応時間が長くなる傾向があり好ましくない場合がある。しかしながら、本発明のアセタール中間体は、熱安定性ならびに重合安定性に優れ、酸化反応において、高濃度条件下でもフミン等のオリゴマーならびにポリマーやレブリン酸等の副生が起こりにくい特徴があるため、溶媒の使用量をより低減させた、すなわち、より高濃度条件下でのカルボン酸エステルおよびカルボン酸の生産が可能となる。
本発明では、環状アセタール中間体の酸化的エステル化を行う際には、反応系にアルコールが共存することで、フランジカルボン酸のアルコールエステルが生成する。ここで共存するアルコールが前工程の脱水・環状アセタール化工程で添加した環状アセタール化用ジオールであれば、前述の通り、フランジカルボン酸のヒドロキシアルキルエステルが生成するが、ジオールではなく、モノオールが共存すれば、フランジカルボン酸のアルキルエステルを製造することができる。また、ジオール又はモノオールが、環状アセタール中間体に対して2当量以上存在すれば、フランジカルボン酸のジエステルが生成し、2当量未満の場合は、モノエステルが生成する場合がある。
本発明のカルボン酸エステルの製造方法では、好ましくは前述の脱水・環状アセタール化工程に引き続いて酸化的エステル化工程が行われるため、この酸化的エステル化反応系内に存在するアルコールは、脱水・環状アセタール化反応のために添加した環状アセタール化用ジオールの未反応残留分である場合が多く、その場合には、フランジカルボン酸のヒドロキシアルキルエステルが生成する。
なお、脱水・環状アセタール化工程後、環状アセタール中間体を単離/精製し、この環状アセタール中間体に対して新たにアルコールの存在下に酸化的エステル化を行う場合、添加するアルコールとしては、前述の環状アセタール化用ジオールに限定されず、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデシルアルコール、1−ラウリルアルコール、1−トリデシルアルコール、1−テトラデカノール、1−ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、シス−9−ヘキサデセン−1−オール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、16−メチルヘプタデセン−1−オール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等の炭素数1〜20の脂肪族モノアルコールや1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の炭素数4〜8の脂肪族ジオールであってもよい。
酸化的エステル化や酸化において、反応溶液は、原料と触媒及び酸素との接触効率を上げるために攪拌することが好ましい。攪拌はマグネチックスターラー、メカニカルスターラー、攪拌翼を供えた攪拌モーター等通常の反応に用いられる攪拌装置であれば用いることが可能である。スケールが大きくなった場合には動力の点で攪拌翼を備えた攪拌モーターが使用される。攪拌は反応を行う前から開始し、反応中は連続的に攪拌を行い、反応終了後の反応液を冷却している間も攪拌を行うことが好ましい。
本発明においては、上記のようにして誘導されたフラン骨格を有するカルボン酸エステルは、酸触媒の存在下に加水分解することにより、以下の通り、フランモノカルボン酸ならびにフランジカルボン酸に誘導することもできる。
Figure 0006900801
[生成物の回収方法]
前述の各工程で得られた生成物は、反応終了後、単離及び/又は精製して回収してもよいし、単離及び/又は精製工程を経ずに次の工程の原料として使用してもよい。
単離/精製を経ずに次工程の原料と使用する際には、反応をバッチ式反応で行い、反応終了後の反応液をそのまま次工程の反応器に導入してもよく、或いは反応終了後の反応液から異なる有機溶媒を用いて該生成物を抽出して、該抽出液を次工程の反応器に導入してもよい。また、反応を流通反応で実施する場合には、流通反応プロセス下、反応液をそのまま次工程の反応器に流通させてもよく、該反応液を異なる有機溶媒と接触させて該生成物を抽出した後、該抽出液を次工程の反応器に導入してもよい。
一方、各工程で得られた生成物を単離/精製する際には、生成物の物性に依存するが、通常、溶媒留去手法、溶媒留去後有機溶媒で抽出する手法、蒸留手法、昇華手法、晶析手法、クロマト手法により生成物を回収することができる。ここで、例えば塩基存在下で環状アセタール体の酸化によりカルボン酸を得る場合には、生成物となるカルボン酸塩を塩酸、硫酸等の鉱酸で処理してカルボン酸に誘導後、前記回収法を用いてカルボン酸を単離/精製することができる。
これらの中では、特に、取り扱い温度条件下で生成物が液体の場合は、蒸留手法により生成物を精製しながら回収する方法が好ましく、取り扱い温度条件下で生成物が固体の場合は、晶析手法により生成物の精製を行いながら回収する方法が好ましい。またその際、得られた固体生成物は、洗浄により精製する手法は好ましい態様である。
[環状アセタール]
本発明において特に好ましい環状アセタールは、下記式(2)で表されるFRL又はHMFの1,3−プロパンジオールアセタール化物(以下「環状アセタール(2)」と称す場合がある。)であり、前述の脱水・環状アセタール化において、環状アセタール化用ジオールとして1,3−プロパンジオールを用いることにより製造される。
Figure 0006900801
(式中、Aは水素原子、又は−CHOHを表す。)
この環状アセタールは、後述の実験例1に示されるように、熱安定性に優れ、前述の酸化的エステル化の原料として用いて、本発明に従って、カルボン酸エステル又はカルボン酸を工業的に有利に製造することができる。
更に、この環状アセタール(2)は、Aが−CHOH基の場合に、ヒドロキシル基をカルボン酸無水物((RCO)O(Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。))との反応によりエステル基に、或いはアルコール(ROH(Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。))との反応によりエーテル基に変換することにより、下記式(3)で表されるさらに熱安定性に優れたアセタール中間体に誘導できる。下記式(3)で表されるアセタール中間体は、HMFのヒドロキシル基をカルボン酸無水物((RCO)O(Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。))との反応によりエステル基に、或いはアルコール(ROH(Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。))との反応によりエーテル基に変換した後に、プロパンジオールとの反応により誘導されたものであっても良い。
Figure 0006900801
(式中、Bは、−CHOR又は−CHO(C=O)R(Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。)を表す。)
なお、上記Rがアルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基の場合、アルキル置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
すなわち、上記式(2)及び(3)を考慮して、本発明において、下記式(1)で表される環状アセタールが好ましい環状アセタール中間体として挙げられる。
Figure 0006900801
式(1)中、Rは水素原子、−CHOH、−CHOR又は−CHO(C=O)Rで表される基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。なお、Rがアルキル置換基を有する場合の好ましい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
以下、実験例及び実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1−1:HMFとHMFアセタールの熱安定性評価]
Figure 0006900801
HMF(シグマアルドッチ社製)と、後述の実験例7の方法により得られた3種類のHMFアセタール(PD−HMF、EG−HMF、Me−HMF)について、下記の通り、熱的安定性の評価を行った。
耐圧NMRチューブに3〜4mgの試料を導入し、室温にて真空排気下で2時間処理することにより、試料に含有されている水分を除去した。その後、チューブをオーブンに入れて10℃/minにて室温から200℃まで昇温して200℃で2時間保持した。加熱後の試料に1mLのCDClと内部標準(安息香酸、1mg)を加え、H NMRで試料の残存率を分析して熱安定性を評価した。残存率が多い程熱安定性に優れる。結果を図1に示す。
図1より、EG−HMF、PD−HMFといったHMFの環状アセタールは、HMFに比べて熱安定性に優れるが、アセタール体であっても、非環状のMe−HMFはHMFよりも熱安定性が悪いことが分かる。
[実験例1−2:FRLとFRLアセタールの熱安定性評価]
Figure 0006900801
FRL(シグマアルドリッチ社製)と、後述する実験例7の方法により得られたFRLアセタール(PD−FRL)について、実験例1−1と同様の方法により、熱的安定性の評価を行った結果、2時間後の残存率として、FRLの場合は12%であったのに対して、PD−FRLの場合は80%と著しく向上し、環状アセタールの熱安定性が高いことが分かった。
[実験例1−3:PD−HMFのエステル体とエーテル体の熱安定性評価]
Figure 0006900801
後述の実験例7の方法により得られたHMFアセタール(PD−HMF)のエステル体(PD−HMF−アセテート)とエーテル体(PD−HMF−エーテル)について、実験例1−1と同様の方法により、熱安定性の評価を行った結果、2時間後の残存率として、それぞれ76%、74%となり、HMFに比べて熱安定性に優れることが分かった。
[実験例2:HMFアセタールの熱分解の温度依存性]
実験例1において、PD−HMFを150℃又は180℃で2時間保持した以外は、実験例1と同様の方法で、加熱後の試料についてH NMRにより残存率を分析し、結果を実験例1における200℃加熱の結果と共に、下記表1に示した。
Figure 0006900801
表1より、加熱温度と残存率には相関はないことが分かる。なお、PD−HMFの分解生成物のうち、約50%程度は溶媒持込みの水分によるアセタール体の加水分解物であるHMFであった。
[実験例3−1〜3−8:HMFからのPD−HMFの収率評価]
HMF(シグマアルドリッチ社製、50mg)と、1,3−プロパンジオール(75μL)と、触媒とを2.5mLの各種溶媒に加えて、攪拌することで、反応を行い、PD−HMFを得た。なお、使用した触媒及び溶媒、反応温度、並びに反応時間は、表2に示す通りである。なお、実験例3−4〜3−7で使用したβ型ゼオライトは、使用前に大気中にて550℃で8時間焼成を行った。反応後の溶液に内部標準としてクロロベンゼンを加え、生成したPD−HMFを、カラムガスクロマトグラフィー(島津製作所製:GC2025)にて定量し、PD−HMFの収率を求めた。なお、カラムは、DB−FFAP(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006900801
[実験例4:バイオマス原料から誘導された単糖類からのHMFアセタールの合成I]
含水ニオブ酸(CBMM社製「HY−340」)を400℃で4時間焼成して得られたNbを触媒として用い、触媒量を変えてグルコースからHMFアセタールを合成する実験を行った。
100mg又は200mgのNbと、20mgのグルコースを耐圧ガラス容器に入れ、そこにTHF1.8mL、水0.2mL、1,3−プロパンジオール0.2mLを加えて密閉した。ガラス容器を125℃に予熱してあるオイルバスに入れ、撹拌しながら1時間加熱した。1時間の加熱撹拌の後、容器をすぐに冷水に導入して反応を停止させ、内部標準として25μLのクロロベンゼンを加え、生成したHMFおよびPD−HMFをガスクロマトグラフィー(島津製作所社製:GC−2025、カラム:DB−FFAP)にて定量し、グルコースに対する収率を求め、結果を表3に示した。
Figure 0006900801
表3より、触媒量を100mgとしたNo.1よりも200mgとしたNo.2の方が、PD−HMFの収率が高いことが分かる。
[実験例5:単糖類からのHMFアセタールの合成II]
触媒として以下のものを用い、触媒を変えてグルコースからHMFアセタールを合成する実験を行った。
Nb:含水ニオブ酸(CBMM社製「HY−340」)を400℃で4時間焼成して得られたNb
H−BEA−25:クラリアント触媒社製 酸型β−ゼオライト触媒「H−BEA−25」
Amberlyst−15:シグマアルドリッチ社製 強カチオン交換樹脂「Amberlyst−15」
TiO:昭和タイタニウム(株)社製 酸化チタン「JRC−TIO−11(触媒学会,参照触媒)」
表4に示す触媒200mgと、20mgのグルコースを耐圧ガラス容器に入れ、そこにTHF1.4mL、水0.6mL、1,3−プロパンジオール0.2mLを加えて密閉した。ガラス容器を125℃に予熱してあるオイルバスに入れ、撹拌しながら1時間加熱した。1時間の加熱撹拌の後、容器をすぐに冷水に導入して反応を停止させ、実験例4と同様に、生成したHMFおよびPD−HMFをガスクロマトグラフィーにて定量し、グルコースに対する収率を求め、結果を表4に示した。
Figure 0006900801
表4より、触媒としてはNbが特に好ましいことが分かる。
[実験例6:単糖類からのHMFアセタールの合成III]
含水ニオブ酸(CBMM社製「HY−340」)を400℃で4時間焼成して得られたNbを触媒として用い、原料の単糖類を変えてHMFアセタールを合成する実験を行った。
200mgのNbと、20mgのグルコース又はフルクトースを耐圧ガラス容器に入れ、そこにTHF1.8mL、水0.2mL、1,3−プロパンジオール0.2mLを加えて密閉した。ガラス容器を125℃に予熱してあるオイルバスに入れ、撹拌しながら2時間加熱した。2時間の加熱撹拌の後、容器をすぐに冷水に導入して反応を停止させ、実験例4と同様に、生成したHMFおよびPD−HMFをガスクロマトグラフィーにて定量し、グルコース又はフルクトースに対する収率を求め、結果を表5に示した。
Figure 0006900801
[実験例7:その他の試料の合成]
<Me−HMFの合成>
メタノールにHMF(シグマアルドリッチ社製)およびパラトルエンスルホン酸を加え、60℃で加熱撹拌した。反応後の溶液から触媒を分離し、カラムクロマトグラフィーにて精製することによって78%の収率でMe−HMFを得た。
<HMFアセテート体の合成>
HMF(シグマアルドリッチ社製)が溶解しているアセトニトリル溶液(0.1mol/L)に対して、1.5モル当量の無水酢酸と2モル当量のトリエチルアミンを加え、室温で1時間撹拌することによってHMFの水酸基をアセテートへと変換した。得られた生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、HMFアセテート体を得た。
<EG−HMFの合成>
上述の方法により得られたHMFアセテートをジクロロメタン溶液に溶解し(HMFアセテート濃度:0.1mol/L)、そこに触媒量(0.01当量)のインジウムトリフルオロメタンスルホネート(In(OTf))と過剰量のオルトギ酸トリメチルおよびエチレングリコールを加え、室温にて撹拌することによってフラン環に結合しているアルデヒド部位を環状アセタールへと変換した。最後にメタノール溶液中にて生成物と炭酸ナトリウムとを反応させてアセテート部位を分解することによって、目的のエチレングリコール−HMFアセタール(EG−HMF)を得た。
<PD−HMFの合成>
上述の方法により得られたHMFアセテートをジクロロメタン溶液に溶解し(HMFアセテート濃度:0.1mol/L)、そこに触媒量(0.01当量)のインジウムトリフルオロメタンスルホネート(In(OTf))と過剰量のオルトギ酸トリメチルおよび1,3−プロパンジオールを加え、室温にて撹拌することによってフラン環に結合しているアルデヒド部位を環状アセタールへと変換した。最後にメタノール溶液中にて生成物と炭酸ナトリウムとを反応させてアセテート部位を分解することによって、目的のプロパンジオール−HMFアセタール(PD−HMF)を得た。
<PD−HMF−エーテルの合成>
HMF(シグマアルドリッチ社製、50mg)、メタノール(2mL)、および1,3−プロパンジオール(0.1mL)の混合溶液に、HMFに対して0.01モル当量のIn(OTf)と過剰量のオルトギ酸トリメチルを加えて室温にて3時間撹拌した。反応後の溶液から触媒を分離し、さらにカラムクロマトグラフィーにて精製することによって、目的のPD−HMF−エーテルを得た。
<PD−HMF−アセテートの合成>
上述の方法により得られたHMFアセテート体が溶解しているジクロロメタン溶液(HMFアセテート濃度:0.1mol/L)に、HMFアセテート体に対して0.01モル当量のIn(OTf)と過剰量のオルトギ酸トリメチルおよび1,3−プロパンジオールを加え、その溶液を室温にて3時間撹拌した。反応後の溶液から触媒を分離し、さらにカラムクロマトグラフィーにて精製することによって、目的のPD−HMF−アセテートを得た。
<PD−FRLの合成>
プロトン型ベータゼオライト(50mg)、フルフラール(0.1mmol)、および1,3−プロパンジオール(75μL)を2mLのジクロロメタンに加え、室温にて3時間撹拌した。濾過によって固体触媒を分離した後、カラムクロマトグラフィーにて精製することによって、目的のPD−FRLを得た。
[実施例1:バイオマス原料由来のPD−HMFからカルボン酸エステルの製造]
以下の通り、酸化セリウムに担持した金触媒(Au/CeO)を用いて、PD−HMFの酸化的エステル化を行い、フランジカルボン酸エステルを製造した。
酸化セリウム担体は液相沈殿法によって調製した。具体的には、硝酸セリウム六水和物が溶解した水溶液にpH=10になるまでアンモニア水を加えることで生成させた白色沈殿を濾過によって回収し、80℃のオーブンで約10時間の乾燥処理をしたものを酸化セリウム担体として使用した。次に、塩化金酸(和光純薬社製、350mg)が溶解した160mLの水溶液に0.2mol/LのNaOH水溶液を加えてpHを10に調整し、そこに4gの酸化セリウムが分散している50mLの水溶液を加え、再び0.2mol/LのNaOH水溶液を加えて水溶液のpHを10に調整した。その水溶液を室温にて24時間撹拌した後、濾過によって回収した固体を塩化物イオンが残存しなくなるまで蒸留水にて繰り返し洗浄した。塩化物イオンの残存は、AgNO水溶液による沈殿生成によって確認した。洗浄後の固体サンプルを80℃のオーブンで約10時間乾燥させ、それをAu/CeOとして使用した。触媒のAu担持量を高周波誘導結合プラズマ発行分光分析(ICP−AES)によって見積もったところ、2.1〜2.7質量%であった。
基質として100mgの実験例7の方法により得られたPD−HMF、2当量のNaCO、1mLのメタノール、上記のAu/CeO50mgを耐圧容器に加え、酸素ガスを5気圧まで充填した後、溶液を120℃で15時間の条件下にて加熱撹拌した。耐圧容器を速やかに室温まで冷却した後、基質および生成物をH NMRにて定性、定量した。その結果、フランジカルボン酸ジエステルが高収率で生成しており、その生成物収率は、85%であった。反応終了後の反応液には、固形の副生物は殆ど生成していないことを確認した。また、オートクレーブ内の汚れの付着物も確認されなかった。
[実施例2−1〜2−7:バイオマス原料由来のPD−HMFからカルボン酸の製造]
基質として、実験例7の方法により得られたPD−HMF、塩基、蒸留水5mL、基質に対して1当量のAu/CeO触媒を耐圧容器に加え、酸素ガスを5気圧まで充填した後、溶液を130℃で15時間の条件下にて加熱撹拌することでフランジカルボン酸を製造した。実施例2−1〜2−7では、表6に示す通り、基質量、基質濃度、用いる塩基及びその添加量を変えて行った。反応後、耐圧容器を室温まで冷却した後、基質および生成物をH NMRにて定性、定量した。結果を表6に示した。いずれの系も、フランジカルボン酸(FDCA)が高収率で生成しており、反応終了後の反応液には固形の副生物は殆ど生成していないことを確認した。また、オートクレーブ内の汚れの付着物も確認されなかった。
Figure 0006900801
[比較例1:バイオマス原料由来のHMFからカルボン酸エステルの製造]
PD−HMFの代わりにHMF(シグマアルドリッチ社製)を使用した以外は、実施例1に記載の条件で反応を実施した。反応後、耐圧容器を速やかに室温まで冷却した後、基質および生成物をH NMRにて定性、定量した。目的生成物であるフランジカルボン酸メチルエステルの収率は6%と低く、反応終了後の反応液には固形の副生物が多量に生成していた。
[比較例2:バイオマス原料由来のHMFからカルボン酸の製造]
PD−HMFの代わりにHMFを使用し、HMFに対して2当量のNaCO存在下で反応を実施した以外は、実施例2−1に記載の条件で反応を実施した。耐圧容器を室温まで冷却した後、基質および生成物をH NMRにて定性、定量した。目的生成物であるフランジカルボン酸の収率は28%と低く、反応終了後の反応液には固形の副生物が多量に生成していた。
本発明により得られるカルボン酸エステルならびにカルボン酸は、ポリエステル樹脂等の樹脂原料などとして工業的に有用であり、特にフランジカルボン酸エステルは、そのフラン骨格により、耐熱性に優れた樹脂を提供することができるため、その工業的価値は極めて高い。

Claims (13)

  1. バイオマス原料からカルボン酸エステル又はカルボン酸を製造する方法において、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸が、フランカルボン酸エステル、フランジカルボン酸エステル、フランカルボン酸、又はフランジカルボン酸であり、フルフラールの環状アセタール、又はヒドロキシメチルフルフラールの環状アセタールを中間体として経由することを特徴とするカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  2. 前記フルフラールの環状アセタール、又はヒドロキシメチルフルフラールの環状アセタールが、フルフラールもしくはヒドロキシメチルフルフラールと、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1−フェニル−エチレングリコール、カテコールの群から選ばれるジオールとの反応により生成する環状アセタールであることを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  3. 記中間体の酸化反応により前記カルボン酸エステル又はカルボン酸を製造することを特徴とする請求項1又は2に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  4. 記カルボン酸エステル又はカルボン酸が、フランジカルボン酸エステル又はフランジカルボン酸であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  5. 記中間体を水と有機溶媒との混合溶媒を用いて製造することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  6. 前記バイオマス原料が糖類原料であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  7. 反応系にジオールを添加する工程を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  8. フルフラール、またはヒドロキシメチルフルフラールと前記ジオールとの反応で前記中間体を生成させることを特徴とする請求項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  9. 前記酸化反応を塩基存在下で行うことを特徴とする請求項3ないし8のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  10. 前記酸化反応を水、または50体積%以上の水を含む溶媒存在下で行うことを特徴とする請求項3ないし9のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  11. 前記酸化反応を溶媒存在下で行い、前記中間体に対する前記溶媒の質量比が、1以上50以下であることを特徴とする請求項3ないし10のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法。
  12. 下記式(1A)〜(1D)で表される環状アセタール。
    Figure 0006900801
  13. 請求項12に記載の環状アセタールを原料とするフラン骨格を有するカルボン酸エステル又はフラン骨格を有するカルボン酸の製造方法。
JP2017125064A 2016-06-27 2017-06-27 カルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法 Active JP6900801B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016126722 2016-06-27
JP2016126722 2016-06-27
JP2016172825 2016-09-05
JP2016172825 2016-09-05

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018039778A JP2018039778A (ja) 2018-03-15
JP6900801B2 true JP6900801B2 (ja) 2021-07-07

Family

ID=61624949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017125064A Active JP6900801B2 (ja) 2016-06-27 2017-06-27 カルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6900801B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6939141B2 (ja) * 2016-06-27 2021-09-22 国立大学法人北海道大学 アルコールの製造方法
WO2022230769A1 (ja) 2021-04-30 2022-11-03 三菱ケミカル株式会社 5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-hmf)を含むフラン誘導体の製造方法、及びフラン誘導体、該フラン誘導体を含む溶液、及びフランジカルボン酸又はフランジカルボン酸エステルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018039778A (ja) 2018-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7416177B2 (ja) アルコールの製造方法
Wang et al. Sustainable productions of organic acids and their derivatives from biomass via selective oxidative cleavage of C–C bond
CN108484545B (zh) 一种连续合成呋喃二甲酸的方法和系统
Chen et al. Highly efficient two-step synthesis of 2, 5-furandicarboxylic acid from fructose without 5-hydroxymethylfurfural (HMF) separation: in situ oxidation of HMF in alkaline aqueous H2O/DMSO mixed solvent under mild conditions
Lan et al. Transformation of 5-hydroxymethylfurfural (HMF) to maleic anhydride by aerobic oxidation with heteropolyacid catalysts
Takagaki et al. Catalytic transformations of biomass-derived materials into value-added chemicals
Zuo et al. Optimization of Co/Mn/Br-catalyzed oxidation of 5-hydroxymethylfurfural to enhance 2, 5-furandicarboxylic acid yield and minimize substrate burning
Bing et al. Efficient one-pot synthesis of 5-(ethoxymethyl) furfural from fructose catalyzed by a novel solid catalyst
KR101624362B1 (ko) 테레프탈산 조성물 및 이의 제조 방법
RU2640203C2 (ru) Способ получения 2,5-фурандикарбоновой кислоты
EP3183241B1 (en) Catalyst and process for producing 2,5-furandicarboxylic acid from hydromethylfurfural in water
Yan et al. Catalytic conversion of cellulosic biomass to harvest high-valued organic acids
WO2013146085A1 (ja) 5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
Suib New and future developments in catalysis: catalytic biomass conversion
JP2013203666A (ja) 5−ヒドロキシメチルフルフラール酸化物の製造方法
JP7794195B2 (ja) 5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-hmf)を含むフラン誘導体の製造方法、及びフラン誘導体、該フラン誘導体を含む溶液、及びフランジカルボン酸又はフランジカルボン酸エステルの製造方法
Zhang et al. Chemocatalytic Production of Lactates from Biomass‐Derived Sugars
Cui et al. Production of 4-hydroxymethylfurfural from derivatives of biomass-derived glycerol for chemicals and polymers
JP6900801B2 (ja) カルボン酸エステル又はカルボン酸の製造方法
Li et al. Recent advances in direct synthesis of 2, 5-furandicarboxylic acid from carbohydrates
Thuy Vu et al. Sustainable One-Pot Synthesis of 5-(Hydroxymethyl) furfural from C6-Sugars by Enhanced H+ Exchange Heterogeneous Catalysis
JP6380018B2 (ja) フルフラールの製造方法
Wang et al. Catalytic conversion of glucose to levulinic acid over temperature-responsive Al-doped silicotungstic acid catalyst
Ronaghi et al. Selective Conversion of Malononitrile and Unprotected Carbohydrates to Bicyclic Polyhydroxyalkyl Dihydrofurans Using Magnesium Oxide as a Recyclable Catalyst
Godan et al. Catalytic synthesis of 5-hydroxymethyl furfural from sorghum syrup derived fructose

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20170822

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201208

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6900801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250