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JP6901081B2 - 計画作成装置、計画作成方法、及びプログラム - Google Patents
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JP6901081B2 - 計画作成装置、計画作成方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、計画作成装置、計画作成方法、及びプログラムに関する発明である。
一般に、物流や生産現場においては、納期遅延の少ない配送、調達、生産スケジュールを計画する必要がある。特に、これらを計画する際には、道路の渋滞、生産ラインでのトラブル等が発生しても納期に間に合うよう、ロバストな(外乱に対して安定的な)計画を立案することが求められている。
特開2009−32104号公報 特開2006−293483号公報 特開2002−290304号公報
このようなロバストな計画を立案するにあたって、数理モデルを適用することが考えられ、一例として、モンテカルロ法によって準最適な計画を立案することが考えられる。
この場合、候補となる計画の導出と、納期遅延の確率の計算を繰り返し実行し、これら候補の中から最も納期遅延の確率の低いものを求めることとなる。
例えば、図9に示すように、X地点からY地点を経由してZ地点に配送する事例において、X地点からY地点に行く移動ルートはA1〜A5の5通りあり、Y地点からZ地点に行く移動ルートはB1〜B3の3通りあるとし、それぞれ所要時間について確率分布が与えられているとする。
この事例において、モンテカルロ法を用いる場合、まず、1回目の探索において、X地点からY地点に行く移動ルート、及びY地点からZ地点に行く移動ルートを、任意に特定する(例えば、A3とB2を選択)。そして、特定されたルートをもとに、当該ルートの確率分布に従って、M回の試行を行い、それぞれについて合計の所要時間を得る。この得られたM個の所要時間について、平均と分散を求める。
次に、2回目の探索として、1回目の探索とは異なる移動ルートを特定する(例えば、A5とB1を選択)。そして、1回目の探索と同様に、この特定されたルートについて、M回の試行を行い、それぞれについて所要時間を得る。この得られたM個の所要時間について、平均と分散を求める。
そして、このような探索をN回行い、このうち最適な平均値と分散値を与える移動ルートを選択することで、ロバストな計画を立案することができる。
ここで、最適な平均値と分散値とは、理想的には、最も平均値が小さく、かつ最も分散値が小さいものをいうが、現実には最も平均値が小さい移動ルートが、必ずしも最も分散値が小さいとは限らず、どちらをより重視するか、適宜の選択方法によって選択することとなる。
モンテカルロ法では、以上のようにしてロバストな計画を立案することとなるが、各探索では、任意に移動ルートを特定する関係で、最適な移動ルートを見つけ出すためには、極めて多くの回数の探索をする必要があり、時間がかかるという課題がある。仮に、1回の探索における計算時間が1分程度であったとしても、数十回の探索をすることとなれば、数十分もかかることとなる。
また、数理モデルを用いてロバストな計画を立案する別の方法として、確率計画法を用いることも考えられる。
この場合、予め複数のシナリオを用意しておき、例えば、それらすべてのシナリオを充たす計画を導出することとなる。
例えば、図9の例を用いて説明すると、確率計画法ではまずA1〜A5及びB1〜B3につき、予めそれぞれが従う確率分布に従って特定の値を取り出してシナリオを作る。
そして、このようなシナリオをS個用意する(図10参照)。
次に、命題を与えて、全てのシナリオにおいて同時に満たす解を探索する(1回目の探索)。例えば、X地点からZ地点までの移動時間を15分という命題を与えた場合、A4及びB1を選択すれば、全てのシナリオにおいて同時にこの命題を満たすこととなる。
確率計画法では、このように命題を満たすもののなかで、シナリオの平均あるいは分散などを目的関数に組み込み、その目的関数を最小化する。その手法として、以下では反復的な解法を示す。なお、反復的な方法に限らず、分枝限定法など他の方法を用いることもできる。なお、反復的な方法とは、分枝限定法、分枝カット法、あるいは、局所探索法、また、タブー探索法、アニーリング法、遺伝的アルゴリズムなど、反復的に実行可能解(あるいは、その緩和解)を求めながら、(準)最適解を求める方法であるが、反復的な解法以外の近似解法などを用いることもできる。
反復的な解法の場合、上述の例であれば、各シナリオについて探索した解(A4とB1を選択)の合計の所要時間を求め、この値の平均と分散を求める。
次に、同じ命題のもと、2回目の探索として、1回目の探索とは異なる解を探索する。例えば、A5及びB1を選択しても、全てのシナリオにおいて同時に上記命題を満たすので、これも解となる。
そして、1回目の探索と同様、各シナリオについて、探索した解(A5とB1を選択)の合計の所要時間を求め、この値の平均と分散を求める。
このような探索をN’回繰り返し、このうち最適な平均値と分散値を与える移動ルートを選択することで、ロバストな計画を立案することができる。最適な平均値と分散値の考え方は、モンテカルロ法の場合と同じである。
また、確率計画法の場合、予め作るシナリオの中に、最悪なシナリオを含ませておけば、最悪なシナリオでも達成可能な保守的な計画を立案することもできる。
確立計画法の場合、各探索では、予め定められた命題を満たす解(移動ルート)を見つけていることから、任意の移動ルートを選択するモンテカルロ法と比較して、各探索で得られる解は良好な解といえる。そのため、確率計画法の探索回数N’は、モンテカルロ法の探索回数Nよりも少ない回数で済む。
もっとも、確率計画法の場合、シナリオ数に比例して変数数・制約数が増加し、特に全てのシナリオで満たす解を得るという制約が大変厳しい制約であることから、1回の解の探索に非常に時間が掛かるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされた発明であり、実用可能な時間内において、ロバストな計画を作成する計画作成装置、及び計画作成方法を提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の計画作成装置は、
複数の作業要素の中から、特定の作業要素を複数選択してなる所要スケジュールを作成する計画作成装置であって、
複数の作業要素並びに該作業要素別の所要時間のばらつき具合を示す指標を取得する作業要素情報取得部と、
前記所要時間のばらつき具合を示す指標に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定したばらつきシナリオを作成するばらつきシナリオ作成部と、
前記ばらつきシナリオに基づいて、異なる複数の所要スケジュールを特定する所要スケジュール特定部と、
複数の前記所要スケジュールの中から特定の所要スケジュールを特定する判定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値に基づいて第1基準時間を演算し、前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値及び標準偏差に基づいて第2基準時間を演算し、前記第1基準時間及び前記第2基準時間に基づいて第3基準時間を演算する演算部を備え、
前記判定部が、異なる複数の前記所要スケジュール毎に演算された前記第1基準時間及び前記第3基準時間に基づいて、複数の前記所要スケジュールの中から特定のスケジュールを特定することを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
前記所要時間のばらつき具合を示す指標が、前記所要時間の期待値及び標準偏差であることを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
前記ばらつきシナリオ作成部が作成するばらつきシナリオが、複数あることを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
前記作業要素取得情報が取得した前記所要時間の期待値に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定した期待値シナリオを作成する期待値シナリオ作成部を備えることを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
前記ばらつきシナリオ作成部が特定する前記作業要素毎の所要時間が、前記作業要素別の所要時間の期待値に、前記作業要素別の所要時間の標準偏差に所望の係数を乗じた値を加算した値であることを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
任意の第1作業要素ないし第3作業要素であって、第1作業要素及び第2作業要素について平行して行えるが、両方が完了しなければ第3作業要素を行えないという待ち合わせ条件の関係にあるものを特定し、前記第1作業要素ないし前記第3作業要素の所要時間の確率分布、代表値、及びばらつき具合を示す指標を取得する補正係数情報取得部と、
前記第1作業要素及び前記第2作業要素のうち、所要時間の代表値が大きい作業要素を選択する作業要素選択部と、
前記作業要素選択部によって選択された作業要素の所要時間の代表値及びばらつき具合を示す指標、並びに前記第3作業要素の所要時間の代表値及びばらつき具合を示す指標から、基準代表値及び基準ばらつき具合を示す指標を演算する基準値演算部と、
前記第1作業要素ないし前記第3作業要素の所要時間について、それぞれ確率分布に従って特定の時間を導出し、待ち合わせ条件の制約のもと前記第1作業要素ないし前記第3作業要素を行うのに要する時間を演算する待ち合わせを考慮した所要時間特定部と、
前記待ち合わせを考慮した所要時間特定部が演算した時間を複数取得し、待ち合わせを考慮した所要時間の近似代表値及び待ち合わせを考慮した所要時間の近似ばらつき具合を示す指標を求める待ち合わせを考慮した所要時間演算部と、
前記待ち合わせを考慮した所要時間の近似代表値及び待ち合わせを考慮した所要時間の近似ばらつき具合を示す指標から、それぞれ前記基準代表値及び基準ばらつき具合を示す指標を減算して、代表値補正時間及びばらつき具合を示す指標補正時間を求める補正時間演算部と、
前記演算部が演算した第1基準時間及び第3基準時間を、前記代表値補正時間及び前記ばらつき具合を示す指標補正時間に基づいて補正する補正演算部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
前記作業要素が移動ルートを含み、
前記所要時間が移動時間を含み、
前記所要スケジュールが移動スケジュールであることを特徴とする。
また、本発明の計画作成装置は、前記計画作成装置において、
前記作業要素が作業工程を含み、
前記所要時間が工程時間を含み、
前記所要スケジュールが生産スケジュールであることを特徴とする。
また、本発明の計画作成方法は、
複数の作業要素の中から、特定の作業要素を複数選択してなる所要スケジュールを作成する計画作成方法であって、
複数の作業要素並びに該作業要素別の所要時間のばらつき具合を示す指標を取得する作業要素情報取得ステップと、
前記所要時間のばらつき具合を示す指標に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定したばらつきシナリオを作成するばらつきシナリオ作成ステップと、
前記ばらつきシナリオに基づいて、異なる複数の所要スケジュールを特定する所要スケジュール特定ステップと、
複数の前記所要スケジュールの中から特定の所要スケジュールを特定する判定ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、
複数の作業要素の中から、特定の作業要素を複数選択してなる所要スケジュールを作成するためのコンピュータに、
複数の作業要素並びに該作業要素別の所要時間のばらつき具合を示す指標を取得する作業要素情報取得手段と、
前記所要時間のばらつき具合を示す指標に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定したばらつきシナリオを作成するばらつきシナリオ作成手段と、
前記ばらつきシナリオに基づいて、異なる複数の所要スケジュールを特定する所要スケジュール特定手段と、
複数の前記所要スケジュールの中から特定の所要スケジュールを特定する判定手段と、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、実用可能な時間内において、ロバストな計画を作成することができる。
本発明の第1の実施形態における計画作成装置の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態における計画作成方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における移動ルート取得部が取得する期待値、標準偏差、及び確率分布の一例を示す表である。 本発明の第1の実施形態における期待値シナリオの一例を示す表である。 本発明の第1の実施形態におけるばらつきシナリオの一例を示す表である。 本発明の第2の実施形態における計画作成装置の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態における計画作成方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における補正時間情報取得部が取得する期待値、標準偏差、及び確率分布の一例を示す表である。 確率計画法の説明のための図である。 確率計画法の説明のための表である。
以下、本発明に係る計画装置及び計画作成方法の実施形態について、図1〜図8を参照して説明を行う。
[第1の実施形態]
本実施形態においては、車両の移動ルート(作業要素)を複数選択することで車両の移動スケジュール(所要スケジュール)を作成する計画作成装置及び計画作成方法について説明するが、本発明において計画の対象は車両の移動スケジュールに留まらず、種々のものを対象とすることができる。
<計画作成装置>
本実施形態の計画作成装置1は、例えばコンピュータであり、装置構成としては入力装置、演算装置、記憶装置などからなり、機能構成としては、図1に示すように、データベース2と、移動ルート取得部(作業要素情報取得部)3と、期待値シナリオ作成部4と、ばらつきシナリオ作成部5と、移動スケジュール特定部(所要スケジュール特定部)6と、演算部7と、検出部8と、判定部9と、からなる。
データベース2には、車両の移動ルート、及び当該移動ルート別の移動に要する移動時間の代表値、ばらつき具合を示す指標、及び確率分布が記憶されている。移動ルートとは、例えば車両が通過する道路のことを指しており、X地点からY地点まで移動する場合、X地点からY地点に向かう道路が5本あれば、これら5本の道路が全て移動ルートに該当する。
移動時間の代表値としては、移動時間の期待値、中央値、最頻値等が例示される。
また、移動時間のばらつき具合を示す指標としては、移動時間の標準偏差を例示することができるが、これ以外に、移動時間が長いほうからの確率の和が丁度θ%に対応する時間、あるいは、期待値から長い方への確率の和が丁度τ%に対応する時間などが考えられる。例えば、θ=0の場合は、最悪の移動時間を意味する。θ及びτは予め決められた定数であり、任意に定めることができる。
以下の説明では、代表値として期待値を選択し、ばらつき具合を示す指標として標準偏差を選択した場合について説明する。
また、データベース2に記憶されている期待値、標準偏差、及び確率分布は、各移動ルートにつき、一つが記憶されていても構わないし、時刻・曜日・時期等によって、それぞれ別の期待値、標準偏差、及び確率分布が記録されていても構わない。
移動ルート取得部3は、オペレータからの入力等のより初期設定された移動地点に関する情報に基づき、データベース2から、移動ルート並びに移動ルート別の移動時間の期待値、標準偏差、及び確率分布を取得する機能部である。
初期設定された移動地点に関する情報とは、例えば、X地点からZ地点まで移動するといった出発点と到着点に関する情報である。この場合、移動ルート取得部3は、データベース2に記憶されている移動ルートの中から、X地点からZ地点まで移動する際に理論上考えられる全ての移動ルートを取得する。
なお、移動ルート取得部3は、初期設定された移動地点に関する情報に基づくことなく、データベース2に記憶されている全移動ルート、及び全移動ルート別の移動時間の期待値標準偏差、及び確率分布に関する情報を取得してもよい。
期待値シナリオ作成部4は、移動ルート別の期待値に基づいて、移動ルート毎に移動時間を特定して期待値シナリオを作成する機能部である。
また、ばらつきシナリオ作成部5は、移動ルート別の期待値及び標準偏差に基づいて、移動ルート毎に移動時間を特定してばらつきシナリオを作成する機能部である。
期待値シナリオ作成部4及びばらつきシナリオ作成部5の詳細については、後述する。
移動スケジュール特定部6は、少なくともばらつきシナリオに基づいて、オペレータからの入力等により初期設定された命題を満たす移動スケジュールを特定する機能部である。
ここで移動スケジュールとは、出発点から到達点にたどり着くまでの具体的に特定された移動ルートの集合のことを指し、例えばX地点から移動ルートA2を通ってY地点に行き、Y地点から移動ルートB1を通ってZ地点に移動する場合は、移動ルートA2及び移動ルートB1が、移動スケジュールとなる。
また、初期設定された命題の例としては、X地点からZ地点まで30分以内に到達するといった条件が挙げられる。
なお、移動スケジュール特定部6は、移動スケジュールを1つしか特定しないのではなく、初期設定された命題を満たす限り、複数の移動スケジュールを特定する。
演算部7は、特定の移動スケジュールを構成する移動ルートの移動時間の期待値に基づいて期待値時間(第1基準時間)を演算する機能部である。
ここで、移動ルート毎に移動時間の期待値をもとに作成したシナリオが期待値シナリオであることから、演算部7は、期待値シナリオにおいて、特定の移動スケジュールを採用した際の時間を演算し、これを期待値時間としても構わない。
また、演算部7は、特定の移動スケジュールを構成する移動ルートの移動時間の期待値及び標準偏差に基づいてばらつき時間(第2基準時間)を演算する機能部でもある。
ここで、移動ルート毎に移動時間の期待値及び標準偏差に基づいて作成したシナリオがばらつきシナリオであることから、演算部7は、ばらつきシナリオにおいて、特定の移動スケジュールを採用した際の時間を演算し、これをばらつき時間としても構わない。
また、演算部7は、期待値時間からばらつき時間を減算して近似標準偏差時間(第3基準時間)を演算する機能部でもある。
検出部8は、演算部7で演算された期待値時間、ばらつき時間、及び近似標準偏差時間が、所定数に達したか否かを検出する機能部である。
また、判定部9は、移動スケジュール毎に演算された期待値時間及び近似標準偏差時間に基づいて、複数の移動スケジュールの中から、特定の移動スケジュールを特定する機能部である。
<計画作成方法>
次に、本実施形態の計画作成装置1を用いて、移動スケジュールを作成する計画作成方法について図2を参照して説明する。
(ステップS1)
まず、オペレータからの入力等により、出発点や到着点といった移動地点に関する情報、及び、何分以内に移動を完了するといった命題に関する情報を、初期設定として取得する。
本実施形態では、例えば移動地点に関する情報として、出発点X、到着点Z,経由点Yが入力され、命題として30分以内に移動を完了するという初期設定を取得したとする。
(ステップS2)
次に、移動ルート取得部3が、ステップS1で受け付けた移動地点に関する情報をもとに、データベース2から、取り得る全ての移動ルートの情報、並びに移動ルート別の移動時間の期待値、標準偏差、及び確率分布に関する情報を取得する。
例えば、出発点Xから経由点Yまでの移動ルートが、A1〜A5まであり、経由点Yから到着点Zまでの移動ルートが、B1〜B3まであるとすると、移動ルート取得部3では、図3に示すように、移動ルートA1〜A5及びB1〜B3、及び各移動ルート別の移動時間の期待値、標準偏差、及び確率分布に関する情報を取得する。
なお、この例では、移動スケジュールは、5(移動ルートA1〜A5)×3(移動ルートB1〜B3)=15通りが考えられる。
本実施形態では、データベース2に、移動ルート別の移動時間の期待値、標準偏差、及び確率分布が記録されている場合について説明するが、これに限られない。
例えば、移動ルート別の(近似)確率分布のみが記憶されているのであれば、別途演算部(図示略)にて移動ルート別に、確率分布から移動時間の期待値及び標準偏差を求め、移動ルート取得部3が、この値を取得するようにしても構わない。
(ステップS3)
次に、期待値シナリオ作成部4が、ステップS2で取得した移動ルート別の移動時間の期待値に基づき、全ての移動ルートについて、移動時間を特定した期待値シナリオを作成する。各移動ルートの移動時間の特定の仕方としては、例えば、期待値をそのまま用いてもよく、適宜の補正係数によって補正をしても構わない。また、期待値の代わりに、中央値、最頻値といった他の代表値を用いても構わない。
例えば、移動ルート別の移動時間の期待値が図3に示す値だった場合、期待値をそのまま用いるのであれば、期待値シナリオ作成部4によって作成される期待値シナリオは、図4に示すものとなる。
(ステップS4)
次に、ばらつきシナリオ作成部5が、ステップS2で取得した移動ルート別の移動時間の期待値及び標準偏差に基づき、全ての移動ルートについて、移動時間を特定したばらつきシナリオを作成する。各移動ルートの移動時間の特定の仕方としては、例えば移動時間の期待値に、移動時間の標準偏差に所望の係数βを乗じた値を加算した値としてもよい。
具体的には、移動ルートA1の移動時間の期待値が10分で、標準偏差が4分であり、所望の係数βを0.5とした場合、ばらつきシナリオにおいて、移動ルートA1の移動時間は12分(10分+4分×0.5)となる。
なお、移動ルート別の移動時間の期待値及び標準偏差が図3に示す値だった場合、所望の係数βを0.5とすると、ばらつきシナリオ作成部5によって作成される、ばらつきシナリオは、図5に示すものとなる。
所望の係数βは、適宜定めればよいが、小さい値とすると期待値シナリオの他に敢えてばらつきシナリオを作成する意味が減り、逆に大きい値とすると極めて起こる確率の低い最悪な事態を想定したシナリオとなるので実用的ではない。したがって、実用的には、所望の係数βは0.1以上2以下の範囲で定めるのが望ましい。
なお、遅延が生じないように計画を作成するという方針のもと、βについては正の値とするのが望ましい。
なお、上記では、ばらつきシナリオ作成部5が作成するばらつきシナリオが1つの場合について説明したが、必ずしも1つにする必要はなく、問題のサイズなどにより、複数個のばらつきシナリオを作成してもよい。例えば、ばらつきシナリオ1として期待値に標準偏差にβを乗じた値を加算してシナリオを作成し、ばらつきシナリオ2として期待値に標準偏差にγ(>β)を乗じた値を加算してシナリオを作成してもよい。
また、ばらつきシナリオの作成にあたっては、期待値に、標準偏差にβを乗じた値を加算した値を用いるのではなく、移動時間が長いほうからの確率の和が丁度θ%に対応する時間、あるいは、期待値から長い方への確率の和が丁度τ%に対応する時間などの他のばらつきを示す指標を用いてもよい。
(ステップS5)
次に、移動スケジュール特定部6が、ステップS3で作成された期待値シナリオ、及びステップS4で作成されたばらつきシナリオを基に、ステップS1によって初期設定された命題を満たす移動スケジュールを特定する。
例えば、期待値シナリオ及びばらつきシナリオが図4及び図5で示すものであり、ステップS1によって設定された命題が出発点Xから経由点Yを経由して到達点Zに30分で到達するというものであった場合、移動ルートにつき、(A1,B1)、(A1,B3)、(A3,B3)の組み合わせが、この命題を満たす移動スケジュールとなる。
なお、上述の例からも明らかなように、期待値シナリオ及びばらつきシナリオを基に、命題を満たす移動スケジュールは1つとは限らず、通常複数あることが想定される。
そして、以下では、反復的な解法を用いて、この複数の移動スケジュールの中から特定の移動スケジュールを特定する方法について説明するが、反復的な方法に限らず、分枝限定法など他の方法を用いて解を特定しても構わない。なお、反復的な方法とは、分枝限定法、分枝カット法、あるいは、局所探索法、また、タブー探索法、アニーリング法、遺伝的アルゴリズムなど、反復的に実行可能解(あるいは、その緩和解)を求めながら、(準)最適解を求める方法であるが、反復的な解法以外の近似解法などを用いることもできる。反復的な解法の場合、移動スケジュール特定部6は、本ステップS5において、複数の移動スケジュールから任意の一つを選択することとなる。
また、本実施形態では、期待値シナリオ及びばらつきシナリオの両方において命題を満たす移動スケジュールを特定する場合について説明したが、上述のとおり、本実施形態では、ばらつきシナリオは期待値シナリオよりも標準偏差に所望の係数βを乗じた時間分だけ保守的な(移動時間が長い)スケジュールとなっている。
したがって、ある移動スケジュールについて、ばらつきシナリオのもと命題を満たす場合には、当然、当該移動スケジュールについて、期待値シナリオをもとにしても命題を満たす。そのため、移動スケジュール特定部6は、期待値シナリオを参照することなく、ばらつきシナリオを基に、命題を満たす移動スケジュールを特定しても構わない。
(ステップS6)
次に、演算部7が、ステップS5で特定された移動スケジュールについて、各移動ルートの移動時間の期待値に基づいて期待値時間を演算し、各移動ルートの移動時間の期待値及び標準偏差に基づいてばらつき時間を演算し、ばらつき時間から期待値時間を減算して近似標準偏差時間を演算する。
期待値時間の演算の仕方としては、移動スケジュールを構成する各移動ルートの移動時間の期待値を、単純に加算すればよい。
例えば、移動スケジュールとして、移動ルートA1及び移動ルートB3が選択された場合、これらの移動時間の期待値が図3に示された通りとすると、この移動スケジュールの期待値時間は20分(10分+10分)となる。
ここで、期待値シナリオは、各移動ルートの移動時間の期待値に基づいて作成されたシナリオなので、演算部7は、期待値シナリオにおいて、ステップS5で特定された移動スケジュールを採用した際の時間を演算し、これを期待値時間としても構わない。
具体的には、期待値シナリオを参照して、特定された移動スケジュールを構成する各移動ルートの移動時間を加算して、期待値時間を演算する。
また、ばらつき時間の演算の仕方としては、移動スケジュールを構成する各移動ルートの移動時間の期待値及び標準偏差を単純に全てを加算しても構わないが、標準偏差を二乗したものを足し合わせ、それの平方根と、期待値を足し合わせても構わない。
すなわち、各移動ルートL1〜Lxを構成する移動時間の期待値がμ〜μであり、標準偏差がσ〜σの場合、ばらつき時間としては、(μ+μ+・・・+μ)+(σ+σ+・・・+σ)としても構わないが、(μ+μ+・・・+μ)+(σ +σ +・・・+σ 1/2としても構わない。
例えば、移動ルートA1及び移動ルートB3が選択された場合、これらの移動時間の期待値及び標準偏差が図3に示された通りとすると、この移動スケジュールのばらつき時間は、27分(10分+10分+4分+3分)としても構わないが、25分(10分+10分+(4分+3分1/2)としても構わない。
また、ばらつきシナリオは、移動ルートの移動時間の期待値及び標準偏差に基づいて作成されたシナリオなので、演算部7は、ばらつきシナリオにおいて、ステップS5で特定された移動スケジュールを採用した際の時間を演算し、これをばらつき時間としても構わない。
具体的には、ばらつきシナリオを参照して、特定された移動スケジュールを構成する各移動ルートの移動時間を加算して、ばらつき時間を演算する。なお、この場合、ばらつきシナリオの各移動ルート別の移動時間が、期待値に、標準偏差に所望の係数βを乗じた値を加算したものである場合、演算されるばらつき時間は、(μ+μ+・・・+μ)+β(σ+σ+・・・+σ)となる。
(ステップS7)
次に、検出部8が、ステップS6によって演算された期待値時間及び近似標準偏差時間の数が、探索数N個に達したか否かを検出する。
探索数N個に達していない場合は、ステップS5に戻り、達した場合はステップS8に進む。
なお、探索数Nについては、適宜の数を設定すればよいが、命題とは無関係に移動スケジュールを特定するモンテカルロ法とは異なり、本実施形態でも命題を満たす移動スケジュールを特定していることからすると、探索数Nは、比較的少ない数で構わない。
(ステップS8)
次に、判定部9は、移動スケジュール毎の期待値時間及び近似標準偏差時間に基づいて、ステップS7までによって特定されたN個の移動スケジュールの中から、1つの移動スケジュールを選択し、これによって1つの移動スケジュールに基づく移動計画が作成される。
選択の仕方の基本方針は、期待値時間が最少のものを選び、かつ近似標準偏差時間が最少のものを選ぶというものになる。但し、期待値時間が最少の移動スケジュールが、必ずしも近似標準偏差時間が最少になっているとは限らないので、期待値時間に重点を置いて選択するのか、それとも近似標準偏差時間に重点を置いて選択するのか、適宜重みづけをすることとなる。
ここで、期待値時間及び近似標準偏差時間が、選択の指標となる理由について、確率計画法と対比して説明する。
例えば、移動スケジュールSが移動ルートA1及び移動ルートB3からなり、移動ルートA1の移動時間の期待値がμ、標準偏差がσで、移動ルートB3の移動時間の期待値がμ、標準偏差がσとし、移動スケジュールSの移動時間が、単純に移動ルートA1の移動時間と移動ルートB3の移動時間の和だとする。
この場合、確率計画法によって十分な数のシナリオを探索した場合、移動スケジュールSの移動時間の期待値は、移動ルートA1の移動時間の期待値と移動ルートB3の移動時間の期待値の和となり、μ+μとなる。また、移動スケジュールSの移動時間の分散は、正規分布の場合は、移動ルートA1の移動時間の分散(σ )と移動ルートB2の移動時間の分散(σ )の和と等しいことから、移動スケジュールSの標準偏差は、(σ +σ 1/2となる。
一方で、本実施形態によれば、移動スケジュールSの期待値時間は、μ+μとなり、近似標準偏差時間は、β(σ+σ)となる(ばらつきシナリオを基にばらつき時間を求めて、近似標準偏差時間を求めた場合)。
したがって、本実施形態の期待値時間は、確率計画法を用いた際の期待値と等しくなる。
また、確率計画法においては、標準偏差の絶対値ではなく、相対的な大小が重要となるところ、β倍されているか否かは重要ではなく、また(σ+σ)と(σ +σ 1/2は、十分近似した挙動を示す。
よって、本実施形態の近似標準偏差時間は、確率計画法を用いた際の標準偏差と十分近似した指標になり得るといえる。
本実施形態によれば、確率計画法と同様な精度でロバストな計画を作成することができ、かつ、確率計画法のように複数種類のシナリオを作成する必要はなく、期待値シナリオとばらつきシナリオしか作成しないので、全てのシナリオを満たす移動スケジュールを、困難なく見つけ出すことができ、実用可能な時間内において、ロバストな計画を作成することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。本実施形態では、待ち合わせ条件が発生する場合に好適なロバストな計画を作成する計画作成装置及び計画作成方法について説明する。
なお、待ち合わせ条件とは、第1の作業要素及び第2の作業要素がある際に、第1の作業要素及び第2の作業要素について、平行して行うことができるが、両方が完了しなければ、作業を終了できない、又は次の作業要素を行えないという条件であり、例えば地点Lから地点Mに移動する車両と、地点Nから地点Mに移動する車両とがあり、地点Mにて2台の車両が待ち合わせるというような条件のことを指す。
<計画作成装置>
本実施形態の計画作成装置11は、図6に示すように、第1の実施形態の計画作成装置1に加えて、補正時間情報取得部12と、基準値選択部13と、基準値演算部14と、待ち合わせを考慮した移動時間特定部(待ち合わせを考慮した所要時間特定部)15と、検出部16と、待ち合わせを考慮した移動時間演算部(待ち合わせを考慮した所要時間演算部)17と、単独補正時間導出部18と、検出部19と、補正時間導出部20と、補正時間演算部21と、を備えている。
これらは、いずれも期待値時間及び近似標準偏差時間について、確率計画法によった際の期待値及び標準偏差により近似するよう補正する補正時間を演算する機能部である。詳しくは後述する。
<計画作成方法>
次に、本実施形態の計画作成装置11を用いて、移動スケジュールを作成する作成方法について、図7を参照して説明する。
(ステップS1’)
本実施形態では、まず、オペレータからの入力等により、待ち合わせ条件を含む移動地点に関する情報及び命題に関する情報を、初期設定として取得する。
(ステップ2〜ステップ5)
次に、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、ステップS2〜ステップS5を行う。
(ステップS11)
また、本実施形態では、ステップS1’〜S5と同時に又は前後して、補正時間情報取得部12が、データベース2から、ランダム(任意)に待ち合わせ条件が設定可能な2つの移動ルートを選別し、待ち合わせ場所から別の場所に移動する移動ルートを1つ選別し、これらの移動ルート別に確率分布、期待値及び標準偏差に関する情報を取得する。
例えば、地点Pから地点Qへの移動ルートCと、地点Rから地点Qへの移動ルートDと、地点Qから地点Sへの移動ルートEを選択し、図8に示すような期待値、標準偏差及び確率分布に関する情報を取得する。
なお、本実施形態でも、期待値及び標準偏差を例にして説明するが、第1の実施形態と同様に、期待値の代わりに他の代表値を用いてもよく、例えば中央値、最頻値等を用いても構わない。また、標準偏差の代わりに他のばらつき具合を示す指標を用いてもよく、例えば、移動時間が長いほうからの確率の和が丁度θ%に対応する時間、あるいは、期待値から長い方への確率の和が丁度τ%に対応する時間などを用いても構わない。
(ステップS12)
次に、基準値選択部13が、ステップS11において選別された待ち合わせ条件が設定可能な2つの移動ルートのうち、移動時間の期待値が大きいものを選別する。
例えば、上記の例でいえば、図8に示したように、移動ルートCの移動時間の期待値は15分であり、移動ルートDの移動時間の期待値は10分であるから、基準値選択部13は移動ルートCを選択することとなる。
(ステップS13)
次に、基準値演算部14は、ステップS12で特定した移動ルートについての移動時間の期待値及び標準偏差と、ステップ11で選別した待ち合わせ場所から別の場所に移動する移動ルートについての移動時間の期待値及び標準偏差に基づいて、基準期待値(基準代表値)及び基準標準偏差(基準ばらつき具合を示す指標)の値を演算する。
具体的な演算の仕方としては、単に期待値及び標準偏差を加算すればよい。例えば、上記の例で言えば、図8に示したように、移動ルートCの期待値は15分であり、標準偏差は5分である。一方で、移動ルートEの期待値は20分であり、標準偏差は6分である。したがって、基準値演算部14は、基準期待値として35分(15分+20分)と演算し、基準標準偏差として11分(5分+6分)と演算する。
なお、基準標準偏差については、各移動ルートの標準偏差を二乗したものを加算し、その平方根を演算するようにしても構わない。
(ステップS14)
次に、待ち合わせを考慮した移動時間特定部15が、ステップS11において特定された2つの移動ルート及び待ち合わせ場所から別の場所に移動する移動ルートにつき、それぞれ確率分布に従って特定の値を導出し、待ち合わせ条件の制約のもと、合計の移動時間を演算する。
例えば、移動ルートCの移動時間が14分、移動ルートDの移動時間が12分、移動ルートEの移動時間が18分の場合、合計の移動時間は32分(14分+18分)となる。
(ステップS15)
次に、検出部16が、ステップS14までに特定された合計の移動時間の個数がT個に達したか否かを検出する。
合計の移動時間の個数がT個に達していない場合は、ステップS14に戻り、達した場合はステップS16に進む。
なお、個数Tについては、平均及び分散を得られるのに適した個数であれば、何個でも構わない。
(ステップS16)
次に、待ち合わせを考慮した移動時間演算部17が、ステップS15までに特定されたT個の移動時間をもとに、この期待値及び標準偏差を演算することで、待ち合わせを考慮した移動時間の近似期待値(待ち合わせ時間を考慮した所要時間の近似代表値)及び待ち合わせを考慮した移動時間の近似標準偏差(待ち合わせ時間を考慮した所要時間の近似ばらつき具合を示す指標)を求める。
(ステップS17)
次に、単独補正時間導出部18が、ステップS16で求めた待ち合わせを考慮した移動時間の近似期待値及び待ち合わせを考慮した移動時間の近似標準偏差から、ステップS13で求めた基準期待値及び基準標準偏差を減算して、単独期待値補正時間(単独代表値補正時間)、及び単独標準偏差補正時間(単独ばらつき具合を示す指標補正時間)を求める。
例えば、先の例において、ステップS16で演算された待ち合わせを考慮した移動時間の近似期待値が40分であり、待ち合わせを考慮した移動時間の近似標準偏差が15分であったとする。また、先の例では、基準期待値は35分であり、基準標準偏差は11であったから、単独補正時間導出部18は、単独期待値補正時間として5分(40分−35分)を、単独標準偏差補正時間として4分(15分−11分)を算出する。
(ステップS18)
次に、検出部19が、ステップS17までに特定された単独期待値補正時間及び単独標準偏差補正時間の個数が、U個に達したか否かを検出する。U個に達していない場合は、ステップS11に戻り、達した場合はステップS19に進む。
なお、個数Uについては、単独期待値補正時間、及び単独標準偏差補正時間について、信頼できる程度の平均を得られる程度の個数であれば、何個でも構わない。
(ステップS19)
次に、補正時間導出部20が、ステップS17で得られたU個の単独期待値補正時間及び、単独標準偏差補正時間につき、それぞれ平均値を求めることで、期待値補正時間(代表値補正時間)及び標準偏差補正時間(ばらつき具合を示す指標補正時間)を算出する。
ここで、期待値補正時間、及び標準偏差補正時間の意味について説明する。
まず、単独期待値補正時間、及び単独標準偏差補正時間は、任意の待ち合わせ条件が生じた際に、実際に起こり得る期待値及び標準偏差から、単に移動ルートの移動時間の期待値及び標準偏差を足し合わせたものを減算した値である。
したがって、単独期待値補正時間、及び単独標準偏差補正時間が分かっているのであれば、この待ち合わせ条件のもとであれば、単に移動ルート毎の移動時間の期待値及び標準偏差を足し合わせたものを求めれば、これにそれぞれ単独期待値補正時間及び単独標準偏差補正時間を足すことで、実際に起こり得る期待値及び標準偏差を得ることができる。
もっとも、この単独期待値補正時間及び単独標準偏差補正時間は、任意の待ち合わせ条件をもとに見つけた値なので、特殊な条件である可能性を否定できず、他の待ち合わせ条件の際に適用した際、精度が劣る。
そこで、単独期待値補正時間、及び単独標準偏差補正時間をU個集め、それの平均を求めたものが、期待値補正時間及び標準偏差補正時間である。
この値を求めた結果、どのような待ち合わせ条件のもとであっても、移動ルート毎の移動時間の期待値及び標準偏差を足し合わせ、更に、それぞれ期待値補正時間及び標準偏差補正時間を足すことで、実際に起こり得る期待値及び標準偏差を近似して求めることができる。
なお、任意に求めた単独期待値補正係時間及び単独標準偏差補正時間の待ち合わせ条件が、特殊な条件ではないと考えられ、他の待ち合わせ条件にも適用できると考えられる場合は、その値を期待値補正時間及び標準偏差補正時間と看做しても構わない。
また、上記では、期待値及び標準偏差を用いた場合の補正について説明したが、第1の実施形態と同様に、期待値の代わりに他の代表値を用い、標準偏差の代わりに他のばらつき具合を示す指標を用いたとしても、同様に代表値補正時間及びばらつき具合を示す指標補正時間を求めればよい。
(ステップS6−1)
次に、補正演算部21が、ステップS19で算出した期待値補正時間及び標準偏差補正時間に基づいて、ステップS6で演算した特定の移動スケジュールについての期待値時間及び近似標準偏差時間を補正する。
補正の仕方としては、例えば、近似期待値時間に期待値補正時間を加算することで、近似期待値時間を補正する。
また、ステップS6において、ばらつき時間をばらつきシナリオに基づいて求めたのであれば、近似標準偏差時間は、標準偏差に所望の係数βを乗じた値(β(σ1+σ2+・・・+σx))となっているので、補正演算部21は、近似標準偏差時間に、標準偏差補正時間に所望の係数βを乗じた値を加算することで、近似標準偏差時間を補正すればよい。
(ステップS7)
次に、検出部8が、ステップS6−1によって補正された近似期待値時間、及び近似標準偏差時間の数が、探索数N個に達したか否かを検出する。達していない場合は、ステップS5に戻り、達した場合はステップS8に進む。
(ステップS8)
次に、判定部9は、移動スケジュール毎の補正された期待値時間及び補正された近似標準偏差時間に基づいて、ステップS7によって特定されたN個の移動スケジュールの中から、1つの移動スケジュールを選択し、これによって1つの移動スケジュールに基づく移動計画が作成される。
選択の仕方については、第1の実施形態における期待値時間及び近似標準偏差時間の選択の仕方と同様である。
一般に、第1の作業要素及び第2の作業要素について、待ち合わせ条件が発生する場合、基本的には、所要時間の期待値が長い作業要素によって、総所要時間が定まるが、場合によっては所要時間の期待値が短い作業要素の方が時間がかかることもある。
このため、総所要時間の確率分布は、所要時間の期待値が長い作業要素の確率分布を、右にスライドさせたような確率分布となる。
したがって、各作業要素についての確率分布を単純に足し合わせることでは、十分に近似した確率分布を得ることができない。
本実施形態であれば、このような待ち合わせ条件が発生する場合であっても、予め待ち合わせ条件が発生する際に補正する期待値補正時間、及び標準偏差補正時間を求めているので、より精度高く確率計画法によって作成した計画と近似することができる。
なお、上述した計画作成装置における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組
み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、計画作成装置は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、作業要素として移動ルート、所要時間として移動時間、所要スケジュールとして移動スケジュールを例として、車両を配送する計画を念頭において説明したが、これに限られない。
他に、工場内での、各製造ラインにてどのような順序で部品を生産するか計画する生産スケジュールの計画にも本発明を適用することができる。
例えば、部品Xについては、製造ラインAと製造ラインBにて製造可能だが、工程時間は異なり、部品Yは製造ラインCにて製造可能で、部品Xと部品Yの取り付けは製造ラインD及び製造ラインEで製造可能というような場合にも適用可能である。
この場合、作業要素は、製造ラインA〜製造ラインEといった作業工程となり、所要時間は各製造ラインA〜Eでの工程時間となり、所要スケジュールは、どの製造ラインで部品Xを製造し、どの製造ラインで部品Xと部品Yの取り付けるかといったことを定める生産スケジュールということとなる。
また、この場合、部品Xと部品Yが完成しなければ、次の工程に進めないので、製造ラインA(又は製造ラインB)と、製造ラインCは、待ち合わせ条件の関係となっている。
なお、以下に本発明を実施したシミュレーション結果について説明する。
本シミュレーションでは、20箇所に20台配置されている車両配送問題を、ランダムに56個作成し、本発明を実施した計画による場合と、移動時間を固定している従来の数理モデルの場合とを比較した。
この結果、本発明を実施した場合、従来技術と比較して、10分以内に、納期遅延の確率の低いロバストな配送計画を得ることができた。
本発明は、確率分布に従う作業時間を要する作業要素を組み合わせて、ロバストな計画を作成する場合に適用可能である。
1,11・・・計画作成装置、2・・・データベース、3・・・移動ルート取得部、4・・・ばらつきシナリオ作成部、5・・・期待値シナリオ作成部、6・・・移動スケジュール特定部、7・・・演算部、8,16,19・・・検出部、9・・・判定部、12・・・補正係数情報取得部、13・・・基準値選択部、14・・・基準値演算部、15・・・待ち合わせを考慮した移動時間特定部、17・・・待ち合わせを考慮した移動時間演算部、18・・・単独補正時間導出部、20・・・補正時間導出部、21・・・補正演算部

Claims (10)

  1. 複数の作業要素の中から、特定の作業要素を複数選択してなる所要スケジュールを作成する計画作成装置であって、
    複数の作業要素並びに該作業要素別の所要時間のばらつき具合を示す指標を取得する作業要素情報取得部と、
    前記所要時間のばらつき具合を示す指標に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定したばらつきシナリオを作成するばらつきシナリオ作成部と、
    前記ばらつきシナリオに基づいて、異なる複数の所要スケジュールを特定する所要スケジュール特定部と、
    複数の前記所要スケジュールの中から特定の所要スケジュールを特定する判定部と、
    前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値に基づいて第1基準時間を演算し、前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値及び標準偏差に基づいて第2基準時間を演算し、前記第1基準時間及び前記第2基準時間に基づいて第3基準時間を演算する演算部とを備え、
    前記判定部が、異なる複数の前記所要スケジュール毎に演算された前記第1基準時間及び前記第3基準時間に基づいて、複数の前記所要スケジュールの中から特定のスケジュールを特定することを特徴とする計画作成装置。
  2. 前記所要時間のばらつき具合を示す指標が、前記所要時間の期待値及び標準偏差である
    ことを特徴とする請求項1に記載の計画作成装置。
  3. 前記ばらつきシナリオ作成部が作成するばらつきシナリオが、複数ある
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計画作成装置。
  4. 前記作業要素情報取得部が取得した前記所要時間の期待値に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定した期待値シナリオを作成する期待値シナリオ作成部を備える
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の計画作成装置。
  5. 前記ばらつきシナリオ作成部が特定する前記作業要素毎の所要時間が、前記作業要素別の所要時間の期待値に、前記作業要素別の所要時間の標準偏差に所望の係数を乗じた値を加算した値である
    ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の計画作成装置。
  6. 任意の第1作業要素ないし第3作業要素であって、第1作業要素及び第2作業要素について平行して行えるが、両方が完了しなければ第3作業要素を行えないという待ち合わせ条件の関係にあるものを特定し、前記第1作業要素ないし前記第3作業要素の所要時間の確率分布、代表値、及びばらつき具合を示す指標を取得する補正係数情報取得部と、
    前記第1作業要素及び前記第2作業要素のうち、所要時間の代表値が大きい作業要素を選択する作業要素選択部と、
    前記作業要素選択部によって選択された作業要素の所要時間の代表値及びばらつき具合を示す指標、並びに前記第3作業要素の所要時間の代表値及びばらつき具合を示す指標から、基準代表値及び基準ばらつき具合を示す指標を演算する基準値演算部と、
    前記第1作業要素ないし前記第3作業要素の所要時間について、それぞれ確率分布に従って特定の時間を導出し、待ち合わせ条件の制約のもと前記第1作業要素ないし前記第3作業要素を行うのに要する時間を演算する待ち合わせを考慮した所要時間特定部と、
    前記待ち合わせを考慮した所要時間特定部が演算した時間を複数取得し、待ち合わせを考慮した所要時間の近似代表値及び待ち合わせを考慮した所要時間の近似ばらつき具合を示す指標を求める待ち合わせを考慮した所要時間演算部と、
    前記待ち合わせを考慮した所要時間の近似代表値及び待ち合わせを考慮した所要時間の近似ばらつき具合を示す指標から、それぞれ前記基準代表値及び基準ばらつき具合を示す指標を減算して、代表値補正時間及びばらつき具合を示す指標補正時間を求める補正時間
    演算部と、
    前記演算部が演算した第1基準時間及び第3基準時間を、前記代表値補正時間及び前記ばらつき具合を示す指標補正時間に基づいて補正する補正演算部と、を備える
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の計画作成装置。
  7. 前記作業要素が移動ルートを含み、
    前記所要時間が移動時間を含み、
    前記所要スケジュールが移動スケジュールである
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の計画作成装置。
  8. 前記作業要素が作業工程を含み、
    前記所要時間が工程時間を含み、
    前記所要スケジュールが生産スケジュールである
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の計画作成装置。
  9. 複数の作業要素の中から、特定の作業要素を複数選択してなる所要スケジュールを作成する計画作成方法であって、
    計画作成装置が、複数の作業要素並びに該作業要素別の所要時間のばらつき具合を示す指標を取得する作業要素情報取得ステップと、
    前記計画作成装置が、前記所要時間のばらつき具合を示す指標に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定したばらつきシナリオを作成するばらつきシナリオ作成ステップと、
    前記計画作成装置が、前記ばらつきシナリオに基づいて、異なる複数の所要スケジュールを特定する所要スケジュール特定ステップと、
    前記計画作成装置が、複数の前記所要スケジュールの中から特定の所要スケジュールを特定する判定ステップと、
    前記計画作成装置が、前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値に基づいて第1基準時間を演算し、前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値及び標準偏差に基づいて第2基準時間を演算し、前記第1基準時間及び前記第2基準時間に基づいて第3基準時間を演算する演算ステップとを備え、
    前記判定ステップでは、異なる複数の前記所要スケジュール毎に演算された前記第1基準時間及び前記第3基準時間に基づいて、複数の前記所要スケジュールの中から特定のスケジュールを特定する
    ことを特徴とする計画作成方法。
  10. 複数の作業要素の中から、特定の作業要素を複数選択してなる所要スケジュールを作成するためのコンピュータに、
    複数の作業要素並びに該作業要素別の所要時間のばらつき具合を示す指標を取得する作業要素情報取得手段と、
    前記所要時間のばらつき具合を示す指標に基づいて、前記作業要素毎に所要時間を特定したばらつきシナリオを作成するばらつきシナリオ作成手段と、
    前記ばらつきシナリオに基づいて、異なる複数の所要スケジュールを特定する所要スケジュール特定手段と、
    複数の前記所要スケジュールの中から特定の所要スケジュールを特定する判定手段と、
    前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値に基づいて第1基準時間を演算し、前記所要スケジュールを構成する作業要素の所要時間の期待値及び標準偏差に基づいて第2基準時間を演算し、前記第1基準時間及び前記第2基準時間に基づいて第3基準時間を演算する演算手段と、
    を実行させるプログラムであって、
    前記判定手段は、異なる複数の前記所要スケジュール毎に演算された前記第1基準時間及び前記第3基準時間に基づいて、複数の前記所要スケジュールの中から特定のスケジュールを特定する
    プログラム。
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