JP6901231B2 - 燃料電池の制御装置及び燃料電池の制御方法 - Google Patents
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Description
この燃料電池としては、例えば固体電解質層の両側に燃料極と空気極とを備えた単セルを有する板状の燃料電池セルを、複数個積層した燃料電池スタックが使用されている。
具体的には、燃料電池自身の(ジュール熱による)発熱が少ない低負荷の領域では、燃料利用率を低く設定して(即ち、燃料供給量を増やし、発電に必要な燃料供給量の割合を低下させて、燃焼器における燃焼量を増加させ)、一方、燃料電池自身の発熱が大きい高負荷の領域では、燃料利用率を高く設定する(即ち、燃料供給量を減らし、発電に必要な燃料供給量の割合を増加させて、燃焼器における燃焼量を低下させる)ことや、空気流量の増減を、その都度実施することで、熱自立を図っている。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、好適な制御を行うことによって制御ハンチングを抑制して燃料電池の耐久性を高めることができる燃料電池の制御装置及び燃料電池の制御方法を提供することにある。
また、本第1態様では、従来のような複雑な制御が不要であるので、空気ポンプの消費電力が増えにくい。よって、燃料電池から引き出される電流量が増加しにくいので、この点からも、燃料電池の耐久性が向上するという効果がある。
(2)本発明は、第2態様として、前記記憶手段は、前記複数の劣化ステージのそれぞれに対応して、前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を求める各制御マップを記憶し、前記決定手段は、前記判定手段によって判定された前記劣化ステージに対応した前記制御マップを選択し、当該制御マップに基づいて前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を決定することを特徴とする。
本第4態様は、燃料電池におけるガス流路の構造を例示している。
並直列構造を備えた燃料電池スタックにおいては、燃料電池スタックを構成する発電単位(燃料電池セル)が電気的には直列接続されている。燃料電池スタックに供給する燃料ガスの経路を、例えば上流部と下流部のように2つに並列に分けることで、発電単位への燃料供給量は多くしつつ、発電単位を積層した燃料電池スタックへの燃料供給量は少なくできることが特徴であるので、各燃料電池セルの燃料利用率を低くすることができる。
また、総合燃料利用率とは、燃料電池スタックを構成する各燃料電池セル毎の燃料利用率ではなく、燃料電池スタック全体としての総合的な燃料利用率である。
なお、改質器とは、燃料電池に燃料ガスを供給する場合に、原燃料ガス等の原燃料を、より発電に好適な組成に改質(例えば都市ガス等をより水素ガス成分の多い組成のガスに改質)する装置のことである。
(7)本発明は、第7態様として、前記複数の劣化ステージのそれぞれに対応して、前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を求める各制御マップを記憶しておき、前記判定された前記劣化ステージに対応した前記制御マップを選択し、当該制御マップに基づいて前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を決定することを特徴とする。
以下、本発明の各構成について説明する。
前記燃料ガスは、燃料電池の発電に用いられる燃料となる還元剤(例えば水素)を含むガスであり、原燃料ガス等の原燃料を改質した改質ガスが挙げられる。なお、原燃料としては、改質によって水素を生成できる各種の原燃料、例えば天然ガス(例えばLNG)、都市ガス、LPG、灯油、メタノール、バイオメタノールなどを採用できる。
前記燃料電池としては、例えば、ZrO2系セラミックなどを電解質とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)、高分子電解質膜を電解質とする固体高分子形燃料電池(PEFC)、Li−Na/K系炭酸塩を電解質とする溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸を電解質とするリン酸形燃料電池(PAFC)などの燃料電池が挙げられる。
図1に示すように、本実施例における燃料電池システム1は、燃料ガス(例えば都市ガス等の原燃料ガスが改質された改質ガス:詳しくはその中の水素)と酸化剤ガス(例えば空気:詳しくはその中の酸素)との供給を受けて発電を行う発電ユニットである。
燃料ポンプ5は、都市ガス等の原燃料ガスを発電モジュール15側に供給するポンプである。
気化器19にて、改質水ポンプ43から供給される改質水は加熱されて気化されて水蒸気となり、その水蒸気が改質器21に供給される。なお、気化器19は、周知の混合器を兼ねる装置として使用することができ、気化器19にて原燃料ガスと水蒸気との混合を行う。
燃焼器25は、燃料電池スタック23から排出された燃料ガス中の主に水素(未反応の燃料ガス)と空気中の酸素とを燃焼させる装置であり、この燃焼によって、燃料電池スタック23を加熱することができる。
パワーコンディショナー33は、燃料電池スタック23によって発電された直流の電力を交流の電力に変換して負荷39に供給する出力変換装置である。このパワーコンディショナー33では、交流電力値を計測するために、交流電流値と交流電圧値を計測できる。
コントローラ31は、周知のマイクロコンピュータを備えた電子制御装置である。このコントローラ31には、流量センサ7から燃料ガスの流量を示す信号が入力し、温度センサ27から燃料電池スタック23の温度を示す信号が入力し、電流センサ37から燃料電池スタック23の供給電流の電流値を示す信号が入力する。
更に、コントローラ31には、燃料電池スタック23に燃料ガスを供給する燃料ポンプ5、空気を供給する空気ポンプ13、起動バーナーに燃料混合気を供給する混合気ポンプ(図示せず)が接続されており、コントローラ31からの制御信号によって、それらの動作が制御されるように構成されている。
b)次に、燃料電池スタック23の構成について、簡単に説明する。
具体的には、スタック外から第8ボルト41hの貫通孔45hに導入された燃料ガスは、第5〜第9燃料電池セル24e〜24iの燃料流路に導入され、第3ボルト41cの貫通孔45cを介して、第1〜4燃料電池セル24a〜24dの燃料流路に導入され、第2ボルト41bの貫通孔45bを介して、スタック外に排出されるように構成されている。
・本発明者等の研究によれば、燃料電池スタック23の劣化の程度と燃料電池スタック23の出力(即ち電力値及び電流値)との間には相関関係があることが分かっている。具体的には、劣化の程度と電力値及び電流値との間には、図3に示すような関係があることが分かっている。なお、図3に示すマップは、コントローラ31のメモリに記憶されている。
図5に示すように、ステップ(図5ではSで示す)100では、電流センサ37からの信号に基づいて、燃料電池スタック23の出力の電流値(直流電流)を得る。
ここで、電力値は、電圧値と電流値とから算出することができる。例えば直流の電流値(A1)と(交流の平均化した)電圧値(V2)とから電力値(W1)を算出することができる。或いは、(交流の平均化した)電流値(A2)と(交流の平均化した)電圧値(V2)とから電力値(W2)を算出することができる。
続くステップ110では、前記図3に示すマップを用いて、前記ステップ100で得られた電力値と電流値とから、劣化の程度(劣化ステージ)を判定する。
また、ステップ130では、運転の中期であるので、図4(b)の中期マップを使用して、電流値から燃料利用率を求める。
続くステップ150では、各ステップで求めて燃料利用率から、運転状態に応じて、燃料供給量(詳しくは、原燃料ガスの供給量である原燃料供給量)を算出する。
(n:反応に寄与する電子数、F:ファラデー定数[C/mol])
この式(1)から、所望の電流Iaを発生させるために必要な燃料流量Qaが算出される。
原燃料供給量Q[L/min]は、前記Qbを用いて下記式(3)により算出できる。
Q=M×Qb ・・・(3)
なお、上記式(3)のMは、原燃料種によって決まる定数である。
続くステップ160では、前記ステップ150で算出した燃料供給量(即ち原燃料供給量Q)を供給するように、燃料ポンプ5の動作を制御して、一旦本処理を終了する。
本実施例では、燃料電池スタック23の劣化の程度を示す劣化ステージとして、予め燃料電池スタック23の電力値と電流値とに基づいて設定された複数の劣化ステージを記憶しており、この複数の劣化ステージに基づいて、(検出された)燃料電池スタック23の電力値と電流値とに対応した劣化ステージを判定する。そして、その劣化ステージに対応した各制御マップを用いて燃料電池スタック23の燃料利用率を決定し、その燃料利用率に基づいて、原燃料ガスの流量を算出し、その算出した値に基づいて、所定量の原燃料ガス(従ってその原燃料ガスが改質された燃料ガス)を燃料電池スタック23に供給する。
また、従来のような複雑な制御が不要であるので、空気ポンプ13の消費電力が増えにくい。よって、燃料電池スタック23に流れる電流量が増加しにくいので、この点からも、燃料電池スタック23の耐久性が向上するという効果がある。
(1)例えば、燃料電池としては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、固体高分子形燃料電池(PEFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)などの燃料電池が挙げられる。
(4)なお、本発明は、例えば気化器や改質器等を使用せずに(即ち原燃料ガスの改質を行って水素等の燃料ガスを生成するのではなく)、原燃料ガスとして水素等の燃料ガスを用い、その燃料ガスをポンプ等によって燃料電池スタックに供給する装置にて適用できる。
5…燃料ポンプ
13…空気ポンプ
17…発電モジュール
21…改質器
23…燃料電池スタック
25…燃焼器
27…温度センサ
31…コントローラ
33…パワーコンディショナー
37…電流センサ
Claims (4)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池の動作を、運転状態検出手段によって検出された当該燃料電池の運転状態に基づいて制御する燃料電池の制御装置において、
前記燃料電池は、平板型の固体酸化物形燃料電池であって、前記発電に使用されなかった前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼器を備えており、
前記燃料電池の劣化の程度を示す劣化ステージとして、予め前記燃料電池の電力値と電流値とに基づいて設定された10種以下の複数の劣化ステージを記憶している記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記複数の劣化ステージに基づいて、前記運転状態検出手段によって検出された前記燃料電池の電力値と電流値とに対応した前記劣化ステージを判定する判定手段と、
前記判定手段によって判定された前記劣化ステージに基づいて、当該劣化ステージに対応した前記燃料電池の前記発電に使用される燃料量を前記燃料電池に供給される燃料量で除した値である燃料利用率を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定した前記燃料利用率に基づいて、前記燃料ガスの流量を算出し、当該算出した値に基づいて、所定量の前記燃料ガス又は該燃料ガスの原燃料を前記燃料電池に供給するように制御する燃料供給制御手段と、
を備えた燃料電池の制御装置であって、
前記記憶手段は、前記複数の劣化ステージのそれぞれに対応して、前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を求める各制御マップを記憶するように構成され、
前記決定手段は、前記判定手段によって判定された前記劣化ステージに対応した前記制御マップを選択し、当該制御マップに基づいて前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を決定するように構成され、
前記燃料電池の劣化の程度に応じて設定された前記各制御マップは、同一の前記燃料電池の電流値に対して、前記燃料電池の前記劣化の程度が小さい場合より前記劣化の程度が大きい場合ほど、前記燃料利用率の高い値が選択されるように設定されており、
前記燃料利用率は、当該燃料利用率の増加にともない前記燃焼器における燃焼量を低下させるものである、
ことを特徴とする燃料電池の制御装置。 - 前記燃料電池は、少なくとも前記燃料ガスについて、並直列構造を備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御装置。
- 前記燃料電池は、原燃料を前記燃料ガスに改質する改質器を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池の制御装置。
- 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池の動作を、運転状態検出手段によって検出された当該燃料電池の運転状態に基づいて制御する燃料電池の制御方法において、
前記燃料電池は、平板型の固体酸化物形燃料電池であって、前記発電に使用されなかった前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼器を備えており、
前記燃料電池の劣化の程度を示す劣化ステージとして、予め前記燃料電池の電力値と電流値とに基づいて設定された10種以下の複数の劣化ステージを記憶しておき、
前記記憶された前記複数の劣化ステージに基づいて、前記運転状態検出手段によって検出された前記燃料電池の電力値と電流値とに対応した前記劣化ステージを判定し、
前記判定された前記劣化ステージに基づいて、当該劣化ステージに対応した前記燃料電池の前記発電に使用される燃料量を前記燃料電池に供給される燃料量で除した値である燃料利用率を決定し、
前記燃料利用率に基づいて、前記燃料ガスの流量を算出し、当該算出した値に基づいて、所定量の前記燃料ガス又は当該燃料ガスの原燃料を、前記燃料電池に供給するように制御する、
燃料電池の制御方法であって、
前記複数の劣化ステージのそれぞれに対応して、前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を求める各制御マップを記憶しておき、
前記判定された前記劣化ステージに対応した前記制御マップを選択し、当該制御マップに基づいて前記燃料電池の電流値から前記燃料利用率を決定し、
前記燃料電池の劣化の程度に応じて設定された前記各制御マップは、同一の前記燃料電池の電流値に対して、前記燃料電池の前記劣化の程度が小さい場合より前記劣化の程度が大きい場合ほど、前記燃料利用率の高い値が選択されるように設定されており、
前記燃料利用率は、当該燃料利用率の増加にともない前記燃焼器における燃焼量を低下させるものである、
ことを特徴とする燃料電池の制御方法。
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