発明の詳細な説明
I. 緒言
臨床試験においてステージIV乳がんを有する対象(「特別な臨床応答者」)が、全細胞ワクチンSV-BR-1-GM(BriaVaxと称される)を接種後に乳房、肺および脳の病変の実質的な退縮を経験したことが以前に報告されている。本発明は、部分的に、SV-BR-1-GM細胞が腫瘍関連抗原(TAA)を発現するだけでなく、抗原提示細胞(APC)における免疫刺激的な役割で公知のHLAクラスIおよびII対立遺伝子を含めたバイオマーカーのセットも発現するという発見に基づく。本発明は、部分的に、SV-BR-1-GMと特別な臨床応答者との間でのヒト白血球抗原(HLA)対立遺伝子の適合により、患者Tリンパ球がワクチンのMHC系によって提示されるTAAを直接認識できるようになるという発見にも基づく。さらに、本発明は、部分的に、HER2陽性細胞の優れた同定および識別を可能にするバイオマーカーの発見に基づく。
II. 定義
特に具体的に指し示さないかぎり、本明細書に使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。加えて、本明細書に記載される方法または材料と類似または等価の任意の方法または材料を、本発明の実施に使用することができる。本発明のために、以下の用語が定義される。
本明細書に使用される用語「a」、「an」、または「the」は、1つのメンバーを有する局面を含むだけでなく、1つよりも多いメンバーを有する局面も含む。例えば、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを指さないかぎり、複数の指示対象を含む。したがって、例えば「細胞」への言及は、複数のそのような細胞を含み、「薬剤」への言及は、当業者に公知の1種または複数種の薬剤への言及を含むなどである。
用語「約」および「およそ」は、測定の性質または正確さを考慮した、測定された量についての許容される程度の誤差を一般的に意味するものとする。典型的な例示的な程度の誤差は、所与の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内である。あるいは、特に生物系では、用語「約」および「およそ」は、所与の値の桁内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内の値を意味し得る。本明細書において示される数量は、特に述べないかぎり近似であり、このことは、明確に述べられていない場合に用語「約」または「およそ」が推論できることを意味する。
用語「対象」、「個体」、および「患者」は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを表すために本明細書において互換的に使用される。哺乳動物には、マウス、ラット、サル、ヒト、農用動物、競技動物、およびペットが非限定的に含まれる。インビボで得られたかまたはインビトロ培養された生物学的実体の組織、細胞およびその子孫も包含される。
本明細書に使用される用語「投与する」には、対象への経口投与、局所接触、坐剤としての投与、静脈内、腹腔内、筋肉内、病変内、腫瘍内、皮内、リンパ内、くも膜下腔内、鼻腔内、または皮下投与が含まれる。投与は、非経口および経粘膜(例えば、口内、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含めた任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内が含まれる。他の送達様式には、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が非限定的に含まれる。
用語「処置する」は、治療上の利益および/または予防的利益を非限定的に含めた、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチを表す。治療上の利益は、処置中の1つまたは複数の疾患、状態または症状における任意の治療的に関連する改善または効果を意味する。治療上の利益は、処置中の1つまたは複数の疾患、状態、または症状の治癒を引き起こすことも意味することができる。
用語「有効量」または「十分量」は、有益なまたは所望の結果を引き起こすために十分な改変がん細胞または他の組成物の量を表す。治療有効量は、処置されている対象および病状、対象の体重および年齢、病状の重症度、投与のやり方などのうちの1つまたは複数に応じて変動する場合があり、それは当業者によって容易に決定されることができる。特定量は、選ばれた個々の薬剤、標的細胞型、対象における標的細胞の位置、従うべき投薬レジメン、他の化合物と併用投与されるかどうか、投与のタイミング、およびそれが運ばれる身体送達系のうちの1つまたは複数に応じて変動し得る。
本明細書における目的のために、有効量は、当技術分野において公知であり得るような考慮事項によって決定される。量は、がんを患う対象において所望の治療効果を達成するために有効でなければならない。所望の治療効果は、例えば、がんに関連する望まれない症状の回復、そのような症状が起こる前の発現の防止、がんに関連する症状の進行の減速、がんによって引き起こされる任意の不可逆的な損傷の減速もしくは制限、がんの重症度の減少もしくは治癒、またはがんからの生存率の改善もしくはより迅速な回復の提供を含み得る。
有効量は、とりわけ、処置されるべき疾患の種類および重症度ならびに処置レジメンに依存する。有効量は、典型的には、適切に計画された臨床試験(用量範囲試験)において決定され、当業者は、有効量を決定するためにそのような試験を適正に行う方法を知っている。一般的に公知なように、有効量は、体内の治療剤(例えば全細胞がんワクチン)または組成物の分布プロファイル、多様な薬理パラメーターと(例えば体内半減期)と望まれない副作用との間の関係、ならびに年齢および性別などの他の要因その他を含めた多様な要因に依存する。
用語「薬学的に許容される担体」は、細胞、生物、または対象への活性薬剤の投与を助ける物質を表す。「薬学的に許容される担体」は、本発明の組成物に含まれることができる担体または賦形剤であって、対象に顕著な有害毒性作用を引き起こさない担体または賦形剤を表す。薬学的に許容される担体の非限定的な例には、水、NaCl、生理食塩水、乳酸リンゲル液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味料、香味料および着色料、リポソーム、分散媒、マイクロカプセル、陽イオン性脂質担体、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。担体は、製剤に安定性、無菌性および等張性を提供するための物質(例えば抗菌保存料、抗酸化剤、キレート剤および緩衝剤)、微生物の作用を防止するための物質(例えばパラベン、クロロブタノール、ソルビン酸などの抗微生物剤および抗真菌剤)、または食用に適する香味を製剤に与えるための物質などでもあり得る。ある場合には、担体は、標的細胞または組織への改変がん細胞の送達を促進する薬剤である。当業者は、他の薬学的担体が本発明に有用であることを認識している。
本明細書に使用される用語「核酸」または「ヌクレオチド」は少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを、1本鎖または2本鎖形態のいずれかで含むポリマーを表し、DNA、RNA、およびそのハイブリッドを含む。DNAは、例えば、アンチセンス分子、プラスミドDNA、DNA-DNA二重鎖、予め凝縮されたDNA、PCR産物、ベクター(P1、PAC、BAC、YAC、人工染色体)、発現カセット、キメラ配列、染色体DNA、またはこれらの群の誘導体および組み合わせの形態であり得る。RNAは、低分子干渉RNA(siRNA)、ダイサー基質dsRNA、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、非対称干渉RNA(aiRNA)、マイクロRNA(miRNA)、mRNA、tRNA、rRNA、tRNA、ウイルスRNA(vRNA)、およびそれらの組み合わせの形態であり得る。核酸には、公知のヌクレオチド類似体または改変された骨格残基または結合を含む、合成、天然および非天然であって参照核酸に類似の結合特性を有する核酸が含まれる。そのような類似体の例には、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2'-O-メチルリボヌクレオチド、およびペプチド-核酸(PNA)が非限定的に含まれる。特に限定されないかぎり、本用語は、参照核酸と類似の結合特性を有する天然ヌクレオチドの公知の類似体を含む核酸を包含する。特に示さないかぎり、特定の核酸配列は、その保存的に改変された変異体(例えば、縮重コドン置換)、対立遺伝子、オルソログ、SNP、および相補配列も暗黙的に包含し、加えて明白に示された配列も包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を生成させることによって達成され得る(Batzer et al., Nucleic Acid Res., 19:5081 (1991); Ohtsuka et al., J. Biol. Chem., 260:2605-2608 (1985); Rossolini et al., Mol. Cell. Probes, 8:91-98 (1994))。「ヌクレオチド」は、糖であるデオキシリボース(DNA)またはリボース(RNA)、塩基、およびリン酸基を含む。ヌクレオチドは、リン酸基を介して一緒に連結している。「塩基」には、プリンおよびピリミジンが含まれ、それにはさらに、天然化合物であるアデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシル、イノシン、および天然類似体、ならびにプリンおよびピリミジンの合成誘導体が含まれ、合成誘導体には、これらに限定されるわけではないが、アミン、アルコール、チオール、カルボン酸エステル、およびハロゲン化アルキルなどの新しい反応基を配置する修飾が非限定的に含まれる。
用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖を産生するのに関与するDNAセグメントを意味する。DNAセグメントは、遺伝子産物の転写/翻訳および転写/翻訳の調節に関与するコード領域に先行および後続する領域(リーダーおよびトレーラー)ならびに個別のコードセグメント(エクソン)の間の介在配列(イントロン)を含み得る。
用語「ベクター」および「発現ベクター」は、宿主細胞における個々のポリヌクレオチド配列の転写を可能にする一連の特定核酸エレメントを有する、組換えまたは合成的に生成した核酸構築物を表す。発現ベクターは、プラスミド、ウイルスゲノム、または核酸フラグメントの部分であり得る。典型的には、発現ベクターは、プロモーターと機能的に連結される、転写されるべきポリヌクレオチドを含む。用語「プロモーター」は、本明細書において核酸の転写を指示する核酸制御配列のアレイを表すために使用される。本明細書に使用されるプロモーターは、ポリメラーゼII型プロモーターの場合にTATAエレメントのような、転写の開始部位近くに必要な核酸配列を含む。プロモーターは、任意で、遠位のエンハンサーまたはリプレッサーエレメントも含み、該エレメントは、転写開始部位から数千塩基対の位置に存在することができる。発現ベクター中に存在し得る他のエレメントには、転写を高めるエレメント(例えばエンハンサー)および転写を終止するエレメント(例えばターミネーター)が含まれる。
「組換え」は、遺伝子改変されたポリヌクレオチド、ポリペプチド、細胞、組織、または生物を表す。例えば、組換えポリヌクレオチド(または組換えポリヌクレオチドのコピーもしくは相補体)は、周知の方法を用いて操作されたポリヌクレオチドである。第2のポリヌクレオチド(例えばコード配列)と機能的に連結されるプロモーターを含む組換え発現カセットは、ヒトの操作(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning - A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, (1989)またはCurrent Protocols in Molecular Biology Volumes 1-3, John Wiley & Sons, Inc. (1994-1998)に記載の方法による)の結果として、第2のポリヌクレオチドと異種であるプロモーターを含むことができる。組換え発現カセット(または発現ベクター)は、典型的にはポリヌクレオチドを自然界に見出されない組み合わせで含む。例えば、ヒト操作制限部位またはプラスミドベクター配列は、プロモーターを他の配列と隣接させ、または分離することができる。組換えタンパク質は、組換えポリヌクレオチドから発現されるタンパク質であり、組換え細胞、組織、および生物は、組換え配列(ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド)を含むものである。組換え細胞は、組換えヌクレオチド、発現ベクターまたはカセットなどを用いて改変(例えばトランスフェクトまたは形質転換)された細胞である。
用語「がん」は、異常な細胞の制御されない成長によって特徴づけられる疾患クラスの任意のメンバーを含むことが意図される。本用語は、悪性、良性、再発性、軟組織、または固形として特徴づけられるにせよ、全ての公知のがんおよび腫瘍状態、ならびに進行、転移前および転移後のがんを含めた全てのステージおよびグレードのがんを含む。異なる種類のがんの例には、婦人科がん(例えば卵巣、子宮頸、子宮、膣、および外陰がん);肺がん(例えば、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、中皮腫、カルチノイド腫瘍、肺腺がん);乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん、非浸潤性乳管がん、浸潤性乳管がん、管状がん、髄様がん、粘液がん、乳頭状がん、篩状がん、浸潤性小葉がん、炎症性乳がん、上皮内小葉がん、パジェット病、葉状腫瘍);胃がんなどの消化器-胃腸がん(例えば胃のがん)、結腸直腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、消化管カルチノイド腫瘍、結腸がん、直腸がん、肛門がん、胆管がん、小腸がん、および食道がん;甲状腺がん;胆嚢がん;肝臓がん;膵臓がん;虫垂がん;前立腺がん(例えば、前立腺腺がん);腎がん(例えば腎細胞がん);中枢神経系のがん(例えば、神経膠芽腫、神経芽腫、髄芽腫);皮膚がん(例えばメラノーマ);骨軟部肉腫(例えばユーイング肉腫);リンパ腫;絨毛がん;尿路がん(例えば、尿路膀胱がん);頭頸部がん;ならびに骨髄および血液のがん(例えば、急性白血病、慢性白血病(例えば慢性リンパ性白血病)、リンパ腫、多発性骨髄腫)が非限定的に含まれる。本明細書に使用される「腫瘍」は、1種または複数種のがん性細胞を含む。
がんに関連して、用語「ステージ」は、がんの程度の分類を表す。がんをステージ分けする場合に考慮される要因には、腫瘍サイズ、近くの組織の腫瘍浸潤、および腫瘍が他の部位に転移したかどうかが非限定的に含まれる。1つのステージを別のステージと区別するための特定の基準およびパラメーターは、がんの種類に応じて変動する可能性がある。がんのステージ分けは、例えば、予後を判定することおよび/または最も適切な処置選択肢を特定することを助けるために使用される。
がんのステージ分けシステムの非限定的な一例は、「TNM」システムと呼ばれる。TNMシステムにおいて、「T」は、主要な腫瘍のサイズおよび程度を表し、「N」は、がんが広がった近接リンパ節の数を表し、「M」は、がんが転移したかどうかを表す。「TX」は、主要な腫瘍が測定不可能であることを意味し、「T0」は、主要な腫瘍を見つけることができないことを意味し、「T1」、「T2」、「T3」、および「T4」は、主要な腫瘍のサイズおよび/または程度を意味し、その際、より大きい数は、腫瘍がより大きいおよび/または腫瘍が近接組織内に成長したことに対応する。「NX」は、近接リンパ節におけるがんを測定できないことを意味し、「N0」は、近接リンパ節にがんがないことを意味し、「N1」、「N2」、「N3」、および「N4」は、がんが広がったリンパ節の数および位置を意味し、その際、より大きい数は、がんを含むリンパ節がより多い数であることに対応する。「MX」は、転移を測定できないことを意味し、「M0」は、転移が起こっていないことを意味し、「M1」は、がんが身体の他の部分に転移したことを意味する。
がんのステージ分けシステムの別の非限定的な例において、がんは、5つのステージ、すなわち「ステージ0」、「ステージI」、「ステージII」、「ステージIII」、および「ステージIV」のうちの1つを有すると分類またはグレード分けされる。ステージ0は、異常な細胞が存在するが、近接組織に広がっていないことを意味する。これは、一般に上皮内がん(CIS)とも呼ばれる。CISは、がんではないが、後になってがんに発達する場合がある。ステージI、II、およびIIIは、がんが存在することを意味する。より高い数はより大きな腫瘍サイズおよび/または近接組織に広がった腫瘍に対応する。ステージIVは、がんが転移したことを意味する。当業者は、異なるがんステージ分けシステムを熟知しており、システムを容易に適用および/または解釈することができる。
用語「生検」は、診断または予後判断のために組織試料を取り出す工程および組織検体自体を表す。当技術分野において公知の任意の生検技法を本発明の方法および組成物に適用することができる。適用される生検技法は、数ある要因のうち、評価されるべき組織の種類ならびに腫瘍のサイズおよび種類(すなわち、固形または浮遊(すなわち血液、胸腔穿刺吸引液、または腹水))に一般的に依存する。代表的な生検技法には、切除生検、切開生検、針生検(例えば核針生検、微細針吸引生検など)、外科生検、および骨髄生検が含まれる。生検技法は、例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine, Kasper, et al., eds., 16th ed., 2005, Chapter 70およびPart V全体に論じられている。当業者は、生検技法を行って、所与の組織試料中のがん性および/または前がん性細胞を同定できることを認識している。
用語「対立遺伝子」は、典型的には、変異事象により起こる、遺伝子の特定の形態または変異体を表す。対立遺伝子は、例えばヌクレオチドの置換、付加、もしくは欠失に起因することができ、または様々な数の短いヌクレオチドリピートを表すことができる。ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子に関連して、HLA対立遺伝子は、HLAシステムの因子に関する世界保健機関命名委員会によって命名される。このシステムによると、HLA遺伝子名の後に一連の数字区域が続く。最小でも数字2桁の区域が含まれる。非限定的な例として、HLA-A*02:101は、HLA-A遺伝子の特定の対立遺伝子を意味する。遺伝子名から星印で分けられている第1区域は、対立遺伝子群を意味する。第1区域からコロンで分けられている第2区域は、産生される特定のHLAタンパク質を意味する。ある場合には、より長い名称が使用される(例えば、HLA-A*02:101:01:02N)。本例では、第3の数字区域は、同義DNA置換がコード領域内に存在するかどうかを意味し、第4の数字区域は、非コード領域に存在する対立遺伝子間の差を意味する。一部の他の例では、HLA対立遺伝子名は、最後に1文字を含む。HLA対立遺伝子命名システムによると、「N」は、対立遺伝子がヌル対立遺伝子である(すなわち対立遺伝子が非機能性タンパク質を産生する)ことを意味し、「L」は、対立遺伝子が特定のHLAタンパク質の正常よりも低い細胞表面発現を招くことを意味し、「S」は、対立遺伝子が細胞表面に見出されない可溶性タンパク質を産生することを意味し、「Q」は、疑わしい対立遺伝子(すなわち、正常な発現に影響しない場合がある対立遺伝子)を意味し、「C」は、細胞質に存在するが、細胞表面に存在しないタンパク質を対立遺伝子が産生することを意味し、「A」は、異常な発現を生じる対立遺伝子を意味する(すなわち、特定のHLAタンパク質が発現されるかどうかは不確かである)。当業者は、様々な対立遺伝子およびその命名協定を熟知している。
用語「対立遺伝子プロファイル」は、特定の試料中の1種または複数種の遺伝子の対立遺伝子の集まりを表す。試料は、対象、特性の細胞もしくは細胞型(例えば乳房細胞もしくは乳がん細胞)、または操作された細胞(例えば1種または複数種のタンパク質を発現するように操作されたがん細胞)から得られる場合がある。ある場合には、対立遺伝子プロファイルは、試料(例えば、対象から得られた細胞またはがんワクチン細胞)中に存在する単一遺伝子の対立遺伝子を説明し、または試料中の2つ以上の遺伝子について存在する対立遺伝子を説明する場合がある。非限定的な例として、対立遺伝子プロファイルは、特定の試料中のHLA-A遺伝子について存在する対立遺伝子を記載する場合がある。二倍体細胞について、1つだけの対立遺伝子が存在し得る(例えば、両方の染色体がHLA-A*02:01などの同じ対立遺伝子を含む場合)。あるいは、2つの異なる対立遺伝子が存在し得る(例えば、対立遺伝子プロファイルは、HLA-A*02:01およびHLA-A*24:02、またはHLA-A*02:01およびHLA-A*03:01を含む)。他の場合には、対立遺伝子プロファイルは、2つ以上の遺伝子について存在する対立遺伝子を列挙する。非限定的な例として、対立遺伝子プロファイルは、患者の試料中に存在するHLA-AおよびHLA-DRB3遺伝子の対立遺伝子を説明し得る。
例証の目的のためだけに、対象の対立遺伝子プロファイルは、HLA-A遺伝子のHLA-A*02:01およびHLA-A*24:02対立遺伝子が存在すること、ならびにHLA-DRB3遺伝子のHLA-DRB3*03:01対立遺伝子が存在することを示す場合がある。さらに、対立遺伝子プロファイルを比較することができる。非限定的な例として、対象は、HLA-A*02:01およびHLA-A*24:02対立遺伝子を含む対立遺伝子プロファイルを有することができるのに対し、がんワクチン細胞は、HLA-A*02:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子を含むプロファイルを有することができる。この例では、2つの対立遺伝子プロファイルを比較する場合、プロファイル間に部分適合がある(すなわち、HLA-A*02:01対立遺伝子が両方のプロファイル中に存在する)。別の非限定的な例として、ワクチン細胞がHLA-A*02:01およびHLA-A*24:02を含む対立遺伝子プロファイルを有する場合、対象およびワクチン細胞のプロファイルは、この特定の遺伝子に関して完全に適合する。
用語「ヒト白血球抗原(HLA)」は、適応免疫系による外来分子の認識に不可欠な細胞表面タンパク質のセットであるヒト主要組織適合遺伝子複合体(MHC)タンパク質をコードする遺伝子複合体を表す。HLA複合体は、染色体6p21の3Mbpのストレッチ内に見出される。細胞内部からのペプチドを提示するクラスI MHCタンパク質は、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-E、HLA-F、およびHLA-G遺伝子によってコードされる。HLA-A、HLA-B、およびHLA-C遺伝子は、多形性がより大きいのに対し、HLA-E、HLA-F、およびHLA-G遺伝子は、多形性がより小さい。HLA-KおよびHLA-Lは、偽遺伝子として存在することも公知である。加えて、ベータ-2-ミクログロブリンは、(B2M)遺伝子によってコードされるMHCクラスIタンパク質である。HLA-Aヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_001242758およびNM_002116の下に示される。HLA-Bヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_005514の下に示される。HLA-Cヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_001243042およびNM_002117の下に示される。HLA-Eヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_005516の下に示される。HLA-Fヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_018950の下に示される。HLA-Gヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_002127の下に示される。B2Mヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_004048の下に示される。
細胞外部からの抗原をTリンパ球に提示するクラスII MHCタンパク質は、HLA-DP、HLA-DM、HLA-DO、HLA-DQ、およびHLA-DR遺伝子によってコードされる。HLA-DM遺伝子は、HLA-DMAおよびHLA-DMBを含む。HLA-DO遺伝子は、HLA-DOAおよびHLA-DOBを含む。HLA-DP遺伝子は、HLA-DPA1およびHLA-DPB1を含む。HLA-DQ遺伝子は、HLA-DQA1、HLA-DQA2、HLA-DQB1、およびHLA-DQB2を含む。HLA-DR遺伝子は、HLA-DRA、HLA-DRB1、HLA-DRB3、HLA-DRB4、およびHLA-DRB5を含む。HLA-DMAおよびHLA-DMBヌクレオチド配列の非限定的な例は、それぞれGenBank参照番号NM_006120およびNM_002118に示される。HLA-DRA、HLA-DRB1、HLA-DRB3、HLA-DRB4、およびHLA-DRB5ヌクレオチド配列の非限定的な例は、それぞれGenBank参照番号NM_01911、NM_002124、NM_022555、NM_021983、NM_002125に示される。
用語「ワクチン」は、対象に投与した場合に、対象における特定の病原体または疾患に対する獲得免疫を産生する能力を有する生物学的組成物を表す。典型的には、関心対象の病原体または疾患に関連する1種または複数種の抗原または抗原のフラグメントが対象に投与される。ワクチンは、例えば不活化もしくは弱毒化生物(例えば、細菌もしくはウイルス)、細胞、細胞からもしくは細胞上に発現されるタンパク質(例えば、細胞表面タンパク質)、生物によって産生されるタンパク質(例えば毒素)、または生物の部分(例えばウイルスエンベロープタンパク質を含むことができる。ある場合には、細胞は、ワクチンとして投与されたときに、対象が特定の細胞型に対する免疫を獲得する能力を高める(例えば、対象ががん細胞に対する免疫を獲得する能力を高める)ようなタンパク質を発現するように操作される。本明細書に使用される用語「ワクチン」または「全細胞がんワクチン」は、本発明の改変がん細胞を非限定的に含む。
用語「顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)」は、マクロファージ、T細胞、マスト細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、内皮細胞、および線維芽細胞などの細胞によって分泌される「コロニー刺激因子(CSF2)」としても公知の単量体糖タンパク質を表す。GM-CSFは、いくつかの細胞型、特にマクロファージおよび好酸球に影響するサイトカインとして機能する。免疫/炎症カスケードの一部として、GM-CSFは、幹細胞が顆粒球(すなわち、好中球、好酸球、および好塩基球)および単球を産生するのを刺激する。続いて単球は、組織浸潤後にマクロファージおよび樹状細胞に成熟する。ヒトにおけるCSF2ヌクレオチド配列(GM-CSFをコードする遺伝子)の非限定的な例は、GenBank参照番号NM_000758に示される。
用語「インターフェロンアルファ(IFNa)」または「IFN-α」は、病原体(例えばウイルス、細菌、寄生虫、腫瘍細胞)に応答して宿主細胞によって合成および放出されるシグナル伝達タンパク質であるインターフェロンとして公知のより大きなクラスのタンパク質の部分であるタンパク質群を表す。インターフェロンアルファタンパク質は、白血球によって産生され、主として自然免疫応答に関与する。I型インターフェロンタンパク質は、IFN-α、IFN-β、IFN-ε、IFN-κ、IFN-τ、IFN-δ、IFN-ζ、IFN-ω、およびIFN-νを含む。IFN-αタンパク質をコードする遺伝子は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、およびIFNA21を含む。IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、およびIFNA21ヒトヌクレオチド配列の非限定的な例は、それぞれGene Bank参照番号NM_024013、NM_000605、NM_021068、NM_002169、NM_021002、NM_021057、NM_002170、NM_002171、NM_006900、NM_002172、NM_002173、NM_021268、およびNM_002175に示される。
用語「生存期間」は、疾患の診断後および/または疾患(例えばがん)のための特定の治療クールを開始もしくは完了後の期間を表す。用語「全生存期間」は、がんなどの疾患について診断または処置された後に所定の期間生存している患者を記載している臨床評価項目を含む。用語「無病生存期間」は、特定疾患(例えばがん)についての処置後に患者が疾患の徴候なしに(例えば再発が知られずに)生存する期間を含む。ある特定の態様では、無病生存期間は、特定の治療法の有効性を判断するために使用される臨床パラメーターであって、通常は1または5年単位で測定される臨床パラメーターである。用語「無増悪生存期間」は、特定疾患(例えばがん)についての処置の途中および処置後に、患者が疾患を有して追加的な疾患症状なしに生きている期間を含む。一部の態様では、生存期間は、中央値または平均値として表現される。
用語「HER2」、「HER2/neu」、および「ERBB2」(CD340、受容体型チロシンタンパク質キナーゼerbB-2、がん原遺伝子Neu、およびヒト上皮成長因子受容体2としても公知)は、ヒト上皮成長因子受容体(HER/EGFR/ERBB)ファミリーのメンバーを表す。このバイオマーカーの増幅または過剰発現は、乳がんを含めたある特定の高悪性度型のがんの発生および進行に重大な役割を果たす。このように、HER2は、乳がん患者の少なくとも約30%にとって重要なバイオマーカーおよび治療標的になった。HER2ヌクレオチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NP_001005862、NP_001289936、NP_001289937、NP_001289938、およびNP_004448に示される。HER2ペプチド配列の非限定的な例は、GenBank参照番号NP_001005862、NP_001276865、NP_001276866、NP_001276867、およびNP_004439に示される。
HER2の検査方法には、免疫組織化学(IHC)、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)、ELISA、ならびにRT-PCRおよびマイクロアレイ解析などの(例えば、HER2発現の)RNA定量方法が含まれる。HER2陽性の患者は、トラスツズマブ療法に応答する可能性がより大きいので、HER2の検査は、トラスツズマブ療法が考慮されている患者に行われる。
HER2が細胞において増幅または過剰発現される場合に、細胞は、「HER2陽性」であると呼ばれる。HER2陽性細胞におけるHER2の増幅または過剰発現のレベルは、0から3の範囲のスコア(すなわちHER2 0、HER2 1+、HER2 2+、またはHER2 3+)として一般に表現され、より高いスコアは、より大きな程度の発現に対応する。
III. 態様の詳細な説明
A. 改変ヒトがん細胞
一局面では、本発明は、ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む改変ヒトがん細胞を提供する。一部の態様では、組換えポリヌクレオチドは、HLAクラスI遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子をコードする。他の態様では、組換えポリヌクレオチドは、HLAクラスII遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子をコードする。特定の態様では、組換えポリヌクレオチドは、HLAクラスI遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子およびHLAクラスII遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子をコードする。
一部の態様では、組換えポリヌクレオチドは、細胞のゲノムに組み込まれている。他の態様では、組換えポリヌクレオチドは、細胞内のベクターに存在する。1つよりも多い組換えポリヌクレオチドが存在する態様では、組換えポリヌクレオチドのうちの全てが同じベクターに存在することができる、または各組換えポリヌクレオチドが別々のベクターに存在することができる。任意の数の組み合わせが許容される。非限定的な例として、HLAクラスI遺伝子対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドのうちの全ては、1つのベクターに存在することができ、HLAクラスII遺伝子対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドの全ては、別のベクターに存在することができる。別の非限定的な例として、HLA-A遺伝子対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドのうちの全ては、1つのベクターに存在することができ、HLA-B遺伝子対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドの全ては、別のベクターに存在することができる。
一部の態様では、HLAクラスI遺伝子は、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、またはB2M遺伝子である。他の態様では、HLAクラスI遺伝子は、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、および/またはB2M遺伝子の組み合わせである。一部の態様では、改変がん細胞は、1種または複数種の(例えば1、2、3、4、5、6、または7の)HLAクラスI遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
適切なHLA-A対立遺伝子の例には、HLA-A*11:01、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*03:01、HLA-A*26:01、HLA-A*29:02、HLA-A*32:01、HLA-A*24:02、HLA-A*33:03、HLA-A*68:01、HLA-A*31:01、およびHLA-A*02:06が非限定的に含まれる。本発明の改変ヒトがん細胞は、HLA-A対立遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドを含むことができる。一部の態様では、1種または複数種のHLA-A対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、1種または複数種のHLA-A対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、1種または複数種のHLA-A対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
適切なHLA-B対立遺伝子の例には、HLA-B*13:02、HLA-B*41:01、HLA-B*18:03、HLA-B*44:02、HLA-B*07:02、HLA-B*35:01、HLA-B*40:01、HLA-B*35:08、HLA-B*55:01、HLA-B*51:01、HLA-B*44:03、HLA-B*58:01、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*15:01、およびHLA-B*52:01が非限定的に含まれる。本発明の改変ヒトがん細胞は、HLA-B対立遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドを含むことができる。一部の態様では、1種または複数種のHLA-B対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、1種または複数種のHLA-B対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、1種または複数種のHLA-B対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
適切なHLA-C対立遺伝子の例には、HLA-C*04:01、HLA-C*07:02、HLA-C*07:01、HLA-C*06:02、HLA-C*03:04、HLA-C*01:02、HLA-C*02:02、HLA-C*08:02、HLA-C*15:02、HLA-C*03:03、HLA-C*05:01、HLA-C*08:01、HLA-C*16:01、HLA-C*12:03、およびHLA-C*14:02が非限定的に含まれる。本発明の改変ヒトがん細胞は、HLA-C対立遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドを含むことができる。一部の態様では、1種または複数種のHLA-C対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、1種または複数種のHLA-C対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、1種または複数種のHLA-C対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
一部の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子である。他の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLAクラスIIベータサブユニット遺伝子である。特定の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子とHLAクラスIIベータサブユニット遺伝子との組み合わせである。
他の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLA-DP遺伝子、HLA-DM遺伝子、HLA-DO遺伝子、HLA-DQ遺伝子、および/またはHLA-DR遺伝子である。ある場合には、HLA-DO遺伝子は、HLA-DOA遺伝子である。他の場合には、HLA-DO遺伝子は、HLA-DOB遺伝子である。特定の場合には、改変がん細胞は、HLA-DOA遺伝子対立遺伝子とHLA-DOB遺伝子対立遺伝子との両方をコードする組換えヌクレオチドを含む。ある場合には、HLA-DM遺伝子は、HLA-DMA遺伝子である。他の場合には、HLA-DM遺伝子は、HLA-DMB遺伝子である。特定の場合には、改変がん細胞は、HLA-DMA遺伝子対立遺伝子およびHLA-DMB遺伝子対立遺伝子の両方をコードする組換えヌクレオチドを含む。
一部の態様では、HLA-DR遺伝子は、HLA-DRA遺伝子、HLA-DRB1遺伝子、HLA-DRB3遺伝子、HLA-DRB4遺伝子、および/またはHLA-DRB5遺伝子である。特定の態様では、改変がん細胞は、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5種、またはそれより多い)HLA-DR遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
適切なHLA-DRB3対立遺伝子の例には、HLA-DRB3*02:02、HLA-DRB3*01:01、およびHLA-DRB3*03:01が非限定的に含まれる。本発明の改変ヒトがん細胞は、HLA-DRB3対立遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば、1、2、3種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドを含むことができる。一部の態様では、1種または複数種のHLA-DRB3対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、1種または複数種のHLA-DRB3対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、1種または複数種のHLA-DRB3対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*02:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*03:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*26:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*29:02対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*32:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*02:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*03:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*26:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*29:02対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*32:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*01:01対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*02:01対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*03:01対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*26:01対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*29:02対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*32:01対立遺伝子およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*01:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*02:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*03:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*26:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*29:02対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*32:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子ならびにGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*01:01対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*02:01対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*03:01対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*26:01対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*29:02対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*32:01対立遺伝子およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*02:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*03:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*26:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*29:02対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*32:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*01:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*02:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*03:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*26:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*29:02対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-A*32:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*01:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*01:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*02:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*02:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*03:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*03:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*26:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*26:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*29:02対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*29:02対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*01:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*02:02およびHLA-A*32:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-DRB3*03:01およびHLA-A*32:01対立遺伝子、GM-CSF、ならびにIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子およびHLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子およびHLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子およびHLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子およびHLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子、およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子、およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子、およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子、およびGM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*11:01対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。一部の態様では、改変がん細胞は、HLA-AのHLA-A*24:02対立遺伝子、HLA-DRB3のHLA-DRB3*01:01対立遺伝子、GM-CSF、およびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。
一部の態様では、改変ヒトがん細胞は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む。ある場合には、GM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドは、細胞のゲノムに組み込まれている。他の場合には、GM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドは、ベクターに存在する。GM-CSFをコードする組換えポリヌクレオチドは、1種もしくは複数種のHLA対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドと同じベクターに存在することができる、または異なるベクターに存在することができる。
一部の態様では、改変ヒトがん細胞は、インターフェロンアルファ(IFNa)をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む。ある場合には、IFNaをコードする組換えポリヌクレオチドは、細胞のゲノムに組み込まれている。他の場合には、IFNaをコードする組換えポリヌクレオチドは、ベクターに存在する。IFNaをコードする組換えポリヌクレオチドは、1種もしくは複数種のHLA対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドと同じベクターに存在することができる、または異なるベクターに存在することができる。
一部の態様では、改変ヒトがん細胞は、GM-CSFおよびIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む。ある場合には、GM-CSFおよび/またはIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドは、細胞のゲノムに組み込まれている。他の場合には、GM-CSFおよび/またはIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドは、ベクターに存在する。GM-CSFおよび/またはIFNaをコードする組換えポリヌクレオチドは、1種もしくは複数種のHLA対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドと同じベクターに存在することができる、または異なるベクターに存在することができる。
一部の態様では、改変がん細胞は、1種または複数種の免疫刺激遺伝子をコードする組換えポリペプチドをさらに含む。一部の態様では、改変がん細胞は、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、接着Gタンパク質共役受容体E5(ADGRE5)、カベオリン1(CAV1)、CD58分子(CD58)、CD74分子(CD74)、CD83分子(CD83)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド16(CXCL16)、細胞内接着分子3(ICAM3)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン18(IL18)、KITリガンド(KITLG)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14(TNFSF14)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される免疫刺激遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む。特定の態様では、改変がん細胞は、免疫刺激遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドをさらに含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、1種または複数種のがん/精巣抗原(CTA)遺伝子をコードする組換えポリペプチドをさらに含む。一部の態様では、改変がん細胞は、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、PDZ結合キナーゼ(PBK)、中心体タンパク質55(CEP55)、キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C)、胎盤特異タンパク質1(PLAC1)、Opa相互作用タンパク質5(OIP5)、カルシウム結合チロシンリン酸化調節型(CABYR)、精子関連抗原1(SPAG1)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるCTA遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む。特定の態様では、改変がん細胞は、CTA遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドをさらに含む。
一部の態様では、改変がん細胞は、免疫刺激遺伝子および/またはCTA遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドをさらに含む。一部の態様では、改変がん細胞は、ADA、ADGRE5、CAV1、CD58、CD74、CD83、CXCL8、CXCL16、ICAM3、IL6、IL10、IL15、IL18、KITLG、TNFSF14、PRAME、PBK、CEP55、KIF2C、PLAC1、OIP5、CABYR、SPAG1、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される遺伝子をコードする1種または複数種のポリヌクレオチドをさらに含む。免疫刺激遺伝子および/またはCTA遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドは、改変がん細胞のゲノムに組み込んでもよく、または1つもしくは複数のベクターに存在してもよい。
一部の態様では、改変がん細胞は、表1、2、5、7、8、9、10、12、13、および14に示される1種または複数種の遺伝子をコードする1種または複数種の組換えポリヌクレオチドをさらに含む。ある場合には、改変がん細胞は、組換えポリヌクレオチドをさらに含む。特定の態様では、改変がん細胞は、表1、2、5、7、8、9、10、12、13、および14に示される遺伝子をコードする約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、またはそれより多い組換えポリヌクレオチドを含む。ある場合には、改変がん細胞は、PRAME、PBK、CEP55、KIF2C、ERBB2、MIEN1、PGAP3、またはそれらの組み合わせをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。組換えポリヌクレオチドは、改変がん細胞のゲノムに組み込まれていることができる、または1つもしくは複数のベクターに位置する。
好ましい態様では、1種もしくは複数種のHLA対立遺伝子、1種もしくは複数種のCTA遺伝子、1種もしくは複数種の免疫刺激遺伝子、GM-CSFをコードする遺伝子、IFNaをコードする遺伝子、および/または本明細書記載の1種もしくは複数種の追加的なバイオマーカーは、細胞によって発現される組換えポリヌクレオチドによってコードされる。発現は、一過性であることができ、または好ましい態様では、発現は永続性である。一部の態様では、HLA対立遺伝子、CTA遺伝子、免疫刺激遺伝子、GM-CSF、IFNa、および/または追加的なバイオマーカーの発現は、誘導性である。
一部の態様では、ヒトがん細胞はヒトがん細胞株である。任意の数のヒトがん細胞またはがん細胞株が、本発明に適している。適切なヒトがん細胞株の非限定的な例には、SV-BR-1、SVCT、MDA-MB-231、MDA-MB-157、ZR-75-30、ZR-75-1、Hs 578T、MCF7、T47D、MTSV1-7 CE1、1-7HB2、VP303、VP267、およびVP229乳がん細胞株、UM-UC-3、T24/83、ECV304、RT4、およびHT1197膀胱がん細胞株、MDST8、C170、GP5d、GP2d、およびLS 123結腸がん細胞株、SHP-77、COR-L23/R、COR-L23/5010、MOR/0.2R、NCI-H69/LX20、ChaGo-K-1、およびMeta7肺がん細胞株、MFE-280およびMFE-296子宮内膜がん細胞株、CAKI2、A.704、G-402、ACHN、G-401、UM-RC-7、およびRCC4plusVHL腎がん細胞株、SK-HEP-1、Hep3B、PLC/PRF/5、HepG2、およびHuh-7D12肝臓がん細胞株、HL60、Eos-HL-60、JVM-13、Sci-1、およびRi-1白血病細胞株、BHL-89、COR-L24、U937(CD59+)、My-La CD8+、およびHGC-27リンパ腫細胞株、A375-C6、GR-M、VA-ES-BJ、MEWO、およびCOLO818皮膚がん細胞株、AsPC-1、HuP-T4、HuP-T3、BxPC-3、およびCFPAC-1膵臓がん細胞株、8505C、8305C、FTC-238、TT、RO82-W-1、およびK1甲状腺がん細胞株、HeLa DH、HR5-CL11、HtTA-1、HR5、X1/5、HeLa、C-4I、C-4 II、HeLa S3、Ca Ski、HeLa229、Hep2(HeLa派生株)、HeLa B、Bu25 TK- HeLa Ohio、およびHeLa(AC不含)子宮頸がん細胞株、NB69、BE(2)-C、BE(2)-M17、SK-N-BE(2)、およびSK-N-DZ脳がん細胞株、OV7、OV17R、OV58、OV56、A2780ADR、A2780、COLO720E、SW626、SK-OV-3、PA-1、59M、OAW28、TO14、PEO23、およびCOV362卵巣がん細胞株、IMR32腹部がん細胞株、SW13副腎皮質がん細胞株、TR146口内粘膜がん細胞株、SK-GT-4食道がん細胞株、TE671胎生期がん細胞株、FLYRD18線維肉腫細胞株、1411H生殖細胞腫瘍細胞株、MFM-223乳腺がん細胞株、H-EMC-SS筋がん細胞株、Detroit 562咽頭がん細胞株、BeWo胎盤がん細胞株、Mero-95胸膜腔がん細胞株、PC-3、LNCapクローンFGC、Shmac5、P4E6、およびVCaP前立腺がん細胞株、SW837、SW1463、CMT93、HRT-18、およびHRA-19直腸がん細胞株、Y79、WERI、およびRB247C網膜がん細胞株、CHP-100脊髄がん細胞株、KARPAS1718脾臓リンパ腫細胞株、AGSおよびKATO-III胃がん細胞株、NTERA-2クローンD1精巣がん細胞株、SCC-9、H357、H103、BICR56、およびPE/CA-PJ49舌がん細胞株、MES-SA/Dx-5、MES-SA、COLO685、およびCOLO684子宮がん細胞株、ならびにHMVII膣がん細胞株が含まれる。特定の態様では、ヒトがん細胞株は、SV-BR-1乳がん細胞株である。ある場合には、ヒトがん細胞株は、改変SV-BR-1-GMがん細胞株である。本明細書記載の細胞株およびその他は、例えばSigma-Aldrich(www.sigmaaldrich.com)から入手可能である。一部の他の態様では、改変がん細胞は、がんについて処置されるべき対象から、がん細胞の改変前に得られる。
一部の態様では、HLA対立遺伝子、バイオマーカー、GM-CSF、および/またはIFNaの発現は、2つ以上の異なるプロモーターの制御下にある。ある場合には、対立遺伝子、バイオマーカー、GM-CSF、および/またはIFNaの発現は、それぞれ別々のプロモーターの制御下にある。一部の態様では、HLA対立遺伝子、バイオマーカー、GM-CSF、および/またはIFNaの発現は、単一のプロモーターの制御下にある。ある場合には、HLA対立遺伝子、バイオマーカー、GM-CSF、および/またはIFNaは、多シストロン性mRNAとして発現される。特定の場合には、1つまたは複数のシストロンは、配列内リボソーム進入部位によって分離されている。
B. 全細胞がんワクチンを選択するための方法
別の局面では、本発明は、がんを有する対象のために全細胞がんワクチンを選択するための方法を提供する。一部の態様では、該方法は、
(a)対象のHLA対立遺伝子プロファイルを生成するために、対象から得られた試料中の1種または複数種のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子の存在または不在を検出する段階;
(b)全細胞がんワクチン中の1種または複数種のHLA遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子の存在または不在に基づき、対象のHLA対立遺伝子プロファイルを全細胞がんワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルと比較する段階;および
(c)対象のHLA対立遺伝子プロファイルが、全細胞がんワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルと適合する場合に、全細胞がんワクチンを対象のために選択する段階
を含む。
一部の態様では、1種または複数種のHLAクラスI遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子を検出および使用して、対立遺伝子プロファイルを生成する。他の態様では、1種または複数種のHLAクラスII遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子を検出および使用して、対立遺伝子プロファイルを生成する。なお他の態様では、1種または複数種のHLAクラスI遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子および1種または複数種のHLAクラスII遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子を検出および使用して、対立遺伝子プロファイルを生成する。
一部の態様では、HLAクラスI遺伝子は、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、またはB2M遺伝子である。他の態様では、HLAクラスI遺伝子は、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、および/またはB2M遺伝子の組み合わせである。一部の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、または7種の)HLAクラスI遺伝子が検出される。
適切なHLA-A対立遺伝子の例には、HLA-A*11:01、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*03:01、HLA-A*26:01、HLA-A*29:02、HLA-A*32:01、HLA-A*24:02、HLA-A*33:03、HLA-A*68:01、HLA-A*31:01、およびHLA-A*02:06が非限定的に含まれる。一部の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12種、またはそれより多い)HLA-A対立遺伝子が検出される。一部の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-A対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-A対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-A対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
適切なHLA-B対立遺伝子の例には、HLA-B*13:02、HLA-B*41:01、HLA-B*18:03、HLA-B*44:02、HLA-B*07:02、HLA-B*35:01、HLA-B*40:01、HLA-B*35:08、HLA-B*55:01、HLA-B*51:01、HLA-B*44:03、HLA-B*58:01、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*15:01、およびHLA-B*52:01が非限定的に含まれる。一部の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種、またはそれより多い)HLA-B対立遺伝子が検出される。一部の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-B対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-B対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-B対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
適切なHLA-C対立遺伝子の例には、HLA-C*04:01、HLA-C*07:02、HLA-C*07:01、HLA-C*06:02、HLA-C*03:04、HLA-C*01:02、HLA-C*02:02、HLA-C*08:02、HLA-C*15:02、HLA-C*03:03、HLA-C*05:01、HLA-C*08:01、HLA-C*16:01、HLA-C*12:03、およびHLA-C*14:02が非限定的に含まれる。一部の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15種、またはそれより多い)HLA-C対立遺伝子が検出される。一部の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-C対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-C対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-C対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
一部の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子である。他の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLAクラスIIベータサブユニット遺伝子である。特定の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子とHLAクラスIIベータサブユニット遺伝子との組み合わせである。
他の態様では、HLAクラスII遺伝子は、HLA-DP遺伝子、HLA-DM遺伝子、HLA-DO遺伝子、HLA-DQ遺伝子、および/またはHLA-DR遺伝子である。ある場合には、HLA-DO遺伝子はHLA-DOA遺伝子である。他の場合には、HLA-DO遺伝子はHLA-DOB遺伝子である。特定の場合には、HLA-DOA遺伝子対立遺伝子およびHLA-DOB遺伝子対立遺伝子の両方が検出される。ある場合には、HLA-DM遺伝子はHLA-DMA遺伝子である。他の場合には、HLA-DM遺伝子はHLA-DMB遺伝子である。特定の場合には、HLA-DMA遺伝子対立遺伝子およびHLA-DMB遺伝子対立遺伝子の両方が検出される。
一部の態様では、HLA-DR遺伝子は、HLA-DRA遺伝子、HLA-DRB1遺伝子、HLA-DRB3遺伝子、HLA-DRB4遺伝子、および/またはHLA-DRB5遺伝子である。特定の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5種、またはそれより多い)HLA-DR遺伝子の対立遺伝子が検出される。
適切なHLA-DRB3対立遺伝子の例には、HLA-DRB3*02:02、HLA-DRB3*01:01、およびHLA-DRB3*03:01が非限定的に含まれる。一部の態様では、HLA-DRB3対立遺伝子をコードする1種または複数種の(例えば、1、2、3種、またはそれより多い)組換えポリヌクレオチドが検出される。一部の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-DRB3対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度で存在する。他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-DRB3対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約5%の最大頻度で存在する。なお他の態様では、検出のために選択される1種または複数種のHLA-DRB3対立遺伝子は、それぞれ集団中に少なくとも約2%の中央値頻度および少なくとも約5%の最大頻度で存在する。
一部の態様では、対立遺伝子プロファイルは、HLA-AのHLA-A*11:01またはHLA-A*24:02対立遺伝子およびHLA-DRB3のHLA-DRB3*02:02またはHLA-DRB3*01:01を含む。
一部の態様では、対象のHLA対立遺伝子プロファイルとワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルとの間に完全な適合がある場合に、全細胞がんワクチンが対象のために選択される。ある場合には、対象のプロファイル中に存在するHLA対立遺伝子のうちの全てが、ワクチンのプロファイル中に存在する。他の場合には、ワクチンのプロファイル中に存在するHLA対立遺伝子のうちの全てが、対象のプロファイル中に存在する。他の態様では、対象のHLA対立遺伝子プロファイルとワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルとの間に部分適合がある場合に、全細胞がんワクチンが対象のために選択される。ある場合には、対象のプロファイル中に存在する1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46種、またはそれより多い)対立遺伝子がワクチンのプロファイル中に存在する場合に、部分適合が存在する。ある場合には、ワクチンのプロファイル中に存在する1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46種、またはそれより多い)対立遺伝子が対象のプロファイル中に存在する場合に、部分適合が存在する。ある場合には、対象の対立遺伝子プロファイルとワクチンの対立遺伝子プロファイルとの間に少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の適合がある場合に、部分適合が存在する。
他の態様では、該方法は、
対象から得られた試料中の1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルを検出する段階;
対象から得られた試料において検出された1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルを、対照試料中の1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルと比較する段階;ならびに
比較に基づき全細胞がんワクチンを対象のために選択する段階であって、全細胞がんワクチンが、乳がん細胞株または乳がん細胞に由来する段階
を含む。ある場合には、乳がん細胞株は、SV-BR-1乳がん細胞株である。
一部の他の態様では、該方法は、
対象から得られた1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルを測定する段階;
対象から得られた1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数を、対照試料中の1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数と比較する段階;ならびに
比較に基づき全細胞がんワクチンを対象のために選択する段階であって、全細胞がんワクチンが、乳がん細胞株または乳がん細胞に由来する段階
を含む。ある場合には、乳がん細胞株は、SV-BR-1乳がん細胞株である。
なお他の態様では、該方法は、
対象から得られた試料中の1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルを検出する段階;ならびに/または
対象から得られた1種もしくは複数種の免疫細胞の活性および/もしくは数のレベルを測定する段階;
対象から得られた試料において検出された1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルおよび/または対象から得られた1種もしくは複数種の免疫細胞の活性および/もしくは数のレベルを、対照試料中の1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルおよび/または1種もしくは複数種の免疫細胞の活性および/もしくは数のレベルと比較する段階;ならびに
比較に基づき全細胞がんワクチンを対象のために選択する段階であって、全細胞がんワクチンが、乳がん細胞株もしくは乳がん細胞に由来する段階
を含む。ある場合には、乳がん細胞株は、SV-BR-1乳がん細胞株である。
本発明の方法に適切なバイオマーカーには、表1、2、5、7、8、9、10、12、13、および14に示されるバイオマーカーが非限定的に含まれる。一部の態様では、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300個の、または表1、2、5、7、8、9、10、12、13、および14に示されるバイオマーカーが検出される。
一部の態様では、1種または複数種の免疫刺激遺伝子の存在またはレベルが検出される。特定の態様では、1種または複数種の免疫刺激遺伝子は、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、接着Gタンパク質共役受容体E5(ADGRE5)、カベオリン1(CAV1)、CD58分子(CD58)、CD74分子(CD74)、CD83分子(CD83)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド16(CXCL16)、細胞内接着分子3(ICAM3)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン18(IL18)、KITリガンド(KITLG)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14(TNFSF14)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15種、またはそれより多い)免疫刺激遺伝子が検出される。
一部の態様では、1種または複数種のがん/精巣抗原(CTA遺伝子が検出される。一部の態様では、1種または複数種のCTA遺伝子は、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、PDZ結合キナーゼ(PBK)、中心体タンパク質55(CEP55)、キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C)、胎盤特異タンパク質1(PLAC1)、Opa相互作用タンパク質5(OIP5)、カルシウム結合チロシンリン酸化調節型(CABYR)、精子関連抗原1(SPAG1)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8種、またはそれより多い)CTA遺伝子が検出される。
一部の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23種、またはそれより多い)免疫刺激遺伝子および/またはCTA遺伝子が検出される。一部の態様では、ADA、ADGRE5、CAV1、CD58、CD74、CD83、CXCL8、CXCL16、ICAM3、IL6、IL10、IL15、IL18、KITLG、TNFSF14、PRAME、PBK、CEP55、KIF2C、PLAC1、OIP5、CABYR、SPAG1からなる群より選択される1種または複数種の遺伝子が検出される。
一部の態様では、検出される1種または複数種のバイオマーカーは、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、PDZ結合キナーゼ(PBK)、中心体タンパク質55(CEP55)、キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C)、胎盤特異タンパク質1(PLAC1)、Opa相互作用タンパク質5(OIP5)、カルシウム結合チロシンリン酸化調節型(CABYR)、精子関連抗原1(SPAG1)、アルファ-1,3-グルコシルトランスフェラーゼ(ALG8)、アクチン関連タンパク質2/3複合体サブユニット5様(ARPC5L)、クロモボックスホモログ2(CBX2)、コラーゲンVIII型アルファ1鎖(COL8A1)、DDB1およびCUL4関連因子10、(DCAF10)、真核細胞翻訳開始因子3サブユニットH(EIF3H)、erb-b2受容体型チロシンキナーゼ2(ERBB2)、ヒストンクラスター1H4ファミリーメンバーh(HIST1H4H)、インスリン様成長因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インテグレーター複合体サブユニット7(INTS7)、ケラチン19(KRT19)、ケラチン81(KRT81)、マンノシル(アルファ-1,3-)-糖タンパク質ベータ-1,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼアイソザイムA(MGAT4A)、遊走-浸潤エンハンサー1(MIEN1)、GPI後タンパク質結合3(PGAP3)、リモデリング-スペーシング因子1(RSF1)、SH2ドメイン含有アダプタータンパク質B(SHB)、可溶性担体ファミリー35メンバーA2(SLC35A2)、スペクトリンリピート含有核エンベロープファミリーメンバー4(SYNE4)、トランスポーチン1(TNPO1)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。ある場合には、選択される1種または複数種のバイオマーカーは、PRAME、PBK、CEP55、KIF2C、ERBB2、MIEN1、PGAP3、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の場合には、1種または複数種のバイオマーカーは、PRAMEである。他の場合には、1種または複数種のバイオマーカーは、ERBB2、MIEN1、PGAP3、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
本発明に関連するいくつかの血清/血漿バイオマーカー(「分析物」)を下の表1に提供する。血清または血漿などの液体中の分析物のレベルは、Luminexマルチプレックスアッセイによって測定することができる。ポリスチレンおよび磁気ビーズアッセイのための推奨希釈は、www.rndsystems.com/luminex/analytesから得ることができる。本発明に関連する分析物が表1において「血清/血漿バイオマーカー」として分類されるとはいえ、これらのバイオマーカーのレベルは、尿などの他の生体液から評価される場合もあることに留意すべきである。
一部の態様では、1種または複数種のバイオマーカーのうちの少なくとも1つのレベルが、対照試料と比較して対象から得られた試料において過剰発現される場合に、ワクチンが対象のために選択される。場合によっては、対照試料は、対象から得られた正常な細胞または組織を含む。他の場合には、対照試料は、異なる対象または対象集団から得られた正常な細胞または組織を含む。対象集団は、比較のための参照範囲を確定するために使用することができる。
一部の態様では、1種または複数種の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300種、またはそれより多い)バイオマーカーが、対照試料と比較して過剰発現される場合に、ワクチンが対象のために選択される。他の態様では、1種または複数種のバイオマーカーのレベルが、対照試料と比較して少なくとも約1.5倍(例えば、約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、またはこれを超えて)高い場合に、ワクチンが対象のために選択される。ある場合には、1種または複数種のバイオマーカーのうちの少なくとも1つが、対照試料と比較して少なくとも約1.5倍過剰発現される場合に、ワクチンが対象のために選択される。
一部の態様では、対象から得られた1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、対照試料と比較して高い場合に、ワクチンが対象のために選択される。ある場合には、対照試料は、がんを有さない異なる対象またはがんを有さない対象集団から得られた1種または複数種の免疫細胞を含む。対象集団は、比較に使用するための参照範囲を確定するために使用することができる。他の態様では、対象から得られた免疫細胞の活性および/または数のレベルが、対照試料と比較して少なくとも約1.5倍(例えば、約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、またはこれを超えて)高い場合に、ワクチンが対象のために選択される。ある場合には、対象から得られた1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、対照試料と比較して少なくとも約1.5倍高い場合に、ワクチンが対象のために選択される。
任意の数の免疫細胞型を使用して、本発明の方法により対象のための全細胞がんワクチンを選択することができる。適切な細胞の非限定的な例には、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞)、単球、樹状細胞、マクロファージ、および骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)が含まれる。一部の態様では、活性および/または数のレベルが測定される1種または複数種の免疫細胞は、PBMC、リンパ球(例えばTリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞)、および/または樹状細胞からなる群より選択される。
本発明のバイオマーカーの存在またはレベルを検出する方法は、当業者に公知である。バイオマーカーの存在またはレベルを検出する段階は、例えば、DNAレベル(例えばゲノムDNAのコピー数、mRNAもしくはcDNAの定量)またはタンパク質レベル(例えば試料中に存在するタンパク質の量を定量すること、タンパク質活性化もしくは修飾の量を測定すること、または抗体を検出すること)を測定することを含むことができる。一部の態様では、バイオマーカーの存在またはレベルは、定量PCR、マイクロアレイ解析、ELISA、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫沈降、免疫蛍光、FACS分析、電気化学発光、マルチプレックスビーズアッセイ(例えばLuminexまたは蛍光マイクロビーズを使用する)、免疫組織化学、ウエスタンブロット、ドットブロット、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される方法を用いて検出される。
免疫細胞の活性および/または数のレベルを検出する方法は、当業者に公知である。適切な方法の非限定的な例には、抗体検出(例えば、ELISAもしくはウエスタンブロットを使用する)、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ(例えば、クロム放出アッセイ、IFN-γ ELISpotアッセイ、もしくはマルチファクターフローサイトメトリーに基づくアッセイ)、細胞傷害性アッセイ、増殖アッセイ(例えば、チミジン取込みアッセイ、比色アッセイ(例えば、MTTアッセイ、WST1アッセイ、もしくはレサズリンアッセイ)、またはATP定量アッセイ(例えば、生物発光に基づくATP検出アッセイ))、サイトカイン産生アッセイ(例えばELISpotアッセイもしくはELISA(例えば、培養上清もしくは血清に関して))、フローサイトメトリーアッセイ、およびMHCマルチマーアッセイが含まれる。MHCマルチマーアッセイでは、蛍光標識ペプチド-MHC複合体のマルチマーが、ペプチド特異的T細胞などの細胞を染色するために使用される。ペプチドは、例えばPRAMEまたは他のバイオマーカーなどの腫瘍関連抗原(TAA)であることができる。典型的には、マルチマーは、テトラマーまたはペンタマーであるが、他の形状も可能である。ある場合には、蛍光団またはビーズ(例えば磁気ビーズ)のコンジュゲーションは、Tリンパ球の単離および/または選別(例えばフローサイトメトリーを使用)を可能にする。
一部の態様では、バイオマーカーを検出するため、免疫細胞の活性もしくは数を測定するため、またはHLA型分類を行うために使用される抗体またはその複数を、固体支持体上に固定化することができる。固体支持体は、例えばマルチウェルプレート、マイクロアレイ、チップ、ビーズ、多孔質ストリップ、またはニトロセルロースフィルターであることができる。ある場合には、ビーズは、キチンを含む。固定化は、共有結合または非共有結合形成を介することができる。
標識二次抗体を使用して抗体とバイオマーカー、免疫細胞、および/またはHLA抗原との間の結合を検出することができる。二次抗体は、免疫グロブリンIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEの種々のクラスまたはアイソタイプの定常領域または「C」領域に結合する。通常、IgG定常領域に対する二次抗体が本方法に使用される。IgGサブクラス、例えばIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4に対する二次抗体も、本方法に利用される。二次抗体は、蛍光団(例えばフルオレセイン、フィコエリトリン、量子ドット、Luminexビーズ、蛍光ビーズ)、酵素(例えばペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、放射性同位体(例えば、3H、32P、125I)または化学発光部分を含めた任意の直接または間接的に検出可能な部分で標識することができる。標識化シグナルを、ビオチンとビオチン結合部分(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン)との複合体を使用して増幅することができる。蛍光標識抗ヒトIgG抗体は、例えばMolecular Probes(Eugene, OR)から市販されている。酵素標識抗ヒトIgG抗体は、例えばSigma-Aldrich(St. Louis, MO)およびChemicon(Temecula, CA)から市販されている。
一般的なイムノアッセイの技法は、当技術分野において周知である。パラメーターの最適化のための手引きは、例えば、Wu, Quantitative Immunoassay: A Practical Guide for Assay Establishment, Troubleshooting, and Clinical Application, 2000, AACC Press; Principles and Practice of Immunoassay, Price and Newman, eds., 1997, Groves Dictionaries, Inc.; The Immunoassay Handbook, Wild, ed., 2005, Elsevier Science Ltd.; Ghindilis, Pavlov and Atanassov, Immunoassay Methods and Protocols, 2003, Humana Press; Harlow and Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, 1998, Cold Spring Harbor Laboratory Press;およびImmunoassay Automation: An Updated Guide to Systems, Chan, ed., 1996, Academic Pressに見出すことができる。
ある特定の態様では、1種または複数種のバイオマーカー、免疫細胞、および/またはHLA抗原の存在または減少もしくは増加した存在は、イムノアッセイにおいて検出可能なシグナル(例えば、ブロット、蛍光、化学発光、色、放射能)によって指し示される。この検出可能なシグナルを、対照試料からのシグナルまたは閾値と比較することができる。
一部の態様では、バイオマーカーの存在もしくはレベルの決定、免疫細胞の測定、および/またはHLA型分類の結果は、有形の媒体に記録される。例えば、結果を、例えば紙または電子媒体(例えばオーディオテープ、コンピューターディスク、CD、フラッシュドライブなど)に記録することができる。
一部の態様では、免疫細胞は、活性および/または数が測定される前に刺激される(例えば単離された免疫細胞のインビトロ刺激)。ある場合には、免疫細胞は、TAA(例えばPRAME)などの抗原性タンパク質または本明細書記載の他のバイオマーカータンパク質で刺激される。特定の場合には、免疫細胞は、全細胞(例えばがん細胞または改変がん細胞)に曝露されることによって刺激される。
一部の態様では、1種または複数種のバイオマーカーは、本明細書記載の1種または複数種のHLA遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子を含む。特定の態様では、対象から得られた試料中の1種または複数種のHLA遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子がワクチン中の1種または複数種のHLA遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子と適合する場合に、ワクチンが対象のために選択される。本明細書に記載される適合は、完全な適合または部分適合であることができる。
当業者に公知のHLA型分類方法は、表現型分類および遺伝子型分類方法に一般的に分類される。典型的には、血清学的方法(例えば補体依存性細胞傷害アッセイ)も公知であるものの、表現型分類方法は、HLA抗原を検出するためのモノクローナル抗体の使用を伴う。遺伝子型分類方法は、典型的には、HLA対立遺伝子のPCR増幅を伴う。増幅後、配列特異的プライマー型分類または配列特異的オリゴヌクレオチドプローブ方法などの、配列に基づく高分解能型分類方法または低分解能方法を使用することができる。
一部の態様では、対象から得られた試料は、全血、血漿、血清、脳脊髄液、組織、唾液、口内細胞、腫瘍組織、生体液(例えば、尿、胸水試料)、毛髪、皮膚、またはそれらの組み合わせを含む。型分類を可能にするために十分な量のDNAまたはRNAを含有するかぎり、任意の種類の細胞、組織、または生体液がHLA型分類のために適している。ある場合には、試料は、循環腫瘍細胞(CTC)を含む。試料は、正常細胞およびがん細胞の組み合わせから構成されることもできる。
試料は、生検によって、外科的切除から、微細針吸引物として、あるいはバイオマーカーの検出、免疫細胞の活性および/もしくは数の測定、またはHLA型分類を可能にするために十分な数の細胞または組織の量をもたらす任意の他の方法によって得ることができる。
C. 組成物
別の局面では、本発明は、本明細書記載の本発明の改変ヒトがん細胞を含む組成物を提供する。改変がん細胞は、本明細書記載の1種もしくは複数種のHLAクラスI遺伝子の1種もしくは複数種の対立遺伝子、1種もしくは複数種のHLAクラスII遺伝子の1種もしくは複数種の対立遺伝子、またはそれらの組み合わせを含むことができる。一部の態様では、改変がん細胞は、本明細書記載の1種または複数種のバイオマーカーをコードする1種または複数種の組換えポリヌクレオチドをさらに含む。ある場合には、1種または複数種のバイオマーカーは、1種もしくは複数種のCTA遺伝子および/または1種もしくは複数種の免疫刺激遺伝子を含む。一部の態様では、HLA対立遺伝子および/またはバイオマーカーは、改変ヒトがん細胞によって発現される。発現は、一過性または永続性であることができる。場合によっては、発現は誘導性である。
一部の態様では、本組成物は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)をさらに含む。特定の態様では、GM-CSFは、組換えポリヌクレオチドによってコードされ、改変細胞によって発現される。特定の場合には、GM-CSFは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスIおよび/またはクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む同じ改変細胞(すなわち改変がん細胞)によって発現される。他の場合には、GM-CSFは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスIおよび/またはクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む同じ改変細胞(例えば改変がん細胞)によって発現されない。一部の態様では、GM-CSFは、組成物中に可溶型として存在する。
一部の態様では、本組成物は、インターフェロンアルファ(IFNa)をさらに含む。特定の態様では、IFNaは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスIおよび/またはクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む同じ改変細胞(例えば改変がん細胞)によって発現される。他の態様では、IFNaは、IFNaを発現するように改変された異なる細胞により発現される。一部の態様では、IFNaは、可溶型として存在する。
一部の態様では、ヒトがん細胞は、ヒトがん細胞株である。本明細書に記載されるように、任意の数のヒトがん細胞株が本発明に適している。特定の態様では、ヒトがん細胞株は、SV-BR-1乳がん細胞株である。ある場合には、ヒトがん細胞株は、改変SV-BR-1-GMがん細胞株である。
別の局面では、本発明は、薬学的組成物を提供する。一部の態様では、薬学的組成物は、本明細書記載の組成物および薬学的に許容される担体を含む。薬学的組成物の製剤は、当技術分野において一般的に公知である(例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 18TH ED., Mack Publishing Co., Easton, PA (1990)を参照されたい)。微生物の混入防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤のうちの1つまたは複数の添加により果たすことができる。
投与に適した薬学的剤形には、無菌水溶液または分散物および無菌注射液または分散物の即時調製のための無菌粉末が含まれる。典型的な担体には、例えば緩衝水溶液(すなわち生体適合性緩衝液、その非限定的な例には、乳酸リンゲル液およびCryoStor凍結保存媒(例えば、それぞれDMSOを2%、5%、および10%含有するCS2、CS5、およびCS10;BioLife Solutions, Bothell, WAから入手可能)が含まれる)、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリオール、その適切な混合物、界面活性剤、または植物油を含有する溶媒または分散媒が含まれる。
滅菌は、抗細菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、ソルビン酸またはチメロサールの添加を非限定的に含めた、当技術分野において承認されている技法によって果たすことができる。さらに、糖または塩化ナトリウムなどの等張剤が主題組成物に組み入れられる場合がある。
改変がん細胞を含有する無菌注射液、および/または本発明の他の組成物の生産は、該化合物の必要量を適切な溶媒中に、適宜、上記の様々な成分と共に組み入れ、続いて滅菌することによって果たすことができる。無菌粉末を得るために、上記無菌溶液を必要に応じて真空乾燥または凍結乾燥することができる。
一部の態様では、改変がん細胞、および/または本明細書提供の他の組成物は、投与、例えば皮内注射、リンパ内注射、経口、経鼻、局所、または非経口投与用に、投与しやすく投薬量を均一にするために単位投薬形態で製剤化される。本明細書に使用される単位投薬形態は、対象、例えば処置されるべきヒトまたは他の哺乳動物用の単位投薬量として適合する物理的に別個の単位であって、各単位が、必要な薬学的担体と共に、所望の治療効果を生むと計算された予定量の活性物質を含有する単位を表す。ある場合には、より大きく濃縮された投薬形態が調製される場合があり、次にそれからより大きく希釈された単位投薬形態が産生される場合がある。したがって、より大きく濃縮された投薬形態は、改変がん細胞および/または他の組成物の量よりも実質的に多く、例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれよりも多くを含有する。
用量は、例えば約50,000から50,000,000個(例えば約50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、140,000、150,000、160,000、170,000、180,000、190,000、200,000、250,000、300,000、350,000、400,000、450,000、500,000、550,000、600,000、650,000、700,000、750,000、800,000、850,000、900,000、950,000、1,000,000、1,500,000、2,000,000、2,500,000、3,000,000、3,500,000、4,000,000、4,500,000、5,000,000、5,500,000、6,000,000、6,500,000、7,000,000、7,500,000、8,000,000、8,500,000、9,000,000、9,500,000、10,000,000、11,000,000、12,000,000、13,000,000、14,000,000、15,000,000、16,000,000、17,000,000、18,000,000、19,000,000、20,000,000、25,000,000、30,000,000、35,000,000、40,000,000、45,000,000、50,000,000個、またはそれより多い)の改変がん細胞を含み得る。一部の態様では、用量は、約5,000,000個の改変がん細胞を含有し得る。
用量は、例えば少なくとも約5,000,000から100,000,000個(例えば約5,000,000、6,000,000、7,000,000、8,000,000、9,000,000、10,000,000、15,000,000、20,000,000、25,000,000、30,000,000、35,000,000、40,000,000、45,000,000、50,000,000、55,000,000、60,000,000、65,000,000、70,000,000、75,000,000、80,000,000、85,000,000、90,000,000、95,000,000、100,000,000個、またはそれより多い)の改変がん細胞も含み得る。
あるいは、用量は、例えば少なくとも約100,000,000から1,000,000,000個(例えば約100,000,000、150,000,000、200,000,000、250,000,000、300,000,000、350,000,000、400,000,000、450,000,000、500,000,000、550,000,000、600,000,000、650,000,000、700,000,000、750,000,000、800,000,000、850,000,000、900,000,000、950,000,000、1,000,000,000個、またはそれより多い)の改変がん細胞を含み得る。
一部の態様では、改変がん細胞は照射される。照射線量は、例えば約2から2,000Gyの間(例えば約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、または2,000Gy)であり得る。特定の態様では、改変がん細胞は、線量約200Gyで照射される。
そのような投薬形態を調製するための方法は、当業者に公知である(例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES、前記を参照されたい)。投薬形態は、典型的には、従来の薬学的担体または賦形剤を含み、他の医用薬剤、担体、佐剤、希釈剤、組織透過増強剤、可溶化剤などを追加的に含み得る。適切な賦形剤を、当業者に周知の方法によって特定の投薬形態および投与経路に合わせることができる(例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES、前記を参照されたい)。
適切な賦形剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、食塩水、シロップ、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびCarbopol、例えばCarbopol 941、Carbopol 980、Carbopol 981などのポリアクリル酸が非限定的に含まれる。投薬形態は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油などの滑沢剤;湿潤剤;乳化剤;懸濁化剤;ヒドロキシ安息香酸メチル、エチル、およびプロピル(すなわちパラベン)などの保存料;無機酸および有機酸および塩基などのpH調整剤;甘味料;ならびに香味料を追加的に含むことができる。投薬形態は、生物分解性ポリマービーズ、デキストラン、およびシクロデキストリン包接錯体も含み得る。
一部の態様では、投与用の組成物は、それぞれが患者に正しい漸増用量を提供するために予定量の組成物を含有するカプセル剤、カシェ剤または錠剤などの経口送達ビヒクルであり得る。経口送達ビヒクルは、例えば組成物と口および上部消化管との間の接触を回避するのに有用であり得る。経口投与のために、治療有効用量は、錠剤、カプセル剤、乳剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、噴霧剤、トローチ剤、散剤、および徐放製剤の形態であることができる。経口投与に適した賦形剤には、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウムなどが含まれる。
一部の態様では、治療有効用量は、丸剤、錠剤、またはカプセル剤の形態を採り、したがって、投薬形態は、改変がん細胞、および/または本明細書記載の他の組成物と一緒に、以下、すなわちラクトース、スクロース、リン酸二カルシウムなどの希釈剤;デンプンまたはその誘導体などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;ならびにデンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロースおよびその誘導体などの結合剤のうちのいずれかを含有することができる。
一部の態様では、適切な担体は、組成物、例えば改変がん細胞および/または他の組成物を口および上部消化管(GI)から隠し、投与の際にこれらの領域における局所掻痒/腫脹反応を軽減または予防する。例えば担体は、1種または複数種の脂質、多糖またはタンパク質成分を含有し得る。場合によっては、担体は食品である。
局所投与のために、治療有効用量は、乳剤、ローション剤、ゲル剤、フォーム、クリーム剤、ゼリー、液剤、懸濁剤、軟膏、および経皮パッチの形態であることができる。吸入による投与のために、改変がん細胞、および/または本明細書記載の他の組成物は、乾燥粉末としてまたはネブライザーを介した液体形態で送達することができる。エアロゾル製剤を、ジクロロジフルオロメタンなどの許容される加圧噴射剤中に配置することができる。非経口投与のために、治療有効用量は、無菌注射液およびパッケージされた無菌粉末の形態であることができる。好ましくは、注射液は、pH約4.5から約7.5で製剤化される。
治療有効用量は、凍結乾燥形態で提供することもできる。そのような投薬形態は、投与前の再構成用に緩衝剤、例えば重炭酸塩を含む場合があり、または緩衝剤が、例えば水を用いた再構成用の凍結乾燥投薬形態中に含まれる場合がある。凍結乾燥投薬形態は、適切な血管収縮薬、例えばエピネフリンをさらに含む場合がある。再構成された投薬形態を個体に直ちに投与できるように、凍結乾燥投薬形態を任意に再構成用の緩衝液と共にパッケージされたシリンジ中に提供することができる。
一部の態様では、治療有効用量は、他の成分、例えば抗ヒスタミン薬、ステロイド、気管支拡張薬、ロイコトリエン安定化剤およびマスト細胞安定化剤などの抗アレルギー薬をさらに含み得る。適切な抗アレルギー薬は、当技術分野において周知である。
D. がんを処置するための方法
別の局面では、本発明は、対象におけるがんを処置するための方法を提供する。一部の態様では、該方法は、対象に本明細書記載の本発明の薬学的組成物(例えば、本発明の改変がん細胞を含む薬学的組成物)の治療有効量を投与する段階を含む。
一部の態様では、該方法は、対象に1つまたは複数の追加的な治療法を施す段階をさらに含む。適切な追加的な種類には、化学療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法、分化誘導薬、および小分子薬が非限定的に含まれる。当業者は、適切な追加的治療法を容易に選択することができる。
本発明に使用することができる化学療法剤には、アルキル化剤(例えばナイトロジェンマスタード(例えばメクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン)、ニトロソウレア(例えばストレプトゾシン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、トリアジン(例えばダカルバジン(DTIC)、テモゾロミド(temozlomide))、エチレンイミン(例えばチオテパ、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン)))、プラチナ薬(例えばシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin))、代謝拮抗薬(例えば5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メトトレキサート、ペメトレキセド)、アントラサイクリン系抗腫瘍抗生物質(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン)、非アントラサイクリン系抗腫瘍抗生物質(例えばアクチノマイシンD、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン)、有糸分裂阻害剤(例えばタキサン(例えばパクリタキセル、ドセタキセル)、エポチロン(例えばイクサベピロン)、ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン)、エストラムスチン)、コルチコステロイド(例えばプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン)、L-アスパラギナーゼ、ボルテゾミブ、およびトポイソメラーゼ阻害剤が非限定的に含まれる。化学療法剤の組み合わせを使用することができる。
トポイソメラーゼ阻害剤は、DNA鎖の骨格におけるホスホジエステル結合の切断および再結合を触媒することによってDNA構造の変化を促進する酵素であるトポイソメラーゼの活性を阻害する化合物である。DNA構造のそのような変化は、正常な細胞周期の間のDNA複製に必要である。トポイソメラーゼ阻害剤は、細胞周期の間のDNAライゲーションを阻害し、1本鎖および2本鎖切断の数を増加させることで、ゲノムの安定性の低下に繋がる。そのようなゲノムの安定性の低下は、アポトーシスおよび細胞死に繋がる。
トポイソメラーゼは、多くの場合に、I型およびII型トポイソメラーゼに区分される。I型トポイソメラーゼは、DNAの複製および転写の間のDNAスーパーコイルの弛緩に不可欠である。I型トポイソメラーゼは、DNAの1本鎖切断を生成し、切断を再ライゲートして、無傷の二重鎖DNA分子を再確立もする。I型トポイソメラーゼの阻害剤の例には、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、およびラメラリン(lamellarin)Dが含まれ、これらは全て、IB型トポイソメラーゼを標的とする。
II型トポイソメラーゼ阻害剤は、トポイソメラーゼ毒素およびトポイソメラーゼ阻害剤として広く分類される。トポイソメラーゼ毒素はトポイソメラーゼ-DNA複合体を標的とし、一方でトポイソメラーゼ阻害剤は、酵素の触媒回転を破壊する。II型トポイソメラーゼ阻害剤の例には、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド、ドキソルビシン、およびフルオロキノロンが含まれる。
一部の態様では、化学療法剤は、トポイソメラーゼ阻害剤である。ある場合には、トポイソメラーゼ阻害剤は、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、またはそれらの組み合わせである。特定の態様では、トポイソメラーゼ阻害剤は、ドキソルビシン、エトポシド、テニポシド、ダウノルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エリプチシン、アウリントリカルボン酸、HU-331、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、ラメラリンD、レスベラトロール、ゲニステイン、ケルセチン、エピガロカテキンガレート(EGCG)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。EGCGは、適切なトポイソメラーゼ阻害剤として役立つ植物由来天然フェノールの一例である。ある場合には、トポイソメラーゼ阻害剤は、ドキソルビシンである。
免疫療法は、疾患(例えばがん)と闘うために対象の免疫系を利用する任意の処置を表す。免疫療法は、免疫機能の増強または抑制のいずれかを行うように方向づけることができる。がん療法に関連して、免疫療法は、典型的には免疫機能を増強または活性化するように方向づけられる。ある場合には、免疫療法剤は、がん細胞の特定の種類または部分を標的とするモノクローナル抗体を含む。場合によっては、抗体は、薬物分子または放射性物質などの部分にコンジュゲートされる。抗体は、非限定的な例としてマウス、キメラ、またはヒト化由来であることができる。治療用モノクローナル抗体の非限定的な例には、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ダラツムマブ、イピリムマブ(MDX-101)、ニボルマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、およびトラスツズマブが含まれる。
免疫療法剤は、免疫系が正常細胞と「外来」細胞とを識別する能力をモジュレートする免疫チェックポイント阻害剤も含むことができる。プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)およびタンパク質細胞死リガンド1(PD-L1)は、PD1とPD-L1との間の相互作用の破壊が、がん細胞などの外来細胞に対する免疫細胞の活性を増強するので、免疫チェックポイント阻害剤の共通の標的である。PD-1阻害剤の例には、ペムブロリズマブおよびニボルマブが含まれる。PD-L1阻害剤の例は、アテゾリズマブである。
がんの処置のための別の免疫チェックポイント標的は、免疫細胞の応答をダウンレギュレーションする受容体である細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)である。したがって、CTLA-4を阻害する薬物は、免疫機能を増進することができる。そのような薬物の例は、CTLA-4と結合してそれを阻害するモノクローナル抗体であるイピリムマブである。
用語「放射線療法」は、疾患(例えばがん)の処置のための対象への高エネルギー放射線の送達を表す。放射線療法は、X線、ガンマ線、および/または荷電粒子の送達を含むことができる。放射線療法を、局所的に(例えば、腫瘍の部位もしくは領域に)、または全身的に(例えば、放射性ヨウ素などの放射性物質が全身投与され、腫瘍部位に移動する)送達することができる。
用語「ホルモン療法」は、ホルモン合成の阻害剤、ホルモン受容体拮抗薬、またはホルモン補給剤を表すことができる。ホルモン合成の阻害剤には、アロマターゼ阻害剤および性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)類似体が非限定的に含まれる。ホルモン受容体拮抗薬には、選択的受容体拮抗薬および抗アンドロゲン薬が非限定的に含まれる。ホルモン補給剤には、プロゲストーゲン、アンドロゲン、エストロゲン、およびソマトスタチン類似体が非限定的に含まれる。アロマターゼ阻害剤は、例えば乳がんを処置するために使用される。非限定的な例には、レトロゾール、アナストロゾール、およびアミノグルテチミドが含まれる。GnRH類似体を使用して、例えば化学的去勢を誘導することができる。乳がんの処置のために一般に使用される選択的エストロゲン受容体拮抗薬には、タモキシフェン、ラロキシフェン、トレミフェン、およびフルベストラントが含まれる。アンドロゲン受容体と結合し、それを阻害する抗アンドロゲン薬は、前立腺がんに対するテストステロンの成長効果および生存効果を阻害するために一般に使用される。非限定的な例には、フルタミド、アパルタミド、およびビカルタミドが含まれる。
用語「分化誘導薬」は、がんに関連して、悪性細胞がより幹細胞様でない状態を呈することを促進することができる、細胞分化を促進する任意の物質を表す。抗がん分化誘導薬の非限定的な例は、レチノイン酸である。
小分子薬は、一般的に、低分子量(すなわち約900ダルトン未満)を有する薬理作用剤(pharmacological agent)である。がんを処置するために使用される小分子薬の非限定的な例には、ボルテゾミブ(プロテアソーム阻害剤)、イマチニブ(チロシンキナーゼ阻害剤)、およびセリシクリブ(seliciclib)(サイクリン依存性キナーゼ阻害剤)、およびエパカドスタット(インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)阻害剤)が含まれる。
一部の態様では、本発明のがんを処置する方法は、本明細書記載の本発明の方法に従って対象のために全細胞がんワクチンを選択する段階をさらに含む。特定の態様では、対象は、ステージI、ステージII、ステージIII、および/またはステージIVのがんを有する。他の態様では、がんは、ステージ間を移行途中である。一部の態様では、対象は、前がん病変を有する。一部の態様では、対象は、がんを有さない。
一部の態様では、対象を処置する段階は、がん細胞の成長を阻害すること、がん細胞の増殖を阻害すること、がん細胞の遊走を阻害すること、がん細胞の浸潤を阻害すること、がんの症状を回復もしくは除去すること、がんの腫瘍サイズ(例えば体積)を減少させること、がんの腫瘍数を減少させること、がん細胞の数を減少させること、がん細胞の壊死、ピロトーシス、虚血性細胞死(oncosis)、アポトーシス、オートファジー、もしくは他の細胞死を誘導すること、または組成物もしくは薬学的組成物の治療効果を増強することを含む。一部の態様では、対象を処置する段階は、増加した生存期間を招く。ある場合には、全生存期間が増加する。他の場合には、無病生存期間が増加する。ある場合には、無増悪生存期間が増加する。特定の態様では、対象を処置する段階は、腫瘍体積の減少および/または増加した生存期間をもたらす。
特定の態様では、対象を処置する段階は、化学療法剤、免疫療法剤、放射線療法、ホルモン療法、分化誘導薬、および/または小分子薬などの抗がん療法の治療効果を増強する。
本発明の改変がん細胞、組成物、および薬学的組成物などの治療法を、当業者には容易にわかる経路、投薬量、およびプロトコールを使用して施すことができる。投与を、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、または1週間に1回行うことができる。治療法を1週間に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回、またはそれより多く、施すことができる。場合によっては、本発明の改変がん細胞、組成物、および/または薬学的組成物は、単一用量として投与される、同時投与される(例えば、別々の用量でもしくは異なる経路により投与されるが、時間的に近接して投与される)、または別々に投与される(例えば、同じもしくは異なる経路を含めて異なる用量で投与されるが、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間、またはそれより長く離して投与される)。複数の用量を同じ日に投与したい場合、または単一用量が1種もしくは複数種の成分を含む(例えば、改変がん細胞およびIFNaが別々に投与される)場合、例えば投与は、1日1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、またはそれより多く、行うことができる。
場合によっては、治療的投与は、1週間に約1回、2週間に約1回、3週間に約1回、または1ヶ月に約1回行うことができる。他の場合には、治療的投与は、1ヶ月に約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30回、またはそれより多く行うことができる。処置を、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週間、もしくはそれより長く;約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月、もしくはそれより長く;またはそれらよりも長く継続することができる。処置の間の任意の時点で、必要に応じて治療計画を調整することができる。例えば、本発明の改変がん細胞、組成物、または薬学的組成物に対する応答に応じて、異なるワクチンが選択される場合があり、1種もしくは複数種の追加的な治療剤もしくは薬物が選ばれる場合があり、または治療計画の任意の局面が中止される可能性がある。当業者は、例えば、対立遺伝子プロファイルの比較結果、免疫細胞の活性および/もしくは数の変化、ならびに/または1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルの変化によって情報が得られる、そのような決定を容易に行うことができる。
本発明の改変がん細胞、組成物、および薬学的組成物を、本明細書記載の経路を含めた任意の適切な経路によって投与することができる。一部の態様では、投与は、皮内またはリンパ内注射による。一部の態様では、全細胞がんワクチン(例えば本発明の改変がん細胞を含む)は、インターフェロンアルファ(IFNa)と別々に与えられる。ある場合には、IFNaは、局所注射される。IFNaを、ワクチンが投与される前および/または後に与えることができる。別々の注射のタイミングは、本明細書記載の間隔を含めた任意の適切な間隔であることができる。
当業者は、特定用量中に包含するために適切な改変がん細胞の数を容易に投与することができる。1用量は、例えば約50,000〜50,000,000個(例えば、約50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、140,000、150,000、160,000、170,000、180,000、190,000、200,000、250,000、300,000、350,000、400,000、450,000、500,000、550,000、600,000、650,000、700,000、750,000、800,000、850,000、900,000、950,000、1,000,000、1,500,000、2,000,000、2,500,000、3,000,000、3,500,000、4,000,000、4,500,000、5,000,000、5,500,000、6,000,000、6,500,000、7,000,000、7,500,000、8,000,000、8,500,000、9,000,000、9,500,000、10,000,000、11,000,000、12,000,000、13,000,000、14,000,000、15,000,000、16,000,000、17,000,000、18,000,000、19,000,000、20,000,000、25,000,000、30,000,000、35,000,000、40,000,000、45,000,000、50,000,000個、またはそれより多く)の改変がん細胞を含み得る。一部の態様では、1用量は、約5,000,000個の改変がん細胞を含み得る。
1用量は、例えば、少なくとも約5,000,000〜100,000,000個(例えば、約5,000,000、6,000,000、7,000,000、8,000,000、9,000,000、10,000,000、15,000,000、20,000,000、25,000,000、30,000,000、35,000,000、40,000,000、45,000,000、50,000,000、55,000,000、60,000,000、65,000,000、70,000,000、75,000,000、80,000,000、85,000,000、90,000,000、95,000,000、100,000,000個、またはそれより多く)の改変がん細胞も含み得る。
あるいは1用量は、例えば、少なくとも約100,000,000〜1,000,000,000個(例えば、約100,000,000、150,000,000、200,000,000、250,000,000、300,000,000、350,000,000、400,000,000、450,000,000、500,000,000、550,000,000、600,000,000、650,000,000、700,000,000、750,000,000、800,000,000、850,000,000、900,000,000、950,000,000、1,000,000,000個、またはそれより多く)の改変がん細胞を含み得る。
一部の態様では、改変がん細胞は照射される。照射線量は、例えば、約2〜2,000Gyの間(例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、または2,000Gy)であり得る。特定の態様では、改変がん細胞は、線量約200Gyを照射される。
一部の態様では、対象を処置する段階は、対象から得られた試料において測定または検出された1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルの減少を招く。一部の態様では、対象を処置する段階は、対象から得られた試料において測定または検出された1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルの増加を招く。特定の態様では、対象を処置する段階は、1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルに変化を招かない。
一部の態様では、対象を処置する段階は、1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数の増加を招く。ある場合には、増加は、1つの細胞型で生じる。他の場合には、増加は、複数の細胞型で生じる。一部の態様では、活性および/または数のレベルが増加する細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球(例えばTリンパ球、Bリンパ球、NK細胞)、単球、樹状細胞、マクロファージ、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の態様では、免疫細胞の活性および/または数のレベルは、本明細書記載の本発明の方法を用いて測定される。
一部の態様では、免疫細胞の活性および/または数の増加は、対象に薬学的組成物(例えば本発明の改変がん細胞を含む)の1つまたは複数の追加的な用量を投与すべきであることを指し示す。ある場合には、異なるワクチンが投与される。当業者は、免疫細胞の活性および/または数の増加が、場合によっては、ワクチンの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回またはそれより多くの用量が投与された後に起こることを認識している。
一部の態様では、試料は、対象から得られる。他の態様では、試料は、異なる対象または対象集団から得られる。試料を、本発明の適切ながんワクチンを選択するため、ワクチン療法に対する応答を監視するため、および/または対象がワクチン療法にどのように応答するかを予測するために使用することができる。異なる対象および/または対象集団から得られた試料を、例えば参照範囲を確立して本発明の方法の部分である比較を容易にするために使用することができる。試料を、本発明の改変がん細胞、薬学的組成物、および/または他の組成物の投与の前および/または後を含めた任意の時点で得ることができる。一部の態様では、試料は、全血、血漿、血清、脳脊髄液、組織、唾液、口内細胞、腫瘍組織、尿、胸水から得られた液体、毛髪、皮膚、またはそれらの組み合わせを含む。一般的に、試料は、任意の生体液を含むことができる。HLA型分類のために、型分類を可能にするために十分な量のDNAまたはRNAを含有するかぎり、任意の種類の細胞、組織、または生体液が、適切である。ある場合には、試料は、循環腫瘍細胞(CTC)を含む。試料は、正常細胞およびがん細胞の組み合わせから構成されることもできる。特定の態様では、試料は、循環腫瘍細胞(CTC)を含む。試料を、例えば生検から、外科的切除から、および/または微細針吸引物(FNA)として得ることができる。試料を使用して、本明細書記載のHLA対立遺伝子、免疫細胞の活性および/もしくは数、ならびに/またはバイオマーカーを決定、測定、または検出することができる。
一部の態様では、HLA型分類(例えば、対立遺伝子プロファイルに存在する対立遺伝子、対立遺伝子プロファイルの比較結果)、免疫細胞の活性および/もしくは数の測定、ならびに/またはバイオマーカー存在もしくはレベルの決定の結果は、有形の媒体に記録される。例えば、アッセイの結果(例えば、対立遺伝子プロファイルに存在する対立遺伝子、対立遺伝子プロファイルの比較結果、免疫細胞の活性レベルおよび/もしくは数、1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベル(例えば発現))ならびに/または予後もしくは診断(例えば、がんが存在するか否か、対象がワクチンに応答するかもしくは対象がワクチンに応答しているかの予測)を、例えば紙または電子媒体(例えばオーディオテープ、コンピューターディスク、CD、フラッシュドライブなど)に記録することができる。
他の態様では、該方法は、患者(すなわち対象)にアッセイ、予後、および/もしくは診断の結果ならびに/または処置の結果を提供する段階をさらに含む。
E. キット
別の局面では、本発明は、がんを有する対象を処置するためのキットを提供する。一部の態様では、キットは、本明細書記載の本発明の改変がん細胞、組成物、および/または薬学的組成物を含む。キットは、任意のがんを処置するために有用であり、そのがんの一部の非限定的な例には、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、膵臓がん、結腸直腸がん、胃がん、肺がん、皮膚がん、肝臓がん、脳がん、眼がん、軟組織がん、腎がん、膀胱がん、頭頸部がん、中皮腫、急性白血病、慢性白血病、髄芽腫、多発性骨髄腫、肉腫、および本明細書記載の任意の他のがんがそれらの組み合わせを含めて含まれる。
本発明の様々な方法を実施するための材料および試薬をキットに提供して、方法の実行を容易にすることができる。本明細書に使用される用語「キット」は、工程、アッセイ、分析、または操作を容易にする物品の組み合わせを含む。特に、本発明のキットは、例えば、診断学、予後徴候、治療法などを含めた幅広い適用に有用である。
キットは、化学試薬および他の成分を含むことができる。加えて、本発明のキットは、キットの使用者への説明書、試料の収集および/または精製のための装置および試薬、生成物の収集および/または精製のための装置および試薬、本発明の改変がん細胞または他の組成物を投与するための装置および試薬、バイオマーカーのレベルならびに/または免疫細胞の活性および/もしくは数を決定するための装置および試薬、HLA対立遺伝子を検出するための装置および試薬、試料チューブ、ホルダー、トレー、ラック、ディッシュ、プレート、溶液、緩衝液または他の化学試薬、標準化、規準化および/または対照試料のために使用するのに適切な試料を非限定的に含むことができる。本発明のキットを、便利な保存および安全な輸送のために、例えば蓋付きの箱にパッケージすることもできる。
一部の態様では、キットは、HLA対立遺伝子の検出、免疫細胞の活性および/もしくは数、ならびに/またはバイオマーカーの存在もしくはレベルのための陰性対照試料および陽性対照試料も含む。一部の態様では、陰性対照試料は、処置されるべき対象またはすでに処置を受けている対象から得られた非がん細胞、組織、または生体液である。他の態様では、陰性対照試料は、がんを有さない個体または個体群から得られる。他の態様では、陽性対照試料は、がんを有する対象または他の個体もしくは個体群から得られる。一部の態様では、キットは、生物学的試料中の1種または複数種の免疫細胞および/またはバイオマーカーの活性および/または数の定量されたレベルの判断を助けるために、試料中の1種または複数種のバイオマーカーの滴定曲線を準備するための試料を含む。
F. HER2状態を決定するための方法
別の局面では、本発明は、試料細胞のHER2状態を判定するための方法を提供する。一部の態様では、該方法は、
(a)試料細胞中の1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルを検出する段階であって、1種または複数種のバイオマーカーが、
(i)MIEN1、
(ii)PGAP3、
(iii)ERBB2およびMIEN1、
(iv)ERBB2およびPGAP3、
(v)MIEN1およびPGAP3、または
(vi)ERBB2、MIEN1、およびPGAP3
を含む段階;
(b)段階(a)で検出された1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルを参照細胞における1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルと比較する段階;ならびに
(c)段階(b)で行った比較に基づき、試料細胞のHER2状態を判定する段階
を含む。
一部の態様では、試料細胞はがん細胞である。ある場合には、試料細胞は、がんを有する対象から得られる。試料細胞を、生検検体として、外科的切除により、または微細針吸引物(FNA)として得ることができる。一部の態様では、試料細胞は、循環腫瘍細胞(CTC)である。
一部の態様では、1種または複数種のバイオマーカーが参照細胞と比較して試料細胞において高いレベルで発現される場合に、試料細胞はHER2陽性であると判定される。他の態様では、1種または複数種のバイオマーカーの発現が、参照細胞と比較して少なくとも約1.5倍 (例えば、約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、またはそれより多く)過剰発現される場合に、細胞はHER2陽性であると判定される。特定の態様では、1種または複数種のバイオマーカーの発現が、参照細胞と比較して少なくとも約1.5倍過剰発現される場合に、細胞はHER2陽性であると判定される。
一部の態様では、細胞は、HER2を過剰発現しているまたは過剰発現していないと判定される。特定の態様では、細胞は、HER2 3+、HER2 2+、HER2 1+、またはHER2 0(すなわち、HERは過剰発現されていない)であると判定される。一部の態様では、1種または複数種のバイオマーカーのレベルは、HER2 2+細胞よりもHER2 3+細胞において高い。他の態様では、1種または複数種のバイオマーカーのレベルは、HER2 1+細胞またはHER2 0細胞よりもHER2 2+細胞において高い。
一部の態様では、参照細胞は、試料細胞と同じ対象から得られた非がん細胞である。他の態様では、参照細胞は、異なる対象または対象集団から得られた非がん細胞である。一部の態様では、発現を測定することは、例えばmRNAの発現、タンパク質存在量、またはそれらの組み合わせを測定することを含む。発現を測定するために適切な方法のいくつかの例は、本明細書に記載されている。
一部の態様では、HER2状態の判定は、少なくとも約60%(例えば約60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)の感度で行われる。他の態様では、HER2状態の判定は、少なくとも約80%(例えば、約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)の感度で行われる。なお他の態様では、HER2状態の判定は、少なくとも約90%(例えば、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)の感度で行われる。ある場合には、感度は少なくとも約60%である。他の場合には、感度は少なくとも約87%である。ある場合には、感度は約100%である。
一部の態様では、検出段階の1つまたは複数の局面は自動化されている。他の態様では、比較段階の1つまたは複数の局面は自動化されている。なお他の態様では、判定する段階の1つまたは複数の局面は自動化されている。自動化できる局面または段階の非限定的な例には、試料の採集、試料の単離、試料の処理、1つまたは複数のmRNA検出方法、1つまたは複数のタンパク質検出方法、1種または複数種のバイオマーカーのレベルの定量および/または参照値との比較、ならびに細胞のHER2状態を判定するための発現レベル値の処理が含まれる。
IV. 実施例
具体的な実施例により本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は、例証目的のためだけに提供されるのであって、本発明をいかなる方法でも限定することを意図しない。当業者は、変更または改変して本質的に同じ結果をもたらすことができる、様々な重大でないパラメーターを容易に認識している。
実施例1:GM-CSF分泌全細胞ワクチンであるSV-BR-1-GM(BriaVax)は、免疫シグネチャーを発現し、HLA IおよびHLA II対立遺伝子の両方で、SV-BR-1-GM接種後に全身腫瘍退縮を有したステージIV乳がん患者と適合する。
緒言
背景
同種全細胞ワクチンを用いたがん免疫療法は、腫瘍量を減少させるために有効なアプローチである。有効であるために、ワクチンは、患者腫瘍細胞に共発現する免疫原性抗原を発現する必要があり、ワクチン細胞フラグメントの取込み後に、樹状細胞(DC)などの抗原提示細胞(APC)がそのような抗原を交差提示する必要があると一般的に想定されている。第I相/パイロット試験において、全細胞ワクチンSV-BR-1-GM(BriaVaxと呼ばれる)の接種後に、ステージIV乳がんの対象が、乳房、肺および脳病変の実質的な退縮を経験したことが、以前に報告されている。SV-BR-1-GMから利益を受ける可能性がある患者の前向き同定を可能にする潜在的な診断的特徴を同定するために、ワクチンならびに患者由来血液および腫瘍検体の分子解析を行った。
結果
SV-BR-1-GM細胞は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI(すなわちB2M、HLA-A、HLA-B)分子およびクラスII(すなわちHLA-DRA、HLA-DRB3、HLA-DMA、HLA-DMB)分子の両方の存在を予測する遺伝子のセットを発現していた。追加的に、該ワクチンは、ADGRE5(CD97)、CD58(LFA3)、CD74(インバリアント鎖およびCLIP)、CD83、CXCL16、HLA-F、IL6、IL10、IL15、IL18、CXCL16、およびTNFSF14(LIGHT)を含めた免疫モジュレーション機能を有するいくつかの他の因子を発現していた。驚くことに、SV-BR-1-GMおよび最も顕著な臨床応答を有した試験対象は、両方ともHLA-A*11:01対立遺伝子およびHLA-DRB3*02:02対立遺伝子を有した。さらに、正常ヒト乳房細胞と比較して、SV-BR-1-GM細胞は、PRAME、がん/精巣抗原などの腫瘍関連抗原(TAA)をコードすることが公知のいくつかの遺伝子を過剰発現していた。追加的に、潜在的に新規のTAAをコードする遺伝子を同定した。
考察
乳房起源であるにもかかわらず、SV-BR-1-GM細胞は、TAAを発現していただけでなく、APCにおける免疫刺激的な役割で知られているHLAクラスI対立遺伝子およびII対立遺伝子を含めたバイオマーカーのセットも発現していた。これは、SV-BR-1-GMと特別な臨床応答者との間のHLA対立遺伝子の部分適合により、患者のTリンパ球がワクチンのMHC系により提示されたTAAを直接認識できるようになったことを示唆している。
結論
これらの結果は、SV-BR-1-GM細胞がAPCとして直接作用できること、および/またはDCなどのAPCがトロゴサイトーシスによりSV-BR-1-GM細胞からのペプチドを負荷されたMHCと交差ドレッシングできることを示している。
背景
がん性であるかまたは正常であるかにかかわらず、急速に分裂している細胞を死滅させる従来の化学療法または放射線療法と対照的に、がん免疫療法の目標は、悪性細胞の抗原の構造に基づき腫瘍を根絶することである。後者のアプローチの腫瘍選択性は、多様であり、標的とされる抗原に依存する。例えば、MAGE-AおよびNY-ESO-1などのがん/精巣抗原(CTA)は、ある特定の腫瘍に特異的に発現されるが、対応する正常組織には発現されない場合があるのに対し、キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞アプローチのためのプロトタイプの標的であるCD19は、悪性細胞および正常B細胞の両方に発現される。正常B細胞の損失を埋め合わせるために、CAR-T細胞に基づくCD19標的化後のB細胞無形成は、免疫グロブリン補充により処置される(1)。
がん免疫療法における発展は、腫瘍関連抗原(TAA)に対する免疫応答を誘導するためのいくつかの実行可能な方法があることだけでなく、そのようなTAAが細胞内および/または細胞外に局在する可能性があることを示した。例えば、細胞傷害性T細胞をがん細胞と架橋するCAR(1、2)および二重特異性抗体(3)が、細胞表面抗原の存在に依存する一方で、異所性T細胞受容体(TCR);4)、腫瘍浸潤リンパ球(TIL;5、6)およびワクチンに基づくアプローチ(7〜18)は、抗原性ペプチドが細胞内TAAと細胞外TAAのいずれに相当するかにかかわらず、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)による抗原性ペプチドの提示を必要とする。同様に、抗PD-1抗体ニボルマブおよびペムボロリズマブならびに抗CTLA-4抗体イピリムマブなどの免疫チェックポイント阻害剤は、細胞内抗原からのMHC結合型ペプチドを認識するT細胞と細胞外抗原からのMHC結合型ペプチドを認識するT細胞とを区別せずにエフェクターT細胞の阻害を防止するように設計されている(19)。
生きているが、照射されたがん細胞を含む全細胞ワクチンは、非常に多数の抗原を発現しており、その中の一部は腫瘍に共発現されている場合がある。免疫抑制微小環境によって遮蔽されている腫瘍は、免疫応答を誘起しない場合がある一方で、全細胞ワクチン(20)は、免疫許容的な部位に注射されると、免疫応答を誘起する場合がある。しかし、ワクチンによって誘導される免疫応答が、がん指向性成分を有し得るとしても、その効果を媒介している抗原の正確な性質は、分からない場合がある。
2つの主な種類の全細胞ワクチン(すなわち自己ワクチンおよび同種ワクチン)が研究されている。処置されるべき患者の腫瘍に由来する自己ワクチンは、患者特異的ネオエピトープ(neoepitope)を含む関連抗原を発現すると考えられるが、免疫抑制を克服して有効な免疫応答を誘発することに有効ではない場合がある。他方、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を発現するように操作された同種ワクチンは、樹状細胞(DC)上の抗原提示を促進することによって強い免疫応答を誘導する場合があるとはいえ、同種ワクチンは重要な抗原を欠如する場合がある(15)。様々な成功を収めて、GM-CSFを発現するように操作された同種全細胞ワクチン(「GVAX」ワクチン)は、白血病、メラノーマ、および膵臓、前立腺、乳房、肺、および結腸直腸がんなどの血液がんおよび固形がんの両方を代表する多様な悪性疾患に対して臨床試験されている(7、8、10、11、14、16、18、21〜24)。とりわけ、マウスモデルを用いて、GVAXアプローチが腫瘍の定着を阻止するために適切であり得ることが実証されている(すなわち、予防的処置は、既存の疾患の腫瘍量を減少させるために有効でない場合がある(25)。
転移乳がん患者の胸壁病変からの細胞株(17)が、以前に樹立されている。SV-BR-1と呼ばれる該細胞株は、エストロゲン受容体(ER)/プロゲステロン受容体(PR)が陰性であり、HER2/neu(ERBB2)が極めて強陽性である(17)。細胞の免疫反応性を高めるために、GM-CSFを安定過剰発現するようにSV-BR-1細胞を遺伝子操作して、SV-BR-1-GM(BriaVax)株を得た。照射された親SV-BR-1(BB-IND 2749)またはSV-BR-1-GM(BB-IND 10312)細胞を用いた2つの初期臨床試験設定で数人の進行期HER2+がん患者を処置した(16、17)。両方の試験は、制御性T細胞の活性を鈍らせるために多くのワクチン試験で使用されてきた低用量シクロホスファミドを用いた前処置段階を採用した。追加的に、SV-BR-1-GMの試験について、ワクチンの適用の2および4日後に、各接種部位にインターフェロン-アルファを局所注射して、追加的な「危険シグナル」を与えた。対象1人は、3回だけ接種した後にこのレジメンに複数の乳房病変の完全に近い退縮および肺転移の完全寛解で応答したが、それから最終サイクルの3ヶ月後に疾患退縮を経験し、病変は肺、軟組織、乳房、および脳に発生した。FDAの認可を得た後、ワクチン接種を再開した。その結果、脳の部位を含めた部位の腫瘍が迅速な腫瘍寛解で応答した全身応答が観察された(16)。
それぞれマスター細胞バンクまたは臨床産物のロットなどの、中間発生物または最終産物を表す試料を用いて確立されたSV-BR-1-GMの分子指紋を本明細書に記載する。SV-BR-1-GM細胞は、直接および/または間接的に抗原提示細胞(APC)として作用し、それにより、腫瘍指向性の有効な免疫応答を開始することを実証する2連の証拠が、さらに提示されている。第1に、乳房上皮起源と推定されるにもかかわらず、SV-BR-1-GM細胞は、上皮細胞よりもむしろ免疫細胞と関連するHLAクラスIおよびII成分を含めた遺伝子セットを発現する。第2に、HLA対立遺伝子がクラスI遺伝子座およびクラスII遺伝子座の両方でSV-BR-1-GMと適合する臨床試験対象において強い臨床応答が起こった。これは、この患者において、SV-BR-1-GM細胞の細胞表面に発現された、完全に組み立てられたTAA-MHC複合体が患者のT細胞と直接相互作用したこと、または該複合体が最初にトロゴサイトーシス(「交差ドレッシング」)によって樹状細胞(DC)に輸送され、次に対応するT細胞と遭遇したことを指し示している。
結果
臨床応答を指し示すバイオマーカー
以前に報告されたBriaVaxワクチン(SV-BR-1-GM細胞株)の強い臨床効果を考えて(16)、ワクチンの作用機作(MoA)はタンパク質産物が免疫原として作用する遺伝子セットの発現によって少なくとも部分的に媒介され、免疫寛容の破壊を媒介し得るという仮説を立てた。SV-BR-1-GM細胞に過剰発現される遺伝子に加えて、特別な臨床応答者およびSV-BR-1-GMがそのHLA型に部分重複を示したかどうかも検討した(16)。免疫原候補およびHLA対立遺伝子は、どの患者がBriaVaxに対して最もよく応答し、したがって、予後的および診断的に重要かを予測するための有用性を有する。
本試験のために使用されるSV-BR-1-GM試料
女性転移乳がん患者の胸壁病変からポリクローナルSV-BR-1細胞株を樹立した。図1Aに示すように、SV-BR-1-GM細胞株は、ヒトGM-CSFをコードするCSF2遺伝子を用いた安定トランスフェクションおよびゼオシン(zeocin)選択(例えば、両方が全ての目的のためにその全体で参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,674,456号、米国特許出願第10/868,094号および(16、17)を参照されたい)後にSV-BR-1細胞から派生した。該細胞株はクローン選択されなかったので、増大の間に実質的なクローン浮動(clonal drift)を経験した可能性があった。しかし、他のパラメーターもワクチンの効力に寄与すると予想されたとしても、GM-CSFが主な要因であると予想された(15)。したがって、ワクチンとしての細胞株の臨床使用のために、アッセイのインプットとして培養上清を使用するELISAによってGM-CSFの産生を評価した。
GM-CSFのシグナル伝達は、その受容体のαサブユニットに結合するGM-CSFおよび受容体のαサブユニットの動員を伴う(26)。GM-CSFの1番目のαヘリックス中の限られた領域が受容体のαサブユニットと相互作用することが示唆されたものの、さらに下流のいくつかの領域がαサブユニットと接触する(27)。GM-CSFのNCBI参照配列(NCBI参照番号NP_000749.2を参照されたい)と比較して、SV-BR-1-GMの異所性GM-CSF配列は、53位(すなわち、Metの代わりにThr)および117位(すなわちIleの代わりにThr)で変化していた。53位は、第1のβ-プリーツシート(すなわちアミノ酸39〜43番)と第2のαヘリックス(すなわちアミノ酸55〜64番)との間に位置し、受容体のαサブユニットへのGM-CSFの結合に意味づけられなかったものの、117位は、受容体の結合に関連する領域に位置したので(27)、受容体の結合およびそれによるシグナル伝達は、117位がトレオニンでもなお生じ得るかという疑問が生じた。シグナル伝達活性およびしたがってGM-CSFの生物活性に一致して、照射されたSV-BR-1-GM細胞からの細胞培養上清は、GM-CSFなどのサイトカインに依存すると報告された細胞株であるMUTZ-3細胞の増殖を支援した(28)が、一方で、親SV-BR-1細胞(すなわちGM-CSFを発現するように操作されていない)からの上清は、最も小さな効果を有した。
1999年に本来の腫瘍検体が切除されて以来、SV-BR-1およびSV-BR-1-GMの両方のいくつかのロットが製造されている。図1Aに、遺伝子発現プロファイルが生成されたSV-BR-1-GM試料およびその系譜を示す。マスター細胞バンク(MCB)から派生したロットを「臨床産物」(CP)ロットと名付けた。追加的に、MCBと独立した研究(RES)バンクを生成した。血清飢餓後のSV-BR-1-GM細胞の形態を図1Bに示す。凍結保存細胞懸濁液(試料名に「cryo」タグを付けて表示)または最近の培養物(試料名に「culture」タグをつけて表示)のいずれかから直接得られたRNAから、Illumina(登録商標)HumanHT-12 v.4 Bead Chipsを用いて遺伝子発現プロファイルを生成した。異なる種類のSV-BR-1-GM試料の中である程度の遺伝子発現のばらつきが明白であったものの(図1C)、全体的に見てSV-BR-1-GM細胞は、他の樹立乳がん細胞株および正常乳房細胞型と実質的に異なる遺伝子発現プロファイルを示した(図2)。RNAインテグリティーナンバー当量(RNA integrity number equivalent)(RINe)の値が7.5未満の試料を分析から除外した。同様に、RINe値が7.5以上であっても、別の品質管理試験に不合格であった一部の試料(例えば、CP Lot V cryo)(下の「方法」という見出しの節を参照されたい)をさらなる比較分析に使用しなかった(図1D)。
SV-BR-1-GMは免疫刺激機能と関連する24個の遺伝子シグネチャーを発現する
SV-BR-1-GM細胞は、免疫系に関連する役割が公知のいくつかの遺伝子(例えば、樹状細胞(DC)などのAPCによるMHCクラスIIに基づく抗原提示に関与する遺伝子)を発現した。これらの遺伝子の中には、インバリアント鎖(Ii)およびクラスII関連インバリアント鎖ペプチド(CLIP)を生じるHLA-DMA、HLA-DRA、およびCD74が含まれた。
公知の免疫刺激的役割を有する111個の遺伝子を含むデータベースを生成した(29〜70)(表2)。特に、(a)T細胞をプラスに刺激することが公知の、T細胞共刺激受容体または他の細胞表面関連因子に対する細胞表面リガンド(すなわち阻害よりもT細胞活性化を支援するリガンド)、(b)活性化を支援する、生存能を促進する、および/または走化性を誘導するなどの、プラスのT細胞刺激機能を有するサイトカインおよび他の可溶性(すなわち遊離)因子、(c)DCの成熟、生存、走化性、および/またはインビトロ生成を促進する因子、ならびに(d)抗原提示を促進する因子をコードする遺伝子が含まれていた。111個の遺伝子の中で、22個は、全てのSV-BR-1-GM試料におけるバックグラウンドのカットオフ値の1.5倍よりも大きな分位数正規化発現レベルを有した(定義については下の「方法」という見出しの節を参照されたい)。少なくとも1つのIllumina(登録商標)プローブによって実証されたように、これらの22個のバイオマーカーのうち11個は、バックグラウンドのカットオフ値の5倍よりも大きなレベルで発現した(図3および4)。それにもかかわらず、HLA-DRB3は、定量RT-PCR(qRT-PCR)によって評価されたようにSV-BR-1-GM細胞に発現されている(図5)。
驚くことに、22個の遺伝子の中に、HLAクラスI(B2M、HLA-A、HLA-B、HLA-F)またはクラスII(HLA-DMA、HLA-DRA)成分をコードするいくつかがあった。図6に示すように、遺伝子HLA-EおよびHLA-HもSV-BR-1-GM細胞に強く発現していた。しかし、それらは、免疫刺激的な役割と明確には関連していないので、それらは、がんワクチンとしてのSV-BR-1-GMの有効性に寄与した遺伝子と見なされなかった。
SV-BR-1-GMが直接的な免疫刺激効果を示すという考えをさらに検討するために、免疫活性化機能が公知のいくつかの遺伝子の発現をqRT-PCRによって確認した。この遺伝子セットは、HLA-DRB3およびHLA-DMBも含んでおり、後者はかろうじてバックグラウンドカットオフ値の1.5倍よりも大きく発現していたが、SV-BR-1-GM細胞に発現されている別の免疫刺激バイオマーカーであるHLA-DMA(71)と機能的に結びついている(図3)。Illumina(登録商標)マイクロアレイ解析に使用されたSV-BR-1-GM試料のサブセットに関して、キャリブレーター試料としてMCF7細胞(すなわちHLA-DRB3*0202対立遺伝子を有する乳がん細胞株(72))からのRNAを用いて確認実験を行った。市販のTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを採用した(表3および4)。図5に示すように、解析された全てのMHCクラスII関連転写物(例えばHLA-DRA、HLA-DRB3、HLA-DMA、HLA-DMB、CD74)は、MCF7細胞よりも実質的に高いレベルで発現されていた。このデータは、免疫刺激機能に関連する遺伝子シグネチャーにHLA-DRB3およびHLA-DMBの両方が含まれることを正当化している(表5)。さらに、SV-BR-1-GM細胞がCSF2(すなわちGM-CSFをコードする)を発現するように操作されていたにもかかわらず、Illumina(登録商標)マイクロアレイ遺伝子発現プロファイリングによってCSF2転写物が検出されなかった。しかし、CSF2についてのIlluminaプローブ配列(ILMN_1661861)は、異所性CSF2 mRNAに表されると予測されなかったので、この結果は驚くことではなかった。重要なことに、照射および非照射SV-BR-1-GM細胞の両方によって馴化された培地から、外因性GM-CSFタンパク質の発現がELISAによって証明された(図7)。
まとめると、図3に転写物を表示した22個の遺伝子に加えて、HLA-DRB3およびCSF2(GM-CSF)も、SV-BR-1-GM(BriaVax)がんワクチンの有効性に寄与する、関連する免疫刺激因子と見なされた。完全な24個の遺伝子の「免疫シグネチャー」を表5に示す。
(表5)SV-BR-1-GM細胞(BriaVax)に発現された免疫刺激的な役割を有する遺伝子
上の表5では、遺伝子記号は、NCBIの呼称およびHUGO遺伝子命名法委員会(HGNC)の推奨を表す。遺伝子記号、正式なフルネームおよび説明、ならびに別名を、それぞれのNCBI遺伝子サイトに示されているように表示する。
HLA対立遺伝子はSV-BR-1-GMと強い臨床応答者との間で適合する
血清型分類によって、強い臨床応答者(本明細書において対象A002と呼ぶ)およびSV-BR-1-GM細胞がHLA表現型に類似性を有したことが以前に立証された(16)。そのような類似性が対立遺伝子レベルでさらに反映されたかどうかを判定するために、患者からの末梢血細胞およびSV-BR-1-GM細胞をHLA-A、HLA-B、およびHLA-DRB3についての高分解能HLA型分類に供した。実際、SV-BR-1-GMが誘導する腫瘍退縮を経験しなかった臨床試験対象3人はHLA-A対立遺伝子だけがSV-BR-1-GMと適合した一方で、対象A002は、HLA-A(*11:01)およびHLA-DRB3(*02:02)の両方で適合した。表6を参照されたい。この結果は、SV-BR-1-GM MHC上に提示された腫瘍抗原がワクチンの治療有効性に寄与する作用機作と一致した。
末梢血細胞を使用してHLA型分類を行ったので、また、ワクチンに基づくがん免疫療法ががん細胞のMHC発現を必要とするので、臨床試験対象A002からのパラフィン包埋腫瘍検体からHLA-DRB3タンパク質のレベルを特定した。図8に示すように、HLA-DRB3の免疫反応性が実際に明白であったことから、SV-BR-1-GM(BriaVax)のMoAに果たすHLAクラスIIの役割がさらに実証された。
上の表6に、SV-BR-1-GM(BriaVax)および試験対象4人からの末梢血細胞の同定されたHLA対立遺伝子を挙げる(ClinicalTrials.gov識別名:NCT00095862)。HLA-AおよびHLA-DRB3の両方が適合した対象A002は、実質的な腫瘍退縮を伴ってSV-BR-1-GMの接種に応答した。「診断からワクチン」の列に、最初のがんの診断から最初のSV-BR-1-GMの接種までの時間間隔を示す。「+」は、対立遺伝子レベルを指し示し、「(+)」は、SV-BR-1-GMとの対立遺伝子群レベル同一性を指し示す。
SV-BR-1-GMに発現されるがん/精巣抗原
がん/精巣抗原(CTA)は、生理学的発現が精巣または胎盤組織に、およびサブセットについては脳組織に主として限定されている抗原のクラスを表す。しかし、場合によりCTAは、多様な器官からの細胞の悪性変換後にアップレギュレーションされるようになる。そのようなCTAの多くについて、免疫刺激的な役割が証明されている(6,73〜79)。
そのような特徴を考えると、279種の確認または推定されたCTAのmRNA発現レベル(表7)をSV-BR-1-GM細胞において評価し、いくつかの他の乳がん細胞株および正常乳房細胞における発現と比較した。培養(すなわち、GSE56718(80)およびGSE48398(MCF10A))正常乳房細胞および非培養(すなわち、GSE35399(81))正常乳房細胞の両方のGEOデータセットを利用した。解析のために選ばれたCTA遺伝子を、(79)および(78)によって記載されたもの、CTデータベース(77)に挙げられているもの、およびnCounter(登録商標) Human PanCancer Immune Profiling Panel(NanoString Technologies(登録商標), Seattle, WAから入手)によって表されるものより選択した。
遺伝子および試料の両方に関する階層的クラスタリングの後、CTA遺伝子群(すなわち、KIF2C、OIP5、CEP55、PBK、KIF20B、TTK、CABYR、SPAG1、CCNA1、PLAC1、およびPRAME)が、SV-BR-1-GMと正常乳房細胞とを区別する特に良好な能力を有することが明らかとなった(図9A)。遺伝子PRAME、KIF2C、CEP55、およびPBKは、SV-BR-1-GM細胞に強く発現し(図9B〜9E)、PRAMEが、SV-BR-1-GMの発現レベルと正常乳房試料の中の最大発現レベルとの間で最高の変化倍率比を示した(表8)。PRAME(図9B)と対照的に、KIF2C、CEP55、およびPBKも培養ヒト乳腺上皮細胞(HMEC)に発現されていた。興味深いことに、図9C〜9Eに示すように、後者の3つの遺伝子の発現値は、老化HMECよりも「初期増殖中の」HMECの方が高かった(80)。これは、増殖中の乳房上皮細胞がこれらの遺伝子をインビボでも発現することを示している。正常乳房細胞型よりもSV-BR-1-GM細胞の方が転写物の発現値が大きかったCTAの一覧を表8に示す。
(表8)SV-BR-1-GM細胞におけるCTAの発現
以下の基準の全てを満たすCTAを上の表8に記載する:(1)SV-BR-1-GM細胞における代表的な転写物レベルがバックグラウンドのカットオフ値の1.5倍よりも大きい、(2)SV-BR-1-GM細胞における代表的な転写物レベルが非培養(NC)正常乳房細胞型の中の最大転写物レベルの1.5倍よりも大きい(SV-BR-1-GM/最大値)、(3)NC正常乳房細胞型の中の最大転写物レベルがバックグラウンドのカットオフ値の1.5倍未満であって、最大NC転写物レベルが各試料型の代表値の中から確立された(下の「方法」の節の「試料の表示」という見出しの節を参照されたい)。PBK、CEP55、およびCABYRについて、SV-BR-1-GM/最大値は、NC細胞型単独の場合に1よりも大きかったが、培養(C)乳房細胞を含めると(C+NC)、1未満であった。これは、培養することによりこれらの遺伝子の発現がアップレギュレーションされたことを示し得る。「C」は、培養正常細胞型(すなわち、GEOデータセットGSE48398からのMCF10A、およびGSE56718からの「初期増殖中(early proliferating)」および「顕著な老化(deep_senescence)」のヒト乳腺上皮細胞(HMEC)(80))を意味する。「NC」は、非培養正常細胞型(すなわち、GSE35399からのALDH NEG、ALDH POS、ERBB3 NEG、NCL、BASAL、STROMAL(81))を意味する。バックグラウンドのカットオフ値は、141.16であった。
SV-BR-1-GMワクチン細胞に発現される他の候補免疫原
SV-BR-1-GMワクチンが「免疫シグネチャー」を発現するにしても(表5)、後者単独では、がんの特異性を与えないので、腫瘍指向性の強い免疫応答を誘導するのに十分である可能性は低かった。全細胞がんワクチンに腫瘍退縮で応答している患者について、ワクチンが、腫瘍に共発現されたTAAの過剰発現により、そのような失われた方向性を再設定したと仮説を立てることが合理的であった。SV-BR-1-GMワクチンのための候補TAAは、上記CTAを含んでいたが、これを図9に説明する。
過剰発現によって免疫寛容を破壊する潜在性を有するSV-BR-1-GM抗原を系統的に検索するために、マイクロアレイに基づく2段階(two-tier)アプローチを採用した。最初に、正常乳房細胞と比べてSV-BR-1-GM細胞においてアップレギュレーションされた遺伝子を同定した。これについて、SV-BR-1-GM細胞における遺伝子発現レベルを、Shehataら、2012(GEOデータセットGSE35399、(81))、Loweら、2015(GEOデータセットGSE56718、(80))によって記載された多様な正常ヒト乳房細胞型およびGEOデータセットGSE48398からのMCF10Aの遺伝子発現レベルと比較した。2連フィルターを分位数正規化遺伝子発現値に適用して、SV-BR-1-GM細胞を正常乳房細胞から識別した遺伝子を強化した。低ストリンジェンシー選別後に、455個の異なる遺伝子(非コードRNAを含む)が保持され、その中から中ストリンジェンシー選別後に352個が残った(表9および10)。
第2に、中ストリンジェンシー選別後に保持された352個の遺伝子の中で、正常乳房細胞と比べてアップレギュレーションされただけでなく、乳房以外の組織と比較してもアップレギュレーションされた遺伝子を、検証されるべき免疫原候補と見なした。乳房だけでなく他の器官の組織においても、生理学的に高レベルの遺伝子発現が寛容性の破壊を阻止し得るので、免疫寛容を破壊する潜在性を有する遺伝子を富化するために、この2番目の基準を追求した。この段階で適用された高ストリンジェンシーフィルターは、GEOデータセットGSE29431(すなわち乳がん組織)を、GEOデータセットGSE7307によって表される試料のサブセット(すなわち非悪性組織)と比較したが(表11)、これを、中ストリンジェンシー選別の後に保持された327個の遺伝子に行った。注目すべきことに、免疫原特性がいくつかの臨床試験で活用されているERBB2(HER2/neu)を保持するためにフィルターのカットオフ基準(下の「方法」という見出しの節を参照されたい)を選択した(13,82)。この戦略を用いて20個の遺伝子をTAA候補として検証した(表12)。興味深いことに、これらのうちの3つ(すなわち、ERBB2(HER2/neu)、MIEN1、およびPGAP3(図10))は、染色体17q12に位置した。
表13および14に、20個のインシリコ検証済みTAAの重要性のさらなる証拠を提供する。全て染色体17q12に局在するERBB2、MIEN1、およびPGAP3(太字の項目)は、Her2 3+腫瘍に最も高く発現され、Her2 2+腫瘍により低い程度で発現され、Her2 0〜1+腫瘍に最も少なく発現される傾向を示した。表14にHer2 2+腫瘍内(すなわち、全体、FISH陽性試料およびFISH陰性試料)の比較を提供し、ERBB2、MIEN1、およびPGAP3の95%信頼区間(CI)は、Her2 FISH-がん群よりもHer2 FISH+がん群において高かったことを示す。
考察
同種全細胞がんワクチンは、多種多様な抗原を発現し、その一部は、患者の腫瘍に共発現するTAAであり得る。しかし、有効な免疫応答がそのようなTAAに対して開始されるか否かは、多数の要因に依存する。本実施例により、ワクチンと患者との間のHLA対立遺伝子の同一性が重大な要因であったことが示された。
臨床試験の対象4人(すなわち、乳がんを有する3人および卵巣がんを有する1人)のうち、SV-BR-1-GM(BriaVax)接種後の客観的腫瘍退縮は、本明細書において対象A002と呼ばれる患者1人でのみ観察された(16)。その他の対象3人とは対照的に、対象A002は、ワクチンにも存在したHLAクラスI(すなわちHLA-A*11:01)対立遺伝子およびHLAクラスII(すなわちHLA-DRB3*02:02)対立遺伝子を有していた(表6;図11A)。さらに、免疫刺激的な役割が分かっている他の遺伝子のセットと一緒に、SV-BR-1-GM細胞は、「免疫シグネチャー」を発現した(表5)。機構的な展望から、これらの結果は、TAAがワクチン細胞表面のMHCに提示され、そこでTAAは直接および/または間接的に(「交差ドレッシング」を受けて、すなわち、樹状細胞などのAPCにトロゴサイトーシスに基づく輸送を受けて)T細胞を活性化することができたことを示している(図11B)(83〜85)。加えて、他のメカニズムが、ワクチンの免疫刺激効果に寄与した可能性がある。特に、ワクチンからの細胞フラグメントがAPCによってエンドサイトーシスされ、プロセシングされ、次に対応するペプチド抗原がMHC分子に負荷される交差提示も、実質的な役割を果たした可能性がある(図11C)(85、86)。それにもかかわらず、ワクチンによるT細胞の直接活性化およびワクチンからのTAA-MHCを用いたDCの交差ドレッシングだけが患者とワクチンとの間のHLA対立遺伝子の同一性を必要とし、HLAクラスI対立遺伝子およびHLAクラスII対立遺伝子の両方がワクチンと適合した患者だけが、強い腫瘍退縮を示したので(表6および(16))、直接活性化および/または交差ドレッシングのいずれかが実際にワクチンの作用機作に重大な役割を果たしたと推量するのが妥当である。
SV-BR-1-GMワクチンの提唱された作用機作(図12)は他のGVAXワクチンに関連するので、そのようなプログラムでHLAクラスI対立遺伝子およびHLAクラスII対立遺伝子の両方が適合する患者がもしあれば、適合しない患者よりもワクチンに対して良好な臨床応答を有したか疑問が生じ得る。その上、HLA対立遺伝子が実際にGVAXワクチンの有効性に寄与するならば、高分解能HLA型分類は、コンパニオン診断として利点を有する。表15に、異なる民族についてSV-BR-1-GMに存在するHLA対立遺伝子の組み合わせの推定頻度の概要を示す。示されるように、対立遺伝子の組み合わせの頻度は、5.4〜31.0%の範囲である(すなわち、ランダムに選択された個体がSV-BR-1-GMのHLAクラスIの少なくとも1つおよびそのHLAクラスII対立遺伝子の少なくとも1つを有する確率は、民族に応じて5.4〜31.0%である)。対立遺伝子群だけを考慮するために制限を緩めると、組み合わせの頻度は、12.8〜37.7%の範囲である。
上の表15に開示された対立遺伝子頻度は(87)に報告されている。個体が、SV-BR-1-GMの(a)HLAクラスI対立遺伝子(A*11:01、HLA-A*24:02、HLA-B*35:08、およびHLA-B*55:01)もしくは対立遺伝子群(HLA-A*11、HLA-A*24、HLA-B*35、およびHLA-B*55)、(b)HLAクラスII対立遺伝子(HLA-DRB3*01:01およびHLA-DRB3*02:02)もしくは対立遺伝子群(HLA-DRB3*01およびHLA-DRB3*02)、または(c)HLAクラスIおよびII対立遺伝子もしくは対立遺伝子群の少なくとも1つを有する確率を示す、推定される「表現型頻度」を計算した。「表現型頻度」をパーセンテージ値として示す。計算の詳細については下の「方法」という見出しの節を参照されたい。AAFAは、アフリカ系アメリカ人を意味し;AFBは、アフリカ人を意味し;AINDIは、南アジア系インド人を意味し;AMINDは、北米インディアンを意味し;CARBは、カリビアンブラックを意味し;CARHISは、カリビアンヒスパニックを意味し;EURCAUは、ヨーロッパ系白人を意味し;FILIIは、フィリピン人を意味し;JAPIは、日本人を意味し;KORIは、朝鮮人を意味し;MENAFCは、中東またはアフリカ北岸人を意味し;MSWHISは、メキシコ人またはチカノを意味し;NCHIは、中国人を意味し;SCAHISは、ヒスパニック - 南または中央アメリカ人を意味し;SCSEAIは、東南アジア人を意味し;VIETは、ベトナム人を意味する。
ワクチン自体によって引き起こされる腫瘍発生のリスクを軽減するために、SV-BR-1-GM細胞を臨床適用する前に細胞に200Gy(20,000rad)を照射した(16)。興味深いことに、エクスビボのガンマ照射は、異なる種類のがんを表すがん細胞株および肉腫患者からの生検試料におけるMHCクラスIおよびがん/精巣抗原の両方をアップレギュレーションし得ると実証されている。重要なことに、そのような遺伝子発現の変化は、CD8+細胞による認識の増加を伴った(88)。腫瘍の照射が免疫療法の利益を高めることができたと示唆している証拠があるので、この考えは臨床的にも重要である(89〜91)。したがって、本試験に関連して生成した遺伝子発現プロファイルは非照射細胞から得られたので、200Gyの照射がHLA遺伝子の発現レベルをさらに増加させたとしても驚くことではない。
任意の特定の理論に縛られずに、HLA対立遺伝子を適合させることに加えて、ワクチンおよび患者の腫瘍に共発現しているTAAは、対象A002において観察される好都合な作用経過に役割を演じた可能性が高い。本明細書に提示した分子的研究では、SV-BR-1-GM細胞における過剰発現が免疫寛容の破壊を誘導した候補TAAの同一性を探った。
免疫寛容は、諸刃の剣である。その基礎をなすメカニズムは、自己抗原が免疫応答を誘発すること(自己免疫)および免疫系による腫瘍の認識の両方を防止する。免疫チェックポイント阻害剤またはT細胞に共刺激シグナルを送達するモノクローナル抗体の使用を含めた、寛容性を破壊するためのいくつかの方法が記載されている(92)。GVAXに関連して、ワクチンによって分泌されるGM-CSFは、免疫寛容の克服に果たす主要な役割のためとされている(9)。しかし、GVAX全細胞ワクチンが、健康な細胞に共発現される抗原の巨大なアレイを発現することを考えて、自己免疫は、そのような処置と同時に起こり得ると想像する。実際に、抗サイログロブリン抗体の血清レベルの増加によって実証されるように、GVAX適用後に自己炎症応答が観察されている。しかし、自己免疫と関連するにもかかわらず、抗サイログロブリン抗体のレベルは、処置の有効性と正の相関関係にあるように見えた(21)。
2段階のマイクロアレイに基づくインシリコアプローチを採用して、ワクチンの抗腫瘍効果を担うTAAが、寛容性の過剰発現介在性破壊が原因で免疫応答を誘導したかどうかを検討した。第1に、正常乳房細胞と比べてSV-BR-1-GM細胞においてアップレギュレーションされた遺伝子を同定した。これを、いくつかの異なるロットのSV-BR-1-GMを多様な正常ヒト乳房細胞型と比較することによって果たした。第2に、正常乳房細胞と比較してSV-BR-1-GMにおいて見かけ上高い発現レベルを有する遺伝子を検証段階に供し、検証段階では、乳がんにおける遺伝子の発現レベルを様々な器官の正常組織の発現レベルと比較した。過剰発現による免疫寛容の破壊は、少なくとも原則として、免疫サーベイランスに許容的な各部位で生理的発現がない、または低発現の遺伝子についてのみ起こり得るので、理想的な候補免疫原がSV-BR-1-GM細胞および乳がん組織において高発現するが、免疫特権を有さない正常組織では発現しない、または最小限に発現するだけであるはずと推論した。免疫原候補を検証するために適用されたバイオインフォマティクス戦略は、この理論を反映している。候補TAAをコードしている遺伝子20個は、正常組織よりもSV-BR-1-GM細胞および乳がん組織の両方の方が高く発現されていると考えられた(表12)。興味深いことに、これらの20個の遺伝子の中で5つが第17番染色体に位置し、そのうち3つ(すなわち、ERBB2(HER2/neu)、MIEN1(C17ORF37)、およびPGAP3(PERLD1))が17q12に位置していた(図10)。これは、ERBB2が乳がんのサブセットに過剰発現されただけでなく、ERBB2の近傍に局在する他の候補TAAも過剰発現されたことを示した(93、94)。
さらに、本実施例に提示されたデータ(図10、表13、14、および20)は、ERBB2、MIEN1、およびPGAP3がHER2陽性(HER2+)患者を同定および/または識別するために有用であることを示している。本明細書に提示されたマイクロアレイ解析により、ERBB2(HER2としても公知)は、免疫組織化学(IHC)に基づく方法の結果と乏しい相関性を示したことが実証された。特に、HER2 3+と診断されていた患者15人中9人だけ(60%)が、HER2 0〜1+群を超えるERBB2 mRNAレベルを有した。しかし、表20に示すように、解析のためにMIEN1および/またはPGAP3を(単独で、相互に組み合わせて、またはERBB2と組み合わせてのいずれか)使用した場合、感度が向上した。MIEN1およびPGAP3単独(すなわちERBB2の代わりに)は、感度87%を生じた。同様に、ERBB2とMIEN1と、またはERBB2とPGAP3との組み合わせは、感度87%を生じた。MIEN1とPGAP3との組み合わせ、または3つのバイオマーカー全ての組み合わせは、感度100%を生じた。明らかに、これらのバイオマーカーは、mRNAレベルを測定する場合、現在のIHCまたはFISHアッセイよりも、ならびにERBB2単独よりも、優れた感度を与える。
がん/精巣抗原(CTA)は、がんおよび生殖系列組織に特異的に発現される腫瘍関連抗原のクラスである(6、73〜79)。20個のインシリコ検証済みTAA候補をもたらしたストリンジェントな選別アプローチは、CTAを選択しなかった。しかし、279個のCTAのセットの遺伝子発現プロファイル(表7)を解析したとき、いくつかのCTA、最も注目すべきはPRAMEが、正常乳房細胞と比較してSV-BR-1-GMに選択的に発現されることが分かった(図9および表8)。精巣および子宮内膜の組織以外の非がん性組織に発現しているのが見出されなかったにもかかわらず、PRAMEは、ストリンジェントなインシリコスクリーニングで出現しなかった。それは、解析された54個の乳がん検体のうち、PRAMEの発現は11個(20%)の試料だけに限られ、そのうち2つだけ(4%)が認識可能な発現レベルを示したからである。さらに、CTAの少なくとも一部は、SV-BR-1-GM細胞において低い発現レベルを有した(図9)。しかし、Groeperらによって実証されたように、CTA特異的腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、検出不能のCTAレベルを有する腫瘍からであっても増大させることができた(6)。これは、非常に小さい(すなわち、検出レベルよりも下の)CTA発現レベルが、腫瘍におけるCTA特異的T細胞の保持に足りる場合があること、または腫瘍組織が切除されたときに該腫瘍組織にそのようなT細胞がたまたま同時に存在しただけであることを指し示している。後者の可能性と一致して、検出不能のCTAを発現している腫瘍からのCTA指向性のTILの細胞傷害性は弱かった(6)。
要約すると、本明細書提示の研究は、SV-BR-1-GMワクチンを接種後に観察され、以前に報告された腫瘍指向性の効果(16)が、HLAクラスIおよびII成分からT細胞共刺激受容体に対するリガンドおよび免疫細胞の誘引を促進することが公知のケモカインに至る因子を含むワクチンの「免疫シグネチャー」によって、ならびにPRAMEなどのTAAによって仲介される証拠を提供する。
結論
他の樹立乳がん細胞株とは異なり、SV-BR-1-GM細胞は、公知のTAAおよび推定上のTAAだけでなく、免疫応答の促進に公知の役割を有する因子の集合も発現した。最も注目すべきは、HLAクラスI因子に加えて、HLA-DMAおよびHLA-DMBなどのクラスII遺伝子も発現されていた。HLAクラスII成分はDCなどの真正の抗原提示細胞と関連するので、SV-BR-1-GM細胞におけるそれらの発現は驚くべきことであり、独特な作用機作を指している。SV-BR-1-GMワクチンに対して腫瘍退縮で応答した患者(16)が、同じく該ワクチンに見出されるHLAクラスI対立遺伝子およびII対立遺伝子も有したという観察は、SV-BR-1-GMのTAAを共発現し、適合するHLA対立遺伝子を有する患者が、腫瘍指向性の強い免疫応答を発生する可能性が特に高いという仮説と矛盾しない。
方法
SV-BR-1-GM(BriaVax)細胞の培養
10% FBSおよびL-グルタミンまたはGibco(登録商標)GlutaMAX(商標)(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MAから入手)を補充したRPMI-1640中でSV-BR-1-GMのロットを製造した。典型的には、培地交換のときに、そのような培地の一部(例えば約50%)をSV-BR-1-GM細胞により予備馴化した。初期のロットについて、SV-BR-1-GM細胞を凍結保存細胞懸濁液から増大させ、T-25フラスコから開始してより大型のフラスコに連続繁殖させ、約30個のT-150フラスコから採集した。ロットはまた、小型の組織培養容器から開始して増大させ、規模拡大し、T-225フラスコ中でさらに増大させた。最終増大段階は、10スタックのCellSTACK(登録商標)Culture Chambers(Corning Inc., Corning, NYから入手)中で行った。
マイクロアレイ遺伝子発現プロファイリング
液体窒素から回収後の低温貯蔵バイアルから直接得たまたは培養物から採集した、SV-BR-1-GM細胞を、β-メルカプトエタノール(Bio-Rad Laboratories, Hercules, CAから入手)を補充したまたは補充していないRLT緩衝液(Qiagen, Valencia, CAから入手)中で溶解させた。RNeasy Mini Kits(Qiagenから入手)により溶解液から総RNAを単離し、次にマイクロアレイハイブリダイゼーションに供した。要約すると、RNAを増幅し、ビオチン標識し、Cy3標識し、次にHumanHT-12 v4 Expression BeadChipアレイ(Illumina(登録商標), San Diego, CAから入手)にハイブリダイズさせた。Illumina(登録商標)iScanアレイスキャナーで蛍光シグナル強度を取得した。Illumina(登録商標)GenomeStudioソフトウェアを使用して平均シグナル強度および検出p値を計算した。その後、www.broadinstitute.org/cancer/software/genepatternの公式サーバーポータルを使用するGenePatternソフトウェアの様々なモジュールを用いて、下に定義する品質管理(QC)基準に合格する非正規化データセットを解析した(99)。適用可能であれば、MergeColumnsバージョン1モジュールを使用して、比較されるべきデータセットをマージした。交差比較されるべき全てのIllumina(登録商標)試料の発現レベルを、IlluminaNormalizerソフトウェアバージョン2(ベータ)モジュールを使用して分位数正規化し、次に、Microsoft Excelでさらに処理し、かつ/またはHierarchicalClusteringソフトウェアバージョン6モジュールによる対数変換および階層的クラスタリングに供した(すなわち、距離相関(distance correlation):ピアソン相関;クラスター化法:ペアワイズ平均連結法)。HierarchicalClusteringViewerソフトウェアバージョン11モジュールを使用して、クラスター化されたデータのヒートマップおよびデンドログラムを生成した。SV-BR-1-GMと他者によって解析された試料との間で遺伝子発現レベルを比較するために、同じくIllumina(登録商標)HumanHT-12 v4 Expression BeadChipプラットフォーム上に生成したGene Expression Omnibus(GEO; National Center for Biotechnology Information, NCBI)データセットを最初にSV-BR-1-GMデータセットとマージし、上記のように処理した。Affymetrix Human Genome U133 Plus 2.0 Arrays上に生成したGEOデータセットのインシリコ解析のために、CELファイルにRMA法/分位数正規化を行い、ExpressionFileCreatorソフトウェアモジュールを使用してバックグラウンド減算し、次に下記のようにMicrosoft Excelで選別した。
少なくとも1つの対応するプローブが、全てのヒトRNA標的化非対照プローブ(HumanHT-12 v4 Expression BeadChipアレイ、Illumina(登録商標)について最大47,323個)の間の中央値「発現」レベルを上回る分位数正規化発現値をもたらした場合に、遺伝子が発現されていると定義した。このバックグラウンドのカットオフの定義は、組織において遺伝子のおよそ50%が発現されているという大まかな推定と一致した(100)。しかし、組織は未知数の異なる細胞型および細胞数全体への各細胞型の未知の相対的寄与の両方を含むので、この定義は、実際のバックグラウンドの程度を過大評価している可能性がある。それにもかかわらず、結果として、発現されていない遺伝子を発現されているとコールする確率が減少した。
非正規化データセットの品質管理
予備増幅されたSV-BR-1-GM RNAの完全性をAgilentの4200 TapeStationシステム(Agilent, Santa Clara, CAから入手)により決定した。RNAインテグリティーナンバー当量(RINe)値7.5未満を有する試料をさらなる解析から除外した。追加的に、SV-BR-1-GM試料、ならびにGEO(NCBI)を介して得られ、HumanHT-12 v.4 BeadChipsで処理された試料について、非正規化データセットを遺伝子発現のばらつきについて評価した。図1Cに示した解析を除き、低いばらつきの試料をさらなる処理から除外した。低いばらつきを、95パーセンタイルでの発現値と5パーセンタイルでの値の比が10未満と定義した。
試料の表示
比較遺伝子発現解析のために、様々なSV-BR-1-GM試料型(すなわち、MCB cryo、CP Lot IV culture、CP Lot IV 4p cryo、CP Lot IV 4p culture、CP Lot V cryo、CP Lot VIII cryo、CP Lot VIII culture 1d、CP Lot VIII culture 3d、およびRES Lot II cryo)における個別の遺伝子をその算術的遺伝子発現平均によって表示した。1つの代表的なSV-BR-1-GMの遺伝子発現値を必要とする計算について、算術平均の中央値を使用した。GEOから得られたSV-BR-1-GM以外の試料についての代表的な遺伝子発現レベルを以下のように定義した:データセットGSE48398からの乳がん細胞株試料およびデータセットGSE56718からのヒト乳腺上皮細胞試料(HMEC、「初期増殖中」を「顕著な老化」と比較)(80)をその算術平均によって表示した。データセットGSE35399(81)からの正常乳房試料型(すなわち、ALDH NEG、ALDH POS、ERBB3 NEG、NCL、BASAL、およびSTROMAL)を、図9B〜9Eを除きその発現の中央値で表示し、図9B〜9Eには、算術平均および平均の標準誤差(SEM)を示す。データセットGSE48398について、37℃で培養した細胞からの発現プロファイルだけを利用した。乳がん(データセットGSE2943)と正常組織(データセットGSE7307)との間の比較のために、全ての乳がん組織(GSE2943のHER2_3+、HER2_2+、HER2_0〜1+)の95パーセンタイル値および正常組織の各群の最大発現値の95パーセンタイル値(表11、GSE73073)をコンパレーター(comparator)として使用した。最大発現値よりも95パーセンタイルを選んで潜在的な外れ値に対処した。
推定上のSV-BR-1-GMのTAAのインシリコ同定
SV-BR-1-GMの分位数正規化遺伝子発現値をGEOデータセットGSE35399(81)およびGSE56718(80)によって表される正常ヒト乳房細胞の遺伝子発現値と比較した。SV-BR-1-GMの代表的な発現値がバックグラウンドのカットオフ値(上に定義)の1.5倍よりも大きいこと、および正常乳房細胞の全ての群の間の最大代表値よりも1.5倍超高いことの両方を満たした遺伝子を追加的に第2の中ストリンジェンシー選別段階(すなわち、発現レベルはバックグラウンドのカットオフ値の5倍よりも大きかった)に供した(図13および14;表9および10)。GSE2943における代表的な乳がん試料の指数(quotient)およびGEOデータセットGSE7307における分位数正規化および群分けされた正常組織の指数により、中ストリンジェンシー選別後に保持された遺伝子の検証を行った(すなわち、高ストリンジェンシーフィルター)。正常組織の群を表11に挙げ、高ストリンジェンシー選別後に保持された20個の遺伝子を表12に挙げる。ERBB2 Affymetrixプローブ216836_s_atについての指数(乳がん/正常組織)の値(指数=3.738)は、プローブの高ストリンジェンシーフィルターで保持される遺伝子についてのカットオフ値として役立ち、≧3.738の指数を「検証済み」と定義した。
図3について、バックグラウンドのカットオフ値の1.5倍よりも大きな全試料の中で最大の発現代表値を有するがん/精巣抗原(CTA)(表7)だけをさらに分析した。
定量RT-PCR
定量RT-PCRによる試料のサブセットに関する遺伝子発現の検証を、ABI 7900HTリアルタイムPCR装置により市販のTaqMan(登録商標)アッセイ(表3)および表4に挙げた試料を用いて行った。
HLA型分類法および免疫組織化学
SV-BR-1-GMおよび末梢血細胞試料をHLA-A、HLA-B、およびHLA-DRB3についての高分解能HLA型分類法に供した。腫瘍検体上のHLA-DRB3の発現を、パラフィン包埋組織に関してヒトHLA-DRB3のN末端領域に対して作製されたウサギポリクローナル抗体(製品コード:ab196601;Abcam, Cambridge, MAから入手)を用いた免疫組織化学によって評価した。
HLA対立遺伝子の組み合わせ頻度
(87)によって報告された対立遺伝子頻度から、個体が、(a)SV-BR-1-GMのHLAクラスI対立遺伝子(HLA-A*11:01、HLA-A*24:02、HLA-B*35:08、もしくはHLA-B*55:01)または対立遺伝子群(HLA-A*11、HLA-A*24、HLA-B*35、もしくはHLA-B*55)のうちの少なくとも1つ、(b)SV-BR-1-GMのHLAクラスII対立遺伝子(HLA-DRB3*01:01もしくはHLA-DRB3*02:02)または対立遺伝子群(HLA-DRB3*01もしくはHLA-DRB3*02)のうちの少なくとも1つ、ならびに(c)SV-BR-1-GMのクラスIおよびII対立遺伝子または対立遺伝子群の各々のうちの少なくとも1つを有する確率を示す、推定される「表現型頻度」を計算した。以下の定義について、対立遺伝子および対立遺伝子群を両方とも「対立遺伝子」と呼び、個別のSV-BR-1-GMのHLA-A、HLA-B、およびHLA-DRB3対立遺伝子頻度の合計を、それぞれΣfaA、ΣfaB、およびΣfaDRB3と呼ぶ。「表現型頻度」(fp)は、以下のように計算される:(a)について、fp=1-(1-ΣfaA)2×(1-ΣfaB)2であり、式中、(1-ΣfaA)2×(1-ΣfaB)2は、個体がSV-BR-1-GMのHLA-A対立遺伝子もHLA-B対立遺伝子も有さない確率である(それぞれの確率は(1-ΣfaA)2および(1-ΣfaB)2)(二倍体、すなわち2セットの染色体、したがって2つのHLA-A遺伝子座および2つのHLA-B遺伝子座であるので、べき指数=2)。逆に、1-(...)2×(...)2は、個体がSV-BR-1-GMの少なくとも1つのHLA-AまたはHLA-B対立遺伝子を有する確率であり;(b)について、fp=1-(1-ΣfaDRB3)2であり、式中、(1-ΣfaDRB3)2は、個体1人にSV-BR-1-GMのHLA-DRB3対立遺伝子が存在しない確率であり、逆に、1-(...)2は、個体がSV-BR-1-GMの少なくとも1つのHLA-DRB3対立遺伝子を有する頻度であり;(c)について、fp=[1-(1-ΣfaA)2×(1-ΣfaB)2]×[1-(1-ΣfaDRB3)2]であり、式中、1-(1-ΣfaA)2×(1-ΣfaB)2は、個体がSV-BR-1-GMの少なくとも1つのHLA-Aまたは-B対立遺伝子を有する確率を示し、1-(1-ΣfaDRB3)2は、個体がSV-BR-1-GMの少なくとも1つのHLA-DRB3対立遺伝子を有する確率である。計算のために使用される対立遺伝子頻度は、(87)におけるデータ5から得られ、異なる名称を有するが抗原認識部位のアミノ酸は同一である対立遺伝子の頻度を含んでいた((87)における補足データセット1を参照されたい)。
略語
APC:抗原提示細胞
DC:樹状細胞
HGNC:ヒト遺伝子解析機構(HUGO)遺伝子命名法委員会
HLA:ヒト白血球抗原
HMEC:ヒト乳腺上皮細胞
MHC:主要組織適合遺伝子複合体
MoA:作用機作
RT-PCR:逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応
TAA:腫瘍関連抗原
(表3)定量RT-PCR用TaqMan(登録商標)試薬
定量RT-PCRによる試料のサブセットに関する遺伝子発現の検証を、ABI 7900HTリアルタイムPCR装置により上の表3に挙げる市販のTaqMan(登録商標)アッセイ(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MAから入手)を用いて行った。
定量RT-PCRによる試料のサブセットに関する遺伝子発現の検証を、上の表4に挙げる試料を用いて行った。「RIN」は、RNAインテグリティーナンバーを意味し;「OD」は、光学密度を意味する。
(表9)低ストリンジェンシー選別後に保持された遺伝子
(表10)中ストリンジェンシー選別(>5.0×バックグラウンドおよび>1.5×最大値(正常))後に保持されていた遺伝子
(表13)正常組織および乳がん組織(Her2 3+、2+、および0〜1+)においてインシリコ検証されたTAA候補の95%信頼区間
正常組織のN=44群内の95%信頼区間(CI)を、それぞれ正常組織の95%CIの上限よりも高いTAA発現レベルを有する試料からなるいくつかの乳がん群(すなわちそのHer2状態が異なる)の95%CIと比較した。GEOデータセットGSE2943を使用して、乳がんの発現値を確認した。正常組織についてGSE7307から151個の試料を選択した。これらの151個の試料は、44個の異なる種類の組織(すなわち脂肪、副腎、動脈、骨髄、脳、乳房、子宮頸部、子宮内膜、食道、卵管、腸、心臓、免疫細胞、関節、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、粘膜、神経、卵巣、膵臓、陰茎、腹膜、下垂体、胎盤、前立腺、子宮頸管後方浸潤物(retrocervical infiltrate)、唾液腺、骨格筋、皮膚、脾臓、胃、精巣、胸腺、甲状腺、舌、扁桃、気管、尿道、子宮、膣、静脈、外陰)を表した。正常組織の群内の95%CIを決定するために、各種類をその最高の発現値によって表した。ERBB2、MIEN1、およびPGAP3の95% CIは、Her2 3+がん群について最高であり、Her2 0〜1+がん群について最低であった。
(表14)正常組織および乳がん組織(FISH陽性および陰性のHer2 2+)においてインシリコ検証されたTAA候補の95%信頼区間
正常組織のN=44群内の95%信頼区間(CI)を、それぞれ正常組織の95%CIの上限よりも高いTAA発現レベルを有する試料からなるいくつかのHer2 2+乳がん群(すなわち全体、FISH陽性、およびFISH陰性)の95%CIと比較した。GEOデータセットGSE2943を使用して乳がん発現値を確認した。GSE7307からの試料151個を正常組織のために選択した。これらの試料151個は、44個の異なる種類の組織(すなわち脂肪、副腎、動脈、骨髄、脳、乳房、子宮頸部、子宮内膜、食道、卵管、腸、心臓、免疫細胞、関節、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、粘膜、神経、卵巣、膵臓、陰茎、腹膜、下垂体、胎盤、前立腺、子宮頸管後方浸潤物、唾液腺、骨格筋、皮膚、脾臓、胃、精巣、胸腺、甲状腺、舌、扁桃、気管、尿道、子宮、膣、静脈、外陰)を表した。ERBB2、MIEN1、およびPGAP3の95%CIは、Her2 FISH-がん群よりもHer2 FISH+がん群の方が高かった。
(表20)HER2を区別するための選ばれたバイオマーカーの感度分析
(感度=RNAデータを使用してHER2陽性と検出されたHer2 3+患者の%;特異度=100%、すなわち、Her2 0〜1+患者のだれもHER2陽性と検出されなかった)
実施例2:安定トランスフェクションによるHLA-A*02:01およびHLA-DRB3*02:02の過剰発現
背景
表16に概説するように(87)、HLA-A*02:01は、米国在住の16民族集団の中で特に保有率の高いHLA-A対立遺伝子であり(3.5〜27.5%、中央値:13.6%)、保有率は北米インディアン集団が最高(27.8%)であり、ヨーロッパ系白人集団(27.6%)が続く。同様に、HLA-DRB3*02:02は、同じ16集団の中で最も保有率の高いHLA-DRB3対立遺伝子であり(10.4〜34.5%、中央値:20.0%)、中東またはアフリカ北岸集団で保有率が最高(34.5%)であり、南アジアインド人集団(27.2%)が続く。北米インディアン集団およびヨーロッパ系白人集団におけるHLA-DRB3*02:02の保有率は、それぞれ14.5%および18.2%と報告された(表16)。
(表16)HLA-AおよびHLA-DRB3の対立遺伝子頻度
上の表16に、(87)によって報告された頻度を挙げる。AAFAは、アフリカ系アメリカ人を意味し、AFBは、アフリカ人を意味し、AINDIは、南アジア系インド人を意味し、AMINDは、北米インディアンを意味し、CARBは、カリビアンブラックを意味し、CARHISは、カリビアンヒスパニックを意味し、EURCAUは、ヨーロッパ系白人を意味し、FILIIは、フィリピン人を意味し、JAPIは、日本人を意味し、KORIは、朝鮮人を意味し、MENAFCは、中東またはアフリカ北岸人を意味し、MSWHISは、メキシコ人またはチカノを意味し、NCHIは、中国人を意味し、SCAHISは、ヒスパニック - 南または中央アメリカ人を意味し、SCSEAIは、東南アジア人を意味し、VIETは、ベトナム人を意味する。対立遺伝子の呼称の一部における「g」は、呼称が異なるものの、抗原認識部位のアミノ酸が、挙げられた対立遺伝子と同一の対立遺伝子の包含を表す。
HLA-A/HLA-DRB3対立遺伝子組み合わせの個体(2n)1人あたりそれぞれの対立遺伝子の少なくとも1つのコピーの存在によって定義される表現型頻度を表17に示す。中東またはアフリカ北岸集団について20.3%およびヨーロッパ系白人集団について15.7%の表現型頻度で、HLA-A*02:01/HLA-DRB3*02:02は、上で扱った16民族集団の中で保有率が最高である。したがって、トロゴサイトーシス(すなわち「交差ドレッシング」)またはT細胞への直接抗原提示が全細胞ワクチンによる免疫刺激のための妥当なメカニズムであると仮定すると、HLA-A*02:01/HLA-DRB3*02:02の組み合わせを発現しているワクチンは、特に広い適用性を有する。
(表17)HLA-A/HLA-DRB3対立遺伝子組み合わせの表現型頻度
(87)によって報告される対立遺伝子頻度から、個体が表示のHLA-A対立遺伝子の少なくとも1つおよび表示のHLA-DRB3対立遺伝子の少なくとも1つを有する確率を示す、推定される「表現型頻度」を計算した。上の表17に「表現型頻度」をパーセンテージ値として示す。AAFAは、アフリカ系アメリカ人を意味し、AFBは、アフリカ人を意味し、AINDIは、南アジア系インド人を意味し、AMINDは、北米インディアンを意味し、CARBは、カリビアンブラックを意味し、CARHISは、カリビアンヒスパニックを意味し、EURCAUは、ヨーロッパ系白人を意味し、FILIIは、フィリピン人を意味し、JAPIは、日本人を意味し、KORIは、朝鮮人を意味し、MENAFCは、中東またはアフリカ北岸人を意味し、MSWHISは、メキシコ人またはチカノを意味し、NCHIは、中国人を意味し、SCAHISは、ヒスパニック - 南または中央アメリカ人を意味し、SCSEAIは、東南アジア人を意味し、VIETは、ベトナム人を意味する。対立遺伝子の呼称の一部における「g」は、呼称が異なるものの、抗原認識部位のアミノ酸が、挙げられた対立遺伝子と同一の対立遺伝子の包含を表す。
プラスミドの構築
プラスミドを生成させ、プラスミドに基づくトランスフェクションを行うための方法は、当業者に公知である。本実施例に、HLA-A*02:01およびHLA-DRB3*02:02を過剰発現しているSV-BR-1-GM細胞の生成を実証する。
遺伝子発現を最大化するために、HLA-A*02:01をコードする配列をインシリコで最適化する。出発点として、GenBank(NCBI)アクセッション番号AY365426.1により表されるHLA-A*02:01 cDNA核酸配列を使用する(SEQ ID NO:1)。最適化は、Gene Optimizerソフトウェア(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MAから入手可能)などのソフトウェアを使用して行う。ユーザー特定パラメーターは、1)翻訳開始コドンのすぐ上流に「GCCACC」配列を付加することによりコザック配列の存在を確実にすること、2)別のベクターへの挿入部の直接導入のための5' BamHI制限部位配列(GGATCC)および3' ClaI(ATCGAT)制限部位配列、ならびに3)ホモ-サピエンス(Homo sapiens)のための最適化を含む。遺伝子合成、pcDNA(商標)3.4-TOPO(登録商標)ベクター(Thermo Fisher Scientificから入手可能)などの適切なベクターへの導入、プラスミド増幅(例えば、大腸菌(E. coli)などの細菌細胞を使用する)および精製の方法は、当業者に公知である。最適化されたHLA-A*02:01 ORFのDNA配列をSEQ ID NO:2に示し、pcDNA3.4-A0201構築物配列全体をSEQ ID NO:3に示す。
HLA-A遺伝子の発現を(例えば哺乳動物細胞において)達成する方法は、当業者に公知である。何ヶ月もの培養にもかかわらず、SV-BR-1-GM細胞(例えば、両方とも全ての目的のために本明細書に全体が組み入れられる米国特許第7674456号および米国特許出願第10/868,094号を参照されたい)が、GM-CSFをコードするCSF2遺伝子のCMVプロモーター推進による発現を失わなかったことは、本発明に特に関連する。それにもかかわらず、CMVプロモーターよりもサイレンシングが起こりにくいEF-1αプロモーターなどの代替的なプロモーターを使用することができる(101)。
本発明の好ましい局面は、2つの異所性HLA遺伝子を発現するように操作されたがん細胞を含む。2つの別々の転写ユニットを有する単一プラスミドを使用してそのような二重発現を達成するために、pVITRO2-neo-mcs(Invivogen, San Diego, CAから入手可能)が利用される。pVITRO2-neo-mcsプラスミドは、2つの多重クローニング部位(すなわちMCS1およびMCS2)を含む。MCS1は、ヒトフェリチン重鎖およびマウスEF-1α調節エレメントを含むプロモーターを介して異所性発現を可能にする一方で、MCS2挿入部は、ヒトフェリチン軽鎖およびチンパンジーEF-1α調節エレメントを含む複合プロモーターにより発現される。さらに、MCS1転写ユニットの発現の結果、MCS1挿入部をコードするmRNA、内部リボソーム侵入部位(IRES)、およびネオマイシン/G418耐性マーカーをコードするmRNAを含む2シストロン性メッセンジャーRNAが生じる。当業者は、ネオマイシン/G418耐性細胞がMCS1にクローニングされた導入遺伝子も発現するので、後者の特徴がpVITRO2-neo-mcs由来の安定組込みされたDNAを用いた哺乳動物細胞の選択に特に重要であることを認識している。
pVITRO2-neo-mcsベクターのMCS1にpcDNA3.4-A0201由来HLA-A*02:01 ORFを導入するために、両方のプラスミドをBamHIおよびScaIで二重消化する。その後、pcDNA3.4-A0201由来のBamHI-[HLA-A*02:01]-ScaIフラグメントをpVITRO2-neo-mcsベクターのBamHIおよびScaI部位にライゲートする。その後、pVITRO2-A0201と呼ばれる結果として生じたプラスミドを、大腸菌においてカナマイシン選択圧下で増幅させ、次に精製する。当業者に公知の標準的な技法を上記段階のために採用する。精製pVITRO2-A0201プラスミドを利用して、哺乳動物細胞に一過性もしくは安定(G418選択を介して)トランスフェクトすることができ、および/またはMCS2に挿入された第2の異所性遺伝子の発現のためにさらに操作することができる。pVITRO2-A0201は、ori領域内(大腸菌でのプラスミド複製のため)、すなわち哺乳動物調節領域の外側に、またはネオマイシン耐性マーカーの、或いはHLA-A*02:01のORF中に、単一のApaLI制限(GTGCAC)部位を含む。したがって、哺乳動物細胞にトランスフェクションする前に、pVITRO2-A0201をApaLIで消化し、これらの重大なエレメントのいずれかの機能的不活性化なしに染色体の組込みを促進することができる。
異所性HLA-A*02:01およびHLA-DRB3*02:02の共発現を容易にするために、HLA-DRB3*02:02 ORFをpVITRO2-A0201のMCB2に挿入する。これを達成するために、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute)を通じてIMGT/HLAアクセッション番号HLA00895(SEQ ID NO:4)として入手可能なHLA-DRB3*02:02 ORF配列におけるApaLI部位(GTGCAC)を、最後の「C」を「A」に変更することによって最初に除去する。この変更により、CGGコドンがAGGコドンに置換され、これらのコドンはどちらもアルギニンをコードする。両方のコドンの頻度は、類似である(すなわち、CGGについて11.4/1000およびAGGについて12.0/1000)。同義変異を含ませた後の、HLA-DRB3*02:02のORF(SEQ ID NO:4)をSEQ ID NO:5に示す。その後、後者の配列を、Gene Optimizerソフトウェア(Thermo Fisher Scientific)を使用して最適化する。ユーザーに特定されるパラメーターは、上記のパラメーターを含む。最適化後、この一時的ApaLI部位を配列から除去する。合成、ベクターへの導入、増幅、および精製のためのその後の段階は上に説明されている。最適化されたHLA-DRB3*02:02のORFのDNA配列をSEQ ID NO:6に示し、pcDNA3.4-DRB30202構築物全体の配列をSEQ ID NO:7に示す。
pcDNA3.4-DRB30202由来のHLA-DRB3*02:02のORFをpVITRO2-A0201ベクターのMCS2に導入するために、両方のプラスミドをXhoIおよびNheIで二重消化する。その後、pcDNA3.4-DRB30202からのXhoI-[HLA-DRB3*02:02]-NheIフラグメントをpVITRO2-A0201ベクターのXhoIおよびNheI部位にライゲートする。その後、pVITRO2-A0201-DRB30202と呼ばれる、結果として生じたプラスミドを大腸菌においてカナマイシン選択圧下で増幅させ、次に精製する。当業者に公知の標準的な技法を上記段階のために採用する。精製pVITRO2-A0201-DRB30202プラスミドを利用して、哺乳動物細胞を一過性または安定的にトランスフェクトすることができる。pVITRO2-A0202-DRB30202の配列をSEQ ID NO:8に示す。
哺乳動物細胞へのプラスミドの導入
pcDNA3.4-A0201、pcDNA3.4-DRB30202、および/またはpVITRO2-A0201-DRB30202プラスミドを適切な細胞(例えば哺乳動物細胞)に安定的にトランスフェクトする方法は、当業者に公知である。pcDNA3.4-A0201およびpcDNA-DRB30202について、PvuIは、アンピシリン耐性マーカーのORF中で切断する適切な制限エンドヌクレアーゼである。pVITRO2-A0201-DRB30202について、複製起点(ori)領域で切断するApaLIが、最も好ましい制限酵素である。
直線化の後に、当業者に公知の方法を用いてプラスミドを精製する。SV-BR-1-GM細胞の培養、トランスフェクション試薬(TR)-DNA複合体の調製、細胞の酵素的剥離および培地中への再懸濁、細胞の播種およびTR-DNA複合体とのインキュベーション、新鮮培地による培地の置換、短時間培養、安定トランスフェクトされた細胞の抗生物質選択、ならびに安定トランスフェクトされた細胞のクローニングを含めたその後の段階も、当業者に公知である。懸濁細胞のトランスフェクションのために採用された方法と類似の方法を接着細胞のトランスフェクションに適用できることも当業者に公知である。
本明細書に概説する方法が、例としてSV-BR-1-GM細胞を用いて例証されるとはいえ、当業者は、他の全細胞がんワクチンを含めた多様な哺乳動物細胞への抗原提示を促進するHLA対立遺伝子の異所性発現として、本明細書記載の方法が、SV-BR-1-GM細胞に加えて任意の数の細胞に有用であることを認識している。さらに、SV-BR-1-GMは、実際に内因性HLA-DRB3*02:02を発現するものの、強いプロモーターによる異所性発現は、HLA-DRB3に基づく抗原提示をさらに改善する。
実施例3:HLA-A*02:01およびHLA-DRB3*02:02を過剰発現するように操作されたSV-BR-1-GM細胞の免疫原性を評価する
HLA-A*02:01特異的免疫効果のインビトロ評価
HLA-A*02:01を単独でまたはHLA-DRB3*02:02と組み合わせて過剰発現するように操作されたSV-BR-1-GM細胞の免疫原の潜在力を評価するために、HLA-A*02:01タンパク質を含むMHCに特異的なT細胞をHLA-A*02:01+ SV-BR-1-GM細胞と共インキュベートし、次に活性化についてアッセイした。
最初に、SV-BR-1-GMワクチンを接種されたまたは接種されていない、HLA-A*02:01対立遺伝子を有するドナーからのT細胞を、CD28およびCD3、ならびに任意でCD2の抗体介在性刺激によりインビトロで増大させる。非限定的な例として、T細胞活性化/増大キット(Miltenyi Biotec GmbH, Bergisch Gladbach, Germanyから入手可能)を未選別のPBMCまたは選択されたCD8+ T細胞と組み合わせて採用する。第2に、HLA-A*02:01タンパク質を含むMHCに特異的なT細胞をドナー由来細胞の総集団から単離する。HLA-A*02:01と、SV-BR-1-GM細胞に発現されるPRAMEまたはERBB2(HER2)などの腫瘍関連抗原を表す抗原性ペプチドとを含む蛍光標識MHCテトラマーまたはペンタマーを使用するFACSによって、この富化段階を行う。第3に、標的細胞による刺激後にエフェクターT細胞が活性化するかどうか、およびどの程度活性化するかを評価するために、ペプチド特異的エフェクターT細胞および標的細胞を共インキュベートする。その後、エフェクターT細胞を回収し、活性化について分析する。非限定的な例として、活性化マーカーCD137(4-1BB)について染色を行い、続いてフローサイトメトリーに基づく定量および細胞の増殖挙動の評価を行うことができる。そのような評価は、非限定的な例として、例えばCellTrace(商標)CFSE Cell Proliferation Kit(Thermo Fisher Scientificから入手可能)を採用することによってCFSE色素希釈アッセイにおいて行うことができる。後者のアッセイについて、細胞分裂の度に細胞内濃度が減少する細胞透過性蛍光色素であるカルボキシフルオセインサクシニミジルエステル(CFSE)でT細胞を染色する。したがって、細胞あたりの蛍光シグナルも、分裂中の細胞集団において減少する。エフェクターT細胞の細胞傷害潜在力と取り組むために、標的細胞を96ウェルプレートに蒔き、次にエフェクター細胞と共にインキュベートする。エフェクターT細胞の除去後、標的細胞の細胞生存度を測定する。
本研究を行うために必要な方法および試薬は、当業者に公知である。例えば、HLA-A*02:01タンパク質およびPRAMEを表すペプチド
またはERBB2/HER2を表すペプチド
を含むペンタマーは、ProImmune(ProImmune Ltd., Oxford, UK; ProImmune Inc., Sarasota, FL)から入手可能である。
HLA-DRB3*02:02特異的免疫効果のインビトロ評価
HLA-DRB3*02:02を単独でまたはHLA-A*02:01と組み合わせて過剰発現しているSV-BR-1-GM細胞がヘルパーT細胞を活性化することができるかどうかを評価するために、当業者に公知の方法を採用することができる。適切な方法の非限定的な例は、これによって全ての目的のために参照により本明細書に組み入れられる(102)に記載されている。操作されたSV-BR-1-GM細胞に関連して、HLA-DRB3*02:02対立遺伝子を有するドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を、HLA-DRB3*02:02テトラマーと相互作用する破傷風毒素(TT)ペプチド(例えば、
で刺激する(102)。約14日刺激後に、CD4+ T細胞(すなわち、TT-HLA-DRB3*02:02特異的T細胞が富化されている)を単離し、次に、TTペプチドと予備インキュベートされたまたはされていない、HLA-DRB3*02:02を過剰発現しているSV-BR-1-GM細胞と同時インキュベートする。その後、T細胞を回収し、インターフェロン-ガンマまたはIL-2などのサイトカインの産生についてELISpotおよび/またはフローサイトメトリーによって、ならびにその増殖挙動について、例えばCSFE色素希釈アッセイによって分析する。
TTペプチドで刺激されたSV-BR-1-GM細胞が、TTペプチドと予備インキュベートされていないSV-BR-1-GM細胞よりも高いレベルのヘルパーT細胞関連サイトカインおよび/またはより高い実質的なT細胞増殖速度を誘導するならば、ヘルパーT細胞活性化への異所性HLA-DRB3*02:02対立遺伝子の機能的寄与が示される。
全細胞の免疫原性へのMHC適合の寄与のインビボ評価
全細胞ワクチンと多様なエフェクター免疫細胞との間のHLA/MHC型の機能的関連をインビボ評価するために、マウスワクチン細胞株を生成させ、多様なMHCハプロタイプを有する異なるマウス系統に関して試験した。しかし、前臨床モデルが、抗PD-1、抗PD-L1、または抗CTLA4抗体などの免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせたワクチンの試験を可能にすることも必須である。
NF639細胞(ATCC:CRL-3090)は、Erbb2/neuを発現しているFVB/Nバックグラウンドを有するマウス乳房腫瘍細胞であるので、SV-BR-1-GM細胞に似ている。顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)も過剰発現させるために、当業者に公知の技法を用いてマウスCsf2遺伝子を安定的に発現するように細胞を操作し、結果として、NF639-GMと呼ばれる細胞株が生じる。
FVB/Nマウスは、MHC I遺伝子座H-2K、H-2D、およびH-2L、ならびにMHC II遺伝子座I-AおよびI-Eに「q」対立遺伝子を有する。対照的に、Balb/cマウスは、これらのMHC IおよびII遺伝子座に「d」対立遺伝子を有する。NF639-GM(FVB/Nバックグラウンド)とBalb/cエフェクター細胞との間でMHC IまたはMHC IおよびIIの適合を得るために、当業者に公知の技法を用いてNF639-GM細胞をさらに操作して、表18に概説する(Balb/c)「d」MHC IおよびII対立遺伝子を発現させる。
(103)によって取り組まれた同質遺伝系統67NR、168FARN、4TO7、および4T1などのBalb/c由来同系乳がん細胞株を用いたBalb/cマウスにおける同種腫瘍の生成は、(表18に)示す10個の操作NF639由来細胞株の全てまたはサブセットをワクチンとして使用することによるHLA/MHC対立遺伝子適合の仮説検定を可能にする。腫瘍の収縮または成長動態は、主要評価項目として役立つ。当業者は、非限定的な例がワクチン接種前後のいくつかの時点でのノギスに基づく測定である、腫瘍体積を評価する方法に難なく精通している。
実施例4:ジンクフィンガーヌクレアーゼに基づく操作によるHLA-A*02:01およびHLA-DRB3*02:02の過剰発現
ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を使用する細胞株の操作は、プラスミドに基づくトランスフェクションの代替的なアプローチである。プラスミドに基づく安定トランスフェクションとは対照的に、異所性発現カセットの染色体組込みは、所定の遺伝子座に向けられる。ヒト細胞を使用する過剰発現研究のために、第19番染色体上のアデノ随伴ウイルス組込み部位1(AAVS1)は好ましい組込み部位である。CompoZr Targeted Integration Kit - AAVS1(Sigma-Aldrich, St. Louis, MOから入手可能)と呼ばれる市販のキットは、この部位への好みに合わせた組込みを可能にする。キットに採用されている方法は、プラスミドであるpZDonorを利用し、発現されるべきORFが該プラスミドにクローニングされる。ORFが挿入されるマルチクローニング部位(MCS)は、AAVS1組込み部位にも見られるDNAエレメントと隣接している。AAVS1特異的ZFNをコードするmRNAを用いた、ORFを有するpZDonorプラスミドの共トランスフェクション(非限定的な例として、ヌクレオフェクション(すなわちエレクトロポレーションアプローチ)による)は、AAVS1遺伝子座へのORFの組込みを可能にする。該方法の高い有効性を考えると、二倍体細胞に存在する第19番染色体の両方のコピーのAAVS1遺伝子座にORFを組み込むことが可能である。したがって、例えば、HLA-A*0201およびHLA-DRB3*02:02の両方を同じ細胞に過剰発現させることができる。
それぞれHLA-A*02:01およびHLA-DRB3*02:02のORFを有する、上の実施例2に記載されたpcDNA3.4-A0201およびpcDNA3.4-DRB30202プラスミドは、pZDonorプラスミドのMCSへのHLA挿入部の直接導入を可能にすることに留意すべきである。両方のORFをXbaI-EcoRVフラグメントとして導入することができ、pZDonorのXbaIおよびPmeI部位にクローニングすることができる。
実施例5:患者およびワクチンのHLA型とワクチンの有効性との間の相関関係を評価する
SV-BR-1-GMワクチンの有効性とワクチン-患者のHLA対立遺伝子同一性との間の相関の程度を評価するために、第I/IIa相試験(BB-IND 10312)に登録された臨床試験対象のHLA型を決定した。
背景
臨床試験は、各ワクチンの投与がワクチンの4回の皮内注射(すなわち、4つの異なる箇所に1箇所あたり照射SV-BR-1-GM細胞約500万個)を含む、一連のワクチンのサイクルを含む。各ワクチンサイクルは、4つの試験事象を含む:1)ワクチン前のシクロホスファミド、2)ワクチン接種、3)ワクチンの約48時間後にインターフェロン-アルファ-2b(Merckから入手可能)の投与、および4)ワクチンの約96時間後にインターフェロン-アルファ-2bの投与(例えば医師の診療所で行う)。安全性および臨床進展の判断は、ワクチンの治療サイクルを開始後の試験訪問の度に評価する。
表19に概説するように、最初の3サイクルは、0、2、および4週間目に1ヶ月かけて行う。これに、毎月のサイクルが合計6ヶ月関続き、場合により処置は1年まで伸びる。イメージングおよび再ステージ分類は5回目の接種の後に行う。進行性疾患(下に定義)または大きな安全上の問題がない場合、患者は追加的なワクチン治療サイクルを継続して、6ヶ月の実験的なワクチン投与を完了し、最終処置から約3週間後に3ヶ月毎の再ステージ分類を受ける。患者が非進行性のままであり、6ヶ月後に処置を継続することを望む場合、追加的な3ヶ月の処置が提供され、続いて9ヶ月目に再ステージ分類する。今度も、患者が非進行性疾患を有し、処置を継続することを望む場合、追加的な3ヶ月の処置が提供され、12ヶ月目に完了する。
(表19)試験計画
サイクル間の柔軟性は、治験責任医師によって承認される特別な状況下で+/-1週間以内であることができる。
免疫応答をブーストするために、各ワクチン接種の48〜72時間前に、制御性T細胞メカニズムをダウンレギュレーションする低用量シクロホスファミドで患者を予備処置する。低用量インターフェロン-アルファ-2bは、アジュバントとして役立ち、ワクチン接種の約48時間および約96時間後に接種部位への皮内注射によって与えられる。プロトコールにより生物学的試料を規則的な間隔で収集し、貯蔵所で保存する。
有害事象共通用語規準(すなわち、CTCAE v4.03)のスケールを使用して有害事象(例えば毒性)について試験参加者を密接に監視した。新しいもしくは進行性の腫瘍、または処置に関連するグレードIIIアレルギー/過敏症の発生により、任意の特定の対象へのさらなる接種を中止する。
成功の尺度
核心的な成功の尺度は、安全性および毒性の欠如であるものの、以下のうちのいずれかが成功の尺度として適用され得る:1)irRC RECIST 1.1基準によって定義される、患者の25%における客観的臨床応答、2)SF-36質問票(生活の質)における1つまたは複数のスケールにおける有意な変化に実証されるような50%以上の患者における生活の質の改善、3)刊行された文献における他のサルベージ療法の報告からの既存対照と比較した、無病生存期間および全生存期間の延長、4)特に生存期間の延長と相関する場合、免疫応答の発生または増幅の証拠。
客観的臨床応答を、主として腫瘍量のX線検査評価によって評価する。これは、非限定的な例としてコンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、および/またはポジトロン断層撮影(PET)によって行われ得る。(16)を参照されたい。客観的腫瘍退縮が、SV-BR-1-GM細胞にも見られるHLA対立遺伝子を有する患者において特に顕著であるかどうかを評価するために、非限定的な例として臨床試験対象の口腔細胞または血液細胞からのHLA型を判定した。当業者に公知のいくつかの方法が、HLA対立遺伝子を決定するために適している。非限定的な例としては、(104)を参照されたい。
本明細書記載の実施例および態様は、単に例証を目的とし、それに照らして様々な改変または変更が当業者に示唆され、本出願および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれるべきであることが理解されている。本明細書において引用される全ての刊行物、特許、特許出願、および配列アクセッション番号は、全ての目的のためにその全体で参照により本明細書に組み入れられる。
V. 参考文献
全ての参考文献は、全ての目的のためにその全体で本明細書に組み入れられる。
VI. 例示的な態様
現在開示されている主題により提供される例示的な態様には、特許請求の範囲および以下の態様が非限定的に含まれる。
1. ヒト白血球抗原(HLA)クラスI遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む、改変ヒトがん細胞。
2. HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様1記載の改変ヒトがん細胞。
3. HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む、改変ヒトがん細胞。
4. HLAクラスI遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様3記載の改変ヒトがん細胞。
5. 組換えポリヌクレオチドが、細胞内のベクターに存在する、態様1〜4のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
6. 組換えポリヌクレオチドが、細胞のゲノムに組み込まれている、態様1〜4のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
7. HLAクラスI遺伝子が、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、ベータ-2-ミクログロブリン(B2M)遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様1〜6のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
8. HLA-A遺伝子の対立遺伝子が、HLA-A*11:01、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*03:01、HLA-A*26:01、HLA-A*29:02、HLA-A*32:01、HLA-A*24:02、HLA-A*33:03、HLA-A*68:01、HLA-A*31:01、HLA-A*02:06、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様7記載の改変ヒトがん細胞。
9. HLA-B遺伝子の対立遺伝子が、HLA-B*13:02、HLA-B*41:01、HLA-B*18:03、HLA-B*44:02、HLA-B*07:02、HLA-B*35:01、HLA-B*40:01、HLA-B*35:08、HLA-B*55:01、HLA-B*51:01、HLA-B*44:03、HLA-B*58:01、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*15:01、HLA-B*52:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様7記載の改変ヒトがん細胞。
10. HLA-C遺伝子の対立遺伝子が、HLA-C*04:01、HLA-C*07:02、HLA-C*07:01、HLA-C*06:02、HLA-C*03:04、HLA-C*01:02、HLA-C*02:02、HLA-C*08:02、HLA-C*15:02、HLA-C*03:03、HLA-C*05:01、HLA-C*08:01、HLA-C*16:01、HLA-C*12:03、HLA-C*14:02、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様7記載の改変ヒトがん細胞。
11. HLAクラスII遺伝子が、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子、HLAクラスIIベータサブユニット遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様2〜10のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
12. HLAクラスII遺伝子が、HLA-DP遺伝子、HLA-DM遺伝子、HLA-DOA遺伝子、HLA-DOB遺伝子、HLA-DQ遺伝子、HLA-DR遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様2〜10のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
13. HLA-DM遺伝子が、HLA-DMA遺伝子、HLA-DMB遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様12記載の改変ヒトがん細胞。
14. HLA-DR遺伝子が、HLA-DRA遺伝子、HLA-DRB1遺伝子、HLA-DRB3遺伝子、HLA-DRB4遺伝子、HLA-DRB5遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様12記載の改変ヒトがん細胞。
15. HLA-DRB3遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02、HLA-DRB3*01:01、HLA-DRB3*03:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様14記載の改変ヒトがん細胞。
16. HLAクラスI遺伝子の対立遺伝子が、HLA-A*11:01またはHLA-A*24:02であり、HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02またはHLA-DRB3*01:01である、態様2〜15のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
17. 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様1〜16のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
18. インターフェロンアルファ(IFNa)をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様1〜17のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
19. アデノシンデアミナーゼ(ADA)、接着Gタンパク質共役受容体E5(ADGRE5)、カベオリン1(CAV1)、CD58分子(CD58)、CD74分子(CD74)、CD83分子(CD83)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド16(CXCL16)、細胞内接着分子3(ICAM3)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン18(IL18)、KITリガンド(KITLG)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14(TNFSF14)、メラノーマ優先発現抗原(preferentially expressed antigen in melanoma)(PRAME)、PDZ結合キナーゼ(PBK)、中心体タンパク質55(CEP55)、キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C)、胎盤特異タンパク質1(PLAC1)、Opa相互作用タンパク質5(OIP5)、カルシウム結合チロシンリン酸化調節型(calcium binding tyrosine phosphorylation regulated)(CABYR)、精子関連抗原1(SPAG1)、またはそれらの組み合わせをコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様1〜18のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
20. ヒトがん細胞が、ヒトがん細胞株である、態様1〜19のいずれか1つに記載の改変ヒトがん細胞。
21. ヒトがん細胞株が、SV-BR-1乳がん細胞株である、態様20記載の改変ヒトがん細胞。
22. がんを有する対象のために全細胞がんワクチンを選択するための方法であって、
(a) 該対象のHLA対立遺伝子プロファイルを生成するために、該対象から得られた試料中の1種または複数種のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子の存在または不在を検出する段階、
(b)全細胞がんワクチン中の1種または複数種のHLA遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子の存在または不在に基づき、該対象のHLA対立遺伝子プロファイルを全細胞がんワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルと比較する段階、および
(c) 該対象のHLA対立遺伝子プロファイルが、全細胞がんワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルと適合する場合に、全細胞がんワクチンを該対象のために選択する段階
を含む、方法。
23. 1種または複数種のHLA遺伝子が、HLAクラスI遺伝子、HLAクラスII遺伝子、またはそれらの組み合わせを含む、態様22記載の方法。
24. HLAクラスI遺伝子が、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、ベータ-2-ミクログロブリン(B2M)遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様23記載の方法。
25. HLA-A遺伝子の対立遺伝子が、HLA-A*11:01、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*03:01、HLA-A*26:01、HLA-A*29:02、HLA-A*32:01、HLA-A*24:02、HLA-A*33:03、HLA-A*68:01、HLA-A*31:01、HLA-A*02:06、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様24記載の方法。
26. HLA-B遺伝子の対立遺伝子が、HLA-B*13:02、HLA-B*41:01、HLA-B*18:03、HLA-B*44:02、HLA-B*07:02、HLA-B*35:01、HLA-B*40:01、HLA-B*35:08、HLA-B*55:01、HLA-B*51:01、HLA-B*44:03、HLA-B*58:01、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*15:01、HLA-B*52:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様24記載の方法。
27. HLA-C遺伝子の対立遺伝子が、HLA-C*04:01、HLA-C*07:02、HLA-C*07:01、HLA-C*06:02、HLA-C*03:04、HLA-C*01:02、HLA-C*02:02、HLA-C*08:02、HLA-C*15:02、HLA-C*03:03、HLA-C*05:01、HLA-C*08:01、HLA-C*16:01、HLA-C*12:03、HLA-C*14:02、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様24記載の方法。
28. HLAクラスII遺伝子が、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子、HLAクラスIIベータサブユニット遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様23記載の方法。
29. HLAクラスII遺伝子が、HLA-DP遺伝子、HLA-DM遺伝子、HLA-DOA遺伝子、HLA-DOB遺伝子、HLA-DQ遺伝子、HLA-DR遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様23記載の方法。
30. HLA-DM遺伝子が、HLA-DMA遺伝子、HLA-DMB遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様29記載の方法。
31. HLA-DR遺伝子が、HLA-DRA遺伝子、HLA-DRB1遺伝子、HLA-DRB3遺伝子、HLA-DRB4遺伝子、HLA-DRB5遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様29記載の方法。
32. HLA-DRB3遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02、HLA-DRB3*01:01、HLA-DRB3*03:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様31記載の方法。
33. HLAクラスI遺伝子の対立遺伝子が、HLA-A*11:01またはHLA-A*24:02であり、HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02またはHLA-DRB3*01:01である、態様23〜32のいずれか1つに記載の方法。
34. 前記対象のHLA対立遺伝子プロファイル中の1種または複数種の対立遺伝子が、全細胞がんワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルと適合する場合に、全細胞がんワクチンが該対象のために選択される、態様22〜33のいずれか1つに記載の方法。
35. 前記対象のHLA対立遺伝子プロファイル中の2つ以上の対立遺伝子が、全細胞がんワクチンのHLA対立遺伝子プロファイルと適合する場合に、全細胞がんワクチンが該対象のために選択される、態様34記載の方法。
36. がんを有する対象のために全細胞がんワクチンを選択するための方法であって、
(a)(i)該対象から得られた試料中の1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルを検出する段階;ならびに/または
(a)(ii)該対象から得られた1種もしくは複数種の免疫細胞の活性および/もしくは数のレベルを測定する段階;
(b)段階(a)(i)で検出された1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルおよび/または段階(a)(ii)で測定された1種もしくは複数種の免疫細胞の活性および/もしくは数のレベルを、対照試料中の1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルおよび/または1種もしくは複数種の免疫細胞の活性および/もしくは数のレベルと比較する段階;ならびに
(c)段階(b)における比較に基づき全細胞がんワクチンを該対象のために選択する段階であって、全細胞がんワクチンが、乳がん細胞株または乳がん細胞に由来する、段階
を含む、方法。
37. 乳がん細胞株が、SV-BR-1乳がん細胞株である、態様36記載の方法。
38. 1種または複数種のバイオマーカーが、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、PDZ結合キナーゼ(PBK)、中心体タンパク質55(CEP55)、キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C)、胎盤特異タンパク質1(PLAC1)、Opa相互作用タンパク質5(OIP5)、カルシウム結合チロシンリン酸化調節型(CABYR)、精子関連抗原1(SPAG1)、アルファ-1,3-グルコシルトランスフェラーゼ(ALG8)、アクチン関連タンパク質2/3複合体サブユニット5様(ARPC5L)、クロモボックスホモログ2(CBX2)、コラーゲンVIII型アルファ1鎖(COL8A1)、DDB1およびCUL4関連因子10、(DCAF10)、真核細胞翻訳開始因子3サブユニットH(EIF3H)、erb-b2受容体型チロシンキナーゼ2(ERBB2)、ヒストンクラスター1H4ファミリーメンバーh(HIST1H4H)、インスリン様成長因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インテグレーター複合体サブユニット7(INTS7)、ケラチン19(KRT19)、ケラチン81(KRT81)、マンノシル(アルファ-1,3-)-糖タンパク質ベータ-1,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼアイソザイムA(MGAT4A)、遊走-浸潤エンハンサー1(MIEN1)、GPI後タンパク質結合3(post-GPI attachment to proteins 3)(PGAP3)、リモデリング-スペーシング因子1(RSF1)、SH2ドメイン含有アダプタータンパク質B(SHB)、可溶性担体ファミリー35メンバーA2(SLC35A2)、スペクトリンリピート含有核エンベロープファミリーメンバー4(SYNE4)、トランスポーチン1(TNPO1)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様36または37記載の方法。
39. 1種または複数種のバイオマーカーが、PRAME、PBK、CEP55、KIF2C、ERBB2、MIEN1、PGAP3、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様36〜38のいずれか1つに記載の方法。
40. 1種または複数種のバイオマーカーが、PRAMEである、態様39記載の方法。
41. 1種または複数種のバイオマーカーが、ERBB2、MIEN1、PGAP3、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様39記載の方法。
42. 1種または複数種のバイオマーカーのうちの少なくとも1つのレベルが、対照試料と比較して前記対象から得られた試料において過剰発現している場合に、前記ワクチンが該対象のために選択され、対照試料が、該対象、異なる対象、または対象集団から得られた正常な細胞または組織を含む、態様36〜41のいずれか1つに記載の方法。
43. 1種または複数種のバイオマーカーのうちの少なくとも1つのレベルが、対照試料と比較して少なくとも約1.5倍過剰発現している場合に、前記ワクチンが前記対象のために選択される、態様42記載の方法。
44. 前記対象から得られた1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、対照試料と比較して高い場合に、前記ワクチンが該対象のために選択され、
対照試料が、がんを有さない異なる対象または対象集団から得られた1種または複数種の免疫細胞を含む、
態様36〜43のいずれか1つに記載の方法。
45. 前記対象から得られた1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、対照試料と比較して少なくとも約1.5倍高い、態様44記載の方法。
46. 活性および/または数のレベルが測定される1種または複数種の免疫細胞が、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球、単球、ナチュラルキラー(NK)細胞、樹状細胞、マクロファージ、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様36〜45のいずれか1つに記載の方法。
47. 活性および/または数のレベルが測定される1種または複数種の免疫細胞が、PBMC、リンパ球、樹状細胞、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様46記載の方法。
48. 1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルが、ELISA、マルチプレックスアッセイ、抗原をコードする遺伝子のRNA転写物のレベルを測定すること、免疫組織化学、ウエスタンブロット、ビーズに基づく方法、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される方法を用いて検出される、態様36〜47のいずれか1つに記載の方法。
49. 1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、ELISA、ELISPOTアッセイ、ウエスタンブロット、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、細胞傷害性アッセイ、増殖アッセイ、サイトカイン産生アッセイ、MHCマルチマーアッセイ、フローサイトメトリーアッセイ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される方法を用いて測定される、態様36〜48のいずれか1つに記載の方法。
50. 1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、抗原を用いた刺激の後に測定される、態様36〜49のいずれか1つに記載の方法。
51. 1種または複数種のバイオマーカーが、1種または複数種のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子を含む、態様36〜50のいずれか1つに記載の方法。
52. 1種または複数種のHLA遺伝子が、HLAクラスI遺伝子、HLAクラスII遺伝子、またはそれらの組み合わせを含む、態様51記載の方法。
53. HLAクラスI遺伝子が、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、ベータ-2-ミクログロブリン(B2M)遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様52記載の方法。
54. HLA-A遺伝子の対立遺伝子が、HLA-A*11:01、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*03:01、HLA-A*26:01、HLA-A*29:02、HLA-A*32:01、HLA-A*24:02、HLA-A*33:03、HLA-A*68:01、HLA-A*31:01、HLA-A*02:06、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様53記載の方法。
55. HLA-B遺伝子の対立遺伝子が、HLA-B*13:02、HLA-B*41:01、HLA-B*18:03、HLA-B*44:02、HLA-B*07:02、HLA-B*35:01、HLA-B*40:01、HLA-B*35:08、HLA-B*55:01、HLA-B*51:01、HLA-B*44:03、HLA-B*58:01、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*15:01、HLA-B*52:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様53記載の方法。
56. HLA-C遺伝子の対立遺伝子が、HLA-C*04:01、HLA-C*07:02、HLA-C*07:01、HLA-C*06:02、HLA-C*03:04、HLA-C*01:02、HLA-C*02:02、HLA-C*08:02、HLA-C*15:02、HLA-C*03:03、HLA-C*05:01、HLA-C*08:01、HLA-C*16:01、HLA-C*12:03、HLA-C*14:02、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様53記載の方法。
57. HLAクラスII遺伝子が、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子、HLAクラスIIベータサブユニット遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様52記載の方法。
58. HLAクラスII遺伝子が、HLA-DP遺伝子、HLA-DM遺伝子、HLA-DOA遺伝子、HLA-DOB遺伝子、HLA-DQ遺伝子、HLA-DR遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様52記載の方法。
59. HLA-DM遺伝子が、HLA-DMA遺伝子、HLA-DMB遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様58記載の方法。
60. HLA-DR遺伝子が、HLA-DRA遺伝子、HLA-DRB1遺伝子、HLA-DRB3遺伝子、HLA-DRB4遺伝子、HLA-DRB5遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様58記載の方法。
61. HLA-DRB3遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02、HLA-DRB3*01:01、HLA-DRB3*03:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様60記載の方法。
62. HLAクラスI遺伝子の対立遺伝子が、HLA-A*11:01またはHLA-A*24:02であり、HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02またはHLA-DRB3*01:01である、態様52〜61のいずれか1つに記載の方法。
63. 前記対象から得られた試料中の1種または複数種のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子が、前記ワクチン中の1種または複数種のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の1種または複数種の対立遺伝子と適合する場合に、該ワクチンが該対象のために選択される、態様51〜62のいずれか1つに記載の方法。
64. 前記対象から得られた試料が、全血試料、血漿試料、血清試料、頬スワブ試料、腫瘍組織試料、生体液試料、胸水試料、尿試料、毛髪試料、皮膚試料、またはそれらの組み合わせである、態様36〜63のいずれか1つに記載の方法。
65. 前記試料が、生検から、外科的切除から、微細針吸引物(FNA)として、またはそれらの組み合わせで得られる、態様36〜64のいずれか1つに記載の方法。
66. 前記試料が、腫瘍組織、腫瘍細胞、循環腫瘍細胞(CTC)、またはそれらの組み合わせを含む、態様36〜65のいずれか1つに記載の方法。
67. ヒト白血球抗原(HLA)クラスI遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む改変ヒトがん細胞を含む、組成物。
68. 改変ヒトがん細胞が、HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様67記載の組成物。
69. HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む改変ヒトがん細胞を含む、組成物。
70. 改変ヒトがん細胞が、HLAクラスI遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様69記載の組成物。
71. 組換えポリヌクレオチドが、細胞内でベクターに存在する、態様67〜70のいずれか1つに記載の組成物。
72. 組換えポリヌクレオチドが、細胞のゲノムに組み込まれている、態様67〜70のいずれか1つに記載の組成物。
73. HLAクラスI遺伝子が、HLA-A遺伝子、HLA-B遺伝子、HLA-C遺伝子、HLA-E遺伝子、HLA-F遺伝子、HLA-G遺伝子、ベータ-2-ミクログロブリン(B2M)遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様67〜72のいずれか1つに記載の組成物。
74. HLA-A*11:01、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*03:01、HLA-A*26:01、HLA-A*29:02、HLA-A*32:01、HLA-A*24:02、HLA-A*33:03、HLA-A*68:01、HLA-A*31:01、HLA-A*02:06、およびそれらの組み合わせ、態様73記載の組成物。
75. HLA-B遺伝子の対立遺伝子が、HLA-B*13:02、HLA-B*41:01、HLA-B*18:03、HLA-B*44:02、HLA-B*07:02、HLA-B*35:01、HLA-B*40:01、HLA-B*35:08、HLA-B*55:01、HLA-B*51:01、HLA-B*44:03、HLA-B*58:01、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*15:01、HLA-B*52:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様73記載の組成物。
76. HLA-C遺伝子の対立遺伝子が、HLA-C*04:01、HLA-C*07:02、HLA-C*07:01、HLA-C*06:02、HLA-C*03:04、HLA-C*01:02、HLA-C*02:02、HLA-C*08:02、HLA-C*15:02、HLA-C*03:03、HLA-C*05:01、HLA-C*08:01、HLA-C*16:01、HLA-C*12:03、HLA-C*14:02、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様73記載の組成物。
77. HLAクラスII遺伝子が、HLAクラスIIアルファサブユニット遺伝子、HLAクラスIIベータサブユニット遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様68〜76のいずれか1つに記載の組成物。
78. HLAクラスII遺伝子が、HLA-DP遺伝子、HLA-DM遺伝子、HLA-DOA遺伝子、HLA-DOB遺伝子、HLA-DQ遺伝子、HLA-DR遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様68〜76のいずれか1つに記載の組成物。
79. HLA-DM遺伝子が、HLA-DMA遺伝子、HLA-DMB遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様78記載の組成物。
80. HLA-DR遺伝子が、HLA-DRA遺伝子、HLA-DRB1遺伝子、HLA-DRB3遺伝子、HLA-DRB4遺伝子、HLA-DRB5遺伝子、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様78記載の組成物。
81. HLA-DRB3遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02、HLA-DRB3*01:01、HLA-DRB3*03:01、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される対立遺伝子である、態様80記載の組成物。
82. HLAクラスI遺伝子の対立遺伝子が、HLA-A*11:01またはHLA-A*24:02であり、HLAクラスII遺伝子の対立遺伝子が、HLA-DRB3*02:02またはHLA-DRB3*01:01である、態様68〜81のいずれか1つに記載の組成物。
83. 改変ヒトがん細胞が、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、接着Gタンパク質共役受容体E5(ADGRE5)、カベオリン1(CAV1)、CD58分子(CD58)、CD74分子(CD74)、CD83分子(CD83)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド16(CXCL16)、細胞内接着分子3(ICAM3)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン10(IL10)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン18(IL18)、KITリガンド(KITLG)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14(TNFSF14)、またはそれらの組み合わせをコードする組換えポリヌクレオチドをさらに含む、態様67〜82のいずれか1つに記載の組成物。
84. 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)をさらに含む、態様67〜83のいずれか1つに記載の組成物。
85. GM-CSFが、組換えポリヌクレオチドによってコードされ、かつ改変細胞によって発現される、態様84記載の組成物。
86. GM-CSFが、ヒト白血球抗原(HLA)クラスIおよび/またはクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む同じ改変細胞によって発現される、態様85記載の組成物。
87. GM-CSFが、ヒト白血球抗原(HLA)クラスIおよび/またはクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む同じ改変細胞によって発現されない、態様85記載の組成物。
88. GM-CSFが、可溶型として存在する、態様84記載の組成物。
89. インターフェロンアルファ(IFNa)をさらに含む、態様67〜88のいずれか1つに記載の組成物。
90. IFNaが、ヒト白血球抗原(HLA)クラスIおよび/またはクラスII遺伝子の対立遺伝子をコードする組換えポリヌクレオチドを含む同じ改変細胞によって発現される、態様89記載の組成物。
91. IFNaが、可溶型として存在する、態様89記載の組成物。
92. ヒトがん細胞が、ヒトがん細胞株である、態様67〜91のいずれか1つに記載の組成物。
93. ヒトがん細胞株が、SV-BR-1乳がん細胞株である、態様92記載の組成物。
94. 態様67〜93のいずれか1つに記載の組成物および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
95. 対象に態様94記載の薬学的組成物の治療有効量を投与する段階を含む、対象におけるがんを処置するための方法。
96. 対象を、化学療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法、分化誘導薬、小分子薬、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される治療法で処置する段階をさらに含む、態様95記載の方法。
97. 免疫療法が、免疫チェックポイント阻害剤、モノクローナル抗体、小分子薬、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される薬剤を含む、態様96記載の方法。
98. 化学療法が、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤、コルチコステロイド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される薬剤を含む、態様96記載の方法。
99. 態様22〜66のいずれか1つに記載の方法に従って全細胞がんワクチンを対象のために選択する段階をさらに含む、態様95〜98のいずれか1つに記載の方法。
100. 対象が、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVのがんを有する、態様95〜99のいずれか1つに記載の方法。
101. がんが、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、膵臓がん、結腸直腸がん、胃がん、肺がん、皮膚がん、肝臓がん、脳がん、眼がん、軟組織がん、腎がん、膀胱がん、頭頸部がん、中皮腫、急性白血病、慢性白血病、髄芽腫、多発性骨髄腫、肉腫、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様95〜100のいずれか1つに記載の方法。
102. 薬学的組成物が、注射によって投与される、態様95〜101のいずれか1つに記載の方法。
103. 注射が、皮内および/またはリンパ内注射である、態様102記載の方法。
104. 対象を処置する段階が、腫瘍体積の減少を引き起こす、態様95〜103のいずれか1つに記載の方法。
105. 対象を処置する段階が、がんの1つまたは複数の徴候または症状を回復または除去する、態様95〜104のいずれか1つに記載の方法。
106. 対象を処置する段階が、1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数の増加を招く、態様95〜105のいずれか1つに記載の方法。
107. 活性および/または数のレベルが増加する1種または複数種の免疫細胞が、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球、単球、ナチュラルキラー(NK)細胞、樹状細胞、マクロファージ、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様106記載の方法。
108. 活性および/または数のレベルが増加する1種または複数種の免疫細胞が、PBMC、リンパ球、樹状細胞、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様107記載の方法。
109. 1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、ELISA、ELISPOTアッセイ、ウエスタンブロット、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、細胞傷害性アッセイ、増殖アッセイ、サイトカイン産生アッセイ、MHCマルチマーアッセイ、フローサイトメトリーアッセイ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される方法を用いて測定される、態様106〜108のいずれか1つに記載の方法。
110. 1種または複数種の免疫細胞の活性および/または数のレベルが、抗原を用いた刺激の後に測定される、態様106〜109のいずれか1つに記載の方法。
111. 免疫細胞の活性および/または数の増加が、対象に薬学的組成物の1つまたは複数の追加的な用量を投与すべきであることを指し示す、態様106〜110のいずれか1つに記載の方法。
112. 対象を処置する段階が、生存期間の延長をもたらす、態様95〜111のいずれか1つに記載の方法。
113. 態様94記載の薬学的組成物を含む、がんを有する対象を処置するためのキット。
114. 使用説明書をさらに含む、態様113記載のキット。
115. 1種または複数種の試薬をさらに含む、態様113または114記載のキット。
116. 1種または複数種の試薬が、がんを有する対象からの試料を単離するため、1種もしくは複数種のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の1種もしくは複数種の対立遺伝子の存在もしくは不在を検出するため、1種もしくは複数種のバイオマーカーの存在もしくはレベルを検出するため、ならびに/または1種もしくは複数種の免疫細胞の活性および/もしくは数を測定するためのものである、態様115記載のキット。
117. (a)試料細胞中の1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルを検出する段階であって、1種または複数種のバイオマーカーが、
(i)MIEN1、
(ii)PGAP3、
(iii)ERBB2およびMIEN1、
(iv)ERBB2およびPGAP3、
(v)MIEN1およびPGAP3、または
(vi)ERBB2、MIEN1、およびPGAP3
を含む、段階;
(b)段階(a)で検出された1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルを、参照細胞における1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルと比較する段階;ならびに
(c)段階(b)で行った比較に基づき、試料細胞のHER2状態を判定する段階
を含む、試料細胞のHER2状態を判定するための方法。
118. 試料細胞が、がん細胞であるか、またはがんを有する対象から得られた細胞である、態様117記載の方法。
119. 1種または複数種のバイオマーカーが、参照細胞と比較して試料細胞において高いレベルで発現される場合に、試料細胞が、HER2陽性であると判定される、態様117または118記載の方法。
120. 参照細胞が、試料細胞と同じ対象から得られた非がん細胞であるか、または異なる対象もしくは対象集団から得られた非がん細胞である、態様119記載の方法。
121. 1種または複数種のバイオマーカーのレベルが、HER2 2+細胞よりもHER2 3+細胞において高い、態様117〜120のいずれか1つに記載の方法。
122. 1種または複数種のバイオマーカーのレベルが、HER2 1+またはHER2 0細胞よりもHER2 2+細胞において高い、態様117〜121のいずれか1つに記載の方法。
123. 1種または複数種のバイオマーカーの存在またはレベルを検出する段階が、mRNAの発現、タンパク質存在量、またはそれらの組み合わせを測定することを含む、態様117〜122のいずれか1つに記載の方法。
124. 判定が、少なくとも約60%の感度で行われる、態様117〜123のいずれか1つに記載の方法。
125. 判定が、少なくとも約87%の感度で行われる、態様124記載の方法。
126. 判定が、少なくとも約100%の感度で行われる、態様125記載の方法。
127. 段階(a)、(b)、および/または(c)が、自動化されている、態様117〜126のいずれか1つに記載の方法。
非公式の配列リスト
最適化前のHLA-A*02:01のORF(1098bp)(SEQ ID NO:1)
GenBank(NCBI)アクセッション番号AY365426.1によって表される配列
最適化後のHLA-A*02:01のORF(1098bp)(SEQ ID NO:2)
pcDNA3.4-A0201の配列(7126bp)(SEQ ID NO.3)
pcDNA3.4-TOPOにおいて最適化されたHLA-A*02:01配列。5'-BamHI制限部位(GGATCC)、開始コドン(ATG)、終止コドン(TGA)、および3'-ClaI制限部位(ATCGAT)に下線を付ける。安定トランスフェクション前のプラスミドの直線化に有用な単一のPvuI制限部位(CGATCG)にも下線を付ける。
最適化前のHLA-DRB3*02:02のORF(801bp)(SEQ ID NO:4)
IMGT/HLAアクセッション番号HLA00895によって表される配列。ApaLI制限部位(GTGCAC)に下線を付ける。
ApaLI部位が除去された最適化前のHLA-DRB3*02:02のORF(801bp)(SEQ ID NO:5)
ApaLI制限部位(GTGCAC)に導入した変異により、GTGCAA(下線)になる。
最適化後のHLA-DRB3*02:02のORF(801bp)(SEQ ID NO:6)
pcDNA3.4-DRB30202(6829bp)の配列(SEQ ID NO.7)
pcDNA3.4-TOPOにおける最適化されたHLA-DRB3*02:02配列。5'-XhoI制限部位(CTCGAG)、開始コドン(ATG)、終止コドン(TGA)、および3'-NheI制限部位(GCTAGC)に下線を付ける。安定トランスフェクション前のプラスミドの直線化に有用な単一のPvuI制限部位(CGATCG)にも下線を付ける。
pVITRO2-A0201-DRB30202の配列(8030bp)(SEQ ID NO.8)
HLA-A*02:01挿入部について、5'-BamHI制限部位(GGATCC)、開始コドン(ATG)、終止コドン(TGA)、および3'-ClaI制限部位(ATCGAT)に下線を付ける。HLA-DRB3*02:02挿入部について、5'-XhoI制限部位(CTCGAG)、開始コドン(ATG)、終止コドン(TGA)、および3'-NheI制限部位(GCTAGC)に下線を付ける。安定トランスフェクション前のプラスミドの直線化に有用な単一のApaLI制限部位(GTGCAC)にも下線を付ける。