以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の一実施の形態による据え付け方法によって完成した状態を示す駐車装置の正面図および側面図である。
駐車装置建屋1の出入り口2から乗り込んだ駐車車両3は、リフト開口部4をほぼ塞ぐように配置されて待機されているトレー5上に搭載され、運転手が降りた後にリフト装置6が駆動され、このリフト装置6により駐車スペースへと昇降移動させられる。リフト装置6は、リフト開口部4のほぼ四隅にほぼ鉛直に延びて配置されて四本のガイドレールと強度部材から構成された縦柱7A,7B,8A,8Bと、この縦柱7A〜8Bに沿って上下方向に移動可能な昇降部分9と、この昇降部分9を駆動するために使用される昇降駆動装置10と、昇降駆動装置10に連結された一対の減速機11A,11Bと、縦柱7A,8A間および縦柱7B,8B間に可回転的に支持されて減速機11A,11Bを介して回転される回転軸12A,12Bなどを有している。
トレー5上に搭載した駐車車両3を格納する駐車スペースは、複数台の下階用固定側駆動ユニット14を床側に固定した駐車スペースの下階駐車部分15と、複数台の上階用固定側駆動ユニット16を床側に固定した駐車スペースの上階駐車部分17とを有している。下階駐車部分15に配置した下階用固定側駆動ユニット14における外周部の床に固定された複数のベース18には、下端がそれぞれ固定された複数本のフレーム柱19が樹立され、各フレーム柱19の上端部で上階用固定側駆動ユニット16が支持されている。詳細な図示は省略しているが、下階駐車部分15および上階駐車部分17の床部に配置した下階用固定側駆動ユニット14および上階用固定側駆動ユニット16は、トレー5と対向する部分に周知の方向転換式駆動機構が構成されており、制御盤からの指令に基づいて方向転換式駆動機構を駆動することによってトレー5を任意の前後左右位置へと移動することができるように構成されている。
駐車装置建屋1には、リフト装置6を構成するために縦方向にピット20が掘られており、このピット20の上部にリフト開口部4が形成されている。組み立て後の使用状態では、このリフト開口部4はターンテーブルやトレー5などの構成によって塞がれ、駐車装置建屋1の出入り口2から乗り込んだ駐車車両3は、リフト装置6の昇降部分9によってのみ駐車スペースへと移動できるように構成されている。しかし、据え付け作業中においては、リフト開口部にターンテーブルやトレー5がまだ配置されておらず、リフト装置6の上部に存在するこのリフト開口部4からのみ駐車装置を構成する各種部品の搬入が可能である。
次に、本発明の一実施の形態による駐車装置の据え付け方法について説明する。
図3は、駐車装置の据え付け方法を示すフローチャートである。
ステップS1では、駐車装置を構成する各種部品をリフト装置6の上部に存在するリフト開口部から吊り降ろすための準備となる据え付け準備工程を実施する。ステップS2では、下階駐車部分15に設置されることになる下階用固定側駆動ユニット14をリフト開口部4から搬入し、その後に、下階駐車部分15の床面に各下階用固定側駆動ユニット14を据え付ける下階用固定側駆動ユニット搬入据え付け工程を行う。
ステップS3では、下階用固定側駆動ユニット14の搬入後に、リフト開口部4を通して搬入されてピット20内に据え付けられる各縦柱7A〜8Bの上端を下階駐車部分15における床面以下の高さに制限した状態の最下段縦柱ユニットを含むピット内リフト駆動系の搬入据え付け工程を行う。
ステップS4では、トレーの搬入に先立って各縦柱7A〜8Bの上端を下階駐車部分15の床面以上の高さとなるように増設する各縦柱の増設工程を行う。
ステップS5では、リフト開口部4を通して下階駐車部分15に搬入したトレーを下階用固定側駆動ユニット14上で移動可能に配置してトレーを作業足場とする工程を行う。続くステップS6では、リフト開口部4を通してトレー上に組立用揚重装置を搬入し、その後、組立用揚重装置を用いて上階駐車部分17の床側となる上階用固定側駆動ユニット16を取り付ける上階用固定側駆動ユニット搬入据え付け工程を行う。
ステップS7では、ステップS6における上階用固定側駆動ユニット16の取り付け前に、各縦柱7A〜8Bの上端を上階用固定側駆動ユニット16より少し上の高さとなるように増設する各縦柱の増設工程を行う。
ステップS8では、リフト開口部4を通して上階駐車部分17に搬入したトレーを上階用固定側駆動ユニット16上で移動可能に配置してトレーを作業足場とする工程を行う。またステップS9では、その後、リフト開口部4から各縦柱7A〜8Bの最上段縦柱ユニットを搬入して既に増設されている部分の上に結合して、所定高さの四本の縦柱7A〜8Bを完成させる増設工程を行う。
このフローチャートから分かるように、リフト装置6はリフト開口部4の四隅に分散して配置される四本の縦柱7A〜8Bを有しており、各縦柱7A〜8Bはその軸方向で複数に分割されている。ここでは最下段縦柱ユニット、二段目縦柱ユニット、三段目縦柱ユニットおよび最上段縦柱ユニットに四分割されたものとして説明している。各工程の進展に従って、下段縦柱ユニット、二段目縦柱ユニット、三段目縦柱ユニットおよび最上段縦柱ユニットは順次溶接によって結合されて行き、据え付け作業の完了時までにはリフト装置6の縦柱7A〜8Bとして所定の長さに完成される。
以下の詳細な説明によって明らかにされるが、四本の縦柱7A〜8Bを最初から所定長さで構成すると、リフト開口部を通してピット内や、下階駐車部分および上階駐車部分へと構成要素を搬入するときの空間部を狭くしてしまう。しかし、上述したように四本の縦柱7A〜8Bを所定の条件で分割し、それらをふさわしいタイミングで搬入しながら増設すると、リフト開口4からの空間部を狭くすることなく十分な搬入スペースを確保することができる。
同様に以下の詳細な説明によって明らかにされるが、ステップS7で上階用固定側駆動ユニット16の取り付け前に、各縦柱7A〜8Bの上端を上階用固定側駆動ユニット16より少し上の高さとなるように増設する各縦柱の増設工程を行い、その後、ステップS8で、リフト開口部4を通して上階駐車部分17に搬入した本設用のトレーを上階用固定側駆動ユニット16上で移動可能に配置して本設用のトレーを作業足場とする工程を行っている。このため、従来のような大掛かりな作業用の足場を建設することなく、本設用のトレーを足場として利用しながら、作業者の安全を確保しながら効率的に、また全体としても簡単で据え付け作業時間を短縮することができるようになる。
次に、各手順に従って具体的な据え付け方法を説明する。
図3に示したステップS1では、駐車装置を構成する各種部品をリフト装置6の上部に存在しているリフト開口部4から吊り降ろすための準備となる据え付け準備工程を実施する。
図1に示すように、リフト装置6の上部に存在するリフト開口部4よりもさらに上方部に位置する駐車装置建屋1の天井部には、建屋横梁21などが存在している。そこで建屋横梁21間に、駐車装置建屋1の出入り口2から乗り込んだ駐車車両3の進入方向に伸びた作業用レール22をしっかりと支持固定し、この作業用レール22に沿って走行可能な電動チェーンブロック装置23を設置する。電動チェーンブロック装置23は、この実施例の配置および構成に限らず、他の構成のものであっても良いし、協働する複数台を設置しても良い。
図3に示したステップS2では、下階駐車部分15に設置されることになる下階用固定側駆動ユニット14をリフト開口部4から搬入し、その後に、下階駐車部分15の床面に各下階用固定側駆動ユニット14を据え付ける下階用固定側駆動ユニット搬入据え付け工程を行う。ここでは、リフト装置6におけるピット20内の駆動系を組み立てる前に、下階用固定側駆動部ユニット14の搬入据え付け工程搬入据え付け工程を行う。
図4および図5は、下階用固定側駆動部ユニット14の搬入作業状態および据え付け作業状態を示すピット付近の斜視図である。
下階用固定側駆動部ユニット14は、図1および図2に示した完成後の駐車装置において、下階駐車部分15の床面側に複数台が付設され、任意の下階用固定側駆動部ユニット14上に位置しているトレー3または駐車車両を搭載しているトレー3を隣接する下階用固定側駆動部ユニット14側へと移動する循環工程を繰り返すことによって、トレー3を所望の位置へと循環移動させる駆動装置を構成している。
このため、リフト開口部4にほぼ対応するような大きさである。この下階用固定側駆動部ユニット14の搬入作業を、リフト装置6全体の組み立て後に行うと、組み立てられたリフト装置6、特に縦柱7A〜8Bによってリフト開口部4の下方に形成されている空間部が狭くなってしまい、搬入作業が非常に面倒になってしまう。しかし、リフト装置6の組み立て前に下階用固定側駆動部ユニット14の搬入作業が行われるため、リフト開口部4を十分に活用しながら下階用固定側駆動部ユニット14を効率的に下階駐車部分15へと移動することができる。
図4に示すように下階用固定側駆動部ユニット14は、ほぼ四角形の外枠フレーム24内に駆動用モータ25、駆動用モータ25によって駆動される送りローラ26、一対の長手方向レール73および幅方向レール74、ベース板75などを組み込んで予め組み立てられた状態で搬入される。作業者は、この下階用固定側駆動部ユニット14を、駐車装置建屋1の出入り口2から台車などを使用して一台ずつ搬入してリフト開口部4の近傍に仮置きする。
その後、作業者は、電動チェーンブロック装置23を用いて仮置き状態の下階用固定側駆動部ユニット14に玉掛けし、次いで、図4に示すように電動チェーンブロック装置23を操作しながらリフト開口部4を通して下階用固定側駆動部ユニット14を吊り降ろす。下階駐車部分15にいる他の作業車は、下階用固定側駆動部ユニット14に連結されている介錯ロープ27を使用して下階用固定側駆動部ユニット14を下階駐車部分15上に引き込み、下階駐車部分15上に既に配置している台車28に搭載してから、電動チェーンブロック装置23を切り離す。
その後、作業者は、この台車28を利用して下階用固定側駆動部ユニット14を下階駐車部分15の所定の位置まで移動する。所定位置に達したとき、作業者は、図5に示すようにその位置の床面に複数台の三脚チェーンブロック装置29を設置し、各三脚チェーンブロック装置29を用いて下階用固定側駆動部ユニット14を仮保持した状態にして、台車28を取り外す。続いて、作業者は、各三脚チェーンブロック装置29を操作しながら、予め床面に固定しておいた取り付けベース30の受け部材31上に下階用固定側駆動部ユニット14を降ろし、同部に固定する。作業者は、下階用固定側駆動部ユニット14の台数に応じてこの作業を繰り返して行う。
その後、作業者は、このステップS2としての作業が完了した時点で、制御盤、または制御盤に接続した作業用簡易操作装置を使用して、下階用固定側駆動部ユニット14の駆動用モータ25を駆動制御しながら下階用固定側駆動部ユニット14上にやがて配置されるトレー5を循環移動できるように電気系接続作業を継続して行う。
他の作業車は、少なくとも下階用固定側駆動部ユニット14を下階駐車部分15へ搬入する作業が完了した後、図3に示したステップS3として、ピット内リフト駆動系の搬入据え付け工程を行う。このピット内リフト駆動系は、リフト開口部4を通して搬入されてピット20内に据え付けられる各縦柱7A〜8Bに相当する上端を、下階駐車部分15における床面以下の高さに制限した状態の最下段縦柱ユニットを含んでいる。
図6は、ピット内リフト駆動系の搬入据え付け作業状態を示すピット付近の斜視図である。
リフト装置6は、全体を組み立てた状態でリフト開口部4から搬入することができない大きさなので、駐車装置建屋1の出入り口2やリフト開口部4の大きさを考慮し、また上述したように効率的な据え付け作業を考慮して高さ方向に複数の縦柱ユニットに分割し、搬入した後に、ピット20内で組み立てるようにしている。
ステップS3で搬入されるピット内リフト駆動系は、図6に示したようにトレーの長手方向両側に分散して配置されるように分割されそれぞれ回転軸32A,32Bを備えた最下段縦柱ユニット33A,33Bと、最下段縦柱ユニット33A,33B間に配置されることになる昇降駆動装置10と、昇降駆動装置10からの回転駆動力を最下段縦柱ユニット33A,33B側にそれぞれ伝達することになる減速機11A,11Bなどを有しており、それぞれを別個に吊り降ろし、ピット20内に据え付けるピット内リフト駆動系の搬入据え付け工程を行う。
最下段縦柱ユニット33Aは、トレー5における長手方向の一方側で対向して配置されることになる二本の最下段縦柱34A,35Aと、最下段縦柱34A,35Aの下部に配置されてピット20の床面に設置されることになる一対の枠部36Aと、枠部36A間に可回転的に支持された回転軸32Aと、回転軸32Aに結合された一対のスプロケット34Aと、回転軸32Aの一方の枠部35Aに構成されて減速機11Aに連結される駆動力伝達連結部38Aと、最下段縦柱34A,35Aの対向部を結合した下部連結用横梁39Aなどを有して構成されている。
最下段縦柱ユニット33Bも同様であり、トレーにおける長手方向の一方側で対向して配置されることになる二本の最下段縦柱34B,35Bと、最下段縦柱34B,35Bの下部に配置されてピット20の床面に設置されることになる一対の枠部36Bと、枠部36B間に可回転的に支持された回転軸32Bと、回転軸32Bに結合された一対のスプロケット34Bと、回転軸32Bの一方の枠部35Bに構成されて減速機11Bに連結される駆動力伝達連結部38Bと、最下段縦柱34B,35Bの対向部を結合した下部連結用横梁39Bなどを有して構成されている。
ステップS3で、先ず作業者はピット20の周囲に足場などに比べて比較的簡易な安全柵40を巡らし、他の作業者は、ピット20内に設置することになる最下段縦柱ユニット33A,33Bや昇降駆動装置10や減速機11A,11Bなどを駐車装置建屋1の出入り口2から搬入してリフト開口部4の近傍に仮置きする。
作業者は、図6に示した電動チェーンブロック装置23を用いて、仮置き状態の最下段縦柱ユニット33A,33Bや昇降駆動装置10や減速機11A,11Bなどを分割単位毎に順次玉掛けし、電動チェーンブロック装置23を操作しながらピット20内に吊り降ろし、所定の床面位置に設置してから、電動チェーンブロック装置23と切り離す。
例えば、作業者は、ピット20における長手方向の一方側に最下段縦柱ユニット33Aを配置し、ピット20における長手方向の他方側に最下段縦柱ユニット33Bを配置し、ピット20における幅方向の一方側に昇降駆動装置10や減速機11A,11Bを配置する。その後、作業者は、ピット20の底面に位置決めをしながら所定位置に最下段縦柱ユニット33A,33Bや昇降駆動装置10や減速機11A,11Bを設置固定すると共に、連結作業を行う。
上述したステップS2における下階用固定側駆動部ユニット14の据え付け作業は、ステップS3として示したピット内リフト駆動系の搬入据え付け工程が完了するまで並行して行うことができる。このとき、最下段縦柱ユニット33A,33Bの高さ方向寸法は、ピット20内に納まる程度であり、簡易な安全柵40の設置によってピット20内作業と、下階駐車部分15での作業を並行して安全に行うことができるようにしている。
特に、ピット20内でのピット内リフト駆動系の搬入据え付け作業に先行して、下階駐車部分15での下階用固定側駆動部ユニット14を行うようにしているため、ピット20内作業と下階駐車部分15での作業を並行して行いながら、ピット20内作業が完了すれば、次の搬入作業が可能となり 電動チェーンブロック装置23を用いての搬入する作業を効率的に行うことができる。
次に、ステップS4では、トレーの搬入に先立って最下段縦柱ユニット33A,33Bにおける各縦柱34A〜35Bの上端を下階駐車部分15の床面以上の高さとなるように増設する各縦柱の増設工程を行う。
図7は、縦柱増設工程の作業状態を示すピット付近の斜視図である。
作業者は、リフト開口部4の近傍に最下段縦柱ユニット33A,33Bを仮置きした後、図7に示したように電動チェーンブロック装置23を用いて、最下段縦柱ユニット33A,33Bの上部にそれぞれ溶接されることになる二段目増設縦柱ユニット41A,41Bの搬入作業を行う。
増設縦柱ユニット41Aは、最下段縦柱ユニット33Aの最下段縦柱34A,35Aに結合されることになる二段目の縦柱42A,43Aと、二段目の縦柱42A,43A間を結合した一対の二段目連結用横梁44Aなどを有している。増設縦柱ユニット41Bも同様であり、最下段縦柱ユニット33Bの最下段縦柱34B,35Bに結合されることになる二段目の縦柱42B,43Bと、二段目の縦柱42B,43B間を結合した一対の二段目連結用横梁44Bなどを有している。
作業者は、最下段縦柱ユニット33Aにおける最下部縦柱34A,35Aの上端部と、増設縦柱ユニット41Aにおける二段目の縦柱42A,43Aの下端部間を溶接によって結合し、同様に、最下段縦柱ユニット33Bにおける最下部縦柱34B,35Bの上端部と、増設縦柱ユニット41Bにおける二段目の縦柱42B,43Bの下端部間を溶接によって結合する。
このとき、増設縦柱ユニット41Aにおける二段目の縦柱42A,43Aの上端部と、増設縦柱ユニット41Bにおける二段目の縦柱42B,43Bの上端部の高さ方向寸法は、ピット20から上方に所定距離だけ突出している。この所定距離とは、後述するステップS5で、リフト開口部4を通して下階駐車部分15に搬入したトレーを下階用固定側駆動ユニット14上で移動可能に配置して、トレーを作業足場とする工程を行った後、トレーによる作業足場を解体することなく、図15に示した次の増設縦柱ユニット58A,58Bの増設作業を可能にするものである。しかも、所定距離として突出長を制限しているため、その後にリフト開口部4から比較的に大きな形状のトレー5などを搬入する際に、リフト空間部4の下方に十分な搬入スペースとなる空間部を確保することができる。
その後、図示を省略しているが、リフト装置6の昇降部分9とバランスを取るウェイトを同様に搬入して、最下段縦柱ユニット33A,33Bおよび増設縦柱ユニット41A,41Bの裏面側に仮置きする。
この増設縦柱ユニット41A,41Bを溶接する縦柱増設工程完了後に、図7に示した安全柵40を撤去し、図8に示すようにピット20から突出している増設縦柱ユニット41A,41Bを遮蔽するように簡易な安全柵45A,45Bを設置する。
次に図3に示したステップS5として、リフト開口部4を通して下階駐車部分15に搬入したトレーを下階用固定側駆動ユニット14上で移動可能に配置して、トレーを作業足場とする工程を行う。このトレーを作業足場とする工程は、第一段階のステップS5Aとしてピット20の上面を塞ぐ工程と、第二段階のステップS5Bとしてトレー搬入および設置工程を伴っている。
図8は、昇降部分9の搬入据え付け作業状態を示すピット付近の斜視図である。
この作業が開始される頃には、ピット20の真上を除いて幅方向の両側に下階用固定側駆動部ユニット14A,14Bが既に配置されて、下階駐車部分15の床面に固定した取り付けベース30の受け部材31に固定されている。ここで、下階用固定側駆動部ユニット14Bは、図1に示したピット20の左側に形成されている床面、つまり、下階駐車部分15と同じレベルで形成されている床面に固定されている。
図1の左側に、下階用固定側駆動部ユニット14Bを配置するようなスペースが存在しない場合は、下階用固定側駆動部14Bを省略することができ、後述する説明から分かるように同床面側を作業者が使用することは殆どないので安全上の問題もない。また、下階駐車部分15の大きさによっては、駐車装置としての組立完了後、下階用固定側駆動部ユニット14Bをそのまま残して駐車車両の格納スペースとしても使用することができるし、据え付け作業専用として設置したのであれば駐車装置としての組立完了後、撤去することもできる。
さて作業者は、ステップS5Aとしてのピット20の上面を塞ぐ工程として、先ず、出入り口2のリフト開口部4に近傍に、リフト装置6の本設用部品である昇降部分9を構成するリフト台46と、下階用固定側駆動部ユニット14A,14Bとほぼ同一構成のリフト用駆動ユニット47Aなどを準備する。
次いで、作業者は、電動チェーンブロック装置23を用いてリフト開口部4を通しながら、リフト台46をピット20の底面上に吊り降ろして仮置きし、電動チェーンブロック装置23を切り離す。
その後、作業者は、電動チェーンブロック装置23を用いてリフト開口部4を通しながら、図8に示すようにリフト用駆動ユニット47を吊り降ろし、ピット20の近傍に配置されている下階用固定側駆動部ユニット14Aおよび下階用固定側駆動部ユニット14Bと同一レベルとなるように設置する。
リフト用駆動ユニット47は、組み立て完了状態ではリフト台46と共に図1に示した昇降部分9を構成することになり、昇降駆動装置10によって各縦柱7A〜8Bに沿って昇降移動される。例えば、下階駐車部分15に配置されるトレーをリフト用駆動ユニット47から、下階駐車部分15における送り出し側に位置した下階用固定側駆動部ユニット14A側へと受け渡すことになる。このため、下階用固定側駆動部ユニット14Aは前後左右へ送り出す機能を有するのに対して、リフト用駆動ユニット47は下階用固定側駆動部ユニット14A側への送り出し方向が限定的である。しかしながら、この相違点を除けば、リフト用駆動ユニット47と下階用固定側駆動部ユニット14Aは殆ど同じであり、外枠などを共通の同じ構成にすると、図8の状態ではピット20の真上にも他の下階用固定側駆動部ユニット14Aを配置したかのようである。
リフト用駆動ユニット47の設置が完了すると、ピット20の上面側はリフト用駆動ユニット47によってほぼ塞がれた状態となる。しかも、リフト用駆動ユニット47と下階用固定側駆動部ユニット14A,14Bはほぼ同一構成で、同一レベルに配置されたことになる。このため、後に搬入されるトレーは、ピット20の上面と下階駐車部分15との間で移動させることが可能となる。また、リフト用駆動ユニット47としては、図4に示した下階用固定側駆動部ユニット14と同様にベース板75を有する構成とする。すると、駆動モータなどは存在しているが、作業者は、リフト用駆動ユニット47と下階用固定側駆動部ユニット14A,14Bを足場のように利用することが可能となる。
これによって、第一段階のステップS5Aとしてピット20の上面を塞ぐ工程が終了し、次いで、第二段階のステップS5Bとしてトレーを昇降部分9の下階用固定側駆動ユニット14A上に配置するトレー搬入および設置工程を行う。
図9は、トレーの搬入設置状態を示すピット付近の斜視図である。
作業者は、これまでの各作業と同様に下階駐車部分15に設置する複数枚のトレーをリフト開口部4の近傍に仮置きする。この時点までに制御盤、または制御盤に接続した作業用簡易操作装置を使用して、下階用固定側駆動部ユニット14Aおよびリフト用駆動ユニット47の駆動用モータ25を駆動制御しながら下階用固定側駆動部ユニット14Aまたはリフト用駆動ユニット47上にやがて配置されるトレーを循環移動できる状態になっている。
作業者は、図9に示したように電動チェーンブロック装置23に取り付けた吊り具48を使用して下階駐車部分15に配置するためにトレー5A,5Bの搬入作業を行う。先ず、図9に示したトレー5Bに先行してトレー5Aを電動チェーンブロック装置23により吊り上げて搬入し、その後、その下部に位置されているリフト用駆動ユニット47または下階用固定側駆動ユニット14A,14Bを作業用簡易操作装置によって駆動し、トレー5Aの位置をピット20の真上から下階駐車部分15におけるリフト装置からの送り出し方向に位置した下階用固定側駆動ユニット14A上に移動させる。次いで作業者は、図9に示したように電動チェーンブロック装置23に取り付けた吊り具48を使用して次のトレー5Bを吊り下げて搬入し、ピット20の真上のリフト用駆動ユニット47にトレー5Bを搭載する。
二枚目のトレー5Bが設置された時点で、ピット20の真上近傍に並置したトレー5A,5Bによる作業者のための作業用足場が形成される。つまり、本設用の構成要素であるトレー5A,5Bによってピット20の上部近傍に比較的大きな作業用の足場を得ることができる。
残りのトレーの搬入作業は、トレー5A,5Bと同様にその後に行い、続いてそれらの設置作業を行ってもよいが、取りあえず、二枚のトレー5Aおよびトレー5Bのみを搬入して、後述する図15に示した作業までの間のふさわしいタイミングで行っても良い。
次に、図1に示したステップS6では、リフト開口部4を通してトレー上に組立用揚重装置を搬入し、その後、その組立用揚重装置を用いて上階駐車部分17の床側となる上階用固定側駆動ユニット16を取り付ける上階用固定側駆動ユニット搬入据え付け工程を行う。
ここでステップS6は、ステップS6Aとしてトレー5B上に組立用揚重装置を搬入する工程と、ステップS6Bとして組立用揚重装置を用いて下階駐車部分15の床側にフレーム柱を樹立する工程と、ステップS6Cとして組立用揚重装置を用いて上階駐車部分17の床側となる上階用固定側駆動ユニット16を取り付ける上階用固定側駆動ユニット搬入据え付け工程に分けて説明する。
図10は、組立用揚重装置の搬入状態を示すピット付近の斜視図である。
先ず、作業者はステップS6Aとして、これまでと同様にリフト開口部4の近傍に仮置きされた組立用揚重装置51を電動チェーンブロック装置23によって吊り下げて下階駐車部分15のトレー5B上に搭載する。ここで、組立用揚重装置51の構成について説明する。
図11は、組立用揚重装置51を示す斜視図である。
組立用揚重装置51は、これ以降の作業工程で使用するためのものであり、ベース76上に、枠体で構成した固定枠部52と、この固定枠部52の四隅にそれぞれ構成されて上部に伸ばされたとき後述する上階用固定側駆動部ユニットを保持することができるように構成した複数の保持腕部53と、固定枠部52の両側、つまり図12に示すようにトレー5Bの長手方向にそれぞれが位置するように取り付けられた二台の折り畳み式のクレーン装置54,55と、固定枠部52の上部に載置された状態で後述する上階用固定側駆動部ユニットを保持することができるように構成した押し上げ式リフト装置等の持ち上げ装置56を有して構成されている。
作業者は、図10に示すようにクレーン装置54,55を折り畳んだ状態とした組立用揚重装置51を電動チェーンブロック装置23によって下階駐車部分15のトレー5B上に吊り降ろす。このとき、組立用揚重装置51の搬入および組み立て工程を行う作業者は、図10に示すように本設用のトレー5A,5B上で行うことができるので、仮設用の作業台を設置することなく簡単に行うことができる。また本設用の可動側トレー5A,5Bは四角形の板状であるため、作業者は床の感覚で安全に作業を行うことができる。その後、作業者は、ステップS6Bとして搬入した組立用揚重装置51を用いて下階駐車部分15の床側にフレーム柱を樹立する工程を行う。
図12は、フレーム柱の搬入状態を示すピット付近の斜視図である。
図12に示すように本設用のトレー5A,5B上に組立用揚重装置51を下ろした後、作業者は、電動チェーンブロック装置23を使用して、上階駐車部分17を構成させるために使用することになる複数本のフレーム柱19を搬入し、各フレーム柱19をトレー5A上に下ろす。このとき作業者は、上述した作業用簡易操作装置を使用してピット20の真上に位置するトレー5Bとトレー5Aを入れ替えたり、組立用揚重装置51におけるクレーン装置54,55を使用したりして、トレー5A上に複数本のフレーム柱19を載せて仮置きする。その後、作業者は下階駐車部分15で組立用揚重装置51を使用しながらフレーム柱19の据え付け工程を行う。
図13および図14は、フレーム柱19の据え付け作業開始状態および据え付け作業状態を示す組立用揚重装置51の斜視図である。
下階駐車部分15で作業者は、図13に示すように組立用揚重装置51を搭載した状態のトレー5Bと、各フレーム柱19を搭載した状態のトレー5Aを、上述した作業用簡易操作装置を使用して下階駐車部分15における適当な据え付け位置へと移動させる。その後、作業者は、図14に示すように組立用揚重装置51のクレーン装置54,55を伸ばし、クレーン装置54,55でフレーム柱19を吊り上げながら、下階用固定側駆動部ユニット14の四隅近傍に固定されている取り付けベース18にフレーム柱19の下端を固定する。
この作業を繰り返して、下階駐車部分15に配置されている全ての下階用固定側駆動部ユニット14の四隅近傍にそれぞれフレーム柱19を樹立する。ステップS6における途中、つまり図14に示したフレーム柱19の固定作業がピット20付近から離れている下階駐車部分15で行われているとき、または、ステップS6Cとして組立用揚重装置51を用いて上階駐車部分17の床側となる上階用固定側駆動ユニット16を取り付ける上階用固定側駆動ユニット搬入据え付け工程の前に、次に説明するステップS7を行う。
図3に示したステップS7では、リフト開口部4から三段目増設縦柱ユニットを吊り降ろし、既にピット20内に設置されている増設縦柱ユニット41A,41Bに三段目増設縦柱ユニットを溶接して縦柱増設工程を行う。
図15は、縦柱増設作業後の状態を示すピット付近の斜視図である。
上述したステップS6に並行して行われるステップS7では、電動チェーンブロック装置23を用いて、増設縦柱ユニット41A,41Bの上部にそれぞれ結合されることになる三段目増設縦柱ユニット58A,58Bの搬入作業が行われる。
三段目増設縦柱ユニット58Aは、図7に示した増設縦柱ユニット41Aの二段目の縦柱42A,43Aに結合されることになる三段目の縦柱59A,60Aと、三段目の縦柱59A,60A間を結合した三段目連結用横梁61Aなどを有している。三段目縦柱ユニット58Bも同様であり、増設縦柱ユニット41Bの二段目の縦柱42B,43Bに結合されることになる三段目の縦柱59B,60Bと、三段目の縦柱59B,60B間を結合した三段目連結用横梁61Bなどを有している。
次に、作業者は、二段目の縦柱42A,43Aの上端部と、三段目の縦柱59A,60Aの下端部間を溶接によって結合し、同様に、二段目の縦柱42B,43Bの上端部と、三段目の縦柱59B,60Bの下端部間を溶接によって結合する。このとき、三段目の縦柱59A,60Aの上端部と、三段目の縦柱59B,60Bの上端部は、上階駐車部分17において上階用固定側駆動ユニット16によって形成されることになる床面よりも少し上方部に位置するような長さに予め設定されている。
続くステップS6Cでは、リフト開口部4から上階用固定側駆動ユニット16を吊り降ろし組立用揚重装置51で受けてからトレー5Bを移動させながら上階用固定側駆動ユニット16を四本のフレーム柱19上に固定する上階用固定側駆動ユニットの搬入据え付け工程を行う。この上階用固定側駆動ユニット16は、図4で説明した下階用固定側駆動ユニット14と同一構成である。
先ず、作業者は、上階用固定側駆動部ユニット16を駐車装置建屋1の出入り口3から搬入してリフト開口部4の近傍に仮置きする。その後、先の作業工程の場合と同様に作業者は、電動チェーンブロック装置23を用いて仮置き状態の上階用固定側駆動部ユニット16の一つに玉掛けする。
一方、他の作業者は、トレー5B上に搭載している組立用揚重装置51のクレーン装置54,55の腕部を、図14に示した延ばした状態から図15に示すように折り畳んだ状態に戻し、再び、上述した作業用の簡易操作装置を使用して組立用揚重装置51を搭載したままトレー5Bをピット20の真上に対応する位置に移動させる。その後、作業者は、図14に示した固定枠部52の四隅にそれぞれ構成された四本の保持腕部53を上方へ伸ばし、また組立用揚重装置51の上部に構成された持ち上げ装置56を上方へと持ち上げて、その後に搬入される上階用固定側駆動部ユニット16を所定の高さで受け止められるようにする。このときの上階用固定側駆動部ユニット16は、フレーム柱19に接触することなく、トレー5Bを下階駐車部分15で容易に水平移動できる高さに保持されている。
次いで、作業者は、電動チェーンブロック装置23を操作しながら上階用固定側駆動部ユニット16を組立用揚重装置51の保持腕部53および持ち上げ装置56上に吊り降ろし、その後、電動チェーンブロック装置23を切り離す。次に、組立用揚重装置51および上階用固定側駆動部ユニット16を搭載した状態のトレー5Bを下階駐車部分15で移動する移動工程を行う。
図16および図17は、下階駐車部分15におけるトレー5Bの移動状態およびフレーム柱上に固定する作業状態を示す斜視図である。
図16に示した状態で、作業者は、上述した作業用簡易操作装置を使用してトレー5Bをピット20の真上の位置から下階駐車部分15の他の位置へと移動する。このとき、四本の保持腕部53と持ち上げ装置56によって上方部に持ち上げた上階用固定側駆動部ユニット16は、所定の高さに保持されているため、図16に示したように上階駐車部分17を構成するために既に立設しているフレーム柱19の上端部と接触しない高さに保持されている。
トレー5Bが所定の位置に達したとき、作業者は、図17に示すように組立用揚重装置51の各保持腕部53を下げて収納状態に戻し、上階用固定側駆動部ユニット16を持ち上げ装置56だけで支持した状態にする。その後、作業者は、持ち上げ装置56を操作して、ゆっくりと上階用固定側駆動部ユニット16を下げながらフレーム柱19の上部固定部62との対応位置に保持させ、この状態で両者を結合する。その後、作業者は、駐車スペースの上階駐車部分17に配置することになる他の上階用固定側駆動部ユニット16の数に応じて、図15から図17で説明した作業を繰り返す。
その後、作業者は、下階駐車部分15に配置された下階用固定側駆動部ユニット14の場合と同様に、この時点までに制御盤、または制御盤に接続した作業用簡易操作装置を使用して、上階用固定側駆動部ユニット16の駆動用モータを駆動制御しながら上階用固定側駆動部ユニット16上にその後に配置されるトレーを循環移動できる状態にする。
このように組立用揚重装置51としては、クレーン装置54,55と持ち上げ装置56を有した一体型として構成すると共に、トレー5B上に搭載して使用するようにしているため、トレー5Bをピット20の真上と下階駐車部分15の間で移動させながら、複数の上階用固定側駆動部ユニット16をフレーム柱19に固定して駐車スペースの上階駐車部分17を構成することができる。しかも、ステップS6で示した上階駐車部分17の組み立て工程中に、組立用揚重装置51を解体することもなく、他の作業台と入れ替えることもないので、作業は簡単で短時間に行うことができる。
次いで、図3に示したステップS8では、リフト開口部4を通して上階駐車部分17に搬入したトレーを上階用固定側駆動ユニット16上で移動可能に配置してトレーを作業足場とする工程を行う。
図18は、トレー搬入に先立つ作業状態を示すピット付近の斜視図である。
作業者は、電動チェーンブロック装置23を操作しながら使用済みとなった組立用揚重装置51を吊り上げてリフト開口部4から回収する。その後、作業者は、図8で使用していたリフト用駆動ユニット47の位置の変更を行う。先ず、作業者は、電動チェーンブロック装置23を操作しながらリフト用駆動ユニット47を下階駐車部分15からピット20の真上へと吊り上げ、上階駐車部分17において幅方向の両側に既に設置されている上階用固定側駆動ユニット16A,16B間で、ほぼ同じレベルとなるように固定する。
リフト用駆動ユニット47の移動が完了すると、上階用固定側駆動ユニット16A,16B間はリフト用駆動ユニット47によってほぼ塞がれた状態となる。しかも、図8で説明したようにリフト用駆動ユニット47は、下階用固定側駆動ユニット14Aとほぼ同一構成であり、同じ理由で上階用固定側駆動部ユニット16Aともほぼ同一構成である。少なくとも外枠構成は同一であり、リフト用駆動ユニット47と上階用固定側駆動部ユニット16A,16Bは、同一レベルに配置されると、後に上階駐車部分17に搬入されるトレーは、リフト用駆動ユニット47と上階用固定側駆動ユニット16A,16Bの間で受け渡しのために移動可能となる。また、上述したようにリフト用駆動ユニット47と上階用固定側駆動部ユニット16A,16Bの上面側は、駆動モータなどは存在しているが、作業者が足場のように利用することが可能となる。
次いで作業者は、リフト用駆動ユニット47よりも上方に突出している三段目増設縦柱ユニット58A,58Bの構造上の特徴を生かして、三段目の縦柱59A,59B間と、三段目の縦柱60A,60B間にそれぞれ親綱ロープ63を固定する。また親綱ロープ63に作業車の安全ロープ64をスライド自在に結束してから、上階用固定側駆動部ユニット16上でのその後の作業、つまり、上階駐車部分17へのトレーの搬入設置作業を行う。
上述したように三段目増設縦柱ユニット58A,58Bにおける三段目の縦柱59A〜60Bの上端は、上階駐車部分17を構成する上階用固定側駆動部ユニット16A,16Bよりも少し上方まで延びている。このため、上階用固定側駆動部ユニット16A,16Bよりも突出した三段目増設縦柱ユニット58A,58Bを活用して親綱ロープ63を固定することができる。このとき、複雑な作業用の足場を組んだり、親綱ロープ63を張るために新たに強固な構造物を追加したりする必要がないので、作業は簡単で、据え付け作業全体に要する時間も短縮することができる。
図19は、トレーの搬入設置状態を示すピット付近の斜視図である。
作業者は、これまでの各作業と同様に上階駐車部分17に設置する複数枚のトレーをリフト開口部4の近傍に仮置きする。この時点までに制御盤、または制御盤に接続した作業用簡易操作装置を使用して、上階用固定側駆動部ユニット16A,16Bの駆動用モータ25を駆動制御しながら上階用固定側駆動部ユニット16A上にやがて配置されるトレーを循環移動できる状態になっている。
作業者は、図19に示したように電動チェーンブロック装置23に取り付けた吊り具48を使用して上階駐車部分17に配置するためにトレー5L,5Mの搬入作業を行う。先ず、図19に示したトレー5Mに先行してトレー5Lを電動チェーンブロック装置23により吊り上げて搬入し、その後、上述した作業用簡易操作装置を使用してトレー5Lの下部に位置されているリフト用駆動ユニット47の駆動用モータを駆動し、トレー5Lをピット20の真上から、上階駐車部分17におけるリフト装置からの送り出し方向に位置している上階用固定側駆動部ユニット16A上へと移動する。
次いで、作業者はトレー5Lを作業用の足場として利用しながら、同様に電動チェーンブロック装置23に取り付けた吊り具48を再び使用して次のトレー5Mを吊り下げて搬入し、ピット20の真上に配置されているリフト用駆動ユニット47上にトレー5Mを搭載させ、その後、トレー5Mをリフト用駆動ユニット47上から上階用固定側駆動部ユニット16B上に設置する。
その後、作業者は、このトレー5L,5Mを作業用の足場として利用しながら近傍に既に樹立されている各フレーム柱19の上端部にスタンド66を固定し、各スタンド66間に親綱ロープ63を張り代え、親綱ロープ63に作業車の安全ロープ64をスライド自在に結束してから、その後の作業を行うようにする。
この安全対策を行ってから、作業者はトレー5Lを作業用の足場として利用しながら、同様に電動チェーンブロック装置23に取り付けた吊り具48を再び使用して次のトレー5Nを吊り下げて搬入し、ピット20の真上に配置されているリフト用駆動ユニット47上にトレー5Mを搭載する。
三枚のトレー5L〜5Nが設置された時点で、ピット20の真上近傍に並置したトレー5L〜5Nによって作業者のための作業用足場が形成される。つまり、本設用の構成要素であるトレー5L〜5Nによってピット20の真上近傍に比較的大きな作業用の足場を得ることができる。
残りのトレーの搬入作業は、トレー5L〜5Nと同様に行い、続いてそれらの設置作業を行ってもよいが、取りあえず、三枚のトレー5L〜5Nのみを搬入して、後述する図21に示したステップS9の作業までのふさわしいタイミングで行っても良い。これらの作業によって、トレーを作業足場とする工程が完了する。
続く、図3に示したステップS9では、リフト開口部4から各縦柱7A〜8Bを完成させるための最上段縦柱ユニットを搬入し、既に増設されている部分の上に結合して、所定高さの四本の縦柱7A〜8Bを完成させる増設工程を行う。
図20および図21は、最上段縦柱ユニットの搬入初期状態および据え付け中期状態を示すピット近傍の斜視図である。
この工程で作業者は、先ず、リフト開口部4の近傍に最上段縦柱ユニット67A,67Bを仮置きし、その最上段縦柱ユニット67Bに玉掛けし、次いで、図20に示すように電動チェーンブロック装置23を操作しながら最上段縦柱ユニット67Bを一旦、トレー5N上に仮置きする。
最上段縦柱ユニット67Bは、図15に示した三段目増設縦柱ユニット58Bの三段目の縦柱59B,60Bに結合されることになる最上段縦柱68B,69Bと、最上段縦柱68B,69B間を結合した最上段連結用横梁70Bと、最上段連結用横梁70Bに可回転的に取り付けられた一対のスプロケット71Bと、各スプロケット71Bと図6に示した各スプロケット34B間に掛けられるチェーン72などを有している。図21に示した最上段縦柱ユニット67Aも同様の構成であり、ここでの詳細な説明は省略する。
次いで作業者は、トレー5M上に仮置きされている最上段縦柱ユニット67Bのスプロケット71Bにチェーン72を掛けて状態保持させ、図21に示すように電動チェーンブロック装置23を使用しながら最上段縦柱ユニット67Bを吊り上げる。その後、作業者は三段目縦柱ユニット58B上に最上段縦柱ユニット67Bを載せた状態にし、三段目縦柱ユニット58Bにおける三段目の縦柱59B,60Bの上端と、最上段縦柱ユニット67Bにおける最上段縦柱68B,69Bの下端間を溶接によって結合する。これによって、図1および図2に示した縦柱7A〜8Bは所定の軸長を有するものになる。作業者は、図21に示した最上段縦柱ユニット67Aについても同様の作業を行う。
最後に、ステップS10として、残りのその他の工程を行う。
その後、作業者は、電動チェーンブロック装置23を使用してピット底面に仮置きされていたリフト台46を所定の高さに吊り上げた状態を保持させ、リフト台46を完成された縦柱7A〜8Bに取り付けると共に、チェーン72の一端を結合する。次いで、作業者は、仮置きしていたウェイトにチェーン72の他端を結合する。また、図21に示した親綱ロープ63などを搬出すると、駐車装置の据え付けが完了する。
以上の詳細な説明から分かるように、四本の縦柱7A〜8Bを最初から所定長さで構成すると、リフト開口部4を通してピット20内や、下階駐車部分15および上階駐車部分17へと構成要素を搬入するときの空間部を狭くしてしまう。しかし、上述したように四本の縦柱7A〜8Bを所定の条件で分割し、それらをふさわしいタイミングで搬入しながら増設すると、リフト開口4からの空間部を狭くすることなく十分な搬入スペースを確保することができ、また大掛かりな作業用の足場を建設することなく、しかも、効率的な据え付け工程手順を確立して、全体としても簡単で据え付け作業時間を短縮することができるようになる。
尚、上述した実施例では、地下に据え付ける駐車装置の例を示したが、地上または地下と地上の両方にわたって据え付けられる駐車装置にも適用出来るものである。また、上述した実施例では、下階駐車部分15と上階駐車部分17の二階分によって格納スペースを形成しているが、上階駐車部分17の上方に第三の格納スペースを有する構成においても適用することができる。
また、組立用揚重装置51やフレーム柱19の搬入作業のために使用するトレー5A,5Bは、必ずしも本設用ではなく類似形状の作業用可動側トレーを使用しても良い。作業用トレーを使用した場合は、先ず、使用を終えた作業用トレーの搬出を行った後に、対応する枚数の本設用トレーの搬入を行う。
また、上述した実施の形態では、ピット20の裏側にも下階用固定側駆動ユニット14Bや、上階用固定側駆動ユニット16Bおよびトレー5Mを配置した構成としたが、ピット20の裏側を据え付けのために使用しない駐車装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した実施の形態では、組立用揚重装置51を使用しているため、全体としての据え付け工程を簡素にすることができるが、少なくとも1台のクレーン装置を備えた組立用揚重装置51を使用したり、類似の構成の装置を使用したりしても、同様の効果を得ることができる。
さらに上述した実施例では、図7に示した時点で増設縦柱ユニット41A,41Bを既に設置されている最下段縦柱ユニット32A,32Bの上に溶接し、図15に示した時点で増設縦柱ユニット58A,58Bを既に設置されている増設縦柱ユニット41A,41Bに溶接し、最後に、図21に示した時点で最上段縦柱ユニット66A,66Bを既に設置されている増設縦柱ユニット58A,58Bに溶接して四段構成とした。しかし、これに限定するものではなく、上階駐車部分17の据え付けに先立って、図18から図21に示したように、三段目の縦柱59A,60Aの上端部と、三段目の縦柱59B,60Bの上端部を、上階駐車部分17において上階用固定側駆動ユニット16によって形成されることになる床面よりも少し上方部に位置するような長さに予め設定されていれば良い。
以上説明したように本発明による駐車装置の据え付け方法は、リフト開口部4とピット20間に配置された四本の縦柱7A〜8Bに沿って昇降可能なリフト装置6と、ピット20内に各縦柱7A〜8Bの下端部とリフト装置6を駆動するために配置されたピット内リフト駆動系と、駐車車両の格納スペースとなる下階駐車部分15および上階駐車部分17と、下階駐車部分15と上階駐車部分17の床側にそれぞれ配置した複数の下階用固定側駆動ユニット14および上階用固定側駆動ユニット16と、下階用固定側駆動ユニット14および上階用固定側駆動ユニット16によって循環移動可能に配置された複数のトレー5を備え、電動チェーンブロック装置23を設置する据え付け準備工程後に、電動チェーンブロック装置23を用いてリフト開口部4から下階駐車部分15および上階駐車部分17を構成する部品を搬入して据え付けを行う駐車装置の据え付け方法において、四本の縦柱7A〜8Bは、その軸方向に複数に分割されて構成され、かつ、据え付けに従って順次結合し、下階駐車部分15の据え付け後における時点での上端部は、上階駐車部分17における上階用固定側駆動ユニット16によって形成されることになる床面よりも少し上方部に位置するようにし、上階駐車部分17におけるピット20の真上と、それに隣接してリフト装置6からの送り出し方向に同じレベルで本設用のトレー5L,5Mを配置し、その後、据え付けを行う作業者はトレー5L,5M上を作業用の足場として利用しながら、トレー5L,5Mよりも上方に突出した四本の縦柱7A〜8Bの上端部に最上段縦柱ユニットを結合して所定高さの四本の縦柱7A〜8Bを完成させる増設工程を行うことを特徴とする。
このような駐車装置の据え付け方法によれば、本設用のトレー5L,5M上を作業用の足場として利用することができるので、一般的な複雑な作業用足場を組んだりする必要がなく、またトレー5L,5Mよりも上方に突出した四本の縦柱7A〜8Bの上端部を利用して親綱ロープ63を張り、この親綱ロープ63に作業車の安全ロープ64をスライド自在に結束してから、その後の作業を行うことも可能になるので、親綱ロープ63を張るために新たに強固な構造物を追加したりすることなく、簡単な構成で作業者の安全を確保しながら、据え付け作業全体に要する時間も短縮することができるようになる。
また本発明は上述の構成に加えて、最終的にリフト台46と共に各縦柱7A〜8Bに沿って昇降する昇降部分9を構成することになる本設用のリフト用駆動ユニット47をピット20の真上の上階駐車部分17における床側に対応する高さで配置し、リフト用駆動ユニット47に隣接して配置された上階駐車部分17の上階用固定側駆動部ユニット16Aと、リフト用駆動ユニット47の上部にそれぞれトレー5L,5Mを搭載配置したことを特徴とする。
このような駐車装置の据え付け方法によれば、本設用のリフト用駆動ユニット47を利用してトレー5Mを支持しているため、特別の構造物を追加して複雑化させることなく、本設用のトレー5L,5Mを作業者のための作業用の足場を簡単に得て、作業者の安全性を高めることができる。
また本発明は上述の構成に加えて、本設用のリフト用駆動ユニット47と、下階用固定側駆動ユニット14および上階用固定側駆動ユニット16は、同じ外枠構成としたことを特徴とする。
このような駐車装置の据え付け方法によれば、上階用固定側駆動ユニット16と本設用のリフト用駆動ユニット47を容易に同じレベルに配置することができ、組立作業中に手レーを、本設用のリフト用駆動ユニット47から上階用固定側駆動ユニット16へと容易に受け渡すことができる。