Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP6905744B2 - 導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP6905744B2 - 導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物 - Google Patents

導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6905744B2
JP6905744B2 JP2017123112A JP2017123112A JP6905744B2 JP 6905744 B2 JP6905744 B2 JP 6905744B2 JP 2017123112 A JP2017123112 A JP 2017123112A JP 2017123112 A JP2017123112 A JP 2017123112A JP 6905744 B2 JP6905744 B2 JP 6905744B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
powder
treated
resin
treated powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017123112A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018016790A (ja
Inventor
知徳 小坂
知徳 小坂
裕紀 宮井
裕紀 宮井
瀧山 成生
成生 瀧山
坂口 茂
茂 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruo Calcium Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruo Calcium Co Ltd filed Critical Maruo Calcium Co Ltd
Publication of JP2018016790A publication Critical patent/JP2018016790A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6905744B2 publication Critical patent/JP6905744B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物に関し、更に詳しくは、ゴム、プラスチック、フィルム、シーリング材、接着剤、塗料、プラスチゾルなどの樹脂に配合された組成物中に導電経路を形成し、導電性、帯電防止機能を有するだけでなく、白色性または透明性を可能にし、かつ粉体本来がもつ分散性、樹脂との相溶性、補強性、柔軟性、軽量化機能等を有する導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物に関する。
現在、携帯電話、パソコン、タブレット端末、プリンター等の通信機器の普及はめざましいものがあり、世界中で大量に使われ、業務上だけでなく日常生活においてもなくてはならない存在として認知されている。これら情報端末に使用されるタッチパネルは、操作性を向上させるために導電性機能を持った素材、原料の存在が不可欠である。またプリンターに使用されるOAゴムロールは、紙送り性を損なわずにスムーズに印刷転写させるには均一な導電性機能を持った素材、原料が使われている。これらの導電性機能を発揮させる素材、原料として、インジウムスズ酸化物(ITO),インジウム亜鉛酸化物(IZO), 銀粉、銅粉末をドーピングした酸化亜鉛等の金属酸化物粉体が使われている。たとえば、画像表示装置の前面に配置された画像表示装置と一体型の入力スイッチとして用いられるタッチパネルセンサーにインジウムスズ酸化物やインジウム亜鉛酸化物を用いられており長期耐久性を発揮することが紹介されている(特許文献1)。
しかしながら、ITOやIZOなどのインジウム系酸化物は安定した導電性機能を発揮し実績のある原料であるが、レアアースと言われる天然資源であるため資源の枯渇が懸念され長期的に供給できるかという問題を抱えている。また、23℃常温下でのこれらの素材の真比重は、ITO(7.1g/cm3 )、IZO(6.3g/cm3 )、銀粉(5.0〜10.5)、銅粉(5.9)と非常に大きいため、これらを含有した樹脂組成物の比重も大きくなり、その結果、硬度も大きくなり柔軟性、耐衝撃性に支障をきたす場合がある。また、分散性、引張特性が低下するとともに非常に高価であるため汎用的に使うことが制限される。
また、電子回路基板上の接着素子として鉛系はんだ等が用いられていたが、基板の材質が樹脂に代わることにより銀粉、銀めっき粉等の金属粉を用いた導電性接着剤が報告されている(特許文献2)。しかしながら、これらの金属粉の導電性機能はITOやIZOに近いが、銀粉も比較的高価なうえ高比重なため接着剤中で沈降分離することがあり、また金属微粉末は吸入すると人体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるので取扱い上の課題がある。
また、画像形成装置の熱転写ローラ等に適用でき、トナーの転写ムラ等の画像不良を低減させる目的で導電性ゴムロールスポンジが使用されているが、導電性を付与する導電性粉体としてカーボンブラックが使用されている(特許文献3)。しかしながら、カーボンブラックは導電性金属化合物に比べると真比重も小さく、原料コスト的には有利ではあるものの、カーボンブラックの原料色調が黒色であるため、透明性、白色性などの組成物の色調に制約を受けたり配合割合によって導電性のムラが生じる課題がある。
また、導電性ゴム組成物、樹脂組成物において導電性酸化亜鉛が白色度が高く、着色可能な導電性無機粉体として紹介されている(特許文献4)。しかしながら、色調における制約はなくなるものの、酸化亜鉛自身の比重が5.4と大きく、また樹脂組成物として硬くなる傾向があるため、情報端末の軽量化や樹脂組成物の耐衝撃性に支障をきたす場合がある。
また、炭酸カルシウム、ケイ酸塩鉱物に、下記の一般式(I)
Figure 0006905744
(式中、R1 は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金属、アンモニウム又はアミン)で表される構造単位を有する重合体で表面処理したことを特徴とする導電性無機粉体が紹介されている(特許文献5)。
しかしながら、これらの導電性無機粉体は、白色系で着色性に制約がなく真比重も大きくない特徴があるが、上記の重合体で表面処理したものは導電性レベルが低く、かつ樹脂組成物にした場合、長期的な導電性、帯電防止効果が得られない。
また、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールから選ばれる導電性高分子をアゾ化合物等のラジカルで化学処理した変成導電性高分子を樹脂に含んだ組成物が、抵抗値にばらつきがなく安定した導電性を付与させると報告されている(特許文献6)。しかしながら、これらの導電性高分子は、樹脂中に連続的に結合した状態で導電経路を形成するいわゆるパーコレーション構造をとることで導電機能を発揮するのに対し、シリカ、タルク等の補強性のある充填剤は絶縁性のため、少量でもこれらの充填剤が配合されると導電性高分子の導電経路を失い急激に導電性能が低下するという問題がある。そのため、導電性機能を損なわずに補強効果を上げるには、絶縁性の充填剤は配合できず、ITO,IZO、銀粉、銅粉などの高比重の金属酸化物粉体を用いるか、黒色のカーボンブラックを配合することになるため、導電性高分子を用いる特徴が失われる。もしくは、補強性のある充填剤を配合しない組成物に限定されてしまうため、この場合も導電性高分子の特徴が制限される。
特開2012−118814号公報 特開2015−189860号公報 特開2012−155263号公報 特開2004−83614号公報 特開平6−107963号公報 特開2006−169291号公報
炭酸カルシウム、リン酸カルシウムに代表されるカルシウム化合物、酸化チタンに代表されるチタン化合物、水酸化マグネシウムに代表されるマグネシウム化合物及びシリカに代表されるケイ素化合物等の無機粉体は、ゴム、プラスチック、フィルム、シーリング材、接着剤、塗料、プラスチゾルなどの樹脂に最も多く配合され、分散性、白色性、補強性、柔軟性等の機能を発揮する樹脂組成物として長年の実績があり広く使われている。また、最近ではアクリル樹脂バルーン、ポリメタクリレート系樹脂などの樹脂ビーズ、塩ビパウダー等の有機粉体が樹脂組成物を軽量化したり、柔軟性を付与する目的で使用される割合が非常に多くなってきている。
しかしながら、これらの粉体は通常絶縁性であり、これらの粉体を配合して導電性機能を持った樹脂組成物にするには、導電性機能をもった黒色系のカーボンブラックや、インジウム、スズ、銀、銅、亜鉛、アンチモン等の無機金属化合物等の導電性物質を多量に使用して対応せざるを得ない状況にある。また、カルシウム化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物等の無機粉体を含んだ樹脂組成物、もしくは、アクリル樹脂バルーン、ポリメタクリレート系樹脂などの樹脂ビーズ、塩ビパウダー等の有機粉体を含んだ樹脂組成物中に、導電性物質を配合しただけでは導電経路を形成させるのに必要なパーコレーション構造をとることができず、十分な導電性を示さないうえ、分散機能に支障をきたしてしまう。
本発明は、かかる実情に鑑み、上記従来技術の問題の少なくとも1つを解決し、ゴム、プラスチック、フィルム、シーリング材、接着剤、塗料、プラスチゾルなどの樹脂に配合された組成物中に当該粉体の分散によって導電経路を形成すべきパーコレーション構造をとることができ、導電性、帯電防止機能を有するだけでなく、白色性、または透明性を可能にし、かつ粉体本来がもつ分散性、樹脂との相溶性、補強性、柔軟性、軽量化機能を有する導電性表面処理粉体填料、及び該填料を含有する樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記課題の解決を目的として鋭意検討を重ねた結果、白色系の無機粉体、白色系の有機粉体から選択される少なくとも1種の粉体(A)の粒子の表面に、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤を有する表面処理粉体(B)の被覆層を有する表面処理粉体が上記課題の少なくとも1つを解決することを見い出し本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1 種の粉体(A)の粒子の表面にπ 共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤(B)の被覆層を有する表面処理粉体であって、下記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする導電性表面処理粉体填料である。
(1) Dio≦4.3
(2) 0.12≦As≦8.4[mg/m2 ]
但し、
Dio:表面処理粉体の真比重[g/cm3]
As :下記式で求められる表面処理粉体の単位比表面積あたりのπ 共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量
As=Tgx/Sw
Tgx:表面処理粉体1gあたりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量[mg/g]
Sw : 表面処理粉体のBET比表面積[m 2/g]
本発明の他の特徴は、表面処理粉体が白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体(A)の水スラリーと、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンからなる表面処理剤(B)を含有する分散液とを混合撹拌してなる導電性表面処理粉体填料である。
本発明の他の特徴は、白色系無機粉体が、カルシウム化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物及びアルミ化合物からなる群より選択される少なくとも1 種である導電性表面処理粉体填料である。
本発明の更に他の特徴は、白色系有機粉体が、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂及び木質系粉末からなる群より選択される少なくとも1 種である導電性表面処理粉体填料である。
本発明の更に他の特徴は、π 共役系導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール及びポリフルオレンからなる群から選択される少なくとも1 種である導電性表面処理粉体填料である。
本発明の更に他の特徴は、ポリチオフェンが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である導電性表面処理粉体填料である。
本発明の更に他の特徴は、ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸及びポリアクリルアミドスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である導電性表面処理粉体填料である。
本発明の更に他の特徴は、体積抵抗率が10 8Ω・cm以下である導電性表面処理粉体填料である。
本発明の上記導電性表面処理粉体の製造方法の特徴は、白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体(A)の水スラリーと、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンからなる表面処理剤(B)を含有する分散液とを混合撹拌することにより、前記粉体(A)の粒子を表面処理することを特徴とする導電性表面処理粉体填料の製造方法である。
本発明の更に他の特徴は、導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性樹脂組成物である。
本発明の更に他の特徴は、導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性ゴム組成物である。
本発明の更に他の特徴は、導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性フィルム組成物である。
本発明の更に他の特徴は、導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性シーリング組成物である。
本発明の更に他の特徴は、導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性接着剤組成物である。
本発明の更に他の特徴は、導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性塗料組成物である。
本発明の更に他の特徴は、導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性プラスチゾル組成物である。
本発明の導電性表面処理粉体填料は、ゴム、プラスチック、フィルム、シーリング材、接着剤、塗料、プラスチゾルなどの樹脂に配合された組成物中に当該填料の分散によって導電経路を形成すべきパーコレーション構造をとることができる。したがって、導電性機能を付与させるだけでなく、本来の粉体の特徴である白色度が高いことから着色性に優れ、透明性を可能にし、黒色系以外の導電性樹脂組成物を得ることができる。また、他のインジウム、スズ、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、アンチモン等の無機金属化合物を含んだ金属粉体に比べて分散性に優れており、真比重も小さいことから、添加量を多くすることができるので十分な導電性効果が得られ、かつ粉体本来がもつ補強機能、導電性ポリマーがもつ高伸長等の柔軟性機能、軽量化機能を有する樹脂組成物を得ることができる。
本発明は、白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体(A)の粒子の表面にπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤(B)の被覆層を有する表面処理粉体であって、下記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする導電性表面処理粉体填料である。
(1) Dio≦4.3
(2) 0.12≦As≦8.4[ mg/m2 ]
但し、
Dio:表面処理粉体の真比重[ g/cm3 ]
As :下記式で求められる表面処理粉体の単位比表面積あたりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量
As=Tgx/Sw
Tgx:表面処理粉体1gあたりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量[ mg/g]
Sw :表面処理粉体のBET比表面積[ m2 /g]
本発明において、粉体(A)としての白色系無機粉体及び白色系有機粉体の白色系とは、斯界において、通常用いられる程度の白色度を指称するが、例えば、日本電色株式会社製カラーメーターZE−200にて測定したL値では、粉体としては85以上、樹脂組成物としては80以上のものが望ましい。
本発明において、上記粉体(A)の粒子表面に上記表面処理剤(B)の被覆層を有する表面処理粉体の真比重Dioは4.3g/cm3 以下であることが必要である。真比重Dioが4.3g/cm3 を超えると、例えば樹脂に配合した場合に樹脂組成物の重量が大きくなり軽量化が達成できないため、添加量を抑制せざるを得ず、その結果、十分な導電性を付与した樹脂組成物を得ることが困難となる。また、硬度も大きくなるので柔軟性や耐衝撃性が低下するとともに、分散性が低下するので引張特性等も低下する。
尚、粉体(A)の真比重と、表面処理剤(B)の被覆層を有する表面処理粉体の真比重との差は無視できるほどの僅かな差であり、実質的に同じと見做して差し支えない。従って、所望の真比重を有する表面処理粉体を得るには、該真比重を有する粉体(A)を選択すればよい。
真比重が4.3g/cm3 以下であって樹脂組成物に最も多く使用されている白色系無機粉体として炭酸カルシウム(真比重2.7g/cm3 )があげられる。炭酸カルシウムには、天然炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム)及び合成炭酸カルシウムがある。天然炭酸カルシウムは、糖晶質石灰石から直接製造されるもので、例えば、糖晶質石灰石原石を機械的に粉砕・分級することにより製造することができる。合成炭酸カルシウムは、緻密質石灰石を用いてキルン等の焼成炉で焼成して酸化カルシウムにして、水にて消化して水酸化カルシウムにしてから製造されるもので、例えば、水酸化カルシウムを炭酸ガスと反応させることによって製造することができる。一般的に緻密質石灰石を用いて合成したものは立方体状のコロイド炭酸カルシウムで粒子形状が比較的均一なカルサイト結晶を得ることができる。また水酸化カルシウムの温度条件を変更しマグネシウム化合物、ストロンチウム化合物、リン化合物などの添加剤を加え、この水酸化カルシウムを炭酸ガスと反応させると針状の炭酸カルシウムでアラゴナイト結晶を得ることができる。
炭酸カルシウムは、天然炭酸カルシウムでも合成炭酸カルシウムのいずれにおいても導電性機能を発揮させることができる。しかしながら、本発明の導電性表面処理粉体填料を安定的に機能発揮させるには、粉体表面にπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤で表面処理することによって樹脂組成物中に粉体どうしが連なって導電経路を形成させる構造(パーコレーション構造)を存在させやすい合成炭酸カルシウムがより好ましい。粉体の大きさについては、コロイド炭酸カルシウムの場合、BET比表面積が3〜100m2 /gが好ましい。BET比表面積Swが3m2 /g未満であると、導電性機能は得られるがコロイド炭酸カルシウムの増粘効果、補強効果が十分に得られなくなる傾向がある。また、BET比表面積Swが100m2 /gを超えると、1次粒子どうしが凝集してしまい樹脂中で分散不良となり導電性機能を十分に発揮できなくなる傾向がある。
また、他の合成炭酸カルシウムとしてアラゴナイト炭酸カルシウム(真比重2.9g/cm3 )がある。粒子の大きさについては、長径0.1〜50μm程度、短径0.01〜5μm程度、アスペクト比3〜50程度のアラゴナイト針状結晶であることが好ましい。立方体粒子の炭酸カルシウムに比べ、針状粒子は、粒子どうしが連なって導電経路を形成させる構造(パーコレーション構造)をよりとりやすい傾向がある。BET比表面積で言えば、2〜30m2 /gであることが好ましい。BET比表面積Swが2m2 /g未満であると、導電性機能は得られるが増粘性、補強性が得られなくなる傾向がある。また針状炭酸カルシウムの特徴である分散性機能を失なう傾向がある。また、BET比表面積Swが30m2 /gを超えると、針状結晶が凝集して吸着してしまい、導電性を付与するための表面処理剤が十分被覆処理できなくなって導電性機能を十分に発揮できなくなる傾向がある。
また、他のカルシウム化合物の白色系無機粉体として、リン酸カルシウム( 真比重3.1g/cm3 ) があげられる。リン酸カルシウムは、湿式法、熱水法、および乾式法と呼ばれる方法が用いられ、工業的に最も大量に生産する場合は湿式法で合成される。常温下で水酸化カルシウムスラリーにリン酸を滴下して合成する沈殿法や、リン酸水素カルシウムニ水和物に炭酸カルシウムとを反応させる加水分解法等があるが、いずれの合成法で得られたリン酸カルシウムでもよい。また、得られたリン酸カルシウムがヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4 6 (OH)2 を含んでいてもよいが、10%未満の含有率が望ましい。粒子の大きさについては、BET比表面積が5〜80m2 /gであることが好ましい。BET比表面積Swが5m2 /g未満であると、導電性機能は得られるものの十分なチキソ性、補強性を付与することが困難になる場合があり、樹脂組成物の作業効率を低下させる場合がある。また、BET比表面積Swが80m2 /gを超えると、表面を被覆するために必要な表面処理剤量が多くなり樹脂組成物の強度が低くなりすぎる場合がある。さらには、1次粒子どうしが凝集して樹脂中で分散不良となり導電性機能を発揮できなくなる場合がある。
また、他の白色系無機粉体としてケイ素化合物があり、その中でもシリカ(真比重1.6g/cm3 )があげられる。特にケイ酸ソーダと硫酸との反応、もしくはケイ酸ソーダを塩化マグネシウムなどの塩類と反応させてケイ酸塩を生成させ、さらに硫酸または炭酸ガスで分解して合成させる湿式合成シリカ、もしくは気化させた四塩化ケイ素と水素を混合したものを1600〜2000℃にて空気中で燃焼させて合成させる乾式合成シリカが好ましい。粒子の大きさについては、上記の製造技術の進歩によりより高微粒子化設計できるようになったが、BET比表面積が40〜300m2 /gであることが好ましい。BET比表面積Swが40m2 /g未満であると、導電性機能は得られるものの十分なチキソ性を付与することが困難になる場合があり、樹脂組成物の作業効率を低下させる場合がある。また、BET比表面積Swが300m2 /gを超えると、表面を被覆するために必要な表面処理剤量が多くなり樹脂組成物の強度が低くなりすぎる場合がある。さらには1次粒子どうしが凝集してしまい樹脂中で分散不良となり導電性機能を十分に発揮できなくなる場合がある。
一方、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤で表面処理することができれば有機粉体にも応用することができる。真比重が4.3g/cm3 以下であって樹脂組成物に多く使用されている白色系有機粉体としてアクリル樹脂バルーン( 真比重0.1〜0.3g/cm3 ) があげられる。液状の低沸点炭化水素を熱可塑性高分子殻(シェル)で包み込んだマイクロカプセルを加熱することで、高分子の殻が軟化し、中の液状炭化水素が気体に変化するため、その圧力でカプセルが膨張した粒子を得て製造される。この特性を応用し、熱膨張性マイクロカプセルは、さまざまな樹脂組成物の軽量化目的、柔軟性付与目的で近年様々な分野で使用されている。
核となる樹脂は、アクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等の樹脂の微粒子で、架橋タイプ、非架橋タイプなどがある。粒子の大きさとしては、BET比表面積Swが1〜10m2 /gであることが好ましい。BET比表面積Swが1m2 /g未満であると、BET比表面積計で測定不可能で、また、上記表面処理剤量が調整しにくくなり、導電性機能が得られにくくなる。また、BET比表面積Swが10m2 /gを超えると、当樹脂バルーンを製造することが困難となり、2次凝集を起こし導電ムラを生じることがある。
真比重4.3g/cm3 以下の白色系無機粉体及び白色系有機粉体としては上記したものに限定されない。他の白色系無機粉体としては、マグネシウム化合物として水酸化マグネシウム(真比重 2.4)、マグネシウム炭酸塩(約2.9)、塩基性炭酸マグネシウム(約2.9)、タルク(2.7)、ケイ酸化合物として、石英粉(2.2)、珪石粉(3.2)、微粉珪酸(1.2)、微粉末珪酸カルシウム(2.9)、セリサイト(2.7)、雲母(2.8〜3.2)、ベントナイト(2.6)、ネフェリンサイナイト(2.6)、セピオライト(2.3)、ワラストナイト(2.9)、ゾノトライト(3.0)、チタン酸カリウム(3.3〜3.6)、ガラス繊維(2.1〜2.6)、シラスバルーン(0.2〜1.5)、フライアッシュバールン(0.7)、ガラスバルーン(0.2)、シリカビーズ、ガラスビーズ(2.5)アルミニウム化合物として微粉珪酸アルミニウム(2.6)、カオリンクレー(2.6)、タルク(2.7)水酸化アルミニウム(2.4)、アルミナビーズ(3.6)、チタン化合物として酸化チタン(3.8〜4.3)、チタン酸カリウム(3.3〜3.4)などが挙げられる。尚、上記の括弧内の真比重は、単位g/cm3 が省略されている。
他の白色系有機粉体としては、ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールM,ビスキシノールP,ビスフェニルヒドロキシフェニルメタンなどのフェノール樹脂(真比重 1.2〜2.1)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素などのフッ素樹脂(1.6〜2.2)、ポリスチレン樹脂(1.1)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエチレン樹脂(0.90〜1.05)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル樹脂(1.0〜1.4)、芳香族ポリイミドやピロメリット酸無水物と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテルとの重合物などのポリイミド樹脂(1.42)、木質系として、セルロース粉末(1.3〜1.6)、パルプ粉末(1.1〜1.6)、木粉(1.0以下)、クルミ粉(1.0以下) 、コルク粉(1.0以下)、澱粉(1.6)、エボナイト粉末(1.2)、リグニン(1.3〜1.6)などが挙げられる。尚、上記の括弧内の真比重は単位g/cm3 が省略されている。
尚、BET比表面積Swは、表面処理炭酸カルシウムの窒素吸着法によるBET法で測定した場合の値であり、下記方法により測定される。
[試料の調整方法]
ガラスセルに試料を300mg仕込み、窒素を導通させながら200℃で10分前処理を行った後、常温で冷却して測定試料とする。
[BET比表面積の測定方法]
BET比表面積計(MacsorbHMmodel−1210、マウンテック社製)にて1点法にて測定。
尚、粉体の比重は真比重やかさ比重で示されるが、ここで規定する真比重とは、表面細孔や内部の空隙を含めない固体自身がもつ体積あたりの重量である。天然資源材料の場合、化学便覧で紹介される数値を目安としてもよいが、気体容積法による粒子密度の測定値を真比重と定義する。
[ 気体容積法による粒子密度( 真比重) 測定方法]
電子天秤で秤量した粉体を乾式自動密度計(アキュピックII1340 10CC(株)島津製作所製)にセットし、ヘリウムガスを用いて粉体の体積をJIS M 8717に準拠して測定し、粉体の秤量値÷粉体の体積値を真比重値とする。
上記白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体(A)の粒子の表面に、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤で表面処理(表面被覆)され、該粉体(A)の粒子の表面に表面処理剤(B)の被覆層を有する導電性表面処理粉体填料とされる。表面処理には、粉末の状態で表面処理を行う乾式法と、水スラリー状もしくはフタル酸系、アルコール系、ナフテン系、芳香族系有機溶媒に溶解した状態で表面処理を行う湿式処理とがあり、いずれの表面処理方法でもよい。π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤は、分散液、好ましくは水分散液として使用するのが好ましいので、粉体は水スラリー状もしくはアルコール系有機溶媒など水溶性の状態で表面処理を行う湿式法が好ましく、より導電性機能を付与する効果がある。処理設備としては、乾式法の場合は、ヘンシェルミキサー等で粉体を流動撹拌させ、熱をかけながらπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤を投入する方法があげられ、湿式法の場合は、スラリーを流動させる撹拌装置を備えたタンクを用いて混合撹拌して表面処理を行う方法があげられる。
本発明の導電性表面処理粉体填料は、これらの白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体表面(A)の粒子の表面にπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤(B)で表面処理(表面被覆)され、該粉体(A)の粒子の表面に表面処理剤(B)の被覆層を有する導電性表面処理粉体である。また、本発明の導電性表面処理粉体填料は、2種類以上の無機粉体表面や2種類以上の有機粉体表面、あるいは無機粉体と有機粉体の共存するそれぞれの粉体の粒子の表面に、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤(B)で表面処理(表面被覆)され、2種類以上の該粉体(A)の粒子の表面に表面処理剤(B)の被覆層を有する導電性表面処理粉体であってもよい。
π共役系導電性ポリマーは、主鎖がπ共役系で構成されている有機ポリマーのことをいい、例えばポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリチオフェンビニレン、ポリフルオレン及びこれらの共重合体等があげられる。これらは単独で、又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。なかでも導電性の安定性から、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリフルオレンが好ましい。さらに、表面処理のしやすさ及び表面処理後の白色度の点からポリチオフェンが好ましい。
ポリチオフェンとしては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3―メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチルー4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチルー4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチルー4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチルー4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチルー4−カルボキシブチルチオフェン)があげられる。これらは単独で、又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
これらの中ではポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が導電性機能、耐熱性、白色性、透明性の点で最も好ましい。
ポリピロールとしては、ポリ(N)メチルピロール、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3―メチルー4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチルー4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−メチルー4−ヘキシルオキシピロール)があげられる。これらは単独で、又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
ポリアニリンとしては、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(2−エチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)等があげられる。これらは単独で、又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
ポリフルオレンとしては、ポリ[9,9−ジ−(2−エチルヘキシル)−9−フルオレン−2,7−ビニレン]、ポリ[9,9−ビス−(2−エチルヘキシル)−9−フルオレン−2,7−ジイル]、ポリ[9,9−ジ(3′,7′−ジメチルオクチル)フルオレン−2,7−イレンエチニレン]、ポリ[9,9−ジ(2′−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−イレンエチニレン]、ポリ[9,9−ジヘキシル−2,7−フルオレン−alt−9−フェニル3,6−カルバゾール]等があげられる。これらは単独で、又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
白色系無機粉体や白色系有機粉体の粒子表面に、上記π共役系導電性ポリマーだけで表面処理しても、白色系無機粉体や白色系有機粉体の粒子表面は不十分な表面処理状態となり、導電性機能にバラツキが生じやすくなる。そのため、ポリアニオンを含有させπ共役系導電性ポリマーのドーパント剤として機能させるためには、分散液にすることが表面処理を行う上で、かつ導電性機能を向上させるうえで重要である。
ポリアニオンとしてはポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアクリルアミドスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸等があげられる。これらは単独の重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよいが、スルホン酸基を含有したポリアニオンが表面処理を行う上で、かつ導電性機能を向上させるのに最も好ましい。
本発明では、上記したように、π 共役系導電性ポリマーとポリアニオンとを含有する分散液が最も導電性機能を発揮させるが、導電性ポリマーとポリアニオンを合計した重量に対するポリアニオン量の割合は、通常30〜95重量%である。
本発明の導電性表面処置粉体填料の特徴は、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤で表面処理することにあるが、導電性機能を損なわない範囲であれば、炭酸カルシウムや他の粉体の表面処理に用いられる一般的な表面処理剤と併用して表面処理を行ってもよい。一般的な表面処理剤としては、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸などがあげられ、これらの誘導体としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩などがあげられる。
飽和脂肪酸としては、炭素数6〜31の飽和脂肪酸が好ましく、好ましくは炭素数8〜26であり、さらに好ましくは炭素数9〜21である。飽和脂肪酸の具体例としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アライン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。これらの中でも、パルミチン酸、ステアリン酸及びラウリン酸を併用するのが好ましい。
不飽和脂肪酸は、分子中に二重結合を持っている脂肪酸であり、例えば、飽和脂肪酸の脱水反応によってで合成される。不飽和脂肪酸としては、炭素数6〜31の不飽和脂肪酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数8〜26であり、さらに好ましくは炭素数9〜21である。不飽和脂肪酸の具体例としては、オブッシル酸、カルロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、モリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレビン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、ソルビン酸、リノール酸などが挙げられる。これらの中でも、オレイン酸、エルカ酸及びリノール酸が好ましい。
また、これらが混合された、牛脂や豚脂などの動物原料由来の脂肪酸、パームやヤシなどの植物原料由来の脂肪酸なども導電性機能を損なわない範囲で用いてもよい。
また、本発明に差し障りの無い範囲で、ナフテン酸に代表される脂環族カルボン酸、アビエチン酸、ピマル酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸に代表される樹脂酸及びこれらの不均化ロジン、水添ロジン、2量体ロジン、3量体ロジンに代表される変成ロジン、アルキルベンゼンスルホン酸に代表されるスルホン酸を用いてもよい。
上記した一般的な表面処理剤である酸及びその塩は、単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。
また、本発明において、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤(B)の被覆層を有する導電性表面処理粉体填料の単位比表面積当たりの表面処理剤量Asは、0.12〜8.4mg/m2 である。上記表面処理剤量Asが、0.12mg/m2 未満になると、未処理面が存在する恐れがあり、導電性機能が損なわれ、また分散性に支障を来す場合がある。また、上記表面処理剤量Asが、8.4mg/m2 を超えると、表面処理剤量が過多になり、導電性効果は得られるものの経済的負担が大きくなり、また分散性に支障をきたしたり、白色度を低下させる場合がある。上記表面処理剤量Asの好ましい範囲は0.24〜3.6mg/m2 、さらに好ましい範囲は0.36〜2.4mg/m2 である。
尚、単位比表面積当たりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤で粉体を表面処理した場合、表面処理粉体1gあたりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量As[ mg/m2 ] =Tgx/Swで求められる。
Tgx:表面処理粉体1gあたりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量[ mg/g]
Sw :表面処理粉体のBET比表面積[ m2 /g] 。
そして、上記Tgxは、200℃〜500℃の表面処理粉体1g当たりの熱減量[mg/g]で求められる。
[熱減量の測定方法]
熱分析装置(ThermoPlusEVOII、リガク社製)を用い、直径5mm、深さ5mmの試料パン(白金製)に表面処理無機粉体30mgを採取し、昇温速度15℃/minで常温から510℃まで昇温させたときの200℃〜500℃の熱減量を測定し、表面処理粉体1g当たりの熱減量(mg/g)を求める。
なお、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンの含有する表面処理剤で有機粉体を表面処理した場合、熱減量の測定方法では割合がわからないので、同量の上記表面処理剤で表面処理した無機粉体の熱減量を有機粉体の表面処理剤量とした。また、導電性機能を損なわない範囲で脂肪酸、脂肪酸の誘導体、樹脂酸、樹脂酸の誘導体、スルホン酸等の表面処理剤と併用する場合、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤単独で表面処理した導電性粉体を別途作製し、熱減量の差異で併用割合を算出した。
本発明の導電性表面処理粉体填料は、ゴムや樹脂に配合されて各種の導電性のゴムや樹脂組成物とされる。
本発明の導電性ゴム組成物としては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO,GECO)などのゴム材料を使用した組成物があげられる。これらのうち導電性ゴムローラーに用いられるアクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴムはゴム成分として安定した導電性を得ることができるが、組成物の硬度調整を行う目的で配合されるコロイド炭酸カルシウムが絶縁性であるため導電性が低下傾向にあったり、感圧による印刷ムラが生じる場合がある。本発明のπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤で表面処理した導電性表面処理粉体填料を配合することによって、組成物の硬度も低く柔軟性を維持しながら、より高く安定した導電性が得られるゴム組成物となる。また導電性ゴム組成物には、必要に応じ、ステアリン酸亜鉛などの加工助剤、酸化亜鉛などの加硫促進助剤、チアゾール系、チウラム系などの加硫促進剤、プロセスオイル、ポリエステル系、フタル酸系等の可塑剤、希釈剤、カーボンブラック等の充填材を添加することができる。また、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、変成脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルテトラエチルアンモニウムなどの導電性を付与するイオン導電剤を配合されれば、さらに導電性の向上した導電性ゴム組成物を得ることができる。
本発明の導電性フィルム組成物としては、アクリル樹脂(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリブタジエン(PBD)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で代表される汎用樹脂や、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート( PBT) 、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂(FR)、液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアリングプラスチック、フェノール、尿素、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、及びこれらを主たる成分とする共重合体である樹脂が用いられる。これらの樹脂に一般的な無機粉体、有機粉体が配合され、分散性、フィルムの補強効果、反射率を向上させているが、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することによって、分散性、フィルムの補強効果、反射率を維持するだけでなく、より高い導電性、より安定した導電性が得られ、かつ柔軟性にも効果があるフィルム組成物が得られる。導電性フィルム組成物には、通常、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤等を用いてフィルムの加工性、柔軟性、耐久性、耐熱性を向上させるために配合されるが、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合すれば、これらの機能効果をより高めることができる。
本発明の導電性シーリング材組成物、接着剤組成物としては、シリコーン、変成シリコーン、アクリルシリコーン、シリコーン変成エポキシ、シリル化ウレタン、ポリイソブチレン、シアノアクリレート等の末端にシラノール基または反応性シリル基等架橋性ケイ素基を持った樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリサルファイド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。特に架橋性ケイ素基を持った樹脂は、銀粉、銅粉等の金属粉を配合させて導電性機能を発揮させて、プリント基盤のはんだ付けの代替材料として使用されている。本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することによって、銀粉、銅粉を配合した組成物に比べて柔軟性を付与させることができるうえ、銀粉、銅粉を配合しなくてもより安定した導電性機能を発揮できる。また、これらの樹脂組成物には、シリコーンオイル、フタル酸系等の可塑剤、イソパラフィン系、ナフテン系等の高沸点溶剤が用いられるが、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することによって、可塑剤量、高沸点溶剤量を減らすことができ、液状成分のブリードを抑えることができるので、より安定した導電性効果が得られる。さらに導電性シーリング材組成物、接着剤組成物には、通常、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等が、シーラント、接着剤の加工性、柔軟性、反応速度、耐久性、耐熱性を向上させるために配合されるが、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することにより、これらの導電性シーリング材組成物、接着剤組成物は比重を上げることなく軽量で、かつ接着強度も向上させることができる。
本発明の導電性塗料組成物としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられる。またこれらの塗料樹脂組成物にシリコーンオイル、フタル酸系等の可塑剤、イソパラフィン系、ナフテン系等の高沸点溶剤、あるいは、メタノール、エタノール、アセトン、Nーメチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤単独物、または混合物、及び水を用いることができる。これらの塗料用樹脂組成物に本発明の表面処理導電性表面処理粉体填料を配合することによって、塗膜強度が向上し、安定した導電性を付与することができる。
本発明の導電性プラスチゾル組成物としては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられる。中でも特に塩化ビニル樹脂は、自動車用途のアンダーコート、ボディーシーラー等のプラスチゾルの主要な樹脂として用いられている。また、通常、これらに生石灰、タルク、クレー、マイカ、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ガラスバルーン、アクリル樹脂バルーン、ケイソウ土等の充填材、フタル酸系等の可塑剤、イソパラフィン系、ナフテン系等の高沸点溶剤等が添加剤として用いられる。これらのプラスチゾル組成物には導電性機能がなく絶縁性であるが、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することによって、自動車の電着板との接着性が向上し、耐スリップ性能が大幅に改善され、かつ自動車用途に必要な帯電防止効果を付与することができる。
以下に実施例、比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
なお、以下の記載において、各種の特性や物性については、測定値の他に、参考までに◎、○、△、×による4段階の判定結果を示したが、これらは飽く迄も相対的なもので一応の目安を示すに過ぎず、これらに拘束されるものではない。
導電性表面処理粉体填料の白色度及び体積抵抗率の測定は下記方法に従った。
[ 白色度]
填料10gを100mlポリカップに計量し、さらに可塑剤DINP(ジイソノニルフタレート)10gを計量し、これをクラボウ株式会社製遊星式脱泡撹拌機にて60秒間撹拌した。得られた粉末ペーストを、日本電色株式会社製 カラーメーター ZE−2000にて、白色度を表すL値を測定した。
( 白色度の判定基準)
◎;95以上
○;90以上〜95未満
△;85以上〜90未満
×;85未満
[ 体積抵抗率]
粉末を100MPa(1020kgf/cm2 )の圧力をハンドプレスでかけて成型し、直径10mmの粉体成型物を作製した。得られた成型物をヒューレットパッカード社製 インピーダンス/ゲインフェーズアナライザー 4194A にて体積抵抗率を測定した。
(体積抵抗率の判定基準)
◎;1×103 Ω・cm以上〜1×105 Ω・cm未満
○;1×105 Ω・cm以上〜1×107 Ω・cm未満
△;1×107 Ω・cm以上〜1×108 Ω・cm未満
×;1×108 Ω・cm以上
[ 導電性表面処理粉体填料の作製]
実施例1
水酸化カルシウムに炭酸ガスを反応させ、BET比表面積7m2 /gに調整した7wt%濃度のコロイド炭酸カルシウム水スラリー2800gを10Lタンクに投入し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液(シグマオルドリッチ社製)200gすなわち導電材成分固形2.4gを投入して30分間金属羽根のついたモーターで撹拌させた。得られた表面処理コロイド炭酸カルシウムスラリーを脱水し、105 ℃×4 時間乾燥させ、粉砕して真比重2.6、BET比表面積6.8m2 /g、処理量12.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例2
BET比表面積7m2 /gに調整した7wt%濃度のアラゴナイト炭酸カルシウム水スラリー2800gを10Lタンクに投入し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液(シグマオルドリッチ社製)200gすなわち導電材成分2.4gを投入して30分間金属羽根のついたモーターで撹拌させた。得られた表面処理アラゴナイト炭酸カルシウムスラリーを脱水し、105℃×4 時間乾燥させ、粉砕して真比重2.8、BET比表面積6.8m2 /g、処理量12.00mg/gの導電性アラゴナイト炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例3
実施例1でポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を15g(同 固形0.18g)に変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.9m2 /g、処理量0.90mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例4
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を35.1gすなわち導電材成分0.421gに変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.9m2 /g、処理量2.14mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例5
実施例1でポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を334gすなわち導電材成分4.0gに変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.8m2 /g、処理量20.40mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例6
実施例1でポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を884gすなわち導電材成分10.6gに変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.5m2 /g、処理量54.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例7
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、ポリピロール−ブロック−ポリ(カプロラクタム)0.5wt%に調製した分散液(シグマオルドリッチ社製)を480gすなわち導電材成分2.4gに変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.8m2 /g、処理量12.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例8
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、ポリ[9,9−ビス−(2−エチルヘキシル)−9Hフルオレン−2、7−ジイル]1.2wt%(THF溶媒、シグマオルドリッチ社製)に調製した分散液を200gすなわち導電材成分2.4gに変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.8m2 /g、処理量12.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
実施例9
実施例1で、コロイド炭酸カルシウムをBET比表面積18m2 /gに調整したタルク粉末(日本タルク(株)製 ナノタルクFG−15)2000gに変更し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を5000gすなわち導電材成分60gに、10Lミキサーをヘンシェルミキサーに変更して110 ℃にて60分間撹拌させ、乾式処理を行った。その後、金属製バケットに移し、110℃で4時間乾燥を行った。得られた粉末を粉砕して真比重2.6、BET比表面積17.8m2 /g、処理量30.00mg/gの導電性タルク填料を作製した。
実施例10
実施例1で、コロイド炭酸カルシウムをBET比表面積10m2 /gに調整した酸化チタン粉末(堺化学工業(株)製TITONE A−110)2000gに変更し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を2860gすなわち導電材成分34.3gに、10Lミキサーをヘンシェルミキサーに変更して110 ℃にて60分間撹拌させ、乾式処理を行った。その後、金属製バケットに移し、110℃で4時間乾燥を行った。得られた粉末を粉砕して真比重3.9、BET比表面積9.8m2 /g、処理量17.00mgの導電性酸化チタン填料を作製した。
実施例11
実施例1で、コロイド炭酸カルシウムをBET比表面積3m2 /gに調整したアクリロニトリル樹脂バルーン( 松本油脂製薬工業(株)製 マイクロスフェアーFN−80SDE) 200gに変更し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を86gすなわち導電材成分1.03gに、10Lミキサーをヘンシェルミキサーに変更して110 ℃にて30分間撹拌させ、乾式処理及び乾燥を行った。得られた粉末は粉砕せず真比重0.1、BET比表面積2.8m2 /g、処理量5.00mgの導電性アクリル樹脂バルーン填料を作製した。
実施例12
実施例1で、コロイド炭酸カルシウムをBET比表面積10m2 /gに調整したポリテトラフルオロエチレン樹脂(テクノケミカル(株)製マイクロディスパース200)2000gに変更し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を2860gすなわち導電材成分34.3gに、10Lミキサーをヘンシェルミキサーに変更して110℃にて60分間撹拌させ、乾式処理を行った。その後、金属製バケットに移し、110℃で4時間乾燥を行った。得られた粉末は粉砕せず真比重2.0、BET比表面積9.8m2 /g、処理量17.00mgの導電性テフロン(登録商標)填料を作製した。
実施例13
ケイ酸塩を生成させ、さらに硫酸または炭酸ガスで分解して合成させたBET比表面積100m2 /gに調整した7wt%濃度の湿式合成シリカ水スラリー140gに、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液(シグマオルドリッチ社製)140gすなわち導電材成分1.68gを投入して30分間循環撹拌させた。得られたシリカスラリーを脱水し、105 ℃×4 時間乾燥させ、粉砕して真比重1.6、BET比表面積95.0m2 /g、処理量170.00mgの導電性シリカ填料を作製した。
実施例14
実施例13のシリカにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を10gすなわち導電材成分0.12gに変更する以外はすべて実施例9と同様の方法で真比重1.6、BET比表面積98.0m2 /g、処理量12.00mg導電性シリカ填料を作製した。
実施例15
実施例13のシリカにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を620gすなわち導電材成分7.44gに変更する以外はすべて実施例9と同様の方法で真比重1.6、BET比表面積90.0m2 /g、処理量750.00mg/g導電性シリカ填料を作製した。
実施例16
実施例1で、コロイド炭酸カルシウムをBET比表面積5m2 /gに調整した酸化チタン粉末(堺化学工業(株)製 R−38L)2000gに変更し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を1430gすなわち導電材成分17.2gに、10Lミキサーをヘンシェルミキサーに変更して110℃にて30分間撹拌させ、乾式処理及び乾燥を行った。得られた粉末を粉砕して真比重4.3、BET比表面積4.8m2 /g、処理量9.00mg/gの導電性酸化チタン粉体を作製した。
実施例17
実施例1でポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.06wt%とポリスチレンスルホン酸1.14wt%の混合割合で調製した分散液を200g(同固形2.4g)に変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.8m2 /g、処理量12.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム粉体を作製した。
比較例1
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を12.6gすなわち導電材成分0.15gに変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.9m2 /g、処理量0.77mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
比較例2
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を1000g(同 固形12.0g)に変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.9m2 /g、処理量60.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
比較例3
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、BET比表面積10に調整した酸化亜鉛(ハクスイテック(株)製 1級)2000gに変更し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を2860gすなわち導電材成分34.32gに、10Lミキサーをヘンシェルミキサーに変更して110℃にて30分間撹拌させ、乾式処理及び乾燥を行った。得られた粉末は粉砕せず真比重5.6、BET比表面積9.8m2 /g、処理量17.20mg/gの導電性酸化亜鉛填料を作製した。
比較例4
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、BET比表面積5に調整した硫酸バリウム(堺化学工業(株)製沈降性硫酸バリウム110)2000gに変更し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を1430gすなわち導電材成分17.16gに、10Lミキサーをヘンシェルミキサーに変更して110℃にて60分間撹拌させ、乾式処理を行った。その後、金属製バケットに移し、110℃で4時間乾燥を行った。得られた粉末は粉砕せず真比重4.6、BET比表面積4.8m2 /g、処理量8.58mg/gの導電性硫酸バリウム填料を作製した。
比較例5
実施例1で、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を牛脂脂肪酸ナトリウム水溶液1.2%の200gすなわち導電材成分0、牛脂脂肪酸ナトリウム固形成分2.4gに変更する以外は、すべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積9.8m2 /g、処理量12.24mg/gのコロイド炭酸カルシウム填料を作製した。
比較例6
実施例13のシリカにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を9gすなわち導電材成分0.108gに変更する以外はすべて実施例6と同様の方法で真比重1.6、BET比表面積98.0m2 /g、処理量11.00mg/gの導電性シリカ填料を作製した。
比較例7
実施例13のシリカにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を630gすなわち導電材成分7.56gに変更する以外はすべて実施例6と同様の方法で真比重1.6、BET比表面積90.0m2 /g、処理量770.00mg/gの導電性シリカ填料を作製した。
比較例8
実施例13のシリカにおいて、BET比表面積100に調整した7wt%濃度の湿式合成シリカ水スラリーに、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5wt%とポリスチレンスルホン酸0.7wt%の混合割合で調製した分散液を投入せず、無処理状態に変更する以外はすべて実施例9と同様の方法で真比重1.6、BET比表面積98.0m2 /g、無処理のシリカ填料を作製した。
比較例9
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)1.2wt%とポリスチレンスルホン酸0wt%の混合割合で調製した分散液を200g(同固形2.4g)に変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.8m2 /g、処理量12.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム粉体を作製した。
比較例10
実施例1のコロイド炭酸カルシウムにおいて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0wt%とポリスチレンスルホン酸1.2wt%の混合割合で調製した分散液を200g(同固形2.4g)に変更する以外はすべて実施例1と同様の方法で真比重2.6、BET比表面積6.8m2 /g、処理量12.00mg/gの導電性コロイド炭酸カルシウム粉体を作製した。
表1に、実施例1〜17及び比較例1〜10で得られた填料の特性を示した。
Figure 0006905744
実施例18〜34、比較例1〜20
[ 導電性ゴム組成物]
実施例1〜17、及び比較例1〜10で得られた填料を、以下に示す配合及び表2に示す配合で60℃温度条件にてオープンロール(関西ロール(株)製)を用いて練りこみコンパウンドを作製した。
(配合)
エピクロルヒドリンゴム ダイソー EPION-301 100重量部
実施例1〜17、比較例1〜10の填料 変量*
加硫剤 細井化学 イオウ粉末 2重量部
加硫促進剤 大内新興化学 ノクセラーM 1重量部
加硫促進助剤 大内新興化学 ノクセラーTET 1重量部
ステアリン酸 花王 ステアリン酸さくら 1重量部
亜鉛華 ハクスイテック 酸化亜鉛2種 5重量部
*填料の粒子径に応じてコンパウンドにするのに適正な配合量に調整した。
得られたコンパウンドを厚さ2mmのゴムシート状にして、温度23℃ 湿度50%環境条件にて以下の測定を行った。
[白色度、硬直値、破断伸び率、体積抵抗率]
日本電色株式会社製カラーメーターZE−2000にて、組成物の色彩値を測定し、L値を白色度の測定値とした。また、硬度計(アスカー(株)製タイプC )にて1000g荷重後の硬度値を測定した。また、ダンベル3号で打ち抜き、JIS K 6253に準拠した引張試験(引張速度200mm/min.)を行い、破断伸び率を測定した。
また、得られたコンパウンドを幅120mm、長さ100mm、厚さ2mmのゴムシート状の大きさにして、23℃×50%湿度条件に3時間静置させ、Agilent 社製レジストメーター4339Bにて組成物の体積抵抗率を測定した。
( 白色度の判定基準)
◎;90以上
○;85以上〜90未満
△;80以上〜85未満
×;80未満
(硬度値の判定基準)
◎;40以上〜50未満
○;30以上〜40未満
△;20以上〜30未満
×;20未満、70以上
( 破断伸び率の判定基準)
◎;300%以上
○;200%以上〜300%未満
△;100%以上〜200%未満
×;100%未満
(体積抵抗率の判定基準)
◎;1×103 Ω・cm以上〜1×105 Ω・cm未満
○;1×105 Ω・cm以上〜1×107 Ω・cm未満
△;1×107 Ω・cm以上〜1×1010Ω・cm未満
×;1×1010Ω・cm以上
Figure 0006905744
表2の測定結果より、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することにより、白色系の導電性ゴム組成物を得ることができ、かつゴム組成物本来の硬度値、破断伸び率を低下させずに導電性を維持することがわかる。
実施例35〜51、比較例21〜30
[ 導電性フィルム組成物]
実施例1〜17、及び比較例1〜10で得られた填料を以下に示す配合で白色ポリエチレン樹脂フィルムを作製した。
(配合)
ポリエチレン樹脂 日本ポリペンコ 100重量部
実施例1〜10、12、16、17、比較例1〜5、9、10の填料 50重量部
実施例11の填料 5重量部
実施例13〜15、比較例6〜8の填料 6重量部
ポリエチレン樹脂に填料をヘンシェルミキサーに投入し、30分分散、撹拌させたのちに、混練押出し機(ラボプラストミル2D25W型;東洋精機(株)製)を用いて130℃で造粒しペレットにした。得られたペレットを110℃1時間乾燥させた後、このペレットをフィルム押出し機(ラボプラストミルD2025型;東洋精機(株)製)を用いてT型ダイからフィルム状に押し出して、30℃の冷却ドラムで冷却固化し無延伸フィルムを得た。そして、テンター延伸機で無延伸フィルムを押出し方向に3.3倍延伸し、さらに120℃に加熱して横手方向に3倍延伸して厚さ180μmのフィルム組成物を得た。
得られたフィルムについて、下記の物性を測定又は評価した。
[白色度、分散性、体積抵抗率、反射率、引張特性]
白色度;フィルムを日本電色株式会社製カラーメーターZE−2000にて白色度を測定し、白色度を示すL値を測定した。
分散性;フィルム300mm×300mm中における凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイの数によって分散性評価を行った。
体積抵抗率;厚さ180μm、幅150mm×長さ100mmのフィルムを、23℃×50%湿度条件に3時間以静置させ、Agilent社製レジストメーター4339Bにて体積抵抗率を測定した。
反射率;紫外可視分光光度計(UV3101PC 島津製作所製 )を用い、硫酸バリウム白板を100%とした時の反射率0.30〜0.80μmの波長範囲を測定し、0.45μmの反射率を代表値とした。
引張特性;JIS Z 1702 ポリエチレンフィルムの引張特性に準拠し、500mm/min.の速度で引っ張った場合の破壊強度、破断伸び率を測定した。
(白色度の判定基準)
◎;90以上
○;85以上〜90未満
△;80以上〜85未満
×;80未満
(分散性の判定基準)
◎;凝集物、粗大粒子が0個
○;凝集物、粗大粒子が1個又は2個
△;凝集物、粗大粒子が3個又は4個
×;凝集物、粗大粒子が5個以上
(体積抵抗率の判定基準)
◎;1×104 Ω・cm以上〜1×106 Ω・cm未満
○;1×106 Ω・cm以上〜1×108 Ω・cm未満
△;1×108 Ω・cm以上〜1×1010Ω・cm未満
×;1×1010Ω・cm以上
(反射率の判定基準)
◎;96%以上
○;93%以上〜96%未満
△;90%以上〜93%未満
×;90%未満
(引張特性の判定基準)
(1)破断強度
◎;40MPa以上
○;30MPa以上40MPa未満
△;20MPa以上30MPa未満
×;20MPa未満
(2)破断伸び率
◎;350%以上
○;250%以上350%未満
△;150%以上250%未満
×;150%未満
測定結果を表3に示した。
Figure 0006905744
表3の測定結果より、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することにより、導電性を有し、かつ分散性を損なわずにフィルム組成物本来の白色度、反射率を維持し、さらには破断強度、破断伸び率も十分な性能を有することがわかる。
実施例52〜68、比較例31〜40
[ 導電性シーリング材組成物]
実施例1〜17、及び比較例1〜10で得られた填料を以下に示す配合及び表4に示す配合で変成シリコーンシーリング材を作製した。
(配合)
変成シリコーンポリマー (株)カネカ MSポリマーS−203 100重量部
アマイドワックス 伊藤製油(株) ASA−T−1800 変量*
実施例1〜17、比較例1〜10の填料 変量*
重質炭酸カルシウム 丸尾カルシウム スーパーS 変量*
可塑剤 (株)ジェイプラス DINP 60重量部
脱水剤 信越化学工業 KBM−1003 6重量部
錫触媒 日東化成 ネオスタンU−220H 2重量部
接着付与剤 信越化学工業 KBM−603 2重量部
* アマイドワックス、填料、及び重質炭酸カルシウムは、種類に応じて適宜変量を行った。
填料、重質炭酸カルシウム、及びアマイドワックスを110℃×3時間乾燥、あるいは溶融させた状態で、5Lダルトンミキサー((株)ダルトン製)中に変成シリコーンポリマーとともに投入し、減圧撹拌を行った。次いで、可塑剤、脱水剤触媒、接着付与剤を投入して同様に撹拌を行い、変成シリコーンシーラントを作製した。得られたシーラントを320mlカートリッジに充填、密封して保管した。
得られたシーラントについて下記の物性を測定した。
[粘度、白色度、引張特性、体積抵抗率]
粘度;得られたシーラントをカートリッジから突出させて100ml PPカップに充填し、B型粘度計((株)トキメック製) ローターNo.7を用いて1rpm粘度と10rpm粘度を測定した。併せて、作業性の目安となるTI値(1rpm粘度/10rpm粘度)を測定した。
白色度;得られたシーラントを日本電色株式会社製カラーメーターZE−2000にて白色度を測定し、白色度を示すL値を測定した。
引張特性;得られたシーラントを厚み2mm、幅20mm、長さ100mmのシート状に充填して23℃×14日+35℃×14日間養生し、3号ダンベルに打ち抜き、JIS K 6253に準拠して引張特性を測定した。
体積抵抗率;得られたシーラントを、厚さ2mm、幅120mm×長さ100mmのシート状に充填し、23℃×14日+35℃×14日間養生し23℃×50%湿度条件に3時間以静置させ、Agilent社製レジストメーター4339Bにて組成物の体積抵抗率を測定した。
(粘度の判定基準)
◎;1rpm粘度値/10rpm 粘度値=6.5以上
○;同 6.0以上〜6.5未満
△;同 5.0以上〜6.0未満
×;同 5.0未満
(白色度の判定基準)
◎;90以上
○;85以上〜90未満
△;80以上〜85未満
×;80未満
(引張特性の判定基準)
(1)50%引張応力(標線間距離20mmを30mmまで引っ張った時の応力)
◎;0.15N/mm2 未満
○;0.15N/mm2 以上0.25N/mm2 未満
△;0.25N/mm2 以上0.35N/mm2 未満
×;0.35N/mm2 以上
(2)破断伸び率
◎;400%以上
○;350%以上400%未満
△;300%以上350%未満
×;300%未満
(体積抵抗率の判定基準)
◎;1×104 Ω・cm以上〜1×106 Ω・cm未満
○;1×106 Ω・cm以上〜1×108 Ω・cm未満
△;1×108 Ω・cm以上〜1×1010Ω・cm未満
×;1×1010Ω・cm以上
測定結果を表4に示した。
Figure 0006905744
表4より、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することにより、導電性に優れたシーリング材を得ることができ、かつ低モジュラス、高伸び性能を損なわずに維持され、シーリング材組成物本来の白色度、引張特性を保つことがわかる。
実施例69〜85、比較例41〜50
[ 導電性プラスチゾル組成物の作製]
実施例1〜17、及び比較例1〜10で得られた填料を以下に示す配合及び表5に示す配合で塩化ビニル樹脂系プラスチゾルを作製した。
[配合]
塩ビペーストレジンPCH−22 (株)カネカ 250重量部
ポリアミド (株)ヘンケル 15重量部
DINP (株)ジェイプラス 250重量部
ターペン 37重量部
生石灰 和光純薬(株)製 15重量部
実施例1〜17、比較例1〜10の填料 変量*
重質炭酸カルシウムスーパーS(丸尾カルシウム(株)製) 変量
ディスパロン#309 変量
*填料は、種類や粒子径によって粘性付与効果が異なるため、表5に示すように変量した。
それぞれの配合剤を5L万能混合攪拌機(ダルトン社製)に投入し3分間混練し、いったん蓋を開け壁面に付着している配合剤を掻き落とした後、再度真空雰囲気下で10分混練する。混練後のゾルを、遊星式脱泡混練機(クラボウ株式会社製/KK−500)にて、混練条件5−5−18で脱泡し、塩化ビニル樹脂系プラスチゾルを作製した。
なお、上記混練条件「a−b−c」は、aは公転条件、bは自転条件を示し、cは時間を示しc×10秒を意味する。
得られたプラスチゾルについて、下記の物性を測定した。
[粘度、白色度、耐スリップ性、分散性、体積抵抗率]
粘度;得られたプラスチゾルを100mlのPPカップに充填し、BH型粘度計((株)トキメック製)ローターNo.7を用いて2rpm粘度と20rpm粘度を測定した。併せて、作業性の目安となるTI値(2rpm粘度/20rpm粘度)を測定した。
白色度;得られたプラスチゾルを日本電色株式会社製カラーメーターZE−2000にて白色度を測定し、白色度を示すL値を測定した。
耐スリップ性;得られたプラスチゾルを100mlのPPカップに詰め、23℃にて3日静置後、130mm×60mmの被着体に12mm半円ビードに100mmの長さで塗布後、23℃にて垂直放置し30分後のゾルの滑り落ちた距離を定規にて測定した。
分散性;下記の方法で測定した。
5L万能混合攪拌機(ダルトン社製)にそれぞれの配合剤と圧密条件を行った填料を投入し3分間混練し、いったん蓋を開け壁面に付着している配合剤を掻き落とした後、再度真空雰囲気下で10分混練する。混練後のゾルを遊星式脱泡混練機(クラボウ株式会社製/KK−500)にて、混練条件5−5−18で脱泡し、分散性測定用の塩ビゾルを作製した。
分散性測定用の塩ビゾルをガラス板に縦5cm以上、横5cm以上、厚み1mm以内となるようにヘラで薄く塗り広げて分散性の測定を行った。
体積抵抗率;得られたプラスチゾルを、厚さ2mm、幅120mm×長さ100mmのシート状に充填し、23℃×50%湿度条件に3時間以静置させ、Agilent 社製 レジストメーター4339Bにて組成物の体積抵抗率を測定した。
(粘度の判定基準)
2rpm粘度/20rpm粘度のTi値に応じて以下の基準にて判定を行った。
◎:6.0以上
○:5.5以上6.0未満
△:5.0以上5.5未満
×:5.0未満
(白色度の判定基準)
◎:90以上
○:85以上90未満
△:80以上85未満
×:80未満
(耐スリップ性の判定基準)
○:0mm
△:0mmを超え10mm未満
×:10mm以上
(分散性の判定基準)
ガラス板上に塗られた塩ビゾル表面の5cm四方あたりの0.5mm以上の粒の個数をカウントした。
○:0.5mm以上の粒が0個
△:0.5mm以上の粒が1個又は2個
×:0.5mm以上の粒が3個以上
(体積抵抗率の判定基準)
◎;1×104 Ω・cm以上〜1×106 Ω・cm未満
○;1×106 Ω・cm以上〜1×108 Ω・cm未満
△;1×108 Ω・cm以上〜1×1010Ω・cm未満
×;1×1010Ω・cm以上
測定結果を表5に示した。
Figure 0006905744
表5の測定結果より、本発明の導電性表面処理粉体填料を配合することにより、導電性に優れたプラスチゾル組成物を得ることができ、かつ分散性、耐スリップ性機能を損なわずにプラスチゾル組成物本来の白色度を保つことがわかる。
本発明の導電性表面処理粉体填料は、ゴム、プラスチック、フィルム、シーリング材、接着剤、塗料、プラスチゾルなどの樹脂に配合された組成物中に当該填料の分散によって導電経路を形成すべきパーコレーション構造をとることができる。
したがって、本発明の導電性表面処理粉体填料は、導電性機能を付与させるだけでなく、本来の粉体の特徴である白色度が高いことから着色性に優れ、透明性を可能にし、黒色系以外の導電性樹脂組成物を得ることができる。
また、他のインジウム、スズ、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、アンチモン等の無機金属化合物を含んだ金属粉体に比べて分散性に優れており、真比重も小さいことから、比較的少ない添加量でも導電性効果が得られ、かつ粉体本来がもつ補強機能、導電性ポリマーがもつ高伸長等の柔軟性機能、軽量化機能を有する樹脂組成物を得ることができる。

Claims (16)

  1. 白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1 種の粉体(A)の粒子の表面にπ 共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤(B)の被覆層を有する表面処理粉体であって、下記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする導電性表面処理粉体填料。
    (1) Dio≦4.3
    (2) 0.12≦As≦8.4[mg/m2]
    但し、
    Dio:表面処理粉体の真比重[g/cm3]
    As :下記式で求められる表面処理粉体の単位比表面積あたりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量
    As=Tgx/Sw
    Tgx:表面処理粉体1gあたりのπ共役系導電性ポリマーとポリアニオンを含有する表面処理剤量[mg/g]
    Sw :表面処理粉体のBET比表面積[m 2/g]
  2. 表面処理粉体が白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1 種の粉体(A)の水スラリーと、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンからなる表面処理剤(B)を含有する分散液とを混合撹拌してなることを特徴とする請求項1記載の導電性表面処理粉体填料。
  3. 白色系無機粉体が、カルシウム化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物及びアルミ化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の導電性表面処理粉体填料。
  4. 白色系有機粉体が、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂及び木質系粉末からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に 記載の導電性表面処理粉体填料。
  5. π共役系導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール及びポリフルオレンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料。
  6. ポリチオフェンが、ポリ( 3 , 4 − エチレンジオキシチオフェン) である請求項記載の導電性表面処理粉体填料。
  7. ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸及びポリアクリルアミドスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1 種である請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料。
  8. 体積抵抗率が108Ω・cm以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料。
  9. 白色系無機粉体及び白色系有機粉体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体(A)の水スラリーと、π共役系導電性ポリマーとポリアニオンからなる表面処理剤(B)を含有する分散液とを混合撹拌することにより、前記粉体(A)の粒子を表面処理することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性ゴム組成物。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性フィルム組成物。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性シーリング材組成物。
  14. 請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性接着剤組成物。
  15. 請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性塗料組成物。
  16. 請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性表面処理粉体填料を含有してなる導電性プラスチゾル組成物。
JP2017123112A 2016-07-19 2017-06-23 導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物 Active JP6905744B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016141180 2016-07-19
JP2016141180 2016-07-19

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018016790A JP2018016790A (ja) 2018-02-01
JP6905744B2 true JP6905744B2 (ja) 2021-07-21

Family

ID=61081287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017123112A Active JP6905744B2 (ja) 2016-07-19 2017-06-23 導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6905744B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019075265A (ja) * 2017-10-16 2019-05-16 信越ポリマー株式会社 導電性粒子及びその製造方法、並びに導電性樹脂組成物
CN111303808B (zh) * 2020-03-03 2021-06-18 华东理工大学 一种高分散稳定性和高导电性的导电胶及其制备方法
JP7485279B2 (ja) * 2020-04-10 2024-05-16 丸尾カルシウム株式会社 導電性表面処理粉体填料およびその製造方法、ならびに該填料を含有する導電性組成物
CN118812917B (zh) * 2024-08-05 2025-07-01 广州工程技术职业学院 一种改性聚乙烯复合材料及其制备方法和在3d打印中的应用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0298746A2 (en) * 1987-07-10 1989-01-11 COOKSON GROUP plc Coated inorganic materials
US6060116A (en) * 1997-09-09 2000-05-09 Americhem, Inc. Polyaniline in the form of an easily dispersible powder and its use in corrosion protection and electrostatic dissipation
JPH11166049A (ja) * 1997-12-01 1999-06-22 Japan Carlit Co Ltd:The 導電性複合体の製造方法
JPH11241021A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Toyobo Co Ltd 導電性高分子複合微粒子およびその製造方法
JP2001266651A (ja) * 2000-01-13 2001-09-28 Maruo Calcium Co Ltd コア/シェル状導電性有機−無機複合体とその製造方法、及び該複合体含有組成物
JP2002047429A (ja) * 2000-08-02 2002-02-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The π共役高分子/無機微粒子複合体およびそれを用いたゴム組成物
US7494704B2 (en) * 2002-08-15 2009-02-24 Eastman Kodak Company Material, article and method of preparing materials containing oriented anisotropic particles
JP2014201595A (ja) * 2013-04-01 2014-10-27 スリーボンドファインケミカル株式会社 導電性塗料およびそれを用いた被着体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018016790A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6905744B2 (ja) 導電性表面処理粉体填料及び該填料を含有してなる樹脂組成物
US10087320B2 (en) Conductive polymer-matrix compositions and uses thereof
KR102079385B1 (ko) 대전방지용 분체도료 조성물
CN102762500A (zh) 表面处理碳酸钙和含有该表面处理碳酸钙的糊状树脂组合物
KR101256792B1 (ko) 전기 전도성 경화성 수지
KR20150031465A (ko) 중질 탄산 칼슘, 그 제조 방법 및 이 탄산 칼슘을 함유한 수지 조성물
CN105524521B (zh) 一种石墨烯网孔版油墨及其制备方法
CN104987701A (zh) 一种电致伸缩性tpu薄膜及其制备方法和应用
JP3685031B2 (ja) 合成樹脂用表面処理炭酸カルシウム填料、その製造方法、並びに該填料を配合してなる樹脂組成物
WO2004058645A1 (ja) 導電性酸化亜鉛粉末およびその製法、並びに導電性組成物
CN104411757B (zh) 硫酸钡复合颗粒、混配有该硫酸钡复合颗粒的树脂组合物及其制造方法
WO2018009891A1 (en) Conductive conformal coatings
CN102532974B (zh) 一种导电剂及其制备方法及含有该导电剂的抗静电涂料
JP7485279B2 (ja) 導電性表面処理粉体填料およびその製造方法、ならびに該填料を含有する導電性組成物
CN110358328A (zh) 纳米级活性碳酸钙及其加工方法
WO2014163059A1 (ja) 導電性塗料およびそれを用いた被着体
JP2019075265A (ja) 導電性粒子及びその製造方法、並びに導電性樹脂組成物
JPS6191232A (ja) 樹脂充填用酸化マグネシウムの製造方法
CN103665379B (zh) 纳米碳酸盐成核合成聚苯硫醚的方法
JP6000003B2 (ja) 合成樹脂用重質炭酸カルシウム、その製造方法、及び該炭酸カルシウムを含有した樹脂組成物
Kwon et al. Elastomeric conducting polymer nano-composites derived from ionic liquid polymer stabilized-poly (3, 4-ethylenedioxythiophene)
Chueangchayaphan et al. Barium titanate-reinforced acrylonitrile-butadiene rubber: synergy effect of carbon-based secondary filler
WO2018199151A1 (ja) 炭酸マグネシウム
JP7133054B2 (ja) 導電性粒子の製造方法
Sonoda et al. Fabrication and properties of composites from BST and polypropylene-graft-poly (styrene-stat-divinylbenzene)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200325

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6905744

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250