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JP6906232B2 - 湿式ガス状物質処理装置 - Google Patents
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Description

本発明は、飲食店を含む店舗、製造工場や化学工場、プラントなどから排出される排ガス、塗料粉塵、黒煙などの環境に影響を与えるガス状物質を分離除去するようにした湿式の排ガス処理・除塵などが可能なガス状物質処理装置に関し、特に灯油、重油等の燃焼から発生するカーボン系超微粒子及び塗装などの微細粉塵を効率良く分離回収する湿式ガス状物質処理装置に関する。
従来、水を使った湿式の排ガス処理装置として、スクラバー装置が知られている。従来のスクラバー装置としては、水や脱臭剤液を排ガスに噴霧するタイプの装置や、排ガスと水を吸上げて滝のように逆流させ排ガスを水に当てて通過させるタイプの装置や、噴霧ノズルにより噴霧水層を作り、排ガスを噴霧水層とフィルター層とに交互に通すタイプの装置などがある。また、ロックウール、不織布、金網等に水を散布させながら、排ガスを通過させて粉塵や水溶性気体を水中に取り込む方式なども採用されているが、排ガス中に霧状の水分が排出されていて環境上の点からも好ましくないものであった。
上記のような従来の装置では、装置が複雑となるため故障し易いという問題などがあった。また、フィルターを使うタイプの装置ではフィルターを交換する必要があるし、また、上記のような従来の水を使う装置では、スプレーや送水ポンプなどの個々の装置が必要となり、メンテナンスにも手間がかかるという問題があった。また、上記のような従来の水を使う装置では、水を大量に使用する必要があった。そこで、本願出願人は、特許文献1に示す湿式ガス状物質処理装置を提案し、好評を得ている。
しかしながら、特許文献1に示す湿式ガス状物質処理装置において、吸気ファンを貯水槽よりもガス状物質吸入口側に設置した装置の場合(前方吸引型の湿式ガス状物質処理装置の場合)、ガス状物質吸入口からの風量を上げるために風量の大きな吸気ファンを用いて、吸引力を強力にしようとすると、次のような問題点があった。
前方吸引型の湿式ガス状物質処理装置の場合、吸引されたガス状物質は、ガス状物質吸入口側の貯水槽の水面に大きな風圧でぶつかるので、汚れた空気を含むガス状物質が、僅かな隙間や穴から装置の外に吹きだしてしまうという問題があった。
また、前方吸引型の湿式ガス状物質処理装置の場合、風量の大きな吸気ファンを用いると、大きな風圧によってガス状物質吸入口側の貯水槽の水面が押し下げられ過ぎてしまい、前記ガス状物質吸入口から吸入された、汚れた空気を含むガス状物質が前記貯水槽の水とあまり接触しないまま、ガス状物質排出口から排出されてしまうという問題があった。
特開2017−104843
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、ガス状物質吸入口側に設置した吸気ファンの風量を上げても、処理室内に吸入されたガス状物質が貯水槽の水と確実に接触することができるようにした、湿式ガス状物質処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の湿式ガス状物質処理装置は、処理室と、前記処理室上部に設けられ、装置外部のガス状物質を前記処理室内に吸入させるための吸気ファンと、前記処理室に形成され前記処理室内にガス状物質を吸入させるためのガス状物質吸入口と、前記処理室に形成され前記処理室内に吸入されたガス状物質を前記処理室外に排出させるガス状物質排出口と、前記処理室内に設けられた貯水槽と、前記ガス状物質吸入口から吸入されるガス状物質と前記ガス状物質排出口から排出されるガス状物質とを前記処理室内で仕切るように、前記貯水槽の静止水面の上方に垂設せしめられてなる垂設仕切板と、前記ガス状物質排出口側の前記貯水槽の静止水面と平行して、前記貯水槽の静止水面の上方に設置され、前記貯水槽の水面に奔流を発生せしめるための波状多孔質奔流発生板と、前記波状多孔質奔流発生板の上方に設置され、前記奔流により生じる飛沫を受けるための少なくとも一つの多孔質邪魔板と、前記垂設仕切板に、下端に行くに従って前記垂設仕切板から離間するように傾斜して設けられた傾斜規制板と、を有し、前記垂設仕切板よりも前記傾斜規制板の方が下方に延出せしめられてなり、前記処理室内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽の水と接触することによって浄化されるようにした、湿式ガス状物質処理装置である。
前記多孔質邪魔板が、前記貯水槽の静止水面に対して傾斜して設けられ、且つ複数枚設けられてなるのが好ましい。
前記傾斜規制板が、前記垂設仕切板に対して15°〜40°傾斜して設けられてなるのが好ましく、20°〜30°がさらに好ましい。
本明細書において、ガス状物質には、排ガス、塗料粉塵、黒煙、有毒ガスなどの環境に影響を与えるガス状物質が含まれ、灯油、重油等の燃焼から発生するカーボン系超微粒子及び塗装などの微細粉塵も含まれる。
前記波状多孔質奔流発生板及び前記多孔質邪魔板が、パンチングメタルによって構成されてなるのが好適である。
本発明の湿式ガス状物質処理装置を用いることで、前記処理室内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽の水と接触することによって浄化されるようにした湿式ガス状物質処理方法を行うことができる。
本発明によれば、ガス状物質吸入口側に設置した吸気ファンの風量を上げても、処理室内に吸入されたガス状物質が貯水槽の水と確実に接触することができるようにした、湿式ガス状物質処理装置を提供することができるという著大な効果を奏する。
本発明に係る湿式ガス状物質処理装置の一つの実施の形態を示す一部透視斜視図である。 図1の湿式ガス状物質処理装置を別の方向からみた一部透視斜視図である。 図1の湿式ガス状物質処理装置の模式的説明図であって、静止水面の状態を示す。 図3の一部拡大説明図であって、奔流が発生している様子を示す。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1に本発明に係る湿式ガス状物質処理装置の一つの実施の形態を示す。
図1〜図4において、符号10は本発明の湿式ガス状物質処理装置である。
湿式ガス状物質処理装置10は、処理室12と、前記処理室上部に設けられ、装置外部のガス状物質を前記処理室12内に吸入させるための吸気ファン14と、前記処理室12に形成され前記処理室12内にガス状物質を吸入させるためのガス状物質吸入口16と、前記処理室12に形成され前記処理室12内に吸入されたガス状物質を前記処理室12外に排出させるガス状物質排出口18と、前記処理室12内に設けられた貯水槽20と、前記ガス状物質吸入口16から吸入されるガス状物質と前記ガス状物質排出口18から排出されるガス状物質とを前記処理室12内で仕切るように、前記貯水槽20の静止水面の上方に垂設せしめられてなる垂設仕切板22と、前記ガス状物質排出口18側の前記貯水槽20の静止水面と平行して、前記貯水槽20の静止水面の上方に設置され、前記貯水槽20の水面に奔流を発生せしめるための波状多孔質奔流発生板24と、前記波状多孔質奔流発生板24の上方に設置され、前記奔流により生じる飛沫を受けるための少なくとも一つの多孔質邪魔板26a,26b,26cと、前記垂設仕切板22に、下端に行くに従って前記垂設仕切板22から離間するように傾斜して設けられた傾斜規制板28と、を有している。そして、前記垂設仕切板22よりも前記傾斜規制板28の方が下方に延出せしめられてなり、前記処理室12内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽20の水と接触することによって浄化されるようにした、湿式ガス状物質処理装置である。
図示例では、処理室12の下部が貯水槽20とされている。貯水槽20には、弁付きの給排水口30が備わっているので、給水や排水を行うことができる。また、多孔質邪魔板は、図示例では、多孔質邪魔板26a,26b,26cの三枚設けた例を示した。多孔質邪魔板は少なくとも一つ設ければよいが、複数枚設けるのが好適である。
また、前記多孔質邪魔板26a,26b,26cは、図3によく示されるように、前記貯水槽20の静止水面に対して傾斜して設けられている。静止水面の水位は、図示例では、図3に示すようにT1の位置である。また、図示例では、波状多孔質奔流発生板24及び多孔質邪魔板26a,26b,26cは、パンチングメタルで作製した例を示した。
波状多孔質奔流発生板24は、波状とされており、多数の孔が開穿されている。図示例では波状多孔質奔流発生板24は、SUS製のパンチングメタルを使用した例を示した。例えば、孔の直径が3mm〜5mm程度、開口率が50%〜60%程度、波高が10mm〜20mm程度のパンチングメタルが好適に使用できる。但し、波状多孔質奔流発生板24は、処理する風量、集塵されるゴミ種類や大きさなどによって、孔の直径を変えたり、波高或いは、折数(波の周期数)を変化させる。
吸気ファン14は駆動モータ32で駆動されている。また、傾斜規制板28は、前記垂設仕切板22に対して傾斜して設けられているが、15°〜40°傾斜して設けるのが好適である。図示例では、図4に示すように傾斜規制板28の傾斜角度θは30°とされている。また、傾斜規制板28は垂設仕切板22に支持プレート34によっても支持されている。
図1〜3では、貯水槽20の水は静止水面の状態を示しており、湿式ガス状物質処理装置10のスイッチはOFFの状態である。図3には、ガス状物質の流れを示してある。ガス状物質吸入口16から湿式ガス状物質処理装置10の外の雰囲気が処理室12に吸入されることになるので、飲食店を含む店舗、製造工場や化学工場或いはプラントなどに湿式ガス状物質処理装置10を設置する場合、ガス状物質はガス状物質を含む空気となる。
処理室12には、ガス状物質吸入口16と連通する連通吸入開口部36と、ガス状物質排出口18と連通する連通排出開口部38とが形成されている。
図3に、湿式ガス状物質処理装置10における貯水槽20の水は静止水面としたままで、ガス状物質の流れを示した。ガス状物質吸入口16からガス状物質が吸入されると(吸気)、処理室12へと送られて、貯水槽20の水と接触し、波状多孔質奔流発生板24及び多孔質邪魔板26a,26b,26cを通過して、ガス状物質排出口18から排出される(排気)。
湿式ガス状物質処理装置10の外の汚れた空気を含むガス状物質は、ガス状物質吸入口16から処理室12に吸入され、垂設仕切板22によって貯水槽20へと送られて水を潜り抜けて貯水槽20を通り抜けてガス状物質排出口18から排出されるまで、貯水槽20は空気が漏れない構造とされている。
湿式ガス状物質処理装置10のスイッチをONとした状態の模式図を図4に示す。図4に示すように、湿式ガス状物質処理装置10のスイッチをONとすると、吸気ファン14によってガス状物質吸入口16からガス状物質が強制的に処理室12内に吸入されるため、貯水槽20内のガス状物質吸入口16側の水の水位が、図4の水位T2ぐらいまで下がる。
一方、ガス状物質はガス状物質排出口18から排出されるため、貯水槽20内のガス状物質排出口18の水Wの水位が上昇せしめられ、波状多孔質奔流発生板24に接触する水位T3となる。
また、傾斜規制板28は、垂設仕切板22よりも下方に延出せしめられていることから、傾斜規制板28の裏側にはガス状物質の渦流40が出来る。そして、貯水槽20内の水Wは、ガス状物質とあわさって、波状多孔質奔流発生板24の孔にぶつかり、抜けようとして激しく奔流となって、波状多孔質奔流発生板24の全面から吹き上がる。この際に、気泡や飛沫も生じる。このように、吸気した汚れた空気を含むガス状物質の全てが水流に接触するようにされている。
そのため、本発明の湿式ガス状物質処理装置10は、吸気ファンを貯水槽よりもガス状物質吸入口側に設置した装置(前方吸引型の湿式ガス状物質処理装置)であるが、吸気ファン14として風量が大きく、強力に外気を吸引する力を発揮するタイプのファンを使用しても、吸気した汚れた空気を含むガス状物質の全てが水流に接触し浄化される。従って、従来のように、汚れた空気を含むガス状物質が、僅かな隙間や穴から装置の外に吹きだしてしまうという問題や前記ガス状物質吸入口から吸入された汚れた空気を含むガス状物質が前記貯水槽の水とあまり接触しないまま、ガス状物質排出口から排出されてしまうという問題は発生しないのである。また、傾斜規制板28を設けたことで、従来よりも貯水槽20内の水Wが少なくて済むという利点もある。
発生した奔流により、飛沫が生じるが飛沫の水滴42は、水面の上方に設置された多孔質邪魔板26a,26b,26cに当たって跳ね返され、貯水槽20へと戻される。
このようにして、ガス状物質は、貯水槽20の水Wと接触することによって浄化される。黒煙や油煙、塗料など粒子の大きいものは水Wによって除去される。そして、ガス状物質はガス状物質排出口16から排出される。
また、ガス状物質排出口16には、脱臭装置を取付けても良く、例えば、特許文献1に示されるような加熱ヒータを用いた脱臭装置を取付けても良い。
本発明の湿式ガス状物質処理装置によれば、灯油、重油等の燃焼から発生するカーボン系超微粒子なども効率良く分離回収することができ、除塵も可能である。
また、特許文献1に示すように、本発明の湿式ガス状物質処理装置には、循環ポンプによって貯水槽の水を循環水タンクへと循環させるように構成した循環濾過装置を取付けてもよい。
飲食店などの店舗の厨房に設置する場合には、本発明の湿式ガス状物質処理装置のサイズを小さくしたものを用いるようにし、製造工場や化学工場、プラントに設置する場合には、湿式ガス状物質処理装置のサイズを大きくしたものを用いるようにすればよい。飲食店などの店舗に設置する場合には、調理に伴い生じる排煙などを効果的に分離除去することができる。また、湿式ガス状物質処理装置のサイズを小さくすれば、飲食店でも或いは工場や施設でも、卓上に置いて卓上用としての使用も可能である。このように、本発明の湿式ガス状物質処理装置は、排煙や排ガスが生じる様々な場所に設置することで、浄化処理を行うことが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記形態は例示であり、本発の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、かつ同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10:湿式ガス状物質処理装置、12:処理室、14:吸気ファン、16:ガス状物質吸入口、18:ガス状物質排出口、20:貯水槽、22:垂設仕切板、24:波状多孔質奔流発生板、26a,26b,26c:多孔質邪魔板、28:傾斜規制板、30:給排水口、32:駆動モータ、34:支持プレート、36:連通吸入開口部、38:連通排出開口部、40:渦流、42:水滴、T1,T2,T3:水位、W:水。

Claims (3)

  1. 処理室と、
    前記処理室上部に設けられ、装置外部のガス状物質を前記処理室内に吸入させるための吸引ファンと、
    前記処理室に形成され前記処理室内にガス状物質を吸入させるためのガス状物質吸入口と、
    前記処理室に形成され前記処理室内に吸入されたガス状物質を前記処理室外に排出させるガス状物質排出口と、
    前記処理室内に設けられた貯水槽と、
    前記ガス状物質吸入口から吸入されるガス状物質と前記ガス状物質排出口から排出されるガス状物質とを前記処理室内で仕切るように、前記貯水槽の静止水面の上方に垂設せしめられてなる垂設仕切板と、
    前記ガス状物質排出口側の前記貯水槽の静止水面と平行して、前記貯水槽の静止水面の上方に設置され、前記貯水槽の水面に奔流を発生せしめるための波状多孔質奔流発生板と、
    前記波状多孔質奔流発生板の上方に設置され、前記奔流により生じる飛沫を受けるための少なくとも一つの多孔質邪魔板と、
    前記垂設仕切板に、下端に行くに従って前記垂設仕切板から離間するように傾斜して設けられた傾斜規制板と、
    を有し、
    前記垂設仕切板よりも前記傾斜規制板の方が下方に延出せしめられてなり、
    前記処理室内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽の水と接触することによって浄化されるようにした、湿式ガス状物質処理装置。
  2. 前記多孔質邪魔板が、前記貯水槽の静止水面に対して傾斜して設けられ、且つ複数枚設けられてなる、請求項1記載の湿式ガス状物質処理装置。
  3. 前記傾斜規制板が、前記垂設仕切板に対して15°〜40°傾斜して設けられてなる、請求項1又は2記載の湿式ガス状物質処理装置。
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