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JP6906782B2 - コンテンションベースの通信システム - Google Patents
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Description

この発明は、複数端末が、同一無線リソースにおいて、データを同時に送信することができるコンテンションベースの通信システムに関する。
第5世代移動通信システム(5G)は、我が国において2020年の実用化に向けて研究開発が精力的に進められている。5Gは、大容量・高速通信を実現するのはもちろんのこと、IoT(Internet of Things)の社会展開を後押する無線システムであることが求められる。5Gはセンサー等の膨大な数のIoT端末を基地局に収容することが必要であり、かつ、自動運転システムのような遅延がほとんど許容できないアプリケーションへの対応も求められている。
現行の携帯電話の通信規格であるLTE(Long Term Evolution)は、IoTの展開を十分に考慮しているわけではなく、IoTが普及した際の同時接続可能な端末数や許容できる遅延時間について、5Gの要求を十分に満たすのが困難である。LTEにおいて、端末(UE:User Equipment)が基地局(eNB:evolved NodeB)に対してデータを送信する場合、eNBが個々のUEに対して排他的にリソースを割り当てる方式を取っており同時接続数には限りがある(アンテナ1本あたり、1つの無線リソースではUE1台のみ接続可能)。また、UEが実際にデータを送信するまでには、リソース割り当てのためのネゴシエーション時間が必要であり、一定の遅延は避けられない(例:IMT-Advanced における目標値として10ms以下)。
本発明は、同時収容端末数を現行の5〜10倍以上とし、5ms以下の遅延を実現することを目標としている。この実現に向けて本願は、LTEをベースとしつつ、複数端末が同時に、同一無線リソースにおいて、データを送信するコンテンションベースの通信方式の通信システムを提案する。この通信方式では、無線通信端末(以降は端末とする)の同時接続数の増加と低遅延化とを実現できる。
上記の通信方式は、プリアンブル部とデータ部からなるフレーム構成によって実現する。プリアンブル部で基地局と各端末の伝搬路特性を推定し、データ部でペイロードを伝送する。データ部は複数端末から同時に送信された信号に衝突が発生しても、プリアンブル部から得られる伝搬路推定値を利用して分離・復号できる。また、プリアンブル部の設計においては、複数の端末からの信号を分離して各端末の伝搬路推定値が得られるようにする。
先ず、LTEにおける上りのデータ送信手順について説明する。
(1)ランダムアクセス手順
LTEにおけるランダムアクセス手順を図1に示す。また、図1における各ステップの詳細を以下に示す。
<ステップ1>:ランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)
アクセスを行いたい端末はeNBに向けてランダムアクセスプリアンブル(RAP:Random Access Preamble)を送信する。RAPは、複数のUEが同時に送信してもeNBにおいて分離できるように設計されている。
<ステップ2>:ランダムアクセス応答(Random Access Response)
上記RAPを受信したeNBはUE宛てにランダムアクセス応答を送信する。ランダムアクセス応答には、UEの送信タイミングを調整するタイミングアドバンスコマンド(非特許文献1)や、ステップ3でUEが送信する無線リソースを指示する信号等が含まれている。
<ステップ3>:予約送信(Scheduled Transmission)
UEは割り当てられた無線リソースを利用して端末の識別子、リソース割り当て要求を送信する。
<ステップ4>:競合の解消(Contention Resolution)
eNBはリソースの利用を許可する端末識別子をUEに通知し、リソース割り当てを行う。ランダムアクセスを試行したUEは、自局の端末識別子が認識できない場合は、ランダムアクセスが失敗したとしてステップ1からやり直す。
自局の端末識別子が通知された場合は、データ伝送(Data Transmission)段でデータ伝送を行う。
(2)ランダムアクセスプリアンブル(RAP)
図2にLTEにおけるRAPの構成例を示す。時間軸方向において、RAPは、100μsのサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)、100μsのガードタイム(GT:Guard Time)及び800μsのプリアンプル系列で構成されている。RAPのフレーム時間は1msでありLTEの1サブフレーム時間と同じである。周波数軸方向においては、LTEの6リソースブロックに当たる1.08MHzの帯域に864本のサブキャリア(内25サブキャリアはガードサブキャリア)が配置されている。表1にRAPのパラメータを示す。
Figure 0006906782
図3にRAPの信号処理を示す。プリアンブル系列は、サブキャリア(ガードサブキャリアを除く)にザドフ−チュウ(Zadoff-Chu)系列(非特許文献3)を埋め込んで生成される。
送信手段200では、サブキャリアに挿入されるザドフ−チュウ系列X(p)は以下の式で表現されるが、これはザドフ−チュウ系列生成器1で生成される。
Figure 0006906782
ここで、pはサブキャリアのインデックス、uはザドフ−チュウ系列の系列番号、Nzc(=839)は系列長である。uはeNBにより定義される。プリアンブル系列にザドフ−チュウ系列を利用するのは周波数領域及び時間領域において電力が一定となる特性を持っていることと理想的な巡回自己相関を有しているためである。
よく知られている様に、上記のザドフ−チュウ系列は、定振幅零自己相関(CAZAC)系列の1つとして定義される。CAZAC系列は、時間軸について振幅が一定で、自己相関関数がデルタ関数となる。数1はNzcが奇数の場合の定義であり、偶数の場合には、数1のp(p+1)がpに代わる。本発明では、Nzcを主に素数に設定するため、以下の説明では数1を用いる。
次に生成されたザドフ−チュウ系列は時間軸信号における相関値のピーク位置を変化させるために、移相器3で位相回転が与えられる。ピーク位置をシフトさせることによって、eNBにおいて同時に検知できるUE数を増やすことができる。X(p)に位相回転を与えたXu、v(p)を下式に示す。
Figure 0006906782
ここでC=vNCSはピークが現れる位置のシフト量を示し、NCSは2つ以上のUEが送信した場合のピーク位置とピーク位置の間隔(伝搬遅延差を除く)を示す。次にXu、vは、時間軸信号として送信するため、逆離散フーリエ変換器4でIDFT(逆離散フーリエ変換)が施され以下の式となる。
Figure 0006906782
ここで、nは時間信号のインデックスである。このxu、vにサイクリックプレフィックス付加器5でCPを付加した後、アンテナから送信される。
eNBの受信手段210では、CPが付加されたxu、vに伝搬路を通過して雑音が加わった信号を受信する。サイクリックプレフィックス除去器7で受信信号からCPを削除した信号ru、vは、次の様に表される。
Figure 0006906782
ここで、xu、vは巡回信号とし、hはインパルス応答(IR:Impulse Response)、wは雑音を示す。次にru、vは、離散フーリエ変換器8でDFT(離散フーリエ変換)によって周波数領域の信号Ru、vに変換され、次の様になる。
Figure 0006906782
ここで、H及びWは、それぞれh及びwの離散フーリエ変換信号を示す。Ru、vは次に、ザドフ−チュウ系列生成器9からのザドフ−チュウ系列Xuの複素共役conj(X)が乗算器10で乗算され以下の式となる。
Figure 0006906782
次にH’を再び逆離散フーリエ変換を逆離散フーリエ変換器11で行うと次式を得る。w’はW’の逆離散フーリエ変換である。
Figure 0006906782
ここで、本発明に関わる事項であるが、数7に示されるようにeNBは、ある端末のCだけ時間シフトしたIRが得られるため、この検出により、ランダムアクセスを要求しているUEの存在が分かる。また、UEがvによりIRが現れる位置を変更できることから、eNBは、複数のUEが同一のvを用いない限り、各UEのランダムアクセス要求を把握できる。以上がステップ1の処理であり、この後、eNBがランダムアクセス応答を送信するステップ2に移行する。
服部武,藤岡雅宣,諸橋知雄(監訳),4G LTE/LTE-Advancedのすべて,pp.393-pp405,丸善出版,東京,2015. 3GPP TS 36.300 : LTE; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2. D.C.Chu, Polyphase, Polyphase codes with good periodic correlation properties, IEEE T. Inform. Theory 18 (4), pp531-532, Jul. 1972. Axnas, Johan, et al. "Successive interference cancellation techniques for LTE downlink." 2011 IEEE 22nd International Symposium on Personal, Indoor and Mobile Radio Communications. pp.1793-1797. 2011. Divsalar, Dariush, Marvin K. Simon, and Dan Raphaeli. "Improved parallel interference cancellation for CDMA." IEEE Transactions on Communications 46.2, pp.258-268,1998. 滝沢,森山,大堂,手塚,村上,石津,児島,"多数デバイスを収容する携帯電話網に関する高効率通信方式−干渉抑圧・除去技術に関する基礎検討−,"信学技報,RCS-2016,神奈川,Oct.2016. Z. Nadir & M. Idrees Ahmad, "Path loss Determination Using Okumura-Hata Model and Cubic Regression for Missing Data for Oman", Proceeding of IMECS, Vol. 2, 2010. S. Sarooshyari & N. Madaya, "Introduction to mobile radio propagation and characterization of frequency bands" wireless comm. Technologies, IEEE, 16:332:559, 1996. A. Neskovic, N. Neskovic & G. Paunovic, "Modern approaches in modeling of mobile radio systems propagation environment", IEEE Communications Surveys・ 2000. IEEE 802.16.3c-01/29r4, Channel Models for Fixed Wireless Applications V. Erceg, et al. "An empirically based path loss model for wireless channels in suburban environments." IEEE Journal on selected areas in communications Vol.17,No7, pp.1205-1211, 1999. Rec.ITU-R BT.1368-11, "Planning criteria, including protection ratios, for digital terrestrial television services in the VHF/UHF bands," 2014.
複数端末から同時に送信された信号に衝突が発生しても、プリアンブル部から得られる伝搬路推定値を利用してデータ部は分離・復号できるようにする。
本発明のコンテンション方式の通信システムは、プリアンブル部とデータ部とを含むフレーム構成のパケット信号を複数の無線端末から送信し共通の基地局で受信するコンテンション方式の通信システムであって、
上記プリアンブル部は伝搬路特性推定用信号を含み、所定の系列信号に無線端末毎に割り当てられた分の移相が行われたものであり、また、上記データ部は端末識別情報とペイロードとを含むものであり、
上記複数の無線端末は各々、上記プリアンブル部と上記データ部とにサイクリックプレフィックスとガードタイムを付加した後に送信し、
上記パケット信号を受信した基地局は、上記プリアンブル部の上記サイクリックプレフィックスを除去し、フーリエ変換を行って時間軸信号を周波数軸信号に変換し、上記所定の系列信号の複素共役に相当する信号を乗じ、逆フーリエ変換を行って周波数軸信号を時間軸信号に変換し、この変換で得られる時間軸信号であるインパルス応答信号の各々をタイムフィルタによって上記無線端末ごとのスロットに振り分け、振り分けられた上記インパルス応答信号の各々から各々の伝送路特性を推定し、推定した上記伝送路特性を用いて上記データ部の分離および復号を行うものである、ことを特徴とする。
また、本発明のコンテンション方式の通信システムは、プリアンブル部とデータ部とを含むフレーム構成のパケット信号を複数の無線端末から送信し共通の基地局で受信するコンテンション方式の通信システムであって、
上記無線端末は、
所定の系列信号を生成する第1信号生成部と、
上記第1信号生成部の出力にサイクリック拡張を施すサイクリック拡張部と、
上記サイクリック拡張部の出力を無線端末毎に割り当てられた分移相する移相部と、
上記移相部の出力を時間軸信号とするための第1逆フーリエ変換部と、
上記逆フーリエ変換部の出力にサイクリックプレフィックス領域を設けるためのサイクリックプレフィックス部と、
上記サイクリックプレフィックス部の出力を送信する送信手段と、を備え、
上記基地局は、
上記送信手段から送信された無線信号を受信する受信手段と、
受信した信号からサイクリックプレフィックス領域を取り除くためのサイクリックプレフィックス除去部と、
上記サイクリックプレフィックス除去部の出力信号を周波数軸信号に変換するための第1フーリエ変換部と、
上記所定の系列信号の複素共役に相当する信号を生成する第2信号生成部と、
上記フーリエ変換部の出力と上記第2信号生成部の出力とを乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力にサイドローブを抑圧する所定の窓関数を掛ける周波数フィルタ部と、
上記周波数フィルタ部の出力を時間軸信号に変換する第2逆フーリエ変換部と、
上記第2逆フーリエ変換部からの信号を複数の遅延時間のインパルス応答信号に分類するタイムフィルタと、
分類された上記各々のインパルス応答信号を周波数軸信号の各々に変換する第2フーリエ変換器と、
上記第2フーリエ変換器の出力の各々を補正する補正用窓関数を掛ける時間フィルタ部の各々と、
上記時間フィルタ部の各々の出力を時間軸信号に変換する第3逆フーリエ変換部の各々と、
時間軸に変換された上記インパルス応答信号の各々から各々の伝送路特性を推定し、推定した上記伝送路特性の各々を用いて、上記データ部の各々の分離および復号を行う復号部と、
を備えることを特徴とする。
上記窓関数は、カイザー窓であることを特徴とする。
上記補正用窓関数は、上記第2フーリエ変換器の出力の各々に上記窓関数の逆数に相当する特性をもった窓関数を掛けるものであることを特徴とする。
上記復号部は、逐次干渉除去あるいは並列干渉除去を利用したものである。
上記所定の系列信号における系列は、ザドフ−チュウ系列であり、その系列の長さは素数であることを特徴とするものである。
本発明によって、端末の同時接続数の増加だけでなく接続時の低遅延化についても実現することができる。
LTEにおけるランダムアクセス手順を示す図である。 LTEにおけるランダムアクセスプリアンブル(RAP)の構成を示す図である。 LTEにおけるランダムアクセスプリアンブル(RAP)の信号処理を示すブロック図である。 本発明の端末から基地局へのデータ送信を示す図である。 本発明で用いるフレーム構成例を示す図である。 本発明のRAPの信号処理を示すブロック図である。 本発明におけるインパルス応答の分離を示す図である。 コンピュータシミュレーションによるプリアンブル成功確率を示す図である。 コンピュータシミュレーションによる基地局までの距離とSNR((signal-noise ratio)との関係を示す図である。 表2のパラメータを用いたSNR((signal-noise ratio)に対するPER(Packet Error Rate)のシミュレーション結果を示す図である。 表3のパラメータを用いたSNR((signal-noise ratio)に対するPER(Packet Error Rate)のシミュレーション結果を示す図である。 逆離散フーリエ変換器11の前に窓関数として周波数フィルタ16(カイザーフィルタ)を用いてサイドローブの振幅を抑圧し、タイムフィルタ15の後に逆周波数フィルタ17(逆カイザーフィルタ)を用いて、周波数フィルタ16に起因するインパルス応答に発生する歪を補償する構成を示すブロック図である。 プリアンブルとデータから成るフレームを生成するための構成例を示すブロック図である。
以下に本発明について、ブロック図を用いて詳細に説明する。なお、ブロック図における符号については、同様の機能をもったブロックには、特別な事情のない限り、同じ符号を用いるものとする。
LTEにおけるランダムアクセス手順は図1のように4つのステップからなり、リソース割り当てまでに時間を要する。これに対して本発明では、リソース割り当てなしに、つまりステップ1の段階において、図4(a)に示すように一度に例えば図4(b)のプリアンブルと図4(c)のデータを送信する方式を提案する。
本発明の通信手順は、概略では、次の様になる。
先ず、プリアンブル部とデータ部を同一サブフレームで送信する。このため、リソース割り当てのための時間を必要としない。プリアンブル部は各端末と基地局間のIRを推定するために利用する。また、推定したIRを利用して、データ部の分離・復調を行う。データ部の復号は、逐次干渉除去(SIC:Successive Interference Cancellation)(非特許文献4)あるいは並列干渉除去(PIC:Parallel Interference Cancellation)(非特許文献5)を利用する。データ部の信号処理の詳細については文献(非特許文献6)に記載されている。
このようなサブフレーム構成と通信手順を取ることで、ネゴシエーション時間を削除するとともに、衝突した信号を分離・復号することにより同時接続端末数を増加させることができる。
本実施例のデータ送信方式のフレーム構成を図5に示す。このフレームは、図13に示すように、プリアンブル部で生成されたプリアンブル信号と、データ部で生成されたデータ信号とを信号切換手段16によって所定の時間おきに交互に切換えて生成することができる。この信号切換手段26では、プリアンブル生成を図6の構成と類似した構成で行う。また、データ部での処理は、スクランブラ21でデジタル信号を分散させ、巡回冗長誤り検出符号化器22で誤り検出符号を付加し、符号化器23で例えばターボ符号化し、変調器で例えばQPSK変調し、R、CPおよびGT挿入器で例えば表2のR、CPおよびGTを挿入し、オーバーサンプリングを行った信号を生成する。
なお、本実施例のフレームは、2つのプリアンブル部と2つのデータ部の合計4シンボルで構成したものである。パラメータについては、それぞれ表2及び表3に示す様に、2種類検討した。LTEとの親和性を考慮して、サブフレーム構成は図2におけるLTEのRAPの仕組みを利用することとした。本実施例では、サブキャリア間隔をLTERAPの1.35kHzから5kHz又は4.8kHzと広くして1シンボル長を短くした。
1つのフレームに複数のプリアンブルを用いる場合には、例えば表2、表3の条件のプリアンブルをそのフレーム内で用いることもできる。この場合は、ザドフ−チュウ系列の長さは、なるべく近い素数であることが望ましい。
Figure 0006906782
Figure 0006906782
プリアンブル部は各端末のIRを抽出するために利用する。また、このIRを利用して、衝突が発生しているデータ部の信号を分離・復調を行う。図6のブロック図に、本実施例のプリアンブル部の送受信の信号の流れを示す。
プリアンブル用に、まず、系列長N’ZC(N’ZCは素数)のザドフ−チュウ系列をザドフ−チュウ系列生成器1で生成する。次に、このザドフ−チュウ系列をNZC本のサブキャリア数に一致させるためにサイクリック拡張(Cyclic Extended)をサイクリック拡張器2で行う。サイクリック拡張は以下の式のように表される。
Figure 0006906782
サイクリック拡張器2以降の処理は、上述した数(2)から数(7)までの手順と同じである。つまり、ザドフ−チュウ系列は時間軸信号における相関値のピーク位置を変化させるために、移相器3で位相回転を与える。次に、時間軸信号として送信するため、第1逆フーリエ変換部である逆離散フーリエ変換器4でIDFT(逆離散フーリエ変換)を施す。その後、サイクリックプレフィックス付加器5でCPを付加した後、通信チャネル6に送信される。
送信された上記の信号は、サイクリックプレフィックス除去器7で受信信号からCPを除去され、次に、第1フーリエ変換部である離散フーリエ変換器8でDFT(離散フーリエ変換)によって周波数領域の信号に変換される。ここで、ザドフ−チュウ系列生成器9からのザドフ−チュウ系列Xuの複素共役conj(X)が乗算器10で乗算され、第2逆フーリエ変換部である逆離散フーリエ変換器11で逆離散フーリエ変換される。
この様に、基地局の受信手段110の逆離散フーリエ変換器11で逆離散フーリエ変換された後、その出力信号h’は、図6と7に示すようにタイムフィルタ12でM=floor(NZC/NCS)個のサブスロットに切り分けられ、各サブスロット内のインパルス応答(IR)を抽出する。(NZC/NCSが整数でない表3の場合は、余りのポイント数(=9)を後半の9つのサブスロットに1ポイントずつ割り当てる。図7では1ポイント時間α=0.926μsとして示す)。IDFTにより再生されるIRがそれぞれタイムフィルタの区切り内に収まっていれば高精度に伝搬路推定が可能であり、1つのプリアンブルで最大M個のIRが得られる。2つあるプリアンブル部のうち、各端末がどちらかのプリアンブルのみを使う場合においては2M個のIRが得られる。
各サブスロットでは、推定したIRを利用して、データ部の分離・復調を行う。データ部の復号は、逐次干渉除去(SIC:Successive Interference Cancellation)(非特許文献4)あるいは並列干渉除去(PIC:Parallel Interference Cancellation)(非特許文献5)を利用する。データ部の信号処理の詳細については文献(非特許文献6)に記載されている。
基地局のカバーするセル半径による遅延については、以下の様に対処している。本発明では基地局からタイミングアドバンスコマンド(非特許文献1)を受信せずにフレームを送信することも想定していることから、送信タイミング誤差を吸収するCP、GT及びNCSを設けている。表2及び表3からCP、GT及びNCSの中で最も短い時間はそれぞれ24.07μs及び16.67μsであることから、端末−基地局間距離が3.6kmまで、また遅延については2.5kmの地点間の電波の往復による遅延を吸収できる。
さらに、実際の伝搬環境は、送信タイミング誤差のほかに5μs程度のマルチパスによる遅延を考慮する必要がある。このため,実際にIRがタイムフィルタの区切りに収まる端末−基地局間距離は表2のパラメータでは3km程度、表3では2km程度を見込んでいる。
また、データ部の衝突は、以下の様に対処することができる。データ部は,通信に必要な制御情報(端末識別情報等を含む)及びペイロードを伝送するために利用される。本実施例では,変調方式にQPSK、符号化率1/3のターボ符号を想定している。ただし、表2については12個のパリティビットを削除(パンクチャド)しており、符号化率は292/864(=0.338≒1/3)となっている。一度に伝送できるデータ量は36byte(表2)及び37byte(表3)である。データ部の衝突した信号の分離・復調は,前述のプリアンブル部で推定したIRを利用してSIC(逐次干渉除去)あるいはPIC(並列干渉除去)を適用する(非特許文献6)。
図12に、図6の構成に比べてインパルス応答における歪を抑制した構成例を示す。これは、受信手段120において、第2逆フーリエ変換部である逆離散フーリエ変換器11の前に窓関数として周波数フィルタ16(カイザーフィルタ)を用いてサイドローブの振幅を抑圧し、タイムフィルタ15の後に窓関数27と逆周波数フィルタ17(逆カイザーフィルタ)を用いて、周波数フィルタ16に起因するインパルス応答に発生する歪を補正するものである。この逆周波数フィルタ17は、第2フーリエ変換部である離散フーリエ変換器18で周波数軸に変換し、上記周波数フィルタ16の逆数の係数をもった周波数フィルタ19で周波数帯域を選択し、第3逆フーリエ変換部である逆離散フーリエ変換器20で時間軸信号に変換するものである。
シミュレーションによるプリアンブルの送信成功確率について説明する。
基地局は、プリアンブル部を利用して複数端末のIRを得るが、2つ以上の端末が式(2)において同じvを選択した場合、複数のIRが図7におけるタイムフィルタの同一区間に表われるため、基地局において正確なIRが得られなくなる。そこで、vがランダムに選択されるという条件の基、複数端末のIRが同一タイムフィルタ区間に現れる衝突確率をシミュレーションで求めた。1フレーム内にプリアンブル部が2つあることから、シミュレーションでは、各端末は2つのプリアンブルそれぞれに対してランダムにv1及びv2を割り当てて送信する。本稿において衝突が発生したとは、v1及びv2の両方がそれぞれ他の端末のv1及びv2と一致した場合と定義する。
端末台数は第5世代移動通信システム(5G)における1kmあたりの収容端末数のターゲット100万台から最大1000万台とし、各端末は平均600秒間隔で送信し、送信タイミングはポアソン分布に従うとした。また、基地局は帯域1.08MHz(6リソースブロック)の1チャンネルで待ち受け、端末は1msに一回、送信機会があると設定した。図8はプリアンブルが衝突せず、プリアンブルの送信が成功した確率を示している。同図より端末台数が100万台の場合、プリアンブルの衝突確率は5%以下を達成できることがわかる。表2及び表3の比較において、表2ではM=8に対して、表3はM=12であるため、表2のパラメータはカバーできるセル半径は狭いものの、衝突確率を低減できる。
今回のシミュレーションでは、ランダムにvを選択したが、vの効果的な選択手法を検討する価値はある。例えば、セルの中心近辺の端末とセル端の端末からなるグループAとセルの中間に存在する端末からなるグループBの2グループに分け、各グループが選択できるvが異なっているとする。グループAにおいては、基地局へ到達する信号が弱い端末群と強い端末群が混在するグループであり、弱い信号と強い信号が衝突した場合は、強い信号のIRは少なくとも得られるように工夫する方式が考えられる。
リンクバジェットとパケット誤り率についても以下に示す様に見積もりを行った。
先ずリンクバジェットについては、端末から発せられたランダムアクセスプリアンブルがどの程度の強度で基地局に到来するか見積りを行った。搬送周波数は本検討においては一例として2.5GHzとした。本稿ではパスロスモデルとして拡張秦モデル(非特許文献7、8、9)及びIEEE802.16において検討されているErcegモデル(非特許文献10,11)を利用した。拡張秦モデルについてはSubUrbanを、Ercegモデルについては平坦地であるCategory Cを採用した。また、各短区間変動は考慮していない。他のパラメータは表4に示す。図9は基地局までの距離とSNRの関係を示したものである。
Figure 0006906782
また、パケット誤り確率については、得られるIR及びデータ信号に衝突がない場合について、計算機シミュレーションを用いてパケット誤り率を求めた(但し、データ信号に衝突がある場合の特性については、ここでは記載しない。非特許文献4を参照)。誤り訂正符号は符号化率292/864及び300/900のターボ符号を利用し、インターリーブはLTE規格を用い、8回の繰り返し復号を行っている。伝搬路モデルについてはTypical Urban(6パスモデル)(非特許文献12)、SUI3モデル、SUI4モデル(非特許文献10)とし、アンテナは無指向、端末は準静止状態を想定している。等化は周波数領域で行い、位相の補償のみを行っている。図10(表2のパラメータ)及び図11(表3のパラメータ)にシミュレーション結果を示す。図10と図11の比較では図11のほうが低符号化率でありかつビット数が多いため図10よりも性能が若干良くなっている。図10及び図11ともにSUI3の特性が他チャンネルモデルと比べて劣っているのは、周波数軸方向フェージングの変動が小さいためである。SUI3は遅延時間の大きな遅延波が存在しないパスモデルのため、帯域1.08MHzでは大きな周波数ダイバーシチ効果を得ることができないと考えられる。この例においては、Typical UrbanとSUI4の場合について、パケット誤り率0.1%を実現するには15dBのSNRが必要である。
さらに特性を改善していくためには、伝搬路推定値を更新できるターボ等化器の適用が必要と考えられる。
1 ザドフ−チュウ系列生成器
2 サイクリック拡張器
3 移相器
4 逆離散フーリエ変換器
5 サイクリックプレフィックス付加器
6 通信チャネル
7 サイクリックプレフィックス除去器
8 離散フーリエ変換器
9 ザドフ−チュウ系列生成器
10 乗算器
11 逆離散フーリエ変換器
12 タイムフィルタ
13、13、・・・、13M−1 サブスロット
14 検出器
15 タイムフィルタ
16 周波数フィルタ
17 逆周波数フィルタ
18 離散フーリエ変換器
19 周波数フィルタ
20 逆離散フーリエ変換器
21 スクランブラ
22 巡回冗長誤り検出符号化器
23 符号化器
24 変調器
25 R,CPおよびGT挿入器
26 信号切換手段
27 窓関数
100 送信手段
110、120 受信手段
200 送信手段
210 受信手段

Claims (6)

  1. プリアンブル部とデータ部とを含むフレーム構成のパケット信号を複数の無線端末から送信し共通の基地局で受信するコンテンション方式の通信システムであって、
    上記プリアンブル部は伝搬路特性推定用信号を含み、所定の系列信号に無線端末毎に割り当てられた分の移相が行われたものであり、また、上記データ部は端末識別情報とペイロードとを含むものであり、
    上記複数の無線端末は各々、上記プリアンブル部と上記データ部とにサイクリックプレフィックスとガードタイムを付加した後に送信し、
    上記パケット信号を受信した基地局は、上記プリアンブル部の上記サイクリックプレフィックスを除去し、フーリエ変換を行って時間軸信号を周波数軸信号に変換し、上記所定の系列信号の複素共役に相当する信号を乗じ、逆フーリエ変換を行って周波数軸信号を時間軸信号に変換し、この変換で得られる時間軸信号であるインパルス応答信号の各々をタイムフィルタによって上記無線端末ごとのスロットに振り分け、振り分けられた上記インパルス応答信号の各々から各々の伝送路特性を推定し、推定した上記伝送路特性を用いて上記データ部の分離および復号を行うものである、
    ことを特徴とするコンテンション方式の通信システム。
  2. プリアンブル部とデータ部とを含むフレーム構成のパケット信号を複数の無線端末から送信し共通の基地局で受信するコンテンション方式の通信システムであって、
    上記無線端末は、
    所定の系列信号を生成する第1信号生成部と、
    上記第1信号生成部の出力にサイクリック拡張を施すサイクリック拡張部と、
    上記サイクリック拡張部の出力を無線端末毎に割り当てられた分移相する移相部と、
    上記移相部の出力を時間軸信号とするための第1逆フーリエ変換部と、
    上記逆フーリエ変換部の出力にサイクリックプレフィックス領域を設けるためのサイクリックプレフィックス部と、
    上記サイクリックプレフィックス部の出力を送信する送信手段と、を備え、
    上記基地局は、
    上記送信手段から送信された無線信号を受信する受信手段と、
    受信した信号からサイクリックプレフィックス領域を取り除くためのサイクリックプレフィックス除去部と、
    上記サイクリックプレフィックス除去部の出力信号を周波数軸信号に変換するための第1フーリエ変換部と、
    上記所定の系列信号の複素共役に相当する信号を生成する第2信号生成部と、
    上記フーリエ変換部の出力と上記第2信号生成部の出力とを乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力にサイドローブを抑圧する所定の窓関数を掛ける周波数フィルタ部と、
    上記周波数フィルタ部の出力を時間軸信号に変換する第2逆フーリエ変換部と、
    上記第2逆フーリエ変換部からの信号を複数の遅延時間のインパルス応答信号に分類するタイムフィルタと、
    分類された上記各々のインパルス応答信号を周波数軸信号の各々に変換する第2フーリエ変換器と、
    上記第2フーリエ変換器の出力の各々を補正する補正用窓関数を掛ける時間フィルタ部の各々と、
    上記時間フィルタ部の各々の出力を時間軸信号に変換する第3逆フーリエ変換部の各々と、
    時間軸に変換された上記インパルス応答信号の各々から各々の伝送路特性を推定し、推定した上記伝送路特性の各々を用いて、上記データ部の各々の分離および復号を行う復号部と、
    を備えることを特徴とするコンテンション方式の通信システム。
  3. 上記窓関数は、カイザー窓であることを特徴とする請求項2に記載のコンテンション方式の通信システム。
  4. 上記補正用窓関数は、上記第2フーリエ変換器の出力の各々に上記窓関数の逆数に相当する特性をもった窓関数を掛けるものであることを特徴とする請求項2あるいは3に記載のコンテンション方式の通信システム。
  5. 上記復号部は、逐次干渉除去あるいは並列干渉除去を利用したものであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載のコンテンション方式の通信システム。
  6. 上記所定の系列信号における系列は、ザドフ−チュウ系列であり、その系列の長さは素数であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載コンテンション方式の通信システム。
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