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JP6907566B2 - 3次元形状計測装置、及び、プログラム - Google Patents
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本発明は、対象物の3次元形状を計測する技術に関する。
対象物の3次元形状を取得するツールは様々なものが提案されているが、近年ではカメラの解像度の向上と、コンピュータの計算性能が向上したことにより、三角測量技術を応用し、大量の画像から形状および表面のテクスチャを生成する手法が広く使われるようになってきた。この手法の特徴は、複数視点から撮影された多数の画像だけを入力して形状および表面のテクスチャを生成できることにあり、画像処理技術の向上により、レーザースキャナを用いた3次元形状測定装置よりも安定した計測ができるようになってきている。このような手法の一例が特許文献1に記載されている。
特開平8−254409号公報
非接触で3次元形状を取得するセンサは光を使用するため、水槽のように光が屈折する物体に囲まれた対象物を計測することができない。即ち、水槽の中の対象物をカメラで撮影しても対象物の像は光の屈折によって歪みが生じるため、近年の画像ベースによる3次元形状のデジタル化技術も適用できない。
一方で、デジタルアーカイブのニーズの一つとして、劣化する対象物の、撮影時点での姿を記録することが求められる。劣化の原因としては、絵画に対する紫外線や、災害・事故による破損などの他、生体組織が腐ることもあげられる。現在は生体組織の保存としてホルマリンに代表される防腐液で封入されて保管されている。
このように、容器内に密閉された状態で保管されている対象物のデジタル化では、容器を開封して計測することができないため、容器内に密閉されたままで計測しなければならない。しかし、従来技術においては、槽の中の物体を測定するような場合、撮影された画像は水槽表面の光の屈折によって歪みが生じるため、三角測量の関係を満たさなくなり、その3次元形状を復元できないという問題があった。
本発明は、屈折により生じる画像の歪を除去し、対象物の3次元形状を計測することが可能な3次元形状計測装置を提供することを主な目的とする。
本発明の1つの観点では、マーカが付与されている透明体容器内に収容された対象物の3次元形状を計測する3次元形状計測装置は、複数の撮影位置において撮影された前記透明体容器の画像を取得する画像取得手段と、前記撮影画像に含まれる前記マーカの部分に基づいて、前記撮影位置を特定する撮影位置特定手段と、前記撮影位置及び前記マーカの部分に基づいて、前記透明体容器の透明面の位置を特定する透明面特定手段と、前記撮影位置と、前記透明面の位置とに基づいて、前記透明面により生じる歪を除去した対象物画像を生成する生成手段と、前記歪を除去した対象物画像に基づいて、前記対象物の3次元形状を計測する計測手段と、を備え、前記透明面特定手段は、前記撮影位置に基づいて前記マーカの部分の形状を特定し、当該マーカの部分により規定される面を前記透明面と決定する
上記の3次元形状計測装置は、まず、複数の撮影位置において撮影された透明体容器の画像を取得し、撮影画像に含まれるマーカの部分に基づいて、撮影位置を特定する。次に、撮影位置及びマーカの部分に基づいて、透明体容器の透明面の位置を特定し、撮影位置と、透明面の位置とに基づいて、透明面により生じる歪を除去した対象物画像を生成する。そして、歪を除去した対象物画像に基づいて、対象物の3次元形状を計測する。ここで、透明面特定手段は、撮影位置に基づいて前記マーカの部分の形状を特定し、当該マーカの部分により規定される面を透明面と決定する。即ち、透明面の形状を特定できるようにマーカを透明面に付与しておき、マーカの部分に基づいて透明面が決定される。これにより、透明体容器内に液体などとともに収容された対象物の3次元形状を計測することができる。
上記の3次元形状計測装置の他の一態様では、前記生成手段は、前記撮影位置と、前記透明面の位置と、前記透明面での屈折率とに基づいて、前記透明面での屈折による歪を除去した画像の撮影位置を再計算する手段と、前記撮影位置で撮影された画像を、前記再計算された撮影位置から見た画像に変換することにより前記歪を除去した対象物画像を生成する手段と、を備える。この態様では、透明面での屈折による歪を除去した画像の撮影位置を求めることにより、歪を除去した対象物画像を得る。
好適には、前記マーカは、前記透明面の外周に沿って設けられる。好適な例では、前記マーカは、前記透明体容器に貼付された不透明なテープである。
本発明の他の観点では、コンピュータを備え、マーカが付与されている透明体容器内に収容された対象物の3次元形状を計測する3次元形状計測装置により実行されるプログラムは、複数の撮影位置において撮影された前記透明体容器の画像を取得する画像取得手段、前記撮影画像に含まれる前記マーカの部分に基づいて、前記撮影位置を特定する撮影位置特定手段、前記撮影位置及び前記マーカの部分に基づいて、前記透明体容器の透明面の位置を特定する透明面特定手段、前記撮影位置と、前記透明面の位置とに基づいて、前記透明面により生じる歪を除去した対象物画像を生成する生成手段、前記歪を除去した対象物画像に基づいて、前記対象物の3次元形状を計測する計測手段、として前記コンピュータを機能させ、前記透明面特定手段は、前記撮影位置に基づいて前記マーカの部分の形状を特定し、当該マーカの部分により規定される面を前記透明面と決定する。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の3次元形状計測装置を実現することができる。
実施例に係る3次元形状計測装置の構成を示す。 対象物を収容した透明体容器の一例を示す。 3次元形状計測処理のフローチャートである。 3次元形状計測処理における画像処理を説明する図である。 3次元形状計測処理における画像処理を説明する他の図である。 屈折により生じる歪を除去する方法を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
[構成]
図1は、実施例に係る3次元形状計測装置の構成を示す。3次元形状計測装置(以下、単に「計測装置」と呼ぶ。)20は、透明体容器10内に収容された対象物12の3次元形状を計測し、テクスチャを取得する装置である。なお、計測装置20は、例えば予め用意されたプログラムを実行するコンピュータ装置などにより構成することができる。
計測装置20は、異なる位置に設置された2つのカメラ30a、30bに接続されている。カメラ30a、30bは、それぞれ透明体容器10の画像を撮影し、撮影画像Ia、Ibを計測装置20へ供給する。計測装置20は、カメラ30a、30bから取得した撮影画像Ia、Ibに対して画像処理を行い、透明体容器10内の対象物12の3次元形状を計測する。なお、図1では、説明の便宜上2つのカメラ30a、30bを図示しているが、実際には、1つ又は複数のカメラ30により異なる撮影位置で撮影した複数の撮影画像を計測装置20に供給すればよい。例えば、1つのカメラを固定配置し、透明体容器10をターンテーブル上に配置してターンテーブルを回転させることにより、複数の撮影画像を撮影するようなシステム構成としてもよい。
上記の構成において、カメラ30a、30bは本発明における画像取得手段の一例であり、計測装置20は本発明における撮影位置特定手段、透明面特定手段、生成手段及び計測手段の一例である。
図2は、透明体容器10の構成を示す。透明体容器10は、例えば10cm角の立法体のガラスキューブであり、その中に水と対象物12を充填したものである。なお、透明体容器10は、ガラスの代わりに透明なアクリルなどで構成してもよい。本実施例では、対象物12は、球形のボールとしている。対象物12は透明体容器10のほぼ中央に位置しているが、図2においては、透明体容器10を構成するガラス面14での屈折により、対象物12は中央より少し下よりに位置しているように見えている。
透明体容器10の全ての辺には、例えば幅1cmの不透明なマスキングテープ13が貼り付けられている。マスキングテープ13は、透明体容器10のガラス面14を特定するために設けられており、本発明におけるマーカの一例である。
[3次元形状計測方法]
次に、対象物12の3次元形状の計測方法について説明する。図3は、3次元形状計測処理のフローチャートである。この処理は、計測装置20により実行される。
まず、計測装置20は、複数のカメラ位置からの撮影画像を取得する(ステップS10)。具体的には、計測装置20は、2つのカメラ30a、30bから撮影画像Ia、Ibを取得する。
次に、計測装置20は、撮影画像中のマスキングテープ13が貼付された部分(以下、「マスキングテープ部分」と呼ぶ。)の画素から、カメラ位置を計算する(ステップS11)。図4(A)は、2つのカメラ30a、30bで撮影された画像Ia、Ibの例を示す。透明体容器10とカメラ30a、30bとの相対的な位置関係により、画像Ia、Ibでは対象物12の位置が左右に少しずつずれている。計測装置20は、まず、画像Ia、Ibからマスキングテープ部分の画素のみを取り出す。図4(B)は、マスキングテープ部分の画素のみを取り出した画像の例を示す。画像Iaからマスキングテープ部分の画素のみを取り出すと画像Ia1が得られ、画像Ibからマスキングテープ部分の画素のみを取り出すと画像Ib1が得られる。そして、計測装置20は、複数の画像から3次元を復元する公知の技術を用いて、画像Ia1及びIb1から、これらの2枚の画像を撮影したカメラ30a、30bの位置と、マスキングテープ部分の形状とを計算により求める。図5(A)は、得られたカメラ30a、30bの位置と、マスキングテープ部分の形状を空間上に模式的に示す。なお、この処理には、例えば市販ソフトウェア「PhotoScan」などを用いることができる。
次に、計測装置20は、2つのカメラ位置とマスキングテープ部分の形状とを利用し、マスキングテープ部分の形状が同一平面であると仮定して平面フィッティングを行い、マスキングテープ部分により規定されるガラス面14の位置を算出する(ステップS12)。具体的には、計測装置20は、マスキングテープ部分の形状を構成する点群に対して最小二乗近似平面を計算し、ガラス面14の位置を求める。図5(B)は、得られたガラス面14の位置を模式的に示す。
こうして、ガラス面14の位置が求められると、2つのカメラ位置とガラス面14の位置とが定まるため、ガラス面14に対するカメラ30a、30bの位置及び姿勢が決まる。よって、計測装置20は、カメラ30a、30bから得られた画像Ia、Ibのそれぞれについて、マスキングテープ部分以外の領域における画像の歪を除去した対象物12の画素から、カメラ位置を再計算する(ステップS13)。以下、1つのカメラ位置に関する処理を説明する。
図6は、カメラ位置Po及びガラス面14を上方から見た平面図である。カメラ位置Poからガラス面14を撮影すると、撮影した画像は、撮像平面So上の複数の画素の集合として得られる。カメラ位置Poから出射して撮像平面So上の各画素の位置を通過したレイ(光線)Roはガラス面14に至り、ガラス面14の内側(透明体容器10の内部)が水であるためにガラス面14で屈折する。即ち、レイRoは、入射角αでガラス面14に入射してガラス面14で屈折し、出射角βで出射するレイRo’となってガラス面14の内側を進んで対象物12に至る。ここで、ガラス面14の内側におけるレイRo’をその進行方向と反対方向に延長して線分Rxを作ると、撮像平面So上の各画素の位置を通過した複数のレイRoに対応する複数の線分Rxは、結像位置Pxに集まる。この結像位置Pxは、ガラス面14で屈折が生じない場合に撮影画像と同一の画像が得られるカメラ位置に相当する。言い換えると、結像位置Pxは、ガラス面14での屈折による歪を除去した後の対象物12の画像(以下、「対象物画像」と呼ぶ。)から再計算されたカメラ位置となる。
具体的に、カメラ位置Poと、ガラス面14の位置及び姿勢とはステップS12で既知となっているので、計測装置20は、撮像平面So上の各画素の位置を通るレイRxの方向を求め、レイRxとガラス面14との交差点及び交差角(=入射角α)を求める。ガラス面14の内側の媒質が水であることからガラス面14での屈折率は既知であるので、計測装置20は、ガラス面14での屈折率を用いて、入射角αから出射角βを求め、線分Rxの方向を求める。計測装置20は、この処理を撮影平面So上の全ての画素について行い、得られた複数の線分Rxの交点を結像位置Pxとして求める。こうして、計測装置20は、再計算されたカメラ位置(結像位置)Pxを得る。
こうして再計算されたカメラ位置Pxが得られると、計測装置20は、ガラス面14での屈折による歪を除去した対象物画像を生成する(ステップS14)。具体的には、計測装置20は、カメラ位置Poと再計算されたカメラ位置Pxとの位置関係、及び、カメラ位置Poと撮像平面So上の各画素との位置関係に基づいて、撮像平面So上の各画素を、再計算されたカメラ位置Pxに対応する撮像平面Sx上に移動して、撮像平面Sx上に対象物画像を生成する。なお、この際、計測装置20は、撮影画像のうちマスキングテープ部分を除いた画像について対象物画像を生成する。
以上の処理が複数のカメラ位置について行われ、ガラス面14での屈折による歪を除去した複数の対象物画像が得られると、計測装置20は、得られた複数の対象物画像から、対象物12の3次元形状とテクスチャを生成する(ステップS15)。この処理は、前述のステップS11で用いた複数の画像から3次元を復元する公知の技術を用いて行うことができる。
以上のように、本実施例の3次元形状計測処理では、透明体容器10のガラス面14での屈折による歪を除去した対象物画像を生成し、対象物12の3次元形状及びテクスチャを得ることができる。これにより、ガラスケースやアクリルケースなどの透明なケース内に液体とともに封入された対象物をケース外部に取り出すことなく、その3次元形状及びテクスチャを取得することができる。例えば博物館などに収蔵されているホルマリン漬けサンプルや、水族館の水槽の中の魚介類などの対象物の3次元形状及びテクスチャを取得することが可能となる。
[変形例]
上記の実施例では、ガラス面14を特定するマーカとして、マスキングテープ13をガラス面14の全ての辺(1つのガラス面についてその4辺)に貼付しているが、マーカの付与方法はこれには限られない。例えば、ガラス面が平面であれば、1つのガラス面を特定するために、対象物12と重ならない位置において最小で3か所にマーカを付与すれば、それらのマーカに基づいて1つのガラス面を特定することが可能である。
10 透明体容器
12 対象物
13 マスキングテープ
14 ガラス面
20 3次元形状計測装置
30a、30b カメラ

Claims (5)

  1. マーカが付与されている透明体容器内に収容された対象物の3次元形状を計測する3次元形状計測装置であって、
    複数の撮影位置において撮影された前記透明体容器の画像を取得する画像取得手段と、
    前記撮影画像に含まれる前記マーカの部分に基づいて、前記撮影位置を特定する撮影位置特定手段と、
    前記撮影位置及び前記マーカの部分に基づいて、前記透明体容器の透明面の位置を特定する透明面特定手段と、
    前記撮影位置と、前記透明面の位置とに基づいて、前記透明面により生じる歪を除去した対象物画像を生成する生成手段と、
    前記歪を除去した対象物画像に基づいて、前記対象物の3次元形状を計測する計測手段と、
    を備え
    前記透明面特定手段は、前記撮影位置に基づいて前記マーカの部分の形状を特定し、当該マーカの部分により規定される面を前記透明面と決定することを特徴とする3次元形状計測装置。
  2. 前記生成手段は、
    前記撮影位置と、前記透明面の位置と、前記透明面での屈折率とに基づいて、前記透明面での屈折による歪を除去した画像の撮影位置を再計算する手段と、
    前記撮影位置で撮影された画像を、前記再計算された撮影位置から見た画像に変換することにより前記歪を除去した対象物画像を生成する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状計測装置。
  3. 前記マーカは、前記透明面の外周に沿って設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元形状計測装置。
  4. 前記マーカは、前記透明体容器に貼付された不透明なテープであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の3次元形状計測装置。
  5. コンピュータを備え、マーカが付与されている透明体容器内に収容された対象物の3次元形状を計測する3次元形状計測装置により実行されるプログラムであって、
    複数の撮影位置において撮影された前記透明体容器の画像を取得する画像取得手段、
    前記撮影画像に含まれる前記マーカの部分に基づいて、前記撮影位置を特定する撮影位置特定手段、
    前記撮影位置及び前記マーカの部分に基づいて、前記透明体容器の透明面の位置を特定する透明面特定手段、
    前記撮影位置と、前記透明面の位置とに基づいて、前記透明面により生じる歪を除去した対象物画像を生成する生成手段、
    前記歪を除去した対象物画像に基づいて、前記対象物の3次元形状を計測する計測手段、
    として前記コンピュータを機能させ
    前記透明面特定手段は、前記撮影位置に基づいて前記マーカの部分の形状を特定し、当該マーカの部分により規定される面を前記透明面と決定することを特徴とするプログラム。
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