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JP6907720B2 - 優先順位付け方法 - Google Patents
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本発明は、製品設計において、性能向上を阻害する解消すべき背反の優先順位付け方法に関する。
従来、このような分野の技術として、特開平07−110771号公報がある。設計変更と性能変化との関係は、1:1ではなく、1:多の関係である。すなわち、一つの設計箇所について変更した場合であっても、性能が上がる箇所と性能が下がる箇所がそれぞれ存在し、すなわち、一つの変更に対して複数の結果が対応する。また実際には、設計変更は複数の箇所で行い、それぞれの設計変更に対応した性能変化が発生する。
特開平07−110771号公報
しかしながら、前述した従来の背反モデルでは、因果関係を見るだけでは全体の性能変化をまとめることはできない。そのため、設計変更に伴う背反項目を特定することが困難であった。したがって、製品の性能目標を阻害する背反が複数存在する場合に、効率的に背反を解消するために因果モデルから数理最適化技術を用いて、解消すべき背反箇所の優先順位付けを実行したいという要望がある。
本発明は、解消すべき背反箇所の優先順位を付ける優先順位付け方法を提供するものである。
本発明にかかる優先順位付け方法は、設計変更箇所と、設計変更により変化する性能と、をあらかじめ対応付けた因果モデルを格納する因果モデルDBを備え、設計変更により生じる性能の向上とその背反性能とを特定し、解消すべき背反の優先順位を決定する優先順位付け方法であって、前記因果モデルDBに格納された前記因果モデルは、単位あたりの設計変更により生じる各性能の変化量の総数を、それぞれの性能変化の数値として配分した配分モデルをさらに備え、前記配分モデルにおいて配分された状態変化の数値に基づき、設計変更によって向上する性能と低下する性能の組み合わせを特定するとともに、背反箇所の優先順位付けを行う。
これにより、設計変更により生じる性能変更を数値化し、設計変更箇所が多岐にわたっても優先して解消すべき背反部分が容易に特定できる。
これにより、背反箇所の優先順位を付ける優先順位付け方法を提供することができる。
優先順位付け装置の構成を示す図である。 入力される設計情報として用いられるQFD表の一例を示す図である。 因果モデルの一例を示す図である。 設計変数Rと要求性能A、Gにかかる配分モデルの一例を示す図である。 背反箇所を特定した配分モデルの一例を示す図である。 背反の大きさを要求性能の余裕量と未達量により算出する一例を示す図である。 背反の大きさを未達量の2乗により算出する一例を示す図である。 優先順位付けの動作フローを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、優先順位付け装置1は、設計情報入力部11と、因果モデルデータベース12(以下、因果モデルDB)と、因果モデル抽出部13と、背反箇所特定部14と、優先順位設定部15と、表示部16と、を備える。なお例えば、設計情報入力部11はコンピュータの入力装置、因果モデルDB12、因果モデル抽出部13、背反箇所特定部14、優先順位設定部15は、コンピュータの記憶装置及び演算装置、表示部16はコンピュータのディスプレイ等によって実装が可能である。
設計情報入力部11は、設計情報の入力を行う。例えば、設計情報入力部11に入力される設計情報には、図2に示すような品質機能展開表(QFD表)が用いられる。このQFD表には、複数の要求性能と、各要求性能の目標値、現状の値、重要度、及び、設計変数を変更することにより変更される要求性能の値、設計変数変域、設計変数最適解の情報が記載されている。図2に示すQFD表では、要求性能がA〜Lまで存在するとともに設計変数がA〜Xまで存在する状態であり、設計変数の「R」を1単位上げることにより、要求性能の「G」が3向上するが、要求性能の「A」は−1であり、1悪化することが記載されている。なお、以下ではこれらの性能の変化を影響度と呼ぶ。なお図2において、QFD表の一部は表示を省略している。
図3に示すように、因果モデルDB12には、設計情報と要求性能、その中間層に当たる物理変数、ならびに設計変数が要求性能に与える影響度が格納された因果モデルが記憶されている。すなわち因果モデルは、設計変更箇所と、設計変更により変化する性能と、があらかじめ対応付けされたものである。
例えば、図3に示した因果モデルDB12に格納される因果モデルは、要求性能として「加速度」と「低速時航続距離」、設計変数として「バッテリー容量」、物理変数として「重量」「吃水」「水中抵抗」「単位距離あたり消費エネルギー」「エネルギー量」、及びこれらを繋ぐパスにより構成された1例であり、要求性能や設計変数を繋いでいるパスには、要求性能影響度が配分されている。因果モデルDB12内には、この配分された要求性能影響度の情報も同時に格納されている。なお図3において、設計変数と同枠内に記載されている矢印は設計変数を増減させた場合の増減方向を示しており、左側の矢印が設計変数を増加させた場合、右側の矢印が設計変数を減少させた場合を示している。
因果モデル抽出部13は、因果モデルDB12に格納されている因果モデルから、選択した設計変数及び要求性能にかかる因果モデルを選択する。また、因果モデル抽出部13では、選択された因果モデルから、物理変数を含む配分モデルを抽出し、配分モデルにおいて、パスに分岐があれば影響度の配分を行う。言い換えると、因果モデル抽出部13は、単位あたりの設計変更により生じる各性能の変化量の総数を、それぞれの性能変化の数値として配分した配分モデルを抽出する。
例えば、設計変数の「R」、要求性能として「A」と「G」に着目した場合の配分モデルは、図4に示した状態となる。なお、図4では、図2に示したQFD表の内容が反映されており、バッテリー容量が1単位上がると、要求性能「A」が1下がり、要求性能「G」が3上がることが示されている。また、図4に示した配分モデルには、パスに分岐があり、「Rp1」〜「Rp4」には影響度が分配されている。例えば図4では、要求性能「G」の影響度が「3」であるものについて、「Rp1」に「−2」、「Rp4」に「5」が分配されることが示されている。なお、図3に示した因果モデルDBと同様に、変数の左側に記載されている矢印は、設計変数を増加させたときの増減方向を示しており、例えば設計変数「R」を増加させた場合に「Rp1」〜「Rp3」は減少し、「Rp4」は増加することを示している。
背反箇所特定部14は、配分モデルにおいて配分された状態変化の数値に基づき、設計変更によって向上する性能と、これに伴い低下する性能(背反性能)の組み合わせを特定する。すなわち背反箇所特定部14は、図5に示した配分モデルにおいて、図5に示した配分モデルの変数左側の矢印が示す方向が異なる3箇所、すなわち、「Rp1」と「Rp4」、「Rp2」と「Rp4」、及び「Rp3」と「Rp4」の3つが、背反箇所であると特定する。すなわち、図5上において点線矢印が示している箇所が、互いに矢印の向きが異なっており、背反箇所である。
優先順位設定部15は、背反箇所特定部14で特定された背反箇所について、それぞれの背反の大きさを計算する。これにより優先順位設定部15は、背反箇所の優先順位付けを行う。優先順位設定部15による計算方法には、例えば各要求性能の余裕量と未達量を使う方法と、未達量の2乗を使う方法のいずれかを用いることができる。
ここで優先順位設定部15により、各要求性能の余裕量と未達量に基づいて優先順位をつける方法について説明する。ここで図6に示すように、要求性能「A」には余裕量が1であり、要求性能「G」は未達量が2であるものとする。優先順位設定部15は、背反箇所特定部14により特定された背反箇所において、絶対値の差分が最も大きい箇所が解消すべき背反箇所であると決定する。
ここで例えば、「Rp2」の影響度は要求性能A側からの−1と、要求性能G側からの+4との合計で3であり、「Rp4」の影響度は−10なので、「Rp2」と「Rp4」の絶対値の差は13である。同様に、「Rp1」と「Rp4」の絶対値の差は14であり、「Rp3」と「Rp4」の絶対値の差は13である。この場合、優先順位設定部15では、最も絶対値の差が大きい「Rp1」と「Rp4」が、背反を解消すべき箇所であると決定する。
また、優先順位設定部15により優先順位の設定する別の方法として、未達量の2乗を影響度に乗じて計算する方法を説明する。図7に示すように、要求性能「A」には余裕量が1であるため未達量は0であり、要求性能「G」は未達量が2であるものとする。優先順位設定部15は、背反箇所特定部14により特定された背反箇所において、計算値の最も大きい箇所が解消すべき背反箇所であると決定する。
ここで例えば、「Rp1」の値は影響度の−2と、未達量の2乗である(−2)の2乗である4とを乗じた−8であり、「Rp4」は影響度の5と、未達量の2乗である(−2)の2乗の4とを乗じた20である。したがって、「Rp1」と「Rp4」の背反の大きさは28となる。同様に、「Rp2」と「Rp4」の背反の大きさは28、「Rp3」と「Rp4」の背反の大きさは28である。ここで優先順位設定部15は、算出した背反の大きさが大きい箇所が、解消すべき背反箇所であると決定することができるが、この例に示したように算出した背反の大きさが全て同値となった場合には、未達量0のパスがある背反は解消する必要がないものとして決定する。すなわち、要求性能A側からの影響度について「Rp2」及び「Rp3」に係る箇所で未達量0のパスがあるため、「Rp2」と「Rp4」、及び「Rp3」と「Rp4」の組み合わせを除外し、優先順位設定部15は、「Rp1」と「Rp4」が、背反を解消すべき箇所であると決定する。
表示部16は、背反箇所特定部14により特定された背反箇所と、優先順位設定部15により決定された背反箇所の優先順位を表示することが可能である。
次に図8を参照して、優先順位付け装置1を用いて優先順位付けを行う手順について説明する。
設計情報入力部11により、設計情報の入力を行う(ステップS1)。ここで入力される設計情報は、例えば図1に示されるようなQFD表の情報である。優先順位付け装置1では、設計情報入力部11により入力されたQFD表などの設計情報から、対象範囲の特定と、そこに含まれる設計変数と要求性能の関係を読み込む。
因果モデル抽出部13は、設計情報入力部11により入力された設計情報に関連する因果モデルを、因果モデルDB12から抽出する(ステップS2)。これにより、優先順位付け装置1では、図3に示すような物理変数を含む因果モデルが作成され、パスに分岐があれば影響度の配分もされた状態になる。
背反箇所特定部14は、因果モデルにおける背反箇所を特定する(ステップS3)。すなわち、背反箇所特定部14は、性能向上を阻害する根本原因となる物理変数間の背反箇所を特定する。これにより背反箇所特定部14は、図4における「Rp1」と「Rp4」、「Rp2」と「Rp4」、及び「Rp3」と「Rp4」が、それぞれ背反箇所であると特定する。
優先順位設定部15は、背反箇所特定部14により特定された背反箇所について、背反の大きさを算出し、優先順位付けを行う(ステップS4)。なお、優先順位設定部15による優先純付けは、前述した各要求性能の余裕量と未達量を使う方法と、未達量の2乗を使う方法のいずれかを用いることができるが、これらの方法に限られず、他の計算方法を用いてもよい。これにより、優先順位設定部15は、図5における「Rp1」と「Rp4」の間の背反が優先して解消されるべきものであると決定することができる。
表示部16は、背反箇所特定部14により特定された背反箇所について、優先順位設定部15で決定した優先して解消すべき背反箇所を表示する(ステップS5)。
優先順位が高い背反箇所について背反を解消した後に(ステップS6)、優先順位付け装置1は、背反が解消後の因果モデル情報を作成する(ステップS7)。そして、優先順位付け装置1は、因果モデルDB12に因果モデル情報を格納し、情報の蓄積を行う(ステップS8)。
その後ステップS2に戻り、優先順位付け装置1では、情報蓄積後の因果モデルDB12を用いて、同様の処理を繰り返し実行することで、背反箇所の優先度を再計算することが可能である。
これにより、背反箇所について容易に順位付けが実行できる。すなわち、設計変更により生じる性能の変化を数値化しておき、当該数値を配分する配分モデルを有しておくことで、設計変更により生じるそれぞれ性能変化を数値化できる。そのため、設計変更箇所が多岐にわたっても、数値を用いて、背反部分がどの箇所であるかを容易に特定することができる。
本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。 また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 優先順位付け装置
11 設計情報入力部
12 因果モデルデータベース(因果モデルDB)
13 因果モデル抽出部
14 背反箇所特定部
15 優先順位設定部
16 表示部

Claims (1)

  1. 設計変更箇所と、設計変更により変化する性能と、をあらかじめ対応付けた因果モデルを格納する因果モデルDBを備え、設計変更により生じる性能の向上とその背反性能とを特定し、解消すべき背反の優先順位を決定する優先順位付け方法であって、
    前記因果モデルDBに格納された前記因果モデルは、単位あたりの設計変更により生じる各性能の変化量の総数を、それぞれの性能変化の数値として配分した配分モデルをさらに備え、
    前記配分モデルにおいて配分された状態変化の数値に基づき、設計変更によって向上する性能と低下する性能の組み合わせを特定するとともに、背反箇所の優先順位付けを行う、
    優先順位付け方法。
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