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JP6907750B2 - 透過型印画物 - Google Patents
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JP6907750B2 - 透過型印画物 - Google Patents

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Description

本発明は、透過型印画物に関する。
印画物(印刷物と称される場合もある)の表示形態の一つとして、透明基材上に、観察対象である対象画像が形成された印画物に対し、透過光を照射する照射装置により、当該印画物の背面側から、印画物の観察側に向かって透過光を照射することで、印画物の画像(以下、この画像を対象画像という)を観察可能とした透過光方式(バックライト方式と称される場合もある)が知られている。このような透過光方式は、LED看板等の表示のほか、近時、美術品(例えば、対象画像を絵画等とする美術品)の表示にも適用されつつある。特許文献1では、バックライト方式による展示に好適なシートが提案されている。
ところで、透過光方式による対象画像の観察時において、観察者に観察される対象画像の画像濃度は、反射光方式によって観察される対象画像の画像濃度よりも、その画像濃度が低く観察されてしまう傾向にある。換言すれば、透過光による対象画像の観察時には、実際の対象画像の画像濃度よりも、その画像濃度が低く観察されてしまう傾向にある。これは、観察される対象画像の画像濃度は、当該対象画像の膜厚に比例し、反射光によって対象画像を観察する場合には、入射時、及び反射時の2回、光が対象画像を通過するのに対し、透過光によって対象画像を観察する場合には、対象画像を通過する光の回数が1回となり、見掛け上、対象画像の膜厚が薄くなってしまうことによる。なお、透過光方式による対象画像の観察時において、対象画像の画像濃度が、実際の対象画像の画像濃度よりも低く観察されてしまった場合には、意匠性の低下などを引き起こす。
特開平10−217602号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、透過光方式による対象画像の観察時において、対象画像の画像濃度が、実際の対象画像の濃度よりも低く観察されてしまうことを抑制することができる印画物を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る透過型印画物は、透過光によって対象画像を観察可能な透過型印画物であって、透明基材の一方の面に、対象画像が形成され、前記透明基材の他方の面に、前記対象画像の画像濃度を向上させるための濃度補強画像が形成され、前記濃度補強画像は、厚み方向において、前記対象画像の全部ではなく一部と重なり、前記濃度補強画像と、当該濃度補強画像と厚み方向で重なる位置に対応する前記対象画像とが、同系色の画像であり、前記濃度補強画像の外縁にぼかし処理が施されていることを特徴とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る透過型印画物は、透過光によって対象画像を観察可能な透過型印画物であって、対象画像が形成された第1透明基材と、当該対象画像の濃度を向上させるための濃度補強画像が形成された第2透明基材と、が積層されてなり、前記濃度補強画像は、厚み方向において、前記対象画像の全部ではなく一部と重なり、前記濃度補強画像と、当該濃度補強画像と厚み方向で重なる位置に対応する前記対象画像とが、同系色の画像であり、前記濃度補強画像の外縁にぼかし処理が施されていることを特徴とする。
また、前記濃度補強画像が、黒色画像であってもよい。
また、前記透過型印画物を、前記対象画像側から平面視したときに、前記濃度補強画像は、前記対象画像の外縁から突出しないように構成されていてもよい。また、前記濃度補強画像の外縁にぼかし処理が施されていてもよい。
また、前記対象画像が、水性インクジェット方式により形成された画像であってもよい。
本開示の実施の形態に係る透過型印画物によれば、透過光方式による観察により、対象画像の画像濃度が、実際の対象画像の濃度よりも低く観察されてしまうことを抑制することができる。
(A)は本開示の実施の形態に係る透過型印画物の一例を示す概略断面図であり、(B)は本開示の実施の形態に係る透過型印画物を対象画像側から平面視した平面図である。 (A)、(B)はともに本開示の実施の形態に係る透過型印画物を対象画像側から平面視した平面図である。 本開示の実施の形態に係る透過型印画物を対象画像側から平面視した平面図である。 本開示の実施の形態に係る透過型印画物の一例を示す概略断面図である。 本開示の実施の形態に係る透過型印画物の一例を示す概略断面図である。 本開示の実施の形態に係る透過型印画物の一例を示す概略断面図である。 本開示の実施の形態に係る透過型印画物の一例を示す概略断面図である。 透過型印画物の形成方法の一例を示すフローチャートである。 対象画像のみからなる印画物を反射光で観察したときの平面図である。 対象画像のみからなる印画物を透過光で観察したときの平面図である。 濃度補強画像の平面図である。 本開示の実施の形態に係る透過型印画物を透過光で観察したときの平面図である。 (a)は縮小処理が施された濃度補強画像を有する印画物の正面図であり、(b)は、図10に示す印画物と、図13(a)に示す印画物とを重ね合せた本開示の実施の形態に係る透過型印画物を透過光で観察したときの平面図である。 (a)はぼかし処理が施された濃度補強画像を有する印画物の正面図であり、(b)は、図10に示す印画物と、図14(a)に示す印画物とを重ね合せた本開示の実施の形態に係る透過型印画物を透過光で観察したときの平面図である。
<<一実施形態の透過型印画物>>
以下、本開示の実施の形態に係る透過型印画物100の一実施形態(以下、一実施形態の透過型印画物と言う)について図面を参照して説明する。図1(A)に示すように、一実施形態の透過型印画物100は、透明基材10の一方の面(図示する形態では透明基材の上面)に、対象画像20が形成され、透明基材10の他方の面(図示する形態では透明基材の下面)に、対象画像20を構成する一部の画像の画像濃度を向上させるための濃度補強画像30が形成されている。図1(A)は、一実施形態の透過型印画物100の一例を示す概略断面図である。
そして、一実施形態の透過型印画物100は、濃度補強画像30の少なくとも一部が、厚み方向(図示する形態では上下方向)において、対象画像20の全部ではなく一部と重なっており、濃度補強画像30と、当該濃度補強画像30と厚み方向で重なる位置に対応する対象画像20とが、同系色の画像であることを特徴としている。
以下、一実施形態の透過型印画物100の各構成について具体的に説明する。
(透明基材)
透過型印画物100を構成する透明基材10は、透過光を透過するものであればよく、これ以外の条件について特に限定はない。なお、本願明細書で言う「透明」とは、無色透明のみならず、半透明、有色透明も含まれる。透明基材としては、例えば、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂(ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等)、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂からなるフィルム等を挙げることができる。また、紙基材や、ガラス基材等を用いることもできる。
また、透明基材10の表面には、対象画像20、或いは、濃度補強画像30の定着性等を向上させるための表面処理が施されていてもよい。表面処理の一例としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等を挙げることができる。また、透明基材10の表面に、染料等の受容性を有する層を設けてもよい。この場合、染料等の受容性を有する層は、透明基材10に含まれるものとする。つまりは、透明基材10として、2種以上の基材(フィルム、或いは層)を積層したものを用いることもできる。
透明基材10の透過率について特に限定はなく、透過光を透過することができるとの条件を満たすものであればよい。一例としての透明基材10は、波長550nmの透過率が50%以上となっている。なお、波長550nmの透過率が50%未満の透明基材10を用い、一実施形態の透過型印画物を透過光で観察したときの対象画像20の意匠性等を向上させることもできる。透明基材10の透過率の測定は、例えば、(株)島津製作所製の分光光度計(MPC−3100)を用いて測定することができる。
透明基材10の厚みについて特に限定はないが、100μm以上500μm以下の範囲が好ましい。
(対象画像)
図1に示すように、透明基材10の一方の面上には、対象画像20が形成されている。対象画像20は、当該対象画像20を透過する透過光によって、観察可能な画像である。対象画像20は、図1(B)に示すように、一つの独立する画像(画像A)であってもよく、図2(A)に示すように、所定の間隔をあけて配された複数の画像(画像A、画像B、画像C)から構成されていてもよく、図2(B)に示すように、複数の画像(画像A、画像B、画像C)の何れか、或いは全部が重なるように構成されたものであってもよい。図3に示す形態では、対象画像20は、色相Aからなる色相A画像、色相Bからなる色相B画像、色相Cからなる色相C画像、色相A画像と色相B画像との重ね画像である色相A+B画像、色相A画像と色相C画像との重ね画像である色相A+C画像、色相B画像と色相C画像との重ね画像である色相B+C画像、色相A画像と色相B画像と色相C画像との重ね画像である色相A+B+C画像から構成されている。対象画像20については、透過光の透過によって観察可能との条件を満たせばよく、図示する形態に限定されるものではない。なお、図1(B)、図2(A)、(B)、図3は、一実施形態の透過型印画物100を、対象画像20側から平面視したときの平面図であり、透明基材10の他方の面上に形成されている濃度補強画像30は省略している。
また、対象画像20を構成する一つの画像、或いは、複数の画像は、それぞれ、単一の色からなる画像であってもよく、複数の色からなる画像であってもよい。また、複数の色を重ねた重ね画像であってもよい。
対象画像20の形成方法について特に限定はなく、従来公知の画像形成方法を適宜選択して用いることができる。画像形成方法としては、例えば、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法、昇華型熱転写シートや、熱溶融型熱転写シートを用いた印刷法等を挙げることができる。また、これ以外の画像形成方法を用いることもできる。これらの中でも、インクジェット用のインクをピエゾ駆動で発生させた圧力波によってノズルから噴出し、透明基材10に付着させる印刷方式であるインクジェット方式、特には、水性インクジェット方式は、簡便に、フルカラー画像を形成できるといった利点を有する点で好適な画像形成方法である。
(濃度補強画像)
図1に示すように、透明基材10の他方の面上には、濃度補強画像30が形成されている。濃度補強画像30は、透過光によって対象画像20を観察する時に、対象画像の画像濃度が低く観察されてしまうことを補う役割を果たす。そして、この役割を果たすべく、一実施形態の透過型印画物100では、透明基材10の他方の面上に形成されている濃度補強画像30は、当該透過型印画物100の厚み方向において(図示する形態では上下方向において)、対象画像20の全部ではなく一部と重なっており、さらに、濃度補強画像30と、当該濃度補強画像30と厚み方向で重なっている対象画像20が、同系色の画像となっている。この場合において、対象画像20のうち、濃度補強画像30と厚み方向で重なっていない部分は、濃度補強画像30と同系色であってもよく、濃度補強画像と同系色でなくともよい。
この特徴を有する一実施形態の透過型印画物100によれば、透過光方式により対象画像20を観察したときに、観察される対象画像の画像濃度が、実際の濃度よりも低く観察されてしまうことを、濃度補強画像30によって抑制することができる。また、対象画像20と濃度補強画像30は、それぞれ、直接的に接しないようにして形成されていることから、対象画像20と濃度補強画像30とが直接的に接することによる、対象画像の滲みや、混色等を抑制することができる。したがって、一実施形態の透過型印画物100は、滲みや、混色等が生じやすい水性インクジェット方式により、対象画像20を形成した形態とする場合に特に好適である。
なお、本願明細書で言うの「同系色」とは、色相、明度、彩度、及び光沢度の全て、或いはいずれかにおいて同一または類似である色のことを意味する。好ましい形態の透過型印画物100は、濃度補強画像30と、当該濃度補強画像30と厚み方向で重なる対象画像の濃度との色差(ΔE*ab)が6.5以下であり、より好ましくは、3.2以下であり、特に好ましくは、1.6以下となっている。色差(ΔE*ab)は、分光測定器(グレタグマクベス社製、商品名:spectrolino)を使用することにより測色し、国際証明委員会のL***表色系における数値で定義するものである。なお、ΔE*ab=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2で表される値であり、値が大きいほど目視したときの色の違いが大きい。なお、(ΔL*)、(Δa*)、(Δb*)は、濃度補強画像30と、当該濃度補強画像と厚み方向で重なる対象画像とのL*、a*およびb*の値の差である。
濃度補強画像30の形成位置について特に限定はなく、透過光による観察時において、濃度が低く観察されてしまう対象画像20と重なる位置に設ければよい。
また、一実施形態の透過型印画物100が、対象画像20として黒色画像、或いは黒色に近似する黒色近似画像(例えば、グレー画像)を含む場合には、対象画像20に含まれる、当該黒色画像、或いは黒色近似画像と、厚み方向で重なる位置に、当該黒色画像、或いは黒色近似画像と同系色の濃度補強画像30を形成することが好ましい。これは、透過光による観察時において、黒色画像や、黒色近似画像は、他の色の画像と比較して、その濃度が、実際の画像濃度よりも低く観察されてしまう傾向にあることによる。
また、図2(A)、(B)に示すような形態において、濃度補強画像30は、対象画像20を構成する画像A、画像B、画像Cの何れかの1つの画像と厚み方向で重なっていてもよく、全ての画像(画像A、画像B、画像C)と厚み方向で重なっていてもよい。後者の場合には、それぞれの濃度補強画像30は、各画像と同系色の画像となっている。例えば、画像Aが黒色画像、画像Bが青色画像、画像Cが赤色画像の場合、画像Aと重なる濃度補強画像は、黒色画像となっており、画像Bと重なる濃度補強画像は、青色画像となっており、画像Cと重なる濃度補強画像は、赤色画像となっている。また、後者の場合には、全ての画像(画像A、画像B、画像C)のうちの、少なくとも一つの画像は、厚み方向において、当該画像の全部ではなく一部で、濃度補強画像30と重なっている。図3に示す形態についても同様であり、例えば、色相A+B+C画像が、黒色画像である場合には、当該色相A+B+C画像と厚み方向で重なる少なくとも一部に、黒色の濃度補強画像30が形成されていればよい。また、これ以外の画像と厚み方向で重なる位置に、濃度補強画像30を位置させてもよい。
(濃度補強画像のぼかし処理)
好ましい形態の濃度補強画像30は、当該濃度補強画像30を平面視したときに、その一部にぼかし処理が施されている。より好ましい形態の濃度補強画像30は、当該濃度補強画像30を平面視したときに、その外縁にぼかし処理が施されている。また、濃度補強画像30の全体にぼかし処理を施してもよい。好ましい形態の濃度補強画像30とすることで、一実施形態の透過型印画物100を、対象画像20側から平面視した時に、厚み方向において、当該対象画像20の全部ではなく一部と重なる濃度補強画像30が、対象画像20の外縁から外方に向かって突出するような場合であっても、透過光によって、当該対象画像20を観察した際に、対象画像20の外縁から突出した濃度補強画像30によって、対象画像の外縁がぼやけて観察されてしまうことを抑制することができる。換言すれば、対象画像20の外縁から濃度補強画像30が突出した場合であっても、透過光によって観察したときの、当該突出した部分の濃度補強画像30の視認性を低くすることができる。なお、本願明細書でいう「ぼかし処理」とは、濃度補強画像に対して濃度勾配を設ける処理を意味する。例えば、濃度補強画像30の外縁にぼかし処理を施す場合には、濃度補強画像の外縁に位置する領域の濃度を、他の領域の濃度よりも低くすることで、濃度勾配を設けることができる。ぼかし処理を行う領域は、濃度補強画像30と重ねる対象画像20の形状や、大きさ等を考慮して決定すればよいが、好ましい一例としては、濃度補強画像の外縁を起点として0.5mm以上1.5mm以下の幅、特には1mm程度の幅をぼかし処理を施した領域とした形態を挙げることができる。
(濃度補強画像の縮小処理)
別の好ましい形態の濃度補強画像30は、一実施形態の透過型印画物100を、対象画像20側から平面視したときに、対象画像20の外縁から突出していないように形成されている。別の好ましい形態の濃度補強画像30によれば、対象画像20と濃度補強画像30とを重ね合せるときに、意図しない重ねずれ等が生じた場合であっても、対象画像20の外縁がぼやけて観察されてしまうことを抑制することができる。例えば、濃度補強画像30に縮小処理を施し、濃度補強画像30の形状を、濃度の向上を所望する対象画像20の形状よりも小さくすることで、対象画像20の外縁から、濃度補強画像30が突出しない形態を容易に実現することができる。
濃度補強画像の形状や、大きさについて特に限定はなく、対象画像20において濃度の向上を目的とする形状や、大きさを考慮して適宜設定すればよい。なお、対象画像20と、濃度補強画像30とを重ね合せるときの位置精度等を考慮すると、濃度補強画像30の大きさは、5mm角以上であることが好ましい。
濃度補強画像30の形成方法について特に限定はないが、濃度補強画像30は、対象画像の画像濃度を向上させるための画像であり、その画像の鮮明性等について、特に考慮を要しない。したがって、濃度補強画像30は、所謂べた画像などの形成に用いられる、従来公知の画像形成方法、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を用いて形成することができる。
なお、一実施形態の透過型印画物100を透過光によって観察する時の透過光の照射方向について特に限定はなく、透明基材10の一方の面側から、透明基材10の他方の面側に向かって、つまりは、対象画像20側から、濃度補強画像30側に向かって照射してもよく、透明基材10の他方の面側から、透明基材10の一方の面側に向かって、つまりは、濃度補強画像30側から対象画像20側に向かって照射してもよい。このことは、後述する他の実施形態の透過型印画物100についても同様である。
透過光を照射するための照射装置については従来公知の照射装置を適宜選択して用いることができる。例えば、LED照明装置、蛍光照明装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)照明装置などを用いることができる。また、これ以外の照射装置を用いることもできる。
(他の実施形態の透過型印画物)
次に、図4〜図7を参照して、本開示の他の実施の形態に係る透過型印画物100(以下、他の実施形態の透過型印画物という)について説明する。なお、図4〜図7は、他の実施形態の透過型印画物100の一例を示す概略断面図である。
図4〜図7に示すように、他の実施形態の透過型印画物100は、透過光によって対象画像20を観察可能な透過型印画物100であって、対象画像20が形成された第1透明基材10Aと、当該対象画像20の濃度を向上させるための濃度補強画像30が形成された第2透明基材10Bとが積層されてなる構成を呈している。そして、他の実施形態の透過型印画物100は、濃度補強画像30は、厚み方向において、対象画像20の全部ではなく一部と重なっており、濃度補強画像30と、当該濃度補強画像30と厚み方向で重なる位置に対応する対象画像20とが、同系色の画像であることを特徴としている。
つまり、上記で説明した一実施形態の透過型印画物100が、1つの透明基材10を用い、当該透明基材10の一方の面上に対象画像20が形成され、透明基材10の他方の面上に、厚み方向において対象画像20の全部ではなく一部と重なるように濃度補強画像30が形成されているのに対し、他の実施形態の透過型印画物は、少なくとも2つの透明基材(図示する形態では、第1透明基材10A、第2透明基材10B)を用い、対象画像20が形成された第1透明基材10Aと、濃度補強画像30が形成された第2透明基材10Bとが積層されている点においてのみ、一実施形態の透過型印画物100と、他の実施形態の透過型印画物100とは相違し、それ以外の点では一致している。したがって、この相違点以外については、上記一実施形態の透過型印画物で説明した形態を適宜選択すればよい。
この特徴を有する他の実施形態の透過型印画物100によれば、上記で説明した一実施形態の透過型印画物100と同じ理由により、透過光方式により対象画像20を観察したときに、観察される対象画像の画像濃度が、実際の濃度よりも低く観察されてしまうことを、濃度補強画像30によって抑制することができる。また、対象画像20と濃度補強画像30は、それぞれ、直接的に接しないようにして形成されていることから、対象画像20と濃度補強画像30とが直接的に接することによる、対象画像の滲みや、混色等を抑制することができる。
他の実施形態の透過型印画物100は、対象画像20が形成された第1透明基材10Aと、濃度補強画像30が形成された第2透明基材10Bとが積層されてなり、濃度補強画像30が、厚み方向において、対象画像20の全部ではなく一部と重なっており、濃度補強画像30と、当該濃度補強画像30と厚み方向で重なる位置に対応する対象画像20とが、同系色の画像である、との関係を満たせば、これ以外の条件について特に限定はない。例えば、他の実施形態の透過型印画物100は、図4に示すように、対象画像20が形成されてなる第1透明基材10Aと、濃度補強画像30が形成されてなる第2透明基材10Bとが、対象画像20、第1透明基材10A、第2透明基材10B、濃度補強画像30がこの順で積層されてなる構成を呈してもよい。また、図5に示すように、対象画像20、第1透明基材10A、濃度補強画像30、第2透明基材10Bがこの順で積層されてなる構成を呈していてもよい。また、図6に示すように、第1透明基材10A、対象画像20、濃度補強画像30、第2透明基材10Bがこの順で積層されてなる構成を呈していてもよい。また、図7に示すように、第1透明基材10A、対象画像20、第2透明基材10B、濃度補強画像30がこの順で積層されてなる構成を呈していてもよい。
対象画像20が形成されてなる第1透明基材10Aと、濃度補強画像30が形成されてなる第2透明基材10Bとの積層方法についても特に限定はなく、従来公知の接着方法等を用いた貼り合わせによって積層してもよく、フレーム(枠体)等に嵌め込むようにして、積層することもできる。また、これ以外の方法によって積層してもよい。
対象画像20が形成されてなる第1透明基材10Aと、濃度補強画像30が形成されてなる第2透明基材10Bとは、直接的に接するようにして積層されていてもよく、所定の間隔をあけるようにして積層されていてもよい。なお、対象画像20が形成されてなる第1透明基材10Aと、濃度補強画像30が形成されてなる第2透明基材10Bとが、直接的に接するようにした積層は、観察角度によって、対象画像20に画像ぼけが生ずることを抑制することができる点で好ましい。
また、他の実施形態の透過型印画物100は、第1透明基材10A、第2透明基材10Bとは異なる、他の透明基材を含んでいてもよい。例えば、図6に示す形態の透過型印画物において、対象画像20と、濃度補強画像30との間に、他の透明基材を有していてもよい。
第1透明基材10A、第2透明基材10Bとしては、上記一実施形態の透過型印画物100で説明した透明基材10を適宜選択して用いることができる。第1透明基材10A、第2透明基材10Bは、同一の透明基材であってもよく、異なる透明基材であってもよい。第1透明基材10A、第2透明基材10Bの厚みについても同様であり、透過光を照射する照射装置の照度等に応じて適宜設定することができる。一例としての第1透明基材10Aの厚みは、100μm以上500μm以下の範囲であり、第2透明基材10Bの厚みは、100μm以上500μm以下の範囲である。
(透過型印画物の形成方法)
次に、図8を参照して、本開示の実施の形態に係る透過型印画物100の形成方法(以下、一実施形態の透過型印画物の形成方法という)について説明する。なお、図8は、一実施形態の透過型印画物の形成方法の一例を示すフローチャートである。
一実施形態の透過型印画物の形成方法では、はじめに、対象画像を印刷するための対象画像用画像データを作成する(ステップS10)、次いで、作成された対象画像用画像データに基づいて、濃度の補強を行う領域を抽出し、当該抽出された領域に基づいて、濃度補強画像用仮画像データを作成する(ステップS20)。具体的には、対象画像用画像データに基づいて印刷される対象画像のうち、濃度の補強を所望する領域を抽出し、当該抽出された領域と重ね合せる濃度補強画像を印刷するための濃度補強画像用仮画像データを準備する。対象画像用画像データ、及び濃度補強画像用仮画像データには、印刷される画像の形状、印刷位置、印刷される画像の色相などのデータが含まれている。
次いで、準備された濃度補強画像用仮画像データに対し、エッジ処理(加工処理)を行うか否かを決定する(ステップS30)。このとき、エッジ処理を行わないと判別した場合には、当該濃度補強画像用仮画像データを、濃度補強画像用画像データとして決定する(ステップS70)。一方で、エッジ処理を行うことを決定した場合には、次いで、エッジ処理が、ぼかし処理であるかを判別し(ステップS40)、ぼかし処理であると判別した場合には、濃度補強画像用仮画像データにぼかし処理を施し、ぼかし処理後の濃度補強画像用仮画像データを、濃度補強画像用画像データとして決定する(ステップS50)。一方で、エッジ処理がぼかし処理でないと判別した場合には、濃度補強画像用仮画像データに縮小処理を施し、縮小処理後の濃度補強画像用仮画像データを、濃度補強画像用画像データとして決定する(ステップS60)。
なお、濃度補強画像用仮画像データに対し、ぼかし処理、縮小処理の双方の処理を行うこともできる。
次いで、対象画像用画像データに基づいて、透明基材の一方の面に、対象画像を印刷すし、濃度補強画像用画像データに基づいて、透明基材の他方の面に、濃度補強画像を印刷する(ステップS80)ことで、透明基材の一方の面上に対象画像が形成され、透明基材の他方の面に、濃度補強画像が形成され、且つ対象画像の全部ではなく一部と、濃度補強画像とが重なる透過型印画物を得る。
また、ステップS80の処理にかえて、対象画像が形成された透明基材とは別の透明基材を用い、当該別の透明基材に濃度補強画像を形成し、対象画像が形成された透明基材と、濃度補強画像が形成された別の透明基材とを重ねあわせて、透過型印画物を得ることもできる。
次に、図9〜図14を参照して、本開示の実施の形態に係る透過型印画物の優位性について説明する。図9、図10は、ともに透明基材の一方の面に、対象画像のみが形成されてなる印画物であり、図9は、当該印画物を反射光で観察したときの正面図であり、図10は、当該印画物を透過光で観察したときの正面図である。図9、図10からも明らかなように、同じ対象画像を反射光と、透過光で観察した場合には、透過光で観察した方が、対象画像の濃度が低く観察される傾向にある(図中の矩形部分の画像の濃度)。なお、図9、図10では、矩形部分の画像を、濃度の向上を所望する領域の画像としている。つまり、濃度補強画像と重なる対象画像部分としている。
図11は、別の透明基材に濃度補強画像が形成されてなる印画物の正面図であり、図12は、図10に示す対象画像を有する印画物と、図11に示す濃度補強画像を有する印画物とを重ね合せた印画物(積層体)を、透過光で観察したときの正面図である。図12に示すように、対象画像と濃度補強画像とを重ね合せることで、透過光による観察時においても、濃度の低下を抑制することができた。具体的には、図9に示す反射光による観察と同程度の濃度での観察が可能となった。なお、図示する形態において、図10に示す形態の印画物を透過光で観察したときの対象画像(濃度補強画像と重ね合せる前の画像)の透過濃度は、0.7であったのに対し、図12に示す形態の印画物(濃度補強画像と重ね合せた後の画像)を透過光で観察したときの透過濃度は、1.5と確認できた。
図13(a)は、縮小処理が施された濃度補強画像を有する印画物であり、図13(b)は、図10に示す対象画像を有する印画物と、図13(a)に示す縮小処理が施された濃度補強画像を有する印画物とを重ね合せた印画物を、透過光で観察したときの正面図である。図14(a)は、ぼかし処理が施された濃度補強画像を有する印画物であり、図14(b)は、図10に示す対象画像を有する印画物と、図14(a)に示すぼかし処理が施された濃度補強画像を有する印画物とを重ね合せた印画物を、透過光で観察したときの正面図である。これらの形態の印画物によれば、対象画像を有する印画物と、濃度補強画像を有する印画物とを重ね合せたときに、位置合わせずれ(見当ずれ)等が生じた場合であっても、その影響を小さくすることが可能となる。
100 透過型印画物
10、10A、10B 透明基材
20 対象画像
30 濃度補強画像

Claims (5)

  1. 透過光によって対象画像を観察可能な透過型印画物であって、
    透明基材の一方の面に、対象画像が形成され、
    前記透明基材の他方の面に、前記対象画像の画像濃度を向上させるための濃度補強画像が形成され、
    前記濃度補強画像は、厚み方向において、前記対象画像の全部ではなく一部と重なり、
    前記濃度補強画像と、当該濃度補強画像と厚み方向で重なる位置に対応する前記対象画像とが、同系色の画像であり、
    前記濃度補強画像の外縁にぼかし処理が施されていることを特徴とする透過型印画物。
  2. 透過光によって対象画像を観察可能な透過型印画物であって、
    対象画像が形成された第1透明基材と、当該対象画像の濃度を向上させるための濃度補強画像が形成された第2透明基材と、が積層されてなり、
    前記濃度補強画像は、厚み方向において、前記対象画像の全部ではなく一部と重なり、
    前記濃度補強画像と、当該濃度補強画像と厚み方向で重なる位置に対応する前記対象画像とが、同系色の画像であり、
    前記濃度補強画像の外縁にぼかし処理が施されていることを特徴とする透過型印画物。
  3. 前記濃度補強画像が、黒色画像であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透過型印画物。
  4. 前記透過型印画物を、前記対象画像側から平面視したときに、前記濃度補強画像は、前記対象画像の外縁から突出していないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の透過型印画物。
  5. 前記対象画像が、水性インクジェット方式により形成された画像であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の透過型印画物。
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