JP6907884B2 - 干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 - Google Patents
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Description
また、リフトオフ工程等によって基板の一部の領域に誘電体多層膜を形成した後、誘電体多層膜上から基板に亘って電極を形成する場合では、誘電体多層膜の端面(側面)に電極が配置される。このような場合では、誘電体多層膜の端面への電極の形成が困難であり、電極の一部に断線が生じるおそれがある。これに対して、特許文献1のような干渉フィルターでは、誘電体多層膜の表面上に電極を形成すればよいので、電極の断線等の不都合が抑制される。
例えば、導電性を有する膜層に帯電が発生すると、静電アクチュエーターとして機能させたい駆動電極以外の部分にも帯電が生じるので、見かけ上、静電アクチュエーターの面積が拡大したような作用が生じ、ミラー間のギャップ寸法が徐々に狭くなる。この場合、ミラー間のギャップ寸法を所定寸法に精度よく設定するための電圧制御が複雑となる。
一方、このような第一反射膜を第一基板の一面の略全面に設ける構成では、例えば駆動電極等を設けて電圧を印加すると、導電層に帯電が生じる。これに対して、本適用例では、第一反射膜に、導電層が露出する第一スルーホールが設けられており、当該第一スルーホールから露出する導電層が第一配線電極に接続されている。このため、導電層が帯電した場合でも、第一配線電極から電荷を逃がすことができ、帯電の影響を抑制することができる。
つまり、第一スルーホールは、第一貫通孔が設けられた絶縁層と第二貫通孔が設けられた導電層との間で階段状となり、導電層の上面の一部が第一スルーホール内に露出する。このような構成では、例えば第一導電層の側面のみが第一スルーホール内に露出する構成に比べて、第一導電層に対して第一配線電極を接続しやすく、第一導電層の電荷を適切に逃がすことができる。
よって、上記適用例と同様に、第二反射膜の導電層が帯電した場合でも、第二配線電極から電荷を逃がすことができ、帯電の影響を抑制することができる。
これに対して、本適用例では、第一基板から突出する突出部が第二スルーホール内に挿入されて、第二スルーホールの底面で第二配線電極と第一配線電極とが接触する。このため、第一基板と第二基板とを近接させることができ、干渉フィルターのサイズを小さくできる。特に、第二反射膜を貫通する第二スルーホールを設ける構成とすれば、第二スルーホールの底面が第二基板の基板表面と同一面となり、更なる干渉フィルターの小型化を図ることができる。
本適用例では、上述した適用例と同様、干渉フィルターにおける誘電体多層膜の帯電の影響を抑制できる。また、干渉フィルターが筐体内に収納されているため、例えば反射膜への異物の付着等を抑制でき、衝撃等から干渉フィルターを保護することもできる。
本適用例では、上述した適用例と同様、干渉フィルターにおける誘電体多層膜の帯電の影響を抑制できる。したがって、回路部として、誘電体多層膜の帯電を考慮した複雑な制御を行う回路を組み込む必要がなく、回路部の構成を簡略化することができ、光学モジュールのコストダウンを図れる。
本適用例では、回路部にグラウンド回路が含まれているので、導電層が帯電した場合では、第一配線電極からグラウンド回路に導電層の電荷を逃がすことができる。
本適用例では、上述した適用例と同様、干渉フィルターにおいて誘電体多層膜での帯電の影響を除外でき、複雑な制御を実施せずとも、干渉フィルターから安定して所望波長の光を出力させることができる。したがって、電子機器における、当該干渉フィルターの制御も容易にできる。
以下、第一実施形態に係る光学モジュールについて説明する。
図1は、第一実施形態の波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図2は、図1をA−A線で切断にした波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図1及び図2に示すように、第一基板51および第二基板52を備えている。これらの第一基板51及び第二基板52は、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等の接合膜53により接合されて、一体的に構成されている。
第一基板51には、第一反射膜54が設けられ、第二基板52には、第二反射膜55が設けられ、これらの第一反射膜54および第二反射膜55は、ミラーギャップGを介して対向配置されている。また、波長可変干渉フィルター5には、ミラーギャップGの寸法を変更する静電アクチュエーター56を備えている。
以下、各部の構成を詳細に説明する。
第一基板51は、図2に示すように、第二基板52に対向する面に、例えばエッチングにより形成された電極配置溝511及びギャップ形成部512を備える。この第一基板51は、例えば第二基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、静電アクチュエーター56により静電引力を作用させた際の第一基板51が抑制されている。
また、第一基板51の一端側(例えば、図1における辺C5−C6)は、第二基板52の一端側(辺C1−C2)よりも突出し、波長可変干渉フィルター5を例えばパッケージ筐体や基台等に固定する際の固定部として用いることができる。
第一反射膜54は、第一基板51の第二基板52に対向する面に亘って設けられている。すなわち、第一反射膜54は、第一基板51の第二基板52に対向する一面側の略全面(後述する第一スルーホール543が設けられる部分以外)を覆って形成されている。
この第一反射膜54は、所定波長域の光に対して反射特性及び透過特性を有する複数の膜材により構成されており、当該膜材は、前記光に対して互いに異なる屈折特性を有する誘電体多層膜である。具体的には、図3に示すように、第一反射膜54は、絶縁層である金属酸化膜(以降、酸化膜541と略す)と、導電層である金属膜542とが交互に積層されることで構成された積層体である。例えば、本実施形態では、高屈折層の酸化膜541としてSiO2、低屈折層の金属膜542として半金属であるSiが用いられる。このような誘電体多層膜の第一反射膜54では、近赤外から赤外域に対して高い反射特性を有する。
なお、第一反射膜54の第二基板52に対向する最表面を構成する層は、金属酸化膜541である。
例えば、最表面の酸化膜541に設けられる貫通孔(第一貫通孔541A)は、当該最表面の酸化膜541の直下(第一基板51側)に隣接して形成される金属膜542の貫通孔(第二貫通孔542A)に連通し、第一スルーホール543の一部を構成する。そして、第一貫通孔541Aの孔径L1は、第二貫通孔542Aの孔径L2よりも大きく、平面視で第一貫通孔541Aの内側に第二貫通孔542Aが配置されている。このため、最表面の酸化膜541の直下の金属膜542の上面(第二基板52側の面)の一部と、当該金属膜542の側面とが第一スルーホール543の内側に露出することになる。
他の金属膜542も同様であり、直上に配置された酸化膜541の第一貫通孔541Aの孔径よりも小さい孔径の第二貫通孔542Aが設けられることで、各金属膜542の上面の一部と側面とが第一スルーホール543に露出する。
また、第一スルーホール543が設けられる位置としては、ギャップ形成部512以外の領域であれば、何処に設けられていてもよく、本実施形態では、引出溝511A内に第一スルーホール543が設けられている。
具体的には、第一電極561は、第一基板51の電極配置溝511の溝底面に形成された第一反射膜54上に配置されている。この第一電極561は、例えば電極配置溝511に沿った略環状に形成される。
なお、本実施形態では、1つの第一電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心軸Oを中心とした同心円となる2つ以上の電極が設けられる構成などとしてもよい。また、第一電極561の形状としては、例えば、一部に環内外を連通する切欠部が設けられる構成としてもよい。この場合、当該切欠部を通って、第一電極561から独立した他の電極(例えばギャップ形成部512上に配置された容量検出用電極等)を設けることもできる。
この第一引出電極563は、引出溝511Aにおいて、第二基板52側に設けられた第一接続電極565に接続される。
これにより、第一スルーホール543から露出する金属膜542の上面の一部及び側面が第一引出電極563に被覆されて導通する。
また、図1及び図4に示すように、第一引出電極563の一部(電極接続部563A)は、第一接合部513まで延設されており、第一接合部513において、第二基板52に設けられた第一接続電極565に接続される。
第二基板52は、本発明の基板に相当する。第二基板52は、第二基板52の一端側(辺C3−C4側)は、第一基板51の辺C7−C8よりも外側に突出し、電装部560を構成する。また、第二基板52の第一基板51に対向する面には、第二反射膜55及び第二電極562が設けられている。
そして、第二基板52の第一基板51とは反対側の面には、第一基板51側に凹状となる例えば円環状の溝が形成されることで、可動部521と、可動部521の外周を囲う保持部522と、保持部522の外側に設けられる基板外周部523とが形成されている。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、可動部521のフィルター中心軸Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
図5は、第二反射膜55及び第二スルーホール553の概略構成を示す図である。
この第二反射膜55は、第一反射膜54と同様に、所定波長の光に対する屈折率が高い高屈折層と、屈折率が低い低屈折層とが交互に積層された積層体(誘電体多層膜)であり、絶縁層である金属酸化膜(酸化膜551と称す)と、導電層である金属膜552とにより構成されている。本実施形態では、第一反射膜54と同様に、高屈折層として、酸化膜551(例えばSiO2)、低屈折層として金属膜552(例えばSi)が用いられている。
なお、第一反射膜54及び第二反射膜55のうち、ギャップ形成部512の先端面に対向する領域Mは、ミラー領域Mとなる。ミラー領域Mは、入射光が第一反射膜54及び第二反射膜55間で多重反射される領域であり、ミラーギャップGに応じた波長の光が干渉により強め合い、ミラー領域Mから出射される。
したがって、各金属膜552の上面(第一基板51側の面)の一部と側面とが第二スルーホール553内に露出する。
また、第一スルーホール543と同様に、第二スルーホール553は、ギャップ形成部512以外の領域であれば、何処に設けられていてもよい。本実施形態では、引出溝511Aに対向する位置に第二スルーホール553が設けられている。
また、第二電極562の外周縁からは、引出溝511Aに対向する領域を通り、電装部560まで延設される第二引出電極564(図1参照)が設けられている。
また、図1及び図4に示すように、この第一接続電極565の一部(電極接続部565A)は、第一接合部513の一部(第一引出電極563の電極接続部563Aに対向する位置)まで延設されており、第一基板51及び第二基板52を接合膜53により接合した際に、第一引出電極563に接触することで導通される。これにより、第一電極561、第一引出電極563、第一接続電極565、第一反射膜54の各金属膜542、及び第二反射膜55の各金属膜552が導通して同電位となる。
次に、以上のような波長可変干渉フィルター5を駆動した際の誘電体多層膜(第一反射膜54及び第二反射膜55)の帯電について説明する。
ここでは、静電アクチュエーター56に電圧を印加した際の第一反射膜54の帯電について説明し、第二反射膜55の帯電に関しては第一反射膜54と同様であるため、説明を省略する。
上述のように、静電アクチュエーター56を印加すると、第一電極561に、印加電圧に応じた電荷が蓄積(帯電)される。これによって、図6に示すように、第一電極561の直下に配置された第一反射膜54にも局所的な分極が発生する。図6に示す例では、電圧の印加によって、第一電極561が+に帯電され、これにより、直下の第一反射膜54の最表面に配置された酸化膜541には局所的な分極が発生し、酸化膜541のうち第一電極561の直下が−に帯電される。この場合、この酸化膜541の直下に配置された金属膜542には、+の電荷が蓄積されて帯電されることになる。
このような分極は、金属膜542を介して徐々に緩和されていくものの、帯電された金属膜542(特に第一反射膜54の最表面の近傍に配置される金属膜542)に蓄積された電荷による影響によって、ミラーギャップGが徐々に狭まる現象が生じる。すなわち、静電アクチュエーター56として機能する面積が見かけ上拡大する。
本実施形態では、駆動回路として、第一接続電極565を基準電位に設定する回路(例えば、第一接続電極565に0Vを印加するグラウンド回路)を用いることで、図7に示すように、金属膜542に蓄積された電荷を、第一スルーホール543及び第一接続電極565を介して、グラウンド回路に接続された第一接続電極565に逃がすことができる。これにより、各金属膜542における帯電が抑制されることになり、上記のような帯電による影響も抑制される。
次に、上記のような波長可変干渉フィルター5の製造方法について説明する。
波長可変干渉フィルター5の製造では、第一基板51を形成するための第一ガラス基板M1(図8参照)、及び第二基板52を形成するための第二ガラス基板M2(図9参照)を用意し、第一基板形成工程、及び第二基板形成工程を実施する。この後、基板接合工程を実施し、第一基板形成工程により加工された第一ガラス基板M1と、第二基板形成工程により加工された第二ガラス基板M2とを接合する。更に、切断工程を実施し、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2を個片化して波長可変干渉フィルター5を形成する。
以下、各工程について、図面に基づいて説明する。
図8は、第一基板形成工程の第一ガラス基板を示す図である。
基板形成工程では、まず、第一基板51の製造素材である第一ガラス基板M1の両面を、表面粗さRaが1nm以下となるまで精密研磨し、例えば500μmの厚み寸法にする。
具体的には、フォトリソグラフィ法によりパターニングされたレジストパターンをマスクに用いて、第一ガラス基板M1に対して、例えばフッ酸系(BHF等)を用いたウェットエッチングを繰り返し施す。まず、電極配置溝511、ギャップ形成部512、引出溝511A(図8では省略する)の形成位置を、ギャップ形成部512の突出先端の位置までエッチングする。この後、電極配置溝511及び引出溝511Aを、所望の深さ位置までエッチングする。
第一反射膜54の形成では、第一反射膜54を構成する酸化膜541及び金属膜542を、例えばスパッタリング法や蒸着法等により交互に積層形成する。
この際、第一ガラス基板M1に、ウェットエッチング等による急斜面やエッジを有する段差が存在する場合でも、誘電体多層膜の形成時に各誘電体層が積層されることで、段差部の傾斜が緩やかになる。したがって、第一反射膜54上に、各電極561,563を形成する際の破断が抑制される。
第一スルーホール543の形成では、先ず、第一反射膜54上にレジストを形成し、最表面に位置する酸化膜541に孔径L1の第一貫通孔541Aを形成するためのパターンを形成する。そして、直下の金属膜542をエッチングストッパーとして、最表面の酸化膜541をウェットエッチングする。
この後、レジストを除去し、再び第一反射膜54を覆うレジストを形成する。そして、先にエッチングにより形成された酸化膜541の第一貫通孔541A内に、孔径L2(L2<L1)の第二貫通孔542Aを形成するためのパターンを形成する。この後、最表面の酸化膜541の直下の金属膜542を、当該金属膜542の直下の酸化膜541をエッチングストッパーとしてエッチングする。
以降、同様に処理を繰り返し、各層の貫通孔の孔径を徐々に小さくしていくことで、各層の位置で階段状となる第一スルーホール543が形成される。
なお、ここでは、説明の簡略化のため、各酸化膜541や各金属膜542の側面が、厚み方向(酸化膜541及び金属膜542の積層方向)に対して略平行となる、即ち第一基板51の基板面に対して略垂直となる図を示している。しかしながら、実際には、ウェットエッチングによる貫通孔541A,542Aの形成では、サイドエッチングが発生するので、各酸化膜541や各金属膜542の側面は、積層方向に対して傾斜する。
以上により、図8の4番目に示すように、第一反射膜54、第一電極561、及び第一引出電極563が設けられた第一基板51が複数アレイ状に配置された第一ガラス基板M1が形成される。
図9は、第二基板形成工程における第二ガラス基板M2の状態を示す図である。
第二基板形成工程では、まず、第二基板52の製造素材である第二ガラス基板M2の両面を、表面粗さRaが1nm以下となるまで精密研磨し、例えば500μmの厚み寸法にする。
第二スルーホール553の形成では、第一スルーホール543と同様であり、ここでの説明は省略する。
以上により、図9の4番目に示すように、第二反射膜55、第二電極562、第二引出電極564、及び第一接続電極565が設けられた第二基板52が複数アレイ状に配置された第二ガラス基板M2が形成される。
次に、基板接合工程及び切断工程について説明する。
基板接合工程では、まず、第一ガラス基板M1の第一接合部513と、第二ガラス基板M2の基板外周部523のうち、第一接合部513と接合する部分とに、ポリオルガノシロキサンを主成分としたプラズマ重合膜を、プラズマCVD法等により成膜する。
そして、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2の各プラズマ重合膜に対して活性化エネルギーを付与するために、O2プラズマ処理又はUV処理を行う。O2プラズマ処理の場合は、O2流量1.8×10−3(m3/h)、圧力27Pa、RFパワー200Wの条件で30秒間実施する。また、UV処理の場合は、UV光源としてエキシマUV(波長172nm)を用いて3分間処理する。
プラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与した後、これらの第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2のアライメント調整を行い、プラズマ重合膜を介して第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2を重ね合わせ、接合部分に例えば98(N)の荷重を10分間かける。これにより、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2同士が接合される。
この際、第一接合部513に配置されている、第一引出電極563の一部と、第一接続電極565の一部とが接触し、互いに近接する方向に押圧されることで、第一引出電極563と第一接続電極565とが接続される。
次に、切断工程について説明する。
切断工程では、第一基板51及び第二基板52をチップ単位で切り出し、図1及び図2に示すような波長可変干渉フィルター5を形成する。第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2の切断には、例えばスクライブブレイクやレーザー切断等を利用することができる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター5は、第一基板51の第二基板52に対向する面の略全面に亘って、酸化膜541及び金属膜542を積層した積層体により構成された第一反射膜54が形成されている。このような第一反射膜54は、リフトオフ等によるパターニング工程が不要となり、製造効率性が高くなる。
そして、第一反射膜54には、金属膜542が露出する第一スルーホール543が設けられ、第一反射膜54の表面に設けられた第一引出電極563が、第一スルーホール543に接続されて、第一スルーホール543から露出する金属膜542に導通する。このため、静電アクチュエーター56に電圧を印加した際に、第一反射膜54の各金属膜542が帯電した場合でも、金属膜542の電荷を第一引出電極563に逃がすことができる。
これにより、例えば、ミラーギャップGが徐々に小さくなる等の、第一反射膜54の帯電による影響を抑制することができる。
そして、第二反射膜55には、金属膜552が露出する第二スルーホール553が設けられ、第二反射膜55の表面に設けられた第一接続電極565が、第二スルーホール553に接続されて、第二スルーホール553から露出する金属膜552に導通する。このため、静電アクチュエーター56に電圧を印加した際に、第二反射膜55の各金属膜552が帯電した場合でも、金属膜552の電荷を第一接続電極565に逃がすことができる。
これにより、例えば、ミラーギャップGが徐々に小さくなる等の、第二反射膜55の帯電による影響を抑制することができる。
第二スルーホール553においても同様であり、酸化膜551及び金属膜552の各層に貫通孔が設けられ、各層の貫通孔の孔径が第二基板52に向かうに従って小さくなる階段状に形成される。これにより、第一接続電極565と各金属膜552とが断線される不都合を抑制でき、金属膜552に蓄積された電荷を第一接続電極565に逃がすことができる。
これにより、電装部560まで延設された第一接続電極565を、例えばグラウンド回路等に接続することで、第一反射膜54及び第二反射膜55の双方に蓄積された電荷を逃がすことができる。すなわち、第一反射膜54の電荷を逃がすための電極端子と、第二反射膜55に蓄積された電荷を逃がすための電極端子とをそれぞれ個別に設ける場合に比べて、波長可変干渉フィルター5の構成の簡略化を図ることができる。
次に、第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、第一接合部513の一部において、第一引出電極563の一部と、第一接続電極565の一部とを接触させる構成とした。
これに対して、第二実施形態では、引出溝511Aと第二基板52との間で、第一引出電極563と第一接続電極565とを接続する点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、以降の説明にあたり、既に説明した構成については、同符号を付し、その説明を省略、又は簡略化する。
本実施形態の波長可変干渉フィルター5Aでは、第一実施形態と同様、第一基板51の第二基板52に対向する面の略全面に亘って、誘電体多層膜により構成された第一反射膜54が形成されている。
そして、第一実施形態と同様、引出溝511Aの一部において、第一反射膜54を貫通する第一スルーホール543が形成されている。
なお、図11では、第一スルーホール543の孔内周面543Aが、酸化膜541及び金属膜542の積層方向に平行となる例を示すが、第一実施形態と同様、各層で階段状となり、第一基板51に近づくに従って孔径が小さくなる第一スルーホール543であってもよい。
そして、第一引出電極563は、第一実施形態と同様に、第一スルーホール543に接続されており、さらに、第一スルーホール543の孔内周面543Aから突出部514の突出先端面514Aを覆う。
そして、本実施形態では、第二スルーホール553は、平面視において、第一スルーホール543と重なる位置に設けられる。また、平面視において、第二スルーホール553の底面553Bの外周縁は、突出部514の突出先端面514Aの外側に位置し、第二スルーホール553内に突出部514が挿入される。
また、第一接続電極565は、第一実施形態と同様に、第二スルーホール553に接続されており、第二スルーホール553の孔内周面553Aから底面553Bを覆う。
このため、接合膜53により第一基板51及び第二基板52を接合すると、第二スルーホール553の底面553Bに設けられた第一接続電極565と、突出部514の突出先端面514Aに設けられた第一引出電極563とが接する。これにより、第一反射膜54の各金属膜542、第二反射膜55の各金属膜552、第一引出電極563、及び第一接続電極565が導通される。
本実施形態の波長可変干渉フィルター5Aでは、第一基板51の第一スルーホール543の底面543B(本発明における第一底面に相当)から、第二基板52に向かって突出し、突出先端面514Aに第一引出電極563の一部が延設される突出部514が設けられている。また、第二スルーホール553は、平面視において突出部514と重なる位置に設けられ、第二スルーホールの底面553B(本発明における第二底面に相当)には、第一接続電極565の一部が延設される。そして、接合膜53により第一基板51及び第二基板52を接合した際に、突出部514が第二スルーホール553内に挿入されて、突出先端面514Aに設けられた第一引出電極563は、第二スルーホール553の底面553Bに設けられた第一接続電極565に接続される。
すなわち、突出部514の突出先端面514Aに設けられた第一引出電極563を、第二基板52の第一接続電極565に接続する構成において、誘電体多層膜である第二反射膜55上の第一接続電極565に突出部514の第一引出電極563を接続する構成にすることが考えられる。しかしながら、誘電体多層膜により構成される第一反射膜54や第二反射膜55は、1μmを超える厚み寸法となる。したがって、この場合、第一基板51と第二基板52との距離が、突出部514の突出寸法、第二反射膜55の厚み寸法、第一引出電極563の厚み寸法、第一接続電極565の厚み寸法の合計寸法だけ開くことになる。
これに対して、第二スルーホール553に突出部514を挿入して、第一引出電極563及び第一接続電極565を接続する構成では、上記構成に比べて、第二反射膜55の厚み寸法分、第一基板51と第二基板52との距離を小さくできる。
したがって、突出部514を誘電体多層膜である第一反射膜54上に形成する場合に比べて、第一反射膜54の厚み寸法分、第一基板51と第二基板52との距離を小さくできる。
次に、第三実施形態について説明する。
上述した第一実施形態及び第二実施形態では、第一反射膜54の金属膜542及び第二反射膜55の金属膜552が、一様な電気抵抗を有する膜層である例を示した。これに対して、第三実施形態では、金属膜542,552の電気抵抗が一部において異なる点で、上記実施形態と相違する。
本実施形態では、第一反射膜54及び第二反射膜55は、ミラー領域M内と、ミラー領域M以外の領域(外側領域N)とで、金属膜542,552における電気抵抗が異なっている。
具体的には、金属膜542,552のうち、外側領域Nには、電気抵抗が当該金属膜542,552を構成する金属又は半金属よりも高い電気抵抗値を有する粒子(低抵抗粒子)がドープされている。例えば、本実施形態では、金属膜542,552としてSiを用いる。この場合、外側領域Nにおいて、PやB等のSiよりも電気抵抗値が高い低抵抗粒子がドープされる。これらの低抵抗粒子のドープ方法としては、如何なる方法であってもよく、例えば、イオン打込みや、熱拡散等が挙げられる。
なお、ミラー領域Mの金属膜542,552には、上記のような低抵抗粒子はドープされない。したがって、第一反射膜54や第二反射膜55のミラー領域Mにおける反射特性は一様に維持され、ドープ粒子による特性低下は抑制される。
本実施形態では、導電層である第一反射膜54の金属膜542及び第二反射膜55の金属膜552は、外側領域Nにおいて、Siよりも電気抵抗値が高いPやB等の低抵抗粒子がドープされている。このように、外側領域Nに低抵抗粒子がドープされていることで、金属膜542,552において電荷が移動しにくくなり、帯電が生じにくくなる。このため、第一反射膜54や第二反射膜55の帯電による影響を抑制することができる。
一方、ミラー領域Mにおいては、低抵抗粒子がドープされないので、第一反射膜54や第二反射膜55の反射特性が低抵抗粒子により変動することがない。したがって、波長可変干渉フィルター5Bの性能低下も抑制できる。
次に、第四実施形態として、上記第一実施形態から第三実施形態において示したような波長可変干渉フィルター5,5A,5Bを備えた光学フィルターデバイスについて説明する。
図13は、第四実施形態に係る光学フィルターデバイス600の概略構成を示す断面図である。
図13に示すように、光学フィルターデバイス600は、筐体610と、筐体610の内部に収納される波長可変干渉フィルター5を備えている。なお、ここでは、第一実施形態に示す波長可変干渉フィルター5を筐体610内に収納する例を示すが、第二実施形態の波長可変干渉フィルター5Bが収納されてもよい。
ベース620は、例えばセラミック等により構成されている。このベース620は、台座部621と、側壁部622と、を備える。
台座部621は、フィルター平面視において例えば矩形状の外形を有する平板状に構成されており、この台座部621の外周部から筒状の側壁部622がリッド630に向かって立ち上がる。
また、台座部621のリッド630とは反対側の面(ベース外側面621B)には、開口部623を覆うガラス部材627が接合されている。台座部621とガラス部材627との接合は、例えば、ガラス原料を高温で熔解し、急冷したガラスのかけらであるガラスフリット(低融点ガラス)を用いた低融点ガラス接合、エポキシ樹脂等による接着などを利用できる。本実施形態では、収容空間内が減圧下に維持された状態で気密に維持する。したがって、台座部621及びガラス部材627は、低融点ガラス接合を用いて接合されることが好ましい。
また、台座部621は、内側端子部624が設けられる位置に、貫通孔625が形成されている。内側端子部624は、貫通孔625を介して、台座部621のベース外側面621Bに設けられた外側端子部626に接続されている。
リッド630は、平面視において矩形状の外形を有する透明部材であり、例えばガラス等により構成される。
リッド630は、図13に示すように、ベース620の側壁部622に接合されている。この接合方法としては、例えば、低融点ガラスを用いた接合等が例示できる。
上述したような本実施形態の光学フィルターデバイス600では、筐体610により波長可変干渉フィルター5が保護されているため、外的要因による波長可変干渉フィルター5の破損を防止できる。
また、上述したように、波長可変干渉フィルター5は、第一反射膜54や第二反射膜55が帯電した場合であっても、導電層である各金属膜542,552の電荷を第一接続電極565から逃がすことができる。すなわち、光学フィルターデバイス600において、第一接続電極565に導通される外側端子部626を、例えばグラウンド回路等の基準電位を印加する回路に接続したり、電子機器における金属ケース等に接続したりすることで、波長可変干渉フィルター5の第一反射膜54や第二反射膜55の帯電を容易に抑制することができる。
次に、第五実施形態として、上記第一実施形態から第三実施形態の波長可変干渉フィルター5,5A,5B又は第四実施形態の光学フィルターデバイス600を備えた電子機器の一例として、印刷装置(プリンター)について説明する。
図14は、第四実施形態のプリンター10の外観の構成例を示す図である。図15は、本実施形態のプリンター10の概略構成を示すブロック図である。
図14に示すように、プリンター10は、供給ユニット11、搬送ユニット12と、キャリッジ13と、キャリッジ移動ユニット14と、制御ユニット15(図15参照)と、を備えている。このプリンター10は、例えばパーソナルコンピューター等の外部機器20から入力された印刷データに基づいて、各ユニット11,12,14及びキャリッジ13を制御し、媒体A上に画像を印刷する。また、本実施形態のプリンター10は、予め設定された較正用印刷データに基づいて媒体A上の所定位置に測色用のカラーパッチを形成し、かつ当該カラーパッチに対する分光測定を行う。これにより、プリンター10は、カラーパッチに対する実測値と、較正用印刷データとを比較して、印刷されたカラーに色ずれがあるか否か判定し、色ずれがある場合は、実測値に基づいて色補正を行う。
以下、プリンター10の各構成について具体的に説明する。
なお、本実施形態では、ロール体111に巻装された紙面を供給する例を示すがこれに限定されない。例えば、トレイ等に積載された紙面等の媒体Aをローラー等によって例えば1枚ずつ供給する等、如何なる供給方法によって媒体Aが供給されてもよい。
搬送ローラー121は、図示略の搬送モーターからの駆動力が伝達され、制御ユニット15の制御により搬送モーターが駆動されると、その回転力により回転駆動されて、従動ローラーとの間に媒体Aを挟み込んだ状態でY方向に沿って搬送する。また、搬送ローラー121のY方向の下流側(+Y側)には、キャリッジ13に対向するプラテン122が設けられている。
このキャリッジ13は、キャリッジ移動ユニット14によって、Y方向と交差する主走査方向に沿って移動可能に設けられている。
また、キャリッジ13は、フレキシブル回路131により制御ユニット15に接続され、制御ユニット15からの指令に基づいて、印刷部16による印刷処理及び、分光器17による分光測定処理を実施する。
なお、キャリッジ13の詳細な構成については後述する。
このキャリッジ移動ユニット14は、例えば、キャリッジガイド軸141と、キャリッジモーター142と、タイミングベルト143と、を含んで構成されている。
キャリッジガイド軸141は、X方向に沿って配置され、両端部がプリンター10の例えば筐体に固定されている。キャリッジモーター142は、タイミングベルト143を駆動させる。タイミングベルト143は、キャリッジガイド軸141と略平行に支持され、キャリッジ13の一部が固定されている。そして、制御ユニット15の指令に基づいてキャリッジモーター142が駆動されると、タイミングベルト143が正逆走行され、タイミングベルト143に固定されたキャリッジ13がキャリッジガイド軸141にガイドされて往復移動する。
[印刷部16の構成]
印刷部16は、媒体Aと対向する部分に、インクを個別に媒体A上に吐出して、媒体A上に画像を形成する。
この印刷部16は、複数色のインクに対応したインクカートリッジ161が着脱自在に装着されており、各インクカートリッジ161からインクタンク(図示略)にチューブ(図示略)を介してインクが供給される。また、印刷部16の下面(媒体Aに対向する位置)には、インク滴を吐出するノズル(図示略)が、各色に対応して設けられている。これらのノズルには、例えばピエゾ素子が配置されており、ピエゾ素子を駆動させることで、インクタンクから供給されたインク滴が吐出されて媒体Aに着弾し、ドットが形成される。
図16は、分光器17の概略構成を示す図である。
分光器17は、本発明における光学モジュールであり、図16に示すように、光源部171と、光学フィルターデバイス600、受光部173と、導光部174と、回路部175と、を備えている。
この分光器17は、光源部171から媒体A上の測定位置Tに照明光を照射し、測定位置Tで反射された光成分を、導光部174により光学フィルターデバイス600に入射させる。そして、光学フィルターデバイス600は、第三実施形態の構成を有し、反射光から所定波長の光を出射(透過)させて、受光部173により受光させる。また、光学フィルターデバイス600は、制御ユニット15の制御に基づいて、透過波長を選択可能であり、可視光における各波長の光の光量を測定することで、媒体A上の測定位置Tの分光測定が可能となる。
光源部171は、光源171Aと、集光部171Bとを備える。この光源部171は、光源171Aから出射された光を媒体Aの測定位置T内に、媒体Aの表面に対する法線方向から照射する。
光源171Aとしては、可視光域における各波長の光を出射可能な光源が好ましい。このような光源171Aとして、例えばハロゲンランプやキセノンランプ、白色LED等を例示でき、特に、キャリッジ13内の限られたスペース内で容易に設置可能な白色LEDが好ましい。集光部171Bは、例えば集光レンズ等により構成され、光源171Aからの光を測定位置Tに集光させる。なお、図16においては、集光部171Bでは、1つのレンズ(集光レンズ)のみを表示するが、複数のレンズを組み合わせて構成されていてもよい。
受光部173は、波長可変干渉フィルター5の光軸上に配置され、当該波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光する。そして、受光部173は、制御ユニット15の制御に基づいて、受光量に応じた検出信号(電流値)を出力する。なお、受光部173により出力された検出信号は、I−V変換器(図示略)、増幅器(図示略)、及びAD変換器(図示略)を介して制御ユニット15に入力される。
導光部174は、反射鏡174Aと、バンドパスフィルター174Bとを備えている。
この導光部174は、測定位置Tで、媒体Aの表面に対して45°で反射された光を反射鏡174Aにより、波長可変干渉フィルター5の光軸上に反射させる。バンドパスフィルター174Bは、可視光域(例えば380nm〜720nm)の光を透過させ、紫外光及び赤外光の光をカットする。これにより、波長可変干渉フィルター5には、可視光域の光が入射されることになり、受光部173において、可視光域における波長可変干渉フィルター5により選択された波長の光が受光される。
具体的には、回路部175は、第一接続電極565に接続された第一電極561と、第二引出電極564に接続された第二電極562との間に、ミラーギャップGを目標波長に応じたギャップ寸法に変更させる駆動電圧を印加する駆動回路175Aを備える。ここで、本実施形態では、この駆動回路175Aは、グラウンド回路175Bを有し、第一接続電極565が当該グラウンド回路175Bに電気的に接続されている。これにより、第一接続電極565に基準電位が印加されることになり、第一反射膜54や第二反射膜55の金属膜542,552の電荷を逃がすことが可能となる。
なお、回路部175としては、駆動回路175A以外の他の回路が設けられていてもよい。例えば、ミラー領域MにミラーギャップGの容量を検出する容量検出用電極が設けられている場合では、容量検出用電極間の静電容量を検出する容量検出回路が設けられていてもよい。また、容量検出回路により検出された容量に基づいて、駆動回路175Aから印加される駆動電圧をフィードバック制御するフィードバック回路等が設けられていてよい。
制御ユニット15は、本発明の制御部であり、図15に示すように、I/F151と、ユニット制御回路152と、メモリー153と、CPU(Central Processing Unit)154と、を含んで構成されている。
I/F151は、外部機器20から入力される印刷データをCPU154に入力する。
ユニット制御回路152は、供給ユニット11、搬送ユニット12、印刷部16、光源171A、波長可変干渉フィルター5、受光部173、及びキャリッジ移動ユニット14をそれぞれ制御する制御回路を備えており、CPU154からの指令信号に基づいて、各ユニットの動作を制御する。なお、各ユニットの制御回路が、制御ユニット15とは別体に設けられ、制御ユニット15に接続されていてもよい。
各種データとしては、例えば、波長可変干渉フィルター5を制御する際の、静電アクチュエーター56への印加電圧に対する、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を示したV−λデータ、印刷データとして含まれる色データに対する各インクの吐出量を記憶した印刷プロファイルデータ等が挙げられる。また、光源171Aの各波長に対する発光特性(発光スペクトル)や、受光部173の各波長に対する受光特性(受光感度特性)等が記憶されていてもよい。
本実施形態のプリンター10は、光学モジュールである分光器17を備え、この分光器17は、光学フィルターデバイス600(波長可変干渉フィルター5)と、波長可変干渉フィルター5を駆動させる回路部175とを備えている。また、回路部175には、第一接続電極565に基準電位を印加するグラウンド回路175Bが設けられている。
このため、波長可変干渉フィルター5の第一反射膜54や第二反射膜55に蓄積された電荷を第一接続電極565からグラウンド回路175Bに逃がすことができ、波長可変干渉フィルター5における帯電の影響を抑制することができる。よって、波長可変干渉フィルター5を駆動させる回路部175として、第一反射膜54や第二反射膜55の帯電を考慮した複雑な駆動制御を行う回路を組み込む必要がなく、構成の簡素化を図ることができ、分光器17のコストダウンを図れ、それゆえ、電子機器におけるコストダウンをも図れる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上述した第一実施形態において、第一スルーホール543や第二スルーホール553の形状として、各層において階段状となる構成を例示したが、これに限定されない。
図17から図20は、第一スルーホールの他の例を示す図である。なお、図17から図20において、第一反射膜54に設けられる第一スルーホールの例を示すが、第二反射膜55に形成される第二スルーホールにおいても同様であり、ここでの図示及び説明は省略する。
なお、図17に示す第一スルーホール544Aであっても、孔内部を第一引出電極563の電極材料で埋める(充填する)ことで断線を抑制できる。
このような構成では、上記第一実施形態と同様に、各金属膜542の上面(第二基板52に対向する面)の一部が第一スルーホール544C内に露出するので、好適に第一引出電極563と金属膜542とを接続できる。
例えば、最表面に位置する酸化膜541に、第一スルーホール543の底面543Bに対応した孔径の開口を有するレジストを形成する。この後、直下の金属膜542をエッチングストッパーとして、最表面の酸化膜541をウェットエッチングする。この後、最表面の酸化膜541の直下の金属膜542を、当該金属膜542の直下の酸化膜541をエッチングストッパーとしてウェットエッチングする。この後、再び、最表面から2番目の酸化膜541をウェットエッチングする。この際、最表面の酸化膜541がサイドエッチングされることで、最表面の直下に位置する金属膜542の上面の一部が第一スルーホール543内に露出されることになる。上記処理を繰り返すことで、各層の位置で階段状となる第一スルーホール543を形成してもよい。
また、図20に示すように、表面に配置される酸化膜541のみに第一貫通孔541Aを設ける構成では、第一スルーホール544Dの形成時にウェットエッチングを1回のみ行えばよく、製造効率性が向上する。さらに、最表面の酸化膜541の直下の金属膜542上面が第一スルーホール544D上に露出されることで、第一引出電極563と金属膜542との断線も抑制され、金属膜542の電荷をより適切に逃がすことができる。
上記各実施形態において、第一スルーホール543や第二スルーホール553の位置として、平面視において、引出溝511Aと重なる位置を例示したがこれに限定されない。
例えば、第一スルーホール543の形成位置として、電極配置溝511であってもよい。また、本発明の第一配線電極として第一引出電極563を例示したが、上記のように電極配置溝511に第一スルーホール543を設ける場合、第一電極561を第一スルーホール543に接続する第一配線電極としてもよい。第二スルーホール553としては、例えば、電装部560等に設けられていてもよい。
また、第一実施形態のように、第一接合部513の一部において、第一引出電極563と第一接続電極565とを接続する場合では、その接続位置に第一スルーホール543や第二スルーホール553を設けてもよい。
すなわち、第一スルーホール543や第二スルーホール553としては、ミラー領域M以外の領域であれば、如何なる位置に形成されていてもよい。
上記各実施形態において、波長可変干渉フィルター5に静電アクチュエーター56を構成する第一電極561及び第二電極562が設けられる例を示したが、更に他の電極が設けられていてもよい。
例えば、第一反射膜54及び第二反射膜55のミラー領域M上に静電容量の検出用の電極(ミラー電極)を形成してもよい。この場合、当該ミラー電極への信号の入出力のための引出電極を形成する必要がある。ここで、リフトオフ等を用いてミラー領域Mのみに反射膜を設ける場合では、反射膜の側面と第一基板51(又は第二基板52)との間に段差が生じて引出電極が断線するおそれがある。これに対して、本実施形態のように、誘電体多層膜により構成された反射膜が基板(第一基板51や第二基板52)の一面側の略全面に設けられる構成では、反射膜の側面に電極を形成する必要がなく、電極の断線を抑制できる。
例えば、第一基板51のミラー領域Mに第一ミラー電極を配置し、第二基板52のミラー領域Mに第二ミラー電極を配置する場合、第一ミラー電極に接続された第一引出電極の一部を第一スルーホール543に接続する。また、第二基板52では、第二スルーホール553に接続され、第二ミラー電極や第二電極562や第二引出電極564に接続されない(独立した)第二配線電極を配置し、当該第二配線電極を電装部まで延設させる。そして、第一ミラー引出電極と第二配線電極とを、例えば第一実施形態のように接触させたり、第二実施形態のようにバンプ接続させたりすることで導通させる。
このような構成とすることで、第一反射膜54及び第二反射膜55の金属膜542,552と、各ミラー電極とに蓄積された電荷を逃がすことができ、第一反射膜54や第二反射膜55の静電を好適に除去できる。
上記第二実施形態において、突出部514の突出先端面514Aの第一引出電極563を、第二スルーホール553の底面553Bに配置された第一接続電極565に接続する構成を例示した。これに対して、例えば、突出部514の突出先端面514Aに連続する側面に形成された第一引出電極563を、第二スルーホール553の孔内周面553Aに形成された第一接続電極565に接触させることで導通させてもよい。
上記第二実施形態において、第一基板51と一体構成された突出部514を例示した。このような突出部514は、第一基板51の形状をエッチングにより形成する際に同時に形成することができる。これに対して、第一基板51と突出部514とが別体である構成としてもよい。
図21に示す例は、第二実施形態における第一引出電極及び第一接続電極の接続構成の他の例を示す断面図である。
図21に示す例では、第一基板51上に、例えば樹脂等の弾性部材により構成された突出部515を設け、当該突出部515を覆うように第一引出電極563を形成する。
この場合、第一基板51と第二基板52とを接合した際に、突出部515が弾性変形することで、第一引出電極563を第一接続電極565側に押圧させることができる。したがって、第一引出電極563と、第一接続電極565とを確実に導通させることができ、配線信頼性が高くなる。
また、第二実施形態では、第二基板52が突出部515により第一基板51から離れる方向に押されることで、第二基板52が傾斜するおそれがある。このため、突出部514の突出寸法と、第一引出電極563の厚み寸法と、第一接続電極565の厚み寸法との合計寸法が、引出溝511Aの深さ寸法と接合膜53の厚さ寸法との合計となるように、精度良く波長可変干渉フィルター5Aの各部の厚み寸法を制御する必要がある。これに対して、図21の例では、弾性部材である突出部515が弾性変形することで、突出部515による第二基板52の傾斜を抑制できる。
図22に示す例では、第二実施形態と同様、第一基板51に突出部514が一体的に設けられている。そして、第二基板52の第一基板51とは反対側の面において、突出部514が形成される位置に凹部(ダイアフラム部524)が形成されている。このような構成では、突出部514により第一引出電極563が第一接続電極565に押圧された際に、ダイアフラム部524が変位することで、第一引出電極563と、第一接続電極565とを確実に導通させることができ、かつ、突出部514による第二基板52の傾斜をも抑制できる。なお、図22では、第二基板52にダイアフラム部524を設ける例であるが、第一基板51にダイアフラム部を設ける構成などとしてもよい。
さらには、第一基板51及び第二基板52の双方に突出部を設け、突出部同士を接触させることで、接触位置に設けられた電極同士を接続する構成などとしてもよい。
上記実施形態において、第一反射膜54に第一スルーホール543を設け、第二反射膜55に第二スルーホール553を設ける構成としたが、いずれか一方のみであってもよい。この場合でも、双方にスルーホールが設けられず、帯電が抑制されない構成に比べて、帯電による影響を小さくできる。
上記実施形態において、第一電極561を基準電位とし、第二電極562に駆動電位を印加する構成としたが、第二電極562を基準電位とし、第一電極561に駆動電位を印加する構成としてもよい。この場合、第一反射膜54上に、第一引出電極563から独立した(接続されていない)第一配線電極を別途形成し、第一スルーホール543の各金属膜542に接続させる。また、第二基板52においては、第二引出電極564又は第二電極562を第二スルーホール553に接続して、第一スルーホール543の各金属膜552に接続させる。そして、例えば第一実施形態のような電極同士の接触や、第二実施形態のようなバンプ接続を用いて、第一配線電極と第二引出電極564とを接続する。
上記実施形態では、第一基板51の第一引出電極563を第二基板52の電装部560まで導通させるために、第二基板52に第一接続電極565を設けたが、第一基板51及び第二基板52のそれぞれに外部との接続を行うための電装部を設けてもよい。この場合、第一スルーホール543に接続された第一引出電極563を第一基板51の電装部まで延設させ、第二スルーホール553に接続された電極(第二配線電極)を第二基板52の電装部まで延設させればよい。
第四実施形態において、光学フィルターデバイス600の構成を例示したが、光学フィルターデバイス600としては、第四実施形態の形状に限られない。例えば、筒状の筐体の筒内部に波長可変干渉フィルター5が保持される構成としてもよい。
また、第五実施形態において、電子機器の一例としてプリンター10を例示したが、これに限られない。波長可変干渉フィルター5を備えた電子機器としては、例えば、所望の波長の光を出力する光源装置(例えばレーザー光源装置)や、被測定物の含有成分を分析する分光分析装置等であってもよく、ウェアラブル装置等にこれらの光源装置や分析装置を搭載させてもよい。
Claims (10)
- 第一基板と、
前記第一基板の一面に亘って設けられた第一反射膜と、
前記第一基板を厚み方向から見た平面視において、少なくとも所定のミラー領域において前記第一反射膜と重なり、前記第一反射膜に対してギャップを介して配置される第二反射膜と、
前記第一反射膜上に設けられた第一配線電極と、を備え、
前記第一反射膜は、絶縁層及び導電層が交互に積層された積層体であり、当該第一反射膜の一部には、前記絶縁層及び前記導電層の積層方向に設けられ、かつ少なくとも1層の前記導電層が露出する第一スルーホールが設けられ、
前記第一配線電極は、前記第一スルーホールに接続され、前記第一スルーホールから露出する前記導電層に導通する
ことを特徴とする干渉フィルター。 - 請求項1に記載の干渉フィルターにおいて、
前記第一スルーホールは、前記絶縁層に設けられた第一貫通孔と、前記絶縁層の前記第一基板側に接する前記導電層に設けられて前記第一貫通孔に連通する第二貫通孔とを含み、
前記平面視において、前記第一貫通孔の内側に前記第二貫通孔が位置する
ことを特徴とする干渉フィルター。 - 請求項1又は請求項2に記載の干渉フィルターにおいて、
前記第一基板に対向する第二基板を備え、
前記第二反射膜は、前記第二基板の前記第一基板に対向する面に亘って設けられ、かつ絶縁層及び導電層が積層された積層体であり、当該第二反射膜の一部には、前記絶縁層及び前記導電層の積層方向に沿って設けられ、少なくとも1層の前記導電層が露出する第二スルーホールが設けられ、
前記第二反射膜上には、前記第二スルーホールに接続されて前記第二スルーホールから露出する前記導電層に導通する第二配線電極が設けられている
ことを特徴とする干渉フィルター。 - 請求項3に記載の干渉フィルターにおいて、
前記平面視において、前記第二スルーホールと重なる位置で、前記第一基板から前記第二基板に向かって突出し、前記第二スルーホールに挿入される突出部を備え、
前記第一配線電極は、前記第一反射膜上から前記突出部の突出先端面に亘って設けられ、
前記第二配線電極の一部は、前記第二スルーホールの前記第一基板に対向する第二底面に延設され、前記突出先端面に設けられた前記第一配線電極に接する
ことを特徴とする干渉フィルター。 - 請求項4に記載の干渉フィルターにおいて、
前記突出部は、前記第一スルーホールの前記第二基板に対向する第一底面から前記第二基板に向かって突出する
ことを特徴とする干渉フィルター。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の干渉フィルターにおいて、
前記導電層の前記ミラー領域以外の領域には、前記導電層の電気抵抗値よりも小さい電気抵抗値を有する粒子がドープされている
ことを特徴とする干渉フィルター。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の干渉フィルターと、
前記干渉フィルターを収納する筐体と、
を備えることを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の干渉フィルターと、
前記干渉フィルターを駆動させる回路部と、
を備えることを特徴とする光学モジュール。 - 請求項8に記載の光学モジュールにおいて、
前記回路部は、前記第一配線電極を所定の基準電位とするグラウンド回路を有する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の干渉フィルターと、
前記干渉フィルターを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
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