本発明の各実施形態について、添付の図面を参照して説明する。本発明の各実施形態において、各装置(システム)の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置(システム)の各構成要素の一部又は全部は、例えば図10に示すような情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。情報処理装置500は、一例として、以下のような構成を含む。
・CPU(Central Processing Unit)501
・ROM(Read Only Memory)502
・RAM(Random Access Memory)503
・RAM503にロードされるプログラム504
・プログラム504を格納する記憶装置505
・記録媒体506の読み書きを行うドライブ装置507
・通信ネットワーク509と接続する通信インターフェース508
・データの入出力を行う入出力インターフェース510
・各構成要素を接続するバス511
各実施形態における各装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム504をCPU501が取得して実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム504は、例えば、予め記憶装置505やRAM503に格納されており、必要に応じてCPU501が読み出す。なお、プログラム504は、通信ネットワーク509を介してCPU501に供給されてもよいし、予め記録媒体506に格納されており、ドライブ装置507が当該プログラムを読み出してCPU501に供給してもよい。
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、プロセッサ等を含む汎用または専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
各装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
最初に、本発明の各実施形態において想定される配水網の例を説明する。本発明の各実施形態において説明される各装置等は、図1に示す上水道の配水網50を対象とすることが想定する。配水網50においては、取水施設52−1又は52−2を介して、河川51を流れる水が取り入れられる。取り入れられた水は、管路56を介して浄水場53−1又は53−2へそれぞれ送られる。
そして、浄水場53−1又は53−2にて浄化された水は、管路56を介して需要点55−1から55−4へ送られる。需要点55−1から55−4の各々において水が利用される。
需要点55−1から55−4の各々は、配水網50を介して送られる水を利用する施設等である。需要点55−1から55−4の各々には、例えば、一般の家庭、企業等の事務所、商店、工場等が含まれる。すなわち、需要点55は、配水網50を介して配水される水を利用する利用者(需要家とも呼ばれる)の集合である。なお、需要点55−1から55−4の各々に存在する利用者の数は図1の例に限られず、特に制限されない。
また、浄水場53−1又は53−2の各々と需要点55−1から55−4の各々との間には、給水所等を含む配水の状態の制御等に関する施設が適宜設けられる。図1に示す例では、給水所54−1及び54−2の2つの施設が設けられている。配水網50の例では、浄水場53−1又は53−2や給水所54−1又は54−2には、例えば任意の台数のポンプにて構成されるポンプステーションやバルブ等の配水の状態を変化させる設備が設けられていることを想定する。
なお、以下の各実施形態等では、ポンプステーションは、任意の台数のポンプにて構成される設備であることを想定する。ポンプステーションにおけるポンプの台数や種類等は特に限定されない。又は、ポンプステーションは単一のポンプであってもよい。
配水網50の運用に際しては、浄水場53−1若しくは53−2、給水所54−1若しくは54−2等の施設に設けられたポンプ圧やポンプ流量等の運用に関する設定が、需要点55の各々等における水の需要に応じて定められる。設定される水圧や水の流量等を含む配水網50の運用に関する設定は、運用設定値と呼ばれる場合がある。運用設定値として定められる設定は上記に限られず、管路56の各地点において送水される水の圧力や流量等が含まれてもよい。
そして、設定された配水網50における水の圧力や流量等を満たすように、浄水場53−1若しくは53−2、給水所54−1若しくは54−2等の施設に設けられたポンプ等の設備の各々に関する配水計画が決定される。
配水計画は、例えば、ポンプステーションの運転方法や、バルブの操作方法等を含む。配水計画は、運用設定値に基づいて定められる。すなわち、配水計画として定められるポンプステーションの運転方法には、運用設定値として定められた圧力や流量にて水が送水されるようなポンプステーションの稼働時間帯、稼働台数、稼働させるポンプの組み合わせ、回転数等が含まれる。配水計画として定められるバルブの操作方法には、バルブの操作方法が含まれる。すなわち、配水計画には、ポンプステーションやバルブ等の運用に関する各種のパラメータに対する指定が含まれる。
配水網50においては、一日毎等の予め定めた期間を単位として、当該期間に対して運用設定値が定められる。そして、運用設定値を満たすように、上述したポンプの運転等に関するパラメータに対する指定が配水計画として定められる。
策定された配水計画に基づく配水網50の運用は、例えば後述する図2に示す配水運用システム10によって行われる。例えば、配水運用システム10は、配水網50の配水を制御する。配水運用システム10は、配水計画の策定を行う際に用いられる構成を備えてもよい。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態における運用支援装置を示す図である。また、図3は、本発明の第1の実施形態における運用支援装置の他の構成を示す図である。
図2に示すとおり、本発明の第1の実施形態における運用支援装置100は、乖離度評価部110と、優先度決定部120とを備える。乖離度評価部110は、配水網における設備の運用状態に関する想定値及び実績値に基づいて、設備の各々に関する想定値と実績値との乖離の程度を評価する。優先度決定部120は、乖離及び配水網の構成に関する情報に基づいて、配水網における運用に関する設定である運用設定値の修正に関する優先度を決定する。設備の運用状態には、上述した配水計画に基づいて配水網50が運用された場合における設備の消費電力又は一定の期間における消費電力量や、設備等の各々における実際の水の圧力や流量等が含まれる。
また、運用支援装置100は、上述した要素に加えて、上述した乖離度評価部110又は優先度決定部120にて用いられる情報を取得するための構成を備えてもよい。一例として、図3(A)に示すように、運用支援装置100は、設定値取得部130と、配水計画決定部140と、実績値取得部150とを更に備えてもよい。
設定値取得部130は、運用設定値を取得する。運用設定値は、上述のように、配水網50における設備の各々の運用に関連する設定である。浄水場53、給水所54等の配水網50に設けられた施設や、これらの施設が備えるポンプステーション等における水圧や水の流量等、水の需要に応じて定められた値が、設備と適宜関連して運用設定値として定められる。
運用設定値には、配水網50に含まれる需要点55の各々における需要やその予測値等が含まれてもよい。
設定値取得部130は、運用設定値の他に、配水網50の構成に関する情報を取得してもよい。配水網50の構成には、管路56の各々の接続関係や、浄水場53、給水所54、需要点55の接続関係等、浄水場53、給水所54等に設けられたポンプステーション等の設備の配置が含まれる。上述したポンプやバルブの特性等、これらの設備の性能に関する情報が配水網50の構成を表す情報に含まれてもよい。また、配水網50の構成を表す情報として、管路56の流量や給水所54等における貯水量の上限や下限が含まれてもよい。設定値取得部130は、上述した情報を、キーボード、マウス、タッチパネル等の任意の入力手段や通信ネットワーク等を介して取得する。
配水計画決定部140は、設備の各々に対する運用設定値及び配水網50の構成を示す情報に基づいて、配水網50における配水計画を求める。つまり、配水計画決定部140は、設備の各々に対する運用設定値が満たされるように配水計画として求める。配水計画には、浄水場53における単位期間当たりの浄水量、一定の期間における管路56の各々における流量等が含まれる。この他に、配水計画決定部140は、配水計画として、配水網50に設けられたポンプの運転手順やバルブの操作手順等を求めてもよい。
配水計画決定部140は、好ましくは、任意の指標を基準として最適化された配水計画を定める。例えば、配水計画決定部140は、運用設定値が満たされる配水計画のうち、配水網50における設備の一定の期間における消費電力量が最小となるような配水計画を求める。配水計画決定部140による具体的な配水計画の策定方法としては、公知の任意の手法が用いられる。また、一定の期間は、配水網50の需要や運用の状況等に応じて適宜定められる。
配水計画として定められるポンプステーションの運転方法には、例えば、運用設定値で定められた圧力や流量にて水が送水されるようなポンプステーションの稼働時間帯、稼働台数、稼働させるポンプの組み合わせ、回転数等が含まれる。その他の配水網50に設けられた設備に関するパラメータの指定が配水計画に含まれてもよい。
配水計画決定部140は、一例として、配水網50に設けられた設備の消費電力量が最小となるような配水計画を求める。より詳しくは、配水計画決定部140は、例えば配水計画に沿って配水網50に設けられたポンプステーションの運転が行われた場合に、当該ポンプステーションにおける一定の期間における消費電力量が小さくなるような配水計画を求める。なお、乖離度評価部110によって乖離度が評価される場合には、例えば、求められた配水計画に基づいて想定値が定められる。
実績値取得部150は、配水網におけるポンプ等を含む設備の運用状態に関する実績値を取得する。実績値取得部150は、例えば、配水網における設備の運用状態に関する実績値を配水運用システム10等から通信ネットワーク等を介して取得する。取得された実測値は、乖離度評価部110において用いられる。
実績値取得部150が取得する情報には、例えば、管路56の各地点を流れた水量、ポンプステーション等の設備の一定時間における吐出水量、ポンプ等の設備によって一定の期間に消費された消費電力量等が含まれる。ただし、実績値取得部150が取得する実績値等はこれらに限られない。実績値取得部150は、乖離度評価部110又は優先度決定部120によって必要とされる他の実績値を取得してもよい。
また、本実施形態においては、上述のように、配水運用システム10が上水道の配水網50の配水を制御する場合を想定する。この場合には、配水運用システム10は、配水網50の運用に際して、一般に、運用設定値や配水網50の構成を表す情報が必要となる。また、配水運用システム10は、配水計画の策定や実績値の取得が必要となる場合がある。したがって、配水運用システム10は、上述した設定値取得部130、配水計画決定部140及び実績値取得部150に相当する要素を備える場合がある。
図3(B)は、配水運用システム10が設定値取得部13、配水計画決定部14及び実績値取得部15を備える場合の例を示す。設定値取得部13、配水計画決定部14及び実績値取得部15の各々は、図3(A)における設定値取得部130、配水計画決定部140及び実績値取得部150とそれぞれ対応する。
図3(B)に示す配水運用システム10の構成においては、設定値取得部13及び配水計画決定部14は、主に運用設定値の取得や配水計画の策定に際して用いられる。また、図3(B)に示す配水運用システム10の構成において、実績値取得部15は、主に配水網50における配水の状況を取得する際に用いられる。
図3(B)に示す構成においては、運用支援装置100の乖離度評価部110又は優先度決定部120は、上述した配水運用システム10の各要素が取得又は決定等した値を用いてもよい。
なお、図3(A)及び(B)に示す例において、配水運用システム10は、配水網50における配水の制御に関する他の要素(不図示)を備えてもよい。図3(B)に示す例において、配水運用システム10が、運用支援装置100を有する構成であってもよい。
続いて、本発明の第1の実施形態における運用支援装置100の主な構成要素である乖離度評価部110及び優先度決定部120について説明する。
乖離度評価部110は、配水網50の各施設に設けられたポンプ等の設備の運用状態に関する想定値及び実績値に基づいて、設備の各々に対する想定値と実績値との乖離の程度を評価する。運用状態は、例えば、配水計画に沿って配水網50の運用が行われた場合における配水網50の設備の各々に関する状態や値を示す。
乖離度評価部110は、運用状態の一例として、配水網50の各施設に設けられた設備の一定の期間における消費電力量を対象とする。設備には、ポンプが含まれる。つまり、乖離度評価部110は、例えば配水網50の各施設に設けられたポンプの一定の期間における消費電力量に関する想定値と実績値との乖離の程度を評価する。なお、以下の説明では、上述した乖離の程度を「乖離度」又は単に「乖離」と称する場合がある。なお、乖離度評価部110は、この場合に、ポンプの一定の期間における消費電力量に影響しうる他の設備の運用状態に対する想定値と実績値との乖離を評価の対象としてもよい。
想定値は、例えば予め求められた配水計画に沿って配水網50の運用が行われる場合に想定される、運用の状態に関する値である。想定値は、例えば一定の期間を単位として想定される。乖離度評価部110は、配水計画決定部140又は配水運用システム10が備える配水計画決定部14によって求められた配水計画に基づいて、対象とする設備に関する想定値を求める。乖離度評価部110は、配水計画決定部140又は配水運用システム10が備える配水計画決定部14において配水計画に基づいて求められた想定値を取得してもよい。
なお、想定値の基準となる配水計画は、また、予め配水計画決定部140等によって求められた計画である。また、配水網50の需要点55の各々における水の需要が変化した場合には、乖離度評価部110は、需要の変化に応じて配水計画決定部140等によって改めて求められた配水計画を基準とした想定値を用いてもよい。
実績値は、配水網50において実際に配水が行われた場合の設備の各々に関する運用状態に関する値である。実績値として、実績値取得部150や、配水運用システム10が備える実績値取得部15等が取得した運用状態に関する値が用いられる。
図4(A)及び(B)を用いて、乖離度評価部110による乖離の程度の評価についての一例を説明する。図4(A)及び(B)は、ポンプステーションの流量と一定の期間における消費電力量との関係を示すグラフである。図4(A)及び(B)のそれぞれにおいて、横軸はポンプステーションの流量を表し、縦軸はポンプの一定の期間における消費電力量を表す。図4(A)及び(B)の例において、一定の期間として、例えば15分が想定される。図4のグラフは、例えば配水網50等に設けられたポンプステーション毎に求められる。なお、図4(A)及び(B)に示すグラフでは、ポンプステーションを単にポンプと記載する。
図4(A)のグラフでは、実線は、例えば配水計画決定部140等によって求められた配水計画に従ってポンプステーションの運転が行われた場合の一定の期間に想定される、ポンプステーションの流量と消費電力量との関係の例を表す。この関係は、例えば配水計画の対象となるポンプステーション毎等に求められる。乖離度評価部110は、図4(A)の実線を、配水網50に設けられたポンプの各々に関する一定の期間における流量と消費電力量との関係の想定値とする。
また、図4(A)のグラフにおいて、四角の印の各々は、例えば実績値取得部150等を介して配水網50に設けられたポンプステーションの各々から実際に得られた値である。乖離度評価部110は、図4(A)の四角の各々を、配水網50に設けられたポンプの各々に関する流量と一定の期間における消費電力量との関係の実績値とする。
なお、実績値は、配水網50の運用において実際に得られた値を表す。実績値は、例えば、15分等の一定の期間を単位として求められる。一定の期間は、例えば需要が概ね一定であると予想される状況の長さ等に応じて定められる。図4(A)のグラフは、例えば、8時から8時15分まで等の15分の期間における想定値及び実績値を表す。
配水計画決定部140等によって求められた配水計画に沿って配水網50の設備の運転が行われる場合には、ポンプステーションの流量と消費電力との関係は、概ね想定値に沿った値となる。しかしながら、例えば水の需要の変化等の条件の変化に応じて、ポンプステーションを含む配水網50に設けられた設備の運転に関するパラメータ等に対する指定が現場毎に変更される場合がある。
また、一つの設備の運用状態は、他の設備の運用状態の影響を受ける場合がある。これによって、ポンプの流量と一定の期間における消費電力量との関係が想定値と乖離し、想定値と比較して大きな電力が消費される場合が生じうる。
図4(A)に示すように、実績値の多くにおいては、流量と消費電力との関係は、概ね想定値に沿った関係となる。しかしながら、図中の点線で囲まれた領域に含まれる実績値については、流量に対する消費電力が想定値と比較して大きくなっている。すなわち、これらに対応するポンプステーションにおいては、想定値と比較して大きな電力が消費されていると考えられる。
乖離度評価部110は、乖離度の評価の一例として、図4(B)に示すように、上述した実績値と想定値との座標上の距離を求める。乖離度評価部110は、例えば、一定の期間に関する実績値と想定値との座標上の距離を求める。一定の期間は、例えば上述のような15分等の期間となる。なお、図4(B)に示すグラフでは、想定値及び実測値は、図4(A)に示すグラフと同様に表されている。また、図4(B)に示すグラフにおいて、三角の印は、実測値が予測値から外れているポンプに関する個々の想定値を表す。
図4(B)に示す例では、乖離度評価部110は、例えば、上述のような想定値と実測値との座標上の距離に基づいて、乖離度を評価する。例えば、乖離度評価部110は、ポンプステーション等の設備の各々について、三角の印にて表される一定の期間における想定値と、四角の印にて表される一定の期間における実測値との座標上の距離を求める。乖離度評価部110は、上述のように一定の期間毎に求められた座標上の距離に対して一日等の予め定めた期間における和を求める。そして、乖離度評価部110は、求めた和を、ポンプ等の配水網50に設けられた施設の各々に対する乖離度とする。
なお、乖離度評価部110は、実績値と想定値との差異に関する他の指標を乖離度としてもよい。また、想定値及び実績値の各々について、上述した距離を求める対象となる期間及び乖離の程度を求める差異の期間のそれぞれは、上述の例に限定されない。また、上述した予め定めた期間となる期間は、一日等に限られず、異なってもよい。上述した各々の期間は、配水網50の需要の変化等を含む配水網50の状態等に応じて定められればよい。
また、配水網50の各設備での一定の期間における消費電力量の実績値が想定値よりも小さいに場合には、特段の問題とならないことが想定される。そこで、乖離度評価部110は、消費電力量に関して乖離度を定める際には、想定値と比較して一定の期間における消費電力量の実績値が大きい場合に乖離度が大きくなるように乖離度を定めてもよい。乖離度評価部110は、一定の期間における消費電力量の実績値が想定値よりも小さい場合には、実績値が想定値に沿っているとして扱われるように乖離度を定めてもよい。
優先度決定部120は、乖離度評価部110によって評価された乖離の程度及び配水網50における後述する相互関係に関する情報に基づいて、配水網50における運用設定値の修正に関する優先度を決定する。
上述のように、乖離度評価部110によって想定値と実績値との乖離度が評価される。乖離度が大きい場合には、例えば、想定と比較して大きな電力が消費されている可能性がある。この場合には、乖離の程度に基づいて、例えば一定の期間における消費電力量が小さくなるように、配水網50に設けられた設備の運用設定値が変更されることが好ましい。そして、運用設定値の変更に際しては、乖離度が大きい設備に関する運用設定値が変更の対象として選択されることが想定される。
しかしながら、配水網50は、一般に、複雑なネットワーク構造を有する。ポンプ等の一つの配水網50における設備の運用状態が変更されるように当該設備の運転方法等の指定が変更されると、他の設備の運用状態が当該変更の影響を受ける可能性がある。この場合に、乖離度が大きな設備の一定の期間における消費電力量が減少させるようにその設備に関する運転方法等の指定が変更されると、他の設備の当該一定の期間における消費電力量が増加する等の可能性がある。
例えば、乖離度が大きな設備の一定の期間における消費電力量を減少させるように運用状態が変更されると、配水網50全体の運用にて必要となる消費電力が、逆に増加する可能性がある。したがって、乖離度が大きなポンプ等の設備に基づいて運用設定値が変更される際には、当該設備の運用状態の変更に影響を受ける他の設備に関する考慮が必要となる場合がある。
なお、以下の説明では、乖離の程度が予め定めた条件を満たす設備と、当該設備に対する運用状態の変更の影響を受ける設備とをまとめて「相互作用を及ぼす設備」と称する場合がある。また、相互作用を及ぼす設備の各々の間の関係を、相互関係と称する場合がある。すなわち、相互関係にある設備は、互いに各々の運用状態に影響を及ぼしうる設備である。
優先度決定部120は、まず、乖離の程度が予め定めた条件を満たす設備と、当該設備に関する運用状態の変化によって影響を受ける設備を抽出する。すなわち、優先度決定部120は、乖離度が予め定めた条件を満たす設備、及び当該設備と相互関係にある一群の設備に関連する運用設定値を、優先度を決定する対象として抽出する。
上述した相互関係にある設備は、例えば配水網50等において、乖離度が予め定めた条件を満たす設備の上流又は下流に位置する設備である。これらの設備は、例えばポンプステーションであるが、バルブ等の配水に影響を及ぼす他の種類の設備であってもよく、設備の種類は限られない。上流又は下流の位置関係は、配水網50の構成や、配水計画決定部140等によって求められた配水計画に応じた水の流れ、実績値取得部150等によって取得された実測値等を用いて得られる水の流れに基づいて定められる。
優先度決定部120は、相互関係にある設備の特定に必要となる情報、すなわち、配水網50における相互関係に関する情報を、設定値取得部130、配水計画決定部140及び実績値取得部150等から適宜取得する。相互作用を及ぼす設備の特定に必要となる情報には、例えば、配水網50の構成や、配水網50における水の流れに関する情報が含まれる。
また、優先度決定部120は、配水運用システム10が備える設定値取得部13、配水計画決定部14及び実績値取得部150等から相互関係に関する情報を取得してもよい。また、優先度決定部120は、乖離度評価部110が取得した情報のうち、相互関係に関する情報として利用可能な情報を乖離度評価部110から取得して用いてもよい。
なお、乖離の程度が予め定めた条件を満たす設備は、例えば、乖離の程度が最も大きな設備である。又は、乖離の程度が予め定めた条件を満たす設備は、乖離の程度が所定の閾値よりも大きな設備であってもよい。乖離の程度が予め定めた条件を満たす複数の設備が存在する場合には、優先度決定部120は、例えば複数の設備の各々に対して相互関係にある設備を抽出する。
優先度決定部120は、相互関係にある設備の各々に対する乖離度と、相互関係にある設備の数とに基づいて、これらの相互関係にある設備に関連する運用設定値に対して優先度を定める。例えば、優先度決定部120は、乖離の程度が予め定めた条件を満たす設備及び一群の相互関係にある設備の各々の設備に対して求められた乖離度の和を、これらの設備の数の和で除して得た値の大きさに基づいて優先度を定める。
つまり、優先度決定部120は、まず、乖離度の大きさに基づいて、優先度の決定の対象となる運用設定値に関連する設備を抽出する。この場合には、単に乖離度が最も大きい等の予め定めた条件を満たす設備に限らず、一群の相互関係にある設備が抽出される。そして、優先度決定部120は、一群の相互関係にある設備の各々対して求められた乖離度の和に基づいて、優先度を定める。このようにすることで、乖離度が大きな設備を含む、一群の相互関係にある設備に関連する運用設定値に対して高い優先度が付される可能性が高まる。したがって、単に乖離度が大きな設備に関連する運用設定値のみが変更される場合等に生じうるような、配水網50全体の運用における消費電力量の増加の回避が容易となる。
一方で、上述した乖離度の和に基づいて優先度が定められる場合には、対象となる一群の相互関係にある設備の数が多い場合に乖離度の和が大きな値となる可能性がある。そして、このような一群の設備に関連する運用設定値に対して高い優先度が定められる可能性がある。しかしながら、相互関係にある設備の数が多い場合には、運用設定値の変更や、運用設定値の変更に起因する配水計画の変更に基づく運用状態の変更に大きな作業工数が必要となる可能性がある。そのため、配水網50の運用に際しては、少数の設備に対する運用状態の変更によって大きな効果が得られることが好ましい。
そこで、優先度決定部120は、乖離度が大きな運用設定値に関連する設備及び当該設備と相互関係にある設備の各々に関連する運用設定値に対する乖離度の和を、これらの設備の数の和で除して得た値に基づいて、優先度を定める。例えば、優先度決定部120は、上述のように得られた値の大きさの順に優先度を定める。このようにすることで、優先度の決定に際して、運用設定値の変更による改善の効果と、改善に要する手間の双方が考慮される。
なお、優先度決定部120は、異なる手順で優先度を決定してもよい。優先度決定部120は、例えば、相互作用を及ぼす設備の各々に対する乖離程度又は相互作用を及ぼす設備の数のいずれか一方に基づいて、優先度を定めてもよい。また、優先度決定部120にて優先度の算出に用いられる手法は、上述した例と異なってもよい。例えば、設定の変更に関する手間が小さい場合には、優先度決定部120は、乖離度の和が最も大きな一群の設備に関連する運用設定値に対して高い優先度を与えてもよい。又は、優先度決定部120は、乖離度が最も大きな設備を含む一群の設備に関連する運用設定値に対して高い優先度を与えてもよい。
また、優先度決定部120は、全ての運用設定値に対して優先度を決定してもよいし、運用状態の変更が必要である一部の設備に関連する運用設定値に対して優先度を決定してもよい。一部の設備に関連する運用設定値に対して優先度決定部120が優先度を決定する場合には、例えば適切な状態で運用されており、運用状態の変更が必要ではない設備に関連する運用設定値は、優先度の決定の対象から除外されてもよい。
図5を用いて、一つの設備に関連する運用設定値の変更によって影響を受ける設備、すなわち、相互関係にある設備の例について説明する。図5に示す配水網60の例においては、浄水場63において浄水された水が、管路600を介して需要点65−1から65−7の各々へ供給される場合が想定される。管路600には、給水所64−1から64−4が設けられている。
なお、図5に示す配水網60において、浄水場63、給水所64及び需要点65の各々は、図1に示す浄水場53、給水所54及び需要点55と同様の種類の施設である。また、浄水場63、給水所64及び需要点65の各々は、少なくともポンプステーションを備えると想定する。また、図5において、管路600の各々に付された矢印は、各々の地点における水の流れを示す。水の流れは、配水計画決定部140等によって求められた配水計画、実績値取得部150等によって取得された実測値等に基づいて定められる。
この例において、乖離度評価部110によって、給水所64−4が備えるポンプステーションに関して乖離度が大きいと評価された場合を想定する。浄水場63からの給水所64−4への配水の経路には、給水所64−1が存在する。この場合に、優先度決定部120は、これらの設備を、給水所64−4が備えるポンプの運用状態の変更によって相互作用を及ぼす設備として抽出する。すなわち、この例においては、給水所64−4、給水所64−1及び浄水場63が備えるポンプステーションが相互関係にある設備である。
なお、浄水場63及び給水所64−1は、いずれも給水所64−4への配水の経路の上流側に存在する。ただし、給水所64−4の下流側の経路にポンプステーション等を備える設備が存在する場合には、優先度決定部120は、上述のように、給水所64−4の下流側に位置する設備を、相互関係にある設備として抽出してもよい。
優先度決定部120は、給水所64−4、浄水場63及び給水所64−1の乖離度の和を設備の数である3で除した値に基づいて、優先度を定める。配水網60に他の一群の相互関係にある設備が存在する場合には、それらの一群の設備に対して、乖離度の和を設備の数で除した値が求められる。そして、例えば求められた値の大きさに基づいて、優先度決定部120は優先度を定める。
優先度が定められると、配水運用システム10や、関連する設備の管理者等へ優先度が伝えられる。そして、優先度の大きさ等に応じて、配水網50における運用設定値が更新される。運用設定値が更新されると、新たな配水計画が配水計画決定部14等によって求められる。そして、求められた新たな配水計画に基づいて、配水網50に設けられた設備のパラメータ等が設備の管理者等によって適宜修正される。
続いて、図6に示すフローチャートを参照して、本発明の第1の実施形態における運用支援装置100の動作を説明する。
最初に、乖離度評価部110は、乖離度の評価に必要となる情報を取得する(ステップS101)。ステップS101において、乖離度評価部110は、少なくとも、上述した配水網50における設備の運用状態に関する想定値及び実績値を取得する。
次に、乖離度評価部110は、ステップS101にて取得された情報を用いて、乖離度を評価する(ステップS102)。
次に、優先度決定部120は、ステップS102にて求められた乖離度と、相互関係に関する情報に基づいて、運用設定値の修正に関する優先度を決定する(ステップS103)。ステップS103において、優先度決定部120は、設定値取得部130、配水計画決定部140及び実績値取得部150等から相互関係に関する情報を適宜取得する。また、優先度決定部120は、ステップS101にて取得した配水網50等の構成に関する情報を相互関係に関する情報として用いてもよい。
なお、運用支援装置100は、ステップS101からS103までの動作を定期的に又は需要の変化等に応じて繰り返してもよい。
以上のとおり、本発明の第1の実施形態における運用支援装置100は、運用状態に関する乖離度に基づいて、運用設定値の修正に関する優先度を決定する。優先度決定部120による優先度の決定に際しては、配水網の構成が考慮される。すなわち、優先度の決定に際しては、配水網50等における運用設定値が変更された場合の設備の相互関係が考慮される。そのため、例えば配水網50の全体での消費電力量の増加が回避されるような優先度の決定が可能となる。
したがって、本実施形態における運用支援装置100は、効率のよい配水網の運用を可能とする。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態における運用支援装置を示す図である。また、図8は、本発明の第2の実施形態における運用支援装置の他の構成を示す図である。
図7に示すとおり、本発明の第2の実施形態における運用支援装置200は、乖離度評価部110と、優先度決定部120と、設定値更新部260とを備える。乖離度評価部110及び優先度決定部120は、第1の実施形態における運用支援装置100が備える同じ符号が付された要素と同様の要素である。設定値更新部260は、各々の設備に対する優先度に及び配水網の運用履歴に基づいて、各々の設備に関連する運用設定値を更新する。
また、本実施形態における運用支援装置200は、運用履歴記憶部261を備えてもよい。運用履歴記憶部261は、配水網50における運用の履歴を記憶する。
すなわち、本実施形態における運用支援装置200は、少なくとも設定値更新部260を更に備える点が、第1の実施形態における運用支援装置100と異なる。
本実施形態における運用支援装置200は、第1の実施形態における運用支援装置100と同様に、設定値取得部130と、配水計画決定部140と、実績値取得部150とを更に備えてもよい。図8(A)は、運用支援装置200がこれらの要素を備える場合の構成を示す図である。
また、配水運用システム10が、配水計画決定部140及び実績値取得部150に相当する要素を備える場合には、運用支援装置100は、これらの要素が取得又は決定した値を用いてもよい。
図8(B)は、配水運用システム10が設定値取得部13、配水計画決定部14及び実績値取得部15を備える場合の例を示す。第1の実施形態における例と同様に、設定値取得部13、配水計画決定部14及び実績値取得部15の各々は、図8(A)における設定値取得部130、配水計画決定部140及び実績値取得部150とそれぞれ対応する。
続いて、本発明の第2の実施形態における運用支援装置200の各構成要素のうち、第1の実施形態における運用支援装置100に含まれない要素について説明する。
設定値更新部260は、優先度決定部120によって決定された優先度と、配水網50における運用の履歴とに基づいて、配水網50等に設けられた設備の各々に関連する運用設定値の更新に必要となる処理を行う。
運用の履歴には、例えば配水計画や配水網50における需要の変化等に基づくポンプステーション等の設備に対する操作内容等、配水網50における設備の過去の運用に関する履歴が含まれる。運用設定値の更新に必要となる処理には、例えば、更新すべき運用設定値又は運用設定値の具体的な値の候補の決定や出力、配水運用システム10等における運用設定値や当該運用設定値に基づいて定まる配水計画等の更新が含まれる。
本実施形態においては、運用支援装置200は、上述のように、一例として運用履歴記憶部261を備える場合を想定する。運用履歴記憶部261は、配水網50における設備の運用に関する履歴を記憶する。なお、運用支援装置200は、配水網50における運用の履歴を、通信ネットワーク等を介して必要に応じて配水運用システム10等から取得してもよい。
一例としては、運用履歴記憶部261は、運用履歴がパターン化されたナレッジベースとして構成される。この場合に、運用履歴記憶部261には、乖離度が大きい場合における運用設定値の変更の履歴が複数の観点にて分類して格納される。
例えば、運用設定値の変更の履歴は、当該運用設定値に関連する設備や当該設備に関する乖離度の大きさ、運用設定値の変更に基づいて変更された配水計画の変更後の値や変更による結果等に応じて運用履歴記憶部261に格納される。また、運用設定値の変更の履歴は、需要、日時、時間帯等に応じて分類されて運用履歴記憶部261に格納されてもよい。
また、上述した運用設定値の変更の履歴には、当該変更に伴う消費電力量の変化の状況に応じて、対処の適切さについての情報が併せて付されてもよい。
例えば、運用設定値の変化に伴って配水網50の全体の運用において消費される消費電力量が削減された場合には、当該運用設定値の変化に関する履歴に対して適切な対処である旨の情報が付される。また、運用設定値の変化に起因して、配水網50の全体の運用にて消費される消費電力量が逆に増加した場合には、当該運用設定値の変化に関する履歴に対して、適切な対処ではない旨の情報が付されてもよい。
設定値更新部260は、一例として、更新すべき運用設定値や運用設定値の具体的な値の候補を次のように決定する。
設定値更新部260は、高い優先度が与えられた設備に関連する運用設定値の変更の履歴を、運用履歴記憶部261を参照する等によって取得する。この場合に、設定値更新部260は、高い優先度が与えられた設備に関する需要や時間帯等が関連する履歴を参照することが好ましい。設定値更新部260が取得する履歴の数は特に限定されない。
そして、設定値更新部260は、例えば、乖離度の大きさや需要、時間帯等が近似し、かつ、適切な対処がなされた場合の履歴に基づいて、更新すべき設定更新値や、更新される設定更新値の値を決定する。例えば、設定値更新部260は、適切な対処がなされた場合の履歴に含まれる、更新された運用設定値を、更新すべき設定更新値や更新される設定更新値の値として用いる。
なお、更新すべき設定更新値は、乖離度や優先度が高い設備に関連する設定更新値に限られない。優先度が高い設備と隣接し、かつ、優先度決定部120にて考慮されていない設備の運用状態に起因して、優先度又は乖離度が大きな設備が生じている可能性が考えられる。したがって、更新すべき設定更新値として、優先度が高い設備と隣接し、かつ、優先度決定部120にて考慮されていない設備に関連する設定更新値が含まれてもよい。
また、更新すべき設定更新値や、更新される設定更新値の具体的な値の候補は、一つに限られない。例えば、適切な対処がなされた場合に関する複数の履歴が記憶されている場合には、設定値更新部260は、複数の履歴の各々に基づいて、更新すべき設定更新値や、更新される設定更新値の値に関する候補を決定してもよい。
更に、設定値更新部260が用いる履歴は、適切な対処がなされた場合の履歴に限られない。例えば、高い優先度が与えられた設備に関連する過去の運用履歴に関する平均値等の統計値が用いられてもよい。
更新すべき設定更新値や、更新される設定更新値の具体的な値の候補が決定すると、設定値更新部260は、決定した候補の出力、又は決定した候補に基づく配水網50における配水計画の更新等を行う。
決定した候補の出力として、設定値更新部260は、例えば、任意の種類のディスプレイ等に表示させるように制御する。設定値更新部260は、通信ネットワークを介して接続される他の装置に設けられたディスプレイ等に決定した候補を出力させるように制御してもよい。
配水運用システム10や配水網50に設けられた設備の操作員は、例えば出力された設定値更新部260の結果に基づいて、配水網50に対する新たな運用設定値を適宜決定する。
また、配水運用システム10等における配水計画の更新は、例えば以下のように行われる。この場合に、設定値更新部260は、新たな運用設定値を配水計画決定部140又は配水運用システム10が備える配水計画決定部14へ入力する。配水計画決定部140又は配水運用システム10が備える配水計画決定部14は、取得した新たな運用設定値に基づいて、新たな配水計画を求める。
運用支援装置の配水計画決定部140が新たな配水計画を求めた場合には、配水計画決定部140は、求められた新たな配水計画を配水運用システム10へ入力してもよい。配水運用システム10は、新たな配水計画を取得し、取得した配水計画に基づいてポンプステーション等の配水網50における設備の運用を行う。
配水運用システム10が備える配水計画決定部14が新たな配水計画を求めた場合には、配水運用システム10は、新たな配水計画に基づいて配水網50の設備を制御する。
いずれの場合においても、更新すべき複数の運用設定値の候補が決定されている場合には、設定値更新部260は、複数の候補のうちのいずれかを適宜選択して運用設定値を更新する。この場合には、例えば、運用履歴記憶部261に格納された履歴のうち、適切な対処がなされたとされる履歴に基づいて候補が選択される。又は、配水計画決定部140にて求められる配水計画において、更新される運用設定値に関連する設備の数等が少なくなるような候補が選択されてもよい。
続いて、図9に示すフローチャートを参照して、本発明の第2の実施形態における運用支援装置200の動作を説明する。
最初に、乖離度評価部110は、乖離度の評価に必要となる情報を取得する(ステップS201)。
次に、乖離度評価部110は、ステップS201にて取得された情報を用いて、乖離度を求める(ステップS202)。
次に、優先度決定部120は、ステップS202にて求められた乖離度と、ステップS201にて取得した配水網50等の構成に関する情報に基づいて、優先度を決定する(ステップS203)。
ステップS201からS203までの動作は、第1の実施形態における運用支援装置100のステップS101からS103までの動作にそれぞれ対応する。
次に、設定値更新部260は、運用履歴記憶部261等を適宜参照して、配水網50等に設けられた設備の各々に関連する運用設定値の更新に必要となる処理を行う(ステップS204)。ステップS204の処理に応じて、配水運用システム10の運用が変更される。
以上のとおり、本発明の第2の実施形態における運用支援装置200では、設定値更新部260が、優先度及び配水網50の運用履歴に基づいて、配水網50等に設けられた設備の各々に関連する運用設定値の更新に必要となる処理を行う。すなわち、本発明の第2の実施形態における運用支援装置200では、配水網50に設けられた設備に関連する修正すべき運用設定値が、上述した優先度に加え、配水網50における運用履歴に基づいて決定される。そして、適切な対処がなされた場合の運用履歴が用いられることで、運用設定値の適切な修正が容易になる。
したがって、本実施形態における運用支援装置200は、第1の実施形態における運用支援装置100と同様の効果を奏する。また、本実施形態における運用支援装置200は、第1の実施形態における運用支援装置100と比較して、更に効率のよい配水網の運用を可能にする。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本発明のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
この発明の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、これに限られない。
(付記1)
配水網における設備の運用状態に関する想定値及び実績値に基づいて、前記設備の各々に関する前記想定値と前記実績値との乖離を評価する乖離度評価手段と、
前記乖離及び前記設備の前記配水網における相互関係に関する情報に基づいて、前記配水網における運用設定値の修正に関する優先度を決定する優先度決定手段とを備える運用支援装置。
(付記2)
前記乖離度評価手段は、前記設備の消費電力量に関する前記想定値及び前記実績値に基づいて前記乖離を評価する、付記1に記載の運用支援装置。
(付記3)
前記優先度決定手段は、前記相互関係にある設備の数と、前記相互関係にある設備の各々に関する前記運用設定値に対する前記乖離とに基づいて前記優先度を決定する、付記1又は2に記載の運用支援装置。
(付記4)
前記優先度決定手段は、前記配水網における上流又は下流の位置関係にある複数の前記設備を前記相互関係にある設備として前記優先度を決定する、付記3に記載の運用支援装置。
(付記5)
前記優先度決定手段は、前記相互関係にある設備の各々に関する前記乖離を前記相互関係にある設備の数にて除した値に基づいて前記優先度を決定する、付記3又は4に記載の運用支援装置。
(付記6)
前記優先度及び前記配水網の運用履歴に基づいて、前記運用設定値の更新に必要となる処理を行う設定値更新手段を備える、付記1から5のいずれか一項に記載の運用支援装置。
(付記7)
前記設定値更新手段は、前記優先度に応じて定められた前記設備に対して適切な対処が行われた場合における前記運用履歴に基づいて、更新すべき前記運用設定値を決定する、付記6に記載の運用支援装置。
(付記8)
前記配水網に関する前記運用設定値を取得する設定値取得手段を備える、付記1から7のいずれか一項に記載の運用支援装置。
(付記9)
前記運用設定値及び前記配水網の構成に基づいて、前記配水網における配水計画を決定する配水計画決定手段を備える、付記1から8のいずれか一項に記載の運用支援装置。
(付記10)
前記配水計画決定手段は、前記設定値更新手段によって特定された新たな前記運用設定値に基づいて、更新された前記配水計画を決定する、付記9に記載の運用支援装置。
(付記11)
前記配水網における前記運用状態に関する前記実績を取得する実績値取得手段を備える、付記1から10のいずれか一項に記載の運用支援装置。
(付記12)
前記設備はポンプステーションである、付記1から11のいずれか一項に記載の運用支援装置。
(付記13)
配水網における設備の運用状態に関する想定値及び実績値に基づいて、前記設備の各々に関する前記想定値と前記実績値との乖離を評価し、
前記乖離及び前記設備の前記配水網における相互関係に関する情報に基づいて、前記配水網における運用設定値の修正に関する優先度を決定する運用支援方法。
(付記14)
コンピュータに、
配水網における設備の運用状態に関する想定値及び実績値に基づいて、前記設備の各々に関する前記想定値と前記実績値との乖離を評価する処理と、
前記乖離及び前記設備の前記配水網における相互関係に関する情報に基づいて、前記配水網における運用設定値の修正に関する優先度を決定する処理とを実行させるプログラム。