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JP6912796B2 - 吹付工事用スペーサー - Google Patents
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JP6912796B2 - 吹付工事用スペーサー - Google Patents

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本発明は法面に対して行う吹付工事の際、法面に設置する金網の高さを法面から一定に保持するために用いる吹付工事用スペーサー関する。詳しくは、法面に設置する金網の法面からの高さが一定になるようにすると共に、作業者が吹き付けるモルタル層の厚さ(高さ)の目安にするための吹付工事用スペーサーに関する。
吹付工事とはモルタルやコンクリート等で崖面等の法面を覆う工法の中の一つである。風化や浸食により劣化した崖面等に対しては法面安定化のため法面工事をする必要があるが、外気の温度変化、浸透水の遮断効果が非常に高く施工性も優れていることから吹付工事が採用されることが多い。法面工事を行う崖面を構成する地質は不均質であり、風化の進行状況も不均一であるため、吹付工事後において、吹き付けるモルタル層やコンクリート層等の厚さによっては温度変化等により伸縮クラックが入り易くなってしまう。
このため法面における吹付工事においては、モルタル層やコンクリート層等のセメント硬化体に発生するクラックの分散、法面からの剥離防止等を目的として、法面に対して金網張り工事を併用することが多い。金網張り工事においては、金網を法面から一定の距離(具体的には、金網の位置が吹付厚さの1/2の高さ)になるように設置するのが望ましいが、法面工事を行う崖面は凸凹等があるため高さが不均一(バラバラ)であり、吹付高さを確保するための目印等が必要である。
特許文献1には、斜面の保護工事に使用する金網と地面との所要間隔を保持することを目的として、所要の強度を持った平板を側面から見て三角形に形成して支持体とし、同支持体の両斜面の頂部より下部の所要箇所まで、上部の幅より大きく形成された、ほぼ四角状の挿入切欠部を設け、底面には切欠を設けたスペーサーが開示されている。すなわち、補強筋となる金網を施工斜面に仮設した後、このスペーサーの三角部分の両斜面に設けられた挿入切欠部に金網を通過させることで補強筋となる金網と斜面の間に仮設するスペーサーが開示されている。
特開平8−49358号公報
特許文献1に係るスペーサー(特許文献1:発明の名称)は、底面に切欠を設けているものの、それでも接地面積が大きいため、法面工事を行う崖面は表面形状の凸凹等により不安定な場所であることを考慮すると、接地面積が大きくなってしまう底面は設置時、および作業時における安定性に欠けるものであると言える。さらに、所要の強度を持った平板を三角形に形成しているため、スペーサー個々の重量が大きくなってしまい、設置工事に必要な数のスペーサーの総重量においては、多大な重量物となるため運搬コストや手間も掛かり好ましくなかった。
本発明の目的は、接地面積が小さくても、金網の法面からの高さが一定になるように安定的に保持するとともに、吹き付けるモルタル等の高さの目安にするための吹付工事用スペーサーを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、法面に設置する金網に設置することで金網の法面からの高さを一定になるように調整すると共に、モルタル等の吹き付け材の高さの目安にするためのスペーサー(吹付工事用スペーサー)であって、設置した際、前記金網と略平行の位置関係にある二本の上部目安部と、前記上部目安部の両端から下方向に延伸した四本の上部垂直部と、前記上部垂直部の下端から前記上部目安部と略平行に外側に向かって延伸した四本の金網載置部と、前記金網載置部の先端から下方向に延伸した四本の下部延伸部と、前記下部延伸部の先端同士を前記上部目安部とねじれの位置になるように連結して延伸する二本の接地部とからなることを特徴とするものである。なお、本明細書において「ねじれの位置」とは空間内における2本の直線が平行でなく、かつ、交わらない状態、つまり同一平面にない状態の2直線の位置関係のことを言う。
請求項2に記載された発明は、請求項1において、一本の金属製線材を折り曲げ加工することにより構成されている吹付工事用スペーサーであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2において、前記下部延伸部は中心に向かって垂直軸と20°〜40°の角度を有している吹付工事用スペーサーであることを特徴とするものである。
請求項1に記載の吹付工事用スペーサーは、法面に張った金網(詳細には、下端部分である接地部を法面に着地させ、金網の一部を金網載置部に載置させる)に設置することで、金網の法面からの高さを一定になるように保持するとともに、モルタル等の吹き付け材の高さの目安にするためのスペーサーである。法面に張った金網に設置した際、当該金網と略平行の位置関係にある二本の上部目安部と、上部目安部の両端から下方向に延伸した四本の上部垂直部と、上部垂直部の下端から上部目安部と略平行に外側に向かって延伸した四本の金網載置部と、金網載置部の先端から下方向に延伸した四本の下部延伸部と、下部延伸部の先端同士を前記上部目安部とねじれの位置になるように連結して延伸する二本の接地部から構成されている。
法面に設置した金網と略平行の位置関係にある二本の上部目安部は、吹付工事の際、作業者が上部目安部を目視することで吹き付けることにより形成するモルタル層等の高さ(厚み)の目安にすることができる。通常の吹付工事では、上部目安部の法面からの高さ(=モルタル層等の厚み)に対して、金網の法面からの高さを二分の一程度にして、金網から上の部分と金網から下の部分の厚さが同じになるようにするのが望ましいが、四本の上部垂直部の長さをそのように設計することにより、金網面からモルタル層最上部までの高さ(厚み)を調整することができる。
上部目安部と略平行に外側に向かって延伸した金網載置部に、法面に張った金網を載置することができるようになっているので、金網の法面からの高さを保持することができるし、下部延伸部の長さ、すなわち、金網面から法面までの深さを自由に設計することができるため、金網から法面までのモルタル層の厚さを自由に設計することができる。
上部目安部とねじれの位置になるように連結して延伸する二本の接地部(設置面積が少ない)により、崖面(法面)が凸凹等のため接地面が不均質であっても、設置面積が少ない接地部をできるだけ凸凹が少ない箇所を選択して法面にセットすることで、吹付工事用スペーサーを安定させて支えることが可能となる。
請求項2に記載の吹付工事用スペーサーは、一本の金属製線材を曲げ加工することにより構成されているので耐久性等にも問題がなく、しかも切断、溶接等の手間の掛かる工程を入れることなく吹付工事用スペーサーを製造することができるため、加工コスト等の低減を図ることができる。
請求項3に記載の吹付工事用スペーサーの下部延伸部は、中心に向かって垂直軸と20°〜40°の角度を有しているので、法面補強工事における金網に対する吹付工事用スペーサー設置時において金網の隙間を通過させ易くなっている。
本実施例に係る吹付工事用スペーサーの全体正面図である。 吹付工事用スペーサーの全体底面図である。 本実施例に係る吹付工事用スペーサーの設置状態を示す説明図である。 吹付工事用スペーサーの全体右側面図である。
<吹付工事用スペーサーの構造>
以下、本発明に係る吹付工事用スペーサー1の一実施形態について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1の全体正面図である。
本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、最下部である接地部6を法面に着地させ、法面に設置した金網の一部を金網載置部4の上に接触させるようにして(金網載置部4が下から金網を支えるようにして)、法面に設置する金網に設置することで、金網の法面からの高さを一定になるように保持するとともに、作業者が吹き付けるモルタル等の高さ(モルタル層の厚さ)の目安にするための吹付工事用スペーサー1である。図1、図2のそれぞれに先端aの位置と終端bの位置をマークしたことからも分かるように、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、所定の形状に曲げ加工された一本の棒状素材(金属材料)から構成されている。
図1に記載したように、先端aと終端bを備えた一本の棒状素材(金属材料)から構成された、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、法面に設置された金網と略平行の位置関係にある二本の上部目安部2と、上部目安部2其々の両端から下方向に延伸するように曲げ加工した四本の上部垂直部3と、上部垂直部3の下端から上部目安部2と略平行に外側に向かって延伸するように曲げ加工した四本の金網載置部4と、金網載置部4の先端から中心に向かって垂直軸(法面に対して)と30°程度の角度を有しつつ下方向に延伸するように曲げ加工した三本の下部延伸部5と、一本の棒状素材における終端bと連続的に繋がっていて最も終端bに近い位置にある金網載置部4から略垂直下方向に延伸するように曲げ加工されている下部延伸部5´と、二本の下部延伸部5の其々先の部分を上部目安部2と略ねじれの位置になるように曲げ加工して形成する接地部6と、略垂直下方向に延伸するように曲げ加工されている下部延伸部5´よりも先の棒状素材を法面に接地しつつ中心に向かって曲げ加工し、さらにその先の棒状部材を上部目安部2とねじれの位置になる方向に曲げ加工して、最終的に下部延伸部5の下端部に絡ませるようにして(一本の棒状部材の先端aと終端bを絡ませるようにして)繋ぎ合わせた接地部6´とから構成されている。
すなわち、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、先端aと終端bを備えた一本の棒状素材を曲げ加工することで形成しているので、一本の棒状素材から自由に形状を形成することができ、たとえば、図1において矢印で示す丸で囲った部分のように、一本の棒状素材の先端a(一端)となる下部延伸部5の先の部分が「クの字」に曲げ加工されている上、一本の棒状素材の終端b(他端)となる接地部6‘の先が折り返されており、これらの形状によって一本の棒状部材の先端aと終端bが互いに絡ませることができるようになっている。
なお、所定の形状に曲げ加工された一本の棒状素材としては、本実施例においてはプレストレスト・コンクリート(PC)に緊張を与える緊張材であるPC鋼線(直径8mm以下の高強度鋼)を使用している。なお、吹付工事用スペーサー1を構成する材料、材質については、PC鋼線(直径8mm以下の高強度鋼)以外にも、種々の金属素材を採用することができる。
図2は、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1の全体底面図である。図2に法面と接地する箇所を斜線で記載したように、本発明に係る吹付工事用スペーサー1の特徴として、設置する場所(法面)の特徴として凸凹部分が多いことを鑑みて、できるだけ法面に対する接地面積を少なくしつつも、安定的に設置することができるように工夫がなされていることが挙げられる。
すなわち、接地面は、接地部6、6´の二箇所になっており、しかも棒状素材であるため接地面積は少なくなっており、その上、金属材料は、弾性限界を超えない程度の応力であれば、弾性を有する素材であるため、接地面の凸凹の状況により、たとえば、法面の凸部分を避けるようにして接地部6(6´)を設置することができる。終端bと連続的に繋がっている接地面6´は、まず、金網載置部4から略垂直下方向に延伸するように曲げ加工されている下部延伸部5´から中心部に向かって略90°の角度(上部目安部2と略平行の位置になる方向)で法面上に接地するようになっており、そこから延伸されて略90°の角度(上部目安部2とねじれの位置になる方向)になって接地するようになっている。すなわち、接地部6´は、90°の角度を有すること(矢印と丸で囲まれた部分)により設置時においてさらに安定度を増している。
<吹付工事用スペーサーの設置状態>
図3は、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1の設置状態を示した図である。図3に記載したように、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、金網のマス目に丁度挿入できるサイズに設計されている。本実施例に係る吹付工事用スペーサー1を法面に設置すると、下から順にまず、法面に接地部6、6´、次に、中心に向かって垂直軸と20°〜40°の角度を有している下部延伸部5、さらに、金網載置部4の順になっており、金網載置部4が金網よりも下になる位置に法面に設置した金網のマス目から、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1を挿入することにより法面に設置する。このとき、法面に設置した金網が金網載置部4において下側から上側に向かって持ち上げるように設置されている。同時に反作用によって、法面に設置した金網から上側から下側に向かって押さえ付ける力が働くので、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、法面に対して安定して設置することができる。
<吹付工事用スペーサーの効果>
図4は、本実施例に係る吹付工事用スペーサー1の全体右側面図である。本実施例に係る吹付工事用スペーサー1の高さ(図4の中で「A」と表示)(上部目安部2の法面からの高さ)が、作業者が吹き付け作業を行う際のモルタル層全体の厚みになるように設計されている。すなわち、法面に設置された金網と略平行の位置関係にある二本の上部目安部2は、吹付工事の際、上部目安部2を目視することで作業者は吹き付けるモルタル層等の高さの目安にすることができる。
本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、金網載置部4に金網を載置することができるようになっており、四本の上部垂直部3の長さ(図4の中で「B」と表示)を調整することで法面に設置した金網面からの高さを設計することができる。すなわち、上部垂直部3の長さを調整することにより、金網から上のモルタル層の厚さを設計することができる。さらに、下部延伸部5、5´の垂直方向におけるベクトル長さ(図4の中で「C」と表示)を調整することにより、法面に設置した金網面からの深さを設計することができる。すなわち、下部延伸部5、5´の垂直方向におけるベクトル長さ(図4の中で「C」と表示)を調整することにより金網から下のモルタル層の厚さを設計することができる。
法面に金網を設置する金網張り工事においては、金網を法面から一定の距離(具体的には、金網の位置が吹付厚さの1/2の高さ)になるように設置するのが望ましいとされるので、四本の上部垂直部3の長さ(図4の中で「B」と表示)と、下部延伸部5、5´の垂直方向におけるベクトル長さ(図4の中で「C」と表示)が同じ長さになるようにすると、金網設置によるモルタル層やコンクリート層等のセメント硬化体に発生するクラックの分散、法面からの剥離防止等の効果が最大限発揮できるため望ましい。
本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、所定の形状に曲げ加工された一本の棒状素材から構成されているので、法面との接地する設置部6、6´は面ではなくてより面積が小さい線で接地するようになっている。すなわち、上部目安部2とねじれの位置になるように連結して延伸する二本の接地部6、6´により、崖面が凸凹等のため法面の状態が不安定な状態であっても、より少ない設置面積で、少しでも安定した箇所を選択することで吹付工事用スペーサー1を安定させて支えることができる。
さらに、接地面6´においては、まず、金網載置部4から略垂直下方向に延伸するように曲げ加工されている下部延伸部5´から中心部に向かって略90°の角度(上部目安部2と略平行の位置になる方向)で法面上に接地するようになっており(図2参照)、そこから延伸されて略90°の角度(上部目安部2とねじれの位置になる方向)になって接地するようになっており(図2参照)、90°の角度を有する部分(図2において矢印で示す丸で囲った部分)により設置時においてさらに安定度を増している。
本実施例に係る吹付工事用スペーサー1は、一本の金属製線材を折り曲げ加工することにより構成されているので、溶接等の手間を掛けることなく製造することができるため加工コスト等の低減を図ることができる。吹付工事用スペーサー1の下部延伸部5は、中心に向かって垂直軸と20°〜40°の角度を有しているので、法面補強工事における金網に対する吹付工事用スペーサー1設置時において、金網のマス目間を通過させ易くなっている。
<吹付工事用スペーサーの変更例>
本発明に係る吹付工事用スペーサーは、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、上部目安部、上部垂直部、金網載置部、下部延伸部、接地部等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。たとえば、本発明に係る吹付工事用スペーサーは、吹付作業を行う際、モルタル層の最上部を目視できるような目印表示機能、および法面に設置した金網を下から支える機能を備えたものであれば良い。したがって、一本の棒状部材を曲げ加工したものである必要はなく、二本以上の棒状素材を曲げ加工して、其々を接続したような部材から構成されたものであっても良い。材質においても金属材料以外にも樹脂製のものであっても良い。
本発明に係る吹付工事用スペーサーは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、法面工事における吹付工事においてモルタル層を補強しつつ、吹付作業時のモルタル厚さの目安となる吹付工事用スペーサーとして好適に用いることができる。
1・・吹付工事用スペーサー
2・・上部目安部
3・・上部垂直部
4・・金網載置部
5,5´・・下部延伸部
6,6´・・接地部
a・・先端
b・・終端

Claims (3)

  1. 法面に設置する金網に設置することで金網の法面からの高さを一定になるように調整すると共に、モルタル等の吹き付け材の高さの目安にするためのスペーサーであって、
    設置した際、前記金網と略平行の位置関係にある二本の上部目安部と、
    前記上部目安部の両端から下方向に延伸した四本の上部垂直部と、
    前記上部垂直部の下端から前記上部目安部と略平行に外側に向かって延伸した四本の金網載置部と、
    前記金網載置部の先端から下方向に延伸した四本の下部延伸部と、
    前記下部延伸部の先端同士を前記上部目安部とねじれの位置になるように連結して延伸する二本の接地部とからなることを特徴とする吹付工事用スペーサー。
  2. 一本の金属製線材を折り曲げ加工することにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吹付工事用スペーサー。
  3. 前記下部延伸部が、中心に向かって垂直軸と20°〜40°の角度を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吹付工事用スペーサー。
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