JP6913736B2 - 二次電池および二次電池の使用方法 - Google Patents
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Description
正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池であって、
当該二次電池の使用初期において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい特性と、
満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい特性と、を有し、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも大きくなる状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池が提供される。
正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池を使用するための使用方法であって、
当該二次電池の使用初期では、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい条件で使用するとともに、満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい条件で使用し、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも大きくなる状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池の使用方法が提供される。
以下、本実施形態に係る二次電池10および二次電池10の使用方法について説明する。図1は、本発明に係る実施形態の二次電池10の構造の一例を示す断面図である。図2は、本発明に係る実施形態の二次電池10における正極11の充放電特性と負極12の充放電特性との関係の一例を示す図であり、(a)は二次電池10の使用初期における正極11の充放電特性と負極12の充放電特性との関係の一例を示し、(b)は二次電池10の使用後期における正極11の充放電特性と負極12の充放電特性との関係の一例を示す。
すなわち、二次電池10の使用初期では、満充電完了直前の正極11の電位増加率が満充電完了直前の負極12の電位低下率よりも小さい条件で使用するとともに、満放電完了直前の正極11の電位低下率が満放電完了直前の負極12の電位増加率よりも小さい条件で使用する。
また、本実施形態において、使用後期とは、二次電池10の使用期間中において、充放電に寄与する伝導イオンの一部が電解液分解による反応生成物に取り込まれる等して減少し、正極11の容量中の利用部分がシフトし、満充電完了直前の正極11の電位増加率が満充電完了直前の負極12の電位低下率よりも大きくなる状態になった時期をいう。
負極12は、例えば、銅箔等の金属箔により構成された負極集電体4と、負極集電体4の一面上に設けられた負極活物質を含有する負極活物質層2と、を有する。
正極11および負極12は、正極活物質層1と負極活物質層2とが対向するように、分離層5を介して積層されている。分離層5は、例えば、不織布やポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)製微多孔膜等により構成されたセパレータを用いることができる。
正極集電体3には正極タブ9が接続され、負極集電体4には負極タブ8が接続され、これらのタブは容器の外に引き出されている。容器内にはイオン伝導体が注入され封止される。複数の電極要素が積層された電極群が容器内に収容された構造とすることもできる。
まず、本実施形態に係る二次電池10は、図2(a)に示すように、二次電池10の使用初期において、満充電完了直前では正極11の電位は増加傾向にあり、負極12の電位は低下傾向にある。
そして、本実施形態に係る二次電池10は、図2(a)に示すように、二次電池10の使用初期において、満充電完了直前の正極11の電位増加率が満充電完了直前の負極12の電位低下率よりも小さい特性を有する。すなわち、本実施形態に係る二次電池10は、図2(a)に示すように、二次電池10の使用初期において、満充電完了直前の正極11の電位増加率が満充電完了直前の負極12の電位低下率よりも小さい条件で使用する。
また、本実施形態に係る二次電池10は、二次電池10の使用初期において、満充電完了直前の正極11の容量当たりもしくは時間当たりの電位増加率が満充電完了直前の負極12の電位低下率よりも絶対値が小さくなるように構成される。
つまり、二次電池10の使用初期において、充電終了が主に負極12の電位低下で決まるようにする。
そして、本実施形態に係る二次電池10は、図2(a)に示すように、二次電池10の使用初期において、満放電完了直前の正極11の電位低下率が満放電完了直前の負極12の電位増加率よりも小さい特性を有する。すなわち、本実施形態に係る二次電池10は、図2(a)に示すように、二次電池10の使用初期において、満放電完了直前の正極11の電位低下率が満放電完了直前の負極12の電位増加率よりも小さい条件で使用する。
また、本実施形態に係る二次電池10は、二次電池10の使用初期において、満放電完了直前の正極11の容量当たりもしくは時間当たりの電位低下率が満放電完了直前の負極12の電位増加率よりも絶対値が小さくなるように構成される。
つまり、二次電池10の使用初期において、放電終了が主に負極12の電位上昇で決まるようにする。
このため、正極11の容量が低下しても、二次電池10としての容量の低下を抑制することができる。また、二次電池10の使用期間中において、充放電に寄与する伝導イオンの一部が電解液分解による反応生成物に取り込まれる等して減少したとき、正極11の容量中の利用部分がシフトすることで、正極11中の余剰の伝導イオンにより、減少した伝導イオンを補填することができる。このため、充放電に寄与する伝導イオンの一部が減少しても、二次電池10としての容量の低下を抑制することができる。
不可逆容量を有する材料としては、例えば、ポリイミドやシリコン等が挙げられる。また、正極11中に伝導イオンを追加する処理としては、過放電処理等が挙げられる。
(方法1)不可逆容量が負極より大きい正極に対し、伝導イオンの一部を除去する処理(例えば、化学的処理)を施した正極を用いる方法(後述の実施例1参照)
(方法2)正極の不可逆容量より不可逆容量が小さい負極活物質と不可逆容量を有する材料(例えば、ポリイミドやシリコン)とを含む負極を用いる方法(後述の実施例2参照)
(方法3)不可逆容量が正極より大きい負極に対し、伝導イオンを追加する処理(例えば、化学的処理)を施した負極を用いる方法(後述の実施例3参照)
(方法4)不可逆容量が負極より小さい正極に対し、伝導イオンを追加する処理(例えば、化学的処理や過放電処理)を施した正極を用いる方法(後述の実施例4参照)
また、本実施形態に係る二次電池10は、例えば、リチウムイオン二次電池である。
本実施形態に係る二次電池10を構成する正極11は、例えば、アルミニウム箔等の金属箔により構成された正極集電体3と、正極集電体3の一面上に設けられた正極活物質を含有する正極活物質層1と、を有する。
リチウム金属に対して4.5V以上の電位を有する正極活物質は、例えば、以下のような方法によって選択することができる。まず、正極活物質を含む正極とLi金属とをセパレータを挟んで対向させた状態で容器内に配置させ、次いで、容器内に電解液を注液し、電池を作製する。そして、正極内の正極活物質質量あたり例えば5mAh/gとなる定電流で充放電を行った場合に、正極活物質質量あたり10mAh/g以上の充放電容量をリチウム金属に対して4.5V以上の電位で持つものを、リチウム金属に対して4.5V以上の電位で動作する正極活物質とすることができる。
例えば、マンガン酸リチウムのMnをNiやCo、Fe、Cu、Cr等により置換したスピネル化合物を正極活物質として用いることにより、5V級の動作電位を実現できることが知られている。具体的には、LiNi0.5Mn1.5O4等のスピネル化合物が4.5V以上の領域に電位プラトーを示すことが知られている。こうしたスピネル化合物において、Mnは4価の状態で存在し、Mn3+←→Mn4+の酸化還元に代わってNi2+←→Ni4+の酸化還元によって動作電位が規定される。
例えば、LiNi0.5Mn1.5O4は容量が130mAh/g以上であり、平均動作電圧はリチウム金属に対して4.6V以上である。容量としてはLiCoO2より小さいものの、電池のエネルギー密度はLiCoO2よりも高い。更に、スピネル型リチウムマンガン酸化物は三次元のリチウム拡散経路を持ち、熱力学的安定性に優れている、合成が容易といった利点もある。
Lia(MxMn2−x−yYy)(O4−wZw) (1)
(式中、0.3≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1である。Mは、Co、Ni、Fe、Cr及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一種である。Yは、Li、B、Na、Al、Mg、Ti、Si、K及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種である。Zは、F及びClからなる群より選ばれる少なくとも一種である。)
Lia(MxMn2−x−yYy)(O4−wZw) (1−1)
(式中、0.5≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1である。Mは、Co、Ni、Fe、Cr及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一種である。Yは、Li、B、Na、Al、Mg、Ti、Si、K及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種である。Zは、F及びClからなる群より選ばれる少なくとも一種である。)
また、これらの活物質のMnの部分の一部をLi、B、Na、Al、Mg、Ti、SiK又はCa等で置換することによって、寿命面の改善が可能となる場合がある。つまり、上記式(1)において、0<yの場合、寿命が改善できる場合がある。これらの中でも、YがAl、Mg、Ti、Siの場合に寿命改善効果が高い。また、YがTiの場合、高容量を保ったまま寿命改善効果を奏することからより好ましい。yの範囲は、0より大きく、0.3以下であることが好ましい。yを0.3以下とすることにより、容量の低下を抑制することが容易となる。
上記式(1)で表されるスピネル型の正極活物質の例としては、例えば、LiNi0.5Mn1.5O4等のMとしてNiを含む化合物;及び、LiCrxMn2−xO4(0.4≦x≦1.1)、LiFexMn2−xO4(0.4≦x≦1.1)、LiCuxMn2−xO4(0.3≦x≦0.6)、LiCoxMn2−xO4(0.4≦x≦1.1)等;並びにこれらの固溶体が挙げられる。
粒径の測定はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって実施することができる。
例えば、上述の4V級の正極活物質のみを含むものであってもよい。また、高エネルギー密度を得る観点では、上述のように、リチウム金属に対して4.5V以上の電位で動作する正極活物質を用いることがより好ましい。さらに4V級の正極活物質を含んでもよい。
使用する正極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、正極活物質100質量部に対して、2〜10質量部が好ましい。
本実施形態に係る二次電池10を構成する負極12は、例えば、銅箔等の金属箔により構成された負極集電体4と、負極集電体4の一面上に設けられた負極活物質を含有する負極活物質層2と、を有する。
炭素材料(a)としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛等)、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物等を用いることができる。
ここで、結晶性の高い黒鉛は電気伝導性が高く、銅等の金属からなる負極集電体4との接着性および電圧平坦性に優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。
炭素材料(a)は、単独で又はその他の物質と併用して用いることができる。その他の物質と併用する実施形態では、炭素材料(a)が負極活物質中2質量%以上80質量%以下の範囲であることが好ましく、2質量%以上30質量%以下の範囲であることがより好ましい。
金属(b)は、単独で又はその他の物質と併用して用いることができる。その他の物質と併用する実施形態では、金属(b)が負極活物質中5質量%以上90質量%以下の範囲であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下の範囲であることがより好ましい。
また、金属酸化物(c)に、窒素、ホウ素およびイオウの中から選ばれる一種または二種以上の元素を、例えば0.1〜5質量%添加することもできる。こうすることで、金属酸化物(c)の電気伝導性を向上させることができる。
金属酸化物(c)は、単独で又はその他の物質と併用して用いることができる。その他の物質と併用する実施形態では、金属酸化物(c)が負極活物質中5質量%以上90質量%以下の範囲であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下の範囲であることがより好ましい。
また、負極活物質としては上記以外にも、例えば、金属リチウム;リチウム合金;ポリアセン;ポリチオフェン;Li5(Li3N)、Li7MnN4、Li3FeN2、Li2.5Co0.5N、Li3CoN等の窒化リチウム;等を挙げることができる。
金属酸化物(c)はその全部または一部がアモルファス構造を有することが好ましい。アモルファス構造の金属酸化物(c)は、炭素材料(a)や金属(b)の体積膨張を抑制することができ、電解液の分解を抑制することができる。このメカニズムは、金属酸化物(c)がアモルファス構造であることにより、炭素材料(a)と電解液の界面への被膜形成に何らかの影響があるものと推定される。また、アモルファス構造は、結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する要素が比較的少ないと考えられる。なお、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有することは、エックス線回折測定(一般的なXRD測定)にて確認することができる。具体的には、金属酸化物(c)がアモルファス構造を有しない場合には、金属酸化物(c)に固有のピークが観測されるが、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有する場合が、金属酸化物(c)に固有ピークがブロードとなって観測される。
金属(b)は、その全部または一部が金属酸化物(c)中に分散していることが好ましい。金属(b)の少なくとも一部を金属酸化物(c)中に分散させることで、負極全体としての体積膨張をより抑制することができ、電解液の分解も抑制することができる。なお、金属(b)の全部または一部が金属酸化物(c)中に分散していることは、透過型電子顕微鏡観察(一般的なTEM(Transmission Electron Microscope)観察)とエネルギー分散型X線分光法測定(一般的なEDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)測定)を併用することで確認することができる。具体的には、金属(b)粒子を含むサンプルの断面を観察し、金属酸化物(c)中に分散している金属(b)粒子の酸素濃度を測定し、金属(b)粒子を構成している金属が酸化物となっていないことを確認することができる。
また、充放電の過程で大粒径の粒子、小粒径の粒子、及び大粒径の粒子の順にリチウムが吸蔵及び放出されることとなり、この点からも、残留応力や残留歪みの発生が抑制される。金属(b)の平均粒子径は、例えば20μm以下とすることができ、15μm以下とすることが好ましい。
一般に、結晶性が高い炭素材料は低いID/IG値を示し、結晶性が低い炭素は高いID/IG値を示す。ID/IGが0.08以上であれば、高電圧で動作する場合でも、黒鉛と電解液との反応を抑制することができ、電池の容量維持率を向上することができる。ID/IGが0.5以下であれば、電池容量を向上することができる。また、ID/IGは、0.1以上0.4以下であることがより好ましい。
ID値又はIG値は、例えば、以下の条件により測定したレーザーラマンスペクトルから求めることができる。
レーザーラマン分光装置:Ramanor T−64000(Jobin Yvon/愛宕物産社製)
測定モード:マクロラマン
測定配置:60°
ビーム径:100μm
光源:Ar+レーザー/514.5nm
レザーパワー:10mW
回折格子:Single600gr/mm
分散:Single21A/mm
スリット:100μm
検出器:CCD/Jobin Yvon1024256
低結晶性炭素材料の厚さは、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.02μm以上1μm以下であることがより好ましい。
平均粒子径(D50)は、例えば、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300EX(日機装社製)を使用して、測定することができる。
黒鉛の層間隔は、例えば、X線回折により測定することができる。
負極活物質は、低結晶性炭素材料で覆われた黒鉛以外にも、他の活物質を含んでいてもよい。
負極用結着剤の含有率は、負極活物質と負極用結着剤の総量に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%であることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、負極活物質同士あるいは負極活物質と集電体との密着性が向上し、サイクル特性が良好になる。また、上記上限値以下とすることにより、負極活物質比率が向上し、負極容量を向上することができる。
本実施形態に係る二次電池10を構成する分離層5は、例えば、セパレータを用いることができる。セパレータとしては、例えば、織布;不織布;ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系膜、ポリイミド膜、多孔性ポリフッ化ビニリデン膜等の多孔性ポリマー膜;イオン伝導性ポリマー電解質膜;等が挙げられる。これらは単独または組み合わせで使用することができる。
また、イオン伝導体として固体電解質を用いる場合は、分離層5として兼用することができる。
本実施形態に係る二次電池10を構成するイオン伝導体としては、例えば、支持塩及び非水電解溶媒を含む電解液や、固体電解質等が挙げられる。
環状カーボネート又は鎖状カーボネートは比誘電率が大きいため、これらの添加により、支持塩の解離性が向上し、十分な導電性を付与し易くなる。また、環状カーボネート及び鎖状カーボネートは、耐電圧性及び導電率が高いことから、フッ素含有リン酸エステルとの混合に適している。さらに、電解液の粘度を下げる効果がある材料を選択することで、電解液におけるイオン移動度を向上させることも可能である。
また、環状カーボネートは、フッ素化環状カーボネートを含む。フッ素化環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、又はビニレンカーボネート(VC)等の一部又は全部の水素原子をフッ素原子に置換した化合物等を挙げることができる。
フッ素化環状カーボネートとしては、より具体的には、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(cis又はtrans)4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等を用いることができる。
環状カーボネートとしては、上記した中でも、耐電圧性や導電率の観点から、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はこれらの一部をフッ素化した化合物等が好ましく、エチレンカーボネートがより好ましい。環状カーボネートは、一種を単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
また、鎖状カーボネートはフッ素化鎖状カーボネートを含む。フッ素化鎖状カーボネートとしては、例えば、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の一部又は全部の水素原子をフッ素原子に置換した構造を有する化合物等を挙げることができる。
フッ素化鎖状カーボネートとしては、より具体的には、ビス(フルオロエチル)カーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルエチルカーボネート、モノフルオロメチルメチルカーボネート、メチル2,2,3,3,テトラフルオロプロピルカーボネート、エチル2,2,3,3,テトラフルオロプロピルカーボネート、ビス(2,2,3,3,テトラフルオロプロピル)カーボネート、ビス(2,2,2トリフルオロエチル)カーボネート、1−モノフルオロエチルエチルカーボネート、1−モノフルオロエチルメチルカーボネート、2−モノフルオロエチルメチルカーボネート、ビス(1−モノフルオロエチル)カーボネート、ビス(2−モノフルオロエチル)カーボネート、ビス(モノフルオロメチル)カーボネート等が挙げられる。
これらの中でも、ジメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、モノフルオロメチルメチルカーボネート、メチル2,2,3,3,テトラフルオロプロピルカーボネート等が耐電圧性と導電率の観点から好ましい。鎖状カーボネートは、一種を単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
CnH2n+1−lFl−OCOO−CmH2m+1−kFk (2)
(上記式(2)中、nは1,2又は3であり、mは1,2又は3であり、lは0から2n+1までのいずれかの整数であり、kは0から2m+1までのいずれかの整数であり、l及びkのうち少なくともいずれかは1以上の整数である。)。
0.01≦(l+k)/(2n+2m+2)≦0.9
A−O−B (4)
(上記式(4)において、A及びBはそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基であって、A及びBの少なくとも1つはフッ素含有アルキル基である。)
また、R1,R2及びR3の少なくとも1つは、対応する無置換のアルキル基が有する水素原子の50%以上がフッ素原子に置換されたフッ素含有アルキル基であることが好ましい。
また、R1,R2及びR3の全てがフッ素含有アルキル基であり、該R1,R2及びR3が対応する無置換のアルキル基の水素原子の50%以上がフッ素原子に置換されたフッ素含有アルキル基であることがより好ましい。
フッ素原子の含有率が多いと、耐電圧性がより向上し、リチウム金属に対して4.5V以上の電位で動作する正極活物質を用いた場合でも、サイクル後における電池容量の劣化をより低減することできるからである。
また、フッ素含有アルキル基における水素原子を含む置換基中のフッ素原子の比率は55%以上がより好ましい。
フッ素含有リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリス(トリフルオロメチル)、リン酸トリス(トリフルオロエチル)、リン酸トリス(テトラフルオロプロピル)、リン酸トリス(ペンタフルオロプロピル)、リン酸トリス(ヘプタフルオロブチル)、リン酸トリス(オクタフルオロペンチル)等が挙げられる。
また、フッ素含有リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス(トリフルオロエチル)メチル、リン酸ビストリフルオロエチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジメチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジメチル、リン酸トリフルオロエチルメチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルエチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルエチル、リン酸トリフルオロエチルメチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルプロピル、リン酸トリフルオロエチルメチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジエチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジエチル、リン酸トリフルオロエチルエチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルプロピル、リン酸トリフルオロエチルエチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルジプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルジプロピル、リン酸トリフルオロエチルプロピルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルプロピルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルプロピルブチル、リン酸トリフルオロエチルジブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジブチル等が挙げられる。
リン酸トリス(テトラフルオロプロピル)としては、例えば、リン酸トリス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)が挙げられる。
リン酸トリス(ペンタフルオロプロピル)としては、例えば、リン酸トリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)が挙げられる。
リン酸トリス(トリフルオロエチル)としては、例えば、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)(以下、PTTFEとも略す)等が挙げられる。
リン酸トリス(ヘプタフルオロブチル)としては、例えば、リン酸トリス(1H,1H−ヘプタフルオロブチル)等が挙げられる。
リントリス(オクタフルオロペンチル)としては、例えば、リン酸トリス(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル)等が挙げられる。
これらの中でも、高電位における電解液分解の抑制効果が高いことから、下記式(3−1)で表されるリン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)が好ましい。
フッ素含有リン酸エステルは、一種を単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
カルボン酸エステルとしては、特に制限されるものではないが、例えば、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル等が挙げられる。
また、カルボン酸エステルは、フッ素化カルボン酸エステルも含み、フッ素化カルボン酸エステルとしては、例えば、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酢酸メチル、又はギ酸メチルの一部又は全部の水素原子をフッ素原子で置換した構造を有する化合物等が挙げられる。
また、フッ素化カルボン酸エステルとしては、具体的には、ペンタフルオロプロピオン酸エチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸エチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、酢酸2,2−ジフルオロエチル、ヘプタフルオロイソ酪酸メチル、2,3,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、2−(トリフルオロメチル)−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、ヘプタフルオロ酪酸エチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロ酢酸イソプロピル、トリフルオロ酢酸tert−ブチル、4,4,4−トリフルオロ酪酸エチル、4,4,4−トリフルオロ酪酸メチル、2,2−ジフルオロ酢酸ブチル、ジフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸n−ブチル、酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、3−(トリフルオロメチル)酪酸エチル、テトラフルオロ−2−(メトキシ)プロピオン酸メチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸3,3,3トリフルオロプロピル、ジフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、酢酸1H,1H−ヘプタフルオロブチル、ヘプタフルオロ酪酸メチル、トリフルオロ酢酸エチル等が挙げられる。
これらの中でも、耐電圧と沸点等の観点から、カルボン酸エステルとしては、プロピオン酸エチル、酢酸メチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、トリフルオロ酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピルが好ましい。カルボン酸エステルは、鎖状カーボネートと同様に電解液の粘度を低減する効果がある。したがって、例えば、カルボン酸エステルは、鎖状カーボネートの代わりに使用することが可能であり、また、鎖状カーボネートと併用することも可能である。
(上記式(5)中、nは1,2,3又は4であり、mは1,2,3又は4であり、lは0から2n+1までのいずれかの整数であり、kは0から2m+1までのいずれかの整数であり、l及びkのうち少なくともいずれかは1以上の整数である。)。
0.01≦(l+k)/(2n+2m+2)≦0.9
アルキレンビスカーボネートは誘電率が低い材料である。そのため、例えば、鎖状カーボネートの代わりに使用することが可能であり、又は鎖状カーボネートと併用することが可能である。
鎖状エーテルとしては、特に制限されるものではないが、例えば、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等が挙げられる。
また、鎖状エーテルとして、フッ素含有エーテル等のハロゲン化鎖状エーテルを含んでもよい。ハロゲン化鎖状エーテルは、耐酸化性が高く、高電位で動作する正極の場合に好ましく用いられる。
鎖状エーテルは、鎖状カーボネートと同様に電解液の粘度を低減する効果がある。したがって、例えば、鎖状エーテルは、鎖状カーボネート、カルボン酸エステルの代わりに使用することが可能であり、また、鎖状カーボネート、カルボン酸エステルと併用することも可能である。
R1及びR2において、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)が挙げられる。
R3において、アルキレン基の炭素数は4〜9であることが好ましく、4〜6であることが更に好ましい。
R3において、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられる。
スルホン化合物を含む場合、非水電解溶媒中1体積%以上75体積%以下であることが好ましく、5体積%以上50体積%以下であることがより好ましい。スルホン化合物が上記下限値以上であると電解液の相溶性が向上する。スルホン化合物の含有量が多すぎると電解液の粘度が高くなり、特に室温での充放電サイクル特性の容量低下を招く恐れがある。
電解液中の酸無水物は、電極上に反応生成物を形成して充放電にともなう電池の体積膨張を抑制するとともに、サイクル特性を改善する効果があるものと考えられる。また、推論ではあるが、上記のような酸無水物は電解液中の水分と結合するため、水分に起因するガス発生を抑制する効果もあると考えられる。
上記式(8)中、シクロアルキル基の炭素数は、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。
上記式(8)中、アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記式(8)中、アリールアルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、7〜14がより好ましい。アリールアルキル基の例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記式(8)において、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基であることがより好ましい。
上記式(9)中、アリーレン基の炭素数は6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。アリーレン基の例としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。
上記式(9)中、シクロアルキレン基の炭素数は一般には3〜12であり、3〜10が好ましく、3〜8がより好ましい。シクロアルキレン基は、単環であっても、ビシクロアルキレン基のように複数の環構造を有していてもよい。
上記式(9)中、シクロアルケニレン基の炭素数は一般には3〜12であり、3〜10が好ましく、3〜8がより好ましい。シクロアルケニレン基は、単環であっても、ビシクロアルケニレン基のように、少なくとも1つの環が不飽和結合を有する複数の環構造を有していてもよい。シクロアルケニレン基の例としては、シクロヘキセン、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクテン等から形成される2価の基が挙げられる。
上記式(9)中、ヘテロシクロアルキレン基は、シクロアルキレン基の環上の炭素原子の少なくともひとつが、硫黄、酸素、窒素等の1種または2種以上のヘテロ原子で置換された2価の基を表す。ヘテロアルキレン基は、3〜10員環であることが好ましく、4〜8員環であることがより好ましく、5又は6員環であることがさらに好ましい。
上記式(9)において、R3は、炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数2若しくは3のアルケニレン基、シクロへキシレン基、シクロヘキシニレン基又はフェニレン基であることがより好ましい。
本実施形態に係る二次電池10の形状としては、例えば、円筒形、角形、コイン型、ボタン型、ラミネート型等が挙げられる。二次電池10の外装体6および7としては、例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム、チタン、若しくはこれらの合金、又はこれらのメッキ加工品等が挙げられる。メッキとしては、例えば、ニッケルメッキを用いることができる。
また、ラミネート型に用いるラミネート樹脂フィルムとしては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン箔等が挙げられる。金属ラミネート樹脂フィルムの熱溶着部の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性高分子材料が挙げられる。また、金属ラミネート樹脂層や金属箔層はそれぞれ1層に限定されるものではなく2層以上であっても構わない。
外装体6および7としては、電解液に安定で、かつ十分な水蒸気バリア性を持つものであれば、適宜選択することができる。例えば、積層ラミネート型の二次電池の場合、外装体としては、アルミニウム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルムを用いることができる。特に、体積膨張を抑制する観点から、アルミニウムラミネートフィルムを用いることが好ましい。
本実施例の負極活物質としては、低結晶性炭素材料で被覆された人造黒鉛を用いる。低結晶性炭素材料で被覆された人造黒鉛と、球状の炭素材料である導電助剤と、負極用結着剤とを、97.7/0.3/2の質量比で混合し、N−メチルピロリドンに分散させ、負極用スラリーを調製する。この負極用スラリーを厚さ10μmのCu集電体上に均一に塗布する。乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形することにより負極を作製する。
一つの方法としては、正極のリチウムを消費する手法がある。例えば、正極をNO2BF4溶液に浸漬し反応させることで、正極から化学的にリチウムを脱離させ、ずれ分の容量のリチウムを正極から除去する。所望量を除去する条件については、除去量と溶液濃度と浸漬時間の関係を前もって評価して決める。この処理後の負極と正極を組み合わせることで、正負極の放電曲線は図4の関係となり、初回放電からは図2の関係と一致させることができる。
以上のようにして作製された正極、負極およびセパレータを、それぞれ、所定の形状に加工し、両面に正極活物質層を有する正極、両面に負極活物質層を有する負極、セパレータを調製する。複数の正極と、複数の負極とを、それぞれセパレータを介して積層して、電極要素を組み立てる。得られた電極要素を、外装体であるアルミ製ラミネートフィルムで包み、内部に電解液を注液する。その後、例えば0.1気圧の減圧雰囲気下で封止することによって、リチウムイオン二次電池を作製することができる。正極の正極集電体には正極タブを接続し、負極の負極集電体には負極タブを接続し、外装体の外部から正極タブを介して正極に、負極タブを介して負極に、それぞれ電気的に接続され得る状態とされている。
本実施例の負極材料としては、実施例1の材料に加え、ポリイミドを混合する。負極用スラリーを厚さ10μmのCu集電体上に均一に塗布する。乾燥させた後に200℃2時間熱処理を行った後、ロールプレスで圧縮成形することにより負極を作製する。
非水電解溶媒と正極は実施例1と同様に作製する。ただし、正極には化学的リチウム脱離処理は行っていない。
正極と負極を分離するためセパレータとして、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンとアラミドを積層したフィルムを用いる。
リチウムイオン二次電池の作製方法は実施例1と同様である。
本実施例は、材料の混合量でリチウム除去量を制御できるため、製造が容易という利点がある。
比較例1は、実施例1と同様の構成であるが、正極に化学的リチウム脱離処理を行わないリチウムイオン二次電池である。
このとき、正極と負極の充放電曲線の関係は、図3のようになる。この場合、正極から放出されるリチウムイオンの量が負極容量を上回るため、負極上にリチウムが析出し、正極と短絡して発煙・発火する可能性がある。
本実施例の負極活物質としては、低結晶性炭素材料で被覆されたSiOを用いる。SiOと、球状の炭素材料である導電助剤と、薄片状の炭素材料である導電助剤と、ポリイミドとを混合し、N−メチルピロリドンに分散させ、負極用スラリーを調製する。この負極用スラリーを厚さ10μmのステンレス集電体上に均一に塗布する。乾燥させた後、240℃1時間熱処理し、ロールプレスで圧縮成形することにより負極を作製する。
一つの方法としては、組立前に負極にリチウムを追加しておく手法がある。例えば、負極表面にLiを蒸着した後、熱処理で拡散させる方法や、Li金属を正極として配置した電解液中に負極を浸漬し、正負極間に電位を与えて負極にLiを吸蔵させる方法等がある。リチウムの追加量の制御は、リチウム量と電流量と浸漬時間の関係を前もって評価することで行う。この処理後の負極と正極を組み合わせることで、正負極の放電曲線は図7の関係となり、初回放電時からは所望の図2の関係に一致させることができる。
リチウムイオン二次電池の作製は実施例1と同様である。
本実施例では、負極の不可逆容量が大きく、そのままでは正負極の関係が図6になってしまう場合に、図2の関係に補正することが可能となる。
本実施例の負極は、実施例3と同じである。
正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5O4と、正極用結着剤であるポリフッ化ビニリデン(4質量%)と、導電助剤であるカーボンブラックとを混合して、正極合剤を調製する。
得られた負極と正極をそのまま用いた場合、正負極の充放電曲線は図6の関係になる。ずれの補正方法として、組立前に正極にリチウムを追加する方法がある。例えば、金属リチウムを負極として配置した電解液中に正極を置き、正負極間に電圧を印加して、さらに放電させる。本実施例の正極材は放電領域に容量を有するため、リチウムが吸蔵されることになる。
正負極を分離するためセパレータとして、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンとアラミドを積層したフィルムを用いる。
本実施例においては、正極を過放電してから電池を形成することで、図6のずれを調整し、図8の関係に補正することで、初回放電時からは図2の関係に一致させることができる。
比較例2は、実施例3と同様の構成であるが、負極にリチウム追加を行わないリチウムイオン二次電池である。
このとき、正極と負極の充放電曲線の関係は、図6のようになる。この場合、充放電サイクル時に電解液の分解で生成した物質にリチウムが取り込まれて消失すると、放電時に正極に挿入されるリチウムが減少するため、容量が低下してしまう。
以下、実施形態の例を付記する。
1. 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池であって、
当該二次電池の使用初期において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい特性と、
満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい特性と、を有する二次電池。
2. 1.に記載の二次電池において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも大きくなる状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池。
3. 1.または2.に記載の二次電池において、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で放電をおこなった際の、満放電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 1 )に対する満放電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 2 )の比(ΔV 2 /ΔV 1 )がΔV 2 /ΔV 1 <1の関係を満たす二次電池。
4. 1.乃至3.のいずれかに記載の二次電池において、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 3 )に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 4 )の比(ΔV 4 /ΔV 3 )がΔV 4 /ΔV 3 <1の関係を満たす二次電池。
5. 1.乃至4.のいずれかに記載の二次電池において、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 3 )に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 4 )の比(ΔV 4 /ΔV 3 )がΔV 4 /ΔV 3 >1の関係を満たす状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池。
6. 1.乃至5.のいずれかに記載の二次電池において、
当該二次電池の使用初期において、満充電完了時に前記正極に余剰の伝導イオンが存在する二次電池。
7. 6.に記載の二次電池において、
当該二次電池の使用期間中において、充放電に寄与する伝導イオンの減少が起きたとき、前記正極中の前記余剰の伝導イオンにより、減少した前記伝導イオンを補填する二次電池。
8. 1.乃至7.のいずれかに記載の二次電池において、
リチウムイオン二次電池である二次電池。
9. 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池を使用するための使用方法であって、
当該二次電池の使用初期では、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい条件で使用するとともに、満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい条件で使用する二次電池の使用方法。
10. 9.に記載の二次電池の使用方法において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも大きくなる状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池の使用方法。
11. 9.または10.に記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で放電をおこなった際の、満放電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 1 )に対する満放電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 2 )の比(ΔV 2 /ΔV 1 )がΔV 2 /ΔV 1 <1の関係を満たす条件で使用する二次電池の使用方法。
12. 9.乃至11.のいずれかに記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量(ΔV 3 )の絶対値に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量(ΔV 4 )の絶対値の比(ΔV 4 /ΔV 3 )がΔV 4 /ΔV 3 <1の関係を満たす条件で使用する二次電池の使用方法。
13. 9.乃至12.のいずれかに記載の二次電池の使用方法において、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 3 )に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV 4 )の比(ΔV 4 /ΔV 3 )がΔV 4 /ΔV 3 >1の関係を満たす状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池の使用方法。
14. 9.乃至13.のいずれかに記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池の使用初期では、満充電完了時に前記正極に余剰の伝導イオンが存在する二次電池の使用方法。
15. 14.に記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池の使用期間中において、充放電に寄与する伝導イオンの減少が起きたとき、前記正極中の前記余剰の伝導イオンにより、減少した前記伝導イオンを補填する二次電池の使用方法。
16. 9.乃至15.のいずれかに記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池はリチウムイオン二次電池である二次電池の使用方法。
Claims (14)
- 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池であって、
当該二次電池の使用初期において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい特性と、
満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい特性と、を有し、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも大きくなる状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池であって、
当該二次電池の使用初期において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい特性と、
満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい特性と、を有し、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で放電をおこなった際の、満放電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV1)に対する満放電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV2)の比(ΔV2/ΔV1)がΔV2/ΔV1<1の関係を満たす二次電池。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池であって、
当該二次電池の使用初期において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい特性と、
満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい特性と、を有し、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV3)に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV4)の比(ΔV4/ΔV3)がΔV4/ΔV3<1の関係を満たす二次電池。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池であって、
当該二次電池の使用初期において、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい特性と、
満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい特性と、を有し、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV3)に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV4)の比(ΔV4/ΔV3)がΔV4/ΔV3>1の関係を満たす状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の二次電池において、
当該二次電池の使用初期において、満充電完了時に前記正極に余剰の伝導イオンが存在する二次電池。 - 請求項5に記載の二次電池において、
当該二次電池の使用期間中において、充放電に寄与する伝導イオンの減少が起きたとき、前記正極中の前記余剰の伝導イオンにより、減少した前記伝導イオンを補填する二次電池。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の二次電池において、
リチウムイオン二次電池である二次電池。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池を使用するための使用方法であって、
当該二次電池の使用初期では、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい条件で使用するとともに、満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい条件で使用し、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも大きくなる状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池の使用方法。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池を使用するための使用方法であって、
当該二次電池の使用初期では、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい条件で使用するとともに、満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい条件で使用し、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で放電をおこなった際の、満放電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV1)に対する満放電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV2)の比(ΔV2/ΔV1)がΔV2/ΔV1<1の関係を満たす条件で使用する二次電池の使用方法。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池を使用するための使用方法であって、
当該二次電池の使用初期では、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい条件で使用するとともに、満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい条件で使用し、
当該二次電池の使用初期では、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量(ΔV3)の絶対値に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量(ΔV4)の絶対値の比(ΔV4/ΔV3)がΔV4/ΔV3<1の関係を満たす条件で使用する二次電池の使用方法。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを空間的に分離する分離層と、前記正極と前記負極との間に保持され、かつ、前記正極と前記負極との間でイオンを伝導する機能を有するイオン伝導体と、を少なくとも備える二次電池を使用するための使用方法であって、
当該二次電池の使用初期では、
満充電完了直前の前記正極の電位増加率が満充電完了直前の前記負極の電位低下率よりも小さい条件で使用するとともに、満放電完了直前の前記正極の電位低下率が満放電完了直前の前記負極の電位増加率よりも小さい条件で使用し、
1/20Cの定電流で充電をおこなった際の、満充電完了直前の前記負極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV3)に対する満充電完了直前の前記正極の10mAh/gあたりの電位変化量の絶対値(ΔV4)の比(ΔV4/ΔV3)がΔV4/ΔV3>1の関係を満たす状態まで当該二次電池の使用を続ける二次電池の使用方法。 - 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池の使用初期では、満充電完了時に前記正極に余剰の伝導イオンが存在する二次電池の使用方法。 - 請求項12に記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池の使用期間中において、充放電に寄与する伝導イオンの減少が起きたとき、前記正極中の前記余剰の伝導イオンにより、減少した前記伝導イオンを補填する二次電池の使用方法。 - 請求項8乃至13のいずれか一項に記載の二次電池の使用方法において、
当該二次電池はリチウムイオン二次電池である二次電池の使用方法。
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