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JP6914144B2 - 研磨パッド - Google Patents
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JP6914144B2 - 研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明は、光学材料、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスなどの材料の研磨を行うための研磨シート乃至研磨パッドに関する。本発明は、特に半導体ウエハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
光学材料、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスは非常に精密な平坦性が要求される。また半導体材料の表面は、金属、有機及び無機の絶縁材料など硬度の異なる様々な材料が露出している。このような材料の表面を平坦に研磨するためには、研磨パッドの表面も適度な剛性を有していることが必要である。
例えば、研磨開始から研磨パッドの1回の研磨作業の終期には相当の研磨屑が発生している。研磨屑の蓄積が原因で開口部に目詰まりして、スラリーの保持が悪化し、摩擦熱が発生するので、1回の研磨作業の間に、研磨される材料の表面の温度は初期から終期にかけて上昇し、20℃〜70℃を含む幅広い温度範囲で変化する。また、化学機械研磨に使用される研磨液は温度上昇とともに化学的作用(被研磨物の表面の腐食)が強くなる。したがって、被研磨物や研磨液の温度変化により、局部的に剛性が低下しすぎた研磨パッドの表面により、精密な平坦性は達成できず、また、金属部分のみが優先的に研磨される現象(ディッシング)などが起こりやすい傾向となる。一方、剛性が高すぎる研磨パッドはスクラッチが発生しやすい傾向となる。
また、研磨屑の蓄積は、通常、ドレッサーを用いて研磨パッドの表面を研削(ドレス)することにより解消する。このドレスに要する時間がかかり過ぎると、即ちドレス速度が低いと、研磨効率が悪くなる。研磨パッドの表面が高い剛性を維持しにくく、摩擦熱で軟化しやすいとドレスがかかりにくくむらが生じ、研磨レートが安定しない。研磨パッドの表面が高い剛性を維持しすぎると、硬すぎてドレスがかかりにくいことがある。
多くの硬質研磨パッドは、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応中間体であるウレタンプレポリマーを用い、ジアミン類又はジオール類等の硬化剤(鎖延長剤)、発泡剤、触媒等を添加混合して得られるポリウレタン組成物を硬化させるプレポリマー法により製造されている。プレポリマー法において、ポリウレタン組成物の改質を行う場合、例えば、研磨パッドの親水性を向上させるため、ウレタンプレポリマーのポリオール成分やイソシアネート成分や硬化剤のジアミン類やジオール類等、配合する材料の検討が進められている。また、硬化剤とともにモノアミン類やモノオール類を存在させると、モノアミン類及びモノオール類は末端停止剤として作用し、得られるポリウレタン硬化物の分子量が過剰に大きくなることが防止される。
特許文献1には、アミン系硬化剤に水酸基を1つ有する芳香族化合物及び/又はアミノ基を一つ有する芳香族化合物を組み合わせて使用して、ポリウレタン樹脂中に比較的低分子量のポリマーを分散させて、ポリウレタン樹脂の硬度を維持したままポリウレタン樹脂自体の「ねばり」を低減し、ドレス性を向上させることが開示されている。
特開2013−066977号公報
本発明者らは、従来の研磨パッドは親水性が十分でなく、このため、スラリーの保持力が低く、研磨レートの立ち上がりが遅いと考えた。この課題を解決するために、研磨パッドの親水性を向上させるべく、プレポリマーに添加混合する硬化剤について鋭意検討を行った。
即ち、本発明は以下のものを提供する。
[1]
ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を含み、
前記アミン系硬化剤と前記エステル系ポリオール硬化剤とのモル比が、95:5〜75:25であり、
前記ポリイソシアネート化合物のNCOに対する、前記アミン系硬化剤のNH2のモル数と前記エステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.8〜1.2である、研磨パッド。
Figure 0006914144
(式中、Rは炭素数2〜5のアルキレン基であり、mは当該エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1500〜2500となる値である。)
[2]
前記エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1600〜2400である、[1]に記載の研磨パッド。
[3]
前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4]
下記式(II)
{(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)−(70℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)}/(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度) (II)
の値が、0.30以上0.60以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨パッド。
[5]
前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の研磨パッド。
本発明によれば、特定のエステル系ポリオールを硬化剤として含むことにより、親水性に優れ、研磨レートの立ち上がりが向上した研磨パッドを得ることができる。
本発明によればまた、ドレス性に優れた研磨パッドを得ることができる。
図1は研磨パッドを使用してTEOS膜付きシリコンウエハを繰り返し研磨加工したときの研磨レートの推移を示す図である。
(作用)
硬化剤は、プレポリマー中のイソシアネート基と反応させて、ポリウレタン樹脂を完成させる化合物である。本発明では、硬化剤としてアミン系硬化剤に下記式に示されるエステル系ポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。
Figure 0006914144
(式中、Rは炭素数2〜5のアルキレン基であり、mは当該エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1500〜2500となる値である。)
アルキレン基はスペーサーとして利用するために炭素数2以上であることが望ましいが、アルキレン基の炭素数が大きすぎると、式(I)のエステル系ポリオール硬化剤は全体として疎水性が高くなってしまう。このため、Rの炭素数は2〜5の範囲であることが本発明において重要である。
また親水性を付与するためにmの値が一定数以上であることが望ましい。mの値が大きくなれば分子内のエステル結合の数が多くなり、当該硬化剤の親水性が高まるが、mの値が大きくなりすぎると、硬化後に得られるポリウレタンの分子量が大きくなりすぎ、ドレス性が低下する。
(エステル系ポリオール硬化剤)
式(I)で表される特定のエステル系ポリオール硬化剤を使用することにより、予想外にも得られる研磨パッドの親水性を適度に向上させることができた。上記式(I)において、Rは炭素数2〜5のアルキレン基であり、具体的には、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、n−ペンチレン、イソペンチレン、ネオペンチレンであり、好ましくは、エチレン、ネオペンチレンである。mは当該エステル系ポリオール硬化剤の分子量が1500〜2500となる値である。具体的には、1600〜2400、特に1800〜2200である。
(アミン系硬化剤)
本発明では、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤を例示できる。
ポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;等が挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
特に好ましい硬化剤は、前述したMOCAであり、このMOCAの化学構造は、以下のとおりである。
Figure 0006914144
(硬化剤の使用量)
研磨パッドの親水性は、エステル系ポリオール硬化剤の化学構造によって調節できるが、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤との配合比によっても調節できる。この配合比は、好ましくは、アミン系硬化剤:エステル系ポリオール硬化剤の重量比で、70:30〜45:55であり、より好ましくは、65:35〜50:50である。
硬化剤全体の量は、ポリイソシアネート化合物の量(プレポリマーの量)を100重量部として、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは15〜45重量部である。
また、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤との配合比は、好ましくはアミン系硬化剤:エステル系ポリオール硬化剤のモル比で、95:5〜75:25であり、より好ましくは、95:5〜85:15である。
さらに、ポリイソシアネート化合物のNCOのモル数に対する、アミン系硬化剤のNH2のモル数とエステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率が0.8〜1.2であることが好ましい。より好ましくは、0.85〜1.15、さらに好ましくは、0.9〜1.1である。
(研磨パッド)
本発明の研磨パッドは、発泡ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨パッド全体を1つの研磨層とすることができる。
本発明の研磨パッドは、研磨屑の蓄積時に被研磨材料にスクラッチ等のディフェクトが生じにくいことを除けば、一般的な研磨パッドと形状に大きな差異は無く、一般的な研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。
研磨パッドについては式(II)により評価することができる。式(II)では、20℃と70℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度から、研磨パッドの温度が20℃から70℃に変化することで低下する研磨層のD硬度の割合を算出する。D硬度は、先端が小さい圧子を用いて測定するため研磨層の表面(研磨面)の変化を検出しやすい。また、式(II)の温度条件(20℃、70℃)は、研磨作業の間に変化する温度範囲(20℃〜70℃)における評価を意味する。そして、研磨作業中の研磨パッドは常にスラリーに曝され膨潤した状態となることから膨潤させた研磨層を評価に用いる。
研磨パッドは、式(II)で得られる値が、0.30以上0.60以下であることが好ましく、0.35以上0.50以下がより好ましい。式(II)で得られる値が0.30より大きいと、硬度が適度に低下し、親水性が十分でスラリーの保持力が向上することにより、研磨レートの立ち上がりが良い。また、式(II)で得られる値が0.60よりも小さいと、温度変化が起こっても研磨パッドの硬度を十分に保持することができ、平坦性や高い研磨レートを得ることができる。
(研磨パッドの製造方法)
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に両面テープが貼り付けられ、所定形状にカットされて、本発明の研磨パッドとなる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。また、本発明の研磨パッドは、研磨層のみからなる単層構造であってもよく、研磨層の研磨面とは反対の面側に他の層(下層、支持層)を貼り合わせた複層からなっていてもよい。
研磨層は、ポリイソシアネート化合物、硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を調製し、前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させることによって成形される。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成されるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができ、この場合、ポリイソシアネート化合物、及び発泡剤を含むポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を調製し、ポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を硬化させることによって成形される。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物は、例えば、ポリイソシアネート化合物を含むA液と、それ以外の成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分を含むB液はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
ここで、ポリイソシアネート化合物は、当業界でよく用いられるような、以下のポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応により調製されるプレポリマーをいう。プレポリマーは未反応のイソシアネート基を含む当業界で一般に使用されているものが本発明においても使用できる。
(イソシアネート成分)
イソシアネート成分としては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート
等が挙げられる。
(ポリオール成分)
ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;
等が挙げられる。
(硬化剤)
硬化剤は、前述したとおり、アミン系硬化剤と式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。アミン系硬化剤と式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を組み合わせて使用すると、アミン系硬化剤のみを使用する場合に比べて、ポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成する際に生じる発熱を抑制することができる。発熱を抑制することで、ポリウレタン樹脂硬化性組成物に含まれる微小中空球体が過度に膨張することを抑制でき、研磨層の発泡形状、開孔径のバラつきを抑えることができる。
(発泡剤)
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
(その他の成分)
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを発泡硬化性組成物に添加してもよい。
(テーバー摩耗の摩耗質量)
本発明の研磨パッドにおける研磨層は、テーバー摩耗試験による摩耗質量が90mg以上であることが好ましく、105mg以上であることがより好ましい。テーバー摩耗試験による摩耗質量の値が90mgより小さいと、研磨パッドのドレス性が不足し、ドレス時間が増大し研磨効率が低下する。また、テーバー摩耗試験による摩耗質量の値が400mgより大きいと、研磨パッドの耐摩耗性が不足し、研磨パッドの寿命が短くなる。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
(材料)
以下の例で使用した材料を列挙する。
・ウレタンプレポリマー:
2,4−トリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマー
・硬化剤:
MOCA・・・3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)
エステル系ポリオール硬化剤
ポリエチレンアジペート(数平均分子量2000、OH当量=1000)
ポリネオペンチレンアジペート(数平均分子量2000、OH当量=1000)
エーテル系ポリオール硬化剤
PTMG(数平均分子量1000、OH当量=500)
・微小中空球体:
日本フィライト社製 EXPANCEL 551DE40d42
(実施例1)
A成分に2,4−トリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマーを100g(部)、B成分に硬化剤であるMOCA(NH当量=133.5)とポリエチレンアジペート(数平均分子量=2000、OH当量=1000)を重量比56:44で混合したものを42g(部)、C成分に微小中空球体(EXPANCEL 551DE40d42)1g(部)をそれぞれ準備する。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤とのモル比が90:10である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数とエステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。なお、比率を示すためg表示として記載しており、ブロックの大きさに応じて必要な重量(部)を準備する。以下同様にg(部)表記で記載する。
A成分とC成分を混合し、A成分とC成分の混合物及びB成分をそれぞれ減圧脱泡した後、A成分とC成分の混合物及びB成分を混合機に供給した。
得られた混合液を80℃に加熱した型枠(890mm×890mmの正方形)に注型し、5時間加熱し硬化させた後、形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出した。この発泡体を1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
(実施例2)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、MOCA(NH当量=133.5)とポリネオペンチレンアジペート(数平均分子量=2000、OH当量=1000)を重量比56:44で混合したものを42g(部)準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤とのモル比が90:10である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数とエステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。
(比較例1)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、MOCA(NH当量=133.5)を26g(部)準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤とのモル比が100:0である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。
(比較例2)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、MOCA(NH当量=133.5)とPTMG(数平均分子量=1000、OH当量=500)を重量比70:30で混合したものを35g(部)準備した。なお、B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエーテル系ポリオール硬化剤とのモル比が90:10である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数とエーテル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。
(試験方法)
(D硬度)
D硬度はJISK6253−1997/ISO7619に準じて測定した。20℃の水で膨潤させた研磨層及び70℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度をテクロック社製D型硬度計(GS702)で測定した。膨潤させた研磨層とは、所定温度の脱イオン水中に30分浸漬して膨潤したものをいう。脱イオン水中から膨潤させたウレタンシートを取り出し、軽くろ紙で水気を拭き取りすぐに測定を開始した。試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように設定した。また、D硬度は、加圧板を試料に接触させた後、2秒後の数値を読み取った。実施例および比較例にかかるウレタンシート(厚さ約1.3mm)は4枚重ねにして測定した。
(テーバー摩耗)
日本工業規格(JIS K 6902)のテーバー摩耗試験に準じた方法に従い測定した。摩耗試験機は回転駆動可能に軸支された回転盤を有している。回転盤の上方には、一対の円柱状の摩耗輪が端面を対向させて配置されている。摩耗輪の外周面が回転盤に貼付される試料と接触可能に配置されている。摩耗輪は、回転盤の回転軸に対して等距離となるように、回転盤の半径方向両側に配置されている。摩耗輪の外周には、研磨紙が隙間を形成されず、互いに重なり合わないように貼り付けられている。摩耗質量の測定時には、回転盤と同形状に裁断された試料(ウレタンシート)を回転盤に貼付する。研磨紙を貼り付けた摩耗輪を試料の上面に接触させ、接触面に及ぼす荷重が5.20±0.2Nとなるように押圧する。回転盤を回転させることで、外周面を試料に接触させた一対の摩耗輪が互いに反対方向に回転する。摩耗質量の測定では、320番手のサンドペーパーを外周に貼り付けた摩耗輪に研磨層の表面(研磨面)を接触させて回転させたときに研磨層の表面(研磨面)での回転数1000回あたりの摩耗質量(mg)を測定した。
(ドレス性)
研磨パッドについて、ドレス処理を10分間施し、ドレス処理前後の研磨面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JMS−5500LV)によって、100倍に拡大して観察した。得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製 ImageAnalyzerV20LABVer.1.3)により二値化処理をした。評価基準は、研磨面の開孔が閉塞していなかったものを○、研磨面の開孔に閉塞が見られたものを×とした。
(研磨レート)
研磨試験の条件は下記の通りである。
・使用研磨機:荏原製作所社製 F−REX300
・Disk:Asahi 100C
・回転数:(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
・研磨圧力:3.5psi
・研磨剤:キャボット社製、品番:SS25(SS25原液:純水=1:1の混合液を使
用)
・研磨剤温度:20℃
・研磨剤吐出量:200ml/min
・使用ワーク(被研磨物):12インチのシリコンウエハ上にテトラエトキシシラン(TEOS)をPE−CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板
研磨の初期温度が20℃から研磨中にパッド表面温度が上昇し、40〜50℃になる。
以上の結果を表1及び図1に示す。
Figure 0006914144
図1及び表1に示すように、比較例1及び比較例2の場合、親水性が悪く、1枚目のウエハで得た研磨レートを維持できず、急激に研磨レートが低下し、立ち上がりが悪かった。また、比較例1は、式(II)から得られた値が0.30より低く、研磨パッドの親水性が不十分でスラリーの保持力が低くなり、立ち上がりが悪く研磨レートが低かった。さらに、比較例2は、テーバー摩耗の摩耗質量が多すぎることで、研磨加工に適切な研磨面を得ることができなかった。
一方、式(I)に示すエステル系ポリオール硬化剤をアミン系硬化剤に混合させた硬化剤を用いた実施例1〜2の場合、親水性が向上し、ウエハ1枚目から高い研磨レートを得ることができ、その後も高い研磨レートを安定して得ることができ、立ち上がりが良好だった。また、式(II)から得られた値が0.30から0.60の範囲内であったため、研磨パッドの親水性が十分にありスラリーの保持力が高く、立ち上がりが良く高い研磨レートを得ることができた。さらに、テーバー摩耗の摩耗質量も多く、研磨加工に好適な研磨面を得ることができ、ドレス性能が向上した。
したがって、式(I)に示す特定のエステル系ポリオール硬化剤をアミン系硬化剤に混合させた硬化剤を使用することにより、本発明の研磨パッドは、親水性が向上し、スラリーを保持しており、スラリーの保持が研磨加工初期からの研磨性能の安定化に大きく寄与することがわかった。また、研磨パッドについて、適切な硬度で、テーバー摩耗の摩耗質量が適切な量となり、容易に研磨加工に適切な研磨面を得ることができたことから、ドレス性能の向上に大きく寄与することがわかった。

Claims (5)

  1. ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
    前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を含み、
    前記アミン系硬化剤と前記エステル系ポリオール硬化剤とのモル比が、95:5〜75:25であり、
    前記ポリイソシアネート化合物のNCOに対する、前記アミン系硬化剤のNH2のモル数と前記エステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.8〜1.2である、研磨パッド。
    Figure 0006914144
    (式中、Rは炭素数2〜5のアルキレン基であり、mは当該エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1500〜2500となる値である。)
  2. 前記エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1600〜2400である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 下記式(II)
    {(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)−(70℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)}/(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度) (II)
    の値が、0.30以上0.60以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
  5. 前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
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