JP6914144B2 - 研磨パッド - Google Patents
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Description
[1]
ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を含み、
前記アミン系硬化剤と前記エステル系ポリオール硬化剤とのモル比が、95:5〜75:25であり、
前記ポリイソシアネート化合物のNCOに対する、前記アミン系硬化剤のNH2のモル数と前記エステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.8〜1.2である、研磨パッド。
[2]
前記エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1600〜2400である、[1]に記載の研磨パッド。
[3]
前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4]
下記式(II)
{(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)−(70℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)}/(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度) (II)
の値が、0.30以上0.60以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨パッド。
[5]
前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の研磨パッド。
本発明によればまた、ドレス性に優れた研磨パッドを得ることができる。
硬化剤は、プレポリマー中のイソシアネート基と反応させて、ポリウレタン樹脂を完成させる化合物である。本発明では、硬化剤としてアミン系硬化剤に下記式に示されるエステル系ポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。
式(I)で表される特定のエステル系ポリオール硬化剤を使用することにより、予想外にも得られる研磨パッドの親水性を適度に向上させることができた。上記式(I)において、Rは炭素数2〜5のアルキレン基であり、具体的には、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、n−ペンチレン、イソペンチレン、ネオペンチレンであり、好ましくは、エチレン、ネオペンチレンである。mは当該エステル系ポリオール硬化剤の分子量が1500〜2500となる値である。具体的には、1600〜2400、特に1800〜2200である。
本発明では、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤を例示できる。
ポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;等が挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
研磨パッドの親水性は、エステル系ポリオール硬化剤の化学構造によって調節できるが、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤との配合比によっても調節できる。この配合比は、好ましくは、アミン系硬化剤:エステル系ポリオール硬化剤の重量比で、70:30〜45:55であり、より好ましくは、65:35〜50:50である。
本発明の研磨パッドは、発泡ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨パッド全体を1つの研磨層とすることができる。
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
イソシアネート成分としては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート
等が挙げられる。
ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;
等が挙げられる。
硬化剤は、前述したとおり、アミン系硬化剤と式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。アミン系硬化剤と式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を組み合わせて使用すると、アミン系硬化剤のみを使用する場合に比べて、ポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成する際に生じる発熱を抑制することができる。発熱を抑制することで、ポリウレタン樹脂硬化性組成物に含まれる微小中空球体が過度に膨張することを抑制でき、研磨層の発泡形状、開孔径のバラつきを抑えることができる。
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを発泡硬化性組成物に添加してもよい。
本発明の研磨パッドにおける研磨層は、テーバー摩耗試験による摩耗質量が90mg以上であることが好ましく、105mg以上であることがより好ましい。テーバー摩耗試験による摩耗質量の値が90mgより小さいと、研磨パッドのドレス性が不足し、ドレス時間が増大し研磨効率が低下する。また、テーバー摩耗試験による摩耗質量の値が400mgより大きいと、研磨パッドの耐摩耗性が不足し、研磨パッドの寿命が短くなる。
(材料)
以下の例で使用した材料を列挙する。
・ウレタンプレポリマー:
2,4−トリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマー
・硬化剤:
MOCA・・・3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)
エステル系ポリオール硬化剤
ポリエチレンアジペート(数平均分子量2000、OH当量=1000)
ポリネオペンチレンアジペート(数平均分子量2000、OH当量=1000)
エーテル系ポリオール硬化剤
PTMG(数平均分子量1000、OH当量=500)
・微小中空球体:
日本フィライト社製 EXPANCEL 551DE40d42
A成分に2,4−トリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマーを100g(部)、B成分に硬化剤であるMOCA(NH当量=133.5)とポリエチレンアジペート(数平均分子量=2000、OH当量=1000)を重量比56:44で混合したものを42g(部)、C成分に微小中空球体(EXPANCEL 551DE40d42)1g(部)をそれぞれ準備する。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤とのモル比が90:10である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数とエステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。なお、比率を示すためg表示として記載しており、ブロックの大きさに応じて必要な重量(部)を準備する。以下同様にg(部)表記で記載する。
A成分とC成分を混合し、A成分とC成分の混合物及びB成分をそれぞれ減圧脱泡した後、A成分とC成分の混合物及びB成分を混合機に供給した。
得られた混合液を80℃に加熱した型枠(890mm×890mmの正方形)に注型し、5時間加熱し硬化させた後、形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出した。この発泡体を1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、MOCA(NH当量=133.5)とポリネオペンチレンアジペート(数平均分子量=2000、OH当量=1000)を重量比56:44で混合したものを42g(部)準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤とのモル比が90:10である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数とエステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、MOCA(NH当量=133.5)を26g(部)準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエステル系ポリオール硬化剤とのモル比が100:0である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、MOCA(NH当量=133.5)とPTMG(数平均分子量=1000、OH当量=500)を重量比70:30で混合したものを35g(部)準備した。なお、B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエーテル系ポリオール硬化剤とのモル比が90:10である。また、A成分のプレポリマーのNCOに対する、B成分のアミン硬化剤のNH2のモル数とエーテル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。
(D硬度)
D硬度はJISK6253−1997/ISO7619に準じて測定した。20℃の水で膨潤させた研磨層及び70℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度をテクロック社製D型硬度計(GS702)で測定した。膨潤させた研磨層とは、所定温度の脱イオン水中に30分浸漬して膨潤したものをいう。脱イオン水中から膨潤させたウレタンシートを取り出し、軽くろ紙で水気を拭き取りすぐに測定を開始した。試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように設定した。また、D硬度は、加圧板を試料に接触させた後、2秒後の数値を読み取った。実施例および比較例にかかるウレタンシート(厚さ約1.3mm)は4枚重ねにして測定した。
日本工業規格(JIS K 6902)のテーバー摩耗試験に準じた方法に従い測定した。摩耗試験機は回転駆動可能に軸支された回転盤を有している。回転盤の上方には、一対の円柱状の摩耗輪が端面を対向させて配置されている。摩耗輪の外周面が回転盤に貼付される試料と接触可能に配置されている。摩耗輪は、回転盤の回転軸に対して等距離となるように、回転盤の半径方向両側に配置されている。摩耗輪の外周には、研磨紙が隙間を形成されず、互いに重なり合わないように貼り付けられている。摩耗質量の測定時には、回転盤と同形状に裁断された試料(ウレタンシート)を回転盤に貼付する。研磨紙を貼り付けた摩耗輪を試料の上面に接触させ、接触面に及ぼす荷重が5.20±0.2Nとなるように押圧する。回転盤を回転させることで、外周面を試料に接触させた一対の摩耗輪が互いに反対方向に回転する。摩耗質量の測定では、320番手のサンドペーパーを外周に貼り付けた摩耗輪に研磨層の表面(研磨面)を接触させて回転させたときに研磨層の表面(研磨面)での回転数1000回あたりの摩耗質量(mg)を測定した。
研磨パッドについて、ドレス処理を10分間施し、ドレス処理前後の研磨面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JMS−5500LV)によって、100倍に拡大して観察した。得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製 ImageAnalyzerV20LABVer.1.3)により二値化処理をした。評価基準は、研磨面の開孔が閉塞していなかったものを○、研磨面の開孔に閉塞が見られたものを×とした。
研磨試験の条件は下記の通りである。
・使用研磨機:荏原製作所社製 F−REX300
・Disk:Asahi 100C
・回転数:(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
・研磨圧力:3.5psi
・研磨剤:キャボット社製、品番:SS25(SS25原液:純水=1:1の混合液を使
用)
・研磨剤温度:20℃
・研磨剤吐出量:200ml/min
・使用ワーク(被研磨物):12インチのシリコンウエハ上にテトラエトキシシラン(TEOS)をPE−CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板
研磨の初期温度が20℃から研磨中にパッド表面温度が上昇し、40〜50℃になる。
以上の結果を表1及び図1に示す。
Claims (5)
- ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるエステル系ポリオール硬化剤を含み、
前記アミン系硬化剤と前記エステル系ポリオール硬化剤とのモル比が、95:5〜75:25であり、
前記ポリイソシアネート化合物のNCOに対する、前記アミン系硬化剤のNH2のモル数と前記エステル系ポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NH2のモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.8〜1.2である、研磨パッド。
(式中、Rは炭素数2〜5のアルキレン基であり、mは当該エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1500〜2500となる値である。) - 前記エステル系ポリオール硬化剤の数平均分子量が1600〜2400である、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 下記式(II)
{(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)−(70℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度)}/(20℃の水で膨潤させた研磨層のD硬度) (II)
の値が、0.30以上0.60以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。 - 前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
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