以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図8は、本発明の移動体の運動情報表示システムの実施形態として、水中を遊泳する形式の移動体と、移動体の遠隔操作を行う遠隔操作装置を備える構成に適用した例を示すものである。
図1は、本実施形態の移動体の運動情報表示システムを示すもので、図1(a)は全体の構成を示す概略図、図1(b)は、表示部の画面に表示される情報を示す概要図である。
図2は、移動体の左右方向、上下方向、前後方向の加速度がゼロの場合に表示部に表示される情報を示す図である。図3は、移動体に左右方向の加速度が生じている場合に表示部に表示される情報を示すもので、図3(a)は、左向きの加速度が生じている状態を示す図、図3(b)は、右向きの加速度が生じている状態を示す図である。図4は、移動体に上下方向の加速度が生じている場合に表示部に表示される情報を示すもので、図4(a)は、下向きの加速度が生じている状態を示す図、図4(b)は、上向きの加速度が生じている状態を示す図である。図5は、移動体に左右方向の加速度と上下方向の加速度が共に生じている場合に、表示部に表示される情報の一例を示す図である。図6は、移動体に前後方向の加速度が生じている場合に表示部に表示される情報を、表示部の画面の一部を切り出して示すもので、図6(a)は、前向きの加速度が生じている状態を示す図、図6(b)は、後向きの加速度が生じている状態を示す図である。図7は、移動体にヨー角方向の角速度と、ピッチ角方向の角速度が生じている場合に表示部の表示される情報を、表示部の画面の一部を切り出して示すもので、図7(a)は、ヨー角方向の角速度とピッチ角方向の角速度が合成された角速度が生じている状態を示す図、図7(b)は、ヨー角方向の角速度のみが生じている状態を示す図、図7(c)は、ピッチ角方向の角速度のみが生じている状態を示す図である。図8は、移動体にロール角方向の角速度が生じている場合に表示部に表示される情報を示す図である。
本実施形態の移動体の運動情報表示システムは、図1(a)に示すように、水中を遊泳する形式の移動体1の機体2に、加速度センサ3と、角速度センサ4と、通信装置5とを備え、移動体1の遠隔操作を行う遠隔操作装置6に、通信装置7と、表示制御装置8と、表示部9とを備えた構成とされている。更に、表示制御装置8は、図1(b)に示すように、表示部9の画面に、移動体1の運動情報を示すマークとしての加速度情報マーク11と、角速度情報マーク12a,12bを表示させる機能を備えている。
移動体1は、前後方向であるロール軸方向、左右方向であるピッチ軸方向、上下方向であるヨー軸方向が定められた機体2を備えている。
加速度センサ3は、移動体1の機体2に搭載されて、移動体1の左右方向の加速度であるスウェイ加速度Aと、上下方向の加速度であるヒーブ加速度Bと、前後方向の加速度であるサージ加速度Cを検出する機能を備えている。
角速度センサ4は、移動体1の機体2に搭載されて、移動体1のヨー角方向の角速度であるヨー角速度Dと、ピッチ角方向の角速度であるピッチ角速度Eと、ロール角方向の角速度であるロール角速度Fを検出する機能を備えている。
なお、加速度センサ3は、スウェイ加速度Aとヒーブ加速度Bとサージ加速度Cについて、すべてを検出する3軸の加速度センサを用いてもよいし、個別に検出する1軸の加速度センサを3つ組み合わせて用いてもよいし、任意の2軸の加速度センサと残る1軸の加速度センサとを組み合わせて用いてもよい。
角速度センサ4は、ヨー角速度Dとピッチ角速度Eとロール角速度Fについて、すべてを検出する3軸の角速度センサを用いてもよいし、個別に検出する1軸の角速度センサを3つ組み合わせて用いてもよいし、任意の2軸の角速度センサと残る1軸の角速度センサとを組み合わせて用いてもよい。
また、説明の便宜上、加速度センサ3と角速度センサ4は別に記載しているが、加速度センサ3と角速度センサ4は、いわゆる6軸センサとして一体化されていてもよいし、それぞれの検出対象であるスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cと、ヨー角速度D、ピッチ角速度E、ロール角速度Fとを、任意の組み合わせで検出する形式のセンサを用いるようにしてもよい。したがって、加速度センサ3と角速度センサ4は、合計で1個から6個までのセンサ数を取り得る。
移動体1の機体2に備えた通信装置5は、加速度センサ3と角速度センサ4に接続されている。更に、通信装置5は、ケーブル10を介して、遠隔操作装置6に備えた通信装置7に有線接続されている。この状態で、通信装置5は、加速度センサ3で検出されたスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cの検出結果の信号と、角速度センサ4で検出されたヨー角速度D、ピッチ角速度E、ロール角速度Fの検出結果の信号とを受け取ると、受け取った信号を、遠隔操作装置6側の通信装置7へ送る機能を備えている。
遠隔操作装置6の通信装置7は、通信装置5からスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cの信号、および、ヨー角速度D、ピッチ角速度E、ロール角速度Fの信号を受け取ると、受け取った信号を、表示制御装置8へ送る機能を備えている。
表示部9は、いわゆるディスプレイ(モニタ)であり、表示制御装置8から受け取る表示指令Gに従い、表示を行う機能を備えている。
次に、表示制御装置8の機能の説明と共に、本実施形態の移動体の運動情報表示システムの作用、効果について説明する。
表示制御装置8は、移動体1の運動状態に関連しない基本的な機能として、表示部9に、図1(b)に示すように、画面に二次元座標13と、基準マークとしての基準円14とを表示する表示指令Gを与える機能を備えている。
表示部9の画面に表示させる二次元座標13は、図1(b)の図面上、左右方向の軸はX軸、上下方向の軸はY軸とする。X軸に沿う方向は、移動体1の機体2の左右方向に対応している。Y軸に沿う方向は、機体2の上下方向に対応している。なお、これらの対応の具体的な内容については後述する。また説明の便宜上、表示部9の画面に表示される二次元座標13については、画面の実際の向きや角度姿勢に関わらず、X軸の正の方向を右方向、負の方向の左方向といい、Y軸の正の方向を上方向、負の方向を下方向という。
表示部9の画面に表示させる基準円14は、二次元座標13の原点を中心とし、設定された半径寸法rの円であり、後述する加速度情報マーク11および角速度情報マーク12a,12bとは識別可能な色や線種に設定されている。なお、図1(b)では、図示する便宜上、基準円は二点鎖線で示してある(以降の各図においても同様)。
表示制御装置8は、更に、移動体1の運動状態に関連する加速度情報表示機能および角速度情報表示機能を備えている。
ここで、先ず、表示制御装置8における加速度情報表示機能について説明する。
表示制御装置8は、加速度情報表示機能では、通信装置7を介して受け取るスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cの信号を基に、以下の第1から第5の制御ルールに従って、加速度情報マーク11の位置とサイズを設定する。更に、表示制御装置8は、加速度情報マーク11の位置とサイズの設定が終了すると、表示部9に、加速度情報マーク11を設定された位置とサイズで画面に表示する表示指令Gを与えるようにしてある。
第1の制御ルールでは、表示制御装置8は、スウェイ加速度A、ヒーブ加速度Bの信号の値が共にゼロの場合は、図2に示すように、加速度情報マーク11の中心の位置を、二次元座標の原点に設定する。
第2の制御ルールでは、表示制御装置8は、サージ加速度Cの信号の値がゼロの場合は、図2に示すように、加速度情報マーク11の形状を、半径寸法rの円に設定する。
したがって、スウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cの信号の値がすべてゼロの場合は、表示制御装置8は、前記第1の制御ルールと第2の制御ルールの双方に従うことにより、図2に示すように、加速度情報マーク11を、二次元座標13の原点を中心とする半径寸法rの円に設定する。
したがって、この場合は、表示制御装置8からの表示指令Gに従い、表示部9では、図2に示すように、画面に、加速度情報マーク11が基準円14に重なる状態で表示される。
よって、表示部9の画面にて、加速度情報マーク11が基準円14に重なって表示されている場合は、移動体1について、スウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cのいずれもが生じていないということが分かる。
第3の制御ルールでは、表示制御装置8は、スウェイ加速度Aの信号を基に、左向きの加速度が検出されている場合には、加速度情報マーク11の中心の位置を、図3(a)に示すように、二次元座標13の原点よりも右方向となる位置にシフトさせる。また、表示制御装置8は、スウェイ加速度Aの信号を基に、右向きの加速度が検出されている場合は、加速度情報マーク11の中心の位置を、図3(b)に示すように、二次元座標13の原点よりも左方向となる位置にシフトさせる。
なお、図3(a)(b)は、サージ加速度Cの信号の値がゼロの場合、すなわち、表示制御装置8では、前記第2の制御ルールに従い、加速度情報マーク11の形状が、半径寸法rの円に設定された状態を示している。
この際、表示制御装置8では、図3(a)(b)に示すように、予め、二次元座標13のX軸上に、表示を望む左向きの加速度の最大値LMの表示位置と、表示を望む右向きの加速度の最大値RMの表示位置を設定しておく。
この状態で、左向きの加速度がゼロからLMの間の値Laで検出されている場合は、表示制御装置8は、La/LMの値と、(原点から加速度情報マーク11の中心の位置までの距離)/(原点からLMまでの距離)の値が一致するように、加速度情報マーク11の中心の位置を定めるようにしてある。
同様に、右向きの加速度がゼロからRMの間の値Raで検出されている場合は、表示制御装置8は、Ra/RMの値と、(原点から加速度情報マーク11の中心の位置までの距離)/(原点からRMまでの距離)の値が一致するように、加速度情報マーク11の中心の位置を定めるようにしてある。
なお、スウェイ加速度Aについて、前記のように表示を望む左向きの加速度の最大値LM、および、右向きの加速度の最大値RMの表示位置を設定するのは、加速度情報マーク11が、表示部9の画面の右端付近や左端付近の視認しにくい位置まで変位したり、画面に表示可能な範囲から左右方向へ逸脱したりすることを防ぐためである。
したがって、この場合は、表示制御装置8からの表示指令Gに従い、表示部9では、図3(a)または図3(b)に示すように、画面に、加速度情報マーク11が、加速度情報マーク11の中心の位置が原点よりも右方向または左方向に、前記所定の変位量でシフトした状態で表示される。
よって、表示部9の画面にて、図3(a)に示すように、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点よりも右側に位置している場合は、移動体1に左向きの加速度が生じていることが分かる。更に、図3(a)の表示からは、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点から右側へシフトしている量の大小に応じて、移動体1に生じている左向きの加速度の大きさを推定することが可能になる。
また、表示部9の画面にて、図3(b)に示すように、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点よりも左側に位置している場合は、移動体1に右向きの加速度が生じていることが分かる。更に、図3(b)の表示からは、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点から左側へシフトしている量の大小に応じて、移動体1に生じている右向きの加速度の大きさを推定することが可能になる。
第4の制御ルールでは、表示制御装置8は、ヒーブ加速度Bの信号を基に、下向きの加速度が検出されている場合には、加速度情報マーク11の中心の位置を、図4(a)に示すように、二次元座標13の原点よりも上方向となる位置にシフトさせる。また、表示制御装置8は、ヒーブ加速度Bの信号を基に、上向きの加速度が検出されている場合は、加速度情報マーク11の中心の位置を、図4(b)に示すように、二次元座標13の原点よりも下方向となる位置にシフトさせる。
なお、図4(a)(b)は、サージ加速度Cの信号の値がゼロの場合、すなわち、表示制御装置8では、前記第2の制御ルールに従い、加速度情報マーク11の形状が、半径寸法rの円に設定された状態を示している。
この際、表示制御装置8では、図4(a)(b)に示すように、予め、二次元座標13のY軸上に、表示を望む下向きの加速度の最大値DMの表示位置と、表示を望む上向きの加速度の最大値UMの表示位置を設定しておく。
この状態で、下向きの加速度がゼロからDMの間の値Daで検出されている場合は、表示制御装置8は、Da/DMの値と、(原点から加速度情報マーク11の中心の位置までの距離)/(原点からDMまでの距離)の値が一致するように、加速度情報マーク11の中心の位置を定めるようにしてある。
同様に、上向きの加速度がゼロからUMの間の値Uaで検出されている場合は、表示制御装置8は、Ua/UMの値と、(原点から加速度情報マーク11の中心の位置までの距離)/(原点からUMまでの距離)の値が一致するように、加速度情報マーク11の中心の位置を定めるようにしてある。
なお、ヒーブ加速度Bについて、前記のように表示を望む下向きの加速度の最大値DM、および、上向きの加速度の最大値UMの表示位置を設定するのは、加速度情報マーク11の中心の位置を二次元座標13の原点から上方向や下方向へシフトさせるときの変位量に上限を設けることで、加速度情報マーク11が、表示部9の画面の上端付近や下端付近の視認しにくい位置まで変位したり、画面に表示可能な範囲から上下方向に逸脱したりすることを防ぐためである。
したがって、この場合は、表示制御装置8からの表示指令Gに従い、表示部9では、図4(a)または図4(b)に示すように、画面に、加速度情報マーク11が、加速度情報マーク11の中心の位置が原点よりも上方向または下方向に、前記所定の変位量でシフトした状態で表示される。
よって、表示部9の画面にて、図4(a)に示すように、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点よりも上側に位置している場合は、移動体1に下向きの加速度が生じていることが分かる。更に、図4(a)の表示からは、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点から上側へシフトしている量の大小に応じて、移動体1に生じている下向きの加速度の大きさを推定することが可能になる。
また、表示部9の画面にて、図4(b)に示すように、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点よりも下側に位置している場合は、移動体1に上向きの加速度が生じていることが分かる。更に、図4(b)の表示からは、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点から下側へシフトしている量の大小に応じて、移動体1に生じている上向きの加速度の大きさを推定することが可能になる。
ところで、移動体1については、スウェイ加速度Aと、ヒーブ加速度Bとが共に検出される場合がある。この場合、表示制御装置8は、前記第3の制御ルールと第4の制御ルールの双方に従うことで、図5に示すように、二次元座標13にて、前記した第3の制御ルールで定められる原点から左右方向へシフトした位置をX座標の値とし、第4の制御ルールで定められる原点から上下方向にシフトした位置をY座標の値とする位置に、加速度情報マーク11の中心の位置を定める。
なお、図5では、一例として、移動体1にて、左向きの加速度が値Laで検出され、下向きの加速度がDaで検出された場合に、表示制御装置8により、加速度情報マーク11の中心の位置が座標(La,Da)に設定された場合を示している。
また、図5では、サージ加速度Cの信号の値がゼロの場合、すなわち、表示制御装置8では、前記第2の制御ルールに従い、加速度情報マーク11の形状が、半径寸法rの円に設定された状態を示している。
第5の制御ルールでは、表示制御装置8は、サージ加速度Cの信号を基に、前向きの加速度が検出されている場合には、図6(a)に示すように、前記した第1の制御ルール、または、第3の制御ルールと第4の制御ルールに従って加速度情報マーク11の中心の位置が決められた状態で、加速度情報マーク11を、半径寸法rの基準円14(図1(b)参照)よりも拡大された半径寸法の円に設定する。また、表示制御装置8は、サージ加速度Cの信号を基に、後向きの加速度が検出されている場合は、前記と同様に中心の位置が決められた状態の加速度情報マーク11を、図6(b)に示すように、半径寸法rの基準円14(図1(b)参照)よりも縮小された半径寸法の円に設定する。
なお、表示制御装置8で第5の制御ルールを実施するときには、加速度情報マーク11の中心の位置は、前記した第1の制御ルール、または、第3の制御ルールと第4の制御ルールのいずれに従うかによって変化する。図6(a)(b)では、このように変化する加速度情報マーク11の中心の位置を、代表して座標(x,y)で示すと共に、表示部9の画面における座標(x,y)の周辺となる部分のみを、切り出して図示してある。また、図6(a)(b)では、加速度情報マーク11の半径寸法の設定を説明する便宜上、一点鎖線により、基準円14と同じ半径寸法rの仮想円14aを、加速度情報マーク11と同心配置で示してある。
更に、第5の制御ルールでは、表示制御装置8は、図6(a)に示すように、予め、表示を望む前向きの加速度の最大値FMを表示するための、加速度情報マーク11の最大の半径寸法を、たとえば、値(r+fm)として設定しておく。
この状態で、前向きの加速度がゼロからFMの間の値Faで検出されている場合は、表示制御装置8は、加速度情報マーク11の半径寸法を、(r+fm・(Fa/FM))で設定するようにしてある。
また、第5の制御ルールでは、表示制御装置8は、図6(b)に示すように、予め、表示を望む後向きの加速度の最大値BMを表示するための、加速度情報マーク11の最小の半径寸法を、たとえば、値(r−bm)として設定しておく。
この状態で、後向きの加速度がゼロからBMの間の値Baで検出されている場合は、表示制御装置8は、加速度情報マーク11の半径寸法を、(r−bm・(Ba/BM))で設定するようにしてある。
なお、前記のように表示を望む前向きの加速度の最大値FMを表示する加速度情報マーク11の最大の半径寸法の値(r+fm)を設定するのは、加速度情報マーク11のサイズが表示部9の画面に表示可能な範囲に対して過大になって、表示不可になることを防ぐためである。
また、前記のように表示を望む後向きの加速度の最大値BMを表示する加速度情報マーク11の最小の半径寸法の値(r−bm)を設定するのは、加速度情報マーク11の表示部9の画面に表示されるサイズが過小になって、視認しにくくなる虞を防ぐためである。
なお、表示制御装置8は、前記第3の制御ルールと第4の制御ルールに従って加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点以外の位置に決められた場合、表示部9の画面には、その位置を中心とする半径寸法rの仮想円14aは、表示しなくてもよいが、実際に表示するようにしてもよい。このように仮想円14aを表示部9に表示した場合は、加速度情報マーク11を仮想円14aと比較することで、加速度情報マーク11の半径寸法が、基準円14の半径寸法rに対して拡大、あるいは、縮小されていることを容易に視認することができる。また、二次元座標13の原点以外の位置を中心とする仮想円14aを実際に表示する場合は、二次元座標13の原点を中心とする基準円14の表示は省略するようにしてもよい。
したがって、表示制御装置8からの表示指令Gに従い、表示部9では、図6(a)または図6(b)に示すように、画面に、加速度情報マーク11が、基準円14(図1(b)参照)あるいは仮想円14aよりも拡大された半径寸法、または、縮小された半径寸法で表示される。
よって、表示部9の画面にて、図6(a)に示すように、加速度情報マーク11が、基準円14(仮想円14a)に比して拡大されている場合は、移動体1に前向きの加速度が生じていることが分かる。更に、図6(a)の表示からは、加速度情報マーク11の半径寸法が基準円14(仮想円14a)の半径寸法rよりも拡大されている量の大小に応じて、移動体1に生じている前向きの加速度の大きさを推定することが可能になる。
また、表示部9の画面にて、図6(b)に示すように、加速度情報マーク11が、基準円14(仮想円14a)に比して縮小されている場合は、移動体1に後向きの加速度が生じていることが分かる。更に、図6(b)の表示からは、加速度情報マーク11の半径寸法が基準円14(仮想円14a)の半径寸法rよりも縮小されている量の大小に応じて、移動体1に生じている後向きの加速度の大きさを推定することが可能になる。
表示制御装置8は、以上の第1から第5の制御ルールを備えた加速度情報表示機能によれば、移動体1のスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cの信号の値を基に、表示部9の画面に、加速度情報マーク11を、スウェイ加速度Aの値とヒーブ加速度Bの値に応じて設定される位置を中心とし、且つサージ加速度Cの値に応じて設定される半径寸法を有する円として表示することができる。
したがって、本実施形態の移動体の運動情報表示システムによれば、表示部9にて、移動体の3軸の加速度としてのスウェイ加速度Aとヒーブ加速度Bとサージ加速度Cの情報を、数値に依らずに統合して表示することができる。
これにより、オペレータは、表示部9の画面に表示された加速度情報マーク11の中心の位置について、二次元座標13の原点に対する相対的な配置を目視することで、移動体1のスウェイ加速度Aとヒーブ加速度Bについて、それぞれ加速度の有無、加速度の向き、加速度の大きさを容易に把握することができる。
また、オペレータは、表示部9の画面に表示された加速度情報マーク11のサイズについて、基準円14のサイズとの大小関係、仮想円14aを表示する場合は仮想円14aのサイズとの大小関係を目視することで、サージ加速度Cの有無、加速度の向き、加速度の大きさを容易に把握することができる。
たとえば、表示部9の画面の表示が、図1(b)のような状態であるときには、加速度情報マーク11の中心の位置が、二次元座標13の原点より左上方向にシフトした配置となっていることから、移動体1には、右向きの加速度と、下向きの加速度が生じていることが容易に把握することができる。更に、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点に対して左方向にシフトしている量の情報からは、移動体に生じている右向きの加速度の大きさを推定することができる。同様に、加速度情報マーク11の中心の位置が二次元座標13の原点に対して上方向にシフトしている量の情報からは、移動体に生じている下向きの加速度の大きさを推定することができる。
また、図1(b)の表示では、加速度情報マーク11のサイズが、基準円14のサイズと同等であることから、移動体1には、サージ加速度Cは生じていない、ということを容易に把握することができる。
本実施形態では、表示部9の画面に表示される加速度情報マーク11は、移動体1のスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cの信号の値がすべてゼロの場合は、図2に示したように、基準円14に重なって表示されているが、この状態から、移動体1にスウェイ加速度Aやヒーブ加速度Bが生じると、表示部9の画面上では、加速度が生じた向きとは逆方向に加速度情報マーク11が変位する。
また、図2に示した状態から、移動体1に前向きの加速度が生じると、表示部9の画面上では、加速度情報マーク11の円が拡径する。一方、図2に示した状態から、移動体1に後向きの加速度が生じると、表示部9の画面上では、加速度情報マーク11の円が縮径する。
このため、オペレータは、前記した表示部9の画面における加速度情報マーク11の位置の変化とサイズの変化を、あたかも、仮想のリングが自分の前に正対して自分と同じ慣性を有する状態で存在している状況から、自分にだけ移動体1と同様のスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cが生じた場合の前記仮想のリングの見え方の変化のように捉えることが可能になる。
よって、オペレータは、表示部9の画面における加速度情報マーク11の位置の変化とサイズの変化を基に、移動体1のスウェイ加速度A、ヒーブ加速度B、サージ加速度Cについて、より直感的に把握することが容易になる。
次に、表示制御装置に8における角速度情報表示機能について説明する。
表示制御装置8は、加速度情報表示機能では、通信装置7を介して受け取るヨー角速度D、および、ピッチ角速度Eの信号を基に、以下の第6の制御ルールに従って、第1の角速度情報マーク12aの形状を設定する。更に、表示制御装置8は、第1の角速度情報マーク12aの形状の設定が終了すると、表示部9に、第1の角速度情報マーク12aを設定された形状で画面に表示する表示指令Gを与える。
また、表示制御装置8は、通信装置7を介して受け取るロール角速度Fの信号を基に、後述する第7の制御ルールに従って、図1(b)、図8に示す第2の角速度情報マーク12bの表示角度を設定する。更に、表示制御装置8は、第2の角速度情報マーク12bの表示角度の設定が終了すると、表示部9に、第2の角速度情報マーク12bを設定された表示角度で画面に表示する表示指令Gを与えるようにしてある。
第6の制御ルールでは、表示制御装置8は、ヨー角速度Dの信号と、ピッチ角速度Eの信号を受け取ると、先ず、ヨー角速度Dとピッチ角速度Eとを合成する計算を行い、移動体1の前後方向であるロール軸方向の向きが変わる回頭方向と、その回頭方向に関する角速度とを算出する。説明の便宜上、前記算出された回頭方向、および、その回頭方向に関する角速度は、以下、回頭方向H、角速度Iと表示する。
一例として、移動体1に、ヨー角方向に関しては右向き(右回り)のヨー角速度Dが生じ、ピッチ角方向に関しては下向き(前下がり方向)のピッチ角速度Eが生じている場合、移動体1の回頭方向Hは、右斜め下向きとなる。なお、これは一つの組み合わせの例であり、移動体1のヨー角速度Dの右向き、左向きと、ピッチ角速度Eの上向き、下向きは、自在に組み合わせて合成できること、および、ヨー角速度Dとピッチ角速度Eの値の比は、任意の比でよいこと、は勿論である。
この際、ピッチ角速度Eの信号の値がゼロの場合は、前記合成計算で得られる移動体1の回頭方向Hとその角速度Iの結果は、ヨー角速度Dに一致する。
同様に、ヨー角速度Dの値がゼロの場合は、前記合成計算で得られる移動体1の回頭方向Hとその角速度Iの結果は、ピッチ角速度Eに一致する。
次に、表示制御装置8は、図7(a)(b)(c)に示すように、前述した加速度情報表示機能によって中心の位置とサイズが決定された円形の加速度情報マーク11を基準として、前記合成計算で得た移動体1の回頭方向Hとその角速度Iの結果を基に、楕円形の第1の角速度情報マーク12aを生成する。この第1の角速度情報マーク12aを生成する規則は、後述する。
なお、表示制御装置8の加速度情報表示機能では、設定される加速度情報マーク11の中心の位置は、スウェイ加速度A、ヒーブ加速度Bの信号の値に応じて異なる位置を取り得るものであり、また、加速度情報マーク11のサイズも、サージ加速度Cの信号の値に応じて異なる半径寸法を取り得るものである。そのため、図7(a)(b)(c)では、加速度情報表示機能で設定された中心の位置とサイズを備える円形の加速度情報マーク11については、中心の位置を座標(x1,y1)で代表して示すと共に、表示部9の画面における座標(x1,y1)の周辺となる部分のみを、切り出して図示してある。また、加速度情報マーク11のサイズは、直径の寸法の値をd1で代表して示してある。この場合、加速度情報マーク11の直径の寸法d1は、移動体1のサージ加速度Cの値に応じて、基準円14の直径の値(2r)に対し、同じ値、より大きい値、より小さい値のいずれも取り得る。
表示制御装置8は、第1の角速度情報マーク12aを生成する場合は、先ず、図7(a)に示すように、加速度情報マーク11について、前記合成計算で得た移動体1の回頭方向Hに沿う方向の直径15を特定する。なお、図7(a)は、回頭方向Hが、二点鎖線で示す如き右斜め下向きの場合について示してある。
次に、表示制御装置8は、図7(a)に示すように、長径の寸法が加速度情報マーク11の直径の寸法d1と同様で、且つ角速度Iの値が大きくなるに従って短径の寸法が小さくなり、更に、短径の方向が回頭方向Hに平行な楕円形として、第1の角速度情報マーク12aを生成する。
この際、表示制御装置8は、第1の角速度情報マーク12aの楕円形の短径の寸法については、表示を望む角速度Iの最大値IMを表示する場合の短径の最小値imを、予め設定しておく。
この状態で、表示制御装置8は、角速度IがゼロからIMの間の値Iaとなっている場合は、第1の角速度情報マーク12aの短径の寸法を、(d1−(d1−im)×(Ia/IM))で設定するようにしてある。
なお、第1の角速度情報マーク12aは、短径の最小値imがゼロに設定されていてもよい。この場合は、角速度Iの値がIM以上になると、第1の角速度情報マーク12aは、加速度情報マーク11の前記所定の直径15に対して直交する直線になる。
更に、表示制御装置8は、以上の処理により楕円形が決まる第1の角速度情報マーク12aについて、図7(a)に示すように、第1の角速度情報マーク12aの短径における回頭方向Hとは逆側の端部の位置が、加速度情報マーク11の前記所定の直径15における回頭方向Hとは逆側の端部に重なるように、位置を定める。
この際、前記したように、ピッチ角速度Eの信号の値がゼロの場合は、移動体1の回頭方向Hとその角速度Iの結果は、ヨー角速度Dに一致する。よって、この場合、たとえば、ヨー角速度Dが右向きに生じている場合は、図7(b)に示すように、第1の角速度情報マーク12aは、左端が、加速度情報マーク11の左端に重なる配置となる。
また、前記したように、ヨー角速度Dの値がゼロの場合は、移動体1の回頭方向Hとその角速度Iの結果は、ピッチ角速度Eに一致する。よって、この場合、たとえば、ピッチ角速度Eが下向きに生じている場合は、図7(c)に示すように、第1の角速度情報マーク12aは、上端が、加速度情報マーク11の上端に重なる配置となる。
したがって、表示制御装置8からの表示指令Gに従い、表示部9では、図7(a)(b)(c)に示すように、画面に、加速度情報マーク11に付属して第1の角速度情報マーク12aが表示される。
第7の制御ルールでは、表示制御装置8は、ロール角速度Fの信号の値がゼロの場合は、たとえば、図8に示すように、表示部9の画面に、二次元座標13の座標軸上に配置されるよう角度姿勢を定めた第2の角速度情報マーク12bを表示させる。説明の便宜上、このときの第2の角速度情報マーク12bの状態を、初期状態という。
移動体1に、ロール角方向に関して左向きのロール角速度Fが生じている場合は、表示制御装置8は、図8に一点鎖線で示すように、第2の角速度情報マーク12bを、二次元座標13の原点を中心に初期状態よりも左方向、すなわち、反時計回り方向に回転させた角度姿勢に設定する。
一方、移動体1に、ロール角方向に関して右向きのロール角速度Fが生じている場合は、表示制御装置8は、図8に二点鎖線で示すように、第2の角速度情報マーク12bを、二次元座標13の原点を中心に初期状態よりも右方向、すなわち、時計回り方向に回転させた角度姿勢に設定する。
なお、表示制御装置8は、ロール角速度Fが左向きまたは右向きに生じている場合の角速度の大きさと、第2の角速度情報マーク12bを初期状態から左右へ回転させた角度姿勢とする場合の回転角度とは、相関性を持たせている。
したがって、表示制御装置8からの表示指令Gに従い、表示部9では、図1(b)や図8のように、画面に、第2の角速度情報マーク12bが、移動体1のロール角速度Fの値に応じた角度姿勢で表示される。
したがって、本実施形態の移動体の運動情報表示システムによれば、表示部9にて、移動体の3軸の角速度としてのヨー角速度Dとピッチ角速度Eとロール角速度Fの情報を、数値に依らずに表示することができる。
これにより、オペレータは、表示部9の画面に表示された第1の角速度情報マーク12aが加速度情報マーク11に接している位置と、第1の角速度情報マーク12aの加速度情報マーク11に比して扁平している量を目視することで、移動体1の回頭方向Hと、その方向への角速度Iを容易に把握することができる。また、オペレータは、この回頭方向Hと角速度Iの左右方向成分と上下方向成分の比率を推定することにより、移動体1のヨー角速度Dと、ピッチ角速度Eについて、それぞれの有無、向き、大きさを容易に推定することができる。
また、オペレータは、表示部9の画面に表示された第2の角速度情報マーク12bの角度姿勢を目視することにより、移動体1のロール角速度Fの有無、方向、大きさを容易に把握することができる。
たとえば、表示部9の画面の表示が、図1(b)のような状態であるときには、第1の角速度情報マーク12aからは、移動体1に右斜め下向きの回頭方向Hについて角速度Iが生じていることが分かる。また、この回頭方向Hの角速度は、左右方向成分が上下方向成分に比して大きいので、移動体1には、ヨー角方向の右向きに、ピッチ角方向の下向きよりも大きな角速度が生じていることが分かる。
また、図1(b)における第2の角速度情報マーク12bからは、移動体1にロール角方向の右向きの角速度が生じていることが分かる。
したがって、水中を遊泳する形式の移動体1を遠隔操作して、ホバリングによる定点保持や、移動を行わせるときに、移動体1の使用環境に時間の経過に伴い変化する水の流れや、場所ごとに異なる水の流れが存在していると、移動体1には、意図しない左右方向、上下方向、前後方向の加速度が生じるが、本実施形態の移動体の運動情報表示システムによれば、そのような加速度の変化を、オペレータが把握し易くすることができる。
更に、ケーブル10が接続されている形式の移動体1では、遠隔操作による移動体1の移動時に、ケーブル10が障害物に接触したり、障害物に引っ掛かりを生じたりすると、移動方向とは逆方向の加速度が生じるが、本実施形態の移動体の運動情報表示システムを用いることで、そのような加速度の変化も、オペレータが捉えやすくすることができる。
よって、本実施形態の移動体の運動情報表示システムを用いることにより、遠隔操作によって移動体の位置や運動を制御する場合について、制御性の向上化を図る効果も期待できる。
なお、本発明は、前記実施形態にのみ限定されるものではない。
たとえば、加速度情報マーク11は、円形とする例を示したが、多角形であってもよい。この場合、第1の角速度情報マーク12aは、加速度情報マーク11を扁平させた形状とすればよい。
また、第2の角速度情報マーク12bは、表示部9の画面にて、二次元座標13の原点を中心とする左右方向への回転による角度姿勢の変化を容易に把握することができれば、多角形やその他、任意の形状であってもよい。
表示制御装置8は、表示部9の画面に設定された二次元座標13にて、加速度情報マーク11の中心の位置を、移動体1のスウェイ加速度Aに対応してX軸方向に変位させる機能を備えていれば、加速度情報マーク11の中心の位置を、移動体1のスウェイ加速度Aの左向き、右向きと同方向に変位させる処理を行うものとしてもよい。
表示制御装置8は、表示部9の画面に設定された二次元座標13にて、加速度情報マーク11の中心の位置を、移動体1のヒーブ加速度Bに対応してY軸方向に変位させる機能を備えていれば、加速度情報マーク11の中心の位置を、移動体1のヒーブ加速度Bの上向き、下向きと同方向に変位させる処理を行うものとしてもよい。
表示制御装置8は、表示部9の画面にて、加速度情報マーク11のサイズを、移動体1のサージ加速度Cに対応して拡大、縮小する機能を備えていれば、移動体1に前向きの加速度が生じたときに加速度情報マーク11のサイズを縮小し、移動体1に後向きの加速度が生じたときに加速度情報マーク11のサイズを拡大する処理を行うものとしてもよい。
表示制御装置8は、表示部9の画面に、加速度情報マーク11と共に、各角速度情報マーク12a,12bを表示する機能を備えることが好ましいが、角速度情報マーク12aまたは角速度情報マーク12bのいずれか一方、または、双方の表示機能を省略してもよい。この場合であっても、本発明の移動体の運動情報表示システムは、移動体の3軸の加速度の情報を、数値に依らずに統合して表示することができる、という効果を得ることが可能である。
表示部9には、移動体1に搭載された撮像装置で撮影された映像を、加速度情報マーク11、各角速度情報マーク12a,12b、二次元座標13、基準円14、仮想円14aに重畳して表示してもよい。このようにすれば、オペレータは、移動体1に搭載された撮像装置で撮影された映像を見ながら、移動体1に生じる3軸方向の加速度や3軸方向の角速度の情報を容易に把握することが可能になる。
移動体1側の通信装置5と、遠隔操作装置6側の通信装置7は、互いに通信を行うことができれば、ケーブル10を介した有線での通信方式に代えて、音響通信や無線通信や光通信、その他任意の通信方式を採用してもよい。
図1(a)に示した移動体1の形状や構成は、一例であり、本発明の移動体の運動情報表示システムを適用する移動体1の形状や構成は、変更してよい。
本発明の移動体の運動情報表示システムは、3次元空間を移動する形式の移動体であれば、空中を飛行する形式の移動体や、その他、水中を遊泳する形式の移動体1以外の任意の形式の移動体に適用してもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。