JP6915774B2 - テストステロン増加剤 - Google Patents
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Description
特許文献3には、トマト果実由来の非水溶性成分及びアラニンを含有する飲食品が血中アルコール濃度低減効果を奏することが記載されている。
特許文献4には、トマト果実由来の水溶性成分を含有し、実質的にリコペン含有しないトマト由来の組成物が抗血栓剤として有用であることが記載されている。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)トマトの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物を含有するテストステロン増加剤。
(2)トマト果実由来の水溶性成分を含有する前記(1)に記載のテストステロン増加剤。
(3)実質的にリコペンを含有しない前記(2)に記載のテストステロン増加剤。
(4)実質的にトマト果実由来の非水溶性成分を含有しない前記(2)に記載のテストステロン増加剤。
(5)トマト果実由来の水溶性成分を含有し、実質的にリコペンを含有しないテストステロン増加剤。
(6)実質的にトマト果実由来の非水溶性成分を含有しない前記(5)に記載のテストステロン増加剤。
(7)食品として用いる前記(1)〜(6)のいずれかに記載のテストステロン増加剤。
また、トマトの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物を含有する本発明のテストステロン増加剤は、リコペン等のトマト果実由来の非水溶性成分を含有してもよいが、製剤上の理由等の点から、リコペン等のトマト果実由来の非水溶性成分を除去して、当該非水溶性成分を実質的に含有しない組成物として用いてもよい。
ここで、リコペン等のトマト果実由来の非水溶性成分を「実質的に含有しない」とは、当該非水溶性成分による影響がない程度に夾雑物として含有する場合を除外するものではない。
リコペン等のトマト果実由来の非水溶性成分を除去する方法としては、特に制限はないが、例えば、トマトの乾燥粉末、抽出物又はそれらの処理物を含有する組成物を遠心分離して、固形分を沈殿、除去して上澄み液を採取すればよい。
本発明のテストステロン増加剤の製造原料であるトマトは、食用に供されており、安全性は確立されている。
(製造例1)トマト粉末の調製
トマト(Solanum lycopersicum)果実を丸ごとピューレ化した後、乾燥粉末化してトマト粉末を得た。
ここで用いたトマト果実は、極少培地多頻度少量給液法による栽培(一株当たりの培地量:300ml、培地の種類:ココナツの実の繊維や粉末を乾かして粉砕したヤシガラ培地)で得られたものであり、株式会社うまヘルシーから入手した。
加齢やストレスにより精巣(睾丸)からの男性ホルモン(テストステロン)分泌能が低下することが知られている。そこで、以下の試験では、精巣障害モデル及びストレスモデルのマウスによる2つのモデル実験おいて、トマト粉末によるテストステロン分泌能の増加効果を検討した。
マウス(ddY系、オス、7週齢)を3群に分け、第1群は、通常食(MF,オリエンタル酵母)を摂取させ、何も処置しない群、第2群は、通常食を摂取させ、シスプラチン(2.5mg/kg)を腹腔に投与した群、第3群は、10%トマト粉末(製造例1で得られたトマト粉末)を含む試験食を摂取させ、シスプラチン(2.5mg/kg)を腹腔に投与した群とした。各群はn=3とした。飼育開始1週間後、精巣を取り出し、初代培養法にて精巣細胞を培養した。一夜、培養後、刺激剤としてヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)(1U)を添加して、精巣からのテストステロン分泌量を、EIA法にて定量測定した。
マウス(ddY系、オス、7週齢)を3群に分け、第1群は、通常食(MF,オリエンタル酵母)を摂取させ、何も処置しない群、第2群は、通常食を摂取させた群、第3群は、10%トマト粉末(製造例1で得られたトマト粉末)を含む試験食を摂取させた。第2群と第3群は、飼育5〜7日目に、拘束ストレス処理を行った。拘束は、通気孔を多数開けたプラスチックチューブ(50ml)に約12時間入れた。各群はn=3とした。飼育開始1週間後、精巣を取り出し、初代培養法にて精巣細胞を培養した。一夜、培養後、刺激剤としてヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)(1U)を添加して、精巣からのテストステロン分泌量を免疫測定(EIA)法にて定量測定した。
精巣障害モデルの結果を図1に示す。精巣障害を起こさせたところ、精巣からのテストステロン分泌量は、シスプラチンを投与し、通常食を摂取させた群では、無処置群に比して、有意に低下し、シスプラチンによる精巣障害がおこりテストステロン分泌量の低下がみられた。一方、シスプラチンを投与し、トマト粉末を摂取させた群では、シスプラチンを投与し、通常食を摂取させた群に比し、有意に増加し、シスプラチン非投与の無処置群とほぼ同レベルまで、精巣障害を抑制できることが示された。
加齢により男性ホルモン量は徐々に低下し、性腺機能のみならず筋力低下、活力低下等の男性更年期障害といわれる様々な症状があらわれる。トマト粉末の摂取により、これら更年期症状の防止が期待できる。また、慢性ストレスによる男性ホルモン量低下に対しても同様に効果があることから、ストレス軽減効果も認められる。
PAO(potential anti oxidant)活性に対するトマトの栽培法の影響を検討するため、以下の2つの条件で栽培を行った。
試験区:極少培地多頻度少量給液法による栽培(一株当たりの培地量:300ml)
対照区:バック栽培(一株当たりの培地量:4000ml以上)
試験区は、根域を極端に制限することで根に自然にストレスが掛かり、トマト栽培の熟練者でなくても比較的容易にトマトの品質が上がるとされている栽培である。
試験区で栽培されたトマトのPAO活性が慣行栽培(対照区栽培)によってできたトマトに比べどれほど上がるかを分析した。
トマト(試験区、対照区、それぞれ12個ずつ)を4つ切りにし、その4分の1を秤量後、ポリ試験管(50ml)に入れ、ポリトロンホモジナイザーで均一化させ、遠心分離機(5,000rpm,10分)にて、固形分を沈殿させた。上澄み液を採取し、−20℃にて保存した。測定前に、その一部をとり、0.45μmのフィルターにて濾過し、僅かに残る不溶物を除去し、これをPAO活性測定用試料とした。
PAO抗酸化能測定キット(日研ザイル(株)日本老化制御研究所)により、使用説明書に記載された方法によりPAO活性の測定を行った。
標準物質2mM尿酸を適宜希釈し、希釈系列を作製した。試験管6本に濃度の異なる標準物質10μl、及び水390μlを添加し希釈した。また別途、試験管に前記トマト試料(果汁)10μl及び水390μlをとり希釈した。マイクロプレートに、これら希釈標準物質及び希釈試料を添加し、各ウェルに銅試薬50μlを添加撹拌し、3分反応させた。反応停止薬を各ウェルに添加撹拌し、マイクロプレートリーダーで490nmにおける吸光度を測定した。標準物質の検量線に基づき、試料の尿酸相当濃度を求め、これに銅還元力係数2189を乗し、これをPAO活性値として表した。
PAO抗酸化活性は、試験区と対照区で有意の差がみられた。試料(果汁)は測定の都合上、濾過が必要であったため、ほぼ無色かつ水溶性であり、リコペン、カロテン、ビタミンK等の脂溶性物質のPAO抗酸化活性に対する寄与は少ないと推測される。水溶性の抗酸化物質によるものと考えられる。
対照区のPAO活性の最大値が2.16μmol/gであるのに対し、試験区のPAO活性の最大値は3.07μmol/gであった。
したがって、PAO活性が2.3〜3.5μmol/gのトマトを用いるのが好ましく、2.5〜3.5μmol/gのトマトを用いるのが更に好ましい。
(試験方法1)ストレスモデル
マウス(ddY系、オス、7週齢)を3群に分け、第1群は、無処置群とし、第2群と第3群は、飼育5〜7日目に、拘束ストレス処理を行った。拘束は、通気孔を多数開けたプラスチックチューブ(50ml)に約12時間入れた。第3群は、トマト果汁を飲水の代わりに摂取させた。トマト果汁は、市販ミキサーにてトマトを粉砕した後、遠心分離し、果肉等の不溶物を除去した透明な黄色の果汁とした。なお、これにはリコペンが殆ど含まれていない。いずれの群も、通常食(MF,オリエンタル酵母)を摂取させた。各群はn=4とした。1週間後、精巣を取り出し、初代培養法にて精巣細胞を調製した。一夜、培養後、細胞を洗浄後、3時間培養して培地を採取し、培地中のテストステロン分泌量を免疫測定(EIA)法にて定量測定した。また、精巣の一部をリン酸緩衝液にて抽出し、Flohe とGunzlerらの方法(Flohe,L., Gunzler,W.A., Schock, H.H., Glutathione peroxidase:a selenoenzyme.FEBS Lett., 32:132-134 (1973))により、グルタチオンペルオキシダーゼ活性(GPx)を測定した。
マウス(ddY系、オス、7週齢)を3群に分け、第1群は、無処置群とし、第2群と第3群は、飼育5〜7日目に、拘束ストレス処理を行った。拘束は、通気孔を多数開けたプラスチックチューブ(50ml)に約12時間入れた。第3群は、飲水として1%ビタミンC水溶液を摂取させた。いずれの群も、通常食(MF, オリエンタル酵母)を摂取させた。各群はn=4とした。1週間後、精巣を取り出し、初代培養法にて精巣細胞を調製した。一夜、培養後、細胞を洗浄後、3時間培養して培地を採取し、培地中のテストステロン分泌量を免疫測定(EIA)法にて定量測定した。
トマト果汁摂取の効果をストレスモデルで調べたところ、図4に示すように、ストレス負荷により精巣細胞からのテストステロン分泌量は、無処置群に比して低下したが、その間、トマト果汁を摂取させた群ではテストステロン分泌量が有意に増加し、ストレスによる精巣機能低下を抑制していることが示唆された。精巣のグルタチオンペルオキシダーゼ活性を調べたところ、果汁摂取群では慢性ストレス群より、有意の増加がみられた(図5)。
実施例1のリコペンを含むトマト粉末摂取によるテストステロン分泌低下抑制効果に加え、本実施例では、リコペンをほとんど含まないトマト果汁について、ストレスモデルにおいて、同様のテストステロン分泌低下抑制(増加)効果が認められた。そのうち、果汁に含まれるビタミンCを摂取させた同様の試験で、僅かに効果がみられたことから、トマト果汁のテストステロン増加作用はビタミンCが一部、寄与していると考えられるが、ビタミンC以外の水溶性成分の寄与も示唆された。本実施例の条件下では、抗酸化活性をもつビタミンCでは有意の増加を認めなかったが、精巣の抗酸化活性のうちグルタチオンペルオキシダーゼ活性が、果汁摂取により有意に増加したことから、果汁に含まれる抗酸化活性をもつ水溶性成分がテストステロン分泌に影響したことが示唆された。
Claims (3)
- トマト果実由来の水溶性成分を含有し、実質的にトマト果実由来の非水溶性成分を含有しないテストステロン増加剤。
- ストレスによりテストステロン分泌能が低下した対象に適用される請求項1記載のテストステロン増加剤。
- 食品として用いる請求項1又は2記載のテストステロン増加剤。
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