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JP6917802B2 - 漏洩同軸ケーブルの状態診断装置及び状態診断方法 - Google Patents
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JP6917802B2 - 漏洩同軸ケーブルの状態診断装置及び状態診断方法 - Google Patents

漏洩同軸ケーブルの状態診断装置及び状態診断方法 Download PDF

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Description

本開示は、軌道に沿って敷設された漏洩同軸ケーブルの状態を診断する技術に関する。
軌道を走行する鉄道車両と地上側とで行われる無線通信の通信方式として、漏洩同軸ケーブル(Leaky Coaxial Cable。以下、「LCX」と略称する。)を用いたLCX通信方式が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
LCX通信方式で用いられるLCXは、一般に、垂直偏波を主な偏波成分とする電波を放射するように構成され、敷設される。そのため、車両側においても、垂直偏波の電波を良好に送受可能なアンテナ(以下、「垂直偏波アンテナ」と称する)が搭載されている。
特開2009−272748号公報
軌道に沿って敷設されているLCXは、経年その他の種々の要因によって、劣化する可能性がある。そのため、通常、適切なタイミングでLCXの状態の診断が行われている。
LCXの状態を診断する方法として、例えば、LCXから放射される垂直偏波の電波の受信強度を測定し、その測定結果に基づいて異常の有無を診断する方法が知られている。
しかし、LCXから放射される電波の受信強度は、LCXに電力を供給する信号源からの距離やLCXの敷設環境などによってばらつきがある。また、同じ測定位置であっても測定タイミング(例えば測定日)によってもばらつきが生じることがある。そのため、これらのばらつきを考慮して異常の有無を診断する必要があり、高い精度で診断することが難しい。
本開示の1つの局面は、軌道に沿って敷設されたLCXの状態を容易且つ高精度で診断できるようにすることを目的とする。
本開示の1つの局面は、漏洩同軸ケーブルの状態を診断する状態診断装置である。漏洩同軸ケーブルは、軌道に沿って敷設され、信号源から供給される電力に基づいて電波を放射する。状態診断装置は、垂直偏波アンテナと、水平偏波アンテナと、比算出部と、診断情報生成部とを備える。
垂直偏波アンテナは、漏洩同軸ケーブルから放射される垂直偏波の電波を受信するように構成されている。水平偏波アンテナは、漏洩同軸ケーブルから放射される水平偏波の電波を受信するように構成されている。ここで、垂直偏波アンテナで受信された電波の電界強度を垂直偏波強度、水平偏波アンテナで受信された電波の電界強度を水平偏波強度とする。比算出部は、垂直偏波強度と水平偏波強度の比である電界強度比を算出するように構成されている。診断情報生成部は、比算出部により算出された電界強度比に基づき、漏洩同軸ケーブルの状態を示す診断情報を生成するように構成されている。
このような構成によれば、垂直偏波強度と水平偏波強度の比、即ち電界強度比が算出される。そして、その算出された電界強度比に基づく診断情報が生成される。そのため、生成された診断情報を用いることで、漏洩同軸ケーブルから放射される電波の電界強度比に基づいて漏洩同軸ケーブルの状態を診断することができ、これにより、LCXの状態を容易且つ高精度で診断することが可能となる。
診断情報生成部は、比算出部により算出された電界強度比が正常な値であるか否か判断し、その判断結果を示す情報を診断情報として出力するように構成されていてもよい。このような構成によれば、診断情報生成部により生成された診断情報に基づいて、漏洩同軸ケーブルが正常であるか否かを容易に知ることができる。
比算出部は、漏洩同軸ケーブルの敷設方向に沿った異なる複数の診断位置毎に、当該診断位置における電界強度比を算出するように構成されていてもよい。その場合、診断情報生成部は、複数の診断位置における各電界強度比を母集団とする、各電界強度比の偏差値を算出し、その算出した各偏差値に基づいて診断情報を生成するように構成されていてもよい。
このような構成によれば、仮に、測定を行う度に測定条件に変化が生じて、漏洩同軸ケーブルの状態が変わっていないにもかかわらず算出される電界強度比の絶対値が測定毎に異なっても、偏差値に換算されることで、その絶対値の相違の影響を抑えることができる。つまり、測定条件にかかわらず、測定毎に、高精度の診断情報を得ることができる。
本発明の別の1つの局面は、漏洩同軸ケーブルの状態を診断する状態診断方法である。この状態診断方法は、漏洩同軸ケーブルから放射される垂直偏波の電波を受信することと、漏洩同軸ケーブルから放射される水平偏波の電波を受信することと、受信した垂直偏波の電波の電界強度を垂直偏波強度、受信した水平偏波の電波の電界強度を水平偏波強度として、垂直偏波強度と水平偏波強度の比である電界強度比を算出することと、算出した電界強度比に基づき、漏洩同軸ケーブルの状態を示す診断情報を生成することと、を備える。
このような状態診断方法によれば、前述の状態診断装置と同様、漏洩同軸ケーブルから放射される電波の電界強度比に基づいて漏洩同軸ケーブルの状態を診断することができ、これにより、LCXの状態を容易且つ高精度で診断することが可能となる。
実施形態の通信システムの概略構成を示す説明図である。 LCXの構成を示す説明図である。 垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナの配置状態を示す説明図である。 水平偏波強度の測定結果の一例を示す説明図である。 状態診断処理のフローチャートである。 垂直偏波強度及び水平偏波強度の測定結果の一例を示す説明図である。 電界強度差の算出結果の一例を示す説明図である。 図7の電界強度差を偏差値に換算した例を示す説明図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1−1)通信システムの構成
図1に示す本実施形態の通信システムは、軌道200を走行する各種車両と地上側システム110との間でLCX通信方式により無線通信を行うことが可能に構成されている。図1には、軌道200を計測車両10が走行している状態が示されている。
軌道200は、例えば、2本のレールを備え、そのレール上を車両が走行できるように構成されている。つまり、本実施形態の軌道200は、鉄道車両が走行できるように構成されている。図1に示す計測車両10は、営業運転で用いられる営業車両ではなく、各種計測を行うための各種機器が搭載された車両である。
なお、軌道200が、2本のレールを備えた構成であることは、あくまでも一例であり、軌道200の具体的構成、延いては軌道200を走行可能な車両の種類は、特に限定されるものではない。例えば、軌道200は、地面或いは側壁に電磁コイルが敷設された、磁気浮上式鉄道車両用の軌道であってもよい。また例えば、軌道200は、いわゆる新交通システムにおける案内軌条を備えた軌道であってもよい。
本実施形態の通信システムは、図1に示すように、地上側における電波を送受信する設備として、LCX100を備える。LCX100は、軌道200に沿って(即ち、図中z軸方向に沿って)延設されている。
LCX100の具体的構成は、図2に示す通りである。図2に示すように、LCX100は、内部導体101と、絶縁体102と、外部導体103と、シース104とを備える。そして、外部導体103に、LCX100の軸方向(即ちz軸方向)に沿って、複数のスロット106a、106bが一定間隔で形成されている。具体的に、第1スロット106aと第2スロット106bが、軸方向に沿って交互に形成されている。同じ1つのLCX100における第1スロット106aと第2スロット106bは、大きさ及び形状は同じであるが、傾きが異なる。つまり、本実施形態のLCX100は、いわゆるジグザグスロット型のLCXである。
LCX100に対して信号源111から送信用の電力が供給されると、LCX100の各スロット106a,106bから、電波が放射される。各スロット106a,106bから放射される電波には、垂直偏波と水平偏波が含まれている。つまり、LCX100から放射される電波は垂直偏波と水平偏波の各成分の合成波である。
なお、垂直偏波とは、偏波面(即ち電界の方向)が地面に垂直となる偏波であり、より具体的には、図1及び図2において、偏波面がxy面に平行な偏波である。一方、水平偏波とは、偏波面が地面に平行となる偏波であり、より具体的には、図1及び図2において、偏波面がyz面に平行な偏波である。
LCX100が正常である場合は、垂直偏波の電界強度Eφ(以下、「垂直偏波強度Eφ」と称する)の方が水平偏波の電界強度Ez(以下、「水平偏波強度Ez」と称する)よりも大きい。つまり、LCX100から放射される電波の主偏波成分は通常は垂直偏波である。そのため、LCX方式で無線通信を行う車両は、通常、垂直偏波を良好に送受信可能な垂直偏波アンテナを搭載し、その垂直偏波アンテナを用いて無線通信を行っている。なお、垂直偏波強度Eφは、図2に示すように、XY面に平行な電界成分のうち、特に、z軸を軸とした周方向の電界成分の強度である。
LCX100は、その両端のうち一方の第1端側に信号源111が接続され、両端のうち第2端側に終端抵抗が接続される。そのため、信号源111からLCX100の第1端側に入力された電力は、第2端側へ伝送されていき、その伝送の過程で、外部へ電波として放射される。
なお、本実施形態では、より詳しくは、LCX100の敷設方法として、グレーディング方式が採用されている。即ち、図1では図示を省略しているが、実際には、複数(例えば3本)のLCX100が直列接続されている。その直列接続された複数のLCX100をまとめてLCXユニットと称することとする。LCXユニットの両端のうち第1端には、信号源111が接続されている。つまり、信号源111からLCXユニットの第1端に電力が給電される。LCXユニットの両端のうち第2端には、終端抵抗が接続される。図1は、LCXユニットが備える複数のLCX100のうち最も信号源111に近いLCX100が図示されている。
LCXユニットの第1端に入力された電力は、第1端から第2端へ伝送される。その伝送される電力の一部が、各スロット106a,106bから漏洩することで、各スロット106a,106bから電波が放射される。
なお、複数のLCXユニットが直列接続され、隣接するLCXユニットの相互間に伝送電力を増幅する増幅器が設けられ、複数のLCXユニットの終端側に終端抵抗が接続されていてもよい。
LCX100は、信号源111からの給電電力に基づく電波の放射を行う送信機能だけでなく、軌道200を走行する車両から送信される電波を受信して地上側システム110へ伝送する受信機能も備えているのだが、受信機能についての説明は省略する。
地上側システム110は、信号源111を備える。地上側システム110は、信号源111のほか、軌道200を走行する各種車両とデータ通信を行うための各種の機器を備えている。地上側システム110は、走行中の車両へデータを送信する際は、送信するデータを含む送信信号を信号源111からLCX100へ出力する。これにより、送信信号がLCX100から電波にて放射される。また、走行中の車両から送信されてLCX100で受信された受信信号は、地上側システム110へ伝送され、地上側システム110において各種処理が行われる。
計測車両10の側面には、図1及び図3に示すように、少なくとも2つの窓11,12が設けられている。また、計測車両10には、図1及び図3に示すように、垂直偏波アンテナ21と、水平偏波アンテナ22と、LCX診断装置30とが搭載されている。
垂直偏波アンテナ21は、垂直偏波を受信するために配置され、水平偏波アンテナ22は、水平偏波を受信するために配置されている。本実施形態では、垂直偏波アンテナ21及び水平偏波アンテナ22はいずれもダイポールアンテナである。
垂直偏波アンテナ21は、第1窓11に面するよう、即ち垂直偏波アンテナ21全体が車外から第1窓11を介して見えるように配置されている。また、垂直偏波アンテナ21は、垂直偏波を良好に受信して水平偏波の受信が抑えられるよう、アンテナ素子の長さ方向が、LCX100からの垂直偏波の偏波面と平行になるよう、且つxz面に対しても平行となるように配置されている。
水平偏波アンテナ22は、第2窓12に面するよう、即ち水平偏波アンテナ22全体が車外から第2窓12を介して見えるように配置されている。また、水平偏波アンテナ22は、水平偏波を良好に受信して垂直偏波の受信が抑えられるよう、アンテナ素子の長さ方向が、LCX100からの水平偏波の偏波面と平行になるよう、且つxz面に対しても平行となるように配置されている。
本実施形態では、垂直偏波アンテナ21及び水平偏波アンテナ22が、各給電点の地面からの高さが同じになるよう、且つ、各給電点とLCX100との距離(即ち、y軸方向の距離)が同じになるように、配置されている。
垂直偏波アンテナ21及び水平偏波アンテナ22は、それぞれ、同軸ケーブルによってLCX診断装置30と接続されている。垂直偏波アンテナ21及び水平偏波アンテナ22で受信された受信信号は、それぞれ、LCX診断装置30に入力される。
LCX診断装置30は、垂直偏波アンテナ21及び水平偏波アンテナ22で受信された受信信号の電界強度に基づいて、LCX100の異常を検知するように構成されている。
LCX診断装置30には、垂直偏波アンテナ21及び水平偏波アンテナ22からの受信信号のほか、LCX100の異常を検知するために用いられる各種情報が入力される。例えば、計測車両10には、軌道200における当該計測車両10の位置を検出する位置検出装置が搭載されており、この位置検出装置により検出された位置を示す位置情報がLCX診断装置30に入力される。本実施形態では、位置情報として、例えば、特定の基準位置を起点としたいわゆるキロ程が検出される。
(1−2)LCX診断装置30による状態診断処理
LCX100は、経年あるいはその他の種々要因によって劣化すると、正常時に比べて水平偏波強度Ezが大きくなることがある。劣化によって水平偏波強度Ezが大きくなる主な原因の1つとして、外部導体103に周方向の亀裂が入ることが挙げられる。
LCX100の外部導体103に周方向の亀裂が入ると、垂直偏波強度Eφは正常時から変化しないか若しくは変化したとしてもその変化量が小さいのに対し、水平偏波強度Ezは、正常時よりも大きくなる。垂直偏波強度Eφの変化量に対して水平偏波強度Ezの増加量が非常に大きいため、相対的に見れば、水平偏波強度Ezのみが正常時よりも大きくなると見なせる。
そのため、LCX100が劣化して水平偏波強度Ezが大きくなると、垂直偏波の電界強度Eφと水平偏波強度Ezとの比Eφ/Ez(以下、「電界強度比」と称する)は、正常時よりも小さくなる。なお、以下の説明において、LCXについて「劣化」とは、特にことわりの無い限り、電界強度比が小さくなるような異常が生じることを意味する。
ここで、電界強度及び電界強度比の単位系について補足説明する。上記の電界強度比Eφ/Ezは、垂直偏波強度Eφ及び水平偏波強度EzがいずれもV/mの単位で表されていることを前提としている。これに対し、垂直偏波強度Eφを対数換算した値を垂直偏波強度Eφd、水平偏波強度Ezを対数換算した値を水平偏波強度Ezdとしたとき、前述の電界強度比を対数で表すと、Eφd[dBm]とEzd[dBm]との差(以下、「電界強度差」と称する)で表される。
つまり、本実施形態では、電界強度比とは、V/mの単位で表される垂直偏波強度Eφと水平偏波強度Ezの比率を意味し、電界強度差とは、dBmの単位即ち対数で表される垂直偏波強度Eφdと水平偏波強度Ezdの差を意味する。電界強度比及び電界強度差はいずれも、言うまでも無く、単位系が異なるだけであって、これらが示す数値の物理的意味は同じである。
そのため、どちらの単位系で評価してもよいのであるが、本実施形態における以下の説明では、特にことわりの無い限り、垂直偏波強度及び水平偏波強度を、対数単位で表す。
LCX100が正常である場合、LCX100から放射される電波の電界強度差は、位置にかかわらず(即ち信号源111からの距離にかかわらず)概ね一定範囲のレベルであり、例えば約15dB(電界強度比で表すと例えば約30)前後の範囲の値となる。つまり、正常時は、垂直偏波強度Eφと水平偏波強度Ezは概ね比例している。
これに対し、LCX100における特定の部位が劣化してその部位からの水平偏波強度Ezdが増加すると、水平偏波強度Ezdが垂直偏波強度Eφdに対して相対的に大きくなり、その部位から放射される電波の電界強度差が正常時よりも小さくなる。
LCX診断装置30は、LCX100が劣化するとその劣化部位における電界強度差が正常時よりも小さくなることを利用して、LCX100の異常、具体的にはLCX100の異常を検知する。
なお、LCX100の異常を検知する方法としては、垂直偏波強度Eφdは用いずに水平偏波強度Ezdのみを用いて検知する方法も考えられる。しかし、図4に例示するように、仮にLCX100が正常であっても、LCX100から放射される電波の電界強度は、信号源111からの距離、LCX100の敷設環境、測定タイミング(例えば測定日)などによってばらつきが生じることがある。そのため、水平偏波強度Ezdのみを評価対象として異常の有無を検知する方法では、異常の有無を精度良く検知することが難しい。そのため、本実施形態では、垂直偏波強度Eφdと水平偏波強度Ezdの電界強度差に基づいて、異常の有無を精度良く検知するようにしている。
LCX診断装置30は、制御部31と、記憶部32と、表示部33とを備える。制御部31は、例えば、CPUを有する。記憶部32は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態のLCX診断装置30は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。表示部33は、各種情報を示す画像を表示する。表示部33は、例えば液晶ディスプレイであってもよい。
制御部31は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部32が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。記憶部32には、LCX100の異常を検知するための、後述する図5の状態診断処理のプログラムが、記憶されている。なお、制御部31により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
次に、LCX診断装置30で実行される状態診断処理について、図5を用いて説明する。本実施形態では、状態診断処理を開始させるための所定の実行命令が入力されると、制御部31が、図5に示す状態診断処理を実行する。
制御部31は、図5の状態診断処理を開始すると、S110で、測定地点毎に、垂直偏波強度Eφdと水平偏波強度Ezdとを計測し、その計測結果を記憶部32に記録する。また、計測結果を表示部33に表示させる。
ここで計測する垂直偏波強度Eφdは、具体的には、垂直偏波アンテナ21で受信された電波の電界強度である。また、ここで計測する水平偏波強度Ezdは、具体的には、水平偏波アンテナ22で受信された電波の電界強度である。
測定地点は、適宜決めてよい。例えば、測定地点を予め決めておき、入力される位置情報がその予め決められた測定地点に一致する度に、計測を行うようにしてもよい。また例えば、測定ピッチを予め決めておき、状態診断処理の開始後、計測車両10の走行がその予め決められた測定ピッチだけ進む度に、計測を行うようにしてもよい。本実施形態では、一例として、測定ピッチを2mとし、計測車両10が2m進む度にEφd及びEzdを計測するように構成されている。
また、S110では、測定地点毎に、測定地点の位置を示す測定位置と対応付けて垂直偏波強度Eφd及び水平偏波強度Ezdを記録、表示する。対応づける測定位置は、入力される測定地点の位置情報が示す位置そのままであってもよい。また、入力される位置情報が示す位置と各アンテナ21,22の位置とが軌道方向において所定長ずれている場合は、各偏波強度Eφd、Ezdの記録時、入力される位置情報が示す位置を、垂直偏波アンテナ21の位置、又は水平偏波アンテナ22の位置、又は各アンテナ21,22の近傍の特定の位置に補正し、その補正した位置を測定位置としてもよい。
S120では、測定地点毎に、S110で計測した垂直偏波強度Eφd及び水平偏波強度Ezdに基づき、測定位置における電界強度差を算出して、その算出結果を、測定位置と対応付けて記憶部32に記録する。また、算出結果を表示部33に表示させる。
S130では、測定地点毎に、S120で算出した電界強度差に基づいて、LCX100の異常の有無を判断する。例えば、電界強度差の閾値を設定し、電界強度差が閾値以上の場合は正常と判断し、電界強度差が閾値より低い場合に異常と判断するようにしてもよい。閾値は、実験的あるいは理論的に予め求めておいて、記憶部32に記憶しておくようにしてもよい。
S140では、測定地点毎に、S130の判断結果に基づいて、測定位置における異常有無の判断結果を示す情報を出力する。例えば、異常と判断された測定位置及びその測定位置における各電界強度Eφd、Ezdや電界強度差などの情報を、記憶部32に記憶したり、表示部33に表示させたりする。
なお、図5の状態診断処理は、例えば、計測対象の全走行区間に渡ってまずS110のみを実行し、その走行区間全体における測定地点毎の垂直偏波強度Eφd及び水平偏波強度Ezdが全て計測された後に、S120以降の処理を実行するようにしてもよい。また例えば、測定地点に到達する度に、逐一、S110〜S140の処理を実行して、その測定地点に対応した測定位置におけるLCX100の異常の有無を判断するようにしてもよい。つまり、最終的に計測対象の全区間におけるLCX100の異常の有無を判断できる限り、S120以降の処理を具体的にどのタイミングで行うかについては適宜決めてよい。
S110、S120及びS140で記憶部32に記憶される計測結果や診断情報などの各種情報は、LCX診断装置30とは別の情報処理装置から無線通信又は有線通信にて取得して、その情報処理装置において処理できてもよい。
図6に、S110の処理によって表示される計測結果の一例を示す。図6は、測定位置毎に、垂直偏波強度Eφd及び水平偏波強度Ezdがそれぞれ個別に計測された結果を示している。このような、垂直偏波強度Eφd及び水平偏波強度Ezdそのものからは、LCX100の異常の有無を判断することは難しい。
次に、図7に、S120の処理によって表示される算出結果の一例を示す。図7は、異なる二日の各電界強度差を示している。図7における、第1測定日の測定結果において、例えば、372.61kmあたりで電界強度差が0dBを下回っている。そのため、例えば閾値を0dBに設定しておくことで、LCX100における、測定位置372.61kmに対応した部位又はその近傍で異常が生じていることを検知できる。
図7における第2測定日の測定結果は、第1測定日の検知結果に基づいてLCX100における372.61km近傍の位置を部分的に修繕した後の測定結果である。第2測定日の測定結果から、修繕によって372.61kmの電界強度差が改善されていることがわかる。
ここで、測定結果を偏差値によって評価する方法について補足説明する。本実施形態における、LCX100の異常を検知するための、各アンテナ21,22及びLCX診断装置30を含む測定系は、計測車両10に常設されているわけではなく、必要に応じて計測車両10に運び、架設する。そのため、計測の度に毎回必ず同じ測定条件で測定できるとは限らず、その点で、測定結果のさらなる精度向上が望まれる。
これに対し、測定結果を偏差値に換算し、偏差値で評価することで、測定条件のバラツキによる影響を抑え、より精度良く異常を検知することができる。つまり、例えば異なる測定日のデータを同じ基準で評価することが可能となる。具体的には、1回の測定毎に、その測定区間全体における全測定位置の測定結果を母集団として、その母集団における各測定位置の測定結果を偏差値に換算する。
図8に、図7に示した各日の電界強度差を偏差値に換算した結果を示す。図7においては、測定結果の全体的な傾向は各測定日とも同様であるものの、電界強度差の絶対値は、測定日によって差が生じている。これに対し、図8に示すように偏差値に換算した場合、図7で生じていた各測定日の絶対値のバラツキがキャンセルされ、各測定日いずれも同じ基準値を用いて異常有無を判断することができるようになる。例えば、偏差値30を基準値とし、基準値よりも偏差値が低い測定位置は何らかの異常が生じていると判断できる。
よって、LCX診断装置30は、例えばS130の処理において、電界強度差を偏差値に換算し、その偏差値に基づいて異常の有無を判断するようにしてもよい。そして、S140の処理では、その偏差値に基づく判断結果を示す情報を出力するようにしてもよい。
(1−3)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の(1a)〜(1c)の効果を奏する。
(1a)本実施形態では、LCX診断装置30が、測定位置毎に、垂直偏波強度Eφdと水平偏波強度Ezdとの差、即ち電界強度差を算出し、その算出結果を記憶部32に記憶すると共に表示部33に表示させる。
そのため、LCX100から放射される電波の電界強度差に基づいて漏洩同軸ケーブルの状態を診断することができ、これにより、LCX100の状態を、測定位置毎に、容易且つ高精度で診断することができる。また、測定位置毎の電界強度差に基づいて、異常が発生した場合にその異常が発生した位置を容易に特定することが可能となる。
(1b)本実施形態では、LCX診断装置30が、図5のS130〜S140の処理によって、測定位置毎に、電界強度差に基づいて、LCX100におけるその測定位置に対応した位置が異常か否かまで判断する。そして、その判断結果を示す情報を生成し、例えば記憶部32に記憶したり、表示部33に表示したりする。
そのため、LCX100の状態を、測定位置毎に、正常であるか否かを容易に知ることができる。
(1c)電界強度差を偏差値に換算して評価することで、LCX100の状態を、測定時の測定条件にかかわらず高精度で診断することができる。
なお、本実施形態において、垂直偏波アンテナ21、水平偏波アンテナ22及びLCX診断装置30は、本開示における状態診断装置の一例に相当する。また、LCX診断装置30は、本開示における比算出部及び診断情報生成部の一例に相当し、測定位置は、本開示における診断位置の一例に相当する。S120で算出される電界強度差及びS140で出力される判断結果を示す情報は、本開示における診断情報の一例に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(2−1)LCX診断装置30は、図5に示した状態診断処理のうち一部を実行するように構成されていてもよい。例えば、S110〜S120までLCX診断装置30が実行するようにしてもよい。そして、S120で算出された電界強度差に基づく異常有無の判断などは、LCX診断装置30とは別の装置で行ったり、ユーザ自身が電界強度差に基づいて判断するようにしてもよい。
(2−2)上記実施形態では、各偏波の電界強度及び比率の評価を対数に換算して行ったが、このように対数で評価することは必須ではない。例えば、対数ではなく、各偏波の電界強度をV/mの単位系の値で評価するようにしてもよい。
(2−3)各アンテナ21,22について、ダイポール型アンテナであることはあくまでも一例であり、各アンテナ21,22の具体的種類は適宜決めてよい。垂直偏波アンテナは、少なくとも、水平偏波の受信利得よりも相対的に垂直偏波の受信利得が高いアンテナであればよい。水平偏波アンテナは、少なくとも、垂直偏波の受信利得よりも相対的に水平偏波の受信利得が高いアンテナであればよい。
(2−4)各アンテナ21,22の給電点の高さを揃えることは必須ではない。また、各アンテナ21,22を計測車両10のどこにどのような向きで設置するかについても適宜決めてよい。
(2−5)診断対象のLCXは、ジグザグスロット型のLCXに限定されない。本開示は、放射される電波に垂直偏波と水平偏波が含まれていて、正常時と異常発生時とで電界強度差が変化するようなあらゆるタイプのLCXに対して、適用可能である。
(2−6)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
10…計測車両、11…第1窓、12…第2窓、21…垂直偏波アンテナ、22…水平偏波アンテナ、30…LCX診断装置、31…制御部、32…記憶部、33…表示部、100…LCX、110…地上側システム、111…信号源、200…軌道。

Claims (4)

  1. 軌道に沿って敷設され、信号源から供給される電力に基づいて電波を放射する漏洩同軸ケーブルの劣化状態を診断する状態診断装置であって、
    前記漏洩同軸ケーブルから放射される垂直偏波の電波を受信するように構成された垂直偏波アンテナと、
    前記漏洩同軸ケーブルから放射される水平偏波の電波を受信するように構成された水平偏波アンテナと、
    前記垂直偏波アンテナで受信された電波の電界強度を垂直偏波強度、前記水平偏波アンテナで受信された電波の電界強度を水平偏波強度として、前記垂直偏波強度と前記水平偏波強度の比である電界強度比を算出するように構成された比算出部と、
    前記比算出部により算出された前記電界強度比に基づき、前記漏洩同軸ケーブルの劣化状態を示す診断情報を生成するように構成された診断情報生成部と、
    を備える漏洩同軸ケーブルの状態診断装置。
  2. 請求項1に記載の漏洩同軸ケーブルの状態診断装置であって、
    前記診断情報生成部は、前記比算出部により算出された前記電界強度比が正常な値であるか否か判断し、その判断結果を示す情報を前記診断情報として出力するように構成されている、漏洩同軸ケーブルの状態診断装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の漏洩同軸ケーブルの状態診断装置であって、
    前記比算出部は、前記漏洩同軸ケーブルの敷設方向に沿った異なる複数の診断位置毎に、当該診断位置における前記電界強度比を算出するように構成されており、
    前記診断情報生成部は、前記複数の診断位置における各前記電界強度比を母集団とする、各電界強度比の偏差値を算出し、その算出した各偏差値に基づいて前記診断情報を生成するように構成されている、
    漏洩同軸ケーブルの状態診断装置。
  4. 軌道に沿って敷設され、信号源から供給される電力に基づいて電波を放射する漏洩同軸ケーブルの劣化状態を診断する状態診断方法であって、
    前記漏洩同軸ケーブルから放射される垂直偏波の電波を受信することと、
    前記漏洩同軸ケーブルから放射される水平偏波の電波を受信することと、
    受信した前記垂直偏波の電波の電界強度を垂直偏波強度、受信した前記水平偏波の電波の電界強度を水平偏波強度として、前記垂直偏波強度と前記水平偏波強度の比である電界強度比を算出することと、
    算出した前記電界強度比に基づき、前記漏洩同軸ケーブルの劣化状態を示す診断情報を生成することと、
    を備える漏洩同軸ケーブルの状態診断方法。
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